説明

ラベル剥離方法、この方法を用いたラベル剥離装置及びラベル貼付装置

【課題】シート状に形成された枚葉タックラベルの剥離シートからの剥離、分離を自動で行うことが可能な枚葉タックラベルの剥離方法、ラベル剥離装置及びラベル貼付装置を提供すること。
【解決手段】シート状に形成されたラベル本体Rの裏面に直線状の分断部Dを有する剥離シートSが剥離可能に貼着されたラベル100のラベル剥離装置10であって、前記ラベルを一平面上に保持する保持部材11と、該保持部材11に保持された前記ラベル100の前記分断部Dに対応する部分を前記ラベル本体R側から前記剥離シートS側に突出させて該剥離シートSの前記分断部Dの両側縁部E1、E2を前記ラベル本体Rから浮き上がらせる突出手段18とを備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状に形成されたラベル、いわゆる枚葉タックラベルの剥離シートをラベル本体から剥離させるラベル剥離付方法と、この方法を用いたラベル剥離装置及びラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、大量生産される缶体等の対象物にラベルを貼り付ける場合、例えば、特許文献1に示されるように、ロール状の剥離紙に連続的に配置、巻き取られたロール状タックラベルを繰り出して、先端が先細形状とされたピールプレートの先端位置で繰出方向を急激に反転させることにより剥離シートからラベル本体を順次剥離・分離させて、ラベル本体を対象物に貼り付ける技術が開示されている。
【特許文献1】特開2007−076653号公報(第1図)
【0003】
一方で、多種少量生産される容器等の対象物にラベルを貼り付ける場合、必要とされるラベル枚数が少ないためにロール状タックラベルを用いるとコスト面で不利となるため、一枚ごとに形成されたシート状のラベル本体の裏面に、略直線状の分断部を有する剥離シートが剥離可能に貼着された、いわゆる枚葉タックラベルを用いてラベルを貼り付ける場合がある。
【0004】
枚葉タックラベルは、図4において符号100で示すような形態をしており、例えば矩形シート状に形成されたラベル本体Rと、このラベル本体Rと同形状に形成された剥離シートSとを備え、ラベル本体Rの裏面に形成された粘着層Gに剥離シートSが剥離可能に貼着されている。
また、剥離シートSには略直線状に形成された分断部Dが設けられており、この分断部Dの両側縁部E1、E2をつかんで互いに離間する方向に移動させることにより剥離シートSをラベル本体Rから剥離させられるようになっている。
このような枚葉タックラベル100の剥離シートSを手作業で剥離して容器等に均一な品質を確保して貼付けるには熟練が必要なうえ、手作業に手間がかかって人件費が増大するため、枚葉タックラベルを貼付ける作業の自動化が望まれていた。
【0005】
しかしながら、枚葉タックラベルの貼付けを自動化するは、枚葉タックラベル100から剥離シートSを剥離してラベル本体Rから分離する作業を自動化することが必要であり、かかる剥離作業を自動にて行うことは容易ではなく、枚葉タックラベルの自動による貼付けの実現を困難なものとしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、シート状に形成された枚葉タックラベルからの剥離シートの剥離、分離を自動で行うことが可能な枚葉タックラベルの剥離方法、及びこの剥離方法を用いたラベル剥離装置、ラベル貼付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
請求項1に記載の発明は、シート状に形成されたラベル本体の裏面に直線状の分断部を有する剥離シートが剥離可能に貼着されたラベルのラベル剥離装置であって、前記ラベルを一平面上に保持する保持部材と、該保持部材に保持された前記ラベルの前記分断部に対応する部分を前記ラベル本体側から前記剥離シート側に突出させて該剥離シートの前記分断部の両側縁部を前記ラベル本体から浮き上がらせる突出手段とを備えていることを特徴とする。
【0008】
