ラベル発行装置およびプリンタ
【課題】ラベルが取り去られたことの誤検知を防止すること。
【解決手段】実施の形態のラベル発行装置では、少なくとも一部が台紙から剥離させたラベルがセンサにより検知されなくなった場合に、前記ラベルと台紙とを有するラベル用紙を搬送する。実施の形態のラベル発行装置は、前記ラベルが、前記センサが検知可能な検知範囲から外れることを阻止する阻止部材、を備える。
【解決手段】実施の形態のラベル発行装置では、少なくとも一部が台紙から剥離させたラベルがセンサにより検知されなくなった場合に、前記ラベルと台紙とを有するラベル用紙を搬送する。実施の形態のラベル発行装置は、前記ラベルが、前記センサが検知可能な検知範囲から外れることを阻止する阻止部材、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、ラベル発行装置およびプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
ラベルプリンタは、ラベルを台紙から剥がす剥離機構を付属品として備え、当該剥離機構により台紙から剥がされたラベルをラベル発行口から発行する。そして、ラベル発行口から発行されたラベルは、操作者または自動ラベル貼り装置によって取り去られて梱包品や機械などに貼付される。
【0003】
このようなラベルプリンタは、ラベル発行口よりラベルの搬送方向下流側に、剥離機構により台紙から剥がされたラベルが操作者や自動ラベル貼り装置により取り去られたことを検知するセンサを備えている(特許文献1参照)。そして、ラベルプリンタは、センサによりラベルが取り去られたことが検知されると、剥離機構により台紙から次のラベルを剥がし、当該次のラベルをラベル発行口へと搬送して、再び操作者や自動ラベル貼り装置によりラベルが取り去られる準備をする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のラベルプリンタは、例えば、ラベルの搬送方向への長さが通常よりも長いラベルや腰の弱いラベルをラベル発行口から発行する際に、ラベルがラベル発行口から垂れ下がってしまうことがある。そのため、従来のラベルプリンタでは、ラベル発行口から発光されたラベルが、センサの検知範囲から外れて、ラベルがまだラベル発行口に残っているにも関わらず、ラベルが取り去られたものとセンサが誤検知する、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施の形態のラベル発行装置は、少なくとも一部が台紙から剥離させたラベルがセンサにより検知されなくなった場合に、前記ラベルと台紙とを有するラベル用紙を搬送する。実施の形態のラベル発行装置は、前記ラベルが、前記センサが検知可能な検知範囲から外れることを阻止する阻止部材、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、実施の形態にかかるラベルプリンタの外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、プリンタユニットがハウジングに収納された状態のラベルプリンタの概略的な断面図である。
【図3】図3は、プリンタユニットがハウジングから引き出された状態を示す斜視図である。
【図4】図4は、ラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す斜視図である。
【図5】図5は、ラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す縦断側面図である。
【図6】図6は、従来のラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す斜視図である。
【図7】図7は、従来のラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す斜視図である。
【図8】図8は、従来のラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す縦断側面図である。
【図9】図9は、本実施の形態にかかるラベルプリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、本実施の形態にかかるラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す斜視図である。
【図11】図11は、本実施の形態にかかるラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1の実施の形態)
図1は、実施の形態にかかるラベルプリンタの外観を示す斜視図である。ラベルプリンタ100は、略直方体形状のハウジング102を有する。このハウジング102の上面には、テンキー等の各種のキーを含んで構成される操作パネル103と、液晶ディスプレイを有する表示部としてのディスプレイ104とが設けられている。ハウジング102の正面側には開口部が形成されており、その内部には、二つのプリンタユニット105,106が横並びに収納されている。
【0008】
