説明

ラベラにおける糊塗布装置およびラベルへの糊塗布方法

【課題】容器18に貼り付けたラベル2Aを剥がし易くする。
【解決手段】回転するラベル移送ドラム10の外周面に、ラベル保持部12が複数設けられており、この保持部に保持されて回転移送されるラベルに糊塗布手段14から糊を塗布し、容器18にこのラベルを貼り付ける。糊塗布手段のヘッド60に、縦方向に6個の吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6が設けられており、2個ずつを組として糊の供給を制御する。保持部の後方側突出部12bの回転方向前方側に、ヘッドに接触しない切欠部84a、84b、84c、84d、84eを形成する。上方側の2個の吐出口に対応する切欠部は回転方向の幅が、他の切欠部よりも短い。ラベルの後端部2Ab側に糊を塗布する際に、吐出口が切欠部を通過してラベルに接触すると同時に糊の吐出を開始し、先に糊の吐出を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の外周面にラベルを貼り付けるラベラにおける糊塗布装置およびラベルへの糊塗布方法に係り、特に、ラベルの前端部と後端部とに糊を塗布し、容器の周囲に巻き付けて貼着する構成のラベラにおける糊塗布装置およびラベルへの糊塗布方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ペットボトルなどの容器にフィルムラベルを貼り付ける際に、ラベルの前端部と後端部に糊を塗布して、容器の周囲に巻き付けて貼着する構成のラベラは従来から広く知られている。また、このようなラベルを貼り付けた容器をリサイクルするために、ラベルを容器から剥がし易くするための工夫をしたラベラが各種提案されている(例えば、特許文献1または特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載された発明の構成では、ラベルの端部に粘着剤層の無い部分を形成するもので、この粘着剤層の無い部分の形状を、ラベルの端部を幅方向に横断するもの(ラベルの幅全体に亘って粘着剤を塗布していない)や、ラベルの幅方向の端部あるいは中央部分に、三角形や円形に形成したものが開示されている。また、特許文献2には、ラベルの裏面の前端部に、第1の強接着領域と第1の弱接着又は非接着領域を有し、又、ラベルの後端部に、第2の強接着領域と第2の弱接着又は非接着領域を有する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−29640号公報
【特許文献2】特許第4017153公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記各特許文献には、容器の周面に貼り付けたラベルを剥がし易くするために、ラベル端部に、「粘着剤層が無い部分」、あるいは、「弱接着又は非接着領域」を形成しているが、どのような装置で、どのような工程により形成するかについては何も記載がない。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、容器の周囲に巻き付けて貼着したラベルを剥がす際の手がかり(剥がし口)を確保できるようにするために、ラベルの糊を塗布する位置を調整可能にしたラベラにおける糊塗布装置を提供することを目的とするものである。また、ラベルに糊を塗布する位置を調整可能にしたラベルへの糊塗布方法を提供することを目的とするものである。さらに、ラベルに塗布した糊がかすれることなく、しかも、均一に塗布することができるラベラにおける糊塗布装置およびラベルへの糊塗布方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した発明は、ラベルを吸着保持する保持部が外周に突出して設けられた移送ドラムと、この移送ドラムを回転させる回転手段と、糊を吐出する吐出口を縦方向に複数個有し、前記保持部に保持されているラベルに前記吐出口を当接させた状態で糊を吐出して塗布する糊塗布手段と、前記吐出口を1個もしくは複数個を組としてそれぞれ独立して吐出制御する制御手段とを備え、前記糊塗布手段から前記保持部によって保持されているラベルに糊を塗布する際に、少なくとも1組の吐出口から糊が吐出されるタイミングを、他の組の吐出口よりも早くし、もしくは遅くすることにより、この吐出口から吐出されてラベルに塗布された糊塗布位置のラベル端縁からの距離を、他の吐出口による糊塗布位置のラベル端縁からの距離よりも長くするとともに、前記保持部の、保持しているラベルに糊が塗布される領域の回転方向前方側に、前記各吐出口がラベルに当接しないように形成した切欠部を有し、前記各吐出口をラベルの糊塗布開始位置からラベルに当接させることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、ラベルに吐出口が当接した位置から0〜2mmの範囲で、前記吐出口から糊を吐出することを特徴とするものである。
【0009】