この発明に係るラベル剥離装置によれば、保持部材に保持されて一平面上に配置された枚葉タックラベルの分断部に対応する部分に突出手段を当接させてラベル本体側から剥離シート側に突出させると、ラベル本体は分断部に対応する部分で折り返されるのに対して剥離シートは分断部の両側縁部がラベル本体から浮き上がる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のラベル剥離装置であって、前記両側縁部を保持してこれら両側縁部を互いに離間する方向に移動させて前記剥離シートを前記ラベル本体から分離させる分離手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
この発明に係るラベル剥離装置によれば、分離手段により剥離シートの分断部の両側縁部を保持してこれら両側縁部を互いに離間する方向に移動させるので、剥離シートをラベル本体から分離させる際に互いに離間する方向に移動されるので、剥離シートとラベル本体との粘着層による接続部分がラベル本体を剥離シート同様に離間する方向に引張して移動させ、ラベル本体の突出部分が平坦化される。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のラベル剥離装置であって、前記保持部材は、プレート状に形成されるとともに複数の貫通孔を備えた構成とされ、前記保持部材には、前記貫通孔を介して前記ラベルを負圧吸引する負圧源が備えられていることを特徴とする。
【0012】
この発明に係るラベル剥離装置によれば、保持部材がプレートに形成された複数の貫通孔を介して枚葉タックラベルを負圧吸引して保持するので、剥離シートを分断部の両側縁部で保持して互いに離間する方向に移動させる際に、負圧吸引力を一時的に小さくすることによりラベル本体の分断部に対応して突出した部分を容易に平坦化することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のラベル剥離装置であって、前記突出手段は、前記ラベルに対して進退自在とされた突出片を備え、前記保持部材には、前記突出片を通過させる開口部が形成されていることを特徴とする。
【0014】
この発明に係るラベル剥離装置によれば、分断部に対応する位置に突出片を前進させて、剥離シートをラベル本体から容易に浮き上がらせることができる。
また、突出片を保持部材の保持面よりも後退されることにより、ラベル本体が一平面上に平坦化可能となる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、ラベル貼付装置であって、請求項1から請求項4のいずれかに記載のラベル剥離装置を備えることを特徴とする。
【0016】
この発明に係るラベル貼付装置によれば、枚葉タックラベルの剥離シートを容易に剥離させることができるので、シート状に形成された枚葉タックラベルのラベル本体から剥離シートを容易に剥離、分離してラベル本体を対象物に貼り付けることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、シート状に形成されたラベル本体の裏面に直線状の分断部を有する剥離シートが剥離可能に貼着されたラベルのラベル剥離方法であって、一平面上に保持された前記ラベルを、前記分断部に対応する部分を前記ラベル本体側から前記剥離シート側に突出させて該剥離シートの前記分断部の両側縁部を前記ラベル本体から浮き上がらせ、前記両側縁部を保持してこれら両側縁部を互いに離間する方向に移動させて前記剥離シートを前記ラベル本体から分離させることを特徴とする。
【0018】
この発明に係るラベル剥離方法によれば、枚葉タックラベルを分断部に対応する部分で突出させて剥離シートの分断部の両側縁部をラベル本体から浮き上がらせて剥離シートをラベル本体から剥離可能な状態とし、剥離シートをラベル本体から分離させる際に互いに離間する方向に移動されるので、剥離シートとラベル本体との粘着層による接続部分がラベル本体を剥離シート同様に離間する方向に引張して移動させ、ラベル本体の突出部分が平坦化される。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のラベル剥離方法であって、前記両側縁部を互いに離間する方向に移動させる際に、前記ラベルを保持する保持力を小さくすることを特徴とする。
【0020】
