ラベル用紙
【課題】水分や埃等の存在する使用環境に対して耐性のある巻きラベルを作成でき、しかもプリンタで印刷した場合にも印刷エラーが生じにくく、製造の容易なラベル用紙を提供する。
【解決手段】ラベル用紙は、一端から他端へ伸長する複数のラベル片が外周分離加工線を介して互いに並列に連結配置されている。複数のラベル片の各々は、T字形状の内部分離加工線と、内部分離加工線より他端側又は一端側の各側縁に形成された凹状の少なくとも1つの括り部及び凸状の少なくとも1つの突出部とを備えており、複数のラベル片の各々の凹状の少なくとも1つの括り部と、隣接するラベル片の凸状の少なくとも1つの突出部とが、互いに嵌め込み合うように形成されている。
【解決手段】ラベル用紙は、一端から他端へ伸長する複数のラベル片が外周分離加工線を介して互いに並列に連結配置されている。複数のラベル片の各々は、T字形状の内部分離加工線と、内部分離加工線より他端側又は一端側の各側縁に形成された凹状の少なくとも1つの括り部及び凸状の少なくとも1つの突出部とを備えており、複数のラベル片の各々の凹状の少なくとも1つの括り部と、隣接するラベル片の凸状の少なくとも1つの突出部とが、互いに嵌め込み合うように形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細長い物品等の対象に巻き付けて使用する巻きラベルを印刷形成するためのラベル用紙に関する。
【背景技術】
【0002】
少量多品種にわたるラベルをプリンタ等によって印刷可能なラベル用紙として、ラベル用の複数のラベル片をミシン目(切取り用の破線状の孔)を介して互いに並列に連結配置することにより1枚のシートを構成し、そのシートの裏面に粘着部を設けた部分粘着ラベル紙は公知である(例えば、特許文献1)。
【0003】
このような部分粘着加工を施したラベルは、粘着部を物品に直接貼るか、又はその粘着部を利用してループを形成し細長い物品にぶら下げて使用される。しかしながら、使用環境によっては、埃や水分が粘着部に付着し、粘着又は接着強度が著しく低下してラベルが物品から脱離するおそれがあった。
【0004】
この不都合を解消するため、本願発明者は、粘着部を持つことなくループを形成し得る複数のラベル片をミシン目を介して互いに並列に連結配置して成るラベル用紙を案出した。図11は本願発明者が案出したラベル用紙の2つの先行例を示しており、(A)は第1の先行例におけるラベル用紙、(B)はそのラベル片、(C)は第2の先行例におけるラベル用紙、(D)はそのラベル片をそれぞれ示している。
【0005】
図11(A)及び(B)に示す第1の先行例では、ラベル用紙110は、複数の基本的にはストリップ形状のラベル片111がミシン目114を介して互いに並列に連結配置して構成されている。各ラベル片111には、その基端112に近い部分に貫通開口部115が設けられており、この貫通開口部115より自由端113に寄った部分の両側縁に括り部116が設けられている。この第1の先行例では、各ラベル片111において、貫通開口部115は円形と短幅の長方形とを組み合わせた形状を有しており、括り部116は半円形状を有している。
【0006】
巻きラベルとして使用する場合は、ラベル用紙110の自由端113側の表示部118に表示すべき情報を印刷し、ラベル用紙110のミシン目114の部分で各ラベル片111に切り離す。次いで、切り離したラベル片111の自由端113側を貫通開口部115に挿入し、括り部116まで通すことにより、貫通開口部115から括り部116までをループとして細長い物品等に巻き付ける。
【0007】
図11(C)及び(D)に示す第2の先行例では、ラベル用紙110′は、複数の基本的にはストリップ形状のラベル片111′がミシン目114′を介して互いに並列に連結配置して構成されている。各ラベル片111′には、その基端112′に近い部分に貫通開口部115′が設けられており、この貫通開口部115′より自由端113′に寄った部分の両側縁に括り部116′が設けられている。この第2の先行例では、各ラベル片111′において、貫通開口部115′は略三角形状を有しており、括り部116′は半長円形状を有している。
【0008】
巻きラベルとして使用する場合は、ラベル用紙110′の自由端113′側の表示部118′に表示すべき情報を印刷し、ラベル用紙110′のミシン目114′の部分で各ラベル片111′に切り離す。次いで、切り離したラベル片111′の自由端113′側を貫通開口部115′に挿入し、括り部116′まで通すことにより、貫通開口部115′から括り部116′までをループとして細長い物品等に巻き付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−154588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、用紙自体に貫通開口部と括り部に対応する開口部とが存在する上述した先行例のラベル用紙は、下記のごとき問題点を有している。
(1)プリンタには、連続でスムーズな印刷を可能にするために、フィーダ部に、用紙を抑えるための突起部が多く存在する。このため、プリンタによってラベル用紙に印刷を行う場合、プリンタの突起部がこの用紙の開口部に引っ掛かり易く、紙詰まりが生じてプリンタの作動停止を起し易い。特に、ラベル用紙に強度がある場合には、その突起部を破損してしまう可能性がある。
(2)多くのプリンタには、用紙が存在すること及び用紙のサイズを確認するためのセンサが装備されている。このため、プリンタによって印刷を行う場合に、センサが用紙の開口部に位置すると、用紙が存在しない又は用紙サイズが合っていないと誤検出を起し、印刷エラーを発生する可能性ある。
(3)開口部を有するラベル用紙を製造する場合に、用紙を抜き加工した後にその開口部の抜きカスを除去する必要があるが、その除去作業に多大な手間を要し、これは製造をコストアップする。
(4)プリンタで印刷した後にユーザが開口部の抜きカスを簡単に除去できるように、その開口部の繋ぎ部分の強度を弱くした場合、プリンタ内部で用紙搬送時にその抜きカスが落下したり、ひっかかったりして故障の原因となり易い。逆に、開口部の繋ぎ部分の強度を強くして落下が簡単に生じないようにすると、ユーザがプリント後にその抜きカスを簡単には除去できず、多大な手間を要することとなる。
【0011】
従って本発明は、上述した問題点を解消するためのものであり、その目的は、水分や埃等の存在する使用環境に対して耐性のある巻きラベルを作成でき、しかもプリンタで印刷した場合にも印刷エラーの生じにくいラベル用紙を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、水分や埃等の存在する使用環境に対して耐性のある巻きラベルを作成でき、しかも製造の容易なラベル用紙を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、ラベル用紙は、一端から他端へ伸長する複数のラベル片が外周分離加工線を介して互いに並列に連結配置されている。複数のラベル片の各々は、T字形状の内部分離加工線と、内部分離加工線より他端側又は一端側の各側縁に形成された凹状の少なくとも1つの括り部及び凸状の少なくとも1つの突出部とを備えており、複数のラベル片の各々の凹状の少なくとも1つの括り部と、隣接するラベル片の凸状の少なくとも1つの突出部とが、互いに嵌め込み合うように形成されている。
【0014】
ラベル用紙は、複数のラベル片が互いに並列に連結配置されて構成されている。各ラベル片の外周は、例えばミシン目である外周分離加工線で規定されており、従って、隣接するラベル片はこの外周分離加工線で境界が規定されている。各ラベル片には、T字形状の、例えばミシン目である内部分離加工線が形成されており、その各側縁には凹状の少なくとも1つの括り部と凸状の少なくとも1つの突出部とが形成されている。各ラベル片の凹状の少なくとも1つの括り部と、これに隣接するラベル片の凸状の少なくとも1つの突出部とが、互いに嵌め込み合うように形成されている。このように、各ラベル片の括り部とこれに隣接するラベル片の突出部とが互いに嵌め込み合うように形成されているため、ラベル用紙に開口部を設けることなく括り部を構成することができ、また、T字形状の内部分離加工線が形成されているため、巻きラベルを作成する際にラベル片の他端又は一端を挿入するこの部分に開口部を設ける必要がない。
【0015】
従って、本発明のラベル用紙には、開口部が存在せず、例えばミシン目である分離加工線又は切込み線が設けられているのみである。開口部が存在しないので、プリンタによって印刷を行う場合に、フィーダ部の突起部にラベル用紙が引っ掛かり、印刷エラーを起したり、その突起部を破損するような不都合は発生しない。また、開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、用紙が存在すること及び用紙のサイズを確認するためのセンサが誤検出を起して、印刷エラーを起すような不都合も発生しない。さらに、開口部が存在しないために、用紙を抜き加工する必要もなく、その抜きカスの除去作業も不要であるため、製造のコストアップは生じない。もちろん、粘着部が存在しないので、水分や埃等の存在する使用環境に対して耐性のある巻きラベルを作成可能である。
【0016】
少なくとも1つの括り部が、単一の括り部であるか、又はラベル片の伸長方向に沿って配置された複数の括り部であることが好ましい。複数の括り部があれば、巻きラベルとした際のループの径を可変調整することができる。
【0017】
内部分離加工線が、ラベル片の伸長方向に沿って直線状に伸長する第1の内部分離加工線部と、第1の内部分離加工線部の上述の一端側の端が中央に突き当たっており、ラベル片の伸長方向と垂直の方向に沿って伸長する第2の内部分離加工線部とを備えていることも好ましい。巻きラベルを作成する際に、この第1の内部分離加工線部にラベル片の他端又は一端を挿入し、第2の内部分離加工線部に括り部を通すことによってループが確定される。
【0018】
この場合、第2の内部分離加工線部の両端が、曲線状態で湾曲して終端していることがより好ましい。これにより、その第2の内部分離加工線部の端の部分で裂けが発生するような不都合は生じない。
【0019】
また、第2の内部分離加工線部の両端が、上述の他端方向又はそれより内側方向に向かって終端していることもより好ましい。これにより、その第2の内部分離加工線部の端の部分で横裂けが発生するような不都合は生じない。
【0020】
第1の内部分離加工線部の他端側の端が、曲線状態で湾曲して終端していることも好ましい。これにより、その第1の内部分離加工線部の端の部分で裂けが発生するような不都合は生じない。
【0021】
