説明

ラテックス増産剤及びラテックス増産方法

【課題】ラテックス産生植物の樹高を抑えて風害に強くすると共に、タッピングパネルの部位を太くしてタッピング面積を増やし、さらに乳管細胞を増やしてラテックス収量を増大させ得るラテックス増産剤及びラテックスの増産方法の提供。
【解決手段】ジャスモン酸及びその誘導体からなる群から選択される1種以上の化合物と、植物矮化剤とを有効成分として含むことを特徴とするラテックス増産剤。ラテックス産生植物に植物矮化剤を作用させて樹高を抑えたラテックス産生植物を作製するA工程と、ラテックス産生植物にジャスモン酸及びその誘導体からなる群から選択される1種以上の化合物を作用させるB工程とを有することを特徴とするラテックス増産方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラテックス増産剤及びラテックスの増産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
天然ゴムは、弾性を有する高分子であり、主にゴムノキの乳管(laticifer)と呼ばれる細胞内で造られているラテックスという乳液を収集し、これに所望の加工をすることにより製造される。乳管は、ゴムノキの樹皮内の形成層の外側に年に数層発達する。ラテックスの収集は、一般的に、タッピングパネルと呼ばれる幹の一定範囲に、定期的にナイフ等を用いて溝状に傷をつけて(タッピング)、切断された乳管から流出するラテックスを回収することにより行われている。
【0003】
天然ゴムは、ゴム製品の主原料として、様々な用途において幅広くかつ大量に用いられている。このため、より高収率でラテックスを得る方法の開発が求められている。
従来、ラテックスを増産するために、植物ホルモンの一種であるジャスモン酸やその誘導体をラテックス生産樹木に施用する技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0004】
特許文献1には、ジャスモン酸系化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする液状樹液分泌促進剤、液状樹液分泌促進剤を樹木類に施用することを特徴とする液状樹液分泌促進方法が開示されている。この特許文献1の実施例には、ウルシの10年木に対し、ジャスモン酸系化合物を単独で施用している。
【0005】
特許文献2には、植物ホルモン又はその誘導体である1種類以上の化合物を有効成分とすることを特徴とするラテックス増産剤、該ラテックス増産剤をラテックス産生植物の幹又は茎に付着させる工程を有することを特徴とするラテックス増産方法が開示されている。前記化合物としては、ジャスモン酸又はその誘導体などが記載されている。この特許文献2の実施例には、プロヒドロジャスモンを有効成分とするラテックス増産剤をパラゴムノキに塗布し、乳管数及びラテックス生産量が増加したことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−115448号公報
【特許文献2】特開2010−95480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ラテックス産生植物の中でも、天然ゴム生産の主力であるパラゴムノキは、樹高30メートルに達する高木であり、強風に弱く、強風や突風によって倒木し易い。倒木するとラテックスの収穫ができなくなってしまうため、倒木が発生すればゴム農園のラテックス生産量がその分減少してしまう。パラゴムノキの倒木を防ぐため、ゴム農園では、植林したパラゴムノキを剪定して樹高を抑えることで倒木を防いでいるが、多数の木に剪定作業を施すためには多くの人手と時間、及びコストが必要となり、ゴム農園の経営管理上問題がある。
【0008】
本発明は、ラテックス産生植物の樹高を抑えて風害に強くすると共に、タッピングパネルの部位を太くしてタッピング面積を増やし、さらに乳管細胞を増やしてラテックス収量を増大させ得るラテックス増産剤及びラテックスの増産方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解消するために、本発明は、ジャスモン酸及びその誘導体からなる群から選択される1種以上の化合物と、植物矮化剤とを有効成分として含むことを特徴とするラテックス増産剤を提供する。
【0010】
本発明のラテックス増産剤において、前記化合物が、下記一般式(1)
【0011】
【化1】

【0012】
[式中、Rは炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭化水素基である。]
で表される化合物であることが好ましい。
【0013】