この発明に係るラベル剥離方法によれば、前記両側縁部を互いに離間する方向に移動させる際にラベルを保持する保持力が小さくなるので、ラベル本体を容易かつ確実に平坦化することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るラベル剥離方法、及びラベル剥離装置によれば、枚葉タックラベルの剥離シートを容易かつ確実にラベル本体から剥離させることができる。
また、本発明に係るラベル貼付装置によれば、枚葉タックラベルの貼付作業を自動にて行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図1から図3を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明に係るラベル貼付装置の一例の概略を示す図であり、符号1はラベル貼付装置を示している。
ラベル貼付装置1は、例えば、図4に示したような矩形に形成された枚葉タックラベル100の剥離シートSを剥離して缶体Wにラベル本体Rを自動で貼付ける装置であり、ラベル貼付装置1の中央部に対して90度の等間隔をあけて第1ステーションST1から第4ステーションST4までの4つのステーションが配置されている。
【0023】
第1ステーションST1は、枚葉タックラベル100を取り出す「ラベル取出し工程」、第2ステーションST2は剥離シートSの分断部の両側縁部E1、E2をラベル本体Rから浮き上がらせる「分断部浮き上らせ工程」、第3ステーションST3はラベル本体Rから剥離シートSを剥離するとともにラベル本体Rを平坦化する「剥離・平坦化工程」、第4ステーションST4はラベル本体Rを缶体Wに貼り付ける「ラベル貼付工程」とされている。
【0024】
ラベル貼付装置1は、第1から第4ステーションに対応して設けられた4基のラベル剥離ユニット(ラベル剥離装置)10と、負圧源(図示せず)と、枚葉タックラベル100を積層収納してラベル剥離ユニット10に供給するラベル収納マガジン20と、枚葉タックラベル100から剥離シートSを剥離させるマニピュレータ(分離手段)25と、缶体Wをラベル貼付位置に搬送する搬送コンベア30と、搬送コンベア30に設けられ缶体Wを保持自在とする缶体保持機構35とを備えており、ラベル収納マガジン20は第1ステーションST1に、マニピュレータ25は第3ステーションST3に、缶体保持機構35は第4ステーションのラベル貼付位置に対応して配置されている。
【0025】
ラベル剥離ユニット10は、ラベル貼付装置1の中央部に立設された回転軸Pに連結部材(図示せず)を介して連結され、回転軸P廻りに回転自在に構成されており、保持部材11と、支持ロッド15と、突出手段とを備え、枚葉タックラベル100を一平面上に保持し、保持された枚葉タックラベル100の分断部Dに対応する部分をラベル本体R側から剥離シートS側に突出させて剥離シートSの分断部Dの両側縁部E1、E2をラベル本体Rから浮き上がらせるようになっている。
【0026】
保持部材11は、略直方体の筐体からなり、枚葉タックラベル100を保持するラベル保持面12は、枚葉タックラベル100を一平面上に保持可能なプレート状に形成され、このラベル保持面12には保持部材11の内部に向かって貫通する複数の貫通孔12Hが形成され、例えば、保持部材11の後方側に形成された吸引孔11Vには負圧源が接続されて保持部材11内部が負圧吸引されるようになっている。
【0027】
貫通孔12Hは、保持部材11内部が負圧吸引されると外気を吸引し、枚葉タックラベル100のラベル本体R側の面を吸引して、保持可能とされている。
この実施の形態において、負圧源による吸引力は一時的(瞬間のような短い時間も含む)に小さくすることができるようになっている。
【0028】
また、保持部材11には、枚葉タックラベル100の分断部Dに対応して垂直方向に延在する開口部11Sが、保持部材11の後方側とラベル保持面12との間に貫通して形成されている。
支持ロッド15は、先端側が保持部材11の後方側に接続されるとともに基端側が図示しない保持部材駆動シリンダに接続され、保持部材11を進退自在に支持している。
【0029】
突出手段は、枚葉タックラベル100をラベル本体R側から剥離シートS側に突出させて剥離シートSの直線状に形成された分断部Dの両側縁部E1、E2をラベル本体Rから浮き上がらせるためのものであり、突出片18と、突出片駆動シリンダ(図示せず)とを備え、突出片18は開口部11Sを通過可能に配置されるとともに突出片駆動シリンダにより進退自在とされ、後退した状態ではラベル保持面12から突出しないようになっている。
