説明

ラックアンドピニオン式ステアリング装置

【課題】ステアリングギヤユニットを収めたギヤケースの全長を短縮できて、製造コストの低廉化を図れる構造のラックアンドピニオン式ステアリング装置を提供する。
【解決手段】ギヤケース10aは、車体の幅方向中央部から左右何れかの側に外れた位置に支持固定される。ギヤケース10aが前記車体に支持固定される位置の、前記幅方向中央位置からのずれ量に応じて、左右1対のタイロッド7、7aの長さ寸法を異ならせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ラックアンドピニオン式のギヤユニットにより、ステアリングホイールの回転運動を直線運動に変換して左右1対のタイロッドを押し引きし、自動車の操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、一般的には前輪)に舵角を付与する、ラックアンドピニオン式ステアリング装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用の操舵装置としてラックアンドピニオン式のステアリング装置が、例えば特許文献1〜6等に記載されている様に広く知られており、且つ、広く実施されている。図10は、従来から広く知られているラックアンドピニオン式のステアリング装置の1例を示している。このステアリング装置では、ステアリングホイール1の回転を、ステアリングシャフト2、自在継手3a、中間シャフト4、自在継手3bを介して、ステアリングギヤユニット5の入力軸6に伝達し、この入力軸3の回転に伴って左右1対のタイロッド7、7を押し引きして、前車輪に舵角を付与する様にしている。尚、図示の例は、電動モータ8を補助動力源として前記ステアリングホイール1を操作する為に要する力の低減を図る、電動式パワーステアリング装置も組み込んでいる。又、前記ステアリングホイール1の上下位置を調節する為のチルト機構、及び、前後位置を調節する為のテレスコピック機構も組み込んでいる。但し、これらに就いては、本発明の要旨とは関係しないし、従来から広く知られている為、詳しい図示並びに説明は省略する
【0003】
前記ステアリングギヤユニット5は、図11〜13に示す様に構成して、入力軸6の回転運動をラック軸9の直線運動に変換し、1対のタイロッド7、7を押し引きする様にしている。即ち、前記ステアリングギヤユニット5は、ギヤケース10と、前記ラック軸9と、入力軸6と、ピニオン歯12とを備える。このうちのギヤケース10は、アルミニウム系合金等の軽合金をダイキャスト成形して成るもので、主収容部13と副収容部14とを備える。このうちの主収容部13は、長さ方向両端が開口した、円筒状である。又、前記副収容部14は、主収容部13の長さ方向一端(図11〜13の左端)寄り部分の外周面に設けられたもので、これら両収容部14、13の中心軸は互いに捩れの位置関係にある。又、これら両収容部14、13の内部空間は互いに連通している。即ち、このうちの副収容部14の先半部片側が、前記主収容部13の長さ方向一端部内周面に開口している。更に、この副収容部14の基端部は、外部空間側に開口している。この様な、前記ギヤケース10は、前記主収容部13の外周面のうちで軸方向に離隔した2箇所位置に固設した1対の取付フランジ26、26を挿通したボルト若しくはスタッドにより、車体(フレーム)に対し支持固定する。
【0004】
又、前記ラック軸9は、軸方向の一部側面にラック歯15を形成したもので、このラック歯15を形成した部分を除いて、外周面を円筒面とした、丸棒状である。この様なラック軸9の中間部他端(図13の右端)寄り部分は、前記主収容部13の他端部内周面との間に設置した滑り軸受16により、この主収容部13の内側に、軸方向の変位を可能に支持している。この状態で、前記ラック軸9の両端部を、前記主収容部13の両端開口から突出させている。
【0005】
又、前記入力軸6は、先端部に設けた前記ピニオン歯12と前記ラック歯15とを噛合させると共に、基端部を前記副収納部14の開口部から前記ギヤケース10外に突出させた状態で、この副収容部14に回転可能に支持している。又、前記主収納部13の直径方向に関して、この副収納部14と反対側部分にシリンダ部17を設け、このシリンダ部17内に、押圧ブロック18を嵌装している。そして、このシリンダ部17の開口部に螺着した蓋体19とこの押圧ブロック18との間にばね11を設けて、この押圧ブロック18を前記ラック軸9に向け押圧している。これにより、このラック軸9を前記ピニオン歯15に向け弾性的に押圧して、このピニオン歯12と前記ラック歯15との噛合部のバックラッシを解消している。又、前記ラック軸9の長さ方向他端寄り部分を、軸方向の変位を可能に支持している。更には、これら両歯12、15同士の噛合部での動力伝達に伴って前記ラック軸9に加わる、前記ピニオン軸9から離れる方向の力に拘らず、前記噛合部の噛合状態を適正に維持できる様にしている。
【0006】
