説明

ライン状照明装置及びそれを用いた画像読取装置

【課題】ライン状の照明装置から出射された照明光の照度を増大するとともに、導光体の長手方向に沿った照度分布をより均一にしたライン状照明装置を提供する。
【解決手段】長手形状で透明な部材で形成された導光体の一方の端部の入光面にLEDを配置し、その入光面から入射された光を導光体の長手方向に導入する導光部と、その導入された光を長手方向に亘って照射する出光部とを有するライン状照明装置であって、導光部と出光部との間に導光部からの光が出光部に進むのを制御するために、互いに対向する位置に楔形の突起と先端が平面の突起とを形成し、これら突起により出光部から照射される光量の低下を抑制し、導光体の長手方向における照度分布を低減した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージスキャナ、ファクシミリあるいは複写機等の画像読取装置で使用されるライン状照明装置に係り、特に原稿の読取面を照射してその反射光を読取るイメージセンサユニットに用いられるライン状照明装置及びそれを用いた画像読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、イメージスキャナ、ファクシミリあるいは複写機等の画像読取装置において用いられるイメージセンサのタイプには、縮小型,密着型などの種類がある。そのなかで、密着型イメージセンサ(以下CISと略す。)は、照明装置、等倍結像光学装置、ラインセンサなどから構成されている。そして、このようなCISは、一般的に、縮小光学系を利用したイメージセンサに比べて光路長が短いため、このイメージセンサを備える機器を小型化し易いという特徴がある。このようにCISは機器への組み込みが容易であるため、縮小光学系に代わって薄型のフラットベット型の画像読取装置等に多く使用されるようになってきた。このようなCISに使用されるライン状照明装置は、原稿面を必要な照度以上で照明し、原稿からの反射光が十分な強度を持ってラインセンサに到達するように要求されている。
【0003】
図4は従来の密着型イメージセンサの断面図であり、導光体42が一本の場合を示している。この密着型イメージセンサは、原稿を照射するための光源を有し、レンズ44を通して原稿49からの反射光を光電変換素子(CCD)で形成された受光部で受け、電気信号に変換する。
【0004】
同図において、43は構成部材を支持するフレーム、44は原稿49の光学像をラインセンサ45上に結像するレンズアレイである。45は原稿49の光学像を電気信号に光電変換する受光部を複数備えたライン状に配置されたラインセンサである。46はラインセンサ45を搭載しているセンサ基板である。41r,41g,41bのそれぞれは、原稿49を照明するためのLEDを有する光源であり、長手方向に延びた導光体42の一方の端面に配置されている。光源ユニット41は、LED41r,41g,41bからの出射光を取入れ、ラインセンサ45の1ラインの長さに亘って照明光量が略均一になるように設計された導光体42を有している。47はセンサ信号と外部機器を接続するコネクタ、48は原稿49を支持する透明ガラス製の原稿支持台である。
【0005】
導光体42の端面に配置されたLEDから出射された光は、アクリル製の導光体42に導かれて、その内部を複雑に反射しながら出射面(出光部)から外部に出射されて原稿49を照明する。この導光体内での反射を助ける目的で、導光体42の反射部や終端部(入光面の反対側)に、酸化チタン粉末やアルミニウム粉末を印刷等の手段で配置しておくのが好ましい。
【0006】
これらライン状照明装置としては、アクリル製の棒状透明体(導光体)の一端部(入光部)に発光素子を設けたライン状の照明装置が用いられている。(詳細は、特許文献1、特許文献2及び特許文献3を参照のこと)
これら公報に記載されたライン状照明装置は、棒状の透明体(導光体)の一端のみに発光素子であるLEDを配置することでコスト低減を図っている。更に、この導光体の長手方向に沿って均一な照度が得られるように導光体の形状を工夫し、LEDからの光が入射される導光体の入光面から終端部に向かってなるべく均一な照度が得られるように構成されている。
【特許文献1】日本国特許登録公報 第2693098号
【特許文献2】特開平8−163320号公報
【特許文献3】特開平10−241432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来例では、以下のような課題があった。
【0008】
先ず図5A、図5Bに、上記特許文献3に記載されている従来のライン状照明装置の断面形状の一例を示し、その課題点を説明する。
【0009】
