説明

ラックユニット及びテレビシステム

【課題】コーナースペースを有効活用可能な薄型テレビの設置技術を提供する。
【解決手段】テレビシステム10は壁5のコーナーに固定されている。テレビシステム10は、液晶テレビ20と、ラックユニット50とで構成されており、液晶テレビ20がラックユニット50の扉として機能するように取り付けられている。さらに、テレビシステム10は、扉として機能する液晶テレビ20を、左右のいずれの方向へも開くことができる機構を備えている。なお、テレビシステム10は、CEC機能を利用することで、内部に配置されるDVDプレーヤ90とリンク接続して、DVDプレーヤ90の動作制御を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラックユニット及びテレビシステムに係り、内部にAV機器等を収容可能なラックユニット、及びそのようなラックユニットと薄型テレビとを備えるテレビシステム関する。
【背景技術】
【0002】
液晶テレビで代表される薄型テレビが多くの家庭に普及するようになっており、従来のブラウン管テレビと比較して、ユーザはかなりの自由度をもってテレビを設置できるようになっている。そのような背景のもと、テレビの設置態様さらにはテレビの構成態様について様々な技術が提案されている。
【0003】
例えば、テレビ本体の筺体に一端部が前記筺体に対して水平方向に回動自在に支持された複数の表示パネルを備えた技術が開示されている(特許文献1参照)。具体的には、表示パネルが左右に分離可能に構成されており、さらに観音開きの態様で表示パネルを筐体から開閉できるようになっている。このような構成とすることで、特に、大型表示装置において修理等の作業性を向上させている。
【0004】
また、角度調整機能を有する全壁面対応型の液晶テレビ壁掛け金具及びその機構が開示されている(特許文献2参照)。この技術では、液晶テレビをコーナーの壁に取り付ける技術が開示されており、テレビ設置の自由度をさらに向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−76694号公報
【特許文献2】特開2000−312318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、テレビ自体が薄型化及び軽量化することで、設置態様の自由度は向上したが、そもそも設置場所を変更することが難しいことがある。つまり、家の間取り自体は、リフォーム等することが無い限り、変更することができないことから、テレビの設置場所も現実的には限られている。特に、テレビをコーナーに設定することを前提として、家具の配置等がなされていることが多く、その結果、薄型テレビを新たに購入した場合であっても、コーナーに設置することが多く、薄型化のメリットが十分得られず、コーナースペースの有効活用が課題となっていた。特許文献1に開示の技術では、薄型テレビをコーナーに設置するときに、薄型テレビに接続するAV機器等の設置場所やコーナースペースの有効活用が課題となっている。また、特許文献2に開示の技術では、テレビ自体の設置については、一定の解決がなされているものの、コーナー設置時におけるテレビと接続するAV機器等の設置場所やコーナースペースの有効活用が課題となっている。
【0007】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、コーナースペースを有効活用可能な薄型テレビの設置技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る装置は、ラックシステムに関する。このラックシステムは、前面が開口となっており、内部に電子機器を収容可能なラックと、薄型テレビを扉として機能させるために、前記ラックの前面部分に前記開口を覆うように前記薄型テレビを開閉可能に取り付けるための表示装置固定手段と、前記ラックに設けられ、コーナー部分に固定可能なラック固定手段と、を備える。
また、前記ラックは、前記電子機器を収容可能とするとともに、前記表示装置固定手段の開動作に対応して、前方又は斜め前方に移動可能とする機器収容部を備えてもよい。
また、前記ラックは、前記薄型テレビ及び内部に収容される前記電子機器と、リンク可能に通信可能に接続するリンク通信手段と、前記表示装置固定手段の開動作に対応して、前記電子機器の動作を制御可能とするラック制御手段とを備えてもよい。
また、前記ラック制御手段は、前記リンク手段を介して取得した前記電子機器の機種情報に応じて、前記電子機器の動作の制御パターンを決定してもよい。
