説明

ラインセグメント読み出しバッファを用いた画像タイル回転用のシステム、方法および装置

【課題】中間メモリあるいは補助メモリの使用を伴うことなく画像を回転させることができる、ラインセグメント読み出しバッファを用いた画像タイル回転用のシステム、方法および装置を提供する。
【解決手段】装置は、画像を記憶する画像メモリと複数のバッファとを備え、この画像は複数のタイルで構成される。複数バッファは、画像メモリとのインタフェースをとり、この画像メモリから複数のタイルのラインセグメントを読み取るように構成したラインセグメントバッファを備える。回転論理モジュールは、ラインセグメントを微小回転し、回転させたタイルとしてラインセグメントを集約し、回転させたタイルを微小回転させてこの回転させたタイルを書き込む画像メモリのアドレスを特定するように構成される。書き込みバッファは、回転させたタイルを所定アドレスにて画像メモリに書き込むように構成される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
電子画像あるいはデスクトップ・パブリッシング・アプリケーションにより処理する「ソフトコピー」画像は、二次元配列の画素(ピクセル)すなわち画像信号からなる。歴史的に見て、小型コンピュータ用メモリは妥当な大きさの電子画像を回転させるのに中間ディスクバッファの使用を必要としている。しかしながら、より大型のコンピュータ用メモリの利用可能性を伴うことで、デスクトップ・パブリッシング・アプリケーションは電子画像全体を実メモリ内に記憶させることができる。たとえ大型の実メモリ割り当てを用いても、原画像と回転させた画像の両方を記憶する十分なメモリが必ずしも存在するとは限らない。例えば、一部システムでは、利用可能なコンピュータ用メモリはある電子画像を収容するには十分な大きさであるが、原画像と回転させた画像の両方を含むには十分な大きさではない。この種の事例では、電子画像を所定場所において、すなわちその固有のバッファ内でかつ相当の中間メモリあるいは補助メモリの使用を伴うことなく回転させることが望ましい。所定場所で電子画像を回転させるには、画像バッファ内に記憶させた電子画像に対し置換処理シーケンスを施すことが必要である。1つのシーケンスの各置換処理は、未だ転送されていない画像バッファ内の画素を各置換処理が消去しないようにして実行しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
デジタル複写機は、画像を走査し、画像のデジタル表現をメモリに記憶させ、画像のデジタル表現を印刷する別種の画像処理装置である。画像のデジタル表現を決して記憶しないものの、光導電性ドラムやベルト上に画像を生成するミラーやレンズ等の光学的構成要素を使用する従来のアナログ式複写機による生成レートに類似のレートでデジタル化画像を印刷するには、極めて大量のデータを高速レートで移動させねばならない。この種の大量のデータを素早く移動させる要件は、現行のデータ処理能力と記憶装置とをその極限にまで押し上げてきた。
【課題を解決するための手段】
【0003】
画像を回転させる画像タイルの使用は、メモリ消費を低減することができる。しかしながら、タイルの大きさを増大させることにより画像回転性能を拡大することは、オンチップメモリ資源に悪影響を及ぼすことがある。それ故、メモリ効率のよいシステムと画像タイルの回転方法とを有することが望ましいようである。特に、メモリ消費に悪影響を及ぼすことなく高帯域で画像タイルのラインセグメントを回転するシステムならびに方法を有することが望ましいだろう。実施形態の様々な特徴は添付図面に関連して考察する場合に、下記の実施形態の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されるため、より完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】一実施形態によるデジタル画像回転器の例示的な実施形態を示す図である。
【図2】別の実施形態による例示的画像回転図である。
【図3】別の実施形態によるデジタル画像回転器が実行する例示的フロー図である。
【図4】別の実施形態によるハードウェアの図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
