説明

ラドン濃度測定装置

【課題】ポンプやファン、ひいては、ポンプやファンを駆動するための電源の使用を必要とせず、かつ、ラドン濃度の測定対象である空気の入れ換えを容易に行うことができるラドン濃度測定装置を提供する。
【解決手段】ラドン濃度測定装置100は、ラドン濃度測定器本体110と、ラドン濃度の測定対象の空気を取り込む空気取り込み器具120と、ラドン濃度測定器本体110の下方に配置され、空気取り込み器具120を支持する底面132を有する支持具130と、からなる。空気取り込み器具120は、ラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して開閉可能であるように摺動可能な引き出し構造を有している。空気取り込み器具120は、閉じた横断面を形成する周壁121を有し、かつ、上下方向に開放されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラドン濃度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リアルタイムで、あるいは、短時間(例えば、約1時間)のうちに、屋内外空気中のラドン濃度を測定する場合、通常、いわゆる「アクティブ法」を採用したラドン濃度測定装置が用いられる。
【0003】
「アクティブ法」を採用したラドン濃度測定装置においては、ラドン濃度を測定する対象である空気がポンプやファンを用いて連続的に取り込まれ、ラドン濃度が測定される。
【0004】
しかしながら、ポンプやファンを用いてラドン濃度測定対象の空気をラドン濃度測定装置に取り込むためには、ポンプやファンを駆動する電力を供給する電源が必要となり、ラドン濃度測定装置の複雑化または大型化を避けることができない。
【0005】
このため、ポンプやファンを使用せず、ひいては、商用電源の使用を必要としないラドン濃度測定装置が、例えば、特開平10−186036号公報(特許文献1)に記載されている。
【0006】
図10は、同公報に記載されているラドン濃度測定装置の構造を示す概略図である。
【0007】
図10に示すラドン濃度測定装置500は、入射窓501を有する容器510と、容器510内に配置され、ラドン娘核種521を捕集する捕集用電極520と、捕集用電極520に捕集されたラドン娘核種521から放出されるα線522を検出する放射線検出器530と、捕集用電極520に電圧を供給する高電圧電源540と、放射線検出器530に接続されたシングルチャンネルアナライザー(SCA)550と、シングルチャンネルアナライザー(SCA)550に接続されたカウンター560と、から構成されている。
【0008】
図10に示すラドン濃度測定装置500は以下のようにして作動する。
【0009】
ラドン濃度の測定対象となる空気はフィルター(図示せず)を介して入射窓501から容器510内に入れられる。
【0010】
ラドンは約3.8日の半減期でラドン娘核種に壊変する。このラドン娘核種は正に帯電しているため、電場を形成することにより、電気的に捕集することができる。捕集用電極520には高電圧電源540を介して高電圧が印加されているため、ラドン娘核種は捕集用電極520に捕集される。
【0011】
捕集用電極520に捕集されたラドン娘核種からはα線522が放出され、このα線522は放射線検出器530により検出される。放射線検出器530は、例えば、エネルギー弁別可能なシリコン半導体検出器あるいはプラスチックシンチレーション検出器からなる。
【0012】
放射線検出器530はα線522を検出すると、検出信号をシングルチャンネルアナライザー(SCA)550に出力する。
【0013】
シングルチャンネルアナライザー(SCA)550は、エネルギー弁別によりバックグラウンドノイズを消し、カウンター560から一定時間の積算計数を求め、ラドン濃度を算出する。
【特許文献1】特開平10−186036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
以上のように、図10に示したラドン濃度測定装置500によれば、ラドン濃度測定対象の空気を容器510内に取り込むために、ポンプやファン、ひいては、ポンプやファンを駆動するための電源の使用を必要としない。
【0015】
しかしながら、ラドン濃度測定装置500の容器510には入射窓511が一つしか設けられていないため、ラドン濃度測定装置500には、ラドン濃度の測定対象となる空気の入れ換え、すなわち、既にラドン濃度を測定した空気を容器510から排出し、新たな空気を容器510に導入することが極めて困難であるという問題点があった。
【0016】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、ポンプやファン、ひいては、ポンプやファンを駆動するための電源の使用を必要とせず、かつ、ラドン濃度の測定対象である空気の入れ換えを容易に行うことができるラドン濃度測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
以下に、「発明の実施の形態」において使用される参照符号を用いて、上述の課題を解決するための手段を説明する。これらの参照符号は、「特許請求の範囲」の記載と「発明の実施の形態」の記載との間の対応関係を明らかにするためにのみ付加されたものであり、「特許請求の範囲」に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いるべきものではない。
