説明

ラジアントチューブバーナ

【課題】小型化を図りやすいラジアントチューブバーナを提供する。
【解決手段】本発明のラジアントチューブバーナは、ラジアントチューブ1と、ラジアントチューブ1の開口端部に配置され、燃焼面22により生成した燃焼ガスをこのラジアントチューブ1内に送り込む表面燃焼バーナ2とを備え、前記燃焼面22がラジアントチューブ1内に非突出となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジアントチューブバーナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ラジアントチューブの開口端部に配置されたバーナによりこのラジアントチューブを加熱し、高温になったラジアントチューブの輻射熱により加熱対象物を加熱するようにしたラジアントチューブバーナが知られている(例えば特許文献1,2参照)。この特許文献1,2に開示されたものは、ラジアントチューブの開口端部に配置されたバーナとして表面燃焼バーナが用いられている。この表面燃焼バーナの燃焼面は、ラジアントチューブの長手方向に沿って突出するような形状となっており、この突出した部分がラジアントチューブの内部に挿通された状態で固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−265412号公報
【特許文献2】特開2001−165408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1,2のようなラジアントチューブバーナは、突出した燃焼面がラジアントチューブの内部に位置しているため、仮にラジアントチューブの径を小径化しようとした場合にはこの燃焼面が邪魔となり、ラジアントチューブバーナ全体の小型化をすることは難しかった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型化を図りやすいラジアントチューブバーナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明のラジアントチューブバーナは以下の構成となっている。
【0007】
本発明のラジアントチューブバーナは、ラジアントチューブ1と、ラジアントチューブ1の開口端部に配置され、燃焼面22により生成した燃焼ガスをこのラジアントチューブ1内に送り込む表面燃焼バーナ2とを備え、前記燃焼面22がラジアントチューブ1内に非突出となっている。
【0008】
このように本発明のラジアントチューブバーナは、表面燃焼バーナ2の燃焼面22がラジアントチューブ1内に非突出となっており、ラジアントチューブ1の内部に表面燃焼バーナ2の燃焼面22が入り込んでいないため、ラジアントチューブ1の径を小径化するときに表面燃焼バーナ2の燃焼面22が邪魔にならない。つまり本発明のラジアントチューブバーナは小型化を図りやすいものとなる。
【0009】
また、本発明のラジアントチューブバーナの表面燃焼バーナ2は、燃焼面22が耐熱金属繊維をニット状に編み込んで形成されたメタルニットバーナ20であるのが好ましい。
【0010】
表面燃焼バーナ2がメタルニットバーナ20であると、燃焼能力をさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、小型化を図りやすいラジアントチューブバーナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
【0014】
本実施形態のラジアントチューブバーナAは、図1に示されるように、いわゆるストレートタイプのラジアントチューブバーナであり、対向する炉壁41をそれぞれ貫通するようにして取り付けられる。このラジアントチューブバーナAは、長手方向両端が開口するラジアントチューブ1のいずれかの端部に表面燃焼バーナ2が設けられており、この表面燃焼バーナ2から噴き出される燃焼ガスがラジアントチューブ1内を流通する。この燃焼ガスによってラジアントチューブ1が加熱され、高温となったラジアントチューブ1の輻射熱により炉4内の加熱対象物が加熱される。
【0015】
ラジアントチューブ1は、円筒形状となっており、その内部に高温な燃焼ガスが流通することで表面全体が高温となる。ラジアントチューブ1は、一直線状で且つ両端が開口しており、一方の開口端部がバーナ取付部11となると共に他方の開口端部が燃焼ガス排気口12となっている。ラジアントチューブ1には耐熱鋳鋼やセラミックス等が好適に用いられる。
【0016】
表面燃焼バーナ2は、燃焼面22により生成した燃焼ガスをラジアントチューブ1内に送り込む。本実施形態の表面燃焼バーナ2は、有底円筒状のバーナ本体21と、このバーナ本体21と同芯上に配設された円筒形状の燃焼面22とを有している。特に本実施形態の表面燃焼バーナ2は、燃焼面22がニット状に編み込まれた耐熱金属繊維により形成されたメタルニットバーナ20からなり、この燃焼面22は、バーナ本体21内に導入された予混合ガスを内外に透過することができる。この燃焼面22は、バーナ本体21の内周面と対向するようにして離間して配置されている。また燃焼面22は、ラジアントチューブ1側の端縁(開口端)が、ラジアントチューブ1の開口端部の端面と略同じ位置か、あるいはラジアントチューブ1の開口端部の端面とやや離間して位置しており、ラジアントチューブ1内に非突出となっている。バーナ本体21は、その内側面と燃焼面22とで挟まれる空間が、予混合ガスを一時的に溜める貯溜空間23となっており、ラジアントチューブ側の開口端部が正面視円環状の閉塞部27にて覆われている。この閉塞部27の中央の開口は、燃焼面22で形成された開口端と連通しており、燃焼面22により生成した燃焼ガスを放出するガス吐出口24となっている。このバーナ本体21の底面には、先端が燃焼面22よりも中央側の空間に臨み且つ燃焼面22に沿うようにして延出したスパークロッド25が設けられている。またバーナ本体21の側面には、予混合ガスを貯溜空間23に導入するガス導入口26が設けられている。このガス導入口26は、ガス燃料と燃焼空気とを予混合して前記予混合ガスを生成する混合器(図示せず)にファン(図示せず)を介して連通している。