さらに、前記一般式(1)において、Rが炭素数1〜6のアルキル基であり、Rが炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましい。
【0014】
本発明のラテックス増産剤において、前記化合物及び植物矮化剤を、水溶性媒体に溶解又は分散させてなることが好ましい。
【0015】
また本発明は、ラテックス産生植物に植物矮化剤を作用させて樹高を抑えたラテックス産生植物を作製するA工程と、ラテックス産生植物にジャスモン酸及びその誘導体からなる群から選択される1種以上の化合物を作用させるB工程とを有することを特徴とするラテックス増産方法を提供する。
【0016】
前記ラテックス増産方法において、前記A工程を実施して得られた樹高を抑えたラテックス産生植物に、前記B工程を行って、該ラテックス産生植物の乳管細胞を増加させることが好ましい。
【0017】
前記ラテックス増産方法において、前記A工程が、
(1)植物矮化剤を植林前の苗木又は植林後の未成熟木に付着させる方法、
(2)台木用の種子に植物矮化剤を含浸させるか、又は発芽した台木の茎に植物矮化剤を付着させる方法、又は
(3)植物矮化剤を土壌に灌注する方法、
のいずれかの方法により実施されることが好ましい。
【0018】
また本発明は、前記ラテックス増産剤を、ラテックス産生植物に付着させる工程を有することを特徴とするラテックス増産方法を提供する。
【0019】
本発明のラテックス増産方法において、前記ラテックス産生植物がパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)であることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明のラテックス増産剤は、ジャスモン酸及びその誘導体からなる群から選択される1種以上の化合物と、植物矮化剤とを有効成分として含むものなので、これをラテックス産生植物に付着することにより、前記化合物の作用によってラテックス産生植物の乳管数(乳管密度)を増大させ、該植物本来のラテックス生産能力を向上させることができるとともに、植物矮化剤の作用によって該植物の樹高を抑え、幹を太くすることができる。その結果、本発明のラテックス増産剤によって、ラテックス産生植物の樹高を抑えて風害に強くすると共に、タッピングパネルの部位を太くしてタッピング面積を増やし、さらに乳管細胞を増やしてラテックス収量を増大させることができる。
【0021】
本発明のラテックス増産方法は、ラテックス産生植物に植物矮化剤を作用させて樹高を抑えたラテックス産生植物を作製するA工程と、ラテックス産生植物にジャスモン酸及びその誘導体からなる群から選択される1種以上の化合物を作用させるB工程とを有する構成、または本発明の前記ラテックス増産剤をラテックス産生植物に付着させる工程を有する構成なので、前記化合物の作用によってラテックス産生植物の乳管数(乳管密度)を増大させ、該植物本来のラテックス生産能力を向上させることができるとともに、植物矮化剤の作用によって該植物の樹高を抑え、幹を太くすることができる。その結果、本発明のラテックス増産方法によって、ラテックス産生植物の樹高を抑えて風害に強くすると共に、タッピングパネルの部位を太くしてタッピング面積を増やし、さらに乳管細胞を増やしてラテックス収量を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】ラテックス増産剤と植物矮化剤の両方で処理したパラゴムノキ(実施例1)、無塗布のパラゴムノキ(比較例1)、植物矮化剤のみで処理したパラゴムノキ(比較例2)及びラテックス増産剤のみで処理したパラゴムノキ(比較例3)のそれぞれの樹高と周長との測定結果を示すグラフである。
【図2】ラテックス増産剤と植物矮化剤の両方で処理したパラゴムノキ(実施例1)、無塗布のパラゴムノキ(比較例1)、植物矮化剤のみで処理したパラゴムノキ(比較例2)及びラテックス増産剤のみで処理したパラゴムノキ(比較例3)のそれぞれの乳管数の測定結果を示すグラフである。
【図3】ラテックス増産剤と植物矮化剤の両方で処理したパラゴムノキ(実施例1)、無塗布のパラゴムノキ(比較例1)、植物矮化剤のみで処理したパラゴムノキ(比較例2)及びラテックス増産剤のみで処理したパラゴムノキ(比較例3)のそれぞれのラテックス収量の測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<ラテックス増産剤>
本発明のラテックス増産剤は、ジャスモン酸及びその誘導体からなる群から選択される1種以上の化合物(以下、第1の有効成分と記す場合がある。)と、植物矮化剤(以下、第2の有効成分と記す場合がある。)とを有効成分として含むことを特徴とする。
