説明

ライナープレート付設用足場設置装置

【課題】ライナープレートの壁面脇の最適な位置に足場を設置することができ、ライナープレートの内外に足場を設置する場合に共通に利用できるライナープレート付設用足場設置装置を提供する。
【解決手段】ライナープレートの上端部に取り付けられる第1の構成部材(構成部材21)と、この第1の構成部材に位置調整可能に固定されて足場板を設置可能とする第2の構成部材(構成部材9)とから構成される。第1の構成部材(構成部材21)は、ライナープレートの上端部に係止固定させる係止固定部25と、位置調整部22と、ポール装着部28とを備え、第2の構成部材(構成部材9)は、位置調整部22に着脱可能に固定される基体部10と、この基体部10に設けられてライナープレートから離れる方向へ突出して足場板を載置可能とする張出部13と、この張出部13の突出方向先端に設けられるポール装着部16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ライナープレートに付設されてライナープレートの壁面脇に足場を設置するために有用な足場設置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力業界において、鉄塔などの高い構造物を山の斜面に設置するにあたり、例えば特許文献1乃至4に示されるように、ライナープレートを土留め等の基礎工事で利用するようにしており、従来では、傾斜のきつい山の斜面に構造物を設置しようとする場合に、予め山の斜面を整地して平坦にし、その上で構造物の設置場所に立坑を掘削してライナープレートを配置するようにしていたが、近年においては、構造物の設置工事コストの削減及び自然環境の保護等の見地から、傾斜のきつい斜面に対してもそのまま立坑を掘削してライナープレートを配置するようにしている。
【0003】
このようなライナープレートを配置した坑内での作業を円滑にするための足場の構造については、前記特許文献1乃至3に示されるような作業台、工事用足場、作業足場が公知となっている。
また、前記特許文献4に示されるように、ライナープレートの最上部にタラップ用踊り場を設置する場合に、ライナープレートの坑内に配置される足場以外に、ライナープレートの外側にも作業員が足場に昇降するためのステップを配置するようにした構成も公知となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−54644号公報
【特許文献2】実開平6−87557号公報
【特許文献3】特開平3−81460号公報
【特許文献4】実用新案昇録第3132147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、傾斜のきつい斜面に設けた立坑にライナープレートを配置する場合においては、斜面の低い側ではライナープレートが大きく露出するので、計測作業や写真撮影作業等の安全性を確保する見地からライナープレートの露出した側の外側壁面にも足場を設置することが要望されている。この点、従来の特許文献1乃至3に示す作業台、工事用足場、作業足場の構造では、ライナープレートの坑内側の壁面に足場等を設置する構成であるため、ライナープレートの外側に設けるにあたってはそのまま採用することは困難である。
【0006】
また、特許文献4に示すタラップ用踊り場の構造では、ステップはその支持板をライナープレートの最上部のフランジに支持させ、その上に蝶番を重ね合わせてボルト及びナットで固定するものであるが、ライナープレートの立坑からの露出寸法が大きくなる斜面の低い側では用いることができず、またライナープレートの外周の所定範囲に亘って足場を配置したい場合には対応することができないという不都合がある。
【0007】
さらに、作業員が足場に対して昇降するための梯子や昇降用手摺りを必要に応じて兼ね備えることができれば、ライナープレートへ足場を設定するための種々の器具の設置時間が全体的に短縮化され、複数の器具を共通化することによりコストの削減も図ることができる。
【0008】
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、ライナープレートの壁面脇に足場を設置可能とするもので、しかも、ライナープレートの最上部から地表までの露出寸法に差異があっても最適な位置に足場を設置することができ、更にライナープレートの内外を問わずに足場を設置する場合に利用でき、またライナープレートの坑内への出入りや足場に対する昇降に対して昇降を補助する機能を持たせることもできるライナープレート付設用足場設置装置を提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するために、本発明に係るライナープレート付設用足場設置装置は、立設されたライナープレートの上端部に取り付けられる第1の構成部材とこの第1の構成部材に位置調整可能に固定されて足場板を設置可能とする第2の構成部材とを有して構成される足場設置装置であって、前記第1の構成部材は、前記ライナープレートの上端部に係止固定させる係止固定部と、上下に延設されて前記ライナープレートの壁面に当接すると共に前記第2の構成部材との固定位置を上下方向に調整可能とする位置調整部と、前記係止固定部に近接して設けられ、ポールを装着可能とするポール装着部とを備え、前記第2の構成部材は、前記ライナープレートの壁面に沿って上下に延設され、前記位置調整部に着脱可能に固定される基体部と、この基体部に設けられ、前記ライナープレートから離れる方向へ突出して前記足場板を載置可能とする張出部と、この張出部の突出方向先端に設けられ、ポールを装着可能とするポール装着部とを備えることを特徴としている。