いずれのプリンタユニット105,106にも、その正面にはフロントパネル105a,106aが取り付けられている。フロントパネル105a,106aの上部には、ラベル発行口105b,106bが開口されている。フロントパネル105a,106aの下部には、把持部105c,106cが形成されている。また、いずれのプリンタユニット105,106も、正面方向に引出収納可能にハウジング102に支持されて取り付けられている。作業者は把持部105c、106cを把持してプリンタユニット105、106をハウジング102から引き出すことができる。
【0009】
図1中、ラベルプリンタ100の正面に隣接配置された機器は、計量装置108である。計量装置108は、扁平形状の本体装置109と、この本体装置109の上面に取り付けられた計量皿110とにより構成される。本体装置109は、計量皿110に載置された品物の重量を計量し、その計量データを出力する機能を有する。ラベルプリンタ100と計量装置108とは電気的に接続されている。計量装置108から出力された計量データは、ラベルプリンタ100に入力される。
【0010】
図2は、プリンタユニットがハウジングに収納された状態のラベルプリンタの概略的な断面図である。図2では、二つのプリンタユニット105,106のうち、ラベルプリンタ100の正面側から見て右側に位置する一方のプリンタユニット105について示している。左側に位置する他方のプリンタユニット106は、図2に示すプリンタユニット105と同様な構造を有している。以下、右側に位置するプリンタユニット105についてのみ説明し、左側に位置するプリンタユニット106については、説明を省略する。
【0011】
本実施の形態において、プリンタユニット105に用いるラベル用紙112は、ラベル113および台紙114を有し、ロール状に巻回されたロール紙である。より具体的には、ラベル用紙112は、複数枚のラベル113を長尺状の台紙114に列状に貼付し、これを紙管115に巻き付けてロール状に巻回したものである。ラベル113には、加熱によって発色する感熱ラベルや加熱によりリボンから熱転写する転写ラベル等が用いられている。
【0012】
プリンタユニット105は、用紙保持軸117とプラテン118と台紙巻取軸119とを備える。用紙保持軸117は、紙管115を挿入させてラベル用紙112を保持する。台紙巻取軸119は、ラベル用紙112が有する台紙114を巻き取る。用紙保持軸117、プラテン118、台紙巻取軸119はいずれも、プリンタユニット105が有する側壁120から突出して片持ち状態に維持されている。この用紙保持軸117とプラテン118と後述するラベル剥離部121と台紙巻取軸119とによって、プリンタユニット105には、用紙保持軸117から台紙巻取軸119に至るラベル用紙112の案内経路122が形成される。
【0013】
プリンタユニット105は、ラベル剥離部121を有している。このラベル剥離部121は、案内経路122におけるプラテン118よりもラベル113の搬送方向下流側に配置され、台紙114に貼付されたラベル113を搬送する途上で、ラベル113から離反させる方向に台紙114を鋭角に屈曲させることにより印字済みのラベル113を台紙114から剥離させる。そして、台紙114から剥離したラベル113は、ラベル発行口105bから発行される。ラベル113が剥離した台紙114は、台紙巻取軸119により巻き取られる。
【0014】
用紙保持軸117は、上述のようにプリンタユニット105の側壁120に片持ち状態で水平に維持され、ラベル用紙112の紙管115に挿入した状態でラベル用紙112を保持する。すなわち、側壁120は、ラベル用紙112の一方の端面である第1端面112aを位置決めする基準面として機能する。また、用紙保持軸117は、この基準面となる側壁120による端面基準でロール状に巻回されたラベル用紙112を回転可能に保持する用紙保持部として機能する。
【0015】
紙管115を挿入して用紙保持軸117に保持されたラベル用紙112は、側壁120側(図2における奥側)ではなくその反対側(図2における手前側)を向いている第2端面112bを、干渉体としての回動部材202に付勢され、ラベル用紙112の幅方向(用紙保持軸117の軸心方向)に押し込まれる。一方、ラベル用紙112の第1端面112aは、基準面となる側壁120に当接する。このようにして、ラベル用紙112が側壁120と回動部材202とに挟まれることで、案内経路122に沿って引き出される際に幅方向に動こうとするロール紙の動きが規制される。
【0016】
回動部材202は、ロール紙保持機構201の一部をなすアーム主部203の先端に回動部材用回動軸207を介して回動可能に取り付けられ、アーム主部203が回動しラベル用紙112の第2端面112bに干渉することによって回転変位する。
【0017】
プラテン118は、案内経路122に対し下側に配置されている。このプラテン118は、プラテン用モータ(図示せず)からギア列(図示せず)を介して駆動力を受けて回転し、案内経路122上のラベル用紙112に搬送力を付与し、用紙保持軸117に保持されたラベル用紙112を案内経路122に沿って引き出す。このように、プラテン118とプラテン用モータとギア列とは、ラベル用紙112を引き出して案内経路122に沿って搬送する搬送部として機能する。
【0018】