【0024】
本発明のラテックス増産剤の第1の有効成分は、パラゴムノキなどのラテックス産生植物に作用させた場合に、該植物の乳管形成を促進させ、乳管数を増大させることができる作用(乳管形成促進作用)を有する。
【0025】
乳管細胞からなる乳管は、ラテックス生合成部位であり、ラテックスの生産能力は、ラテックス生合成部位である乳管細胞の数に大きく依存する。一般的に、乳管細胞の形成は自然環境下での木の生理状態や性質に左右されるものであるが、本発明のラテックス増産剤によりラテックス産生植物の乳管細胞数を増加させることができるため、植物体そのもののラテックス生産能力を向上させ、ラテックス収量を増大させることができる。
【0026】
本発明のラテックス増産剤において、第1の有効成分となる化合物としては、ジャスモン酸及びジャスモン酸誘導体からなる群より選択される1種又は2種以上である。なお、第1の有効成分であるジャスモン酸誘導体は、ジャスモン酸等の公知化合物から公知の合成反応により合成することができる誘導体であって、乳管形成促進作用を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。
【0027】
本発明において、第1の有効成分となるジャスモン酸又はジャスモン酸誘導体としては、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
【0028】
【化2】

[式中、Rは炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭化水素基である。]
【0029】
一般式(1)中、Rは炭化水素基である。Rの炭化水素基としては、特に限定されるものではなく、飽和炭化水素基であってもよく、不飽和炭化水素基であってもよい。また、直鎖状の炭化水素基であってもよく、分岐鎖状の炭化水素基であってもよく、環状の炭化水素基であってもよい。なお、本発明において、炭化水素基とは、炭素原子と水素原子からなる官能基を意味する。
【0030】
飽和炭化水素基としては、例えば、アルキル基やシクロアルキル基等が挙げられる。また、シクロアルキル基は、単環式基であるモノシクロアルキル基であってもよく、多環式基であるポリシクロアルキル基であってもよい。
のアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基等が挙げられる。
のシクロアルキル基としては、炭素数3〜20のシクロアルキル基であることが好ましく、炭素数3〜8のモノシクロアルキル基、炭素数4〜10のポリシクロアルキル基であることがより好ましい。具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
【0031】
不飽和炭化水素基としては、例えば、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等が挙げられる。
のアルケニル基としては、炭素数2〜20のアルケニル基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルケニル基であることがより好ましい。具体的には、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基等が挙げられる。
のアルキニル基としては、炭素数2〜20のアルキニル基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルキニル基であることがより好ましい。具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられる。
のアリール基としては、炭素数6〜10のアリール基であることが好ましい。具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。
【0032】
本発明において、一般式(1)のRとしては、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基であることが好ましい。シクロアルキル基やアリール基等の環状炭化水素基よりも、比較的水溶性媒体へ溶解しやすく、取り扱い性に優れるためである。中でも、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基であることが好ましく、炭素数4又は5のアルキル基、炭素数4又は5のアルケニル基、炭素数4又は5のアルキニル基であることがより好ましい。
【0033】
の炭化水素基は、1又は2以上の水素原子が、水酸基、スルホニル基、スルホキシ基等により置換されていてもよい。このような置換基を有する炭化水素基として、具体的には、5―ヒドロキシー2―ペンテニル基、4―ヒドロキシー2―ペンテニル基、5―(スルホオキシ)―2―ペンテニル基等が挙げられる。