内部分離加工線が、ミシン目で構成されているか、又は一部を仮止めした切込み線で構成されていることも好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、フィーダ部の突起部にラベル用紙が引っ掛かり、印刷エラーを起したり、その突起部を破損するような不都合は発生しない。また、開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、用紙が存在すること及び用紙のサイズを確認するためのセンサが誤検出を起して、印刷エラーを起すような不都合も発生しない。さらに、開口部が存在しないために、用紙を抜き加工する必要もなく、その抜きカスの除去作業も不要であるため、製造のコストアップは生じない。もちろん、粘着部が存在しないので、水分や埃等の存在する使用環境に対して耐性のある巻きラベルを作成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態におけるラベル用紙の構成を概略的に示す平面図である。
【図2】図1の実施形態における各ラベル片の構成を概略的に示す平面図である。
【図3】図1の実施形態における各ラベル片を巻きラベルとした状態を説明する斜視図である。
【図4】図1の実施形態における各ラベル片を巻きラベルとして実際に使用している状態を説明する斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態におけるラベル用紙の構成を概略的に示す平面図である。
【図6】図5の実施形態における各ラベル片の構成を概略的に示す平面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態におけるラベル用紙の構成を概略的に示す平面図である。
【図8】図7の実施形態における各ラベル片の構成を概略的に示す平面図である。
【図9】本発明のまたさらに他の実施形態におけるラベル用紙の構成を概略的に示す平面図である。
【図10】図9の実施形態における各ラベル片の構成を概略的に示す平面図である。
【図11】ラベル用紙の2つの先行例の構成を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は本発明の一実施形態におけるラベル用紙の構成を概略的に示しており、図2は本実施形態における各ラベル片の構成を概略的に示している。
【0025】
これらの図において、10はプリンタによって印刷可能に構成されており、望ましくは耐水性を有する、例えばA4等の定形のラベル用紙、11はラベル用紙10の基端12(本発明の一端に対応する)から自由端13(本発明の他端に対応する)へ伸長する複数のラベル片、14は隣接するラベル片11の境界に設けられており、印刷後に各ラベル片11を個々に分離可能とするミシン目(本発明の外周分離加工線に対応する)をそれぞれ示している。
【0026】
複数のラベル片11はミシン目14を介して互いに並列に連結配置されている。
【0027】
各ラベル片11の内部において、基端12に近い位置にT字形状のミシン目15(本発明の内部分離加工線に対応する)が形成されている。T字の縦棒部分に相当する第1のミシン目部15a(本発明の第1の内部分離加工線部に対応する)はラベル片11の伸長方向に沿って直線状に伸長しており、T字の横棒部分に相当する第2のミシン目部15b(本発明の第2の内部分離加工線部に対応する)はラベル片11の伸長方向と垂直の方向に沿って伸長しており、この第2のミシン目部15bに第1のミシン目部15aの基端12側の先端がその中央に突き当たるように構成されている。なお、本実施形態では、第1のミシン目部15aの自由端13側の先端が直線状態で終端しているが、この部分を曲線状態で湾曲し、基端12の方向又はそれよりラベル片11の中心軸方向に向かって終端させても良い。このように湾曲させることにより、ラベル片を挿入して力が印加された際にその負荷の印加される部分で裂けが発生するような不都合は生じない。また、終端方向が自由端13の方向や側縁方向ではないため、ラベル片を挿入して力が印加された際にその終端部分で横裂けが発生するような不都合も生じない。
【0028】
第2のミシン目部15bの両端は、曲線状態で湾曲し、自由端13の方向又はそれよりラベル片11の中心軸方向に向かって終端している。このように湾曲していることにより、ラベル片を挿入して力が印加された際にその負荷の印加される部分で裂けが発生するような不都合は生じない。また、終端方向が基端12の方向や側縁方向ではないため、ラベル片を挿入して力が印加された際にその終端部分で横裂けが発生するような不都合も生じない。
【0029】
なお、本発明における内部分離加工線を、ミシン目15に代えて一部を仮止めした切込み線で構成しても良い。この場合、例えば、T字の横棒部分に突き当たるT字の縦棒部分の先端部の1カ所のみを仮止めし、残りの部分を切込み線で構成することが望ましい。このように構成することにより、巻きラベルを作成する際のラベル片11の挿入が非常に容易となる。
【0030】
各ラベル片11のミシン目15より自由端13側の位置における各側縁には、凹状の1つの括り部16と凸状の1つの突出部17とが形成されている。1つのラベル片11の括り部16はこれに隣接するラベル片11の突出部17と嵌め込み合う形状に形成されており、ラベル用紙10において両者の境界にミシン目14が形成されている。
【0031】
各ラベル片11の括り部16及び突出部17より自由端13側の位置には、表示すべき情報を印刷するための表示部18が形成されている。
【0032】
ラベル用紙10は、印刷可能でありある程度の耐水性及びある程度の強度を有する材料であることが望ましいが、ラベル片11を屋内で使用する場合には、耐水性がなくとも良い。ラベル用紙10は、例えば二軸延伸フィルム、一軸延伸フィルム、無延伸フィルム、その他のプラスチック用紙、不織布、又は含浸紙等で構成される。ラベル用紙10のサイズも、A4に限定することなく、使用用途に応じていかなるサイズのものを用いても良い。
【0033】
次に、本実施形態におけるラベル用紙10の使用方法について説明する。
【0034】
図1に示すように作製されたラベル用紙10について、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ又はその他のプリンタによって印刷を行う。例えば、図3(B)に示すように、各ラベル片11の表示部18に所望の情報、例えばラベルを巻き付ける対象の名称、型番、価格、バーコード等の一次元コード、QRコード(登録商標)等の二次元コード、又はその他の情報19をプリンタによって印刷する。
【0035】
次いで、ミシン目14に沿って切取りを行うことにより、図2に示すような個々のラベル片11に分離する。
【0036】
次いで、ラベル片11の基端12側の部分を細長い物品等のラベルを巻き付ける対象に巻き付け、ミシン目15内に自由端13を挿入し、括り部16がT字の横棒部分に相当する第2のミシン目部15bを通るようにその自由端13の部分を引っ張る。これにより、図3(A)及び(B)に示すように、ラベルを巻き付ける対象の周囲にループ20が巻かれて、巻きラベルの装着が終了する。
【0037】
図4は、ラベルを巻き付ける対象が園芸樹木の幹21である場合のラベル片11の装着例を示している。
【0038】
以上説明したように、本実施形態によれば、ラベル用紙10は、複数のラベル片11が互いに並列に連結配置されて構成されている。各ラベル片11の外周は、ミシン目14で規定されており、従って、隣接するラベル片11とはこのミシン目14で境界が規定されている。各ラベル片11には、T字形状のミシン目15が形成されている。さらに、各ラベル片11の各側縁には凹状の括り部16及び凸状の突出部17が形成されている。各ラベル片11の括り部16と、これに隣接するラベル片11の突出部17とが、互いに嵌め込み合うように形成されている。このように、各ラベル片11の括り部16とこれに隣接するラベル片11の突出部17とが互いに嵌め込み合うように形成されているため、ラベル用紙10に開口部を設けることなく括り部16を構成することができ、また、T字形状のミシン目15が形成されているため、巻きラベルを作成する際にラベル片11の自由端13を挿入するこの部分に開口部を設ける必要がない。従って、ラベル用紙10には開口部が存在せず、ミシン目又は切込み線が設けられているのみである。開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、フィーダ部の突起部にラベル用紙10が引っ掛かり、印刷エラーを起したり、その突起部を破損するような不都合は発生しない。また、開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、用紙が存在すること及び用紙のサイズを確認するためのセンサが誤検出を起して、印刷エラーを起すような不都合も発生しない。さらに、開口部が存在しないために、用紙を抜き加工する必要もなく、その抜きカスの除去作業も不要であるため、製造のコストアップは生じない。もちろん、粘着部が存在しないので、水分や埃等の存在する使用環境に対して耐性のある巻きラベルを作成可能である。
【0039】
図5は本発明の他の実施形態におけるラベル用紙の構成を概略的に示しており、図6は本実施形態における各ラベル片の構成を概略的に示している。
【0040】
これらの図において、50はプリンタによって印刷可能に構成されており、望ましくは耐水性を有する、例えばA4等の定形のラベル用紙、51はラベル用紙50の基端52(本発明の一端に対応する)から自由端53(本発明の他端に対応する)へ伸長する複数のラベル片、54は隣接するラベル片51の境界に設けられており、印刷後に各ラベル片51を個々に分離可能とするミシン目(本発明の外周分離加工線に対応する)をそれぞれ示している。
【0041】
複数のラベル片51はミシン目54を介して互いに並列に連結配置されている。
【0042】
各ラベル片51の内部において、基端52に近い位置にT字形状のミシン目55(本発明の内部分離加工線に対応する)が形成されている。T字の縦棒部分に相当する第1のミシン目部55a(本発明の第1の内部分離加工線部に対応する)はラベル片51の伸長方向に沿って直線状に伸長しており、T字の横棒部分に相当する第2のミシン目部55b(本発明の第2の内部分離加工線部に対応する)はラベル片51の伸長方向と垂直の方向に沿って伸長しており、この第2のミシン目部55bに第1のミシン目部55aの基端52側の端がその中央に突き当たるように構成されている。なお、本実施形態では、第1のミシン目部55aの自由端53側の先端が直線状態で終端しているが、この部分を曲線状態で湾曲し、基端52の方向又はそれよりラベル片51の中心軸方向に向かって終端させても良い。このように湾曲させることにより、ラベル片を挿入して力が印加された際にその負荷の印加される部分で裂けが発生するような不都合は生じない。また、終端方向が自由端53の方向や側縁方向ではないため、ラベル片を挿入して力が印加された際にその終端部分で横裂けが発生するような不都合も生じない。
【0043】