実施形態は、構成可能なデジタル画像回転器を最適化するシステムならびに方法に概ね関する。より詳細には、構成可能なデジタル画像回転器は画像メモリと1セットのピンポンバッファと回転器論理モジュールとで構成することができる。画像メモリは、画像のデジタル表現を記憶するように構成されることができる。画像メモリは、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)やスタティックRAMや、DDR−RAMや他の類似種のメモリ等の揮発性メモリの一形態によって実装されることができる。実施形態では、画像メモリはピンポンバッファセットとのインタフェースをとるよう構成されることもできる。態様において、発明者Aron Nacman、William David Notovitz、Theresa Michelle Marconi、Brian Richard Caffee、Anthony Paul Lanza、Timothy M. Hunterにより、2010年8月3日に発行され、本出願と同じ企業に譲渡され、あるいは譲渡義務に従う「SYSTEMS, METHODS AND DEVICES FOR ROTATING IMAGES(画像回転用のシステム、方法および装置)」と題する米国特許第7,768,678号に記載された種のシステムと方法と装置は、この出願全体を引用することにより本願明細書に含まれるが、様々な実施形態に用いることができる。
【0006】
実施形態では、ピンポンバッファは一対の書き込みバッファと一対の読み出しバッファとで構成することができる。実施形態では、一対の読み出しバッファは一対のラインセグメントバッファで構成することができる。ピンポンバッファが書き込みバッファと読み出しバッファとラインセグメントバッファおよび/または他のバッファの他の数および/または組み合わせで構成できることを理解されたい。ピンポンバッファは、DRAMやSRAMや内部ASIC SRAMや内部FPGA SRAMや他の高速メモリを用いて実装することができる。構成可能なデジタル画像回転器は、読み出しバッファと書き込みバッファとを用いた並列的な読み出し/書き込みアクセスについての最適性能に合わせ構成することができる。より詳細には、回転器論理モジュールに対するデータの書き込みでは、1セットのデータは画像メモリからラインセグメントバッファの1つに書き込むことができ、一方でラインセグメントバッファのうちの第2のバッファから回転器論理モジュールへ別のアクセスを行なうことができる。同様に、1セットのデータは回転器論理モジュールから書き込みバッファのうちの1つへ転送することができ、一方で別のデータセットを第2の書き込みバッファから画像メモリへ転送することができる。
【0007】
実施形態では、回転器論理モジュールあるいは他の論理回路が画像メモリのデジタル画像を複数のタイルや断片や部分や領域等に分割、区分、あるいは分化することができる。一実施形態では、所与のデジタル画像の複数のタイルはそれぞれ同一寸法とすることができる。他の実施形態では、各タイルにタイルの幅を張る幾つかの数のラインを持たせることができる。例えば、デジタル画像の複数のタイルはそれぞれ128画素×128ライン×画素当り8ビットとすることができ、各ラインは128画素、すなわちタイルの幅となる。タイルとラインについての他の寸法と構成を構想してあることを理解されたい。
【0008】
実施形態では、ピンポンバッファを回転器論理モジュールとのインタフェースをとるように構成するができる。回転器論理モジュールを、デジタル画像のタイルのラインを回転させるように構成することができる。より詳細には、回転器論理モジュールはタイルのラインを取り込み、それらを90度(90°)や180度(180°)や270度(270°)あるいは他の回転のうちの選択された回転に合わせ微小回転させることができる。実施形態では、回転器論理モジュールは回転させたラインを書き込みバッファに転送し回転させたタイルとして集約し、回転させたタイルについて画像メモリ内のメモリアドレスを特定することができる。続いて、書き込みバッファは回転させたタイルをそのメモリアドレスにて画像メモリに書き込むことができる。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態になるデジタル画像回転器100の例示的な実施形態を示す図である。図1に示したデジタル画像回転器100は一般的な概略図を表わすものであり、他の構成要素を追加するか、既存の構成要素を取り除くか改変できることは、当業者にとって即明白であろうる。さらに、デジタル画像回転器100の構成要素は当業者が熟知するハードウェアやソフトウェアやそれらの組み合わせとすることができる。
【0010】