更に、前記両タイロッド7、7はそれぞれ、ラックエンド部20とタイロッドエンド部21とを軸方向に関して直列に接続して成る。即ち、これら両エンド部20、21のうちの一方のエンド部に形成した雄ねじ部と、他方のエンド部の端面に開口したねじ孔との螺合に基づいて、前記両タイロッド7、7の長さ寸法を適正にした状態でロックナット22を締め付ける事により、前記両エンド部20、21同士の接続部を固定している。そして、これら両エンド部20、21のうちのラックエンド部20、20の基端部を、前記ラック軸9の両端部に、それぞれ球面継手23、23を介して接続している。これら両球面継手23、23の周囲は、それぞれの両端部を前記ギヤケース10の両端部と前記両ラックエンド部20、20の中間部とに外嵌した、左右1対のベローズ24、24により覆っている。又、前記両タイロッド7、7の先端部は、それぞれの先端部に支持したスタッド25、25を、特許請求の範囲に記載したアーム部材である、図示しないナックルアームの先端部に形成した円孔に挿通し、これら各スタッド25、25の先端部にナットを螺合させる事により、揺動変位を可能に結合している。尚、前記ラック軸9は、前記ピニオン歯12と前記ラック歯15との噛合により、自身の中心軸周りで回転する事はない。
【0007】
上述の様なステアリングギヤユニット5を組み込んだステアリング装置により、左右の前輪に舵角を付与すべく、前記ステアリングホイール1の操作により前記入力軸6を回転させると、前記ピニオン歯12と前記ラック歯15との噛合に基づいて、前記ラック軸9が軸方向に変位する。そして、このラック軸9の両端部に結合した、前記両タイロッド7、7を押し引きして前記両ナックルアームを揺動変位させ、これら両ナックルアームを固設した左右1対のナックルを、それぞれキングピンを中心として揺動変位させる。そして、これら両ナックルに、それぞれ転がり軸受ユニットにより回転自在に支持された前記両前輪に、所望の舵角を付与する。
【0008】
従来構造のラックアンドピニオン式ステアリング装置は、前記両タイロッド7、7の全長を互いに同じとしていた。そして、前記ステアリングギヤユニット5を構成するラック軸9の長さ方向一端寄り部分(例えば、右ハンドル車の場合には、進行方向右端寄り部分、左ハンドル車の場合には進行方向左端寄り部分)にのみラック歯15を設け、前記入力軸6を保持する為の副収納部14を、前記主収納部13の長さ方向一端寄り部分に設けていた。この為、この主収納部13の長さ寸法が必要以上に長くなり、この主収納部13を備えた、前記ギヤケース10の製造コストが嵩む事が避けられなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−56827号公報
【特許文献2】特開2010−285088号公報
【特許文献3】特開2011−31638号公報
【特許文献4】特開2011−183832号公報
【特許文献5】特開2011−207310号公報
【特許文献6】特開2011−207311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、ステアリングギヤユニットを収めたギヤケースの全長を短縮できて、製造コストの低廉化を図れるラックアンドピニオン式ステアリング装置を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のラックアンドピニオン式ステアリング装置は、前述した従来から知られているラックアンドピニオン式ステアリング装置と同様に、ステアリングホイールと、ステアリングシャフトと、ステアリングギヤユニットと、左右1対のタイロッドとを備える。
特に、本発明のラックアンドピニオン式ステアリング装置に於いては、前記ステアリングギヤユニットを構成するギヤケースは、前記車体の幅方向中央部から左右何れかの側に外れた位置に支持固定されるものである。
そして、これに合わせて、前記ギヤケースが前記車体に支持固定される位置の、前記幅方向中央位置からのずれ量に応じて、前記両タイロッドの長さ寸法を異ならせている。
【0012】
上述の様な本発明のラックアンドピニオン式ステアリング装置を実施する場合に好ましくは、請求項2〜3に記載した発明の様に、前記両タイロッドをそれぞれ、前記ステアリングギヤユニットを構成するラック軸の両端部にそれぞれの基端部を結合されたラックエンド部の先端部と、左右の操舵輪に舵角を付与する為の左右1対のアーム部材の先端部にそれぞれの先端部を結合されるタイロッドエンド部の基端部とを結合固定したものとする。
そして、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記両タイロッドのラックエンド部の長さ寸法を互いに異ならせ、同じくタイロッドエンド部の長さ寸法を互いに同じとする。
或いは、請求項3に記載した発明の様に、前記両タイロッドのラックエンド部の長さ寸法を互いに同じとし、同じくタイロッドエンド部の長さ寸法を互いに異ならせる。
【発明の効果】
【0013】
上述の様に構成する本発明のラックアンドピニオン式ステアリング装置によれば、ステアリングギヤユニットを収めたギヤケースの全長を短縮できて、製造コストの低廉化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、部分切断正面図。
【図2】同じく、一部を切断して図1の上方から見た平面図。
【図3】図1のa−a断面図。
【図4】本発明の実施の形態の第2例を示す、部分切断正面図。
【図5】同じく、一部を切断して図4の上方から見た平面図。
【図6】本発明の実施の形態の第3例を示す、部分切断正面図。
【図7】同じく、一部を切断して図6の上方から見た平面図。
【図8】本発明の実施の形態の第4例を示す、部分切断正面図。
【図9】同じく、一部を切断して図8の上方から見た平面図。