第2のミシン目部55bの両端は、曲線状態で湾曲し、自由端53の方向又はそれよりラベル片51の中心軸方向に向かって終端している。このように湾曲していることにより、ラベル片を挿入して力が印加された際にその負荷の印加される部分で裂けが発生するような不都合は生じない。また、終端方向が基端52の方向や側縁方向ではないため、ラベル片を挿入して力が印加された際にその終端部分で横裂けが発生するような不都合も生じない。
【0044】
なお、本発明における内部分離加工線を、ミシン目55に代えて一部を仮止めした切込み線で構成しても良い。この場合、例えば、T字の横棒部分に突き当たるT字の縦棒部分の先端部の1カ所のみを仮止めし、残りの部分を切込み線で構成することが望ましい。このように構成することにより、巻きラベルを作成する際のラベル片51の挿入が非常に容易となる。
【0045】
各ラベル片51のミシン目55より自由端53側の位置における各側縁には、凹状の複数(図示の例では3つ)の括り部56と凸状の複数(図示の例では3つ)の突出部57とが形成されている。1つのラベル片51の複数の括り部56はこれに隣接するラベル片51の複数の突出部57と嵌め込み合う形状に形成されており、ラベル用紙50において両者の境界にミシン目54が形成されている。
【0046】
各ラベル片51の複数の括り部56及び複数の突出部57より自由端53側の位置には、表示すべき情報を印刷するための表示部58が形成されている。
【0047】
ラベル用紙50は、印刷可能でありある程度の耐水性及びある程度の強度を有する材料であることが望ましいが、ラベル片51を屋内で使用する場合には、耐水性がなくとも良い。ラベル用紙50は、例えば二軸延伸フィルム、一軸延伸フィルム、無延伸フィルム、その他のプラスチック用紙、不織布、又は含浸紙等で構成される。ラベル用紙50のサイズも、A4に限定することなく、使用用途に応じていかなるサイズのものを用いても良い。
【0048】
次に、本実施形態におけるラベル用紙50の使用方法について説明する。
【0049】
図5に示すようなラベル用紙50について、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ又はその他のプリンタによって、各ラベル片51の表示部58に所望の情報、例えばラベルを巻き付ける対象の名称、型番、価格、バーコード等の一次元コード、QRコード(登録商標)等の二次元コード、又はその他の情報を印刷する。
【0050】
次いで、ミシン目54に沿って切取りを行うことにより、図6に示すような個々のラベル片51に分離する。
【0051】
次いで、ラベル片51の基端52側の部分を細長い物品等のラベルを巻き付ける対象に巻き付け、ミシン目55内に自由端53を挿入し、複数の括り部56のうちの最適な括り部がT字の横棒部分に相当する第2のミシン目部55bを通るようにその自由端53の部分を引っ張る。これにより、ラベルを巻き付ける対象の周囲にループが巻かれて、巻きラベルの装着が終了する。
【0052】
以上説明したように、本実施形態によれば、ラベル用紙50は、複数のラベル片51が互いに並列に連結配置されて構成されている。各ラベル片51の外周は、ミシン目54で規定されており、従って、隣接するラベル片51とはこのミシン目54で境界が規定されている。各ラベル片51には、T字形状のミシン目55が形成されている。さらに、各ラベル片51の各側縁には凹状の複数の括り部56及び凸状の複数の突出部57が形成されている。各ラベル片51の複数の括り部56と、これに隣接するラベル片51の複数の突出部57とが、互いに嵌め込み合うように形成されている。このように、各ラベル片51の複数の括り部56とこれに隣接するラベル片51の複数の突出部57とが互いに嵌め込み合うように形成されているため、ラベル用紙50に開口部を設けることなく複数の括り部56を構成することができ、また、T字形状のミシン目55が形成されているため、巻きラベルを作成する際にラベル片51の自由端53を挿入するこの部分に開口部を設ける必要がない。従って、ラベル用紙50には開口部が存在せず、ミシン目又は切込み線が設けられているのみである。開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、フィーダ部の突起部にラベル用紙50が引っ掛かり、印刷エラーを起したり、その突起部を破損するような不都合は発生しない。また、開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、用紙が存在すること及び用紙のサイズを確認するためのセンサが誤検出を起して、印刷エラーを起すような不都合も発生しない。さらに、開口部が存在しないために、用紙を抜き加工する必要もなく、その抜きカスの除去作業も不要であるため、製造のコストアップは生じない。もちろん、粘着部が存在しないので、水分や埃等の存在する使用環境に対して耐性のある巻きラベルを作成可能である。
【0053】
また、本実施形態によれば、特に、ラベル片51の伸長方向に沿って複数の括り部56が配置されているため、巻きラベルとした際のループの径を可変調整することができる。
【0054】
図7は本発明のさらに他の実施形態におけるラベル用紙の構成を概略的に示しており、図8は本実施形態における各ラベル片の構成を概略的に示している。
【0055】
これらの図において、70はプリンタによって印刷可能に構成されており、望ましくは耐水性を有する、例えばA4等の定形のラベル用紙、71はラベル用紙70の基端72(本発明の一端に対応する)から自由端73(本発明の他端に対応する)へ伸長する複数のラベル片、74は隣接するラベル片71の境界に設けられており、印刷後に各ラベル片71を個々に分離可能とするミシン目(本発明の外周分離加工線に対応する)をそれぞれ示している。
【0056】
複数のラベル片71はミシン目74を介して互いに並列に連結配置されている。
【0057】
各ラベル片71の内部において、基端72に近い位置における各側縁には、凹状の1つの括り部76と凸状の1つの突出部77とが形成されている。1つのラベル片71の括り部76はこれに隣接するラベル片71の突出部77と嵌め込み合う形状に形成されており、ラベル用紙70において両者の境界にミシン目74が形成されている。
【0058】
各ラベル片71の括り部76及び突出部77より自由端73側の位置にT字形状のミシン目75(本発明の内部分離加工線に対応する)が形成されている。T字の縦棒部分に相当する第1のミシン目部75a(本発明の第1の内部分離加工線部に対応する)はラベル片71の伸長方向に沿って直線状に伸長しており、T字の横棒部分に相当する第2のミシン目部75b(本発明の第2の内部分離加工線部に対応する)はラベル片71の伸長方向と垂直の方向に沿って伸長しており、この第2のミシン目部75bに第1のミシン目部75aの基端72側の端がその中央に突き当たるように構成されている。なお、本実施形態では、第1のミシン目部75aの自由端73側の先端が直線状態で終端しているが、この部分を曲線状態で湾曲し、基端72の方向又はそれよりラベル片71の中心軸方向に向かって終端させても良い。このように湾曲させることにより、ラベル片を挿入して力が印加された際にその負荷の印加される部分で裂けが発生するような不都合は生じない。また、終端方向が自由端73の方向や側縁方向ではないため、ラベル片を挿入して力が印加された際にその終端部分で横裂けが発生するような不都合も生じない。
【0059】
第2のミシン目部75bの両端は、曲線状態で湾曲し、自由端73の方向又はそれよりラベル片71の中心軸方向に向かって終端している。このように湾曲していることにより、ラベル片を挿入して力が印加された際にその負荷の印加される部分で裂けが発生するような不都合は生じない。また、終端方向が基端72の方向や側縁方向ではないため、ラベル片を挿入して力が印加された際にその終端部分で横裂けが発生するような不都合も生じない。
【0060】
なお、本発明における内部分離加工線を、ミシン目75に代えて一部を仮止めした切込み線で構成しても良い。この場合、例えば、T字の横棒部分に突き当たるT字の縦棒部分の先端部の1カ所のみを仮止めし、残りの部分を切込み線で構成することが望ましい。このように構成することにより、巻きラベルを作成する際のラベル片71の挿入が非常に容易となる。
【0061】
各ラベル片71のミシン目55より自由端73側の位置には、表示すべき情報を印刷するための表示部78が形成されている。
【0062】
ラベル用紙70は、印刷可能でありある程度の耐水性及びある程度の強度を有する材料であることが望ましいが、ラベル片71を屋内で使用する場合には、耐水性がなくとも良い。ラベル用紙70は、例えば二軸延伸フィルム、一軸延伸フィルム、無延伸フィルム、その他のプラスチック用紙、不織布、又は含浸紙等で構成される。ラベル用紙70のサイズも、A4に限定することなく、使用用途に応じていかなるサイズのものを用いても良い。
【0063】
次に、本実施形態におけるラベル用紙70の使用方法について説明する。
【0064】
図7に示すようなラベル用紙70について、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ又はその他のプリンタによって、各ラベル片71の表示部78に所望の情報、例えばラベルを巻き付ける対象の名称、型番、価格、バーコード等の一次元コード、QRコード(登録商標)等の二次元コード、又はその他の情報を印刷する。
【0065】
次いで、ミシン目74に沿って切取りを行うことにより、図8に示すような個々のラベル片71に分離する。
【0066】
次いで、ラベル片71の基端72側の部分を細長い物品等のラベルを巻き付ける対象に巻き付け、ミシン目75内に基端72を挿入し、括り部76がT字の横棒部分に相当する第2のミシン目部75bを通るようにその基端72の部分を引っ張る。これにより、ラベルを巻き付ける対象の周囲にループが巻かれて、巻きラベルの装着が終了する。
【0067】
以上説明したように、本実施形態によれば、ラベル用紙70は、複数のラベル片71が互いに並列に連結配置されて構成されている。各ラベル片71の外周は、ミシン目74で規定されており、従って、隣接するラベル片71とはこのミシン目74で境界が規定されている。各ラベル片71には、T字形状のミシン目75が形成されている。さらに、各ラベル片71の各側縁には凹状の1つの括り部76及び凸状の1つの突出部77が形成されている。各ラベル片71の括り部76と、これに隣接するラベル片71の突出部77とが、互いに嵌め込み合うように形成されている。このように、各ラベル片71の括り部76とこれに隣接するラベル片71の突出部77とが互いに嵌め込み合うように形成されているため、ラベル用紙70に開口部を設けることなく括り部76を構成することができ、また、T字形状のミシン目75が形成されているため、巻きラベルを作成する際にラベル片71の基端72を挿入するこの部分に開口部を設ける必要がない。従って、ラベル用紙70には開口部が存在せず、ミシン目又は切込み線が設けられているのみである。開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、フィーダ部の突起部にラベル用紙70が引っ掛かり、印刷エラーを起したり、その突起部を破損するような不都合は発生しない。また、開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、用紙が存在すること及び用紙のサイズを確認するためのセンサが誤検出を起して、印刷エラーを起すような不都合も発生しない。さらに、開口部が存在しないために、用紙を抜き加工する必要もなく、その抜きカスの除去作業も不要であるため、製造のコストアップは生じない。もちろん、粘着部が存在しないので、水分や埃等の存在する使用環境に対して耐性のある巻きラベルを作成可能である。
