説明

ラテックス製品のためのコーティング

本発明は新規製品に関し、特に、有害な病原性微生物による交差汚染および/または感染のリスクの低下に有用な抗菌コーティングによりコーティングされるラテックスバリア製品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規製品に関し、特に、有害な病原性微生物による交差汚染および/または感染のリスクの低下に有用な抗菌コーティングによりコーティングされるラテックスバリア製品(latex barrier article)に関する。本発明は、かかるコーティングを沈着するプロセスおよびかかるプロセスで使用される組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
ウイルスを含むヒトにおける病原性微生物は、主に粘膜および呼吸器管を介して宿主のシステムに侵入する。感染における第1の工程は付着または定着であり、続いて感染性微生物の浸潤および伝搬が起こる。侵入部位で可能性のある病原性微生物を不活性化することで多くの感染症を予防することができた。
【0003】
避妊用具、創傷被覆材および医療用手袋等のバリア製品はすべて、病原性微生物の皮膚への浸透および宿主への侵入の予防において役割を持つ。避妊用具は、特に、受胎調節および疾患予防について広く使用される。
【0004】
殺菌性および殺精性の組成物は、主として避妊を目的として、クリーム剤、泡剤および坐剤中に単独で、または避妊用具と組み合わせて使用されてきた。世界中で多数使用される性病予防のための避妊用具は、最も多くの場合、非常に薄い壁厚の天然ゴムラテックス材料で作られている。しかしながら、かかる薄い壁膜の天然ゴム材料は、ヒト免疫不全ウイルス(「HIV」)または単純性疱疹ウィルス(「HSV」)を引き起こすウイルス等の微小サイズの病原体の通過に対する継続的で非透過性バリアを提供しない。かかるウイルスは、0.1マイクロミリメートル(0.001ミリメートル)ほどの小ささであり、またはヒト精子の長さよりも約250倍小さく、かかる精子の厚みよりも少なくとも30倍小さいことが公知である。天然ゴム膜は、ポリマー鎖中に形成されるランダムに分布する無数の微小サイズの開口または孔によって特徴づけられるポリマーマトリックスからなる。したがって、かかる天然ゴム避妊用具はより大きな精子の伝達の予防には効果的なバリアであること見出されているが、かかる用具がこのようにはるかに小さなウイルスの伝達の予防に効果的であるという保証はなく、現在までに実施されたいくつかの試験はそうではないことを示している。
【0005】
薄いポリマーフィルムは、コンドーム、創傷被覆材および医療用手袋等の様々なバリア製品の製造において使用される。バリア製品へのかかるコーティングの適用は、かかる製品の一次バリアとしての能力を低下させるべきでない。コーティングは、下層にある基材に強く接着するべきでもある。基材材料の固有特性を低下させずに、様々な基材材料に適用できなくてはならない。加えて、コーティングは生理的に広範囲のpHおよび生理的温度で作動しなくてはならない。
【0006】
米国特許第5,700,679号明細書は、コンドームのコーティングに、非イオン性両親媒性物質から形成された外側二重層を有する脂質小胞、抗ウイルス性および/または殺精性の活性を有する界面活性剤、油ならびにステロールを含んでなる組成物を使用する。
【0007】
米国特許第6,732,735号明細書は様々なバリア製品上に網状のコーティングを使用して、乾燥したおよび湿気のある生産物に関して潤滑性を促進する。
【0008】
米国特許第6,892,732号明細書は、疾患予防のために遺伝的に修飾したまたは天然の乳酸菌を含有する組成物によりコーティングされたコンドームに関する。
【0009】