【図10】ラックアンドピニオン式のステアリングギヤユニットを組み込んだステアリング装置の1例を示す、部分切断側面図。
【図11】従来構造の1例を示す、部分切断正面図。
【図12】同じく、一部を切断して図11の上方から見た平面図。
【図13】図11のb−b断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施の形態の第1例]
図1〜3は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。尚、本例を含めて本発明のラックアンドピニオン式ステアリング装置の特徴は、左右1対のタイロッド7、7aの全長を互いに異ならせる事により、ステアリングギヤユニット5aの全長を短くする点にある。その他の点に関しては、前述の図10〜13に示した、従来から知られている構造と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
【0016】
前記ステアリングギヤユニット5aを構成するギヤケース10aの全長は、左右1対の操舵輪に舵角を付与すべく、ラック軸9aを軸方向に変位させる為に必要且つ十分な長さを有する。このラック軸9aの外周面のラック歯15の形成位置は、図3に示す様に、軸方向片側(図3の左側)に偏ってはいるが、図13に示した従来構造の場合程極端には偏っていない。又、前記ラック歯15の全長は、本例の構造と従来構造とで互いに同じである。言い換えれば、本例の構造の場合には、前記ラック軸9aのうちで、前記ラック歯9aを形成していない、単なる丸棒状の部分の軸方向長さを、前記従来構造の場合に比べて短くしている。これに合わせて、前記ラック軸9aを収納する前記ギヤケース10aの全長を、前記従来構造の場合に比べて短くしている。
【0017】
一方、車体の幅方向に関して、前記ステアリングギヤユニット5aのうちの入力軸6の設置位置は、前記従来構造の場合と実質的に(車種毎の設計の相違に伴う多少のずれを除き)同じである。従って、前記ステアリングギヤユニット5aは、前記車体の幅方向中央部から、左右何れかの側に外れた位置に支持固定される。この為、前記ラック軸9aの両端部と、左右1対の操舵輪を支持したナックルに設けたナックルアームの先端部までの距離が、左右で異なる状態となる。そこで、本発明のラックアンドピニオン式ステアリング装置の場合には、前記ステアリングギヤユニット5aの設置位置の、前記車体の幅方向中央位置からのずれ量に応じて、前記両タイロッド7、7aの長さ寸法を、互いに異ならせている。
【0018】
本例の場合には、前記両タイロッド7、7aをそれぞれ形成する、ラックエンド部20、20aとタイロッドエンド部21、21とのうち、前記ステアリングギヤユニット5aの設置位置が遠ざけられた一方の側(図1〜2の右側)のラックエンド部20aのみを、前述の図11〜12に示した従来構造の場合に比べて長くしている。前記両タイロッド7、7aを構成する残りの部材、即ち、前記ステアリングギヤユニット5aの設置位置に近い他方の側(図1〜2の左側)のラックエンド部20と、左右2本のタイロッドエンド部21、21とは、前記従来構造と同じ長さのものを使用している。
【0019】
上述の様に構成する本例のラックアンドピニオン式ステアリング装置によれば、前記ステアリングギヤユニット5aを収めた前記ギヤケース10aの全長を短縮できて、製造コストの低廉化を図れる。このギヤケース10aを短縮する事により製造コストの低廉化を図れる理由は、次の(a)〜(e)の通りである。
(a) 前記ギヤケース10aの容積を少なくして、材料の低減によりコスト低減を図れる。尚、前記一方の側のラックエンド部20aを長くする代わりに、前記ラック軸9aを短くできる為、長いラックエンド部20aを使用する事に伴う材料費の増大は無視できる。又、前記ギヤケース10aの小容量化による軽量化も図れる。
(b) 前記ギヤケース10aをダイキャスト成形する為の金型の小型化(キャビティの小容量化)を図れて、この金型の製作費を抑えられる。
(c) 前記キャビティ内に軽合金の溶湯を送り込んで前記ギヤケース10aを成形するのに要する時間を短縮でき、このギヤケース10aの製造作業の能率化を図れる。
(d) このギヤケース10aの中間素材をダイキャスト形成した後、切削加工により各部を仕上げる為に使用する切削装置が小型のもので済み、設備コストを抑えられる。
(e) 前記切削加工時に、被加工物である、前記ダイキャスト成形により得られた中間素材を前記切削装置のチャックに把持する(チャッキングする)作業を1度だけで済ませられる。即ち、全長が大きい、大型の中間素材の場合、1度のチャッキングだけでは、総ての切削加工を行う事は難しいが、本例の構造では、前記ギヤケース10aの全長が短いので、1度のチャッキングで総ての切削加工を行う事が可能になる。この為、製造作業の能率化によるコスト低減だけでなく、切削加工により仕上げた、各部の精度向上も図れる。
【0020】
[実施の形態の第2例]