【0068】
また、本実施形態によれば、特に、括り部76及び突出部77より自由端73側にミシン目75を設けてこのミシン目75内に基端72を挿入するように構成しているため、対象の周囲にループを巻いてミシン目75内に基端72を挿入し、ラベルを巻き付ける作業が容易となり、巻きラベルの装着がより簡単になる。
【0069】
図9は本発明のまたさらに他の実施形態におけるラベル用紙の構成を概略的に示しており、図10は本実施形態における各ラベル片の構成を概略的に示している。
【0070】
これらの図において、90はプリンタによって印刷可能に構成されており、望ましくは耐水性を有する、例えばA4等の定形のラベル用紙、91はラベル用紙90の基端92(本発明の一端に対応する)から自由端93(本発明の他端に対応する)へ伸長する複数のラベル片、94は隣接するラベル片91の境界に設けられており、印刷後に各ラベル片91を個々に分離可能とするミシン目(本発明の外周分離加工線に対応する)をそれぞれ示している。
【0071】
複数のラベル片91はミシン目94を介して互いに並列に連結配置されている。
【0072】
各ラベル片91の内部において、基端92に近い位置における各側縁には、凹状の複数の括り部96と凸状の複数の突出部97とが形成されている。1つのラベル片91の複数の括り部96はこれに隣接するラベル片91の複数の突出部97と嵌め込み合う形状に形成されており、ラベル用紙90において両者の境界にミシン目94が形成されている。
【0073】
各ラベル片91の複数の括り部96及び複数の突出部97より自由端93側の位置にT字形状のミシン目95(本発明の内部分離加工線に対応する)が形成されている。T字の縦棒部分に相当する第1のミシン目部95a(本発明の第1の内部分離加工線部に対応する)はラベル片91の伸長方向に沿って直線状に伸長しており、T字の横棒部分に相当する第2のミシン目部95b(本発明の第2の内部分離加工線部に対応する)はラベル片91の伸長方向と垂直の方向に沿って伸長しており、この第2のミシン目部95bに第1のミシン目部95aの基端92側の端がその中央に突き当たるように構成されている。なお、本実施形態では、第1のミシン目部95aの自由端93側の先端が直線状態で終端しているが、この部分を曲線状態で湾曲し、基端92の方向又はそれよりラベル片91の中心軸方向に向かって終端させても良い。このように湾曲させることにより、ラベル片を挿入して力が印加された際にその負荷の印加される部分で裂けが発生するような不都合は生じない。また、終端方向が自由端93の方向や側縁方向ではないため、ラベル片を挿入して力が印加された際にその終端部分で横裂けが発生するような不都合も生じない。
【0074】
第2のミシン目部95bの両端は、曲線状態で湾曲し、自由端93の方向又はそれよりラベル片91の中心軸方向に向かって終端している。このように湾曲していることにより、ラベル片を挿入して力が印加された際にその負荷の印加される部分で裂けが発生するような不都合は生じない。また、終端方向が基端92の方向や側縁方向ではないため、ラベル片を挿入して力が印加された際にその終端部分で横裂けが発生するような不都合も生じない。
【0075】
なお、本発明における内部分離加工線を、ミシン目95に代えて一部を仮止めした切込み線で構成しても良い。この場合、例えば、T字の横棒部分に突き当たるT字の縦棒部分の先端部の1カ所のみを仮止めし、残りの部分を切込み線で構成することが望ましい。このように構成することにより、巻きラベルを作成する際のラベル片91の挿入が非常に容易となる。
【0076】
各ラベル片91のミシン目55より自由端93側の位置には、表示すべき情報を印刷するための表示部98が形成されている。
【0077】
ラベル用紙90は、印刷可能でありある程度の耐水性及びある程度の強度を有する材料であることが望ましいが、ラベル片91を屋内で使用する場合には、耐水性がなくとも良い。ラベル用紙90は、例えば二軸延伸フィルム、一軸延伸フィルム、無延伸フィルム、その他のプラスチック用紙、不織布、又は含浸紙等で構成される。ラベル用紙90のサイズも、A4に限定することなく、使用用途に応じていかなるサイズのものを用いても良い。
【0078】
次に、本実施形態におけるラベル用紙90の使用方法について説明する。
【0079】
図9に示すようなラベル用紙90について、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ又はその他のプリンタによって、各ラベル片91の表示部98に所望の情報、例えばラベルを巻き付ける対象の名称、型番、価格、バーコード等の一次元コード、QRコード(登録商標)等の二次元コード、又はその他の情報を印刷する。
【0080】
次いで、ミシン目94に沿って切取りを行うことにより、図10に示すような個々のラベル片91に分離する。
【0081】
次いで、ラベル片91の基端92側の部分を細長い物品等のラベルを巻き付ける対象に巻き付け、ミシン目95内に基端92を挿入し、複数の括り部96のうちの最適な括り部がT字の横棒部分に相当する第2のミシン目部95bを通るようにその基端92の部分を引っ張る。これにより、ラベルを巻き付ける対象の周囲にループが巻かれて、巻きラベルの装着が終了する。
【0082】
以上説明したように、本実施形態によれば、ラベル用紙90は、複数のラベル片91が互いに並列に連結配置されて構成されている。各ラベル片91の外周は、ミシン目94で規定されており、従って、隣接するラベル片91とはこのミシン目94で境界が規定されている。各ラベル片91には、T字形状のミシン目95が形成されている。さらに、各ラベル片91の各側縁には凹状の複数の括り部96及び凸状の複数の突出部97が形成されている。各ラベル片91の複数の括り部96と、これに隣接するラベル片91の複数の突出部97とが、互いに嵌め込み合うように形成されている。このように、各ラベル片91の複数の括り部96とこれに隣接するラベル片91の複数の突出部97とが互いに嵌め込み合うように形成されているため、ラベル用紙90に開口部を設けることなく複数の括り部96を構成することができ、また、T字形状のミシン目95が形成されているため、巻きラベルを作成する際にラベル片91の基端92を挿入するこの部分に開口部を設ける必要がない。従って、ラベル用紙90には開口部が存在せず、ミシン目又は切込み線が設けられているのみである。開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、フィーダ部の突起部にラベル用紙90が引っ掛かり、印刷エラーを起したり、その突起部を破損するような不都合は発生しない。また、開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、用紙が存在すること及び用紙のサイズを確認するためのセンサが誤検出を起して、印刷エラーを起すような不都合も発生しない。さらに、開口部が存在しないために、用紙を抜き加工する必要もなく、その抜きカスの除去作業も不要であるため、製造のコストアップは生じない。もちろん、粘着部が存在しないので、水分や埃等の存在する使用環境に対して耐性のある巻きラベルを作成可能である。
【0083】
また、本実施形態によれば、特に、複数の括り部96及び複数の突出部97より自由端93側にミシン目95を設けてこのミシン目95内に基端92を挿入するように構成しているため、対象の周囲にループを巻いてミシン目95内に基端92を挿入し、ラベルを巻き付ける作業が容易となり、巻きラベルの装着がより簡単になる。
【0084】
さらに、本実施形態によれば、特に、ラベル片91の伸長方向に沿って複数の括り部96が配置されているため、巻きラベルとした際のループの径を可変調整することができる。
【0085】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【符号の説明】
【0086】
10、50、70、90 ラベル用紙
11、51、71、91 ラベル片
12、52、72、92 基端
13、53、73、93 自由端
14、15、54、55、74、75、94、95 ミシン目
15a、55a、75a、95a 第1のミシン目部
15b、55b、75b、95b 第2のミシン目部
16、56、76、96 括り部
17、57、77、97 突出部
18、58、78、98 表示部
19 情報
20 ループ
21 幹
【技術分野】
【0001】
本発明は、細長い物品等の対象に巻き付けて使用する巻きラベルを印刷形成するためのラベル用紙に関する。
【背景技術】
【0002】
少量多品種にわたるラベルをプリンタ等によって印刷可能なラベル用紙として、ラベル用の複数のラベル片をミシン目(切取り用の破線状の孔)を介して互いに並列に連結配置することにより1枚のシートを構成し、そのシートの裏面に粘着部を設けた部分粘着ラベル紙は公知である(例えば、特許文献1)。
【0003】
このような部分粘着加工を施したラベルは、粘着部を物品に直接貼るか、又はその粘着部を利用してループを形成し細長い物品にぶら下げて使用される。しかしながら、使用環境によっては、埃や水分が粘着部に付着し、粘着又は接着強度が著しく低下してラベルが物品から脱離するおそれがあった。
【0004】
この不都合を解消するため、本願発明者は、粘着部を持つことなくループを形成し得る複数のラベル片をミシン目を介して互いに並列に連結配置して成るラベル用紙を案出した。図11は本願発明者が案出したラベル用紙の2つの先行例を示しており、(A)は第1の先行例におけるラベル用紙、(B)はそのラベル片、(C)は第2の先行例におけるラベル用紙、(D)はそのラベル片をそれぞれ示している。
【0005】
図11(A)及び(B)に示す第1の先行例では、ラベル用紙110は、複数の基本的にはストリップ形状のラベル片111がミシン目114を介して互いに並列に連結配置して構成されている。各ラベル片111には、その基端112に近い部分に貫通開口部115が設けられており、この貫通開口部115より自由端113に寄った部分の両側縁に括り部116が設けられている。この第1の先行例では、各ラベル片111において、貫通開口部115は円形と短幅の長方形とを組み合わせた形状を有しており、括り部116は半円形状を有している。
【0006】