【0030】
突出片18のラベル保持面12からの突出量は、2mm以上であることが剥離シートSを剥離する際に分断部Dの両側縁部E1、E2を把持し易く、また、突出量が4mm以下であることが、突出片18によるラベル本体Rの傷着き防止、及び剥離シートSを互いに離間する方向に移動させて突出部Yをスムースに平坦化する点で好適である。
ここで、直線状に形成された分断部Dとは、分断部Dが突出片18によって突出可能な程度に延在していることを指しており、幾何学的に厳密な直線状であることを要しない。
【0031】
ラベル収納マガジン20は、ラベル本体R側の面をラベル剥離ユニット10側にして枚葉タックラベル100が積層収納されるようになっている。
【0032】
マニピュレータ25は、両側縁部E1、E2に対応する位置に設けられ、両側縁部E1、E2を把持する1対の把持爪26A、26Bと、これら把持爪26A、26Bを移動させる駆動アーム27A、27Bとを備え、駆動アーム27A、27Bは、両側縁部E1、E2を把持した把持爪26A、26Bを把持したラベル本体Rの両側端部方向に移動させ、両側縁部E1、E2を互いに離間する方向に移動させて剥離シートSをラベル本体Rから剥離させるようになっている。
【0033】
搬送コンベア30は、第4ステーションST4のラベル貼付位置を缶体Wが通過するように配置され、ラベル貼付位置に到達した缶体Wはラベル貼付面がラベル剥離ユニット10側に向けられてラベル本体を貼り付ける際の押圧力で缶体Wがずれないように缶体保持機構35により保持されるようになっている。
【0034】
次に、図1から図3に基づいて、ラベル貼付装置1の作用について説明する。
第1ステーションST1には、枚葉タックラベル100が重ねて収納されたマガジン20がラベル貼付装置1の所定の位置に配置され、ラベル剥離ユニット10に枚葉タックラベル100が供給可能とされるとともに、第4ステーションST4の所定の位置にはラベル本体Rが貼付けられる缶体Wが配置されている。
【0035】
まず、起動スイッチをONにして、ラベル貼付装置1を起動する。
ラベル貼付装置1が起動されると、負圧源が駆動して、保持部材11の貫通孔12Hが負圧吸引し、ラベル剥離ユニット10が枚葉タックラベル100のラベル本体R側の面を保持可能な状態になる。
ラベル取り出し工程、分断部浮き上らせ工程、剥離・平坦化工程、ラベル貼付工程により構成される一連の工程は、第1ステーションST1に配置されていたラベル剥離ユニット10が、第1ステーションST1から第4ステーションST4に移動、回転しながら実施する。
〔ラベル取出し工程〕
図3(A)に示すように、ラベル剥離ユニット10が保持部材駆動シリンダにより前進し、ラベル収納マガジン20に収納されていた枚葉タックラベル100のラベル本体R側の面を吸引し、枚葉タックラベル100を保持する。
枚葉タックラベル100を保持したら、ラベル剥離ユニット10は、保持部材駆動シリンダによりラベル収納マガジン20との干渉がない位置まで後退し回転軸Pによる回転が可能な状態となる。
〔分断部浮き上らせ工程〕
次いで、ラベル剥離ユニット10が第2ステーションST2に回転、移動される。
ラベル剥離ユニット10は、図3(B)に示すように、第2ステーションST2を経由して第3ステーションST3への移動が完了されるまでの間に、突出片18が突出片駆動シリンダにより前進させられて開口部11Sを通過して、枚葉タックラベル100の分断部Dに対応する部分をラベル本体R側から剥離シートS側に押圧して枚葉タックラベル100の分断部Dに対応する部分を剥離シートS側に突出させる。
分断部Dに対応する部分が剥離シートS側に突出させられると、剥離シートSの両側縁部E1、E2はラベル本体Rから浮き上がって剥離する。
その後、突出片18は突出片駆動シリンダによりラベル保持面12よりも後方まで後退させられる。
〔剥離・平坦化工程〕
引き続き、ラベル剥離ユニット10が、第3ステーションST3回転、移動されると、マニピュレータ25の把持爪26A、26Bが分断部Dの両側縁部E1、E2を把持し、両側縁部E1、E2が互いに離間する方向に駆動アーム27A、27Bが把持爪26A、26Bを移動させる。このとき、一時的に負圧源による吸引力を小さくして、ラベル本体Rがラベル保持面12上で移動しやすくすることが好適である。