【0010】
ここで、張出部は、基体部から略垂直に突出するメインフレームとこのメインフレームを支持するサブフレームとから構成するようにしても、基体部から略垂直に突出するフレーム材のみで構成するようにしてもよい。
【0011】
したがって、このようなライナープレート付設用足場設置装置によれば、第1の構成部材により第2の構成部材をライナープレートの壁面脇において上下位置を調節して固定すれば、第2の構成部材の張出部が所望の高さにおいてライナープレートから離れる方向へ突出して足場板を載置させることができるので、このような足場設置装置を複数取り付けることで、ライナープレートの壁面脇において、張出部間に足場板を載置してライナープレートの周方向に足場を設置することが可能となる。
【0012】
ここで、第1の構成部材の位置調整部に上下方向に複数の通孔を形成し、第2の構成部材の基体部に形成された通孔と前記位置調整部の任意の通孔とを整合させて、整合させた両通孔に固定具を挿着させることで基体部を位置調整部に着脱可能に固定するようにしてもよい。
【0013】
このような構成によれば、第2の構成部材の張出部に対し足場板を載置させるにあたり、足場の高さを足場板が傾斜面に当たらないように調整することができ、しかも、隣り合う足場設置装置同士では一方の第2の構成部材の張出部の高さを他方の第2の構成部材の張出部の高さよりも上下にずらすことで、足場板の端同士が重なるような場合でも足場板が斜めになることが回避される。
【0014】
以上の構成の具体的態様としては、第1の構成部材の係止固定部を、位置調整部の上部においてライナープレートの上端部のフランジに係止可能に突設された当接部と、この当接部の先端からライナープレートの壁面に沿って下方へ延び、位置調整部と共にライナープレートを挟持する差し込み部とを有して構成し、前記当接部を前記フランジに固定手段にて固定させる構成が考えられる。
【0015】
このような構成においては、第1の構成部材の位置調整部を、上下に延設される長尺かつ平板状に形成し、第2の構成部材の基体部を、位置調整部に重ね合わせ可能に上下に延設された長尺かつ平板状に形成してもよい。
【0016】
また、他の具体的態様としては、第1の構成部材の係止固定部を、前記位置調整部の上部においてライナープレートの上端部のフランジに係止可能に突設された当接部により構成し、この当接部を前記フランジに固定手段にて固定させるようにしてもよい。
【0017】
このような構成においては、第1の構成部材の位置調整部を、上下に延設された対をなすガイド板によって構成し、第2の構成部材の基体部を、前記ガイド板間に上下に摺動可能に収容される角材によって構成するとよい。
【0018】
更に、本発明に係るライナープレート付設用足場設置装置は、第1及び第2の構成部材がライナープレートに対して複数装着され、隣り合う2つの第2の構成部材のポール装着部に、対をなすポールとこれらポール間に架設された昇降用足場とを有して構成された梯子の前記ポールを装着させるようにしてもよく、第1及び第2の構成部材が前記ライナープレートに対して複数装着され、隣り合う2つの第1の構成部材の前記ポール装着部に、ポールを連結して構成された対をなす昇降用手摺りの前記ポールを装着させるようにしてもよい。ここで、梯子や昇降用手摺りのポールは、第2の構成部材のポール装着部に予め固定されるものであっても、着脱可能に装着されるものであってもよい。
【0019】
これらの構成により、ライナープレートの壁面脇に設置される足場に対して昇降する場合に昇降用足場を備えた梯子を利用することができ、また、ライナープレートの壁面脇の足場からライナープレートを跨いで反対側へ移動し、又はその逆の動作をする場合には昇降用手擦りを利用することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、ライナープレート付設用足場設置装置を、ライナープレートの上端部に取り付けられる第1の構成部材とこの第1の構成部材に位置調整可能に固定される第2の構成部材とを有して構成し、第1の構成部材を、ライナープレートの上端部に係止固定させる係止固定部と、上下に延設されてライナープレートの壁面に当接する位置調整部と、係止固定部に近接して設けられるポール装着部とを備えて構成し、また、第2の構成部材を、ライナープレートの壁面に沿って上下に延設され、前記位置調整部に着脱可能に固定される基体部と、この基体部から突出して足場板を載置可能とする張出部と、この張出部の突出方向先端に設けられたポール装着部とを備えて構成するようにしたので、このような第1及び第2の構成部材を、ライナープレートに2つ以上設置することで、ライナープレートの外側または内側のいずれに対しても壁面脇に任意の高さの足場を載置することが可能となる。
【0021】
また、足場設置装置を構成する第2の構成部材の張出部に対して足場を載せるにあたり、ライナープレートの最上部から足場までの寸法を足場板が傾斜面に当たらないように調整することができ、しかも、隣り合う足場設置装置同士では張出部を相対的に上下にずらすことが可能となるので、一方の張出部の高さを他方の張出部の高さよりも低くすることにより、足場の端同士が重なるために足場が斜めになって作業環境が悪くなることを回避することが可能となる。
さらに、第1の構成部材と第2の構成部材には、それぞれポール装着部が設けられているので、手摺り用のポールを設置することが可能となり、足場に乗って作業する者が転落する危険性を回避することが可能となる。
【0022】