本発明の別の態様は、テレビシステムに関する。このテレビシステムは、上記のラックユニットと、前記表示装置固定手段によって前記ラックに扉として固定された薄型テレビと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コーナースペースを有効活用可能な薄型テレビの設置技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る、テレビシステムの外観を模式的に示した図である。
【図2】第1の実施形態に係る、ラックユニットを外観を模式的に示した図である。
【図3】第1の実施形態に係る、液晶テレビを模式的に示した図である。
【図4】第1の実施形態に係る、テレビシステムの制御システムの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図5】第2の実施形態に係る、テレビシステムの外観を模式的に示した図である。
【図6】第3の実施形態に係る、テレビシステムの外観を模式的に示した図である。
【図7】第3の実施形態の変形例に係る、テレビシステムの外観を模式的に示した図である。
【図8】第4の実施形態に係る、テレビシステムの外観を模式的に示した図である。
【図9】第5の実施形態に係る、テレビシステムの外観を模式的に示した図である。
【図10】第6の実施形態に係る、テレビシステムの外観を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態を、図面を参照して具体的に説明する。本実施形態では、液晶テレビを部屋の壁のコーナーに取り付けて、コーナースペースを有効活用するために、テレビ背面への接続機器の収納および接続機器操作を可能とする構造にする。
【0012】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係るテレビシステム10の外観を模式的に示した図であり、テレビシステム10は壁5のコーナーに固定されている。テレビシステム10は、液晶テレビ20と、ラックユニット50とで構成されており、液晶テレビ20がラックユニット50の扉として機能するように取り付けられている。さらに、テレビシステム10は、扉として機能する液晶テレビ20を、左右のいずれの方向へも開くことができる機構を備えている。なお、テレビシステム10は、図4の説明で後述する構成によって、CEC機能を利用することで、内部に配置されるDVDプレーヤ90等の動作制御を行うことができる。
【0013】
なお、図1(a)は、液晶テレビ20が閉じた状態、図1(b)は、液晶テレビ20が若干右側に開いた状態を示している。図1(c)は、液晶テレビ20が右側に大きく開いた状態を示している。図1(d)は、図1(c)の状態とは反対に、液晶テレビ20が左側に大きく開いた状態を示している。また、図1(a)〜(d)では、上側が平面図を示し、下側が正面図を示している。さらに、左右のいずれからも開閉できる機構は、例えば、特開平09−303942号公報や特開2009−92285号公報に開示の技術を利用できる。これらの公報では、冷蔵庫の扉を、左右のいずれの方からも開閉できる機構を開示しており、本実施形態において適用可能である。
【0014】
図2に、ラックユニット50を外観を示す。図2(a)は正面図、図2(b)は平面図、図2(c)は側面図を示している。ラックユニット50は、前面が開口となる箱形形状を呈している。そして、左右のラック側面51には、壁5に取り付けるための壁取付金具80が備わる。壁取付金具80は、取付板82と取付脚84とを備えて構成されている。取付板82は、壁5にネジ等によって固定される部位である。取付脚84は、取付板82とラック側面51とを連結する部位であり、ここでは、上下方向に3つに配置された部品からなる。壁取付金具80の取り付け角度等は、例えばネジやヒンジ構造によって調整可能としてもよい。
【0015】
ラックユニット50の内部は、仕切り壁53によって上下2段のスペースに仕切られている仕切り壁53の上面には、移動壁54が設けられている。この移動壁54は、扉として機能する液晶テレビ20が左右いずれかに開いたときに、ユーザのアクセスが容易となるように前方に移動可能となっている。したがって、移動壁54の上にDVDプレーヤ90が配置された場合、DVDプレーヤ90が前方に移動し、さらにユーザの操作指示等に応じてメディアトレー92が前方に開く。移動壁54の動作は、図示しないモータ等の駆動手段によって制御される。
【0016】
正面視で、ラックユニット50の前面部分左側には第1の回動接続部52aが、右側には第2の回動接続部52bがそれぞれ上下一組として設けられており、液晶テレビ20(TV−ラック接続部40)が接続される。
【0017】