巻きラベルとして使用する場合は、ラベル用紙110の自由端113側の表示部118に表示すべき情報を印刷し、ラベル用紙110のミシン目114の部分で各ラベル片111に切り離す。次いで、切り離したラベル片111の自由端113側を貫通開口部115に挿入し、括り部116まで通すことにより、貫通開口部115から括り部116までをループとして細長い物品等に巻き付ける。
【0007】
図11(C)及び(D)に示す第2の先行例では、ラベル用紙110′は、複数の基本的にはストリップ形状のラベル片111′がミシン目114′を介して互いに並列に連結配置して構成されている。各ラベル片111′には、その基端112′に近い部分に貫通開口部115′が設けられており、この貫通開口部115′より自由端113′に寄った部分の両側縁に括り部116′が設けられている。この第2の先行例では、各ラベル片111′において、貫通開口部115′は略三角形状を有しており、括り部116′は半長円形状を有している。
【0008】
巻きラベルとして使用する場合は、ラベル用紙110′の自由端113′側の表示部118′に表示すべき情報を印刷し、ラベル用紙110′のミシン目114′の部分で各ラベル片111′に切り離す。次いで、切り離したラベル片111′の自由端113′側を貫通開口部115′に挿入し、括り部116′まで通すことにより、貫通開口部115′から括り部116′までをループとして細長い物品等に巻き付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−154588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、用紙自体に貫通開口部と括り部に対応する開口部とが存在する上述した先行例のラベル用紙は、下記のごとき問題点を有している。
(1)プリンタには、連続でスムーズな印刷を可能にするために、フィーダ部に、用紙を抑えるための突起部が多く存在する。このため、プリンタによってラベル用紙に印刷を行う場合、プリンタの突起部がこの用紙の開口部に引っ掛かり易く、紙詰まりが生じてプリンタの作動停止を起し易い。特に、ラベル用紙に強度がある場合には、その突起部を破損してしまう可能性がある。
(2)多くのプリンタには、用紙が存在すること及び用紙のサイズを確認するためのセンサが装備されている。このため、プリンタによって印刷を行う場合に、センサが用紙の開口部に位置すると、用紙が存在しない又は用紙サイズが合っていないと誤検出を起し、印刷エラーを発生する可能性ある。
(3)開口部を有するラベル用紙を製造する場合に、用紙を抜き加工した後にその開口部の抜きカスを除去する必要があるが、その除去作業に多大な手間を要し、これは製造をコストアップする。
(4)プリンタで印刷した後にユーザが開口部の抜きカスを簡単に除去できるように、その開口部の繋ぎ部分の強度を弱くした場合、プリンタ内部で用紙搬送時にその抜きカスが落下したり、ひっかかったりして故障の原因となり易い。逆に、開口部の繋ぎ部分の強度を強くして落下が簡単に生じないようにすると、ユーザがプリント後にその抜きカスを簡単には除去できず、多大な手間を要することとなる。
【0011】
従って本発明は、上述した問題点を解消するためのものであり、その目的は、水分や埃等の存在する使用環境に対して耐性のある巻きラベルを作成でき、しかもプリンタで印刷した場合にも印刷エラーの生じにくいラベル用紙を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、水分や埃等の存在する使用環境に対して耐性のある巻きラベルを作成でき、しかも製造の容易なラベル用紙を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、ラベル用紙は、一端から他端へ伸長する複数のラベル片が外周分離加工線を介して互いに並列に連結配置されている。複数のラベル片の各々は、T字形状の内部分離加工線と、内部分離加工線より他端側又は一端側の各側縁に形成された凹状の少なくとも1つの括り部及び凸状の少なくとも1つの突出部とを備えており、複数のラベル片の各々の凹状の少なくとも1つの括り部と、隣接するラベル片の凸状の少なくとも1つの突出部とが、互いに嵌め込み合うように形成されている。
【0014】
ラベル用紙は、複数のラベル片が互いに並列に連結配置されて構成されている。各ラベル片の外周は、例えばミシン目である外周分離加工線で規定されており、従って、隣接するラベル片はこの外周分離加工線で境界が規定されている。各ラベル片には、T字形状の、例えばミシン目である内部分離加工線が形成されており、その各側縁には凹状の少なくとも1つの括り部と凸状の少なくとも1つの突出部とが形成されている。各ラベル片の凹状の少なくとも1つの括り部と、これに隣接するラベル片の凸状の少なくとも1つの突出部とが、互いに嵌め込み合うように形成されている。このように、各ラベル片の括り部とこれに隣接するラベル片の突出部とが互いに嵌め込み合うように形成されているため、ラベル用紙に開口部を設けることなく括り部を構成することができ、また、T字形状の内部分離加工線が形成されているため、巻きラベルを作成する際にラベル片の他端又は一端を挿入するこの部分に開口部を設ける必要がない。
【0015】
従って、本発明のラベル用紙には、開口部が存在せず、例えばミシン目である分離加工線又は切込み線が設けられているのみである。開口部が存在しないので、プリンタによって印刷を行う場合に、フィーダ部の突起部にラベル用紙が引っ掛かり、印刷エラーを起したり、その突起部を破損するような不都合は発生しない。また、開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、用紙が存在すること及び用紙のサイズを確認するためのセンサが誤検出を起して、印刷エラーを起すような不都合も発生しない。さらに、開口部が存在しないために、用紙を抜き加工する必要もなく、その抜きカスの除去作業も不要であるため、製造のコストアップは生じない。もちろん、粘着部が存在しないので、水分や埃等の存在する使用環境に対して耐性のある巻きラベルを作成可能である。
【0016】
少なくとも1つの括り部が、単一の括り部であるか、又はラベル片の伸長方向に沿って配置された複数の括り部であることが好ましい。複数の括り部があれば、巻きラベルとした際のループの径を可変調整することができる。
【0017】
内部分離加工線が、ラベル片の伸長方向に沿って直線状に伸長する第1の内部分離加工線部と、第1の内部分離加工線部の上述の一端側の端が中央に突き当たっており、ラベル片の伸長方向と垂直の方向に沿って伸長する第2の内部分離加工線部とを備えていることも好ましい。巻きラベルを作成する際に、この第1の内部分離加工線部にラベル片の他端又は一端を挿入し、第2の内部分離加工線部に括り部を通すことによってループが確定される。
【0018】
この場合、第2の内部分離加工線部の両端が、曲線状態で湾曲して終端していることがより好ましい。これにより、その第2の内部分離加工線部の端の部分で裂けが発生するような不都合は生じない。
【0019】
また、第2の内部分離加工線部の両端が、上述の他端方向又はそれより内側方向に向かって終端していることもより好ましい。これにより、その第2の内部分離加工線部の端の部分で横裂けが発生するような不都合は生じない。
【0020】
第1の内部分離加工線部の他端側の端が、曲線状態で湾曲して終端していることも好ましい。これにより、その第1の内部分離加工線部の端の部分で裂けが発生するような不都合は生じない。
【0021】
内部分離加工線が、ミシン目で構成されているか、又は一部を仮止めした切込み線で構成されていることも好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、フィーダ部の突起部にラベル用紙が引っ掛かり、印刷エラーを起したり、その突起部を破損するような不都合は発生しない。また、開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、用紙が存在すること及び用紙のサイズを確認するためのセンサが誤検出を起して、印刷エラーを起すような不都合も発生しない。さらに、開口部が存在しないために、用紙を抜き加工する必要もなく、その抜きカスの除去作業も不要であるため、製造のコストアップは生じない。もちろん、粘着部が存在しないので、水分や埃等の存在する使用環境に対して耐性のある巻きラベルを作成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態におけるラベル用紙の構成を概略的に示す平面図である。
【図2】図1の実施形態における各ラベル片の構成を概略的に示す平面図である。
【図3】図1の実施形態における各ラベル片を巻きラベルとした状態を説明する斜視図である。
【図4】図1の実施形態における各ラベル片を巻きラベルとして実際に使用している状態を説明する斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態におけるラベル用紙の構成を概略的に示す平面図である。
【図6】図5の実施形態における各ラベル片の構成を概略的に示す平面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態におけるラベル用紙の構成を概略的に示す平面図である。
【図8】図7の実施形態における各ラベル片の構成を概略的に示す平面図である。
【図9】本発明のまたさらに他の実施形態におけるラベル用紙の構成を概略的に示す平面図である。
【図10】図9の実施形態における各ラベル片の構成を概略的に示す平面図である。
【図11】ラベル用紙の2つの先行例の構成を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は本発明の一実施形態におけるラベル用紙の構成を概略的に示しており、図2は本実施形態における各ラベル片の構成を概略的に示している。
【0025】
これらの図において、10はプリンタによって印刷可能に構成されており、望ましくは耐水性を有する、例えばA4等の定形のラベル用紙、11はラベル用紙10の基端12(本発明の一端に対応する)から自由端13(本発明の他端に対応する)へ伸長する複数のラベル片、14は隣接するラベル片11の境界に設けられており、印刷後に各ラベル片11を個々に分離可能とするミシン目(本発明の外周分離加工線に対応する)をそれぞれ示している。
【0026】
複数のラベル片11はミシン目14を介して互いに並列に連結配置されている。
【0027】
各ラベル片11の内部において、基端12に近い位置にT字形状のミシン目15(本発明の内部分離加工線に対応する)が形成されている。T字の縦棒部分に相当する第1のミシン目部15a(本発明の第1の内部分離加工線部に対応する)はラベル片11の伸長方向に沿って直線状に伸長しており、T字の横棒部分に相当する第2のミシン目部15b(本発明の第2の内部分離加工線部に対応する)はラベル片11の伸長方向と垂直の方向に沿って伸長しており、この第2のミシン目部15bに第1のミシン目部15aの基端12側の先端がその中央に突き当たるように構成されている。なお、本実施形態では、第1のミシン目部15aの自由端13側の先端が直線状態で終端しているが、この部分を曲線状態で湾曲し、基端12の方向又はそれよりラベル片11の中心軸方向に向かって終端させても良い。このように湾曲させることにより、ラベル片を挿入して力が印加された際にその負荷の印加される部分で裂けが発生するような不都合は生じない。また、終端方向が自由端13の方向や側縁方向ではないため、ラベル片を挿入して力が印加された際にその終端部分で横裂けが発生するような不都合も生じない。