【0018】
上記の目的を達成するため、本発明は、ラドン濃度測定器本体(110)と、ラドン濃度の測定対象である空気を取り込む測定対象用空気取り込み器具(120)と、前記ラドン濃度測定器本体(110)の下方に配置され、前記測定対象用空気取り込み器具(120)を支持する底面(132)を有する支持具(130)と、からなり、前記測定対象用空気取り込み器具(120)は、前記ラドン濃度測定器本体(110)及び前記支持具(130)に対して開閉可能であるように摺動可能な引き出し構造を有しており、前記測定対象用空気取り込み器具(120)は、閉じた横断面を形成する周壁(121)を有し、かつ、上下方向に開放されており、前記測定対象用空気取り込み器具(120)を前記ラドン濃度測定器本体(110)及び前記支持具(130)に対して閉じたときには、前記測定対象用空気容器取り込み器具(120)は前記ラドン濃度測定器本体(110)及び前記支持具(130)とともにラドン濃度の測定対象である前記空気を取り囲む密閉空間を形成するものであるラドン濃度測定装置(100)を提供する。
【0019】
本発明は、さらに、ラドン濃度測定器本体(110)と、ラドン濃度の測定対象である空気を取り込む測定対象用空気取り込み器具(120)と、前記ラドン濃度測定器本体(110)の下方に配置され、前記測定対象用空気取り込み器具(120)を支持する支持具(130)と、からなり、前記測定対象用空気取り込み器具(120)は、前記ラドン濃度測定器本体(110)及び前記支持具(130)に対して開閉可能であるように摺動可能な引き出し構造を有しており、前記測定対象用空気取り込み器具(120)は、閉じた横断面を形成する周壁(121)と、前記周壁(121)に対する底面(126)と、を有しており、前記底面(126)は前記周壁(121)に対して開閉可能に形成されており、前記測定対象用空気取り込み器具(120)を前記ラドン濃度測定器本体(110)及び前記支持具(130)に対して閉じたときには、前記測定対象用空気容器取り込み器具(120)は前記ラドン濃度測定器本体(110)とともにラドン濃度の測定対象である前記空気を取り囲む密閉空間を形成するものであるラドン濃度測定装置(200)を提供する。
【0020】
前記周壁(121)は矩形状の横断面を形成するものであることが好ましい。
【0021】
本発明に係るラドン濃度測定装置(300)は、前記測定対象用空気取り込み器具(120)を前記ラドン濃度測定器本体(110)及び前記支持具(130)に対して閉じた状態に維持する留め具手段(310)をさらに備えることができる。
【0022】
本発明に係るラドン濃度測定装置(400)は、前記測定対象用空気取り込み器具(120)を前記ラドン濃度測定器本体(110)及び前記支持具(130)に対して閉じる方向に前記測定対象用空気取り込み器具(120)を付勢する付勢手段(410)をさらに備えることができる。
【0023】
本発明に係るラドン濃度測定装置(500)は、前記測定対象用空気取り込み器具(120)を前記ラドン濃度測定器本体(110)及び前記支持具(130)に対して開いた状態に保持する保持手段(510)をさらに備えることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るラドン濃度測定装置によれば、測定対象用空気容器取り込み器具はラドン濃度測定器本体及び支持具に対して「引き出し」と同様の開閉動作を行う。このため、測定対象用空気容器取り込み器具を摺動させ、ラドン濃度測定器本体及び支持具に対して開閉させるだけの動作により、測定対象用空気容器取り込み器具の内部の測定用空気を入れ替えることが可能である。
【0025】
すなわち、本発明に係るラドン濃度測定装置によれば、ポンプやファン、さらには、ポンプやファンを駆動するための電源の使用を必要とせず、かつ、ラドン濃度の測定対象である空気の入れ換えを容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第一の実施形態)
図1及び図2は本発明の第一の実施形態に係るラドン濃度測定装置100の斜視図である。
【0027】
図1に示すように、本実施形態に係るラドン濃度測定装置100は、ラドン濃度の測定対象である空気に含まれるラドン濃度を検出するラドン濃度測定器本体110と、ラドン濃度の測定対象である空気を取り込む測定対象用空気取り込み器具120と、ラドン濃度測定器本体110の下方に配置され、測定対象用空気取り込み器具120を支持する支持具130と、を備えている。
【0028】
ラドン濃度測定器本体110は立方体形状をなしており、ラドン濃度測定器本体110の下方に配置されている支持具130は、ラドン濃度測定器本体110の背面から当該背面と同一面内に延びる縦壁131と、ラドン濃度測定器本体110の下方に位置するように縦壁131と垂直に延びる底面132と、から構成されている。
【0029】
支持具130の底面132はラドン濃度測定器本体110の底面と同一の大きさをなしている。すなわち、上方向から見ると、ラドン濃度測定器本体110と支持具130の底面132とは重なり合っている。
【0030】