さらに、請求項3に記載した発明方法は、移送ドラムの外周に突出して設けられた保持部にラベルを吸着保持させ、糊を吐出する吐出口を縦方向に複数個有する糊塗布手段から、前記保持部に保持されているラベルに前記吐出口を当接させた状態で糊を吐出して塗布する糊塗布方法であって、前記保持部によって保持されているラベルに糊を吐出する際に、前記吐出口を1個もしくは複数個を組としてそれぞれ独立して吐出制御する制御手段によって、少なくとも1組の吐出口から糊が吐出されるタイミングを、他の組の吐出口よりも早くし、もしくは遅くすることにより、この吐出口から吐出されてラベルに塗布された糊塗布位置のラベル端縁からの距離を、他の吐出口による糊塗布位置のラベル端縁からの距離よりも長くするとともに、前記保持部の、保持しているラベルに糊が塗布される領域の回転方向前方側に、前記各吐出口がラベルに当接しないように形成した切欠部を有することによって、前記各吐出口をラベルの糊塗布開始位置からラベルに当接させるようにしたことを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項4に記載した発明方法は、請求項3に記載した発明において、ラベルに吐出口が当接した位置から0〜2mmの範囲で、前記吐出口から糊を吐出することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のラベラにおける糊塗布装置およびラベルへの糊塗布方法は、糊塗布手段に、糊を吐出する吐出口を縦方向に複数個設け、これら吐出口を1個または複数個の組として制御することにより、独立して糊を吐出できるように構成し、吐出口のうちの1個または1組からの糊の吐出タイミングを、他の吐出口とずらし、または、吐出時間を変えることにより、糊を塗布した部分のラベルの端縁からの距離を、他の吐出口からの糊塗布部分よりも長くしたので、ラベルを剥がす際の手がかりを形成することができ、容器からラベルを容易に剥がすことができる。さらに、保持部の回転方向前方側に、吐出口がラベルに当接しないようにカットした切欠部を形成し、吐出口から糊の吐出を開始する位置からラベルに当接させるようにしたので、塗布された糊がかすれたりムラが出ることなく、糊の塗布状態を均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1はラベラの全体の構成を簡略化して示す平面図である。(実施例1)
【図2】図2は前記ラベラに設けられた移送ドラムおよび糊塗布手段の縦断面図である。
【図3】図3は移送ドラムおよび糊塗布手段の要部を拡大して示す平面図である。
【図4】図4はホットメルトコーティングヘッドの斜視図である。
【図5】図5はホットメルトコーティングヘッドに糊を供給する回路を簡略化して示す図である。
【図6】図6はラベル保持部の後方側突出部の前面形状を示す図である。
【図7】図7は糊を塗布したラベルを容器に貼り付ける工程を説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
請求項1に記載したラベラにおける糊塗布装置の発明は、ラベルを保持する移送ドラムおよびこの移送ドラムを回転させる回転手段と、移送ドラムに保持されているラベルに糊を吐出して塗布する糊塗布手段およびこの塗布手段の動作を制御する制御手段を備えており、前記糊塗布手段には、糊を吐出する吐出口が縦方向に複数個設けられている。これら複数の吐出口は、1個ずつ、または、複数個を1組として1組ずつ独立して糊を吐出できるように構成してあり、移送ドラムに保持されて回転搬送されているラベルの前端部と後端部に、糊塗布手段の吐出口から糊を吐出して塗布するようにしているが、後端部に糊を塗布するときには、いずれか1個または1組の吐出口からの糊の吐出タイミングを他の吐出口よりも早くして、他の吐出口から吐出されてラベルに塗布された糊塗布部分よりもラベルの先端部方向にずらして糊塗布部分を形成する。また、前端部に糊を吐出するときには、いずれか1個または1組の吐出口からの糊の吐出タイミングを他の吐出口よりも遅くする。この糊塗布部分は、ラベルの後端縁または前端縁からの距離が、他の吐出口から吐出されて塗布された糊塗布部分のラベル後端縁または前端縁からの距離よりも長くなっており、糊の塗布されていない部分が広いので、容器からラベルを剥がす際の手がかりとなり、ラベルを容器から容易に剥がすことができるようにするという目的を達成する。さらに、前記保持部の保持しているラベルが、吐出口の前方に移動してきた当初はこの吐出口に当接しないように、保持部の回転方向前方側に斜めにカットした切欠部を形成しておき、移送ドラムの回転により、吐出口がこの切欠部を通過して糊の塗布を開始する位置からラベルに接触させるようにしたことにより、糊をラベル糊塗布位置にむらなく均一に塗布するという目的を達成する。
【0014】
また、請求項3に記載したラベルへの糊塗布方法の発明は、回転移動する移送ドラムの外周に突出して設けられた保持部にラベルを吸着保持させ、この保持部に保持されているラベルに、糊を吐出する吐出口が縦方向に複数個形成されている糊塗布手段から、前記吐出口をラベルに当接させた状態で糊を吐出して塗布する糊塗布方法において、前記吐出口を、1個もしくは複数個を組としてそれぞれ独立して糊を吐出できるように制御手段によって制御するようにし、前記保持部によって保持されているラベルに糊を吐出する際に、少なくとも1組の吐出口から糊が吐出されるタイミングを、他の組の吐出口から糊を吐出するタイミングよりも早くし、もしくは遅くすることにより、この吐出口から吐出されてラベルに塗布された糊塗布位置のラベル端縁からの距離を、他の吐出口による糊塗布位置のラベル端縁からの距離よりも長くするとともに、前記保持部のラベルを保持する前面側の、保持しているラベルに糊が塗布される領域よりも回転方向前方側に、前記各吐出口がラベルに当接しないようにカットした切欠部を形成して、前記各吐出口をラベルの糊塗布開始位置からラベルに当接させるようにしたことにより、ラベルを容器から容易に剥がすことができるように接着するとともに、ラベルの糊塗布位置に均一に糊を塗布するという目的を達成する糊塗布方法を得ることができる。
【実施例1】