【0034】
一般式(1)中、Rは水素原子又は炭化水素基である。Rの炭化水素基としては、特に限定されるものではなく、Rにおいて挙げられた炭化水素基と同様のものを用いることができる。
また、Rの炭化水素基は、1又は2以上の水素原子が、水酸基、アルキルオキシ基、スルホニル基、スルホキシ基、ニトロ基、アミノ基等により置換されていてもよい。このような置換基を有する炭化水素基として、ヒドロキシエチル基、ジヒドロキシプロピル基等のヒドロキシアルキル基、メトキシエチル基等のアルキルオキシアルキル基等が挙げられる。
【0035】
本発明において、一般式(1)のRとしては、水素原子、又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭化水素基であることが好ましい。比較的水溶性媒体へ溶解しやすく、取り扱い性に優れるためである。中でも、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜8のアルキルオキシアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基であることがより好ましい。
【0036】
上記一般式(1)で表される化合物は、少なくとも1つの不斉炭素原子を有するため、光学異性体が存在し得る。また、R又はRが不飽和炭化水素基である場合には、シス-トランス異性体が存在し得る。本発明においては、乳管形成促進作用を有する限り、これらの立体異性体のいずれを有効成分としてもよい。
【0037】
なお、上記一般式(1)で表される化合物としては、ジャスモン酸以外のものであることが好ましい。すなわち、Rが(Z)―2―ペンテニル基であり、かつRが水素原子である化合物以外であることが好ましい。
【0038】
また、上記一般式(1)で表される化合物は、いずれも公知化合物又は公知化合物から公知の合成反応により簡便に合成し得る化合物である。したがって、常法により製造することができる。
例えば、上記式(1)において、Rがアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基であり、かつRがアルキル基である化合物は、2−アルキルシクロペンテン−1−オン、2−アルケニルシクロペンテン−1−オン、又は2−アルキニルシクロペンテン−1−オンとマロン酸のアルキルエステルとをマイケル付加させた後、脱炭酸させることにより容易に得ることができる。また、このようにして製造した化合物に対して、常法に従いアルコール類とエステル交換させてもよい。その他、上記式(1)において、Rが水素原子である化合物は、例えば、上記のように合成したRがアルキル基である化合物を、塩基又は酸で加水分解することにより得ることができる。
【0039】
また、ジャスモン酸又はジャスモン酸誘導体は、塩として本発明のラテックス増産剤に有効成分として含有させてもよい。塩としては、ジャスモン酸誘導体等の乳管形成促進作用を阻害しない限り、特に限定されず、無機塩であってもよく、有機塩であってもよい。例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩、グルコサミン塩、エチレンジアミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジエタノールアミン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩等のアミン塩;塩酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、りんご酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等のアミノ酸塩を挙げることができる。
【0040】
本発明のラテックス増産剤は、1種類の乳管形成促進作用を有する化合物を有効成分とするものであってもよく、2種類以上の乳管形成促進作用を有する化合物を有効成分とするものであってもよい。
【0041】
本発明のラテックス増産剤における第1の有効成分としては、特に、上記一般式(1)において、RとRが共に炭素数1〜6のアルキル基である化合物であることが好ましい。中でも、Rがn−ペンチル基であり、Rがn−プロピル基であるプロヒドロジャスモンであることがより好ましい。乳管形成促進作用が高く、かつ水に対する溶解性が高いためである。加えて、ジャスモン酸等よりも、比較的安価であり、コストメリットも大きい。例えば、プロヒドロジャスモンを、後述する水溶性媒体に希釈することにより、乳管形成促進効果と植物体への付着の作業性に優れたラテックス増産剤を、安価に製造することができる。