図3は、液晶テレビ20を示した図であり、図3(a)が液晶テレビ20と背面金具30とTV−ラック接続部40とが分離した状態を示した斜視図で、図3(b)がそれらが固定された状態の斜視図であり、図3(c)は側面図である。図示のように、液晶テレビ20には、ラックユニット50との接続のために、背面金具30とTV−ラック接続部40とが設けられている。背面金具30は、液晶テレビ20とTV−ラック接続部40とを介装する部品であり、TV−ラック接続部40と背面金具30とが一体で構成されてもよい。背面金具30と液晶テレビ20の固定には、液晶テレビ20のテレビ背面22に設けられたネジ穴23と、背面金具30のテレビ接続面31のネジ穴33とが固定ネジMによって固定される。なお、液晶テレビ20のネジ穴23は、例えばVESA規格に基づくものである。
【0018】
また、TV−ラック接続部40は、ラックユニット50の扉のベース部となる部分である。TV−ラック接続部40は、背面金具30の扉接続部32と固定するためのネジ穴44が設けられている。また、ラックユニット50の第1の回動接続部52a及び第2の回動接続部52bと接続される第1の開閉機構部42a及び第2の開閉機構部42bが、それぞれ上下一組で設けられている。
【0019】
液晶テレビ20をラックユニット50から開くように動かすときには、第1の開閉機構部42aと第1の回動接続部52aの接続、または第2の開閉機構部42bと第2の回動接続部52bの接続のいずれか一方の接続が解除される。そして、解除されない接続部分が枢動する。この構成及び機能は、上述の特開2009−92285号公報に開示の技術を適用することで実現できるので、詳細な説明は省略する。
【0020】
つぎに、テレビシステム10の開閉動作に関連する制御システムについて説明する。図4は、テレビシステム10の制御システムの概略構成を示す機能ブロック図であり、主にHDMI規格のCEC機能に着目した構成について示している。
【0021】
ここでは、テレビシステム10を構成する液晶テレビ20及びラックユニット50と、ラックユニット50に収納されているDVDプレーヤ90とを示している。液晶テレビ20、ラックユニット50、及びDVDプレーヤ90は、HDMIケーブルでリンク接続され、CEC機能によって相互に通信制御可能となっている。なお、DVDプレーヤ90がラックユニット50に収容され液晶テレビ20が閉じた状態では、DVDプレーヤ90の操作制御には、直接的なリモコン操作は不可能であるため、液晶テレビ20又はラックユニット50を介したCEC機能(HDMI機能)を用いた操作が必要となる。
【0022】
液晶テレビ20は、テレビ制御部25と、表示部26と、通信処理部29とを備える。表示部26は、液晶パネル、バックライト、駆動ドライバ等を備えている。テレビ制御部25は、チューナ、画像処理部、音声処理部等を備える。通信処理部29は、HDMI規格に基づいて、ラックユニット50やDVDプレーヤ90とリンク通信可能となっている。
【0023】
ラックユニット50は、開閉駆動制御部75と、ラックセンサ76と、通信制御部79とを備えている。通信制御部79は、HDMI規格に基づいて、液晶テレビ20やDVDプレーヤ90とリンク通信可能となっている。
【0024】
開閉駆動制御部75は、移動壁54の移動を制御する。ラックセンサ76は、液晶テレビ20の開閉状態を検知する。具体的には、ラックセンサ76は、近接センサや、回動接続部52が枢動するときの回動量(回転角)を検知するセンサであって、開閉の程度を検知することができる。
【0025】
そして、開閉駆動制御部75は、ラックセンサ76の検知結果やリンク通信を基に、DVDプレーヤ90のメディアトレー92の開動作の許可を決定したり、移動壁54の移動量を決定する。具体的には、開閉駆動制御部75は、扉として機能する液晶テレビ20が所定量開いた状態になったと判断すると、メディアトレー92の開動作を許可する。さらに、開閉駆動制御部75は、移動壁54を前方に移動させたときに、扉として機能する液晶テレビ20に移動壁54が接触しないように制御する。なお、メディアトレー92の開動作のために十分なスペースがある場合には、接触を考慮することなく、移動壁54を前方に移動させることができる。
【0026】
また、DVDプレーヤ90のメディアトレー92が開いて前方に移動したときに、移動壁54を移動させると、メディアトレー92の配置によっては、メディアトレー92が液晶テレビ20に接触しやすいときがある。例えば、図1(b)及び(c)に示すように、液晶テレビ20が第2の開閉機構部42bを軸として左側が開く場合、液晶テレビ20の左側(第1の開閉機構部42a側)の回動に伴う移動量が大きいため、正面視左側に配置されたメディアトレー92を前方に出しても十分がスペースを確保しやすい。
【0027】