【0015】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。先ず、図1によってラベラ全体の構成について簡単に説明する。所定の幅を有する帯状のラベル2がロール状に巻かれて図示しないロールスタンドに支持されており、この帯状ラベル2が引き出され、複数のローラ4を介してカッタ6に送られる。一対の回転体6A、6Bからなるカッタ6によって所定の長さに切断されたラベル2A(図3参照)は、受け渡しドラム8を介してラベル移送ドラム10に引き渡される。ラベル移送ドラム10には、その外周面に円周方向等間隔で複数(この実施例では4箇所)のラベル保持部12が設けられており、各ラベル保持部12がそれぞれ1枚ずつラベル2Aを保持して回転搬送する。このラベル移送ドラム10の、受け渡しドラム8からのラベル受け渡し位置Aよりも下流側の、ラベル搬送経路の外側に糊塗布手段14が設置されている。この糊塗布手段14から吐出された糊が、前記ラベル移送ドラム10のラベル保持部12に保持されているラベル2Aの裏面側に塗布される。糊が塗布されたラベル2Aは、ラベル貼り付け位置Bにおいて、容器搬送装置16によって搬送されてきた容器18の外周面に貼り付けられる。
【0016】
一方、前記ラベル2Aが貼り付けられる容器18は、供給コンベヤ20によって搬送され、インフィードスクリュー22によって所定の間隔に切り離されて入口スターホイール24に引き渡される。入口スターホイール24は受け取った容器18を回転搬送して、ロータリ式の容器搬送装置16に供給する。この容器搬送装置16の回転体26には、その外周部に円周方向等間隔で多数の容器台26aが設けられており、この容器台26aに載せられた容器18が図示しない容器保持手段によって保持されて回転搬送される。容器搬送装置16は前記ラベル移送ドラム10と同期運転されており、搬送されている各容器18が、ラベル貼り付け位置Bで、ラベル移送ドラム10の各ラベル保持部12に保持されているラベル2Aを貼り付けられる。ラベル2Aが貼り付けられた容器18は、容器搬送装置16によって回転搬送されて出口スターホイール28に引き渡され、排出コンベヤ30上に排出されて次の工程に送られる。
【0017】
次に、前記ラベル移送ドラム10と、このラベル移送ドラム10のラベル保持部12に保持されているラベル2Aに糊を塗布する糊塗布手段14の構成について説明する。ラベル移送ドラム10は、ベースプレート32上に回転自在に設置されている。ベースプレート32を上下に貫通して支持筒34が固定され、この支持筒34内に保持された上下のボールベアリング36、38を介して直立した回転軸40が回転自在に支持されている。この回転軸40の、前記支持筒34の上方に延びている上部の外周面に円筒部材42が嵌合している。この円筒部材42は、回転軸40の外面にキー等の連結手段によって連結されており、回転軸40と一体的に回転するとともに、相対的に上下動して高さを調節できるようになっている。さらに、この円筒部材42の外周に筒状のカバー44が固定されており、回転軸40および円筒部材42と一体的に回転する。
【0018】
前記円筒部材42の下端部とほぼ同じ高さに、図示しない支柱等を介して水平に固定された円形プレート46(以下、固定プレートと呼ぶ)が配置されている。前記円筒部材42の下端部外周とこの固定プレート46の内周面との間にボールベアリング48が配置されており、回転軸40とともに回転する円筒部材42の回転を支持するようになっている。固定プレート46の上面の外周部には、環状の摺動部材50が固定されている。固定プレート46とこの摺動部材50には、後に説明する固定側のバキューム通路が形成されている。
【0019】
回転軸40の上部外周に固定されている筒状カバー44の下端にフランジ44aが形成され、このフランジ44aの下面に円形の回転プレート52が固定されている。この回転プレート52は、回転する際には、前記環状の摺動部材50の上面を摺動する。回転プレート52の外周部上に、ラベル2Aを保持して回転移送するラベル移送ドラム10が取り付けられており、回転軸40の回転によって回転プレート52が回転すると、ラベル移送ドラム10がこの回転プレート52と一体的に回転する。なお、回転軸40は、ベースプレート32の下方で図示しない回転手段に連結されて回転駆動される。
【0020】
このラベル移送ドラム10は、環状の底面10aとこの底面10aの外周部上に立ち上げられた円筒状の壁面(円筒部)10bとを有している。ラベル移送ドラム10の円筒部10bの外面に、複数のラベル保持部12が形成されている。この実施例では円筒部10bの外周面に円周方向等間隔で4箇所のラベル保持部12が形成されている(図1参照)。各ラベル保持部12は、ラベル2Aの搬送方向の前後2箇所を吸着保持するようになっており、それぞれ2箇所の突出部12a、12bを有している。図3のラベル移送ドラム10の左側に示した突出部12aが、一枚のラベル2Aを吸着保持する一つの保持部12の、ラベル移送ドラム10の回転方向前方側の突出部であり、同図の右側に示した突出部12bが、保持部12の、ドラム回転方向後方側の突出部である。なお、この図3では、一つのラベル保持部12の後方側の突出部12bと、その回転方向後方側に位置している別のラベル保持部12の前方側の突出部12aを示している。
【0021】
ラベル保持部12の前方側突出部12aは、横断面がほぼ台形をしている。つまり、ラベル移送ドラム10の外周面から突出している部分の、底面側(ラベル移送ドラム10の外周面側)よりも上面側の長さが短く、これら底面と上面とをつなぐ両側面が傾斜して形成されている。また、上面は底面の円弧(ラベル移送ドラム10の外周面と一致している)と同芯の円弧状をしている。一方、後方側の突出部12bは、上面が底面よりも短く、回転方向前方側の側面は、前方側突出部12aの両側面と同様に傾斜して形成されているが、後方側の側面はほぼ直線状になっている。この突出部12bの底面と上面も前記前方側の突出部12aと同様の円弧状をしている。これら前後の突出部12a、12bは、それぞれゴム等の弾性体からできており、上面側から加圧すると凹むようになっている。
【0022】