図中の矢印は光線の方向を示す。図5Aにおいて、入光面からの光が図面略垂直方向に進入してくる導光部501と、その光が出射する出光部502との間に、500で示す楔形状の突起を施している。この構成では、出光部502から導光部501に戻る光510が比較的多く存在する。また導光部501から出光部502に進んだ光511も所定の方向とは異なる方向に出射している。このため、これら光は有効な照明光とならない。この結果、照明光量が不足して照射光量を上げることができないという問題があった。
【0010】
また図5Bでは、500,503で示すように2つの楔形状の突起を施している。これらの形状においても同様に、導光部501側の底面521からの反射光512が出光部502に入り、原稿の照明に寄与しない方向に光が出射されている。また反対に、出光部502側の底面522からの反射光のように、出光部502から導光部501に光が戻ってしまって、その光が出射されなくなり原稿の照明光量が低くなるという課題があった。
【0011】
本発明の目的は、このような従来の問題点を解決することにある。
【0012】
本発明の特徴は、密着型イメージセンサユニットにおいて、ライン状の照明装置から出射された照明光の照度を増大するとともに、導光体の長手方向に沿った照度分布をより均一にしたライン状照明装置を提供することにある。
【0013】
また本発明の特徴は、照明光の照度の立ち上がり特性を改善し、導光体の有効読取り長をより長くするライン状照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係るライン状照明装置は以下のような構成を備える。即ち、
本発明は、光源と、
透明な媒質で構成され、前記光源からの光を入光面から入射し、当該光を長手方向に沿って導光する導光部と、前記導光部に導かれた光を前記長手方向に亘ってライン状に出射させるための出射面を有する出光部とを有する導光体と、
前記導光部から前記出光部に進む光量を制御するために、前記導光部と出光部との間に前記導光体の長手方向に沿って、対向する位置に配置された第1及び第2の突起とを有し、前記第1の突起は楔形状で高さが前記入光面からの距離に応じて変化し、前記第2の突起の前記導光部側壁面の前記導光部側底面に対してなす第1角度が、前記第2の突起の前記出光部壁面が前記出光部側底面に対してなす第2角度よりも大きいことを特徴とするライン状照明装置である。
【0015】
また、前記導光体は更に、前記入光面から前記長手方向に沿って前記第2の突起の高さが連続的に増加する第1の領域と、前記第1の領域に続いて、前記第2の突起の高さが略一定である第2の領域とを有する。
【0016】
更に、前記導光体は、前記入光面から前記長手方向に沿って前記第2の突起の高さが連続的に増加する第1の領域と、前記第1の領域に続いて前記第2の突起の高さが略一定である第2の領域と、前記第2の領域に続いて前記長手方向に沿って終端部に向かって前記第2の突起の高さが連続的に減少する第3の領域とを有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ライン状照明装置の照度が上がるばかりではなく、照度分布がより均一になる。また導光体の入光部近傍において出射される照明光の照度分布が均一なために、導光体の有効読み取り長をより長く取れて、不要なスペースが少なくなり、製品実装上も小型化できる利点がある。また導光体に対するLEDの配置位置がずれても、照度分布に影響しずらくなるために、LEDの取付け工程における高さ位置調整工程を比較的簡便にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0019】
本実施の形態に係るライン状照明装置の導光体は、基本的には図4に示す導光体と同じ形状であるが、導光部と出光部との間に来の楔形状の突起に代えて矩形の突起構造を有することが特徴である。このように本実施の形態では、従来からのライン状照明装置に加えて、導光部近傍及び/又は出光部近傍に出射光量を制御する新たな構造を付加したことを特徴としている。
【0020】
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1に係るライン状照明装置の例を図1に示す。
【0021】
図1Aは、実施の形態1に係るライン状照明装置の導光体100の長手方向の略中央部における断面図を示している。この導光体100は、その長手方向に沿って導光部101と出光部102とに大別できる。この導光体100の少なくとも片側の端面(以下、入光面110(図1B)という)の近傍に光源であるLED120を配置する。導光部101は、入光面110の外側近傍に配置されたLED120から出射された光を受取り、それを導光体100の長手方向に伝達すると共に、出光部102に向かってその光を展開する機能を持つ。出光部102は、導光部101から光を受取り、出光部102の一部に設けられた光の出射面から所定の方向に光を出射する。これにより原稿の読取り対象部分がライン状に照明される。