台紙巻取軸119は、巻取用モータ(図示せず)から側壁120の裏面側に配列されているギア列(図示せず)を介して駆動力を受けて回転し、ラベル剥離部121を通過したラベル用紙112のうち台紙114のみを巻き取る。ラベル剥離部121及び台紙巻取軸119は、この台紙巻取軸119が台紙114を巻き取ってラベル剥離部121の部分で台紙114を鋭角に屈曲させる位置にそれぞれ位置付けられている。
【0019】
ハウジング102の内側下方には、一対のレール111が設けられている。レール111は、ハウジング102の正面側に設けられた開口部から奥側に向けて水平に延びており、プリンタユニット105をスライド自在に支持している。このため、作業者は、プリンタユニット105の把持部105cを把持して引き出すことで、レール111に沿ってプリンタユニット105を正面方向に向けてスライド移動させ、ハウジング102に収納された状態(図2)からハウジング102の外部まで引き出された状態(図3参照)に位置づけることができる。また、作業者は、この把持部105cを把持して、レール111に沿ってプリンタユニット105を奥側方向に向けてスライド移動させ、引き出された状態(図3参照)から収納された状態(図2)に位置づけることもできる。
【0020】
ハウジング102の内部上方には、サーマルヘッド125が配置されている。このサーマルヘッド125は、ライン型のサーマルプリントヘッドで、プリンタユニット105がハウジング102に収納された状態においてプラテン118と対向する位置に取り付けられている。サーマルヘッド125は、プラテン118とともに印字部126を構成する。
【0021】
図3は、プリンタユニットがハウジングから引き出された状態を示す斜視図である。プリンタユニット105の骨格は、前述した側壁120を有する側部フレーム130と、底部をなす底部フレーム131とを中心に構成されている。底部フレーム131の一方の側部には、側部フレーム130が固定的に取り付けられており、他方の側部は開放されている。そのため、プリンタユニット105は、正面側から見て略L字形状をなしている。側部フレーム130の側壁120は、底部フレーム131に対して平行に、用紙保持軸117、プラテン118、ラベル剥離部121および台紙巻取軸119を片持ち状態に支持している。底部フレーム131の両側部分は、レール111を介して、ハウジング102にスライド自在に支持されている。
【0022】
本実施の形態のラベルプリンタ100は、フロントパネル105a、106a側が、プリンタユニット105、106を収納する際の奥側より高くなるように傾斜している。これにより、プリンタユニット105、106は、重力によりハウジング102に収納される方向に力が掛かるため、プリンタユニット105、106が不要に引き出されることによってラベルプリンタ100がプリントパネル105a、106a側に傾き転倒することを防止している。
【0023】
図4は、ラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す斜視図である。図5は、ラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す縦断側面図である。
【0024】
ラベル発行口105b付近には、ラベル剥離部121とプラテン118とサーマルヘッド125とに加えて、センサ400および阻止部材403が設けられている。
【0025】
センサ400は、ラベル発行口105bよりラベル113の搬送方向下流側に設けられ、少なくとも一部を台紙114から剥離させたラベル113を検知するものである。本実施の形態では、センサ400には、発光素子401と受光素子402との組からなる透過型センサを用いている。発光素子401は、ラベル発行口105bの幅方向の端部405に設けられ、ラベル113の印字面113a側から光を発光する。受光素子402は、ラベル発行口105bの幅方向の端部406に設けられ、ラベル113の粘着面113b側で光を受光する。つまり、センサ400は、発光素子401から受光素子402に向う光の光軸404上(ラベル113を検知可能な検知範囲)にラベル113が存在して、受光素子402によって光を受光することができない場合に、ラベル発行口105bに発行されたラベル113を検知する。
【0026】
なお、本実施の形態では、発光素子401および受光素子402は、台紙から一部が剥離されたラベル113を取る場合に発光素子401や受光素子402が邪魔にならないように、ラベル113の搬送路から外れた位置にある、ラベル発行口105bの幅方向の端部405,406に分けて設けられているが、発光素子401および受光素子402がラベル発行口105bに存在するラベル113を介して設けられていれば、これに限定するものではない。例えば、ラベル発行口105bの幅方向の中央部において、ラベル113を介して上下に発光素子401および受光素子402をそれぞれ設けても良い。
【0027】
また、本実施の形態では、発光素子401および受光素子402の組からなる透過型センサをセンサ400として用いているが、少なくとも一部が台紙114から剥離されたラベル113を検知することができるものであれば、これに限定するものではない。例えば、反射型センサをセンサ400として用いても良い。