前記固定プレート46の上面の、摺動部材50が固定されている部分に、円弧状の溝46aが形成され、下面側に連結された配管54を介してバキュームが導入されるようになっている。固定プレート46上に、前記円弧状溝46aを覆う状態で固定されている環状の摺動部材50には、上下に貫通する孔50aが、前記固定プレート46の円弧状溝46aとオーバーラップする範囲に多数形成されている。これら円弧状溝46aと貫通孔50aは、ラベル移送ドラム10が受け渡しドラム8からラベル2Aを受け取る受け渡し位置A(図1参照)のやや上流側の位置から、ラベル保持部12が保持しているラベル2Aを容器18に貼り付ける貼り付け位置Bまでの間に渡って形成されている。
【0023】
一方、前記ラベル保持部12の前後の突出部12a、12bには、外面に開口する複数(この実施例では各突出部12a、12bに縦3個、横2個の6個)の吸引口12cが形成されている。これら吸引口12cは、ラベル移送ドラム10の円筒部10b内に形成された縦方向通路10c、底部10a内に形成された半径方向通路10dおよびこの通路10dに接続された回転プレート52内の通路52a等を介して、回転プレート52の下面に開口するバキューム導入口52bに接続されている。前方側突出部12aの前方側の吸引口12cは、図3に示すように、上面と前方側の側面とに跨って形成されている。回転軸40の回転に伴ってラベル移送ドラム10が回転すると、各ラベル保持部12の吸引口12cに連通する回転プレート52のバキューム導入口52bが、固定側の摺動部材50に形成されている貫通孔50aとオーバーラップしている部分では、吸引口12cにバキュームが作用してラベル2Aを吸着することができる。また、バキューム導入口52bが回転移動して、ラベル貼り付け位置Bに達すると、摺動部材50の貫通孔50aおよび固定プレート46の円弧状溝46aから外れてバキュームが遮断され、保持していたラベル2Aを離すようになっている。なお、この実施例では、ラベル保持部12の吸引口12cのバキュームが遮断された直後に、この吸引口12cから短時間エアを吹き出すようにして、ラベル2Aを確実に容器18に引き渡すようにしている。
【0024】
ラベル移送ドラム10の円筒部10bの外方側に、このラベル移送ドラム10と向かい合うように糊塗布手段14が設けられている。この糊塗布手段14は、前記受け渡しドラム8からラベル移送ドラム10へのラベル受け渡し位置Aの下流側で、かつ、ラベル移送ドラム10のラベル保持部12から容器18にラベル2Aを貼り付けるラベル貼り付け位置Bの上流側に配置されている。この糊塗布手段14は、取付台56上にエアシリンダ58を介して取り付けられており、このエアシリンダ58の作動によって、ラベル移送ドラム10の方向に向けて進退動できるようになっている。
【0025】
糊塗布手段14は、ラベル移送ドラム10と向かい合う側に、糊(ホットメルト)を吐出する複数の吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6が形成されたホットメルトコーティングヘッド60を備えている(図4参照)。この実施例では、6個の吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6が縦方向にかつ一直線状に並んで設けられており、最も上方の吐出口60a1の上端から最も下方の吐出口60a6の下端までの上下の長さが、ラベル2Aの幅(ラベル移送ドラム10のラベル保持部12に保持されているときの上下の長さ)よりも僅かに短い長さを有している。これらの吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6は、ホットメルトコーティングヘッド60の内部の通路60b(図3参照)を介して、糊塗布手段14の本体部内に設けられた糊貯留部14aに接続されている。さらにこの糊貯留部14aは、制御装置62(後に説明する図5参照)によって制御される糊供給手段64(糊の貯留タンクとポンプから構成されている)に接続されている(図2参照)。
【0026】
図5は、ホットメルトコーティングヘッド60の吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6に糊を供給する回路の一例を示す図であり、この実施例では、6個の吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6が、2個ずつ一組になっており、これら各組の吐出口(60a1と60a2、60a3と60a4、60a5と60a6)にそれぞれ1本の供給通路66a、66b、66cから糊が供給される。3本の供給通路66a、66b、66cは、前記糊供給手段64のポンプに接続されており、この供給ポンプの作動によって、貯留タンク(図示せず)から前記各組の吐出口(60a1と60a2、60a3と60a4、60a5と60a6)に糊を供給する。各供給通路66a、66b、66cには、それぞれ電磁弁68a、68b、68cが設けられており、制御装置62によって糊を吐出するタイミング、吐出時間等が制御される。なお、この実施例では、糊の吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6が縦方向に一直線に配置された6個の開口から構成されているが、吐出口60aの数は、6個に限定されるものではなく、その他の数であっても良い。また、2個ずつの吐出口を一組として糊の供給を行う構成に限るものではなく、1個ずつ独立して制御し、あるいは、3個ずつ組にして制御する等その他の構成であっても良い。また、ラベル2Aが変更になり、糊が塗布された部分の長さや幅あるいは位置が変更になった場合には、対応する形状の吐出口を備えたホットメルトコーティングヘッド60に交換する。
【0027】