特定のポリオール(プロピレングリコールおよびグリセリンを含む)またはポリマー(ポリ(エチレングリコール)等)、界面活性剤および酸を含んでなるコーティング組成物が、様々な適用において抗ウイルス活性を提供し、ウイルス感染に対抗するという問題に対する解決策を少なくとも部分的に提供することを、本発明者は予想外に見出した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様において、本発明は、水分および/または空気に対して実質的に非透過性であり、人体と所望されない接触との間の物理的バリアの提供に適合したバリア層を含み、バリア層が、表面上に病原微生物を不活性化する活性を有するコーティング組成物を有し、コーティングが、ポリオール(プロピレングリコールおよび/またはグリセリンを含む)またはポリマー(ポリ(エチレングリコール)等)、界面活性剤および酸を含んでなる、個人保護用バリア製品(personal protection barrier article)に関する。
【0011】
第2の態様において、本発明は、かかる個人保護用バリア製品を作るプロセスであって、バリア層の材料の表面をポリオール(プロピレングリコールおよび/またはグリセリンを含む)またはポリマー(ポリ(エチレングリコール)等)、界面活性剤および酸を含んでなる組成物と接触させ、それによってコーティング組成物を沈着させるプロセスに関する。バリア製品がバリア層を含む多層を有するならば、かかるプロセスは、バリア製品の中へバリア層を組み込む前または後に行うことができる。
【0012】
第3の態様において、本発明は、病原微生物を不活性化する活性を有し、コーティングが、ポリオール(プロピレングリコールおよび/またはグリセリンを含む)またはポリマー(ポリ(エチレングリコール)等)、界面活性剤および酸を含んでなる、コーティング組成物に関する。
【0013】
第4の態様において、本発明は、ポリオール(プロピレングリコールおよび/またはグリセリンを含む)またはポリマー(ポリ(エチレングリコール)等)、界面活性剤および酸を含んでなる組成物によりコーティングされたラテックスバリア製品の着用によって、ある個体から他の個体への病原体の移動を予防する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
かかるバリア層を作ることができる材料の例は、ソフトプラスチック材料、合成および天然のゴム等のエラストマー(例えばラテックス)、および織物または不織物の、天然または合成の生地を含む。
【0015】
バリア製品の例は、コンドーム、創傷被覆材、例えば医療従事者または軍関係者のために非透過性衣類等の人体用衣類、およびゴム手袋等の手袋を含む。
【0016】
かかる衣類製品を作ることができる生地の例は、綿、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、および衣類のために慣習的に使用される生地を含み、かかる生地は、空気、または空気および水分の両者に対する透過性があってもよいし、水分ではなく空気に対する透過性があってもよい。かかる衣類の例は、医療従事者(例えば医師、看護師)の制服および他の衣類を含む。有利なことには、かかる衣類は、コーティング組成物が沈着されているが従来の衣類とは視覚的に判別不可能である、従来の市販の衣類を含むことができる。
【0017】
好適には、生地はかかる衣類の外側層を構成することができる。衣類の外側層は、通常は汚染された環境の着用者の初期の接触が起こる層であり、外側層としての生地の提供は、表面に接触する任意の病原体の中和を支援し得る。
【0018】
本発明のコーティングは、HIVおよびHSVを引き起こすウイルス、ならびにこれらの変異血清型に効果的であり得ると考えられている。
【0019】
本明細書において使用されるすべての出現時に、「ポリオール」という用語は、プロピレングリコール、グリセリン(グリセロールと同じ意味で使用される)および同種のものを含む、複数のヒドロキシル基を含むアルコールを意味する。
【0020】