このように、支持具130は横方向から見てL字形状をなしており、ラドン濃度測定器本体110の底面と支持具130の底面132との間には立方体形状の空間が形成されている。後述するように、測定対象用空気取り込み器具120は支持具130の底面132上に支持された状態でこの空間内に出し入れされる構造を有している。
【0031】
測定対象用空気取り込み器具120は、図1に示すように、長方形状の閉じた横断面を形成する周壁121により構成されており、上下方向においては開放されている。
【0032】
周壁121により規定される立体形状はラドン濃度測定器本体110の底面と支持具130の底面132との間に形成されている立方体形状の空間と同一の大きさを有している。すなわち、周壁121により規定される立体形状の縦及び横の長さ並びに高さはラドン濃度測定器本体110の底面と支持具130の底面132との間に形成されている立方体形状の空間の縦及び横の長さ並びに高さにそれぞれ等しい。
【0033】
測定対象用空気取り込み器具120の前面125aには把手122が固定的に取り付けられている。
【0034】
図1に示すように、支持具130の底面132上には相互に平行な一対のレール部材133が形成されている。一対のレール部材133は縦壁131と直交する方向に延びている。
【0035】
測定対象用空気取り込み器具120の背面125b(把手122が形成されている前面125aとは反対側の面)には、一対のレール部材133に対応する位置に一対の孔123が形成されている。
【0036】
一対のレール部材133は半円形状の縦断面を有しており、孔123はレール部材133が通過し得る大きさの半円形状をなしている。
【0037】
測定対象用空気取り込み器具120は、一対の孔123の各々が一対のレール部材133の各々に嵌合することにより、支持具130の底面132上を摺動可能であるようになっている。すなわち、測定対象用空気取り込み器具120は、ラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して引き出しのように開閉可能である引き出し構造を有している。
【0038】
図1は測定対象用空気取り込み器具120をラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して開いた状態を示し、図2は測定対象用空気取り込み器具120をラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して完全に閉じた状態を示す。
【0039】
前述のように、測定対象用空気取り込み器具120の周壁121により規定される立体形状はラドン濃度測定器本体110の底面と支持具130の底面132との間に形成されている立方体形状の空間と同一の大きさを有している。このため、図2に示すように、測定対象用空気取り込み器具120をラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して閉じたときには(すなわち、測定対象用空気取り込み器具120をラドン濃度測定器本体110の底面と支持具130の底面132との間に形成されている立方体形状の空間内に押し入れたときには)、測定対象用空気容器取り込み器具120はラドン濃度測定器本体110及び支持具130とともにラドン濃度の測定対象である空気を取り囲む密閉空間を形成する。
【0040】
以上のような構造を有する本実施形態に係るラドン濃度測定装置100は以下のようにして用いられる。
【0041】
先ず、孔123をレール部材133に沿わせた状態で測定対象用空気容器取り込み器具120を摺動させ、ラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して開いた状態にする。この場合、例えば、図1に示すように、測定対象用空気容器取り込み器具120をラドン濃度測定器本体110及び支持具130から完全に取り外してもよく、あるいは、例えば、机の引き出しのように、測定対象用空気容器取り込み器具120の一部が支持具130の底面132上に残っているようにしてもよい。
【0042】
次いで、測定対象用空気容器取り込み器具120がラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して開いた状態を約1分間維持する。
【0043】
ラドンは空気よりも重たいため、空気中に存在するラドンは空気中を徐々に沈下する傾向にある。
【0044】
このため、ラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して開かれた状態にある、測定対象用空気容器取り込み器具120の中に空気中に存在するラドンが滞留する。
【0045】
約1分経過後、測定対象用空気容器取り込み器具120を摺動させ、図2に示すように、ラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して閉じる(すなわち、測定対象用空気取り込み器具120をラドン濃度測定器本体110の底面と支持具130の底面132との間に形成されている立方体形状の空間内に押し入れる)。
【0046】
前述のように、この状態においては、測定対象用空気容器取り込み器具120はラドン濃度測定器本体110及び支持具130とともに、測定対象用空気容器取り込み器具120の内部に取り入れた空気を取り囲む密閉空間を形成する。