ホットメルトコーティングヘッド60は、図3および図4に示すように、ラベル移送ドラム10側に最も接近している部分が幅の狭い平坦面60cになっており、この先端側平坦面60cに前記6個の吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6が形成されている。吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6が形成された平坦面60cの回転方向前側にあたる一方の側部60d(ラベル移送ドラム10のラベル保持部12に保持されているラベル2Aが接近してくる側の側部)が、平坦面60cに連続する円弧状の面になっている。また、回転方向後側にあたる他方の側部は、ラベル移送ドラム10の外面から遠ざかる方向に後退した2つの傾斜面60e、60fから形成されている。特に、吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6から続く傾斜面60eの傾斜角度を急にしてこの部分に糊が付着しないようにしている。ホットメルトコーティングヘッド60の円弧状の側部60dは、図3に示すように、平坦面60cとの接続部付近はラベル2Aに接触可能であるが、逆の側部60e、60fは、ラベル2Aには全く接触しないようになっている。
【0028】
さらに、本実施例に係るラベラでは、前記ラベル移送ドラム10に設けられているラベル保持部12の前面(ホットメルトコーティングヘッド60に当接する側の面)の形状に特徴を有している。図6は、ラベル保持部12の後方側の突出部12bの前面形状を示すものである。なお、この後方側突出部12bの前面の形状全体を符号80で示す。前述のように、ホットメルトコーティングヘッド60の平坦面60cには、縦方向に6個の吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6が一直線状に並んで設けられており、ラベル2Aのこの後方側突出部12bに保持されている部分には、各吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6からの糊の吐出開始時点から終了時点までの間に亘って、回転方向に所定の長さの糊が塗布される。図6中に符号82a、82b、82c、82d、82e、82fで示す部分が、ラベル2Aに塗布される糊の塗布パターンを示している。つまり、符号82a、82b、82c、82d、82e、82fで示した糊塗布パターンの右端側(ラベル移送ドラム10の回転方向前方側)で前記各吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6から糊の吐出が開始され、左端の位置で糊の吐出を停止する。あるいはこの位置のやや手前で糊の吐出を停止する。
【0029】
そして、このラベル保持部12の後方側突出部12bには、ラベル移送ドラム10の回転方向前方側に、保持されているラベル2Aがホットメルトコーティングヘッド60に接触しないように斜めに傾斜した形状にカットされた切欠部84a、84b、84c、84d、84eが形成されている。この切欠部84a、84b、84c、84d、84eは、後方側突出部12bの回転方向前方側の端面12baから、各吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6が糊の吐出を開始する位置までの間に形成されている。ラベル2Aの、これら切欠部84a、84b、84c、84d、84e上に保持されている部分には、前記ホットメルトコーティングヘッド60は接触しない。そして、ラベル保持部12の両突出部12a、12bに保持されているラベル2Aが回転移動してホットメルトコーティングヘッド60の位置に到達して、突出部12a、12bに保持されているラベル2Aがホットメルトコーティングヘッド60の吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6に当接を開始した瞬間に糊の吐出を開始するようになっている。なお、前記切欠部84a、84b、84c、84d、84eは、直線的にカットした形状に限定されるものではなく、ラベル2Aがホットメルトコーティングヘッド60に接触しない形状に切り欠いた切欠部を形成すればよい。
【0030】
前述のように、ホットメルトコーティングヘッド60の一番上方および2番目の吐出口60a1、60a2は、他の吐出口60a3、60a4、60a5、60a6よりも早く糊の吐出を開始し、早く終了するようになっている。そのため、前記切欠部84a、84b、84c、84d、84eの回転方向の幅(図6の左右方向の幅)は、一番上の吐出口60a1および2番目の吐出口60a2に対応する位置の切欠部84a、84bが、その他の吐出口60a3、60a4、60a5、60a6に対応する位置の切欠部84c、84d、84eよりも狭くなっている。また、後方側突出部12bの前面80には、吸着保持していたラベル2Aを剥がすための水平方向の溝86a、86b、86cが形成されている。なお、この実施例では、図示はしないが、ラベル保持部12の、ドラム回転方向前方側の突出部12aに形成されている切欠部は、回転方向の幅が同一になっており、各突出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6が同時にラベル2Aに接触して同時に糊の吐出を開始し、同時に終了するようになっている。また、この実施例では、ホットメルトコーティングヘッド60の糊吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6が切欠部84a、84b、84c、84d、84eを通過して、ラベル2Aに当接した瞬間に糊の吐出を開始するようにしたが、必ずしも同時に吐出する構成に限るものではなく、当接を開始した位置から2mm後までの間に糊の吐出を開始するように設定することが好ましい。
【0031】