図1に示すように、デジタル画像回転器100は画像メモリ105と1セットのピンポンバッファ110と回転器論理モジュール115とで構成される。画像メモリ105は、デジタル画像を記憶するように構成されることができる。デジタル画像ファイルのソースは、スキャナや複写機やディスク記憶装置や計算機デバイスやデジタルカメラや他の類似のデバイス(図示せず)からのものであることができる。デジタル画像は画像メモリ105内に連続する一連のアドレスの体裁にて記憶させ、左上隅を最低位アドレスとし、一方で右下隅を最高位メモリアドレスであることができる。画像メモリ105は、デジタル画像の回転させた版を見込んで書き換えるように構成されることもできる。回転方向は、一実施形態では90°、180°、270°から選択することができる。他の回転および/または方位が選択できることを理解されたい。
【0011】
画像メモリ105を、高速メモリあるいはレジスタを用いて実装することができる。高速メモリは、動的デバイスや静的デバイス、伸長データ出力デバイスや2倍速データレート(「DDR」)デバイスあるいは他の類似のデバイス等の一種のランダム・アクセス・メモリ(「RAM」)であることができる。一実施形態では、画像メモリ105を再書き換え可能アレイあるいは特定用途向け集積回路(「ASIC」)の一部として実装することができる。
【0012】
画像メモリ105は、少なくとも2個のラインセグメントバッファ120,125を含むことのできる1セットのピンポンバッファ110とのインタフェースをとるように構成されることができる。1セットのピンポンバッファ110は、また、少なくとも2個の書き込みバッファ130、135を含むこともができる。バッファ(120〜135)は、画像メモリバッファバス140上で画像メモリ105とインタフェースをとることができる。ダイレクト・メモリ・アクセス(DMA)コントローラ145は、バッファ120〜135および画像メモリ105とのインタフェースをとるように構成されるができる。DMAコントローラ145は、2個の構成要素間で大型ブロック(バースト)のデータを転送するメカニズムを配設することで、画像メモリ105と1セットのピンポンバッファ110との間でのデータ転送速度を増大させることができる。
【0013】
ピンポンバッファのセット110を、高速メモリあるいはレジスタを用いて実装することができる。高速メモリは、動的デバイスや静的デバイスや拡張データ出力デバイスや倍速データレート(「DDR」)デバイスあるいは他の類似のデバイス等の一種のランダム・アクセス・メモリ(「RAM」)であることができる。いくつかの実施形態では、ピンポンバッファのセット110を再書き換え可能アレイあるいは特定用途向け集積回路(「ASIC」)の一部として実装することができる。
【0014】
ピンポンバッファのセット110を、バッファ論理バス150上で回転器論理モジュール115とのインタフェースをとるように構成することもできる。DMAコントローラ155は、バッファ120〜135や回転器論理モジュール115とのインタフェースをとるよう構成することができる。DMAコントローラ145と同じく、DMAコントローラ155は、ピンポンバッファ110と回転器論理モジュール115との間でデータブロック(あるいはバースト)を転送することで回転器論理モジュール115の性能を増大させるように構成されることができる。
【0015】
回転器論理モジュール115を、画像メモリ105が記憶するデジタル画像を所望の方位に回転させる機能性を提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、回転器論理モジュール115を再書き換え可能アレイあるいは特定用途向け集積回路(「ASIC」)の一部として実装することができる。より詳細には、回転器論理モジュール115を画像のタイル(または断片や部分や領域等)を所望方位に微小回転させるように構成することができる。実施形態では、タイルは幾つかの画素(幅)と幾つかのラインと幾つかの画素当りビットを有することができる。例えば、1枚のタイルは128画素×128ライン×画素当り8ビットであることができる。
【0016】
例示的な実施形態では、回転器論理モジュール115を、画像のタイルのラインセグメントを回転させるように構成することができる。特に、ラインセグメントバッファ120、125は画像のタイルのラインセグメントを読み出す構成とすることができる。実施形態では、ラインセグメントバッファの大きさはタイルの幅とすることができる。例えば、1枚のタイルが128画素×128ライン×画素当り8ビットの大きさを有する場合、そのときはラインセグメントバッファの大きさは1024ビット(128画素×画素当り8ビット)となる。デジタル画像のタイルの例示的な回転を図2に示す。