【0047】
この後、ラドン濃度測定器本体110が測定対象用空気容器取り込み器具120の内部に取り入れられた空気中のラドン濃度を測定する。
【0048】
なお、測定対象用空気容器取り込み器具120を引き出してから、ラドン濃度測定装置100を手に持った状態で、空気中をラドン濃度測定装置100を約1mほど移動させることにより、空気を100%置換することが可能である。これに要する時間はほんの数秒であり、実際には、上述の約1分の時間を必要とすることはない。また、これにより、空気の100%置換が可能であるため、空気の交換率を配慮する必要はない。
【0049】
図3は、ラドン濃度測定器本体110の構造の一例を示すブロック図である。
【0050】
ラドン濃度測定器本体110は、例えば、α線検出部111と、光電子増倍管112と、増幅回路113と、中央処理装置(CPU)114と、ROMからなる第一メモリー115と、RAMからなる第二メモリー116と、表示装置117(図1及び図2にも示されている)と、から構成されている。
【0051】
α線検出部111は、例えば、交換が容易な遮光膜を隔てたプラスチック板にZnS(Ag)シンチレータを塗布したものからなる。
【0052】
α線検出部111が測定対象用空気容器取り込み器具120の内部の空気中のラドンに起因するα線を検出すると、そのα線の強度を示す検出信号を発信する。
【0053】
光電子増倍管112はα線検出部111から発信された検出信号を受信する。受信された検出信号は増幅回路113に送信され、増幅回路113において増幅される。
【0054】
増幅された検出信号はCPU114に送信される。
【0055】
第一メモリー105にはラドン濃度計算用のプログラムが格納されている。CPU114は検出信号を受信すると、第一メモリー105からこのラドン濃度計算用プログラムを読み出し、このラドン濃度計算用プログラムに基づいて、濃度計算を行う。濃度計算は、例えば、第二メモリー116を作業領域として行われる。
【0056】
CPU114により算出されたラドン濃度は第二メモリー116に格納されるとともに、表示装置117に表示される。
【0057】
表示装置117は、例えば、液晶表示装置からなり、ラドン濃度測定器本体110の前面側に配置されている。
【0058】
なお、測定対象用空気容器取り込み器具120内に沈着して残留したラドンにより、ラドン濃度の測定の正確性が損なわれるおそれがある。このため、第一メモリー105に格納されているラドン濃度計算用プログラムにおいては、作動開始を指示する入力操作だけで連続濃度測定が可能であるように、当該測定の直前の5回分の測定による残さを当該測定に対する妨害寄与分として自動的に除去するように設定されている。
【0059】
ラドン濃度測定器本体110によるラドン濃度測定が終了した後(すなわち、表示装置117にラドン濃度が表示された後)、測定対象用空気容器取り込み器具120を摺動させ、ラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して開く。
【0060】
測定対象用空気容器取り込み器具120は背面125bを有しているため、測定対象用空気容器取り込み器具120の内部に取り入れられた空気は背面125bに押されて、全ての空気がラドン濃度測定器本体110及び支持具130の外側に押し出される。これにより、ラドン濃度の測定が終了した空気は全て排気され、新しい空気と入れ替わる。すなわち、測定対象用空気容器取り込み器具120の内部には新しく測定対象となる空気が取り入れられる。
【0061】
以上のように、本実施形態に係るラドン濃度測定装置100によれば、測定対象用空気容器取り込み器具120を摺動させ、ラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して開閉させるだけの動作により、測定対象用空気容器取り込み器具120の内部の測定用空気を入れ替えることが可能である。すなわち、本実施形態に係るラドン濃度測定装置100によれば、ポンプやファン、さらには、ポンプやファンを駆動するための電源の使用を必要とせず、かつ、ラドン濃度の測定対象である空気の入れ換えを容易に行うことができる。
【0062】
なお、本実施形態に係るラドン濃度測定装置100の構造は上記の構造に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
【0063】
例えば、測定対象用空気容器取り込み器具120の周壁121は長方形形状の横断面を形成しているが、周壁121が形成する横断面の形状は長方形には限定されない。閉じた断面を形成するものである限りにおいて、周壁121が形成する横断面の形状は任意に選定することが可能である。例えば、円、楕円、長方形以外の多角形、一部に曲線を含む形状など任意の形状を選定することが可能であり、このような場合には、測定対象用空気容器取り込み器具120の形状に合わせて支持具130の形状も変更される。
【0064】
また、本実施形態に係るラドン濃度測定装置100においては、一対のレール部材133とそれに対応して2個の孔123が形成されているが、レール部材133及び孔123の数は2には限定されない。レール部材133及び孔123の大きさによってはそれぞれ1個でもよく、あるいは、必要に応じて、3個以上とすることも可能である。