以上の構成に係るラベラの作動について説明する。ラベルスタンド(図示せず)に保持されたロールラベルから繰り出された長尺のラベル2は、複数のローラ4を介して一対の回転体6A、6Bを備えたカッタ6に送られて、容器18のサイズに応じた所定の長さに切断される。切断されたラベル2Aは受け渡しドラム8を介してラベル移送ドラム10に引き渡される。ラベル移送ドラム10には、回転方向の前後に設けられた一対の突出部12a、12bからなるラベル保持部12が等間隔で4箇所設けられており、前記切断されたラベル2Aの先端側が、回転方向前方側の突出部12a上に載った状態で吸引口12cに作用するバキュームによって吸着され、一方、ラベル2Aの後端側は、回転方向後方側の突出部12b上に載った状態で、吸引口12cに作用するバキュームによって吸着される。ラベル保持部12の前後の突出部12a、12bに吸着されたラベル2Aの前端部2Aaと後端部2Ab以外の中間部分は、ラベル移送ドラム10の円筒部10bの外周面に密着した状態で保持される。
【0032】
糊塗布手段14は、このラベラを運転していないときには、エアシリンダ58によって後退させて、ホットメルトコーティングヘッド60の吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6がラベル移送ドラム10側に接触しないようにしておく。そして、運転時には、この糊塗布手段14をラベル移送ドラム10側に前進させて、ホットメルトコーティングヘッド60の吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6の形成されている平坦面60cが、ラベル保持部12の突出部12a、12bに保持されたラベル2Aに接触するようにしておく。
【0033】
ラベル移送ドラム10のラベル保持部12に保持されたラベル2Aが、回転移動して糊塗布手段14の前面に到達すると、ラベル2Aの、ラベル保持部12の前方側突出部12aの上面上に吸着保持されている部分(前端部2Aa)の最先端部が僅かに回転方向前方側の切欠部にかかっているので、回転してきたラベル移送ドラム10の突出部12a上のラベル2Aとホットメルトコーティングヘッド60の平坦面60cとが干渉することなくスムーズに接触を開始する。
【0034】
前記ホットメルトコーティングヘッド60の平坦面60cがラベル2Aに接触を開始すると、吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6から糊が吐出されてラベル2Aに塗布される。運転中は糊供給手段64のポンプが駆動されており、糊を吐出していないときは、制御装置62の指令により3本の供給通路66a、66b、66cにそれぞれ設けられている電磁弁68a、68b、68cが閉じて、吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6まで糊を供給していないが、前記のように、ヘッド60の平坦面60cがラベル2Aに接触を開始すると、制御装置62からの信号によって、各供給通路66a、66b、66cに設けられている電磁弁68a、68b、68cが開放されて、糊供給手段64から糊塗布手段14へ糊が供給され、ホットメルトコーティングヘッド60の吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6から吐出されてラベル2Aに塗布される。
【0035】
糊の吐出を開始するタイミングは、ラベル移送ドラム10の位置信号(エンコーダのパルス信号)によって決められるようになっており、ラベル2Aの前端部2Aa(図6参照)を保持している前方側保持部12aが所定の位置に到達したことが検出されると、糊の吐出を開始し、その後、タイマーによって計測し、所定時間経過後糊の吐出を停止する。ラベル2Aに糊を塗布する長さ(ラベル2Aの回転方向の長さ)が大きい場合にはそれに応じて長い時間糊を吐出する。この実施例では、設定された長さ(回転方向の長さ)に塗布するために必要とする時間だけ糊を吐出せず、その時間よりも僅かに短い時間だけ吐出して停止する。必要とする塗布長さの残りの部分は、吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6に残留している糊をラベル2Aによって拭き取るようにして塗布が行われる。このようにホットメルトコーティングヘッド60の吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6から糊を吐出する際には、吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6とラベル保持部12に保持されているラベル2Aとが当接している、つまり、吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6がラベル2Aによって塞がれた状態になっているが、糊を噴射する際の圧力により弾性体から構成されているラベル保持部12が後退して、吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6とラベル2Aとの間に隙間が生じてそこから糊があふれ出すようになっている。
【0036】
図7に示すように、ラベル保持部12の前方側突出部12aに保持されているラベル2Aの回転方向前方側(前端部2Aa)に所定の長さの糊を塗布した後(前方側の糊塗布部分を符号70で示す)、ラベル2Aの中間部の、ラベル移送ドラム10の外周面に支持されている部分が糊塗布手段14の前面を通過するが、この部分は前記突出部12aよりも半径方向内方に後退しているので、ホットメルトコーティングヘッド60には接触せず、しかも、この間は、電磁弁68a、68b、68cを閉じて糊の供給を停止している。その後、ラベル2Aの、後方側突出部12bに保持されている部分(後端部2Ab)が、ホットメルトコーティングヘッド60の位置に到達すると、再度、ラベル2Aとホットメルトコーティングヘッド60とが接触し、前記ラベル2Aの前端部2Aaと同様にしてラベル2Aの後端部2Abに糊が塗布される。
