説明

ラインヘッド消去記録装置及びその制御方法

【課題】記録を行うためのレーザアレイヘッド等のラインヘッドの他に、消去を行うための消去ヒータ等を別途設けることなく、簡単な構成で、大型化することなく、情報の記録と消去とが同時にすること。
【解決手段】リライト用紙1を例えば180℃以上の発色温度に加熱する高パワーのレーザビームを各レーザ発光素子2−1〜2−nから出力させるように各レーザ発光素子2−1〜2−nを駆動制御し、これと同時に、リライト用紙1を例えば130℃〜170℃程度の消色温度に加熱する低パワーのレーザビームを各レーザ発光素子2−1〜2−nから出力させるように各レーザ発光素子2−1〜2−nを駆動制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の記録用素子をライン状に配列して成るラインヘッドを用い、常温より高い発色温度に加熱すると発色し、かつ常温で発色状態を維持しながら発色温度よりも低い消色温度に加熱すると消色する感熱記録媒体に対して情報の消去、記録を行うラインヘッド消去記録装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題等によって用紙の使用量を削減するために書き換え可能な感熱記録媒体(以下、リライト用紙と称する)が使用されている。このリライト用紙は、常温より高い発色温度に加熱すると発色し、かつ常温で発色状態を維持しながら発色温度よりも低い消色温度に加熱すると消色する。例えばリライト用紙は、図6に示すように180℃以上に加熱してから急冷することにより発色し、かつ130℃〜170℃程度の加熱によって消色する。このリライト用紙を複数回繰り返し使用することで、環境にやさしく、かつ用紙に掛かるコストを削減しようとする動きがある。このようなリライト用紙に対して更に光熱変換部材を設け、レーザビームを照射することによって光熱変換部材において光熱変換を行い、リライト用紙を消去温度又は発色温度にして画像等の情報に記録を行う記録装置もある。
【0003】
リライト用紙に対する消去、記録の方式については、例えば特許文献1、2に開示されている。特許文献1は、消去ヒータを消去温度まで加熱することによって印字されたカードの印字内容を消去し、その後その消去温度まで予熱されたカードを、それよりも高い印字温度までサーマルヘッドにより加熱することを開示する。
特許文献2は、熱の加え方により発色と色消去が任意に行える書き換え可能な感熱紙無に対して色消去を行うための色消去用発熱部を、発色のための記録用発熱部が形成されている記録ヘッドと同一基板上に設けたことを開示する。
【特許文献1】特開平6−155858号公報
【特許文献2】特開平8−67021号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、リライト用紙等に対する消去を行うために消去ヒータを設け、さらに記録を行うためにサーマルヘッドを設けることが必要である。特許文献2もリライト用紙等に対する消去を行うために色消去用発熱部を設け、さらに記録を行うために記録用発熱部を設けることが必要である。このため、特許文献1、2は、いずれも記録を行うためにサーマルヘッドの他に、消去を行うために消去ヒータ等を別途設ける必要があり、装置のコストアップ、大型化に繋がる。
【0005】
又、光熱変換部材を設けたリライト用紙を用いる場合、例えばレーザビームをポリゴンミラー等のスキャン機構を用いて主スキャンする方式では、安価に装置を作製できるものの、印字高速の高速化が困難である。印字高速の高速化を図るためにレーザラインヘッドを使用すると、上記同様に、記録を行うためにレーザアレイヘッドの他に、消去を行うために消去ヒータ等を別途設けなければならない。
【0006】
本発明の目的は、記録を行うためのレーザアレイヘッド等のラインヘッドの他に、消去を行うための消去ヒータ等を別途設けることなく、簡単な構成で、大型化することなく、情報の記録と消去とが同時にできるラインヘッド消去記録装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主要な局面に係るラインヘッド消去記録装置は、複数の記録用素子をライン状に配列して成るラインヘッドを備え、常温より高い発色温度に加熱すると発色し、かつ常温で発色状態を維持しながら発色温度よりも低い消色温度に加熱すると消色する感熱記録媒体をラインヘッドのライン方向に対して垂直方向に搬送し、ラインヘッドにより感熱記録媒体に対して情報の消去、記録を行うラインヘッド消去記録装置において、感熱記録媒体上に記録すべき情報の有する領域に対応する少なくとも1つの記録用素子を駆動して感熱記録媒体を発色温度に加熱し、これと同時に、感熱記録媒体上に記録すべき情報の無い領域に対応する少なくとも1つの記録用素子を駆動して感熱記録媒体を消色温度に加熱する記録消去制御部を具備する。