図4〜5は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、左右1対のタイロッド7、7bの長さ寸法を、互いに異ならせる為に、これら両タイロッド7、7bをそれぞれ形成する、ラックエンド部20、20とタイロッドエンド部21、21aとのうち、ステアリングギヤユニット5aの設置位置が遠ざけられた一方の側(図4〜5の右側)のタイロッドエンド部21aのみを、前述の図11〜12に示した従来構造の場合に比べて長くしている。前記両タイロッド7、7bを構成する残りの部材、即ち、前記ステアリングギヤユニット5aの設置位置に近い他方の側(図4〜5の左側)のタイロッドエンド部21と、左右2本のラックエンド部20、20とは、前記従来構造と同じ長さのものを使用している。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0021】
[実施の形態の第3例]
図6〜7は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、ステアリングギヤユニット5bのギヤケース10bを構成する副収納部14aに、電動式パワーステアリング装置の補助動力源となる電動モータ8aを装着している。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0022】
[実施の形態の第4例]
図8〜9は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合も、上述した第3例の場合と同様に、ステアリングギヤユニット5bのギヤケース10bを構成する副収納部14aに、電動式パワーステアリング装置の補助動力源となる電動モータ8aを装着している。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第2例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【符号の説明】
【0023】
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3a、3b 自在継手
4 中間シャフト
5、5a、5b ステアリングギヤユニット
6 入力軸
7、7a、7b タイロッド
8、8a 電動モータ
9、9a ラック軸
10、10a、10b ギヤケース
11 ばね
12 ピニオン歯
13、13a 主収容部
14、14a 副収容部
15 ラック歯
16 滑り軸受
17 シリンダ部
18 押圧ブロック
19 蓋体
20、20a ラックエンド部
21、21a タイロッドエンド部
22 ロックナット
23 球面継手
24 ベローズ
25 スタッド
26 取付フランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングホイールと、ステアリングシャフトと、ステアリングギヤユニットと、左右1対のタイロッドとを備え、
このうちのステアリングギヤユニットは、ギヤケースと、ラック軸と、入力軸と、ピニオン歯とを備えたものであり、
このうちのギヤケースは、両端が開口した筒状の主収容部と、この主収容部に対し捩れの位置に存在してその一部をこの主収容部に開口させた副収容部とを備え、車体に対し支持固定されるものであり、
前記ラック軸は、軸方向の一部側面にラック歯を形成したもので、前記主収容部に軸方向の変位を可能に、且つ、両端部をこの主収容部の両端開口から突出させた状態で収納されており、
前記入力軸は、先端部に設けた前記ピニオン歯と前記ラック歯とを噛合させると共に、基端部を前記ギヤケース外に突出させた状態で、前記副収容部に回転可能に支持されており、
前記両タイロッドは、前記ラック軸の両端部にそれぞれの基端部を、揺動変位並びに軸方向の変位を伝達可能に結合すると共に、それぞれの先端部を左右の操舵輪に舵角を付与する為の左右1対のアーム部材の先端部に揺動変位を可能に結合するラックアンドピニオン式ステアリング装置に於いて、
前記ギヤケースは、前記車体の幅方向中央部から左右何れかの側に外れた位置に支持固定されるものであり、前記ギヤケースが前記車体に支持固定される位置の、前記幅方向中央位置からのずれ量に応じて、前記両タイロッドの長さ寸法を異ならせている事を特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置。
【請求項2】
前記両タイロッドがそれぞれ、前記ラック軸の両端部にそれぞれの基端部を結合されたラックエンド部の先端部と、前記両アーム部材の先端部にそれぞれの先端部を結合されるタイロッドエンド部の基端部とを結合固定したものであり、前記両タイロッドのラックエンド部の長さ寸法が互いに異なり、同じくタイロッドエンド部の長さ寸法が互いに同じである、請求項1に記載したラックアンドピニオン式ステアリング装置。
【請求項3】
前記両タイロッドがそれぞれ、前記ラック軸の両端部にそれぞれの基端部を結合されたラックエンド部の先端部と、前記両アーム部材の先端部にそれぞれの先端部を結合されるタイロッドエンド部の基端部とを結合固定したものであり、前記両タイロッドのラックエンド部の長さ寸法が互いに同じであり、同じくタイロッドエンド部の長さ寸法が互いに異なる、請求項1に記載したラックアンドピニオン式ステアリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−103555(P2013−103555A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247449(P2011−247449)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)