【0042】
本発明のラテックス増産剤において、前記第1の有効成分である化合物の濃度は、植物体へ付着させた場合に、乳管形成促進効果を奏するために十分な濃度であればよく、乳管形成促進作用を有する化合物の種類、用いる媒体の種類、植物体への付着方法等を考慮して、適宜決定することができる。例えば、有効成分としてプロヒドロジャスモンを用いた場合には、0.05%(w/v)以上であることが好ましく、0.05〜0.1%(w/v)であることがより好ましい。
【0043】
本発明のラテックス増産剤における第2の有効成分である植物矮化剤は、パラゴムノキなどのラテックス産生植物に作用させることによって、該植物の樹高を抑えると共に、該植物の幹、特に、ラテックスを採取するタッピングパネルの部位を太くすることができでばよく、特に限定されない。
【0044】
本発明において、前記第2の有効成分として好ましいものを例示すれば、例えば、パクロブトラゾール、ウニコナゾール、アンシミドール、ダミノジット、塩化クロルコリンなどが挙げられる。これらの化合物は、1種を単独でラテックス増産剤に配合してもよいし、2種以上を混合して配合してもよい。
【0045】
本発明において、前記第2の有効成分の濃度は、ラテックス産生植物に対して、樹高の抑制や幹径増加などの植物矮化作用が得られる濃度であればよく、使用する植物矮化剤の種類や目的とする樹高抑制度合などを勘案して適宜決定し得る。
【0046】
前記第2の有効成分は、塩として本発明のラテックス増産剤に有効成分として含有させてもよい。塩としては、第2の有効成分による植物矮化作用を阻害しない限り、特に限定されず、無機塩であってもよく、有機塩であってもよい。例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩、グルコサミン塩、エチレンジアミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジエタノールアミン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩等のアミン塩; 塩酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、りんご酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等のアミノ酸塩を挙げることができる。
【0047】
本発明のラテックス増産剤は、前記第1の有効成分と共に、前記第2の有効成分を含有しているので、該ラテックス増産剤をパラゴムノキなどのラテックス産生植物に作用させることによって、前記第1の有効成分の作用によってラテックス産生植物の乳管数(乳管密度)を増大させ、該植物本来のラテックス生産能力を向上させることができるとともに、前記第2の有効成分の作用によって該植物の樹高を抑え、幹を太くすることができる。その結果、本発明のラテックス増産剤によって、ラテックス産生植物の樹高を抑えて風害に強くすると共に、タッピングパネルの部位を太くしてタッピング面積を増やし、さらに乳管細胞を増やしてラテックス収量を増大させることができる。
【0048】
本発明のラテックス増産剤は、前記第1の有効成分及び第2の有効成分を、適当な媒体に溶解又は分散させて希釈させることにより得ることができる。該媒体は、前記第1の有効成分及び第2の有効成分を、それぞれの作用を阻害することなく十分に溶解又は分散させ得る媒体であれば、特に限定されるものではなく、公知の溶媒の中から、有効成分である化合物の性質、使用方法等を考慮して、適宜選択して用いることができる。
【0049】
該媒体として、例えば、水;カルナバロウ、密ロウ等のワックス類;ラノリン等のグリース類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチル、エチレングリコールアセテート、マレイン酸ジブチル、コハク酸ジエチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホロン等のケトン類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類;ニトロエタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物類;アセトニトリル等のニトリル類;及び、ピリジン類等を挙げることができる。
【0050】
本発明のラテックス増産剤の媒体としては、5〜50℃において液状であるものが好ましい。この温度において液状であれば、十分に粘度が低いため、ラノリン等の粘度が高く半固形状の媒体よりも、より簡便に植物体に付着させることができるためである。具体的には、水、ハロゲン化炭化水素類、ケトン類、アルコール類等の水溶性媒体が好ましい。中でも、水やアルコール類等であることがより好ましい。なお、本発明において水溶性媒体とは、水と容易に混和し得る媒体を意味する。