【0028】
第2のミシン目部15bの両端は、曲線状態で湾曲し、自由端13の方向又はそれよりラベル片11の中心軸方向に向かって終端している。このように湾曲していることにより、ラベル片を挿入して力が印加された際にその負荷の印加される部分で裂けが発生するような不都合は生じない。また、終端方向が基端12の方向や側縁方向ではないため、ラベル片を挿入して力が印加された際にその終端部分で横裂けが発生するような不都合も生じない。
【0029】
なお、本発明における内部分離加工線を、ミシン目15に代えて一部を仮止めした切込み線で構成しても良い。この場合、例えば、T字の横棒部分に突き当たるT字の縦棒部分の先端部の1カ所のみを仮止めし、残りの部分を切込み線で構成することが望ましい。このように構成することにより、巻きラベルを作成する際のラベル片11の挿入が非常に容易となる。
【0030】
各ラベル片11のミシン目15より自由端13側の位置における各側縁には、凹状の1つの括り部16と凸状の1つの突出部17とが形成されている。1つのラベル片11の括り部16はこれに隣接するラベル片11の突出部17と嵌め込み合う形状に形成されており、ラベル用紙10において両者の境界にミシン目14が形成されている。
【0031】
各ラベル片11の括り部16及び突出部17より自由端13側の位置には、表示すべき情報を印刷するための表示部18が形成されている。
【0032】
ラベル用紙10は、印刷可能でありある程度の耐水性及びある程度の強度を有する材料であることが望ましいが、ラベル片11を屋内で使用する場合には、耐水性がなくとも良い。ラベル用紙10は、例えば二軸延伸フィルム、一軸延伸フィルム、無延伸フィルム、その他のプラスチック用紙、不織布、又は含浸紙等で構成される。ラベル用紙10のサイズも、A4に限定することなく、使用用途に応じていかなるサイズのものを用いても良い。
【0033】
次に、本実施形態におけるラベル用紙10の使用方法について説明する。
【0034】
図1に示すように作製されたラベル用紙10について、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ又はその他のプリンタによって印刷を行う。例えば、図3(B)に示すように、各ラベル片11の表示部18に所望の情報、例えばラベルを巻き付ける対象の名称、型番、価格、バーコード等の一次元コード、QRコード(登録商標)等の二次元コード、又はその他の情報19をプリンタによって印刷する。
【0035】
次いで、ミシン目14に沿って切取りを行うことにより、図2に示すような個々のラベル片11に分離する。
【0036】
次いで、ラベル片11の基端12側の部分を細長い物品等のラベルを巻き付ける対象に巻き付け、ミシン目15内に自由端13を挿入し、括り部16がT字の横棒部分に相当する第2のミシン目部15bを通るようにその自由端13の部分を引っ張る。これにより、図3(A)及び(B)に示すように、ラベルを巻き付ける対象の周囲にループ20が巻かれて、巻きラベルの装着が終了する。
【0037】
図4は、ラベルを巻き付ける対象が園芸樹木の幹21である場合のラベル片11の装着例を示している。
【0038】
以上説明したように、本実施形態によれば、ラベル用紙10は、複数のラベル片11が互いに並列に連結配置されて構成されている。各ラベル片11の外周は、ミシン目14で規定されており、従って、隣接するラベル片11とはこのミシン目14で境界が規定されている。各ラベル片11には、T字形状のミシン目15が形成されている。さらに、各ラベル片11の各側縁には凹状の括り部16及び凸状の突出部17が形成されている。各ラベル片11の括り部16と、これに隣接するラベル片11の突出部17とが、互いに嵌め込み合うように形成されている。このように、各ラベル片11の括り部16とこれに隣接するラベル片11の突出部17とが互いに嵌め込み合うように形成されているため、ラベル用紙10に開口部を設けることなく括り部16を構成することができ、また、T字形状のミシン目15が形成されているため、巻きラベルを作成する際にラベル片11の自由端13を挿入するこの部分に開口部を設ける必要がない。従って、ラベル用紙10には開口部が存在せず、ミシン目又は切込み線が設けられているのみである。開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、フィーダ部の突起部にラベル用紙10が引っ掛かり、印刷エラーを起したり、その突起部を破損するような不都合は発生しない。また、開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、用紙が存在すること及び用紙のサイズを確認するためのセンサが誤検出を起して、印刷エラーを起すような不都合も発生しない。さらに、開口部が存在しないために、用紙を抜き加工する必要もなく、その抜きカスの除去作業も不要であるため、製造のコストアップは生じない。もちろん、粘着部が存在しないので、水分や埃等の存在する使用環境に対して耐性のある巻きラベルを作成可能である。
【0039】
図5は本発明の他の実施形態におけるラベル用紙の構成を概略的に示しており、図6は本実施形態における各ラベル片の構成を概略的に示している。
【0040】
これらの図において、50はプリンタによって印刷可能に構成されており、望ましくは耐水性を有する、例えばA4等の定形のラベル用紙、51はラベル用紙50の基端52(本発明の一端に対応する)から自由端53(本発明の他端に対応する)へ伸長する複数のラベル片、54は隣接するラベル片51の境界に設けられており、印刷後に各ラベル片51を個々に分離可能とするミシン目(本発明の外周分離加工線に対応する)をそれぞれ示している。
【0041】
複数のラベル片51はミシン目54を介して互いに並列に連結配置されている。
【0042】
各ラベル片51の内部において、基端52に近い位置にT字形状のミシン目55(本発明の内部分離加工線に対応する)が形成されている。T字の縦棒部分に相当する第1のミシン目部55a(本発明の第1の内部分離加工線部に対応する)はラベル片51の伸長方向に沿って直線状に伸長しており、T字の横棒部分に相当する第2のミシン目部55b(本発明の第2の内部分離加工線部に対応する)はラベル片51の伸長方向と垂直の方向に沿って伸長しており、この第2のミシン目部55bに第1のミシン目部55aの基端52側の端がその中央に突き当たるように構成されている。なお、本実施形態では、第1のミシン目部55aの自由端53側の先端が直線状態で終端しているが、この部分を曲線状態で湾曲し、基端52の方向又はそれよりラベル片51の中心軸方向に向かって終端させても良い。このように湾曲させることにより、ラベル片を挿入して力が印加された際にその負荷の印加される部分で裂けが発生するような不都合は生じない。また、終端方向が自由端53の方向や側縁方向ではないため、ラベル片を挿入して力が印加された際にその終端部分で横裂けが発生するような不都合も生じない。
【0043】
第2のミシン目部55bの両端は、曲線状態で湾曲し、自由端53の方向又はそれよりラベル片51の中心軸方向に向かって終端している。このように湾曲していることにより、ラベル片を挿入して力が印加された際にその負荷の印加される部分で裂けが発生するような不都合は生じない。また、終端方向が基端52の方向や側縁方向ではないため、ラベル片を挿入して力が印加された際にその終端部分で横裂けが発生するような不都合も生じない。
【0044】
なお、本発明における内部分離加工線を、ミシン目55に代えて一部を仮止めした切込み線で構成しても良い。この場合、例えば、T字の横棒部分に突き当たるT字の縦棒部分の先端部の1カ所のみを仮止めし、残りの部分を切込み線で構成することが望ましい。このように構成することにより、巻きラベルを作成する際のラベル片51の挿入が非常に容易となる。
【0045】
各ラベル片51のミシン目55より自由端53側の位置における各側縁には、凹状の複数(図示の例では3つ)の括り部56と凸状の複数(図示の例では3つ)の突出部57とが形成されている。1つのラベル片51の複数の括り部56はこれに隣接するラベル片51の複数の突出部57と嵌め込み合う形状に形成されており、ラベル用紙50において両者の境界にミシン目54が形成されている。
【0046】
各ラベル片51の複数の括り部56及び複数の突出部57より自由端53側の位置には、表示すべき情報を印刷するための表示部58が形成されている。
【0047】
ラベル用紙50は、印刷可能でありある程度の耐水性及びある程度の強度を有する材料であることが望ましいが、ラベル片51を屋内で使用する場合には、耐水性がなくとも良い。ラベル用紙50は、例えば二軸延伸フィルム、一軸延伸フィルム、無延伸フィルム、その他のプラスチック用紙、不織布、又は含浸紙等で構成される。ラベル用紙50のサイズも、A4に限定することなく、使用用途に応じていかなるサイズのものを用いても良い。
【0048】
次に、本実施形態におけるラベル用紙50の使用方法について説明する。
【0049】
図5に示すようなラベル用紙50について、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ又はその他のプリンタによって、各ラベル片51の表示部58に所望の情報、例えばラベルを巻き付ける対象の名称、型番、価格、バーコード等の一次元コード、QRコード(登録商標)等の二次元コード、又はその他の情報を印刷する。
【0050】
次いで、ミシン目54に沿って切取りを行うことにより、図6に示すような個々のラベル片51に分離する。
【0051】
次いで、ラベル片51の基端52側の部分を細長い物品等のラベルを巻き付ける対象に巻き付け、ミシン目55内に自由端53を挿入し、複数の括り部56のうちの最適な括り部がT字の横棒部分に相当する第2のミシン目部55bを通るようにその自由端53の部分を引っ張る。これにより、ラベルを巻き付ける対象の周囲にループが巻かれて、巻きラベルの装着が終了する。
【0052】