【0022】
図1Aに示す導光体100では、導光部101と出光部102の境界部に一定の高さを有する矩形構造の突起103を形成し、更に、この突起103に対向する位置に楔形状の突起104(以下、楔部と略す)を設けている。この突起103と楔部104とによって、光量調節弁の役割を有することは従来例の考え方に共通している。しかし、この実施の形態1では、突起103の断面形状を矩形にすることによって、導光部101と出光部102との間での光の伝達をより有効に制御している。また楔部104に関しては、導光体100の長手方向に沿った光源からの距離に応じて楔部104の高さを変えることにより、出光部102へ進入する光量を制御している。具体的には、導光体100の長手方向の略中央付近では楔部104の高さを最も高くし、入光面および終端部ではその高さを低くしている。また突起103に関しては、導光部101側の底面に対する角度よりも、出光部102側の低面に対する角度が小さく(好ましくは鋭角)になっている。
【0023】
図1Bは、この導光体100の全体を示す概観斜視図である。
【0024】
この導光体100は透明な媒質で形成され、入光面110から終端部に向かって突起103が同じ形状で形成され、楔部104は両端部近傍で低く、中央付近で最も高くなるように形成されている。
【0025】
図2は、突起103の役割を説明するための導光体100の断面図である。
【0026】
図2において、図5A,図5Bに示す従来例に比べて、突起103の出光面側は、縦方向の角度を持った壁面を有している。これにより導光部101から出光部102へ低い角度で直接進む光201を遮断するとともに、出光部102から導光部101に戻る光202を遮断する働きを持つ。このように、導光部101に属する第1の底面210と出光部102に属する第2の底面211よって、一度、出光部102に入った光が導光部101に戻ることが少なくなり、また導光部101から出光部102に入ってくる光も効率的に使われるので、従来例に比べて原稿上の照度を増大させることができる。
【0027】
図3は、本実施の形態に係る照明装置の長手方向の照度分布を説明する図である。
【0028】
図3において、光源であるLEDは、入光面側、即ち、図3の左側に配置されており、縦軸は、導光体100の長手方向に沿った原稿の照明位置における相対的な照明光量を示している。また横軸は入光面110からの長さ(単位はmm)を示している。
【0029】
図3において、300で示す線は、本実施の形態に係る照明装置における照度特性を示しており、301で示す線は、図5Bに断面を示す従来例の照明装置による照度特性を示している。従来の照明装置では、入光面110から約15mmの位置で照度が上昇し、その後最大照度を示し、終端部に向かって徐々に減衰している。これは入光面110の近傍において、光源(LED)から出射された光の一部が直接に出光部102に入り込み、入光面近傍の光量を増大させるためと考えられる。
【0030】
これに対して、本発明の実施の形態1に係る照明装置では、その傾向が緩和され、導光体100の長手方向に亘ってほぼ均一な照度が得られることがわかる。
【0031】
[実施の形態2]
ここで実施の形態1に係る照明装置の照度特性である図3をより細かく観察すると、入光面110から約15mmの付近で照度が低い領域があり、また終端部から約10mmの付近でも同様に照度がより落ちる領域があることがわかる。これは、光源120からの直接光が導光体100の略中央まで進入するため、入光面110の近傍では光が拡散して出光部102に到達する光が少なくなることによると考えられる。
【0032】
一方、従来の照明装置では、入光面から20〜50mmの範囲で照度のピークが得られている。これは光源から直接出光部502に到達する光が加算されることが原因と考えられる。これに対し照明装置の入光面の極近傍部分では照度が低くなっているため、この入光面の極近傍では原稿を読取ることができない。よって、この部分は、照明装置の無駄な部分となっている。また同様に、入光面の反対側の終端部においても、終端部から数ミリメートルの範囲で照度が低下している部分がある。よって、これら照度が低くなる部分の長さをより短くして無駄な部分を少なくすることが求められている。
【0033】