一方、図1(d)に示すように、テレビシステム10の右側が開いて回動する場合、扉として十分に開いた状態であっても、メディアトレー92を開くと、接触するおそれが大きくなる。そこで、開閉駆動制御部75は、メディアトレー92の配置に応じて、移動壁54の移動量を調整する。本実施形態の場合、液晶テレビ20の左側が開いた場合には、移動壁54を前方に移動させることを許可する。一方で、液晶テレビ20の右側が開いた場合には、移動壁54を前方に移動させない。
【0028】
移動壁54の移動量の設定は、開閉駆動制御部75が所定のユーザインタフェイス(操作ボタンやリモコン等)によるユーザの指定で取得してもよいし、DVDプレーヤ90の機種毎の仕様等が記載されたデータベースを参照してもよい。そのデータベースは、図示しないネットワークや所定の記録媒体を介して、利用する態様であってもよい。そして、ラックユニット50は、DVDプレーヤ90に関して、HDMI規格にもとづいたリンク通信によって機種情報を取得し、DVDプレーヤ90の機種を把握することが出来る。
【0029】
DVDプレーヤ90は、プレーヤ制御部95と、再生部96と、通信処理部99とを備える。通信処理部99は、HDMI規格に基づいて、液晶テレビ20やラックユニット50と通信可能となっている。再生部96は、一般的なDVDドライブを備えており、メディアトレー92も構成の一部である。プレーヤ制御部95は、再生部96の再生制御、メディアトレー92に開閉動作制御、通信処理部99を介した外部機器(液晶テレビ20やラックユニット50)との連動制御を行う。
【0030】
以上、本実施形態によると、ユーザは、液晶テレビ20等の薄型テレビを部屋に設置する場合に、部屋のコーナーを有効活用でき、従来通りの部屋の家具配置、家電配置を実現できる。つまり、従来のブラウン管テレビのように、奥行きがある形状の場合、部屋のコーナーに配置することが多く、その前提で、家具の配置等が定まっていた。そのような状態で、テレビを買い換え液晶テレビ20にした場合、結局はコーナーに配置することになり、従来では省スペース化が十分に実現できず、利用できない空間が生じていた。しかし、本実施形態では、コーナーに設置可能なラックユニット50を導入し、液晶テレビ20を扉として機能させることから、デッドスペースの有効活用が実現できる。さらに、ラックユニット50に収容されるDVDプレーヤ90等の操作をHDMI機能に基づいて行うことで、内部に収容された状態であっても操作可能となる。さらに、液晶テレビ20が扉として開閉動作するときの開状態をラックセンサ76で適切に検知することで、DVDプレーヤ90へのアクセスの容易さを向上させることができたり、DVDプレーヤ90の動作の障害(接触等)を回避できる。
【0031】
上記実施形態では、図4に示した制御システムを用いて液晶テレビ20、ラックユニット50及びDVDプレーヤ90をCEC機能によって連動させたが、これに限る趣旨ではない。メカニカルな機構のみの構成であってもよい。液晶テレビ20の開閉動作にともなう移動壁54の移動量を、ボールネジとナットの組み合わせやリンク機構、チェーン機構等を適宜組み合わせて、所望に制御する構成であってもよい。
【0032】
<第2の実施形態>
本実施形態では、上記第1の実施形態の液晶テレビ20の開閉態様の変形例について例示する。したがって、同一の構成及び動作等(例えば、壁取付金具80や図4の制御システムの構成)に関する説明については適宜省略する。以降の実施形態でも同様である。
【0033】
図5は、本実施形態に係るテレビシステム110の概略構成を示す図である。図5(a)は液晶テレビ120が扉として機能するときに、閉じた状態を示し、図5(b)は若干開いた状態を示し、図5(c)は略完全に開いた状態を示している。なお、左側が正面図であり右側が断面図をそれぞれ模式的に示している。
【0034】
このテレビシステム110は、液晶テレビ120が上方向に開く構成となっている。具体的には、液晶テレビ120には、第1の実施形態と同様に、背面金具130及びTV−ラック接続部140が取り付けられている。背面金具130は、第1の実施形態の背面金具30と同じ構造である。TV−ラック接続部140は、上側部分に蝶番構造の開閉機構部142が設けられており、ラックユニット150の天板の前面部分に取り付けられている。
【0035】
ラックユニット150は、前面及び底面が開口となった略箱状の形状を呈しており、内部に、移動収容部155を備える。移動収容部155は、前面が開口となって、DVDプレーヤ190やAVアンプ192を配置可能となっている。ここでは、3段になっている。一番下にAVアンプ192が配置され、真ん中にDVDプレーヤ190が配置されている。
【0036】