【0051】
また、本発明のラテックス増産剤の媒体としては、1種類を用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、水とアルコールとの混合溶液であってもよく、水とケトン類との混合溶液であってもよい。
【0052】
本発明のラテックス増産剤の剤型は、植物体に付着させることが可能な剤型であれば、特に限定されるものではなく、液剤、水和剤、エマルジョン、懸濁剤、ゾル剤、ペースト剤、シート剤等を挙げることができる。植物への付着が簡便であるため、液剤、水和剤、エマルジョン、懸濁剤、ゾル剤等であることが好ましく、液剤であることがより好ましい。
【0053】
本発明のラテックス増産剤は、本発明の効果を阻害しない限り、前記第1の有効成分と第2の有効成分、及び前記媒体のほかに、分散剤、溶解助剤、粘度調整剤、pH調整剤、保存剤、安定化剤、殺菌剤、殺虫剤、栄養剤等を含有していてもよい。
【0054】
分散剤としては、例えば、公知の界面活性剤の中から適宜選択して用いることができる。界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤のいずれであってもよく、1種類を用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0055】
好ましい分散剤としては、例えば、2種以上のアルキレンオキシドのブロック縮重合体、ポリオキシアルキレンエーテル系化合物、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル系化合物、多価アルコール系脂肪酸エステル化合物、ポリオキシアルキレン多価アルコール系脂肪酸エステル化合物、ポリオキシアルキレンアルキルアミン化合物、アルキルアルカノールアミド化合物等が挙げられる。
【0056】
粘度調整剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose,CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子の中から適宜選択して用いることができる。中でも、カルボキシメチルセルロースを用いることが好ましい。
【0057】
本発明のラテックス増産剤は、本発明の効果を阻害しない限り、前記第1の有効成分及び第2の有効成分以外の他の植物ホルモンを含有していてもよい。このような植物ホルモンとして、例えば、オーキシン類、インドール酢酸、ジベレリン、サイトカイニン、アブシジン酸、エチレン、Ethephon、ブラシノステロイド類、フロリゲン、サリチル酸等が挙げられる。
【0058】
<ラテックス増産方法>
本発明のラテックス増産方法は、ラテックス産生植物に、前記第2の有効成分である植物矮化剤を作用させて樹高を抑えたラテックス産生植物を作製するA工程と、ラテックス産生植物に前記第1の有効成分であるジャスモン酸及びその誘導体からなる群から選択される1種以上の化合物を作用させるB工程とを有することを特徴としている。
【0059】
本発明のラテックス増産方法において、ラテックス産生植物は、ラテックス(主にポリイソプレン)を産生する植物であれば、特に限定されるものではなく、乳管を有しており、乳管中にラテックスが含まれている植物であってもよく、乳管細胞内ではなく細胞間隙中にラテックスが含まれている植物であってもよい。このようなラテックス産生植物として、例えば、トウダイグサ科のパラゴムノキ(Havea brasiliensis)、セアラゴムノキ(Manihot glaziovii)、クワ科のインドゴムノキ(Ficus elastica)、パナゴムノキ(Castilloa elastica)、ラゴスゴムノキ(Ficus lutea Vahl)、マメ科のアラビアゴムノキ(Accacia senegal)、トラガントゴムノキ(Astragalus gummifer)、キョウチクトウ科のクワガタノキ(Dyera costulata)、ザンジバルツルゴム(Landolphia kirkii)、フンツミアエラスチカ(Funtumia elastica)、ウルセオラ(Urceola elastica)、キク科のグアユールゴムノキ(Parthenium argentatum)、ゴムタンポポ(Taraxacum kok−saghyz)、アカテツ科のガタパーチャノキ(palaguium gatta)、バラタゴムノキ(Mimusops balata)、サポジラ(Achras zapota)、ガガイモ科のオオバナアサガオ(Cryptostegia grandiflora)等が挙げられる。中でも、乳管細胞を有するパラゴムノキ、セアラゴムノキ、ゴムタンポポ等であることが好ましく、特に、工業用天然ゴム原料として汎用されているパラゴムノキが好ましい。