【0008】
本発明の主要な局面に係るラインヘッド消去記録制御方法は、複数の記録用素子をライン状に配列して成るラインヘッドのライン方向に対して垂直方向に、常温より高い発色温度に加熱すると発色し、かつ常温で発色状態を維持しながら発色温度よりも低い消色温度に加熱すると消色する感熱記録媒体を搬送し、ラインヘッドを駆動制御して感熱記録媒体に対して情報の消去、記録を行うラインヘッド消去記録制御方法において、感熱記録媒体上に記録すべき情報の有する領域に対応する少なくとも1つの記録用素子を駆動して感熱記録媒体を発色温度に加熱し、これと同時に、感熱記録媒体上に記録すべき情報の無い領域に対応する少なくとも1つの記録用素子を駆動して感熱記録媒体を消色温度に加熱する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、記録を行うためのレーザラインヘッド等のラインヘッドの他に、消去を行うための消去ヒータ等を別途設けることなく、簡単な構成で、大型化することなく、情報の記録と消去とが同時にできるラインヘッド消去記録装置及びその制御方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1はラインヘッド消去記録装置の構成図を示す。感熱記録媒体(以下、リライト用紙と称する)1は、常温より高い発色温度に加熱すると発色し、かつ常温で発色状態を維持しながら発色温度よりも低い消色温度に加熱すると消色するもので、例えば上記図6に示すように180℃以上に加熱してから急冷することにより発色し、かつ130℃〜170℃程度の加熱によって消色する。このリライト用紙1は、例えば搬送機構によって搬送方向Aに所定の速度で搬送される。
【0011】
レーザアレイヘッド2がリライト用紙1の上方に設けられている。このレーザアレイヘッド2は、図2に示すように複数のレーザ発光素子2−1〜2−nをライン状に配列して成る。これらレーザ発光素子2−1〜2−nは、それぞれ各レーザビームを出力し、かつそれぞれ個別で発光強度を可変可能である。このレーザアレイヘッド2は、リライト用紙1の搬送方向Aに対して垂直方向に設けられている。換言すれば、リライト用紙1は、レーザアレイヘッド2のライン方向に対して垂直方向に搬送される。
なお、レーザアレイヘッド2のライン方向を主走査方向Bとし、リライト用紙1の搬送方向Aを副走査方向とする。
【0012】
記録消去制御部3は、リライト用紙1に記録する情報Sを受け取り、この記録情報Sに基づいて主走査方向Aに1走査する毎に、リライト用紙1上に記録すべき情報の有する領域に対応する少なくとも1つのレーザ発光素子2−1〜2−nを駆動してリライト用紙1を図6に示す発色温度、例えば180℃以上に加熱し、これと同時に、リライト用紙1上に記録すべき情報の無い領域に対応する少なくとも1つのレーザ発光素子2−1〜2−nを駆動してリライト用紙1を図6に示す消色温度、例えば130℃〜170℃程度に加熱する。
【0013】
すなわち、記録消去制御部3は、主走査方向Aに1走査する毎に、各レーザ発光素子2−1〜2−nをそれぞれ個別にかつ同時に駆動制御するもので、リライト用紙1を例えば180℃以上の発色温度に加熱する発光強度のレーザビーム(以下、高パワーのレーザビームと称する)を各レーザ発光素子2−1〜2−nから出力させるように各レーザ発光素子2−1〜2−nを駆動制御する。これと同時に、記録消去制御部3は、リライト用紙1を例えば130℃〜170℃程度の消色温度に加熱する発光強度のレーザビーム(以下、低パワーのレーザビームと称する)を各レーザ発光素子2−1〜2−nから出力させるように各レーザ発光素子2−1〜2−nを駆動制御する。
【0014】
次に、上記の如く構成された装置による記録消去の動作について説明する。
リライト用紙1には、予め複数の文字、例えば文字「あ」が均一な間隔でリライト用紙1の全面に記録されている。このリライト用紙1は、搬送機構によって搬送方向Aに所定の速度で搬送される。
【0015】
記録消去制御部3は、リライト用紙1に記録する情報Sを受け取る。この記録情報Sは、例えばリライト用紙1における主走査方向Bに対して約半分の領域に記録されている複数の文字「あ」を例えば複数の文字「い」に書き換え、かつ残りの約半分の領域に記録されている複数の文字「あ」を消去するものとなっている。
【0016】