特に、第1の構成部材の係止固定部を、ライナープレートの上端部のフランジに係止可能に突設された当接部と、この当接部の先端からライナープレートの壁面に沿って下方へ延びて、位置調整部と共にライナープレートを挟持する差し込み部とを有して構成し、当接部をライナープレートのフランジに固定手段にて固定するようにすれば、固定手段による固定が緩い場合や固定手段による固定を失念した場合でも脱落する恐れがない固定が可能となり、また、第1の構成部材の位置調整部を、上下に延設される長尺かつ平板状に形成し、第2の構成部材の基体部を、位置調整部に重ね合わせ可能に上下に延設された長尺かつ平板状に形成することで、簡易な構造とすることが可能となる。
【0023】
また、特に、第1の構成部材の係止固定部を、位置調整部の上部においてライナープレートの上端部のフランジに係止可能に突設された当接部により構成し、当接部をフランジに固定手段にて固定するようにすれば、フランジへの固定構造を簡易な構造とすることができ、また、第1の構成部材の位置調整部を、上下に延設された対をなすガイド板によって構成し、第2の構成部材の基体部を、ガイド板間に上下に摺動可能に収容される角材によって構成することで、第1の構成部材に対して第2の構成部材を上下にスライドさせて固定させることができるので、第1の固定部材と第2の固定部材との固定作業が容易となり、また、対をなすガイド板で第2の固定部材の基体部が固定されるので、強固な固定構造を得ることが可能となる。
【0024】
さらに、第1及び第2の構成部材をライナープレートに対して複数装着し、隣り合う2つの第2の構成部材のポール装着部に、対をなすポールとこれらポール間に架設された昇降用足場とを有して構成された梯子の前記ポールを装着させることで、ライナープレートの壁面脇の足場に対して昇降する場合には、この梯子を利用することができ、また、第1及び第2の構成部材をライナープレートに対して複数装着し、隣り合う2つの第1の構成部材のポール装着部に、ポールを連結して構成された対をなす昇降用手摺りの前記ポールを装着させることで、ライナープレートの壁面脇の足場からライナープレートを跨いで反対側へ移動し、又はその逆の動作をする場合には昇降用手擦りを利用することが可能となり、梯子や昇降用手摺りを設けるために足場設置装置の構成部材を利用することができるので、ライナープレートへの設置時間が全体的に短縮化され、器具の共通化によりコストの削減も図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、この発明に係るライナープレート付設用足場設置装置の第1の構成例を示す図であり、ライナープレート付設用足場設置装置をライナープレート外側の壁面脇に取り付けた状態を示す断面図である。
【図2】図2は、同上のライナープレート付設用足場設置装置を構成する第1の構成部材及び第2の構成部材を示す斜視図である。
【図3】図3(a)は、同上のライナープレート付設用足場設置装置を複数に取り付けて、各ライナープレート付設用足場設置装置間に足場を載置した状態を示す平面図であり、図3(b)は、ライナープレートを示す図である。
【図4】図4は、ポール装着部に取り付けられる付属部材の取付例を示す斜視図である。
【図5】図5は、同上のライナープレート付設用足場設置装置の変形例を示す断面図である。
【図6】図6は、この発明に係るライナープレート付設用足場設置装置の第2の構成例を示す図であり、ライナープレート付設用足場設置装置をライナープレート外側の壁面脇に取り付けた状態を示す図である。
【図7】図7は、図6のライナープレート付設用足場設置装置を構成する第1の構成部材及び第2の構成部材を示す斜視図である。
【図8】図8(a)は、構成部材の係止固定部の当接部がライナープレートの上端のフランジに係止されている状態を示す斜視図であり、図8(b)は基体部の下部の調整ボルトがライナープレートの壁面に当接している状態を示す斜視図である。
【図9】図9は、図6のライナープレート付設用足場設置装置の張出部の高さを調整する範囲を説明する図であり、(a)は張出部を最も上に設置した状態を示す側面図、(b)は張出部を最も下に設置した状態を示す側面図である。
【図10】図10は、図6のライナープレート付設用足場設置装置をライナープレートに複数取り付け、各ライナープレート付設用足場設置装置間に足場板を載置した状態を示す平面図であり、(a)はライナープレートの外側壁面脇に足場を設置した状態を示す図であり、(b)はライナープレートの内側壁面脇に足場を設置した状態を示す図である。
【図11】図11は、ライナープレートに取り付けられた足場設置装置を用いて、足場板を水平に設置する例について説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0027】
図1から図3において、この発明に係るライナープレート付設用足場設置装置1の第1の実施例が示されている。このライナープレート付設用足場設置装置1は、図1に示されるように、傾斜面2に設置された仮設構造物3を構成するライナープレート4の壁面脇に沿って足場を設置するのに好適なもので、図2に示されるように、構成部材9と構成部材21とを組み合わせることにより形成されている。
【0028】
ライナープレート4は、坑内の仮設用土留め材等として用いられるそれ自体公知のもので、図3(a)に示されるような円形立杭に利用するライナープレート4であれば、図3(b)に示されるように、正面視が矩形で平面視が円弧状(C形)の薄鋼板を波付け加工してコルゲート状に形成すると共に四辺に組立用のフランジ4a〜4dを設けて構成されている。この例では、上下両端部に設けられるフランジ(周方向フランジ4a,4b)は波付き薄鋼板と一体的に設けられ、左右両端部に設けられるフランジ(軸方向フランジ4c,4d)は鋼帯を波付き薄鋼板の側面に溶接して形成されている。これらフランジ(軸方向フランジ及び周方向フランジ4a〜4d)のそれぞれには、複数の連結用ボルト孔5が穿設され、上下左右方向にライナープレート4をフランジ同士で突き合わせて連結用ボルト孔5を介してボルト接合することで(図1に示されるように、連結用ボルト孔5にボルト7を挿通させてこのボルト7にナット8を螺合して締め付けることで)円筒状の仮設構造物3を組み立てることができるようになっている。