【0037】
ラベル保持部12の後方側突出部12bに保持されているラベル2Aの後端部2Ab側が、ホットメルトコーティングヘッド60の平坦面60cの前方まで回転移動してくると、ラベル2Aの、切欠部84a、84b、84c、84d、84e上に位置している部分は、平坦面60cに接触しないが、切欠部84a、84b、84c、84d、84eが通過すると、ラベル2Aに平坦面60cが接触を開始する。切欠部84a、84b、84c、84d、84eは上方の2つの吐出口60a1、60a2に対向する位置の2箇所84a、84bが、回転方向の幅が狭くなっており、ホットメルトコーティングヘッド60の上方の2つの吐出口60a1、60a2が先にラベル2Aに接触を開始する。この実施例では、吐出口60a1、60a2がラベル2Aに接触を始めると同時に糊の吐出を開始する。このときには、上方の1組の吐出口60a1、60a2に糊を供給する供給通路66aに設けられている電磁弁68aを開放する。その後、僅かの時間差をおいて、下方の2組の吐出口60a3と60a4、60a5と60a6に対応する位置の切欠部84c、84d、84eが通過して、これらの吐出口60a3、60a4、60a5、60a6もラベル2Aに接触する。下方の2組の吐出口60a3と60a4、60a5と60a6がラベル2Aに接触を開始すると同時に、下方の2本の供給通路66B、66Cの電磁弁68B、68Cを開放して糊の吐出を行う。その後、第1組の吐出口60a1、60a2の吐出開始から所定時間経過後に、第1組の吐出口60a1、60a2の電磁弁68aを閉じ、その後、同じ時間経過後に他の2組の電磁弁68b、68cを閉鎖する。
【0038】
このように吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6から糊を吐出するタイミングをずらすことにより、第1組の2個の吐出口60a1、60a2から吐出された糊が塗布されている部分72aが、他の2組の吐出口60a3、60a4、60a5、60a6から吐出された糊が塗布されている部分72bよりもやや前端部2Aa寄りに位置している。従って、このラベル2Aの後端縁2Acから糊が塗布されている部分72aまでの間に、糊が塗布されていない部分2Adが形成される。なお、ラベル保持部12の各突出部12a、12bの幅(回転方向の幅)は、ラベル2Aに塗布される糊の長さよりも大きくなっており、ラベル2Aに対し必要な長さの糊の塗布が終了した後も、吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6はラベル保持部12に保持されているラベル2Aと当接して吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6に残留している糊を掻き取る作用を行わせる。
【0039】
なお、前記実施例では、ラベル保持部12の後方側突出部12bに保持されているラベル2Aに糊を塗布する際に、ラベル2Aの、この後方側突出部12bの切欠部84a、84b、84c、84d、84e上に保持されている部分が吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6の前面を通過して、ラベル2Aが吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6に接触を開始すると同時に糊の吐出を開始したが、必ずしもラベル2Aに接触すると同時に糊の吐出を開始する必要はなく、接触を開始した位置から2mmだけ移動する範囲内で、糊の吐出を開始すればよい。
【0040】
一方、前記ラベル2Aが接着される容器18は、供給コンベヤ20によって搬送され、インフィードスクリュー22で所定間隔に切り離されて入口スターホイール24に引き渡される。入口スターホイール24は、受け取った容器18を回転搬送して容器搬送装置16に引き渡す。容器搬送装置16は、この容器18をラベル貼り付け位置Bへ回転搬送する。このように容器搬送装置16に供給されてラベル2Aが貼り付けられる容器18は、図示しないセンサによって検出されており、容器18が検出されると、この容器18に対応するラベル2Aが供給される。この実施例では、容器18が検出されると、この容器18に貼り付けられるラベル2Aがカッタ6によって切断されてラベル移送ドラム10に受け渡され、糊が塗布されるようになっている。また、容器18が検出されなかった場合には、ラベル移送ドラム10へのラベル2Aの供給を中止する。さらに、このラベル2Aを保持するはずであったラベル保持部12が糊塗布手段14の位置に到達する前に、エアシリンダ58によってホットメルトコーティングヘッド60を後退させて、ラベル2Aを保持していないラベル保持部12に糊が付着しないようにする。
【0041】
容器搬送手段16によって搬送されてきた容器18は、ラベル貼り付け位置Bに到達すると、ラベル保持部12に保持されているラベル2Aが押し付けられて貼り付けられる。ラベル2Aは、前端部2Aa側から容器18の外面に押し付けられて、前端部2Aa側の糊塗布部分70が貼り付けられる。その後、糊の塗布されていない部分が容器18の外面に巻き付けられ、最後に、後端部2Abの糊塗布部分72a、72bが貼り付けられる。ラベル2Aが貼られた容器18は、容器搬送装置16の回転体26の回転によって回転搬送され、出口スターホイール28によって排出コンベヤ30上に排出される。しかも、必要な部分に均一に糊を塗布することができる。容器18に貼り付けられたラベル2Aの後端部2Abには、一部に糊が塗布されていない部分2Adが形成されており、容器18の使用後にラベル2Aを剥がす場合に、この部分2Adを手がかりとして容易に剥がすことができる。この実施例では、ラベル2Aの後端側2Abの糊塗布部分72a、72bが、ラベル2Aの前後方向(図6の左右方向)に位置がずれているが同じ長さを有しているので、剥がし口を設けた部分でも充分な接着強度を確保することができる。