本発明のコーティング組成物および含浸組成物は1つまたは複数の界面活性剤を含んでなる。界面活性剤は、本発明の製品の湿潤、およびコーティング組成物と製品それ自体との間の接触を容易にすることができる。ウイルス等の病原体が水分の小液滴中で運ばれることは公知であり、したがって製品の湿潤の促進は、病原体と製品上の活性材料との間の効果的な接触を促進することができる。さらに、界面活性剤はウイルスおよび細菌の膜の破壊に効果的であることが公知である。
【0021】
様々なタイプの界面活性剤を本発明の組成物中に使用することができる。
【0022】
好適には、非イオン性界面活性剤を使用することができる。非イオン性界面活性剤の例は、界面活性剤のツイーン(Tween)(商標)またはポリソルベート(Polysorbate)(商標)ファミリー(すなわち、モノラウリン酸塩等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルベースのもの)から選択されるものである。好ましい非イオン性界面活性剤はポリソルベート20(商標)を含む。
【0023】
好適には、イオン性(例えば、陰イオン性)界面活性剤を使用することができる。かかる界面活性剤は親水性陰性基および結合した陽イオンを有する化合物である。かかる陽イオンは、金属(アルカリ金属等)、または非金属(アンモニウムまたは第四級アンモニウム等)であり得る。典型的にはかかる陰イオン性界面活性剤は塩の形態で親水性陰性基および陽イオンを含む。好ましくは、陰イオン性界面活性剤は、有機親水性陰性基のナトリウム塩を含む。好適には、有機親水性陰性基はスルホン酸基またはカルボン酸基であり得る。
【0024】
好ましいかかる陰イオン性界面活性剤化合物は以下の式(I)を有する。
2n+1−Z (I)
式中、nは8〜20であり、好ましくは10〜15であり、ZはSOまたはSOであり、Mはナトリウムまたはカリウムである。このタイプの好ましい陰イオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムである(n=12、ZはSO、Mはナトリウムである)。
【0025】
好適であり得る他の陰イオン性界面活性剤は以下の式(II)のものである。
2n+1−X−C2m−Z (II)
式中、n+mは8〜20であり、Xは−O−または−CO.O−であり、ZはSOまたはSOであり、Mはナトリウムまたはカリウムである。このタイプの好ましい陰イオン性界面活性剤は、ココイルイセチオン酸ナトリウムである(n=9、m=2、XはCO.O、ZはSO、Mはナトリウムである)。式(II)の別の陰イオン性界面活性剤はラウレス硫酸ナトリウムである。
【0026】
好適であり得る他の陰イオン性界面活性剤は以下の式(III)のものである。
2n+1−CO.NR.−C2m−Z (III)
式中、nおよびmは各々1以上であり、n+mは8〜20であり、RはC1−3アルキルであり、ZはCO.O、SOまたはSOであり、Mはナトリウムまたはカリウムである。このタイプの陰イオン性界面活性剤の例は、ココイルメチルタウリンナトリウムである(Rはメチル、m=2、ZはSO、Mはナトリウムである)。
【0027】
他の陰イオン性界面活性剤は、C14−16スルホン酸塩のナトリウム塩である、市販材料Bioterge(商標)As−40等のα−オレフィン等のオレフィンスルホン酸塩である。
【0028】
好適であり得る他の陰イオン性界面活性剤は、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウムおよびパルミトイルメチルタウリンナトリウム(および異なるアルキル鎖長のそれらのアナログ)、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ココイルサルコシンナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、スルホコハク酸オレアミドジナトリウム、スルホコハク酸ラウレスジナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルジナトリウムを含む。