【0029】
即ち、例えば、ライナープレート4が8分の1円弧状(C形)に形成されている場合には、円形立杭用の円筒状仮設構造物を形成するために、8つのライナープレート4を周方向に順次組み付けて筒状体6とし、この筒状体6をその軸方向に多段に積み重ねて所望の高さに設定する。ここで、鉄塔基礎工事で用いられる立坑の一般的な直径寸法は、2m〜4mであり、ライナープレート4の軸方向に沿った幅は約50cmとなっている。
【0030】
このうち、ライナープレート付設用足場設置装置1の構成部材21は、図2に示されるように、ライナープレート4の上端部に係止固定させる係止固定部25と、位置調整部22と、係止固定部25の近傍に設けられたポール装着部28とを有して構成されている。
【0031】
このうち、位置調整部22は、ライナープレート4の壁面に上下方向の広い範囲で接することができる厚みの薄い平板状に形成され、その表面には、長手方向に所定の間隔で穿設された複数(この実施例では6個)の通孔23が形成されている。位置調整部22の下端にはライナープレート4側に延びる係止片24が延びており、ライナープレートの壁面に形成される凹部に差し込み可能となっている。
【0032】
係止固定部25は、位置調整部22の上端からライナープレート4に対して厚み方向に沿って延び、ライナープレート4の上端部のフランジ4aに係止可能に突設された当接部25aと、この当接部25aの先端からライナープレート4の壁面に沿って下方へ延びる差し込み部25bとにより構成されている。当接部25aの長さは、ライナープレート4のフランジ4aの幅と略同じであることが好適である。この当接部25aには、ライナープレート4の頂部のフランジ4aに載置した際にフランジ4aの連結用ボルト孔5と連通する通孔26が形成されている。また、差し込み部25bの下端部には、ライナープレート4側に延びる係止片27が延びており、ライナープレート4の壁面に形成された凹部に差し込み可能となっている。この係止片27は、図1に示されるように、位置調整部22をライナープレート4の外側壁面に当接させるように設置する場合には、位置調整部22の係止片24が差し込まれる外側壁面の凹部に対し、ライナープレート4の軸方向(この実施例では上側)にずれた位置にある内側壁面の凹部に差し込まれている。
【0033】
ポール装着部28は、位置調整部22の上端、即ち、位置調整部22のライナープレート4が当接する側とは反対側の面に固定された基台28aと、この基台28aの上部に固定されたポール装着用パイプ28bとで構成されており、このポール装着用パイプ28b及び基台28aにポール30を上方から挿入して側方に設けられたポール固定用ボルト29を締め付けることによりポール30をポール装着部28に着脱可能に固定するようにしている。
【0034】
尚、装着されるポール30が安全ロープ等を取り付けるためのポールである場合には、先端部にロープ等の紐状部材38(図3に示す)を挿通させる貫通孔31を備えたポールを用いるとよい。また、ポール30は、ポール装着用パイプ28b等に対して着脱可能に取り付けられる構成が望ましいが、あらかじめポール装着用パイプ28b等に固装されているものであっても良い。
【0035】
これに対して、ライナープレート付設用足場設置装置1の構成部材9は、図2に示されるように、基体部10と張出部13とポール装着部16とにより構成されている。
【0036】
基体部10は、上下に延びる長尺かつ厚みの薄い平板状のもので、その長手方向の上端近傍から中程にかけて複数(この実施例では6個)の通孔11が形成され、また、その長手方向の下端にはライナープレート4の壁面の凸状部と係合可能な係合部12が形成されている。この例において、係合部12は、基体部10から斜め上方に向けて延びる延出片12aと基体部10から斜め下方に向けて延びる延出片12bとから構成されている。尚、基体部の通孔11は、位置調整部22の通孔23と同じ内径寸法を有し、同じピッチに形成されている。
【0037】
また、張出部13は、基体部10の通孔11と係合部12との間に位置する部位から略垂直にライナープレートから遠ざかる方向へ張り出し、上方に平坦な足場設置面14aを有するメインフレーム14と、基体部10の下端から係合部12が設けられた側とは反対側に斜め上方へ張り出すサブフレーム15とを備え、メインフレーム14に後述する足場板を載せ、サブフレーム15に補強用支持体としての役割を持たせている。尚、メインフレーム14の強度が十分であればサブフレーム15は設けなくても良い。
【0038】
ポール装着部16は、張出部13のメインフレーム14及びサブフレーム15の双方の先端部が連接される基台16aと、この基台16aから基体部10の延出方向、すなわちライナープレート4の軸方向に沿って延びるポール装着用パイプ16bとで構成されており、このポール装着用パイプ16b及び基台16aにポール18を挿入して側方に設けられたポール固定用ボルト17を締め付けることによりポール18をポール装着部16に固定するようにしている。
【0039】
尚、装着されるポール18が安全ロープを取り付けるためのポールである場合には、先端部にロープ等の紐状部材37(図3に示す)を挿通させる貫通孔19を備えたポールを用いるとよい。また、ポール18は、ポール装着用パイプ16b等に対して着脱可能に取り付けられる構成が望ましいが、あらかじめポール装着用パイプ16b等に固装されているものであっても良い。