このような照度特性は、色ごとにも若干異なっている。現在多くのCISには、赤緑青の3色のLEDが用いられている。これらが図4に示すように、導光体の入光面近傍に水平方向に並んで配置されている。このため、その配置された位置によって、出光部に遠いLEDほど照度の立ち上がり特性が悪くなる傾向がある。その結果、入光部近傍の照度の均一性ばかりでなく、出光部での色度特性もが低下していた。
【0034】
また、このように照度が低下する部分は原稿の読取りに使用されないので、CISの両端部が使用できなくなり無駄となってしまう。よって照明装置のサイズを小さくしたままで全領域を有効領域とすることが課題として求められていた。
【0035】
そこで実施の形態2では、入光部近傍の照度低下を改善するために、入光面の極近傍では突起103の高さを低くして、従来遮断していた、光源120からの直接光の一部を出光部102に取入れて照明光として利用する。こうして、入光面近傍での照度が低い領域を減少させることを特徴としている。
【0036】
図6は、本発明の実施の形態2に係る導光体100aの概観斜視図である。
【0037】
この導光体100aは、アクリル材を図6に示す形状に成型加工したものである。この導光体100aの特徴は、細長い形状で、その中に光源120からの光を長手方向に導く導光部101と、原稿をライン状に照明する照明光を出射する出光部102を有することは前述の実施の形態1と同様である。この導光部101と出光部102とを分離する位置に、実施の形態1と同様に図6に示す楔部104と突起103が形成されている。
【0038】
この突起103の形状は、この導光体100aの長手方向に沿って、入光面110からの距離が約5.5mm付近までにその高さが徐々に高くなる第1の突起領域601と、その後は一定の高さで終端部まで至る形状である第2の突起領域602とを有している。この特徴は、入光面110からの距離が約5.5mm付近までの領域では、突起103の高さ及び楔部104の高さを、略高さ無し(高さ=0)の状態から終端部方向に向かって徐々に高くし、第1の突起領域601から第2の突起領域602に入ると、突起103の高さは、例えば前述の実施の形態1の高さで一定となる点にある。これにより光源120からの直接光や導光部100aの底面からの光を含めて、より多くの光が導光部101から出光部102に到達するようにしている。こうして入光面110近傍での照度低下を補っている。
【0039】
入光面110の近傍では、LED120から直接出光部102に進む光があり、従来は、この直接光をなるべく使わないように突起を形成するなどして遮断していた。これに対して実施の形態2では反対に、この光源120からの直接光を利用することにより、入光面110の近傍の照度を上げることに成功した。
【0040】
これとは反対に、入光面110からの距離が長い部分では、突起103の高さを高くし、楔部104の高さをその距離に応じて変化させることにより光量を調節している。これにより出光部102へ到達する光量を調整して、導光体100aの長手方向の照度を均一にするようにしている。
【0041】
この実施の形態2の導光体100aにより、入光面110の近傍の照度が向上した結果を図9を参照して説明する。
【0042】
図9は、本発明の実施の形態1,2に係る照明装置の入光面近傍における照度の立ち上がり特性を示す図である。図において、900は実施の形態1による結果を示し、901は実施の形態2における結果をそれぞれ示している。
【0043】
図9では、入光面近傍の照度を相対値で示したが、実施の形態2では、実施の形態1に比べて、入光面からの距離が約4mm付近で照度の立ち上がりが良いことがわかる。これによって、原稿を有効に照射できる導光体の有効長が増えたことになり、一定の幅の原稿に対応した導光体としては、相対的にこの分だけ長さを短くすることができる。
【0044】
また実施の形態2の導光体100aの形状では、さらに以下に述べる新たな効果を有することがわかった。
【0045】
図10は、本発明の実施の形態1に係る照明装置において、LEDの取付け位置が異なった時の照度分布を示す図である。
【0046】
実施の形態1に示す導光体100において、その入光面110側に配置されるLED120の配置位置が縦方向にずれた場合、導光体100の長手方向に亘って照度分布特性が異なっている。特に入光面110に近い領域では、LED120の取付け位置が僅かに違っても照度変化が大きいことがわかった。よって実施の形態1の照明装置においては、製造工程上でLED120の取り付け高さ位置を入念に調整する必要があり、製造工程上極めて煩雑になっていた。
【0047】
図11は、本発明の実施の形態2に係る照明装置においてLEDの取付け位置が異なった時の照度分布を示す図である。
【0048】
