説明

ラック仕切りボード

【課題】既存のカタログラックやパンフレットスタンドに、当該ラックサイズの用紙を3つ折りしたパンフレットを整然と陳列収納させる。
【解決手段】仕切りボードを構成する背面板は裏面が平滑であり、かつ、横幅がB5あるいはA4等の規定寸法サイズに形成され、背面板の中央には垂直縦方向に分割板が設けられており、背面板の表面側には水平横方向に底面板が繋がっており、背面板の下縁には下リンク板が繋がっており、底面板と下リンク板、及び前リンク板と背面板の下部が夫々対向する形状の四辺リンク構造となり、各辺は平行四辺形を形成する長さに構成されたことを特徴とする

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カタログラックに付属して利用可能な仕切りボードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
薄い冊子や、パンフレット、リーフ等を収納陳列するカタログラックは、紙の規定裁断サイズであるA4やB5等の寸法の用紙に合わせて、各ポケットの幅及び、縦間隔が定められている。一方、パンフレット、リーフ類の形態として、A4やB5等のサイズの用紙を3つ折りにしてコンパクトな大きさに畳んだものが増えてきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
什器として既に多数設置されているA4やB5用のカタログラックに、3つ折りしたリーフを陳列したいという要望は多いが、細い幅の3つ折リーフを既存サイズのポケットに納めると、左右方向にばらつきが生じるだけでなくポケット内で倒れやすく、整然と並べることが難しかった。また、リーフの縦方向の長さも本来収納されるべきサイズに比べて小さくなるため、下段のポケットに所定サイズのリーフが納められた場合、3つ折リーフ全体が隠れてしまう恐れもあった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
A4やB5等の規定サイズの幅寸法に形成された本発明ボードには、中央付近で縦方向に分割板が構成されると共に、中央下部分付近に、底面板が設けられ、底面板は厚み方向に寸法が調節可能の構造となるように形成されている。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、既存カタログラックのポケットに差し込むことで、中央の分割板によりポケットを略半分の幅に分けると同時に、ポケットの底となる底面板が新たに形成され、3つ折リーフの上縁部分が、既存リーフと等間隔で並ぶため、規定サイズリーフと、3つ折リーフを整然と陳列することができる。また、新たに形成される底面がポケットの内部で隙間無く形成されることで、リーフが隙間に落ちる心配がなくなると共に、本発明のボードのポケット内でのがたつきを防ぐ効果を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施例を示す斜視図
【図2】本発明の実施例をカタログラックに差し込んだ斜視図
【図3】本発明の実施例を示す斜視図
【図4】本発明の実施例を示す展開図
【図5】本発明の実施例を示す上面図
【図6】本発明の実施例を示す斜視図
【図7】本発明の実施例を示す上面図
【図8】本発明の実施例を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に本発明を具体的に実施した例を図面に基づき説明する。
【0008】
図1は、本発明仕切りボードの外観を示した例であり、背面板1の中央で縦に分割板2が形成されており、背面板1の中央よりやや下の位置から底面板3せり出しており、底面板3は、前リンク板4と下リンク板5を介して背面板1の下縁部分に繋がっている。
本例で底面板3と下リンク板5、及び背面板1と前リンク板4が夫々略平行に形成され、これら4辺により断面が略平行四辺形のリンク構造が形成され、底面板3の傾斜角度が変わることで、背面板1と前リンク板4の間隔が自在に調整可能となっている。
【0009】
図2は、本例の仕切りボードをカタログラックのポケットに差し込んだ状態を示している。本発明の仕切りボードの幅は、A4やB5等の短辺と略同一に形成されている為、適合するカタログラックのポケットに対して、幅方向に大きな隙間を生じることなく納めることができる。このため仕切りボードの中央に形成された分割板は、ラックのポケットを中央で左右に分割するように位置することになる。
【0010】
本仕切りボードの底面3は、カタログラック本来の底面より高くなるが、その高さをラックに適合する紙サイズの「縦の長さ−横の長さ」と略等しくしておくことで、収納された三つ折リーフの上縁のラインが、元々カタログラックに納まっているパンフレット類の上縁ラインと同じ高さに揃えることができる。
【0011】
また、本例の仕切りボードが、底面板3が背面板1に対して、前方に強く傾斜した形状で保持されている場合、背面板1と前リンク板4の間隔がとても狭くなり、様々な厚み寸法のカタログラックポケットに差込みやすく、一旦差し込んだ状態から、背面板を強く押し込むことで、背面板1と前リンク板4の間隔が広がるように、平行四辺形が変形し、前リンク板4は、ポケットカバー6の裏面に押し付けられ、本仕切りボードがポケット内でしっかりと固定されると同時に、底面板3とポケットカバー6の間の隙間にリーフがはまり込んでしまう恐れが無くなる。更に前リンク板4の上端に形成された突出片7は、リーフが底面板3の上から、この隙間に滑り込むのを防ぐ効果を持つ。
【0012】