【0040】
以上の構成部材を用いて、図1に示すような仮設構造物3の傾斜面下側のライナープレートの外側壁面脇に上述したライナープレート付設用足場設置装置1を用いて足場を設置する場合には、以下のような作業を行えばよい。
【0041】
まず、構成部材21を、係止片24と係止片27との間を若干開いた状態にしつつ、仮設構造物3の開口側(ライナープレート4の上方)から、当該ライナープレート4を挟持するかたちで、当接部25aがライナープレート4の頂部のフランジ4aに突当するまで降ろしていく。これにより、係止片24と係止片27とは、復元力等によりライナープレート4の外側壁面の凹部と内側壁面の凹部に差し込まれて確実に係合され、構成部材21の脱落が防止される。
【0042】
次に、構成部材21を、ライナープレート4の周方向に沿って動かし、所望の位置に近いフランジ4aの連結用ボルト孔5に当接部25aの通孔26を連通させ、ボルト7を上側から両孔26、6に挿通させてナット8を螺合させて締め付ける。これにより、構成部材21がライナープレート4の周方向に沿って不用意に動くことが防止される。しかも、構成部材21とライナープレート4とを固定するボルト7及びナット8は、ライナープレート4同士を固定するボルト7とナット8とを用いることができるため、部品の共通化を図ることが可能となる。
【0043】
更に、構成部材9の基体部10の係合部12をライナープレート4の外側壁面の凸部に係合させ、更には、位置調整部22の通孔23がライナープレート4の外側壁面の凸部で塞がれない条件を満たすように、基体部10の通孔11と位置調整部22の通孔23とをそれぞれ選択し、選択された基体部10の通孔11と位置調整部22の通孔23とが互いに連通するように構成部材9の基体部10を構成部材21の位置調整部22に重ね合わせ、しかる後に、両通孔11、23にボルト32を挿通させ、これにナット33を螺合させて締め付ける。
【0044】
このようにして、一組の構成部材21,9を用いて、ライナープレート4に1つのライナープレート付設用足場設置装置1が取り付けられた後に、所定の間隔を開けて他のライナープレート付設用足場設置装置1(構成部材21,9)を取り付ける場合には、先に取り付けたライナープレート付設用足場設置装置1の構成部材9よりも足場板35、36の厚み分だけ、後に取り付けたライナープレート付設用足場設置装置1の構成部材9をライナープレート4の軸方向にずらして取り付ける。そして、隣り合う構成部材9の張出部13の足場設置面14aに足場板35、36を載せていく。これにより、張出部13の足場設置面14aに足場板35、36を載せていく際に、足場板同士が重なっても足場板35、36が斜めになることが回避される。
【0045】
そして、取り付けられた各構成部材9のポール装着部16に取り付けられたポール18の貫通孔19にロープ等の紐状部材37を通していくことで外側手摺りが形成され、また、取り付けられた各構成部材21のポール装着部28に取り付けられたポール30の貫通孔31にロープ等の紐状部材38を通していくことで内側手摺りが形成される。
【0046】
したがって、以上の構成によれば、構成部材9は構成部材21を介してライナープレート4に固定されて、ライナープレート付設用足場設置装置1がライナープレート4の外側壁面脇に取り付けられるので、足場板35、36が載置される張出部13がライナープレート4の外側壁面から突出した状態で配置されることとなる。このため、ライナープレート4の直径寸法が小さい場合において、足場がライナープレート4の内側に配置できない場合や配置されたためにライナープレート4の内側に出入りしにくくなったり、ライナープレート4の内側での作業がやりにくくなる不便性が解消される。また、ライナープレート付設用足場設置装置の取り付け位置を現場の地形に応じて適宜調整可能となる。
【0047】
しかも、ライナープレート4に対し足場設置面14aよりも外側においては、外側手摺り用のポール18などを装着可能とするポール装着部16が、また、ライナープレート4に対し足場設置面14aよりも内側においては、内側手摺り用のポール30などを装着可能とするポール装着部28が、張出部13の設置と同時に配置されるので、作業の簡略化、迅速化を図ることが可能となる。更には、ライナープレート4の開口端から張出部13までの寸法L1(図1参照)が75cm以上ある場合には、ライナープレート4自体を内側用の手摺りとして利用することができるため、その場合には、ポール30を作業の妨げにならないようにポール装着部28から取り外すことが可能である。
【0048】
ところで、上述したライナープレート付設用足場設置装置1は、地面から足場板35、36へ昇ったり、足場板35、36から地面に降りる場合、また、ライナープレート4を跨いで坑内に降りたり、坑内からライナープレート4を跨いで外側へ出る場合において、より利用しやすい構成とすることが可能である。このようなライナープレート付設用足場設置装置1の変形例について、図4及び図5を用いて説明する。但し、先の実施例と同様の構成については同一箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
ライナープレート4に固定される複数のライナープレート付設用足場設置装置1のうち、隣り合う一対のライナープレート付設用足場設置装置1について、構成部材9、11に次の機能を持たせるようにしてもよい。