剥離シートSの両側縁部E1、E2が互いに離間する方向に移動すると、分断部Dを境界とする両側に位置する剥離シートSは互いに離間しながら剥離される。
このとき、ラベル本体Rは、図3(C)に示すように、ラベル本体Rは剥離シートSとの貼着接続部分がラベル本体Rの両端部側に引張されることにより、ラベル本体Rも矢印Fの方向に移動され突出片18により形成されたラベル本体Rの突出部Yが平坦化される。
〔ラベル貼付工程〕
剥離・平坦化工程にて、剥離シートSが剥離、除去されるとともに平坦化されたラベル本体Rは、ラベル剥離ユニット10が保持部材駆動シリンダにより前進されて缶体Wの胴部表面に当接して缶体Wに貼付けられる。(図3(D))
【0036】
上記実施形態に係るラベル剥離ユニット10によれば、枚葉タックラベル100の分断部Dに対応する部分を突出片18によりラベル本体R側から剥離シートS側に押圧して突出させるので、分断部Dの両側縁部E1、E2をラベル本体Rから容易かつ確実に浮き上がらせることができる。
【0037】
また、分断部Dの両側縁部E1、E2を把持爪26A、26Bにより保持して、これら両側縁部E1、E2を互いに離間する方向に移動させるので、剥離シートSをラベル本体Rから分離させながら剥離シートSとラベル本体Rの粘着接続部においてラベル本体Rが矢印にFの方向に引張されるので、突出片18により形成された突出部Yを容易かつ確実に平坦化することができる。
【0038】
また、剥離シートSを両側縁部E1、E2で保持して互いに離間する方向に移動させる際に、負圧吸引力を一時的に小さくするのでラベル本体Rの突出、平坦化を容易かつ効率的に行うことができる。
【0039】
また、上記ラベル剥離ユニット10によれば、保持部材11に剥離シートSの分断部Dに対応して形成された開口部11Sを介して突出片18が進退して剥離シートSをラベル本体Rから押圧するので、分断部Dの両側縁部E1、E2を容易、かつ確実に浮き上がらせることができる。
【0040】
また、上記ラベル剥離ユニット10によれば、枚葉タックラベル100の剥離シートSを容易、かつ確実に剥離させることができるので、枚葉タックラベル100のラベル本体Rを自動にて缶体Wに貼り付けることが可能になる。
【0041】
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、剥離シートSの両側縁部E1、E2を浮き上がらせる際の突出手段として、突出片18を進退させる場合について説明したが、例えば、枚葉タックラベル100の剥離シートS側の面から両側縁部E1、E2を吸引して、ラベル本体R側から剥離シートS側に突出させて両側縁部E1、E2をラベル本体Rから浮き上がらせる構成としてもよい。
【0042】
また、第3ステーションSTの剥離・平坦化工程において、負圧源の吸引力を小さくして枚葉タックラベル100に対する保持力を弱くする場合について説明したが、第1ステーションST1のラベル取出し工程、第4ステーションST4のラベル貼付工程における保持力を第3ステーションSTにおける保持力と同等レベルとして対応してもよい。
また、負圧吸引力を変えずに、保持部材11の貫通孔12Hを移動させ平坦化させてもよい。
【0043】
また、負圧源による吸引力を、例えば、分断部浮き上らせ工程において突出片18が突出する際にも小さくして、突出片18突出時の枚葉タックラベル100及びラベル本体Rへのダメージを小さくしてもよい。
また、負圧吸引力を小さくするための方法として、保持部材11のそれぞれに圧力調整機構を設けることにより吸引力を調整し、又は各ステーション、行程に配置された際に必要に応じて保持部材11に通気孔が形成される構成を用いて吸引力を小さくする調整をしてもよい。
【0044】
また、上記実施の形態においては、浮き上がらされた剥離シートSの両側縁部E1、E2を、マニピュレータ25の把持爪26A、26Bにより把持してラベル本体Rから剥離させる場合について説明したが、例えば、両側縁部E1、E2を、ラベル本体Rとは反対側から吸引して両側縁部E1、E2を離間させる構成としてもよい。
【0045】