上述のように、平行四辺形のリンク構造は、自在に変形するものであるが、ラックのポケット内でしっかりと密着して納まった本仕切りボードが、再び変形して前リンク板4とポケットカバー6の間に隙間ができるのを防ぐ為に、この平行四辺形には一定の形状保持力を有することが望ましい。本例では、分割板2の下部が底面板3の中央に形成されたスリット8に挟まれた状態で摩擦力を有して接触しており、このため、底面板3の傾斜角度が保持されて、平行四辺形の形状が保たれる。また、分割板2は、背面板1に対して直角に屹立しているがスリット8により、分割板2が左右に倒れるのを防ぐ効果も有している。
【0013】
図3は、本仕切りボードのリンク板を1枚として、傾斜リンク板9の下端の差込み突起10を、背面板1の下部に形成された差込みスリット11に差し込んで、同部分の断面形状が三角形となるように形成された例である。
差込みスリット11は、複数の位置に形成されており、差込み位置を選択することで、底面板3の傾斜角度が変わり、背面板1と、底面板3の先端との間隔が調節可能となっている。本例では、スリット11と差込み突起10による係着を示しているが、この他、前リンク板4の先端と、背面板1の表面に面ファスナー13を配置して、これらを係着可能とする方法も有る。その場合、前リンク板4の先端は、更に折り曲げ線を形成して、面ファスナー13同士が平行に対向することが望ましい。
図3の例の背面板から略直角に形成されている側板12は、三つ折リーフが側方向に倒れるのを防ぐ為のガードである。
本例のように形成された仕切りボードは、事前に傾斜リンク板9の下端を背面板に固定してから、これをカタログラックに差し込んで使用するものである。
【0014】
図4は、図1及び図2に示した仕切りボードの展開図を示した例である。本発明で示される仕切りボードの構造は本図のように、一枚のシート材を折り曲げることによっても、形成可能となっている。シート上の符号の箇所は、本シートを組み立てた際に、図1及び図2に示した符号の位置となる。また、図5は、本例の仕切りボードを上から見た状態である。本例では、背面板1の正面側と、前リンク板4の正面側が、同一のシート面となるように形成されている為、片側に印刷加工がされたシートを素材として利用しやすくなる。
【0015】
図6は、分割された底面板2が、左右で繋がっておらず、夫々が独立して、平行四辺形のリンク構造を有している例である。図7は、図6の例の仕切りボードの展開図を示した例である。本例でも、仕切りボードは、一枚のシート材により折り曲げて形成することが可能でとなる。図5や図7のように、シート材を折り曲げることで、本発明の仕切りボードが形成可能になると、打ち抜き型での製作が可能になり、製作コストが非常に低減化できると共に、輸送やストック時にスペースを取らずに済む。また、紙系の素材を用いることで、印刷性が高くなる上、廃棄やリサイクルも容易となる。シート材は、厚紙やダンボール、以外、耐水性が求められる場合は、樹脂シート、発泡樹脂シート等を用いることが可能である。本発明の仕切りボードは、このように、シート材の折り曲げによっても、製作が可能であるが、特にその展開形状を規定するものでなく、また、シート材による形成に限定するものでもない。
【0016】
図8は、立体的に樹脂成型された本発明仕切りボードを示している。上記の例に比べて、折り曲げ等の組み立て作業を行わずに用いることができることを特徴としている。
【産業上の利用可能性】
【0017】
以上説明の通り、本発明のラック仕切りボードを用いることで、既存のカタログラックに、三つ折りしたパンフレットを、整然と陳列収納することが可能になる。既に多くの場所に設置されている定型サイズのカタログラックを有効に利用することができるため、トータルとしてコストの低減や、省資源に結びつく。
また、本ボードには奥行き方向への追従性があるので、様々なモデルのカタログラックに取り付けることができる上、シート素材を利用することも可能なため、低コストで生産することができる。
【符号の説明】
【0018】
1 背面板
2 分割板
3 底面板
4 前リンク板
5 下リンク板
6 カタログラックのポケットカバー
7 突出片
8 底面板のスリット
9 傾斜リンク板
10 差込み突起
11 差込みスリット
12 側板
13 面ファスナー
14 カタログラックの仕切り板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切りボードを構成する背面板は裏面が平滑であり、かつ、横幅がB5あるいはA4等の規定寸法サイズに形成され、背面板の中央には垂直縦方向に分割板が設けられており、背面板の表面側には水平横方向に底面板が繋がっており、背面板の下縁には下リンク板が繋がっており、底面板と下リンク板、及び前リンク板と背面板の下部が夫々対向する形状の四辺リンク構造となり、各辺は平行四辺形を形成する長さに構成されたことを特徴とするラック用仕切りボード。
【請求項2】
仕切りボードを構成する背面板は裏面が平滑であり、かつ、横幅がB5あるいはA4等の規定寸法サイズに形成され、背面板の中央には垂直縦方向に分割板が設けられており、背面板の表面側には水平横方向に底面板が繋がっており、底面板の端は、折り曲げ可能に前リンク板と繋がり、前リンク板の端部は、背面板に形成された係着部分に対して接続位置を調節可能に着脱できるよう構成されていることを特徴とするラック用仕切りボード。
【請求項3】
1枚のシート材を折り曲げることで、背面板及び分割板及び底面板及びリンク板が形成されることを特徴とする請求項1及び2記載のラック用仕切りボード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−130558(P2012−130558A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286150(P2010−286150)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(301009771)株式会社林製作所 (1)
【出願人】(391004517)
【Fターム(参考)】