好適であり得る他のクラスの陰イオン性界面活性剤は、アルカリールスルホン酸塩、アルキルコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、N−アルコイルサルコソネート(alkoyl sarcosonates)、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、およびアシルメチルタウリン、特に、ナトリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、ならびにモノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩およびトリエタノールアミン塩を含む。前述のものにおけるアルキル基は8〜20の炭素原子を含むことができる。アルキルエーテル硫酸塩およびアルキルエーテルリン酸塩は、1分子あたり、1〜10のエチレンオキシド単位またはプロピレンオキシド単位を含むことができる。
【0029】
本発明のコーティング組成物および含浸組成物は1つまたは複数の酸を含んでなる。好適には、1つまたは複数の酸は有機カルボン酸、好ましくはかかる酸の固体から選択することができる。かかる固体カルボン酸の例は、クエン酸、サリチル酸、フマル酸、安息香酸、グルタル酸、乳酸、マロン酸、酢酸、グリコール酸、リンゴ酸、アジピン酸、コハク酸、アスパラギン酸、フタル酸、酒石酸、グルタミン酸、ピログルタミン酸、グルコン酸、ソルビン酸、およびその2つ以上の混合物を含む。
【0030】
抗ウイルス剤としてクエン酸等の酸を使用することは公知であり、かかる酸の存在は組成物の抗ウイルス活性を促進することができる。しかしながら、クエン酸と基材との間の付着が劣るために、製品上へのクエン酸の沈着は難しいことが見出されている。本発明において使用されるタイプの、ポリオール(プロピレングリコールおよびグリセリンを含む)またはポリマー(ポリ(エチレングリコール)等)は、基材に対するかかる酸の結合を促進するように作用できることが、有利であると見出された。好適には、酸(例えばクエン酸)は、0.25%w/w〜15%w/wの間の範囲である。一実施形態において、範囲は1%w/w〜12%w/wである。別の実施形態において、範囲は5%w/w〜10%w/wである。
【0031】
本発明のコーティング組成物および含浸組成物中のポリオール、界面活性剤および酸の好ましい組み合わせは、プロピレングリコール;非イオン性界面活性剤ポリソルベート20(ポリオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタン);および酸クエン酸である。
【0032】
本発明のコーティング組成物および含浸組成物は、1つまたは複数の抗菌化合物も組み入れることができる。かかる化合物の好適な例は、ソルビン酸、安息香酸、チモール、抗菌性油、第四級アンモニウム化合物(例えば、塩化ベンザルコニウム、セトリミド)、フェノール類(例えば、トリクロサン、サリチル酸)、ビグアニド(例えばクロルヘキシジン、アレキシジン)、およびその混合物を含む。
【0033】
本発明の組成物は好適には無水であり、この組成物はべとつかないが、所望される量の潤滑性および抗菌活性を提供する。
【0034】
コーティングの成分は液体組成物を形成し、例えば、浸漬、スプレーまたは他の従来の手段によって製品に適用される。本組成物は迅速に乾き、従って持続的乾燥プロセス、または熱を使用するその後の乾燥の必要はない。
【0035】
本発明はここで単なる例として説明される。かかる液体コーティング組成物の実施例を以下に示す。
【実施例】
【0036】
実施例1
コーティングしたコンドームは、コンドームの最初の3〜4インチを以下の組成物1および組成物2に従う溶液に浸漬することによって調製された。生じたコーティングは平均約400mgであり、約40mgのクエン酸含量をもたらした。
【0037】
組成物1
【表1】