【0042】
なお、前記実施例では、ラベル2Aの後端部2Abの上部側に、糊の塗布部分72aをやや前方側にずらして、最も後端部寄りに糊が塗布されていない部分2Adを形成したが、必ずしも上部に限るものではなく、中央部または下部に糊が塗布されていない部分を形成しても良い。また、吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6を2個ずつ1組として糊の吐出タイミングを制御したが、各吐出口60a1、60a2、60a3、60a4、60a5、60a6にそれぞれ別の供給通路から糊を供給するようにして、糊の吐出タイミングを個々に制御しても良い。逆に3個ずつの吐出口を一組として(60a1と60a2と60a3を1組とし、60a4と60a5と60a6を1組とする)制御するようにすることもできる。あるいは、各組の吐出口の数を同一ではなく、異なる個数の組(例えば、1個、2個、2個や3個、2個、1個)にして制御するようにしても良い。また、この実施例では、ホットメルトコーティングヘッド60をラベル2Aに接触させて糊を塗布するようにしたが、接触式に限るものではなく、非接触でホットメルトを噴射する型式のラベラにも適用可能である。
【0043】
1枚のラベル2Aを容器18の周囲に巻き付けて貼り付ける場合に、通常はラベル2Aの後端部2Abを前端部2Aa上に重ねて貼り付けるようにしているが、重ねずに貼り付ける場合には、ラベル2Aを剥がすための手がかりとなる糊を塗布していない部分を、ラベル2Aの前端部2Aa側に形成することもできる。例えば、ラベル2Aの前端部2Aaの上部側に糊の塗布されていない部分を形成する場合には、前記第1および第2吐出口60a1、60a2に糊を供給する供給通路66aの電磁弁68aの開閉タイミングを、その他の電磁弁68b、68cよりも僅かに遅らせる。この場合には、ラベル2Aを容器18に貼り付けた後、ラベル2Aの前端部2Aa側として貼り付けられた部分から容易に剥がすことができる。
【符号の説明】
【0044】
2A ラベル
2Aa ラベルの前端部
2Ab ラベルの後端部
2Ac ラベル端縁(ラベル後端縁)
10 移送ドラム
12 保持部
14 糊塗布手段
62 制御手段
60a1 吐出口
60a2 吐出口
60a3 吐出口
60a4 吐出口
60a5 吐出口
60a6 吐出口
70 糊塗布位置
72a 糊塗布位置
72b 糊塗布位置
84a 切欠部
84b 切欠部
84c 切欠部
84d 切欠部
84e 切欠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルを吸着保持する保持部が外周に突出して設けられた移送ドラムと、この移送ドラムを回転させる回転手段と、糊を吐出する吐出口を縦方向に複数個有し、前記保持部に保持されているラベルに前記吐出口を当接させた状態で糊を吐出して塗布する糊塗布手段と、前記吐出口を1個もしくは複数個を組としてそれぞれ独立して吐出制御する制御手段とを備え、
前記糊塗布手段から前記保持部によって保持されているラベルに糊を塗布する際に、少なくとも1組の吐出口から糊が吐出されるタイミングを、他の組の吐出口よりも早くし、もしくは遅くすることにより、この吐出口から吐出されてラベルに塗布された糊塗布位置のラベル端縁からの距離を、他の吐出口による糊塗布位置のラベル端縁からの距離よりも長くするとともに、
前記保持部の、保持しているラベルに糊が塗布される領域の回転方向前方側に、前記各吐出口がラベルに当接しないように形成した切欠部を有し、前記各吐出口をラベルの糊塗布開始位置からラベルに当接させることを特徴とするラベラにおける糊塗布装置。
【請求項2】
ラベルに吐出口が当接した位置から0〜2mmの範囲で、前記吐出口から糊を吐出することを特徴とする請求項1に記載のラベラにおける糊塗布装置。
【請求項3】
移送ドラムの外周に突出して設けられた保持部にラベルを吸着保持させ、糊を吐出する吐出口を縦方向に複数個有する糊塗布手段から、前記保持部に保持されているラベルに前記吐出口を当接させた状態で糊を吐出して塗布する糊塗布方法であって、
前記保持部によって保持されているラベルに糊を吐出する際に、前記吐出口を1個もしくは複数個を組としてそれぞれ独立して吐出制御する制御手段によって、少なくとも1組の吐出口から糊が吐出されるタイミングを、他の組の吐出口よりも早くし、もしくは遅くすることにより、この吐出口から吐出されてラベルに塗布された糊塗布位置のラベル端縁からの距離を、他の吐出口による糊塗布位置のラベル端縁からの距離よりも長くするとともに、前記保持部の、保持しているラベルに糊が塗布される領域の回転方向前方側に、前記各吐出口がラベルに当接しないように形成した切欠部を有することによって、前記各吐出口をラベルの糊塗布開始位置からラベルに当接させるようにしたことを特徴とするラベルへの糊塗布方法。
【請求項4】
ラベルに吐出口が当接した位置から0〜2mmの範囲で、前記吐出口から糊を吐出することを特徴とする請求項3に記載のラベルへの糊塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−228776(P2010−228776A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77199(P2009−77199)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(309007911)サントリーホールディングス株式会社 (307)
【出願人】(393028357)シブヤマシナリー株式会社 (77)
【Fターム(参考)】