【0060】
本発明のラテックス増産方法において、前記A工程とB工程とは、それぞれ個別に実施してもよいし、同時に実施してもよい。
ラテックス産生植物に対し、A工程とB工程とを個別に実施する場合、前記A工程を実施して得られた樹高を抑えたラテックス産生植物に、前記B工程を行って、該ラテックス産生植物の乳管細胞を増加させることが好ましい。
【0061】
また、前記A工程は、
(1)植物矮化剤を植林前の苗木又は植林後の未成熟木に付着させる方法、
(2)台木用の種子に植物矮化剤を含浸させるか、又は発芽した台木の茎に植物矮化剤を付着させる方法、又は
(3)植物矮化剤を土壌に灌注する方法、
のいずれかの方法により実施されることが好ましい。
【0062】
前記A工程の実施時期は、ラテックス産生植物に対して、樹高の抑制や幹径増加などの植物矮化作用が得られる範囲で実施すればよく、使用する植物矮化剤の種類や目的とする樹高抑制度合などを勘案して適宜決定し得る。
【0063】
また、前記B工程は、ラテックス産生植物の幹や茎に、前記第1の有効成分を付着させることによって実施できる。該植物の幹や茎に前記第1の有効成分を付着させる方法は、特に限定されず、前記第1の有効成分を含む薬液をラテックス産生植物の幹や茎に塗布する方法、薬液をスプレー散布する方法などを採用し得る。
【0064】
本発明のラテックス増産方法において、前記A工程とB工程とを同時に実施する場合、前記第1の有効成分と第2の有効成分とを含む本発明に係るラテックス増産剤を、ラテックス産生植物に付着させることによって実施し得る。
【0065】
前記ラテックス増産剤をラテックス産生植物に付着させる方法は、ラテックス増産剤を幹に直接付着させることが出来る方法であれば、特に限定されるものではなく、例えば、有効成分を水溶性媒体に希釈させたラテックス増産剤を、刷毛等を用いて直接幹等に塗布してもよく、スプレー等を用いて噴霧してもよい。また、植物へのラテックス増産剤の付着量は、乳管形成促進効果が得られる量であれば、特に限定されるものではなく、ラテックス増産剤の有効成分の種類や濃度、付着方法、植物の樹齢や種類等を考慮して適宜決定することができる。
【0066】
また、塗布期間は、植物において乳管が形成される数ヶ月〜1年程度で十分である。従来法のエチレン刺激による方法の場合には、長期的なエチレン刺激により、幹への悪影響が懸念されるが、本発明のラテックス増産方法では、本発明のラテックス増産剤による処理期間は乳管が形成されるまでの短期間であるため、植物への負担を顕著に軽減することができる。
【0067】
本発明のラテックス増産方法は、ラテックス産生植物に植物矮化剤を作用させて樹高を抑えたラテックス産生植物を作製するA工程と、ラテックス産生植物にジャスモン酸及びその誘導体からなる群から選択される1種以上の化合物を作用させるB工程とを有する構成、または本発明の前記ラテックス増産剤をラテックス産生植物に付着させる工程を有する構成なので、前記化合物の作用によってラテックス産生植物の乳管数(乳管密度)を増大させ、該植物本来のラテックス生産能力を向上させることができるとともに、植物矮化剤の作用によって該植物の樹高を抑え、幹を太くすることができる。その結果、本発明のラテックス増産剤によって、ラテックス産生植物の樹高を抑えて風害に強くすると共に、タッピングパネルの部位を太くしてタッピング面積を増やし、さらに乳管細胞を増やしてラテックス収量を増大させることができる。
【実施例】
【0068】
<ラテックス増産剤と植物矮化剤の調製>
プロヒドロジャスモンを有効成分とするラテックス増産剤を調製した。
具体的には、ジャスモメート液剤(明治製菓株式会社製)を、水を用いて希釈し、50倍希釈溶液(0.1%プロヒドロジャスモン溶液)に調製しラテックス増産剤として用いた。なお、ジャスモメート液剤の組成は、以下の通りである;5%プロヒドロジャスモン、33%1−プロパノール、30%界面活性剤、及び32%水。
ウニコナゾールPを有効成分とする植物矮化剤を調製した。
具体的には、スミセブンP液剤(住友化学株式会社製)を、水を用いて希釈し、10倍希釈溶液(0.0025%ウニコナゾールP溶液)に調製し植物矮化剤として用いた。なお、スミセブンP液剤の組成は、以下の通りである;ウニコナゾールP0.025%、ポリオキシエチレン−ノニルフェニルエーテル1.0%以下。
【0069】
[実施例1]
植林前のパラゴムノキ苗木に、前記の通り調製した植物矮化剤を地上10cm〜30cmの幹表面に1mL/cmとなるように、1年間にわたり2週ごとに1回塗布した。この条件で5本のパラゴムノキについて塗布を行った。