記録消去制御部3は、記録情報Sに基づいて主走査方向Aに1走査する毎に、リライト用紙1上に記録すべき情報の有する領域すなわち文字「い」の領域に対応する少なくとも1つのレーザ発光素子2−1〜2−nを駆動し、これらレーザ発光素子2−1〜2−nからリライト用紙1を例えば180℃以上の発色温度に加熱する発光強度の高パワーのレーザビームを出力させる。例えば主走査方向Aの1走査ラインにおいて、図3に示すようにリライト用紙1上に記録すべき情報の有する領域すなわち文字「い」の領域に対応するレーザ発光素子2−1〜2−nが例えば各レーザ発光素子2−12、2−13、2−17であれば、これらレーザ発光素子2−12、2−13、2−17からそれぞれ高パワーの各レーザビームが出力される。
【0017】
この高パワーのレーザビームは、リライト用紙1上の文字「い」の領域に照射される。これにより、リライト用紙1における文字「い」の領域は、図6に示す発色温度、例えば180℃以上に加熱される。そして、このリライト用紙1における文字「い」の領域は、図6に示すように180℃以上に加熱してから急冷することにより例えば黒色に発色する。
【0018】
これと同時に、記録消去制御部3は、記録情報Sに基づいて主走査方向Aに1走査する毎に、リライト用紙1上に記録すべき情報の無い領域に対応する少なくとも1つのレーザ発光素子2−1〜2−nを駆動し、これらレーザ発光素子2−1〜2−nからリライト用紙1を例えば図6に示すように130℃〜170℃程度の消色温度に加熱する発光強度の低パワーのレーザビームを出力させる。例えば図3に示す主走査方向Aの1走査ラインと同一走査ライン上において、図3に示すようにリライト用紙1上に記録すべき情報の無い領域に対応するレーザ発光素子2−1〜2−nが例えば各レーザ発光素子2−1〜2−11、2−14〜2−16、2−18〜2−nであれば、これらレーザ発光素子2−1〜2−11、2−14〜2−16、2−18〜2−nからそれぞれ低パワーの各レーザビームが出力される。
【0019】
この低パワーのレーザビームは、リライト用紙1上の文字の無い領域に照射される。これにより、リライト用紙1における文字の無い領域は、図6に示す消色温度、例えば130℃〜170℃程度の消色温度に加熱される。そして、このリライト用紙1における文字の無い領域は、図6に示すように130℃〜170℃程度の加熱により消色する。
【0020】
以下、記録消去制御部3は、記録情報Sに基づいて主走査方向Aに1走査する毎に、リライト用紙1を例えば180℃以上の発色温度に加熱する高パワーのレーザビームを各レーザ発光素子2−1〜2−nから出力させるように各レーザ発光素子2−1〜2−nを駆動制御し、これと同時に、リライト用紙1を例えば130℃〜170℃程度の消色温度に加熱する低パワーのレーザビームを各レーザ発光素子2−1〜2−nから出力させるように各レーザ発光素子2−1〜2−nを駆動制御することを繰り返す。
【0021】
この結果、リライト用紙1における主走査方向Bに対して約半分の領域に記録されている複数の文字「あ」は、例えば複数の文字「い」に書き換えられる。これと同時に、残りの約半分の領域に記録されている複数の文字「あ」は、消去される。
【0022】
このように上記第1の実施の形態によれば、リライト用紙1を例えば180℃以上の発色温度に加熱する高パワーのレーザビームを各レーザ発光素子2−1〜2−nから出力させるように各レーザ発光素子2−1〜2−nを駆動制御し、これと同時に、リライト用紙1を例えば130℃〜170℃程度の消色温度に加熱する低パワーのレーザビームを各レーザ発光素子2−1〜2−nから出力させるように各レーザ発光素子2−1〜2−nを駆動制御する。
【0023】
これにより、情報の記録を行うためにレーザアレイヘッド等のラインヘッドの他に、消去を行うために消去ヒータ等を別途設けることなく、1つのレーザアレイヘッド2によって情報の記録と消去とを同時に行うことができる。しかも、1つのレーザアレイヘッド2における各レーザ発光素子2−1〜2−nを個別に駆動制御して高パワー又は低パワーのレーザビームを出力させるだけなので、簡単な構成で、大型化することなく、情報の記録と消去とを同時に行い、リライト用紙1上の記録内容を1つのレーザアレイヘッド2により書き換えることができる。
【0024】
しかるに、近年、環境問題等によって用紙の使用量を削減するために書き換え可能なリライト用紙1が使用されている状況にあり、このリライト用紙1に対して1つのレーザアレイヘッド2により記録と消去とを同時に行って情報を書き換えることができることにより、リライト用紙1の有用性を高めることができ、かつ環境にやさしく、リライト用紙1に掛かるコストの削減に貢献できる。