【0028】
阻止部材403は、センサ400よりラベル113の搬送方向下流側に設けられ、ラベル113がセンサ400の光軸404から外れることを阻止するものである。本実施の形態では、阻止部材403がセンサ400よりラベル113の搬送方向下流側に設けられているため、台紙114から剥離したラベル113がセンサ400の光軸404に達する前で折れ曲がってしまうことを防止できる。また、本実施の形態では、阻止部材403には、ラベル113がセンサ400の光軸404から外れないようにラベル113の粘着面113b(下面)を支持する棒状の部材を用いている。阻止部材403の両端は、ラベル発行口105bの幅方向の端部405および端部406に支持されている。これにより、センサ400によって阻止部材403が誤ってラベル113と検知されることを防止できる。なお、本実施の形態では、阻止部材403に棒状の部材を用いているが、ラベル113の搬送方向への幅が短い部材であれば、これに限定するものではない。
【0029】
また、阻止部材403には、ラベル113の粘着面113bとの粘着を防止するために、フッ素樹脂、テフロン(登録商標)、シリコンなど、ラベル113の粘着面113bと粘着しない非粘着性の部材を用いている。若しくは、阻止部材403には、ラベル発行口105bの幅方向の両端部405,406に回転自在に軸支することにより、ラベル113の粘着面113bに粘着しないようにしても良い。
【0030】
なお、本実施の形態では、センサ400よりラベル113の搬送方向下流側に設けられ、ラベル113の粘着面113bを支持する棒状の部材を阻止部材403として用いているが、センサ400の検知範囲からラベル113が外れることを阻止できるものであれば、これに限定するものではない。例えば、阻止部材403には、発光素子401から受光素子402に向けて発光された光の光軸404上に設けられ、ラベル113の粘着面113bを支持する部材を用いても良い。若しくは、阻止部材403には、センサ400とラベル剥離部121との間に設けられ、ラベル113の粘着面113bを支持する部材を用いても良い。
【0031】
図6および図7は、従来のラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す斜視図である。図8は、従来のラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す縦断側面図である。
【0032】
従来のラベルプリンタにおいては、図6に示すように、ラベル113の腰が強い場合若しくはラベル113の搬送方向への長さが短い場合には、ラベル113が光軸404よりも下に折れ曲がらず、ラベル113が光軸404から外れることを阻止することができる。しかしながら、従来のラベルプリンタにおいては、図7および図8に示すように、ラベル113の腰が弱い場合やラベル113の搬送方向への長さが長い場合には、ラベル113が光軸404よりも下に折れ曲がってしまう。そのため、ラベル113がラベル発行口105bに残っているにも関わらず、センサ400が、ラベル113が操作者等によって取り去られたことを誤検知することがある。
【0033】
しかし、本実施の形態にかかるラベルプリンタ100によれば、ラベル113の腰が弱い場合やラベル113の搬送方向への長さが長い場合であっても、阻止部材403によってラベル113がセンサ400の光軸404から外れることを阻止できるので、ラベル113が操作者等によって取り去られたことを誤検知することを防止できる。
【0034】
図9は、本実施の形態にかかるラベルプリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。図9に示すように、ラベルプリンタ100は、CPU901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903とを備えており、各部がバス904や各種インターフェースで接続されている。CPU901は、ROM902に格納されたプログラムをRAM903に展開して実行することで、ラベルプリンタ100のシステム全体を制御する制御部として機能する。CPU901は、センサ400によりラベル113が検知されなくなった場合に、プラテン118を制御して、用紙保持軸117に保持されたラベル用紙112を案内経路122に沿って引き出すことにより、ラベル発行口105bに向けてラベル113を搬送する。
【0035】
また、CPU901には、バス904やその他のインターフェースを介して、図1で示したディスプレイ104、操作パネル103、計量装置108、およびプリンタユニット105,106が接続されている。
【0036】
このように本実施の形態によれば、少なくとも一部が台紙114から剥離されたラベル113がセンサ400により検知されなくなった場合に、ラベル用紙112を搬送するラベルプリンタ100において、ラベル113が、センサ400が検知可能な検知範囲から外れることを阻止する阻止部材403を備えることにより、ラベル113の腰が弱い場合やラベル113の搬送方向への長さが長い場合であっても、阻止部材403によってラベル113がセンサ400の光軸404から外れることを阻止することができるので、ラベル113が操作者等によって取り去られたことを誤検知することを防止できる。