図11では、LEDの取付け位置を違えた場合の長手方向の照度分布特性を示す。これによってLEDの取付け位置が異なっても、照度分布特性にはあまり変化がないことがわかる。よって製造工程上、LEDの位置合わせが簡単になり、また製品の照度分布のばらつきも小さくなるほか、製造工程時間も短縮できた。
【0049】
[実施の形態3]
この実施の形態3では、入光面110の近傍に加えて終端部近傍の突起103の高さを段階的に変化させる構造とした。図7にその詳細を示す。
【0050】
図7は本発明の実施の形態3に係る照明装置の導光体100bの概観斜視図である。
【0051】
この実施の形態3では、導光体100bの長手方向に沿って、突起103の形状を図7に示したように入光面110から徐々に突起の高さが高くなる第1の突起領域701、一定の高さの突起103が形成された第2の溝領域702に加えて、終端部から約6mm付近から徐々に突起103が低くなる第3の溝領域703が設けられていることが特徴である。尚、楔部104の形状は前述の実施の形態1,2と同様である。
【0052】
また導光体100bの終端部には、アルミニウムなどからなる反射部材を配置して、光源120からの光の反射効率を上げている。こうすることで、終端部に光源が配置されたのと同様な構成となり、終端部近傍において照度が低下する傾向が緩和される。よって、終端部近傍において照度が低下する部位を少なくすることができる。その結果、相対的に有効な照度を与える導光体の有効長が長くなり、照度が低くて使用できない領域を短くすることが可能となった。これによって、一定の長さの原稿を照明する照明装置の長さを短くすることができるため、その分だけ画像読取装置の幅を短くすることができる。
【0053】
尚、上述の実施の形態1,2においても、導光体100bの終端部に、アルミニウムなどからなる反射部材を配置してもよい。
【0054】
[実施の形態4]
上述した実施の形態1〜3に係る照明装置を用いたフラットベット型イメージスキャナについて説明する。
【0055】
図8は、本発明の実施の形態に係るイメージセンサの一応用例である画像読取装置の概観斜視図である。ここでは密着型イメージセンサを用いたフラットベット型画像読取装置の例を示している。
【0056】
図8において、81は、本実施の形態の照明装置を具備したCISである。82は原稿支持体であるガラス板、83はCISを稼動させるワイヤ、84はワイヤ83を動かしてCISをスイープするための駆動モータ、85は原稿の圧板である。
【0057】
駆動モータ84を駆動させてワイヤ83を機械的に動かすことにより、CIS81は読取方向(走査方向)に移動して原稿の画像情報を読取ることができる。CISは照明部が一体に組み込まれたセンサーユニットとして構成され、照明された原稿からの反射光はCIS中のレンズアレイ(不図示)によって光電変換素子に集光され、一ラインごとに画像情報として出力される。このようにして、シート状の画像情報を読取り出力することが可能となる。
【0058】
本実施の形態に係るCISユニットを搭載したイメージスキャナでは、照明装置の長さをより短くすることができるので、イメージスキャナの幅を短くでき、さらに画像読取装置の大きさを小さくすることに寄与できる。
【0059】
以上説明したように本実施の形態によれば、ライン状照明装置の照度を上昇できるだけでなく、照度分布がより均一になる。
【0060】
また導光体の入光部近傍において出射される照明光の照度分布が均一となるため、導光体の有効読み取り長をより長く取れる。これにより、不要なスペースが少なくなり、製品実装上も小型化できる利点がある。
【0061】
また本実施の形態によれば、導光体に対するLEDの配置位置がずれても照度分布に対する影響を小さくできるため、LEDの取付け工程における取り付け位置調整を比較的簡便にすることができる。
【0062】
本願発明は上述した実施の形態に限定されるものでなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更や修正が可能である。よって、本願発明の技術的範囲は以下の請求の範囲により特定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1A】本発明の実施の形態1に係るライン状照明装置の断面図である。
【図1B】本発明の実施の形態1に係るライン状照明装置の斜視図である。
【図2】実施の形態1に係るライン状照明装置を用いた場合の光学的効果を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1によるライン状照明装置の長手方向の照度分布を示す図である。
【図4】従来の密着型イメージセンサの構成断面図である。
【図5A】楔部を持った従来の照明装置の断面図である。