塗布開始から1年経過後、樹高と地上部20cmの周長を測定した。その結果を図1に記す。
ラテックス増産剤として、ジャスモメート液剤50倍希釈液を地上20cm〜170cmの幹表面に1mL/cmとなるように、ラテックス収穫開始12ヶ月前のパラゴムノキに対し1年間にわたり2週ごとに1回塗布した。1年経過後に塗布部の乳管数、及びラテックス量を調べた。その結果を図2、図3に記す。
【0070】
[比較例1〜3]
ラテックス増産剤または植物矮化剤を、(1)無塗布(比較例1)、(2)植物矮化剤のみ(比較例2)、(3)ラテックス増産剤のみ(比較例3)、でパラゴムノキを栽培し、実施例1と同時に塗布開始から1年経過後、樹高と地上部20cmの周長を測定し、さらにラテックス収穫開始12ヶ月前に、乳管数、及びラテックス量を調べた。その結果を図1、図2、図3に記す。
【0071】
図1に示す結果から、植物矮化剤を塗布した実施例1のパラゴムノキは、1年経過後に、無塗布の比較例と比べ、樹高が低く周長が太いことが認められた。
さらに、図2、3に示す結果から、植物矮化剤を塗布し、かつラテックス増産剤を塗布した実施例1のパラゴムノキは、塗布開始1年経過後に比較例と比べ、乳管数およびラテックス生産量が増加していた。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明のラテックス増産剤及びラテックスの増産方法を用いることにより、ラテックス産生植物の樹高を抑えて風害に強くすると共に、タッピングパネルの部位を太くしてタッピング面積を増やし、さらに乳管細胞を増やしてラテックス収量を増大させることができるため、天然ゴムの産生の分野で特に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジャスモン酸及びその誘導体からなる群から選択される1種以上の化合物と、植物矮化剤とを有効成分として含むことを特徴とするラテックス増産剤。
【請求項2】
前記化合物が、下記一般式(1)
【化1】

[式中、Rは炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭化水素基である。]
で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のラテックス増産剤。
【請求項3】
前記一般式(1)において、Rが炭素数1〜6のアルキル基であり、Rが炭素数1〜6のアルキル基であることを特徴とする請求項2に記載のラテックス増産剤。
【請求項4】
前記化合物及び植物矮化剤を、水溶性媒体に溶解又は分散させてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のラテックス増産剤。
【請求項5】
ラテックス産生植物に植物矮化剤を作用させて樹高を抑えたラテックス産生植物を作製するA工程と、ラテックス産生植物にジャスモン酸及びその誘導体からなる群から選択される1種以上の化合物を作用させるB工程とを有することを特徴とするラテックス増産方法。
【請求項6】
前記A工程を実施して得られた樹高を抑えたラテックス産生植物に、前記B工程を行って、該ラテックス産生植物の乳管細胞を増加させることを特徴とする請求項5に記載のラテックス増産方法。
【請求項7】
前記A工程が、
(1)植物矮化剤を植林前の苗木又は植林後の未成熟木に付着させる方法、
(2)台木用の種子に植物矮化剤を含浸させるか、又は発芽した台木の茎に植物矮化剤を付着させる方法、又は
(3)植物矮化剤を土壌に灌注する方法、
のいずれかの方法により実施されることを特徴とする請求項5又は6に記載のラテックス増産方法。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のラテックス増産剤を、ラテックス産生植物に付着させる工程を有することを特徴とするラテックス増産方法。
【請求項9】
前記植物がパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)であることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載のラテックス増産方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−162476(P2012−162476A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22746(P2011−22746)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】