【0037】
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、ラベルがセンサの検知範囲から外れることを阻止する阻止位置と非阻止位置との間を移動する態様で阻止部材を設けた例である。なお、以下の説明では、第1の実施の形態にかかるラベルプリンタと同様の構成については説明を省略し、第1の実施の形態にかかるラベルプリンタと異なる構成についてのみ説明する。
【0038】
図10は、本実施の形態にかかるラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す斜視図である。図11は、本実施の形態にかかるラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す縦断側面図である。
【0039】
本実施の形態にかかるラベルプリンタ100は、ラベル113がセンサ400の検知範囲(光軸404上)から外れることを阻止する阻止部材1001を、ラベル113が光軸404から外れることを阻止する阻止位置(実線で示す)と非阻止位置(点線で示す)との間で移動する態様で設けている。より具体的には、阻止部材1001は、ラベル発行口105bの幅方向の両端部405,406に回動自在に支持された回動部材1002に固定されている。そして、阻止部材1001は、回動部材1002の回動に伴い、センサ400よりラベル113の搬送方向下流側に設けられた阻止位置(実線で示す)と、センサ400の下に移動した非阻止位置との間で移動する。
【0040】
このように本実施の形態によれば、ラベル113がセンサ400の光軸404から外れることを阻止する阻止位置と非阻止位置との間を移動する態様で阻止部材1001を設けることにより、ラベル113の搬送方向への長さが短いラベル113や腰の強いラベル113を発行する場合には、操作者等がラベル113と取り去る際に邪魔にならないように阻止部材1001を収納することができるので、ラベルプリンタ100の利便性をより向上させることができる。
【0041】
以上に説明したとおり、第1の実施の形態および第2の実施の形態のラベルプリンタ100によれば、ラベルが取り去られたことの誤検知を防止することができる。
【符号の説明】
【0042】
100 ラベルプリンタ
105b ラベル発行口
113 ラベル
114 台紙
400 センサ
403,1001 阻止部材
404 光軸
【先行技術文献】
【特許文献】
【0043】
【特許文献1】特開2007−15182号公報
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、ラベル発行装置およびプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
ラベルプリンタは、ラベルを台紙から剥がす剥離機構を付属品として備え、当該剥離機構により台紙から剥がされたラベルをラベル発行口から発行する。そして、ラベル発行口から発行されたラベルは、操作者または自動ラベル貼り装置によって取り去られて梱包品や機械などに貼付される。
【0003】
このようなラベルプリンタは、ラベル発行口よりラベルの搬送方向下流側に、剥離機構により台紙から剥がされたラベルが操作者や自動ラベル貼り装置により取り去られたことを検知するセンサを備えている(特許文献1参照)。そして、ラベルプリンタは、センサによりラベルが取り去られたことが検知されると、剥離機構により台紙から次のラベルを剥がし、当該次のラベルをラベル発行口へと搬送して、再び操作者や自動ラベル貼り装置によりラベルが取り去られる準備をする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のラベルプリンタは、例えば、ラベルの搬送方向への長さが通常よりも長いラベルや腰の弱いラベルをラベル発行口から発行する際に、ラベルがラベル発行口から垂れ下がってしまうことがある。そのため、従来のラベルプリンタでは、ラベル発行口から発光されたラベルが、センサの検知範囲から外れて、ラベルがまだラベル発行口に残っているにも関わらず、ラベルが取り去られたものとセンサが誤検知する、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施の形態のラベル発行装置は、少なくとも一部が台紙から剥離させたラベルがセンサにより検知されなくなった場合に、前記ラベルと台紙とを有するラベル用紙を搬送する。実施の形態のラベル発行装置は、前記ラベルが、前記センサが検知可能な検知範囲から外れることを阻止する阻止部材、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、実施の形態にかかるラベルプリンタの外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、プリンタユニットがハウジングに収納された状態のラベルプリンタの概略的な断面図である。
【図3】図3は、プリンタユニットがハウジングから引き出された状態を示す斜視図である。
【図4】図4は、ラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す斜視図である。