【図5B】楔部を持った従来の照明装置の好ましくない光の動きを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る照明装置の構造を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る照明装置の構造を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る照明装置を用いたフラットベッド型画像読取装置の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態1,2に係る照明装置の入光面近傍における照度の立ち上がり特性を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係る照明装置においてLEDの取付け位置が異なった時の照度分布を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る照明装置においてLEDの取付け位置が異なった時の照度分布を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
透明な媒質で構成され、前記光源からの光を入光面から入射し、当該光を長手方向に沿って導光する導光部と、前記導光部に導かれた光を前記長手方向に亘ってライン状に出射させるための出射面を有する出光部とを有する導光体と、
前記導光部から前記出光部に進む光量を制御するために、前記導光部と出光部との間に前記導光体の長手方向に沿って、対向する位置に配置された第1及び第2の突起とを有し、
前記第1の突起は楔形状で高さが前記入光面からの距離に応じて変化し、前記第2の突起の前記導光部側壁面の前記導光部側底面に対してなす第1角度が、前記第2の突起の前記出光部壁面が前記出光部側底面に対してなす第2角度よりも大きいことを特徴とするライン状照明装置。
【請求項2】
前記導光体は更に、前記入光面から前記長手方向に沿って前記第2の突起の高さが連続的に増加する第1の領域と、前記第1の領域に続いて、前記第2の突起の高さが略一定である第2の領域とを有することを特徴とする請求項1に記載のライン状照明装置。
【請求項3】
前記導光体は更に、前記入光面から前記長手方向に沿って前記第2の突起の高さが連続的に増加する第1の領域と、前記第1の領域に続いて前記第2の突起の高さが略一定である第2の領域と、前記第2の領域に続いて前記長手方向に沿って終端部に向かって前記第2の突起の高さが連続的に減少する第3の領域とを有することを特徴とする請求項1に記載のライン状照明装置。
【請求項4】
前記導光体は、前記第1、前記第2、及び前記第3の領域の少なくともいずれかの領域を有することを特徴とする請求項3に記載のライン状照明装置。
【請求項5】
前記第2の突起の断面形状は楔形であり、当該第2の突起の高さは前記導光体の長手方向に沿って連続的に変化することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のライン状照明装置。
【請求項6】
前記導光体は更に、前記入光面の反対側の終端部に、光を反射するための反射部材を配置していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のライン状照明装置。
【請求項7】
前記光源はLEDであり、当該光源は、前記入光面に接するか、又は近接して配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のライン状照明装置。
【請求項8】
前記第1角度は鈍角で、前記第2角度は鋭角であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のライン状照明装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のライン状照明装置と、
原稿からの反射光を結像するライン状の結像手段と、
前記反射光を電気信号に変換する画素を複数備えたラインセンサと、
を有することを特徴とする画像読取装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−287923(P2006−287923A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−58315(P2006−58315)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(000104629)キヤノン・コンポーネンツ株式会社 (49)
【Fターム(参考)】