以上説明したように、本実施形態によれば、ラベル用紙50は、複数のラベル片51が互いに並列に連結配置されて構成されている。各ラベル片51の外周は、ミシン目54で規定されており、従って、隣接するラベル片51とはこのミシン目54で境界が規定されている。各ラベル片51には、T字形状のミシン目55が形成されている。さらに、各ラベル片51の各側縁には凹状の複数の括り部56及び凸状の複数の突出部57が形成されている。各ラベル片51の複数の括り部56と、これに隣接するラベル片51の複数の突出部57とが、互いに嵌め込み合うように形成されている。このように、各ラベル片51の複数の括り部56とこれに隣接するラベル片51の複数の突出部57とが互いに嵌め込み合うように形成されているため、ラベル用紙50に開口部を設けることなく複数の括り部56を構成することができ、また、T字形状のミシン目55が形成されているため、巻きラベルを作成する際にラベル片51の自由端53を挿入するこの部分に開口部を設ける必要がない。従って、ラベル用紙50には開口部が存在せず、ミシン目又は切込み線が設けられているのみである。開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、フィーダ部の突起部にラベル用紙50が引っ掛かり、印刷エラーを起したり、その突起部を破損するような不都合は発生しない。また、開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、用紙が存在すること及び用紙のサイズを確認するためのセンサが誤検出を起して、印刷エラーを起すような不都合も発生しない。さらに、開口部が存在しないために、用紙を抜き加工する必要もなく、その抜きカスの除去作業も不要であるため、製造のコストアップは生じない。もちろん、粘着部が存在しないので、水分や埃等の存在する使用環境に対して耐性のある巻きラベルを作成可能である。
【0053】
また、本実施形態によれば、特に、ラベル片51の伸長方向に沿って複数の括り部56が配置されているため、巻きラベルとした際のループの径を可変調整することができる。
【0054】
図7は本発明のさらに他の実施形態におけるラベル用紙の構成を概略的に示しており、図8は本実施形態における各ラベル片の構成を概略的に示している。
【0055】
これらの図において、70はプリンタによって印刷可能に構成されており、望ましくは耐水性を有する、例えばA4等の定形のラベル用紙、71はラベル用紙70の基端72(本発明の一端に対応する)から自由端73(本発明の他端に対応する)へ伸長する複数のラベル片、74は隣接するラベル片71の境界に設けられており、印刷後に各ラベル片71を個々に分離可能とするミシン目(本発明の外周分離加工線に対応する)をそれぞれ示している。
【0056】
複数のラベル片71はミシン目74を介して互いに並列に連結配置されている。
【0057】
各ラベル片71の内部において、基端72に近い位置における各側縁には、凹状の1つの括り部76と凸状の1つの突出部77とが形成されている。1つのラベル片71の括り部76はこれに隣接するラベル片71の突出部77と嵌め込み合う形状に形成されており、ラベル用紙70において両者の境界にミシン目74が形成されている。
【0058】
各ラベル片71の括り部76及び突出部77より自由端73側の位置にT字形状のミシン目75(本発明の内部分離加工線に対応する)が形成されている。T字の縦棒部分に相当する第1のミシン目部75a(本発明の第1の内部分離加工線部に対応する)はラベル片71の伸長方向に沿って直線状に伸長しており、T字の横棒部分に相当する第2のミシン目部75b(本発明の第2の内部分離加工線部に対応する)はラベル片71の伸長方向と垂直の方向に沿って伸長しており、この第2のミシン目部75bに第1のミシン目部75aの基端72側の端がその中央に突き当たるように構成されている。なお、本実施形態では、第1のミシン目部75aの自由端73側の先端が直線状態で終端しているが、この部分を曲線状態で湾曲し、基端72の方向又はそれよりラベル片71の中心軸方向に向かって終端させても良い。このように湾曲させることにより、ラベル片を挿入して力が印加された際にその負荷の印加される部分で裂けが発生するような不都合は生じない。また、終端方向が自由端73の方向や側縁方向ではないため、ラベル片を挿入して力が印加された際にその終端部分で横裂けが発生するような不都合も生じない。
【0059】
第2のミシン目部75bの両端は、曲線状態で湾曲し、自由端73の方向又はそれよりラベル片71の中心軸方向に向かって終端している。このように湾曲していることにより、ラベル片を挿入して力が印加された際にその負荷の印加される部分で裂けが発生するような不都合は生じない。また、終端方向が基端72の方向や側縁方向ではないため、ラベル片を挿入して力が印加された際にその終端部分で横裂けが発生するような不都合も生じない。
【0060】
なお、本発明における内部分離加工線を、ミシン目75に代えて一部を仮止めした切込み線で構成しても良い。この場合、例えば、T字の横棒部分に突き当たるT字の縦棒部分の先端部の1カ所のみを仮止めし、残りの部分を切込み線で構成することが望ましい。このように構成することにより、巻きラベルを作成する際のラベル片71の挿入が非常に容易となる。
【0061】
各ラベル片71のミシン目55より自由端73側の位置には、表示すべき情報を印刷するための表示部78が形成されている。
【0062】
ラベル用紙70は、印刷可能でありある程度の耐水性及びある程度の強度を有する材料であることが望ましいが、ラベル片71を屋内で使用する場合には、耐水性がなくとも良い。ラベル用紙70は、例えば二軸延伸フィルム、一軸延伸フィルム、無延伸フィルム、その他のプラスチック用紙、不織布、又は含浸紙等で構成される。ラベル用紙70のサイズも、A4に限定することなく、使用用途に応じていかなるサイズのものを用いても良い。
【0063】
次に、本実施形態におけるラベル用紙70の使用方法について説明する。
【0064】
図7に示すようなラベル用紙70について、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ又はその他のプリンタによって、各ラベル片71の表示部78に所望の情報、例えばラベルを巻き付ける対象の名称、型番、価格、バーコード等の一次元コード、QRコード(登録商標)等の二次元コード、又はその他の情報を印刷する。
【0065】
次いで、ミシン目74に沿って切取りを行うことにより、図8に示すような個々のラベル片71に分離する。
【0066】
次いで、ラベル片71の基端72側の部分を細長い物品等のラベルを巻き付ける対象に巻き付け、ミシン目75内に基端72を挿入し、括り部76がT字の横棒部分に相当する第2のミシン目部75bを通るようにその基端72の部分を引っ張る。これにより、ラベルを巻き付ける対象の周囲にループが巻かれて、巻きラベルの装着が終了する。
【0067】
以上説明したように、本実施形態によれば、ラベル用紙70は、複数のラベル片71が互いに並列に連結配置されて構成されている。各ラベル片71の外周は、ミシン目74で規定されており、従って、隣接するラベル片71とはこのミシン目74で境界が規定されている。各ラベル片71には、T字形状のミシン目75が形成されている。さらに、各ラベル片71の各側縁には凹状の1つの括り部76及び凸状の1つの突出部77が形成されている。各ラベル片71の括り部76と、これに隣接するラベル片71の突出部77とが、互いに嵌め込み合うように形成されている。このように、各ラベル片71の括り部76とこれに隣接するラベル片71の突出部77とが互いに嵌め込み合うように形成されているため、ラベル用紙70に開口部を設けることなく括り部76を構成することができ、また、T字形状のミシン目75が形成されているため、巻きラベルを作成する際にラベル片71の基端72を挿入するこの部分に開口部を設ける必要がない。従って、ラベル用紙70には開口部が存在せず、ミシン目又は切込み線が設けられているのみである。開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、フィーダ部の突起部にラベル用紙70が引っ掛かり、印刷エラーを起したり、その突起部を破損するような不都合は発生しない。また、開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、用紙が存在すること及び用紙のサイズを確認するためのセンサが誤検出を起して、印刷エラーを起すような不都合も発生しない。さらに、開口部が存在しないために、用紙を抜き加工する必要もなく、その抜きカスの除去作業も不要であるため、製造のコストアップは生じない。もちろん、粘着部が存在しないので、水分や埃等の存在する使用環境に対して耐性のある巻きラベルを作成可能である。
【0068】
また、本実施形態によれば、特に、括り部76及び突出部77より自由端73側にミシン目75を設けてこのミシン目75内に基端72を挿入するように構成しているため、対象の周囲にループを巻いてミシン目75内に基端72を挿入し、ラベルを巻き付ける作業が容易となり、巻きラベルの装着がより簡単になる。
【0069】
図9は本発明のまたさらに他の実施形態におけるラベル用紙の構成を概略的に示しており、図10は本実施形態における各ラベル片の構成を概略的に示している。
【0070】
これらの図において、90はプリンタによって印刷可能に構成されており、望ましくは耐水性を有する、例えばA4等の定形のラベル用紙、91はラベル用紙90の基端92(本発明の一端に対応する)から自由端93(本発明の他端に対応する)へ伸長する複数のラベル片、94は隣接するラベル片91の境界に設けられており、印刷後に各ラベル片91を個々に分離可能とするミシン目(本発明の外周分離加工線に対応する)をそれぞれ示している。
【0071】
複数のラベル片91はミシン目94を介して互いに並列に連結配置されている。
【0072】
各ラベル片91の内部において、基端92に近い位置における各側縁には、凹状の複数の括り部96と凸状の複数の突出部97とが形成されている。1つのラベル片91の複数の括り部96はこれに隣接するラベル片91の複数の突出部97と嵌め込み合う形状に形成されており、ラベル用紙90において両者の境界にミシン目94が形成されている。
【0073】
各ラベル片91の複数の括り部96及び複数の突出部97より自由端93側の位置にT字形状のミシン目95(本発明の内部分離加工線に対応する)が形成されている。T字の縦棒部分に相当する第1のミシン目部95a(本発明の第1の内部分離加工線部に対応する)はラベル片91の伸長方向に沿って直線状に伸長しており、T字の横棒部分に相当する第2のミシン目部95b(本発明の第2の内部分離加工線部に対応する)はラベル片91の伸長方向と垂直の方向に沿って伸長しており、この第2のミシン目部95bに第1のミシン目部95aの基端92側の端がその中央に突き当たるように構成されている。なお、本実施形態では、第1のミシン目部95aの自由端93側の先端が直線状態で終端しているが、この部分を曲線状態で湾曲し、基端92の方向又はそれよりラベル片91の中心軸方向に向かって終端させても良い。このように湾曲させることにより、ラベル片を挿入して力が印加された際にその負荷の印加される部分で裂けが発生するような不都合は生じない。また、終端方向が自由端93の方向や側縁方向ではないため、ラベル片を挿入して力が印加された際にその終端部分で横裂けが発生するような不都合も生じない。
【0074】