【0065】
また、本実施形態に係るラドン濃度測定装置100においては、測定対象用空気容器取り込み器具120をラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して摺動させる機構として一対のレール部材133及び一対の孔123を用いているが、他の摺動機構を採用することも可能である。
【0066】
図4は、他の摺動機構の一例を示す、測定対象用空気容器取り込み器具120の正面図である。
【0067】
例えば、図4に示すように、一対のレール部材133及び一対の孔123を用いることに代えて、支持具130の底面132の両端にそれぞれガイド用レール134を形成する。ガイド用レール134は、底面132の両端において直立するプレート状の部材である。一対のガイド用レール134間の間隔は測定対象用空気容器取り込み器具120の横幅(図4の左右方向における長さ)に等しい。
【0068】
このように、支持具130の底面123の両端にガイド用レール134を設けることによっても、測定対象用空気容器取り込み器具120をラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して摺動させることが可能である。
【0069】
また、図3に示したラドン濃度測定器本体110の構造は一例にすぎない。空気中のラドン濃度を測定することができるものである限りは、どのような構造のラドン濃度測定器であっても、用いることが可能である。
【0070】
(第二の実施形態)
図5は、本発明の第二の実施形態に係るラドン濃度測定装置200の斜視図である。
【0071】
第二の実施形態に係るラドン濃度測定装置200は、第一の実施形態に係るラドン濃度測定装置100と比較して、支持具130の構造が異なっている点、並びに、測定対象用空気容器取り込み器具120の構造が異なっている点を除いて、同一の構造を有している。このため、第一の実施形態に係るラドン濃度測定装置100と同一の構成要素に対しては同一の参照符号を用いる。
【0072】
図5に示すように、本実施形態における支持具130は、第一の実施形態における底面132及び一対のレール部材133代えて、一対のガイド部材135及び一対のガイド用レール134を備えている。
【0073】
具体的には、一対のガイド部材135は縦壁131の両端において縦壁131に対して直交する方向に延びており、その長さはラドン濃度測定器本体110を越えないように設定されている。
【0074】
一対のガイド部材135の各々の外側端部には、図4に示したガイド用レール134と同様に、ガイド用レール134が取り付けられている。本実施形態に係るラドン濃度測定装置200においては、測定対象用空気容器取り込み器具120は、一対のガイド部材135及び一対のガイド用レール134に支持された状態において、ラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して摺動する。
【0075】
なお、一対のレール部材133が形成されていないことに対応して、測定対象用空気容器取り込み器具120には孔123は形成されていない。
【0076】
第一の実施形態における測定対象用空気容器取り込み器具120は上下方向において開放されているのに対して、本実施形態における測定対象用空気容器取り込み器具120には底面126が形成されている。
【0077】
底面126は、測定対象用空気容器取り込み器具120の周壁121に対して、開閉可能に形成されている。
【0078】
図6は、測定対象用空気容器取り込み器具120の構造を示す縦断面図である。
【0079】
図6に示すように、底面126はその一方の縁において周壁121の一側面125cにヒンジ127を介して取り付けられている。このため、底面126は測定対象用空気容器取り込み器具120の底を形成する第一位置(図6において実線で示されている位置)と測定対象用空気容器取り込み器具120が無底となるような第二位置(図6において破線で示されている位置)との間をヒンジ127を中心として矢印Xに示すように回転し得るようになっている。
【0080】
底面126の先端側(ヒンジ127に取り付けられている側とは反対側)にはフック部材128が取り付けられており、このフック部材128は測定対象用空気容器取り込み器具120の周壁121の一側面125dに取り付けられている留め具129に引っ掛かって係止されるようになっている。
【0081】
すなわち、フック部材128を留め具129に引っ掛けることにより、底面126をその第一位置(図6において実線で示されている位置)に維持することができるようになっている。
【0082】
また、フック部材128を留め具129から外すことにより、底面126はヒンジ127を中心として回転し、その第二位置(図6において破線で示されている位置)に移行する。
【0083】
なお、ヒンジ127、フック部材128及び留め具129は測定対象用空気容器取り込み器具120の前面に近い位置に配置されており、各ガイド用レール134は、測定対象用空気容器取り込み器具120が押し込まれてきたときにヒンジ127、フック部材128及び留め具129と干渉しないように、ガイド部材135の先端よりも短く形成されている。