【図5】図5は、ラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す縦断側面図である。
【図6】図6は、従来のラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す斜視図である。
【図7】図7は、従来のラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す斜視図である。
【図8】図8は、従来のラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す縦断側面図である。
【図9】図9は、本実施の形態にかかるラベルプリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、本実施の形態にかかるラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す斜視図である。
【図11】図11は、本実施の形態にかかるラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1の実施の形態)
図1は、実施の形態にかかるラベルプリンタの外観を示す斜視図である。ラベルプリンタ100は、略直方体形状のハウジング102を有する。このハウジング102の上面には、テンキー等の各種のキーを含んで構成される操作パネル103と、液晶ディスプレイを有する表示部としてのディスプレイ104とが設けられている。ハウジング102の正面側には開口部が形成されており、その内部には、二つのプリンタユニット105,106が横並びに収納されている。
【0008】
いずれのプリンタユニット105,106にも、その正面にはフロントパネル105a,106aが取り付けられている。フロントパネル105a,106aの上部には、ラベル発行口105b,106bが開口されている。フロントパネル105a,106aの下部には、把持部105c,106cが形成されている。また、いずれのプリンタユニット105,106も、正面方向に引出収納可能にハウジング102に支持されて取り付けられている。作業者は把持部105c、106cを把持してプリンタユニット105、106をハウジング102から引き出すことができる。
【0009】
図1中、ラベルプリンタ100の正面に隣接配置された機器は、計量装置108である。計量装置108は、扁平形状の本体装置109と、この本体装置109の上面に取り付けられた計量皿110とにより構成される。本体装置109は、計量皿110に載置された品物の重量を計量し、その計量データを出力する機能を有する。ラベルプリンタ100と計量装置108とは電気的に接続されている。計量装置108から出力された計量データは、ラベルプリンタ100に入力される。
【0010】
図2は、プリンタユニットがハウジングに収納された状態のラベルプリンタの概略的な断面図である。図2では、二つのプリンタユニット105,106のうち、ラベルプリンタ100の正面側から見て右側に位置する一方のプリンタユニット105について示している。左側に位置する他方のプリンタユニット106は、図2に示すプリンタユニット105と同様な構造を有している。以下、右側に位置するプリンタユニット105についてのみ説明し、左側に位置するプリンタユニット106については、説明を省略する。
【0011】
本実施の形態において、プリンタユニット105に用いるラベル用紙112は、ラベル113および台紙114を有し、ロール状に巻回されたロール紙である。より具体的には、ラベル用紙112は、複数枚のラベル113を長尺状の台紙114に列状に貼付し、これを紙管115に巻き付けてロール状に巻回したものである。ラベル113には、加熱によって発色する感熱ラベルや加熱によりリボンから熱転写する転写ラベル等が用いられている。
【0012】
プリンタユニット105は、用紙保持軸117とプラテン118と台紙巻取軸119とを備える。用紙保持軸117は、紙管115を挿入させてラベル用紙112を保持する。台紙巻取軸119は、ラベル用紙112が有する台紙114を巻き取る。用紙保持軸117、プラテン118、台紙巻取軸119はいずれも、プリンタユニット105が有する側壁120から突出して片持ち状態に維持されている。この用紙保持軸117とプラテン118と後述するラベル剥離部121と台紙巻取軸119とによって、プリンタユニット105には、用紙保持軸117から台紙巻取軸119に至るラベル用紙112の案内経路122が形成される。
【0013】
プリンタユニット105は、ラベル剥離部121を有している。このラベル剥離部121は、案内経路122におけるプラテン118よりもラベル113の搬送方向下流側に配置され、台紙114に貼付されたラベル113を搬送する途上で、ラベル113から離反させる方向に台紙114を鋭角に屈曲させることにより印字済みのラベル113を台紙114から剥離させる。そして、台紙114から剥離したラベル113は、ラベル発行口105bから発行される。ラベル113が剥離した台紙114は、台紙巻取軸119により巻き取られる。
【0014】