上記実施の形態においては、ラベルは、矩形のシート状に形成された枚葉タックラベル100を用いる場合について説明したが、分断部がラベル本体から剥離紙を分離可能な位置、長さを有していれば、例えば、矩形以外の多角形状、円形状の他、キャラクターや地図等の特定の形状に形成された枚葉タックラベル100を用いることも可能であり、枚葉タックラベル100における分断部Dが延在する方向は自在に設定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係るラベル貼付装置を示す平面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るラベル剥離ユニットを示す斜視図であり、(A)は突出片が後退した状態を、(B)は突出片が前進した状態を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るラベル貼付装置の作用を説明する図であり、(A)はラベル取出し工程を、(B)は分断部浮き上らせ工程を、(C)は剥離・平坦化工程を、(D)はラベル貼付工程を示す図である。
【図4】シート状に形成された枚葉タックラベルの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
E1、E2 両側縁部
D 分断部
S 剥離シート
R ラベル本体
1 ラベル貼付装置
10 ラベル剥離ユニット(ラベル剥離装置)
11 保持部材
11S 開口部
12H 貫通孔
18 突出片
25 マニピュレータ(分離手段)
100 枚葉タックラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状に形成されたラベル本体の裏面に直線状の分断部を有する剥離シートが剥離可能に貼着されたラベルのラベル剥離装置であって、
前記ラベルを一平面上に保持する保持部材と、
該保持部材に保持された前記ラベルの前記分断部に対応する部分を前記ラベル本体側から前記剥離シート側に突出させて該剥離シートの前記分断部の両側縁部を前記ラベル本体から浮き上がらせる突出手段とを備えていることを特徴とするラベル剥離装置。
【請求項2】
請求項1に記載のラベル剥離装置であって、
前記両側縁部を保持してこれら両側縁部を互いに離間する方向に移動させて前記剥離シートを前記ラベル本体から分離させる分離手段を備えていることを特徴とするラベル剥離装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のラベル剥離装置であって、
前記保持部材は、プレート状に形成されるとともに複数の貫通孔を備えた構成とされ、
前記保持部材には、前記貫通孔を介して前記ラベルを負圧吸引する負圧源が備えられていることを特徴とするラベル剥離装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のラベル剥離装置であって、
前記突出手段は、前記ラベルに対して進退自在とされた突出片を備え、
前記保持部材には、前記突出片を通過させる開口部が形成されていることを特徴とするラベル剥離装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のラベル剥離装置を備えることを特徴とするラベル貼付装置。
【請求項6】
シート状に形成されたラベル本体の裏面に直線状の分断部を有する剥離シートが剥離可能に貼着されたラベルのラベル剥離方法であって、
一平面上に保持された前記ラベルを、前記分断部に対応する部分を前記ラベル本体側から前記剥離シート側に突出させて該剥離シートの前記分断部の両側縁部を前記ラベル本体から浮き上がらせ、
前記両側縁部を保持してこれら両側縁部を互いに離間する方向に移動させて前記剥離シートを前記ラベル本体から分離させることを特徴とするラベル剥離方法。
【請求項7】
請求項6に記載のラベル剥離方法であって、
前記両側縁部を互いに離間する方向に移動させる際に、前記ラベルを保持する保持力を小さくすることを特徴とするラベル剥離方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−290727(P2008−290727A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135495(P2007−135495)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(390020156)三晴精機株式会社 (6)
【Fターム(参考)】