【0084】
本実施形態に係るラドン濃度測定装置200の使用方法は第一の実施形態に係るラドン濃度測定装置100と基本的には同一である。
【0085】
唯一の相違点は、測定対象用空気容器取り込み器具120を引き出したときに、フック部材128を留め具129から外すことにより、底面126を第一位置から第二位置まで回転させ、測定対象用空気容器取り込み器具120を無底状態にするとともに、測定対象用空気容器取り込み器具120を押し入れる前に、底面126を第二位置から第一位置まで回転させ、さらに、フック部材128を留め具129に引っ掛けることにより、底面126を第一位置に保持する点である。
【0086】
本実施形態に係るラドン濃度測定装置200によっても、第一の実施形態に係るラドン濃度測定装置100と同一の効果を得ることができる。
【0087】
さらに、測定対象用空気容器取り込み器具120の底面126が開閉可能に形成されているため、必要に応じて、測定対象用空気容器取り込み器具120を有底状態あるいは無底状態に変更することが可能である。
【0088】
(第三の実施形態)
図7は、本発明の第三の実施形態に係るラドン濃度測定装置300の斜視図である。
【0089】
本実施形態に係るラドン濃度測定装置300は、第一の実施形態に係るラドン濃度測定装置100と比較して、測定対象用空気取り込み器具120をラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して閉じた状態に維持する留め具手段310をさらに備えている点において異なり、この点以外は同一の構造を有している。このため、第一の実施形態に係るラドン濃度測定装置100と同一の構成要素に関しては、同一の参照符号を用いる。
【0090】
留め具手段310は、細長のプレート部材からなり、その一端に近い位置(回転中心位置)311において、ラドン濃度測定器本体110に対して回動可能であるように取り付けられている。
【0091】
さらに、留め具手段310を構成するプレート部材の他端はラドン濃度測定器本体110を越えて測定対象用空気取り込み器具120に達している。すなわち、留め具手段310を構成するプレート部材はラドン濃度測定器本体110及び測定対象用空気取り込み器具120の双方に渡る長さを有している。
【0092】
留め具手段310は回転中心位置311を中心として回転することにより、その先端側が測定対象用空気取り込み器具120上にある第一位置(図7において実線で示される位置)とその先端側がラドン濃度測定器本体110上にある第二位置(図7において破線で示される位置)との間を移動可能である。
【0093】
本実施形態に係るラドン濃度測定装置300によれば、留め具手段310をその第一位置(図7において実線で示される位置)に移行させることにより、ラドン濃度測定器本体110がラドン濃度の測定を実施している間に、測定対象用空気取り込み器具120がラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して摺動して開いてしまうという事態を防止することができる。
【0094】
なお、本実施形態に係るラドン濃度測定装置300においては、回転中心位置311がラドン濃度測定器本体110上にあるように留め具手段310を配置したが、回転中心位置311が測定対象用空気取り込み器具120上にあるように留め具手段310を配置することも可能である。
【0095】
(第四の実施形態)
図8は、本発明の第四の実施形態に係るラドン濃度測定装置400における縦壁131と測定対象用空気取り込み器具120との位置関係を示す平面図(上方から見た図)である。
【0096】
本実施形態に係るラドン濃度測定装置400は、第一の実施形態に係るラドン濃度測定装置100と比較して、付勢手段410をさらに備える点においてのみ構造的に異なり、他の点においては同一の構造を有している。このため、第一の実施形態に係るラドン濃度測定装置100と同一の構成要素に関しては、同一の参照符号を用いる。
【0097】
本実施形態における測定対象用空気取り込み器具120には、背面125bの両端側(図8の左右方向における両端側)にそれぞれ貫通孔411が形成されており、各貫通孔411には引張バネからなる付勢手段410が通されている。
【0098】
引張バネからなる付勢手段410の一端は縦壁131に固定されて、他端は測定対象用空気取り込み器具120の内壁に固定されている。
【0099】
付勢手段410は測定対象用空気取り込み器具120に対して引張力を及ぼす。すなわち、測定対象用空気取り込み器具120は、付勢手段410により、常に、ラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して閉じる方向(すなわち、縦壁131に向かう方向)に付勢される。
【0100】
本実施形態に係るラドン濃度測定装置400によれば、測定対象用空気取り込み器具120はラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して常に閉じる方向に付勢されている。このため、測定対象用空気取り込み器具120の内部に測定対象の空気を取り込んだ後、単に測定対象用空気取り込み器具120から手を離すことにより、測定対象用空気取り込み器具120は付勢手段410の付勢力を受けて、ラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して閉じる方向に動き、最終的には、図2に示すように、ラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して閉じる位置に移行する。