【0025】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図4はラインヘッド消去記録装置の構成図を示す。サーマルヘッド10がリライト用紙1の記録面上に接触して設けられている。このサーマルヘッド10は、図5に示すように加熱素子としての複数のサーマル素子10−1〜10−mをライン状に配列して成る。これらサーマル素子10−1〜10−mは、それぞれ個別で発熱温度を可変可能である。このサーマルヘッド10は、リライト用紙1の搬送方向Aに対して垂直方向に設けられている。換言すれば、リライト用紙1は、サーマルヘッド10のライン方向に対して垂直方向に搬送される。
【0026】
記録消去制御部11は、リライト用紙1に記録する情報Sを受け取り、この記録情報Sに基づいて主走査方向Aに1走査する毎に、リライト用紙1上に記録すべき情報の有する領域に対応する少なくとも1つのサーマル素子10−1〜10−mを駆動してリライト用紙1を図6に示す発色温度、例えば180℃以上に加熱し、これと同時に、リライト用紙1上に記録すべき情報の無い領域に対応する少なくとも1つのサーマル素子10−1〜10−mを駆動してリライト用紙1を図6に示す消色温度、例えば130℃〜170℃程度に加熱する。
【0027】
次に、上記の如く構成された装置による記録消去の動作について説明する。
記録消去制御部11は、記録情報Sに基づいて主走査方向Aに1走査する毎に、リライト用紙1上に記録すべき情報の有する領域すなわち文字「い」の領域に対応する少なくとも1つのサーマル素子10−1〜10−mを発熱駆動し、これらサーマル素子10−1〜10−mによってリライト用紙1を例えば180℃以上の発色温度に加熱する。これにより、リライト用紙1における文字「い」の領域は、上記図6に示すように180℃以上に加熱してから急冷することにより例えば黒色に発色する。
【0028】
これと同時に、記録消去制御部11は、記録情報Sに基づいて主走査方向Aに1走査する毎に、リライト用紙1上に記録すべき情報の無い領域に対応する少なくとも1つのサーマル素子10−1〜10−mを発熱駆動し、これらサーマル素子10−1〜10−mによってリライト用紙1を例えば図6に示すように130℃〜170℃程度の消色温度に加熱する。これにより、リライト用紙1における文字の無い領域は、図6に示すように130℃〜170℃程度の加熱により消色する。
【0029】
以下、記録消去制御部11は、記録情報Sに基づいて主走査方向Aに1走査する毎に、リライト用紙1を例えば180℃以上の発色温度に加熱するように各サーマル素子10−1〜10−mを発熱制御し、これと同時に、リライト用紙1を例えば130℃〜170℃程度の消色温度に加熱するように各サーマル素子10−1〜10−mを発熱制御することを繰り返す。
【0030】
この結果、リライト用紙1における主走査方向Bに対して約半分の領域に記録されている複数の文字「あ」は、例えば複数の文字「い」に書き換えられる。これと同時に、残りの約半分の領域に記録されている複数の文字「あ」は、消去される。
【0031】
このように上記第2の実施の形態によれば、リライト用紙1を例えば180℃以上の発色温度に加熱するように各サーマル素子10−1〜10−mを発熱制御し、これと同時に、リライト用紙1を例えば130℃〜170℃程度の消色温度に加熱するように各サーマル素子10−1〜10−mを発熱制御するので、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0032】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係るラインヘッド消去記録装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置におけるレーザアレイヘッドの構成図。
【図3】同装置におけるレーザアレイヘッドでの高パワーと低パワーとの各レーザビームを出力するレーザ発光素子を示す図。
【図4】本発明に係るラインヘッド消去記録装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図5】同装置におけるサーマルヘッドの構成図。
【図6】同装置に用いる感熱記録媒体の発色及び消色の温度との関係を示す図。
【符号の説明】
【0034】
1:感熱記録媒体(リライト用紙)、2:レーザアレイヘッド、2−1〜2−n:レーザ発光素子、3:記録消去制御部、10:サーマルヘッド、10−1〜10−m:サーマル素子、11:記録消去制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録用素子をライン状に配列して成るラインヘッドを備え、常温より高い発色温度に加熱すると発色し、かつ常温で発色状態を維持しながら前記発色温度よりも低い消色温度に加熱すると消色する感熱記録媒体を前記ラインヘッドの前記ライン方向に対して垂直方向に搬送し、前記ラインヘッドにより前記感熱記録媒体に対して情報の消去、記録を行うラインヘッド消去記録装置において、