即ち、構成部材9に対しては、図4及び図5に示されるように、ポール装着部16に装着されるポール18をその下端が傾斜面2に近接するまで下方へ伸ばし、それぞれのポール18のポール装着部16より下側の部分に、対をなすポール間に架設された昇降用足場39を1つ以上(この実施例では3つ)溶接等により接合することで、隣り合う2つのライナープレート付設用足場設置装置1の構成部材9に、張出部13から下方に延びる梯子40を形成するようにしてもよい。
【0050】
尚、上述した梯子40を形成するために、1箇所のライナープレート付設用足場設置装置1に対し、作業員の横幅と略同じか若干大きな間隔を開けて、ライナープレート付設用足場設置装置1を、ライナープレート4の連結用ボルト孔の位置に依拠しないかたちで追加的に配置し(即ち、追加されたライナープレート付設用足場設置装置1の構成部材21を、係止固定部25のみでライナープレート4に固定するようにし)、それぞれのライナープレート付設用足場設置装置1のポール装着部16に装着されるポール18の下方側部位18aを傾斜面2に近接するまで伸ばし、この伸ばしたポール18のポール装着部16よりも下側の部分で、昇降用足場39を溶接等により架設して梯子40を構成するようにしてもよい。
【0051】
また、上記構成部材21のポール装着部28に装着される内側手摺り用のポール30に対して、ポール30の上端側に直方体状のブロック41を介して略水平方向に延びる寸法の短いポール42を装着し、このポール42の先端に直方体状のブロック43を介して略鉛直下方向に延びる短い寸法のポール44を装着する。これにより、隣り合う2つのライナープレート付設用足場設置装置1の構成部材21に、所定の間隔を空けて一対の昇降用手摺り45を設ける。
【0052】
このような梯子40及び昇降用手摺り45を構成部材9,21に予め一体に装着しておくことで、2つのライナープレート付設用足場設置装置1をライナープレート4に取り付けることにより、ライナープレート4の壁面脇に梯子40と昇降用手摺り45とが足場の設置と同時に備え付けられたものとなる。
【0053】
尚、上述の構成においては、構成部材9と梯子40、構成部材21と昇降用手摺り45がそれぞれ一体に設けられた例を示したが、対をなすポールとこれらポール間に架設された昇降用足場とを有して構成される梯子40のポールを対をなす構成部材9のポール装着部16に後から着脱可能に装着させたり、ポールを連結して構成される対をなす昇降用手摺り45のポールを対をなす構成部材21のポール装着部28に後から着脱可能に装着させるようにしてもよい。
【0054】
また、ライナープレート付設用足場設置装置1の構成部材21の係止固定部25の係止片27に、図4に示されるようにネジ孔46を設け、図5に示されるように、この係止片27に既製品のセーフティステップ50をボルト48及びナット49で固定することでライナープレート4の内側に配置するようにしても良い。これにより、作業員の昇降がより安全なものとなる。
【0055】
尚、以上の構成においては、特に円弧状(C形)のライナープレートに適用した場合について説明したが、直線状(S形)、J形、L形のライナープレートに適用できることは言うまでもなく、また、上述の構成においては、特にライナープレートの外側壁面脇に足場を形成する例について説明したが、ライナープレートの内側壁面脇に足場を形成するために本ライナープレート付設用足場設置装置1を利用してもよい。
【実施例2】
【0056】
図6,7において、この発明に係るライナープレート付設用足場設置1の第2の実施例が示されている。
このライナープレート付設用足場設置1も、図7に示されるように、構成部材9と構成部材21とを組み合わせることにより構成されている。
【0057】
このうち、構成部材21は、ライナープレート4の上端部のフランジ4aに係止固定させる係止固定部25と、上下に延設されてライナープレート4の壁面に接面すると共に後述する構成部材9との固定位置を上下方向に調整可能とする位置調整部22と、係止固定部25に近接して設けられ、ポールを装着可能とするポール装着部28とを有して構成されている。
【0058】
より具体的には、構成部材21は、上下に延びる長尺板51を有し、位置調整部22は、この長尺板51に上下に延びる一対のガイド板52を溶接等により所定の間隔で平行に立設させて構成されている。この一対のガイド板52は、後述する構成部材9の基体部10の幅より僅かに大きい間隔で固定されており、それぞれのガイド板52には、上下方向に多数の通孔53が所定の間隔で穿設されている。この例では、通孔53のピッチは足場板35,36の厚み(例えば、34mm)に合わせたピッチで上下に18個形成されている。
【0059】
また、係止固定部25は、この長尺板51の上端部をガイド板52が設けられた側と反対側へほぼ直角に曲折して構成された当接部25aにより構成されている。この当接部25aには、図8(a)に示されるように、その中央にボルト止め用の通孔26が形成され、この通孔26をライナープレート4のフランジ4aに形成された連結用ボルト孔5と整合させ、これら通孔26,5にボルト7を挿通させてこのボルト7にナット8を螺合して締め付けることで構成部材21をライナープレート4の上端のフランジ4aに係止固定できるようにしている。
【0060】
ポール装着部28は、長尺板51の上端部においてガイド板52が設けられた側と同じ側に設けられている。このポール装着部28は、長尺板51に溶接又はボルト留めされた保持プレート55にポール装着用パイプ56を溶接等により固定したもので、ポール装着用パイプ56には、これに挿入されるポールを固定するためのポール固定用ボルト57が螺進退可能に取付けられている。なお、保持プレート55には、紐取付用の専用穴55aが上部2個所に設けられている。
【0061】