【0101】
すなわち、本実施形態に係るラドン濃度測定装置400によれば、測定対象用空気取り込み器具120を押し入れる作業が不要となる。
【0102】
(第五の実施形態)
上述の第四の実施形態の場合、測定対象用空気取り込み器具120は常に付勢手段410により縦壁131の方向に付勢されているため、測定対象用空気取り込み器具120の内部にラドン濃度測定対象の空気を取り入れる間、付勢手段410の付勢力に抗して測定対象用空気取り込み器具120を手で保持している必要がある。
【0103】
本実施形態に係るラドン濃度測定装置500は、測定対象用空気取り込み器具120をラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して開いた状態に保持する保持手段510をさらに備えることにより、測定対象用空気取り込み器具120を手で保持することの必要性をなくしている。
【0104】
図9は、本実施形態に係るラドン濃度測定装置500における支持具130と測定対象用空気取り込み器具120との位置関係を示す縦断面図である。
【0105】
図9に示すように、支持具130の底面132には凹部501が形成されている。
【0106】
凹部501の内部には、凹部501の内部を摺動可能なストッパー部材502が嵌め込まれている。
【0107】
ストッパー部材502は、図9に示すように、三角形状の縦断面を有しており、三角形断面の斜辺が縦壁131の方向を向くように配置されている。
【0108】
さらに、凹部501の底面とストッパー部材502との間にはバネ503が配置されている。バネ503はストッパー部材502を常に上方に付勢している。
【0109】
保持手段510はストッパー部材502とバネ503とから構成されている。
【0110】
保持手段510は以下のように機能する。
【0111】
測定対象用空気取り込み器具120がラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して閉じている状態(図2に示す状態)から測定対象用空気取り込み器具120を開く方向に摺動させると、周壁121の背面125bの内壁側125Aが最初にストッパー部材502の斜辺と接触する。
【0112】
ストッパー部材502は斜辺が縦壁131の方向を向いているため、周壁121の背面125bが開く方向(図9の右側方向)に移動するにつれて、ストッパー部材502がその斜辺を介して下方に押されることになり、バネ503の付勢力に抗して、ストッパー部材502は凹部501の中を下降する。このため、周壁121の背面125bはストッパー部材502に移動を止められることなく、ストッパー部材502上を通過する。
【0113】
周壁121の背面125bがストッパー部材502上を通過し終わると、ストッパー部材502はバネ503の付勢力により上方に移動し、図9に示すように、その頂点は底面132よりも高い位置に到達する。
【0114】
この段階においては、ストッパー部材502の垂辺(図9の上下方向に延びている辺)が周壁121の背面125bの外壁側125Bに当接している。このため、測定対象用空気取り込み器具120は付勢手段410の付勢力により縦壁131の方向に移動しようとするが、ストッパー部材502によりその移動を止められているため、図9に示すように、ストッパー部材502と接した位置において停止する。
【0115】
すなわち、測定対象用空気取り込み器具120をラドン濃度測定器本体110及び支持具130に対して開いた状態に維持することが可能になる。
【0116】
測定対象用空気取り込み器具120を閉じる場合には、ストッパー部材502を、例えば、指で押して凹部501の中に押し込んだ状態において、測定対象用空気取り込み器具120を閉じる方向に移動させる。
【0117】
このように、本実施形態に係るラドン濃度測定装置500によれば、付勢手段410を設けたとしても、測定対象用空気取り込み器具120を開いた状態に維持することができ、ラドン濃度測定用空気を入れ替えている間、測定対象用空気取り込み器具120を開いた状態に保持しておくことが不要になる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明に係るラドン濃度測定装置は種々の環境において使用することが可能である。
【0119】
例えば、原子力発電所におけるモニタリング装置の一つとして、建屋内のラドン濃度の測定に用いることができる。
【0120】
この他にも、原子力発電所以外の各種建屋内におけるラドン濃度の測定、一般住宅の各部屋におけるラドン濃度の測定、あるいは、トンネル内や地下街におけるラドン濃度の測定に使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】図1は本発明の第一の実施形態に係るラドン濃度測定装置の斜視図である。
【図2】図2は本発明の第一の実施形態に係るラドン濃度測定装置の斜視図である。