【0017】
ラジアントチューブバーナAは、この表面燃焼バーナ2のバーナ本体21のガス吐出口24と、ラジアントチューブ1のバーナ取付部11の開口端とを、それぞれの中心が同軸上に位置するように連結して組み立てられる。
【0018】
このような構成のラジアントチューブバーナAを燃焼させるには次のようにする。まず予混合ガスを貯溜空間23に導入する。すると予混合ガスは、その大部分が、燃焼面22の厚み内に充填された状態となり、一部が、燃焼面22を外方から内方に向けて通過してバーナ本体21中央側の燃焼面22付近に漂う。この状態でスパークロッド25により点火すると、燃焼面22に表面燃焼が起こる。燃焼面22が燃焼することにより生成された燃焼ガスは、ファンの作る気流によりラジアントチューブ1内に送り込まれ、ラジアントチューブ1と熱交換をしながら燃焼ガス排気口12に向かい、最終的に燃焼ガス排気口12から排出される。高温な燃焼ガスと熱交換したラジアントチューブ1は、高温状態となっているため、表面から熱を輻射し加熱対象物を加熱する。
【0019】
ところでラジアントチューブバーナAを使用しているときは、表面燃焼バーナ2により燃焼ガスを送り続けるため、ラジアントチューブ1の径によっては内圧が高くなり過ぎることも考えられる。この場合には、燃焼ガス排気口12に連通する排気路(図示せず)に排気ファンを設けることでこの問題を解消することができる。つまりこの排気ファンにより排気路に負圧を発生させ、ラジアントチューブ1の燃焼ガス排気口12から積極的に燃焼ガスを排気するようにすればよい。
【0020】
本実施形態のラジアントチューブバーナAは、上述のように炉4に取り付けられる。この炉4の対向するそれぞれの炉壁41にはラジアントチューブ挿通孔42が穿設されており、このラジアントチューブ挿通孔42にラジアントチューブ1が貫設される。炉4に取り付けられたラジアントチューブバーナAは、図1に示されるように、表面燃焼バーナ2が一方の炉壁41の外方に位置すると共に、ラジアントチューブ1の燃焼ガス排気口12が他方の炉壁41の外方に位置している。
【0021】
このような構成のラジアントチューブバーナAは、表面燃焼バーナ2の燃焼面22がラジアントチューブ1内に非突出となっており、ラジアントチューブ1の内部に表面燃焼バーナ2の燃焼面22が入り込んでいない。このため、ラジアントチューブ1を変形させたり、また径を小径化しようとしたりした場合であっても、表面燃焼バーナ2の燃焼面22が邪魔にならない。これにより、ラジアントチューブ1の設計上の自由度が高いものとなり、また小型化を図ることが可能となる。さらに、ラジアントチューブ1の内径を小径化した場合には、燃焼ガスの流速を高めることができる。
【0022】
また本実施形態のラジアントチューブバーナAは、表面燃焼バーナ2の燃焼面22がラジアントチューブ1の内部に入っておらず、ラジアントチューブ1の形状に依拠していないため、共通の表面燃焼バーナ2で、様々な形状・大きさのラジアントチューブ1に適用することが可能である。
【0023】
また本実施形態のラジアントチューブバーナAは、表面燃焼バーナ2がメタルニットバーナ20であるため、燃焼能力をさらに高めることができる。
【0024】
なお本実施形態のラジアントチューブバーナAは、ストレートタイプのラジアントチューブバーナAであったが、本発明は、シングルエンドタイプのラジアントチューブバーナにも当然適用可能である。
【0025】
また本実施形態の表面燃焼バーナ2は、バーナ本体21の内周面に燃焼面22が設けられた構成となっていたが、本発明の表面燃焼バーナはこのものに限定されない。さらに、本実施形態のラジアントチューブ1は直線状のものを使用していたが、本発明のラジアントチューブは直線状に限定されず、例えば、湾曲したものや、U字状になったもの等種々のものが考えられる。また、本実施形態のラジアントチューブバーナAは炉壁41に取り付けられて使用する例であったが、本発明は炉4に使われるもののみに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0026】
1 ラジアントチューブ
11 バーナ取付部
12 燃焼ガス排気口
2 表面燃焼バーナ
20 メタルニットバーナ
21 バーナ本体
22 燃焼面
23 貯溜空間
24 ガス吐出口
25 スパークロッド
26 ガス導入口
27 閉塞部
4 炉
41 炉壁
42 ラジアントチューブ挿通孔
A ラジアントチューブバーナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジアントチューブと、
ラジアントチューブの開口端部に配置され、燃焼面により生成した燃焼ガスをこのラジアントチューブ内に送り込む表面燃焼バーナとを備え、
前記燃焼面がラジアントチューブ内に非突出となっていることを特徴とする、ラジアントチューブバーナ。
【請求項2】
前記表面燃焼バーナは、燃焼面が耐熱金属繊維をニット状に編み込んで形成されたメタルニットバーナである、請求項1記載のラジアントチューブバーナ。


【図1】
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【公開番号】特開2011−190938(P2011−190938A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54967(P2010−54967)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】