【0017】
図2に示すように、デジタル画像205を選択方位へ回転させるように選択することができる。デジタル画像205には、連続するアドレスのセットを順番に割り当てることができる。例えば、一連のアドレスの最低位アドレスをデジタル画像205の左上隅、すなわちタイル215(図2では「LA」と表示される)とし、デジタル画像の右下隅を、一連のアドレス内の最高位アドレスを有するタイル220(図2では「HA」と表示される)とすることができる。実施形態では、タイルの大きさはデジタル画像回転器100の帯域に依存させることができる。
【0018】
図2に示すように、デジタル画像205のタイル225は選択された方位(図2では、例えば90°)へ回転させることができる。タイル225は、1セットのラインセグメント226に配列させることができる。実施形態では、ラインセグメントのセット226の数はタイル225の画素幅と等しくてよい。例えば、タイル225が128画素幅である場合、そのときはラインセグメントのセット226のうち128個を設けることができる。ラインセグメントのセット226のうちの選択されたラインセグメントは、ステージ1においてラインセグメントバッファ、例えば2個のラインセグメントバッファ120,125のうちの一方に転送することができる。図2はラインセグメントのセット226全てがラインセグメントバッファにあることを示しているが、ラインセグメントバッファは各ラインセグメントのセット226を個別に読み出すよう構成されていることを理解されたい。
【0019】
ラインセグメントバッファ(120または125)から、回転器論理モジュール115へ選択したラインセグメント226を転送することができる。ステージ2では、選択されたラインセグメント226を所望方位(図2では90°)に微小回転するよう回転器論理モジュール115を構成することができる。実施形態では、一部実施形態に使用する微小回転技法をラインセグメントマトリクス内の画素の再配列に基づかせることができる。例えば、64×1画素ラインセグメントマトリクス(あるいは別の大きさ)を再配列して、所望の回転を生成し、続いて第2のラインセグメントマトリクス内に置くことができる。いくつかの実施形態では、ラインセグメントバッファから読み出しマトリクス内にデータを送り、続いて書き込みマトリクス内に再配列し、続いて書き込みバッファに書き込むことができる。いくつかの実施形態では、ラインセグメントバッファからのデータを読み出しマトリクス内に連続させて配置することができる。例えば、90°回転を所望する場合、次にデータを読み出しマトリクスから取り出し、左から右のラインセグメントを書き込みマトリクス内の上から下のラインセグメントとすることができる。270°回転では、読み出しマトリクスからデータを取り出し、左から右のラインセグメントを書き込みマトリクス内の下から上のラインセグメントとする。180°回転では、読み出しマトリクスからデータを取り出し、左から右のラインセグメントを書き込みマトリクス内の右から左のラインセグメントとする。他の類似の回転を構想してあることを理解されたい。
【0020】
回転器論理モジュール115を、ステージ3において、回転させたラインセグメント226を書き込みバッファ(130または135)の1つに転送するように構成することができる。実施形態では、書き込みバッファをタイル225の回転させたラインセグメント226を回転させたタイル227の一部として集約するように構成することができる。いくつかの実施形態では、連続する一連のラインセグメント226をステージ1の読み出しバッファに連続的に読み出し、ステージ2の回転器論理モジュール115へ送り、ステージ2において回転器論理モジュール115により回転させ、ステージ3の書き込みバッファに転送し、回転させたタイル227が形成されるまで書き込みバッファにより集約することができる。
【0021】