前記感熱記録媒体上に記録すべき前記情報の有する領域に対応する少なくとも1つの前記記録用素子を駆動して前記感熱記録媒体を前記発色温度に加熱し、これと同時に、前記感熱記録媒体上に記録すべき前記情報の無い領域に対応する少なくとも1つの前記記録用素子を駆動して前記感熱記録媒体を前記消色温度に加熱する記録消去制御部、
を具備することを特徴とするラインヘッド消去記録装置。
【請求項2】
前記記録消去制御部は、前記ラインヘッドを1走査ライン駆動する毎に、前記複数の記録用素子をそれぞれ個別にかつ同時に駆動し、前記感熱記録媒体における前記情報の有する前記領域を前記発色温度に加熱し、これと同時に、前記情報の無い前記領域を前記消色温度に加熱することを特徴とする請求項1記載のラインヘッド消去記録装置。
【請求項3】
前記ラインヘッドは、前記記録用素子として発光素子から成り、
前記記録消去制御部は、前記情報の有する領域に対応する前記少なくとも1つの前記発光素子を前記感熱記録媒体を前記発色温度に加熱する光強度に発光し、これと同時に、前記情報の無い領域に対応する前記少なくとも1つの前記発光素子を前記感熱記録媒体を前記消色温度に加熱する光強度に発光する、
ことを特徴とする請求項1記載のラインヘッド消去記録装置。
【請求項4】
前記発光素子は、発光強度を可変とするレーザ発光素子から成ることを特徴とする請求項3記載のラインヘッド消去記録装置。
【請求項5】
前記ラインヘッドは、前記記録用素子として加熱素子から成り、
前記記録消去制御部は、前記情報の有する領域に対応する前記少なくとも1つの前記加熱素子を前記感熱記録媒体を前記発色温度に加熱するために加熱駆動し、これと同時に、前記情報の無い領域に対応する前記少なくとも1つの前記発光素子を前記感熱記録媒体を前記消色温度に加熱するために加熱駆動する、
ことを特徴とする請求項1記載のラインヘッド消去記録装置。
【請求項6】
前記加熱素子は、発熱温度を可変とするサーマル素子から成ることを特徴とする請求項5記載のラインヘッド消去記録装置。
【請求項7】
複数の記録用素子をライン状に配列して成るラインヘッドの前記ライン方向に対して垂直方向に、常温より高い発色温度に加熱すると発色し、かつ常温で発色状態を維持しながら前記発色温度よりも低い消色温度に加熱すると消色する感熱記録媒体を搬送し、前記ラインヘッドを駆動制御して前記感熱記録媒体に対して情報の消去、記録を行うラインヘッド消去記録制御方法において、
前記感熱記録媒体上に記録すべき前記情報の有する領域に対応する少なくとも1つの前記記録用素子を駆動して前記感熱記録媒体を前記発色温度に加熱し、これと同時に、前記感熱記録媒体上に記録すべき前記情報の無い領域に対応する少なくとも1つの前記記録用素子を駆動して前記感熱記録媒体を前記消色温度に加熱する、
ことを特徴とするラインヘッド消去記録制御方法。
【請求項8】
前記ラインヘッドを1走査ライン駆動する毎に、前記複数の記録用素子をそれぞれ個別にかつ同時に駆動し、前記感熱記録媒体における前記情報の有する前記領域を前記発色温度に加熱し、これと同時に、前記情報の無い前記領域を前記消色温度に加熱することを特徴とする請求項7記載のラインヘッド消去記録制御方法。
【請求項9】
前記ラインヘッドとして発光強度を可変とするレーザ発光素子を用い、
前記情報の有する領域に対応する前記少なくとも1つの前記レーザ発光素子を前記感熱記録媒体を前記発色温度に加熱する光強度に発光し、これと同時に、前記情報の無い領域に対応する前記少なくとも1つの前記レーザ発光素子を前記感熱記録媒体を前記消色温度に加熱する光強度に発光する、
ことを特徴とする請求項7記載のラインヘッド消去記録制御方法。
【請求項10】
前記記録用素子としてサーマル素子を用い、
前記情報の有する領域に対応する前記少なくとも1つの前記サーマル素子を前記感熱記録媒体を前記発色温度に加熱するために加熱駆動し、これと同時に、前記情報の無い領域に対応する前記少なくとも1つの前記サーマル素子を前記感熱記録媒体を前記消色温度に加熱するために加熱駆動する、
ことを特徴とする請求項7記載のラインヘッド消去記録制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−101669(P2009−101669A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−278101(P2007−278101)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】