【図3】図3はラドン濃度測定器本体の構造の一例を示すブロック図である。
【図4】図4は他の摺動機構を備えた測定対象用空気容器取り込み器具の正面図である。
【図5】図5は本発明の第二の実施形態に係るラドン濃度測定装置の斜視図である。
【図6】図6は、発明の第二の実施形態に係るラドン濃度測定装置における測定対象用空気容器取り込み器具の構造を示す縦断面図である。
【図7】図7は本発明の第三の実施形態に係るラドン濃度測定装置の斜視図である。
【図8】図8は、本発明の第四の実施形態に係るラドン濃度測定装置における縦壁と測定対象用空気取り込み器具との位置関係を示す平面図(上方から見た図)である。
【図9】図9は、本発明の第五の実施形態に係るラドン濃度測定装置における支持具と測定対象用空気取り込み器具との位置関係を示す縦断面図である。
【図10】図10は、従来のラドン濃度測定装置の構造を示す概略図である。
【符号の説明】
【0122】
100 本発明の第一の実施形態に係るラドン濃度測定装置
110 ラドン濃度測定器本体
111 α線検出部
112 光電子増倍管
113 増幅回路
114 中央処理装置(CPU)
115 第一メモリー
116 第二メモリー
117 表示装置
120 測定対象用空気取り込み器具
121 周壁
122 把手
123 孔
126 底面
127 ヒンジ
128 フック部材
129 留め具
130 支持具
131 縦壁
132 底面
133 レール部材
134 ガイド用レール
135 ガイド部材
200 本発明の第二の実施形態に係るラドン濃度測定装置
300 本発明の第三の実施形態に係るラドン濃度測定装置
310 留め具手段
400 本発明の第四の実施形態に係るラドン濃度測定装置
410 付勢手段
500 本発明の第五の実施形態に係るラドン濃度測定装置
501 凹部
502 ストッパー部材
503 バネ
510 保持手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラドン濃度測定器本体と、
ラドン濃度の測定対象である空気を取り込む測定対象用空気取り込み器具と、
前記ラドン濃度測定器本体の下方に配置され、前記測定対象用空気取り込み器具を支持する底面を有する支持具と、
からなり、
前記測定対象用空気取り込み器具は、前記ラドン濃度測定器本体及び前記支持具に対して開閉可能であるように摺動可能な引き出し構造を有しており、
前記測定対象用空気取り込み器具は、閉じた横断面を形成する周壁を有し、かつ、上下方向に開放されており、
前記測定対象用空気取り込み器具を前記ラドン濃度測定器本体及び前記支持具に対して閉じたときには、前記測定対象用空気容器取り込み器具は前記ラドン濃度測定器本体及び前記支持具とともにラドン濃度の測定対象である前記空気を取り囲む密閉空間を形成するものであるラドン濃度測定装置。
【請求項2】
ラドン濃度測定器本体と、
ラドン濃度の測定対象である空気を取り込む測定対象用空気取り込み器具と、
前記ラドン濃度測定器本体の下方に配置され、前記測定対象用空気取り込み器具を支持する支持具と、
からなり、
前記測定対象用空気取り込み器具は、前記ラドン濃度測定器本体及び前記支持具に対して開閉可能であるように摺動可能な引き出し構造を有しており、
前記測定対象用空気取り込み器具は、閉じた横断面を形成する周壁と、前記周壁に対する底面と、を有しており、
前記底面は前記周壁に対して開閉可能に形成されており、
前記測定対象用空気取り込み器具を前記ラドン濃度測定器本体及び前記支持具に対して閉じたときには、前記測定対象用空気容器取り込み器具は前記ラドン濃度測定器本体とともにラドン濃度の測定対象である前記空気を取り囲む密閉空間を形成するものであるラドン濃度測定装置。
【請求項3】
前記周壁は矩形状の横断面を形成するものであることを特徴とする請求項1または2に記載のラドン濃度測定装置。
【請求項4】
前記測定対象用空気取り込み器具を前記ラドン濃度測定器本体及び前記支持具に対して閉じた状態に維持する留め具手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のラドン濃度測定装置。
【請求項5】
前記測定対象用空気取り込み器具を前記ラドン濃度測定器本体及び前記支持具に対して閉じる方向に前記測定対象用空気取り込み器具を付勢する付勢手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のラドン濃度測定装置。
【請求項6】
前記測定対象用空気取り込み器具を前記ラドン濃度測定器本体及び前記支持具に対して開いた状態に保持する保持手段をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載のラドン濃度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−8140(P2010−8140A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165675(P2008−165675)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【出願人】(593217890)応用光研工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】