回転器論理モジュール115を、回転させたラインセグメントセット226で構成される回転させたタイル227を微小回転させるように構成することもできる。より具体的には、回転器論理モジュール115は、タイル225の現在のアドレスを回転させたデジタル画像210内にある筈の回転させたタイル227の新規アドレスへ再計算することができる。より詳細には、デジタル画像205のタイルはタイルの幅と大きさが同じブロック内の左上隅を始端とするラインセグメント内に読み込むことができる。このブロックは微小回転させて他のものと集約して回転させたタイルを形成することができ、書き込みバッファデータを所望の回転に合わせた正しい位置においてメモリ内に戻すことができる。実施形態では、画像はメモリ内のアドレスの連続的な記号列とすることができるため、書き込みDMAはブロックの各ラインの始端用に各地データバーストの開始アドレスを算出するだけで済む。この算出は、原画像の大きさや所望の回転角度や原画像内のブロックの位置に基づく最も簡単な加算/減算とすることができる。第1のラインセグメントを回転させた後、次の回転対象ラインセグメントを第1のラインセグメントの真下である。効率目的に合わせ、入力画像はラインセグメントの整数値あるいは倍数値が画像内にあるような大きさであることができる。
【0022】
実施形態では、書き込みバッファ(130または135)のうち一方を、図2のステージ4に示すように、回転させたタイル227を回転させたデジタル画像210についての新規アドレスにて画像メモリ105に転送し戻すように構成することができる。他の回転方位が、これらの実施形態の十分な範囲内にあることは、当業者には即明らかとなる筈である。
【0023】
図1に戻ると、いくつかの実施形態によると、デジタル画像回転器100はピンポンバッファ110の使用を通じて効率について最適化することができる。より詳細には、ピンポンバッファ110は、デジタル画像タイルを回転させた際に、デジタル画像の次のタイルのラインセグメントがピンポンバッファ110内に読み込まれ、その一方で回転させたタイルがピンポンバッファのうちの1つに書き込まれるよう用いることができる。ピンポンバッファ110内には2個のラインセグメントバッファと2個の書き込みバッファが存在するため、3つの操作(画像メモリからの読み出しと、回転と、画像メモリへの書き込み)を実質同時に行ない、したがって効率を増大させることができる。
【0024】
実施形態では、従来の読み出しバッファに代えてラインセグメントバッファを用いることで、性能を改善することができる。例えば、タイルが128画素×128ライン×画素当り8ビットの大きさを有する場合、書き込みバッファと読み出しバッファはそれぞれ131,072ビットである。2つの書き込みバッファと2つの読み出しバッファが存在する場合、オンチップバッファの大きさは524,288ビットである。対照的に、各ラインセグメントバッファの大きさは、タイルの幅寸法、すなわち128画素×画素当り8ビット、すなわち1024ビットに等しい。それ故、2つラインセグメントバッファと2つ書き込みバッファを実装することで、オンチップバッファの大きさは262,144ビット(書き込みバッファ)+2048ビット(ラインセグメントバッファ)、すなわち総計264,192ビットである。
【0025】
図3は、別の実施形態によるデジタル画像回転器により実行される例示フロー図300を示す図である。図3に示すフロー図300は一般化した図を表わしており、他の工程を追加したり、既存の工程を除去あるいは改変したりできることは、当業者には即明白となる筈である。
【0026】
図3に示すように、工程305において、デジタル画像回転器105がデジタル画像を検出するように構成することができる。実施形態では、デジタル画像を、複写機やスキャナやコンピュータやデジタルカメラ、あるいはデジタル画像を生成することのできる他の任意の類似のデバイスから送り、あるいは検出することができる。
【0027】
工程310において、デジタル画像回転器105はデジタル画像を所望回転させる選択を受け取る構成とすることができる。いくつかの実施形態では、可能な回転一覧は90°と180°と270°であることができる。回転の選択を、クライアントコンピュータや他のデバイス等のデバイスからのユーザインタフェースを用いて実行することができる。他の実施形態では、所望の回転をデジタル画像に関連するメタデータ内に含めることができる。工程315において、デジタル画像回転器105をデジタル画像を複数のタイルに分割するように構成することができる。実施形態では、複数のタイルのそれぞれを所定の画素幅や所定のライン数や所定の画素当りビット数で構成することができる。例えば、1枚のタイルは128画素幅×128ライン×画素当り8ビットの大きさを含むことができる。
【0028】