【0038】
組成物2
【表2】

【0039】
実施例2
ポリエチレングリコール(PEG)またはプロピレングリコール(PG)のいずれかの中で溶解したクエン酸を含む組成物のコーティングは、ラテックスコンドームに成功裡に適用された。以下の研究の目的は、これらの組成物が性感染症に関与する病原体、特に単純疱疹ウイルス2(HSV−2)およびヒト免疫不全ウイルス(HIV−1型)に対する有意な(3logを超える減少)抗ウイルス活性を提供できるかどうかを決定することである。
【0040】
3つの以下の製剤の各々を調製するために、完全に溶解するまで、成分をともに70℃〜75℃で混合した。次いで溶液を、抗ウイルス活性の試験前に二段蒸留水中で1:10に希釈した。
【0041】
組成物3
【表3】

【0042】
組成物2
【表4】

【0043】
組成物3
【表5】

【0044】
使用したウイルスは、ATCC(VR−734)から得られた単純性疱疹ウイルス2型(HSV−2)系統G、およびAdvanced Biotechnologies社、Columbia、MDから得られたヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)であった。HSV−2ストックウイルスの懸濁物を、5%(v/v)加熱不活性化ウシ胎仔血清、10μg/mlゲンタマイシン、100ユニット/mlペニシリン、および2.5μg/mlアムホテリシンBを補足した、最小必須培地(MEM)中で、4〜8log10TCID50/mLとして調製した。HIV−1のストック懸濁物を、10%ウシ胎仔血清を含有するRPMI−1640中の4〜8log10TCID50/mLとして調製した。
【0045】
HIV−1またはHSV−2のいずれかの懸濁物を、1分の暴露時間で各試験物質の1:10希釈に対してインキュベーションした。次いでアリコートを取り出し、連続希釈によって中和し、感受性宿主細胞の感染によってウイルスの存在について分析した。3つの重複測定を各々の試験物質について行った。陽性ウイルス対照、細胞毒性対照および中和対照を同時に分析した。Spearman−Karber式を使用して、TCID50としてウイルス負荷を計算する。抗ウイルス効果は、溶液中の幾何平均ウイルス負荷対もとの接種の間の差から計算した。
【0046】
これらの実験において、組成物に適用したウイルス負荷は、HSV−2については5.5〜6.25log10TCID50、およびHIV−1については6.25log10TCID50の範囲であった。
【0047】
HSV−2(表1)については、溶液の平均ウイルス負荷は、1分の暴露時間後に、検出限界より下(≦1.5log10TCID50)から1.75log10TCID50の範囲であった。それゆえ、相対的抗ウイルス効果は4.25〜≧4.50log10の範囲であった。
【0048】
HIV−1(表2)については、すべての溶液中の平均ウイルス負荷は、曝露の1分後に検出限界より下(≦1.5log10TCID50)であった。それゆえ、相対的抗ウイルス効果は3つの組成物すべてにおいて、≧4.75log10であった。
【0049】
これらの結果から、3つの組成物が、重要な性感染性病原体であるHIV−1およびHSV−2に対して、迅速(1分以下)で実質的な(4logを超える減少)抗ウイルス活性を持つことが確認される。組成物はコンドーム潤滑剤として完全な強度で適用されるようにデザインされ、従って1:10希釈が効果的であるという事実は、恐らくより低いレベルのクエン酸(例えば約1%レベルで)も効果的であり得ることを示唆する。加えてPG(組成物3;組成物4)およびPEG(組成物5)を含有する製剤の両方は、HIV−1およびHSV−2の両方に対して効果的だった。
【0050】
表1 1分の暴露期間後の懸濁物中の単純性疱疹ウィルス2型に対する抗ウイルス活性
【表6】

検出限界=1.5log TCID50
【0051】
表2 1分の暴露期間後の懸濁物中のヒト免疫不全ウイルス−1に対する抗ウイルス活性
【表7】

検出限界=1.5log TCID50
【0052】
前述の説明が本発明の単なる例示であることを理解すべきである。当業者は様々な代替および修飾を本発明から逸脱せずに考案することができる。したがって、本発明は、添付の請求項の範囲以内である、かかる代替、修飾および変形をすべて包含することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面上に病原性微生物の不活性化のためのコーティング組成物を有し、前記コーティングが、プロピレングリコールおよびグリセリンから選択されるポリオールまたはポリ(エチレングリコール)等のポリマーである担体、界面活性剤、および酸を含んでなる、個人保護用ラテックスバリア製品。
【請求項2】
コンドームである、請求項1に記載の個人保護用ラテックスバリア。
【請求項3】
不活性化される前記病原性微生物が、ヘルペスウィルスおよびヒト免疫不全ウイルスから選択される、請求項2に記載の個人保護用ラテックスバリア。
【請求項4】
前記ポリオールが、プロピレングリコールである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の個人保護用ラテックスバリア。
【請求項5】
前記酸が、有機カルボン酸から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の個人保護用ラテックスバリア。
【請求項6】
前記酸が、クエン酸である、請求項5に記載の個人保護用ラテックスバリア。
【請求項7】
前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の個人保護用ラテックスバリア。
【請求項8】
前記界面活性剤が、ポリソルベート20である、請求項7に記載の個人保護用ラテックスバリア。
【請求項9】
プロピレングリコールおよびグリセリンから選択されるポリオールまたはポリ(エチレングリコール)等のポリマーである担体、界面活性剤、および酸を含んでなる、組成物。
【請求項10】
ポリオール(プロピレングリコールおよびグリセリンを含む)またはポリマー(ポリ(エチレングリコール)等)、界面活性剤、および酸を含んでなる組成物によりコーティングされたラテックスバリア製品の着用によって、ある個体から他の個体への病原体の移動を予防する方法。

【公表番号】特表2013−513437(P2013−513437A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543274(P2012−543274)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/059625
【国際公開番号】WO2011/072097
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(591002957)グラクソスミスクライン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (341)
【氏名又は名称原語表記】GlaxoSmithKline LLC
【Fターム(参考)】