第2のミシン目部95bの両端は、曲線状態で湾曲し、自由端93の方向又はそれよりラベル片91の中心軸方向に向かって終端している。このように湾曲していることにより、ラベル片を挿入して力が印加された際にその負荷の印加される部分で裂けが発生するような不都合は生じない。また、終端方向が基端92の方向や側縁方向ではないため、ラベル片を挿入して力が印加された際にその終端部分で横裂けが発生するような不都合も生じない。
【0075】
なお、本発明における内部分離加工線を、ミシン目95に代えて一部を仮止めした切込み線で構成しても良い。この場合、例えば、T字の横棒部分に突き当たるT字の縦棒部分の先端部の1カ所のみを仮止めし、残りの部分を切込み線で構成することが望ましい。このように構成することにより、巻きラベルを作成する際のラベル片91の挿入が非常に容易となる。
【0076】
各ラベル片91のミシン目55より自由端93側の位置には、表示すべき情報を印刷するための表示部98が形成されている。
【0077】
ラベル用紙90は、印刷可能でありある程度の耐水性及びある程度の強度を有する材料であることが望ましいが、ラベル片91を屋内で使用する場合には、耐水性がなくとも良い。ラベル用紙90は、例えば二軸延伸フィルム、一軸延伸フィルム、無延伸フィルム、その他のプラスチック用紙、不織布、又は含浸紙等で構成される。ラベル用紙90のサイズも、A4に限定することなく、使用用途に応じていかなるサイズのものを用いても良い。
【0078】
次に、本実施形態におけるラベル用紙90の使用方法について説明する。
【0079】
図9に示すようなラベル用紙90について、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ又はその他のプリンタによって、各ラベル片91の表示部98に所望の情報、例えばラベルを巻き付ける対象の名称、型番、価格、バーコード等の一次元コード、QRコード(登録商標)等の二次元コード、又はその他の情報を印刷する。
【0080】
次いで、ミシン目94に沿って切取りを行うことにより、図10に示すような個々のラベル片91に分離する。
【0081】
次いで、ラベル片91の基端92側の部分を細長い物品等のラベルを巻き付ける対象に巻き付け、ミシン目95内に基端92を挿入し、複数の括り部96のうちの最適な括り部がT字の横棒部分に相当する第2のミシン目部95bを通るようにその基端92の部分を引っ張る。これにより、ラベルを巻き付ける対象の周囲にループが巻かれて、巻きラベルの装着が終了する。
【0082】
以上説明したように、本実施形態によれば、ラベル用紙90は、複数のラベル片91が互いに並列に連結配置されて構成されている。各ラベル片91の外周は、ミシン目94で規定されており、従って、隣接するラベル片91とはこのミシン目94で境界が規定されている。各ラベル片91には、T字形状のミシン目95が形成されている。さらに、各ラベル片91の各側縁には凹状の複数の括り部96及び凸状の複数の突出部97が形成されている。各ラベル片91の複数の括り部96と、これに隣接するラベル片91の複数の突出部97とが、互いに嵌め込み合うように形成されている。このように、各ラベル片91の複数の括り部96とこれに隣接するラベル片91の複数の突出部97とが互いに嵌め込み合うように形成されているため、ラベル用紙90に開口部を設けることなく複数の括り部96を構成することができ、また、T字形状のミシン目95が形成されているため、巻きラベルを作成する際にラベル片91の基端92を挿入するこの部分に開口部を設ける必要がない。従って、ラベル用紙90には開口部が存在せず、ミシン目又は切込み線が設けられているのみである。開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、フィーダ部の突起部にラベル用紙90が引っ掛かり、印刷エラーを起したり、その突起部を破損するような不都合は発生しない。また、開口部が存在しないために、プリンタによって印刷を行う場合に、用紙が存在すること及び用紙のサイズを確認するためのセンサが誤検出を起して、印刷エラーを起すような不都合も発生しない。さらに、開口部が存在しないために、用紙を抜き加工する必要もなく、その抜きカスの除去作業も不要であるため、製造のコストアップは生じない。もちろん、粘着部が存在しないので、水分や埃等の存在する使用環境に対して耐性のある巻きラベルを作成可能である。
【0083】
また、本実施形態によれば、特に、複数の括り部96及び複数の突出部97より自由端93側にミシン目95を設けてこのミシン目95内に基端92を挿入するように構成しているため、対象の周囲にループを巻いてミシン目95内に基端92を挿入し、ラベルを巻き付ける作業が容易となり、巻きラベルの装着がより簡単になる。
【0084】
さらに、本実施形態によれば、特に、ラベル片91の伸長方向に沿って複数の括り部96が配置されているため、巻きラベルとした際のループの径を可変調整することができる。
【0085】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【符号の説明】
【0086】
10、50、70、90 ラベル用紙
11、51、71、91 ラベル片
12、52、72、92 基端
13、53、73、93 自由端
14、15、54、55、74、75、94、95 ミシン目
15a、55a、75a、95a 第1のミシン目部
15b、55b、75b、95b 第2のミシン目部
16、56、76、96 括り部
17、57、77、97 突出部
18、58、78、98 表示部
19 情報
20 ループ
21 幹
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端から他端へ伸長する複数のラベル片が外周分離加工線を介して互いに並列に連結配置されており、該複数のラベル片の各々は、T字形状の内部分離加工線と、該内部分離加工線より前記他端側又は前記一端側の各側縁に形成された凹状の少なくとも1つの括り部及び凸状の少なくとも1つの突出部とを備えており、該複数のラベル片の各々の前記凹状の少なくとも1つの括り部と、隣接するラベル片の前記凸状の少なくとも1つの突出部とが、互いに嵌め込み合うように形成されていることを特徴とするラベル用紙。
【請求項2】
前記少なくとも1つの括り部が、単一の括り部であることを特徴とする請求項1に記載のラベル用紙。
【請求項3】
前記少なくとも1つの括り部が、ラベル片の伸長方向に沿って配置された複数の括り部であることを特徴とする請求項1に記載のラベル用紙。
【請求項4】
前記内部分離加工線が、ラベル片の伸長方向に沿って直線状に伸長する第1の内部分離加工線部と、該第1の内部分離加工線部の前記一端側の端が中央に突き当たっており、ラベル片の伸長方向と垂直の方向に沿って伸長する第2の内部分離加工線部とを備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のラベル用紙。
【請求項5】
前記第2の内部分離加工線部の両端が、曲線状態で湾曲して終端していることを特徴とする請求項4に記載のラベル用紙。
【請求項6】
前記第2の内部分離加工線部の両端が、前記他端方向又はそれより内側方向に向かって終端していることを特徴とする請求項4又は5に記載のラベル用紙。
【請求項7】
前記第1の内部分離加工線部の前記他端側の端が、曲線状態で湾曲して終端していることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載のラベル用紙。
【請求項8】
前記内部分離加工線が、ミシン目で構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のラベル用紙。
【請求項9】
前記内部分離加工線が、一部を仮止めした切込み線で構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のラベル用紙。
【請求項1】
一端から他端へ伸長する複数のラベル片が外周分離加工線を介して互いに並列に連結配置されており、該複数のラベル片の各々は、T字形状の内部分離加工線と、該内部分離加工線より前記他端側又は前記一端側の各側縁に形成された凹状の少なくとも1つの括り部及び凸状の少なくとも1つの突出部とを備えており、該複数のラベル片の各々の前記凹状の少なくとも1つの括り部と、隣接するラベル片の前記凸状の少なくとも1つの突出部とが、互いに嵌め込み合うように形成されていることを特徴とするラベル用紙。
【請求項2】
前記少なくとも1つの括り部が、単一の括り部であることを特徴とする請求項1に記載のラベル用紙。
【請求項3】
前記少なくとも1つの括り部が、ラベル片の伸長方向に沿って配置された複数の括り部であることを特徴とする請求項1に記載のラベル用紙。
【請求項4】
前記内部分離加工線が、ラベル片の伸長方向に沿って直線状に伸長する第1の内部分離加工線部と、該第1の内部分離加工線部の前記一端側の端が中央に突き当たっており、ラベル片の伸長方向と垂直の方向に沿って伸長する第2の内部分離加工線部とを備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のラベル用紙。
【請求項5】
前記第2の内部分離加工線部の両端が、曲線状態で湾曲して終端していることを特徴とする請求項4に記載のラベル用紙。
【請求項6】
前記第2の内部分離加工線部の両端が、前記他端方向又はそれより内側方向に向かって終端していることを特徴とする請求項4又は5に記載のラベル用紙。
【請求項7】
前記第1の内部分離加工線部の前記他端側の端が、曲線状態で湾曲して終端していることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載のラベル用紙。
【請求項8】
前記内部分離加工線が、ミシン目で構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のラベル用紙。
【請求項9】
前記内部分離加工線が、一部を仮止めした切込み線で構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のラベル用紙。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−93643(P2012−93643A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242497(P2010−242497)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(507309817)株式会社マーク・コーポレーション (3)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(507309817)株式会社マーク・コーポレーション (3)
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