工程320において、DMAコントローラ145を複数のタイルのラインをラインセグメントバッファ(120、125)の一方に転送するように構成することができる。実施形態では、複数のタイルのラインは複数のラインの幅に等しい大きさを有することができる。例えば、タイルが128画素幅である場合、次にラインは128画素を含むことができる。さらに、ラインセグメントバッファ(120、125)の大きさは複数のタイルの幅に等しい大きさを有することができる。例えば、タイルが8ビット/画素を有する64画素幅である場合、次にラインセグメントバッファ(120、125)は512ビットであることができる。
【0029】
工程325において、回転器論理モジュール115をラインセグメントバッファ(120、125)のうちの1つからラインを読み出し、回転選択に従って回転器論理をラインに適用することができるように構成することができる。実施形態では、回転器論理モジュール115が選択されたラインセグメントバッファ(120、125)から読み出す際に、他方のラインセグメントバッファ(125、120)を画像メモリ105からのタイルの追加のラインセグメントでもって充当することができる。回転器論理モジュール115が被選択ラインセグメントバッファ(120、125)からの読み出しを終えると、回転器論理モジュール115は他のラインセグメントバッファ(125、120)に切り換えて、より多くのデータを検索することができる。実施形態では、セグメントバッファの切り換えは全てのデータが処理されるまで継続することができる。
【0030】
実施形態では、回転器論理モジュール115は微小回転アルゴリズムを適用して所望ラインを被選択方位へ回転させることで、回転器論理を適用することができる。工程330において、回転器論理モジュール115は回転させたラインを書き込みバッファ(130、135)の一方に転送し、個別回転させたタイルを集約することができる。実施形態では、回転器論理モジュール115は、回転させたラインを、DMA転送を介して書き込みバッファへ転送することができる。工程335において、回転器論理モジュール115はマクロ回転アルゴリズムを適用し、回転させたタイルを書き込む対象である画像メモリ105のメモリアドレスを特定することができる。実施形態では、回転させたタイルを任意の仕方で任意の形態のメモリに書き込むことができる。
【0031】
工程340において、回転器論理モジュール115は回転させたタイルを書き込みバッファ(130、135)から画像メモリ105へ、回転器論理モジュール115内のマクロ回転アルゴリズムにより特定された適切なアドレス位置に転送することができる。実施形態では、回転させたタイルの転送はDMAコントローラ145を用いて達成することができる。他の実施形態では、選択された回転させたタイルを第1の書き込みバッファ(130、135)から転送する間に、回転器論理モジュール105は次の回転させたタイルを第2の書き込みバッファ(135、130)に実質同時に書き込むことができる。この書き込みバッファ(130、135)の切り換えプロセスは、デジタル画像が完全に処理されるまで継続する。
【0032】
図4は、実施形態による作像装置400の例示的なハードウェア図を示すものである。作像装置400は、スキャナ405とメモリ410とプリンタ415とを含むことができる。スキャナ405はプロセッサ420と組み合わせ、ハードコピー原文書を走査し、原文書をデジタル画像に変換し、デジタル画像を処理し、走査し処理し拡大した画像をメモリ(図面には図示せず)に保存することができる。例えば、メモリはサーバや局在または遠隔ハードドライブや携帯ジャンプドライブ等のデータ記憶が可能な任意の記憶デバイスとすることができる。プリンタ415は、原書類や処理済み画像や書類の拡大部分や他の構成の書類の印刷複写物を生成することができる。
【0033】
プロセッサ420は、画像データを処理し、本願明細書に説明する如く作像装置400の機能を差配することができる。例えば、プロセッサ420は、複数のピンポンバッファを用いて画像を回転させ、回転させた画像を本実施形態よるメモリ内に記憶させることができる。プロセッサ420は、例えばユーザに制御やユーザ可読設定を可能にするタッチパッドや一連の釦と状態スクリーンとを備えるユーザインタフェース(UI)425に結合することができる。使用時、ユーザは1つ以上の機能および/または幾つかの異なる機能からの選択肢および/またはUI 425の使用を通じた作像装置400により提供される選択肢を選択することができる。例えば、ユーザはUI 425を介して回転対象画像と方位選択肢とを選択することができる。プロセッサ420はさらに、プリンタ415に命じてUI 425が受け取った選択肢に従って印刷画像を出力させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を記憶するように構成された画像メモリであって、前記画像が複数のタイルを含む前記画像メモリと、