そして、液晶テレビ120が扉として機能する場合、開閉機構部142を軸として下側から開くようになっている。そして、液晶テレビ120が開くにしたがって移動収容部155が斜め前方下側に移動する。逆に、液晶テレビ120が閉じる場合、移動収容部155は斜め後方上側に移動する。この移動は、液晶テレビ120とラックユニット150とを接続する一般的なリンク機構やオイルダンパー等によって実現することができる。
【0037】
本実施形態によると、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、ラックユニット150に収容される機器のうち配置場所に応じて液晶テレビ120を上方へ開く度合いが定まるため、必要最小限の開動作で、ラックユニット150に収容されている機器へアクセスできる。
【0038】
<第3の実施形態>
図6に、本実施形態で示す変形例のテレビシステム210を示す。図6(a)は扉として機能する液晶テレビ220が閉じた状態を示しており、図6(b)は液晶テレビ220が開いた状態を示している。
【0039】
テレビシステム210は、液晶テレビ220と、ラックユニット250と、DVDプレーヤ290及びAVアンプ295とから構成され、各機器はCEC機能によって相互に動作制御可能となっている。
【0040】
液晶テレビ220は、背面金具230及びTV−ラック接続部240とを備える。背面金具230は、第1及び第2の実施形態と同じ構造である。TV−ラック接続部240は、左右の端部に上下方向に形成されたスライド嵌合凸部242を備える。スライド嵌合凸部242は、ラックユニット250に設けられるスライド嵌合凹部252とスライド可能に勘合する。
【0041】
ラックユニット250は、前面及び底面が開口となった略箱状の形状を呈しており、内部に、移動収容部255を備える。移動収容部255は、前面が開口となって、DVDプレーヤ290やAVアンプ295を配置可能となっている。ここでは、3段になっている。一番下にAVアンプ295が配置され、真ん中にDVDプレーヤ290が配置されている。
【0042】
また、ラックユニット250の側面の前端面には、スライド嵌合凸部242とスライド可能に勘合するスライド嵌合凹部252が上下に延びて形成されている。スライド嵌合凹部252とスライド嵌合凸部242が勘合し、液晶テレビ220は上下方向の所望に位置に停止可能になっている。
【0043】
そして、液晶テレビ220が扉として機能する場合、液晶テレビ220が上方向に移動して開く際に、所定以上に移動した場合、移動収容部255が前方に移動する。また、液晶テレビ120が閉じる場合には、移動収容部255が後方に移動する。
【0044】
このような構成とすることで、第1の実施形態と同様の効果が得られる。なお、図7のテレビシステム210aに示すように、扉として機能する液晶テレビ220が上方向に開いたときに、液晶テレビ220が後方に倒れるように動作するように構成してもよい。
【0045】
<第4の実施形態>
図8に第4の実施形態のテレビシステム310について示す。本実施形態のテレビシステム310は、扉として機能する液晶テレビ320が横方向(ここでは左方向)に移動することで、開いた状態になる。図8(a)は液晶テレビ320が閉じた状態を示し、図8(b)は途中まで開いた状態を示し、図8(c)は正面視で完全に右方向に開いた状態を示している。
【0046】
具体的には、上述の第1〜第3の実施形態と同様に、液晶テレビ320は、壁5のコーナーに壁取付金具380(取付板382、取付脚384)によって固定される。また、図4で示した構成と同様の構成によってテレビシステム310の動作制御がなされる。さらに、液晶テレビ320の背面には、背面金具330とTV−ラック接続部340とが備えられている。そして、液晶テレビ320において、TV−ラック接続部340がラックユニット350に開閉可能に取り付けられ、液晶テレビ320がラックユニット350の扉として機能する。そして、所定量だけ開いた状態になると、メディアトレー392の開動作が可能となる。所定量は、第1の実施形態で示したように、ユーザによって設定されてもよいし、DVDプレーヤ390のメディアトレー392の配置に関する所定のデータベースを参照することで設定されてもよい。
【0047】
本実施形態によると、上述の実施形態と同様の効果が得られ、部屋の空間の活用の自由度が向上する。
【0048】
<第5の実施形態>
図9に第5の実施形態のテレビシステム410について示す。本実施形態のテレビシステム410では、ラックユニット450に取り付けられる液晶テレビ420が、左右に分離して観音開きとなる。図9(a)は閉じた状態を示し、図9(b)は若干開いた状態を示し、図9(c)は完全に開いた状態を示している。表示パネル部分が分離して開閉可能な構成は、例えば、従来技術の特許文献1の技術のように公知の技術を適用することで実現できる。