これに対して構成部材9は、ライナープレート4の壁面に沿って上下に延設され、構成部材21の位置調整部22に着脱可能に固定される基体部10と、この基体部10の下部に固定され、ライナープレート4から離れる方向へ突出して35,36を載置可能とする張出部13と、この張出部13の突出方向先端に設けられ、ポール18を装着可能とするポール装着部16とを有して構成されている。
【0062】
より具体的には、基体部10と張出部13とは角材によって構成され、基体部10は、前記一対のガイド板52間に上下に摺動可能に収容されるもので、上部側面にボルトを挿通可能とする通孔11が形成され、ガイド板52間を上下に摺動させることで、通孔11と整合するガイド板52の通孔53を選択できるようになっている。この例では、基体部10の通孔11は上下2箇所に形成され、ガイド板52の通孔53のピッチの倍のピッチに形成されている。
【0063】
したがって、構成部材9は、構成部材21に対する固定位置が基体部10の通孔11をガイド板52の通孔53と整合させることができる範囲で上下に調整可能であり、図9(a)に示す最も上に設置された状態から図9(b)に示す最も下に設置された状態に至る範囲で上下に16段階に微調整できるようになっている。
【0064】
また、張出部13は、基体部10の下端部からほぼ垂直に突出するように補強板58を介して単一のフレーム材59を溶接すること等により固定されているもので、上方に平坦な足場設置面59aを有し、上下面には、足場板35,36を固定する留め金具60を挿通させる上下方向に貫通された長孔61が軸方向の3箇所に形成されている。
【0065】
ポール装着部16は、張出部13の先端に補強板62を介してポール装着用パイプ63を溶接すること等により固定して構成されているもので、ポール装着用パイプ63には、これに挿入されるポールを固定するためのポール固定用ボルト64が螺進退可能に取付けられている。
【0066】
さらに、基体部10のライナープレート4と対峙する下端部近傍には、基体部10の傾き、即ち、張出部13の傾きを調整するための調整ボルト65が設けられている。この調整ボルト61は、図8(b)に示されるように、螺合量を調整することによりライナープレート4の凹凸表面に当接するボルト頭部の突出量を調節し、基体部10の下部とライナープレート4との距離を調節することで、張出部13の傾きを平行に調整するようにしている。
尚、上述の構成において、前記実施例と同様の構成については、同一箇所に同一符号を付して説明を省略する。
【0067】
以上の構成において、ライナープレート付設用足場設置装置1をライナープレート4に取り付けるには、構成部材21の係止固定部25の当接部25aをライナープレート4の上端のフランジ4aに係止させ、所望の位置に近いフランジ4aの連結用ボルト孔5に当接部25aのネジ孔26を連通させ、ボルト7を上側から両孔26、5に挿通させてナット8を螺合させて締め付ける。これにより、構成部材21がライナープレート4の周方向に沿って不用意に動くことが防止される。
その後、構成部材9の基体部10を位置調整部22のガイド板52間に収容して上下に摺動させて所望の位置にてガイド板52と基体部10とをボルト止めし、構成部材9を構成部材21に固定する。しかる後に、調整ボルト61の螺合量を調節して張出部13が水平となるように調節する。
【0068】
このような作業をライナープレート付設用足場設置装置1(構成部材21,9)を取り付ける各箇所で行い、しかる後に、張出部13に足場板35,36を載置してこの足場板35.36を張出部13の長孔61を介して取り付けられる留め金具60により固定する。そして、用途に応じてポールを備えた付属部材(手摺り用ポール、梯子、昇降用手摺り等)のポールをポール装着部28,16に取り付ければ、足場装置の組み付けは完了する。
尚、落下防止用の手摺りの設置が必要となる場合には、足場の高さに応じて保持プレート55に形成された専用穴55aを用いて手摺り用の紐状部材38を取り付けるようにしてもよい。このような専用穴55aを利用して紐状部材38を取り付ければ、わざわざポール装着部28にポール30を取り付け、その貫通孔31に紐状部材38を通さなくても済むため、内側手摺りの設置が容易となる。
【0069】
したがって、このようなライナープレート付設用足場設置装置1を用いれば、図10(a)に示されるように、仮設構造物3のライナープレート4の外側に足場を形成する場合においても、仮設構造物3のライナープレート4の内側に足場を形成する場合においても、構成部材21をライナープレート4の上端のフランジ4aの適所に係止固定部25の当接部25aを係止させてボルト止めし、しかる後に構成部材9を上下方向の位置を調整して構成部材21に固定し、隣り合う構成部材9の張出部13の足場設置面59aに足場板35,36を固定する同様の作業を行えば足場を形成できるので、ライナープレート4の内外に足場を設置する場合に同じ部材を共用することが可能となる。
【0070】
また、上述のライナープレート付設用足場設置装置1によれば、位置調整部22に足場板の厚みに等しいピッチで通孔53が形成されているので、図11に示されるように、足場板35,36を重ね合わせて固定するような場合でも、足場板35,36が水平になるように張出部13の高さを構成部材9の高さ位置を微調整することで調整可能となる。
【0071】
さらに、上述のライナープレート付設用足場設置装置1によれば、張出部が水平方向に延びるフレーム材59のみで構成されており、第1の実施例のようにフレーム材59を保持するサブフレームがないので、サブフレームが設置箇所の固定物等と干渉して足場設置装置を設置できなくなる不都合がなくなり、設置箇所を制限を緩和することが可能となる。また、サブフレームがない分、構成部材9の重量を減らすことができ、足場設置装置を軽量化にすることが可能となる。さらに、サブフレームがないことから構成部材9の上下の調整範囲も大きく確保することが可能となる。