複数のタイルのうちの1枚のタイルのラインを前記画像メモリから読み出すように構成されたラインセグメントバッファと、
前記ラインセグメントバッファからラインを読み出し、方位選択肢に基づき前記ラインを回転させ、前記回転させたラインを書き込みバッファへ転送して回転させたタイルとして集約し、前記回転させたタイルについて前記画像メモリ内のアドレスを特定するプロセッサであって、前記書き込みバッファを前記回転させたタイルが前記アドレスにて前記画像メモリに書き込むように構成された前記プロセッサとを備える、画像回転装置。
【請求項2】
前記プロセッサが、ダイレクト・メモリ・アクセス(DMA)書き込み転送およびDMA読み出し転送を実行するようにさらに構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサが、前記方位選択肢が180度である場合に、前記ラインセグメントバッファから前記ラインを読み出すようにさらに構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記回転選択肢に基づく前記ラインの回転が、前記ラインに関連する画素の回転を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記回転させたタイルをDMA書き込み転送を用いて前記書き込みバッファに書き込むようにさらに構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
デジタル画像を画像メモリに記憶させるステップであって、前記デジタル画像が複数のタイルを含むステップと、
前記複数タイルのうちの1枚のタイルのラインをラインセグメントバッファに転送するステップと、
90度回転と180度回転と270度回転のうちの1つに従ってラインを回転させるステップと、
前記回転させたラインを書き込みバッファに転送し、回転させたタイルとして集約するステップと、
前記回転させたタイルについて前記画像メモリ内のアドレスを特定するステップと、
前記回転させたタイルを前記書き込みバッファから前記画像メモリに書き込み、前記アドレスにて記憶させるステップとを含む、装置を作動させる方法。
【請求項7】
ラインの前記転送するステップが、ダイレクト・メモリ・アクセス(DMA)処理により実行する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
90度と270度のうち一方の回転についての最適バースト寸法に基づき、前記ラインセグメントバッファと前記書き込みバッファの大きさを選択するステップとをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
180度の回転についての最適バースト寸法に基づき、前記ラインセグメントバッファと前記書き込みバッファの大きさを選択するステップとをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
メモリに結合したプロセッサであって、
画像を記憶する構成とした画像メモリで、前記画像が複数のタイルを含む前記画像メモリと、
前記画像メモリから前記複数のタイルのうちの1枚のタイルのラインを読み出すように構成されたラインセグメントバッファと、
を実効するように構成された前記プロセッサで、
前記ラインセグメントバッファから前記ラインを読み出し、
方位選択に基づいて前記ラインを回転させ、
前記回転させたラインを書き込みバッファに転送し、回転させたタイルとして集約し、
前記回転させたタイルについて前記画像メモリ内のアドレスを特定するように構成され、前記書き込みバッファが前記回転させたタイルを前記アドレスにて前記画像メモリに書き込むように構成される
前記プロセッサを備える、画像を回転させるシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−170058(P2012−170058A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−14587(P2012−14587)
【出願日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】