【0049】
液晶テレビ420が観音開きとなることから、液晶テレビ420の背面に取り付けられる背面金具430及びTV−ラック接続部440は、それぞれ左右一組として取り付けられている。そして、液晶テレビ420の開き量が所定以上となると、メディアトレー492が開動作可能となる。本実施形態によると、上述の実施形態と同様の効果が得られ、部屋の空間の活用の自由度が向上する。
【0050】
<第6の実施形態>
図10に第6の実施形態のテレビシステム510について示す。本実施形態のテレビシステム510では、ラックユニット550に取り付けられる液晶テレビ520が、上下に分離して開くようになっている。具体的には、液晶テレビ520の背面に、背面金具530及びTV−ラック接続部540が、それぞれ上下一組として取り付けられている。それぞれのTV−ラック接続部540には、スライド嵌合凸部542が取り付けられており、スライド嵌合凸部542がラックユニット50の側面前端部に設けられたスライド嵌合凹部552とスライド可能に勘合する。この構造によって、液晶テレビ520は上下に分離して開閉することができる。
【0051】
そして、完全に開くと、DVDプレーヤ590やAVアンプ595が収容された移動収容部555が前方に移動可能になっている。さらに、メディアトレー592の開動作が可能となる。本実施形態によると、上述の実施形態と同様の効果が得られ、部屋の空間の活用の自由度が向上する。
【0052】
以上、本発明を第1〜第6の実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0053】
10、110、210、310、410、510 テレビシステム
20、120、220、320、420、520 液晶テレビ
30、130、230、330、430、530 背面金具
40、140、240、340、440、540 TV−ラック接続部
50、150、250、350、450、550 ラックユニット
90、190、290、390、490、590 DVDプレーヤ
25 テレビ制御部
29 通信処理部
32 扉接続部
42、142 開閉機構部
42a 第1の開閉機構部
42b 第2の開閉機構部
52a 第1の回動接続部
52b 第2の回動接続部
54 移動壁
75 開閉駆動制御部
76 ラックセンサ
79 通信制御部
80 壁取付金具
92 メディアトレー
95 プレーヤ制御部
96 再生部
99 通信処理部
155、255 移動収容部
242 スライド嵌合凸部
252 スライド嵌合凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面が開口となっており、内部に電子機器を収容可能なラックと、
薄型テレビを扉として機能させるために、前記ラックの前面部分に前記開口を覆うように前記薄型テレビを開閉可能に取り付けるための表示装置固定手段と、
前記ラックに設けられ、コーナー部分に固定可能なラック固定手段と
を備えることを特徴とするラックユニット。
【請求項2】
前記ラックは、前記電子機器を収容可能とするとともに、前記表示装置固定手段の開動作に対応して、前方又は斜め前方に移動可能とする機器収容部を備えることを特徴とする請求項1に記載のラックユニット。
【請求項3】
前記ラックは、
前記薄型テレビ及び内部に収容される前記電子機器と、リンク可能に通信可能に接続するリンク通信手段と、
前記表示装置固定手段の開動作に対応して、前記電子機器の動作を制御可能とするラック制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のラックユニット。
【請求項4】
前記ラック制御手段は、前記リンク通信手段を介して取得した前記電子機器の機種情報に応じて、前記電子機器の動作の制御パターンを決定することを特徴とする請求項3に記載のラックシステム。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれかに記載のラックユニットと、
前記表示装置固定手段によって前記ラックに扉として固定された薄型テレビと、
を備えることを特徴とするテレビシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−85210(P2012−85210A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231564(P2010−231564)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】