【0072】
さらにまた、基体部10の下部に張出部13の傾きを調整する調整ボルト65が設けられているので、ライナープレート4の凹凸のピッチと位置調整部22の通孔53のピッチとが異なる場合でも、張出部13を水平に調節することが可能となる。
【0073】
尚、この例においても、ポール装着部28,16に対して紐状部材を通す貫通孔31,19が形成されたポール30,18を取り付けるようにしても、図4で示されるような対をなすポールとこれらポール間に架設された昇降用足場とを有して構成された梯子40のポールを着脱可能に装着させるようにしても、また、ポールを連結して構成された対をなす昇降用手摺り45のポールを着脱可能に装着させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 ライナープレート付設用足場設置装置
4 ライナープレート
4a,4b,4c,4d フランジ
9 構成部材(第2の構成部材)
10 基体部
11 通孔
13 張出部
16 ポール装着部
18 ポール
21 構成部材(第1の構成部材)
22 位置調整部
23 通孔
25 係止固定部
25a 当接部
25b 差し込み部
28 ポール装着部
30 ポール
40 梯子
45 昇降用手摺り
52 ガイド板
53 通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立設されたライナープレートの上端部に取り付けられる第1の構成部材とこの第1の構成部材に位置調整可能に固定されて足場板を設置可能とする第2の構成部材とを有して構成されるライナープレート付設用足場設置装置であって、
前記第1の構成部材は、前記ライナープレートの上端部に係止固定させる係止固定部と、上下に延設されて前記ライナープレートの壁面に当接すると共に前記第2の構成部材との固定位置を上下方向に調整可能とする位置調整部と、前記係止固定部に近接して設けられ、ポールを装着可能とするポール装着部とを備え、
前記第2の構成部材は、前記ライナープレートの壁面に沿って上下に延設され、前記位置調整部に着脱可能に固定される基体部と、この基体部に設けられ、前記ライナープレートから離れる方向へ突出して前記足場板を載置可能とする張出部と、この張出部の突出方向先端に設けられ、ポールを装着可能とするポール装着部とを備える
ことを特徴とするライナープレート付設用足場設置装置。
【請求項2】
前記第1の構成部材の前記位置調整部には上下方向に複数の通孔が形成されており、前記第2の構成部材の前記基体部に形成された通孔と前記位置調整部の任意の通孔とを整合させて、整合させた両通孔に固定具を挿着させることで前記基体部を前記位置調整部に着脱可能に固定することを特徴とする請求項1記載のライナープレート付設用足場設置装置。
【請求項3】
前記第1の構成部材の係止固定部は、前記位置調整部の上部においてライナープレートの上端部のフランジに係止可能に突設された当接部と、この当接部の先端からライナープレートの壁面に沿って下方へ延び、前記位置調整部と共に前記ライナープレートを挟持する差し込み部とを有して構成され、前記当接部を前記フランジに固定手段にて固定させることを特徴とする請求項1又は2記載のライナープレート付設用足場設置装置。
【請求項4】
前記第1の構成部材の前記位置調整部は、上下に延設される長尺かつ平板状に形成され、前記第2の構成部材の前記基体部は、前記位置調整部に重ね合わせ可能に上下に延設された長尺かつ平板状に形成されていることを特徴とする請求項2のいずれかに記載のライナープレート付設用足場設置装置。
【請求項5】
前記第1の構成部材の係止固定部は、前記位置調整部の上部においてライナープレートの上端部のフランジに係止可能に突設された当接部により構成され、この当接部を前記フランジに固定手段にて固定させることを特徴とする請求項1又は2記載のライナープレート付設用足場設置装置。
【請求項6】
前記第1の構成部材の前記位置調整部は、上下に延設された対をなすガイド板によって構成され、前記第2の構成部材の前記基体部は、前記ガイド板間に上下に摺動可能に収容される角材によって構成されることを特徴とする請求項2記載のライナープレート付設用足場設置装置。
【請求項7】
前記第1及び第2の構成部材は前記ライナープレートに対して複数装着され、隣り合う2つの第2の構成部材のポール装着部に、対をなすポールとこれらポール間に架設された昇降用足場とを有して構成された梯子の前記ポールを装着させたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のライナープレート付設用足場設置装置。
【請求項8】
前記第1及び第2の構成部材は前記ライナープレートに対して複数装着され、隣り合う2つの第1の構成部材の前記ポール装着部に、ポールを連結して構成された対をなす昇降用手摺りの前記ポールを装着させたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のライナープレート付設用足場設置装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−150909(P2010−150909A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255658(P2009−255658)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)