用紙保持軸117は、上述のようにプリンタユニット105の側壁120に片持ち状態で水平に維持され、ラベル用紙112の紙管115に挿入した状態でラベル用紙112を保持する。すなわち、側壁120は、ラベル用紙112の一方の端面である第1端面112aを位置決めする基準面として機能する。また、用紙保持軸117は、この基準面となる側壁120による端面基準でロール状に巻回されたラベル用紙112を回転可能に保持する用紙保持部として機能する。
【0015】
紙管115を挿入して用紙保持軸117に保持されたラベル用紙112は、側壁120側(図2における奥側)ではなくその反対側(図2における手前側)を向いている第2端面112bを、干渉体としての回動部材202に付勢され、ラベル用紙112の幅方向(用紙保持軸117の軸心方向)に押し込まれる。一方、ラベル用紙112の第1端面112aは、基準面となる側壁120に当接する。このようにして、ラベル用紙112が側壁120と回動部材202とに挟まれることで、案内経路122に沿って引き出される際に幅方向に動こうとするロール紙の動きが規制される。
【0016】
回動部材202は、ロール紙保持機構201の一部をなすアーム主部203の先端に回動部材用回動軸207を介して回動可能に取り付けられ、アーム主部203が回動しラベル用紙112の第2端面112bに干渉することによって回転変位する。
【0017】
プラテン118は、案内経路122に対し下側に配置されている。このプラテン118は、プラテン用モータ(図示せず)からギア列(図示せず)を介して駆動力を受けて回転し、案内経路122上のラベル用紙112に搬送力を付与し、用紙保持軸117に保持されたラベル用紙112を案内経路122に沿って引き出す。このように、プラテン118とプラテン用モータとギア列とは、ラベル用紙112を引き出して案内経路122に沿って搬送する搬送部として機能する。
【0018】
台紙巻取軸119は、巻取用モータ(図示せず)から側壁120の裏面側に配列されているギア列(図示せず)を介して駆動力を受けて回転し、ラベル剥離部121を通過したラベル用紙112のうち台紙114のみを巻き取る。ラベル剥離部121及び台紙巻取軸119は、この台紙巻取軸119が台紙114を巻き取ってラベル剥離部121の部分で台紙114を鋭角に屈曲させる位置にそれぞれ位置付けられている。
【0019】
ハウジング102の内側下方には、一対のレール111が設けられている。レール111は、ハウジング102の正面側に設けられた開口部から奥側に向けて水平に延びており、プリンタユニット105をスライド自在に支持している。このため、作業者は、プリンタユニット105の把持部105cを把持して引き出すことで、レール111に沿ってプリンタユニット105を正面方向に向けてスライド移動させ、ハウジング102に収納された状態(図2)からハウジング102の外部まで引き出された状態(図3参照)に位置づけることができる。また、作業者は、この把持部105cを把持して、レール111に沿ってプリンタユニット105を奥側方向に向けてスライド移動させ、引き出された状態(図3参照)から収納された状態(図2)に位置づけることもできる。
【0020】
ハウジング102の内部上方には、サーマルヘッド125が配置されている。このサーマルヘッド125は、ライン型のサーマルプリントヘッドで、プリンタユニット105がハウジング102に収納された状態においてプラテン118と対向する位置に取り付けられている。サーマルヘッド125は、プラテン118とともに印字部126を構成する。
【0021】
図3は、プリンタユニットがハウジングから引き出された状態を示す斜視図である。プリンタユニット105の骨格は、前述した側壁120を有する側部フレーム130と、底部をなす底部フレーム131とを中心に構成されている。底部フレーム131の一方の側部には、側部フレーム130が固定的に取り付けられており、他方の側部は開放されている。そのため、プリンタユニット105は、正面側から見て略L字形状をなしている。側部フレーム130の側壁120は、底部フレーム131に対して平行に、用紙保持軸117、プラテン118、ラベル剥離部121および台紙巻取軸119を片持ち状態に支持している。底部フレーム131の両側部分は、レール111を介して、ハウジング102にスライド自在に支持されている。
【0022】
本実施の形態のラベルプリンタ100は、フロントパネル105a、106a側が、プリンタユニット105、106を収納する際の奥側より高くなるように傾斜している。これにより、プリンタユニット105、106は、重力によりハウジング102に収納される方向に力が掛かるため、プリンタユニット105、106が不要に引き出されることによってラベルプリンタ100がプリントパネル105a、106a側に傾き転倒することを防止している。
【0023】
図4は、ラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す斜視図である。図5は、ラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す縦断側面図である。
【0024】
ラベル発行口105b付近には、ラベル剥離部121とプラテン118とサーマルヘッド125とに加えて、センサ400および阻止部材403が設けられている。
【0025】
センサ400は、ラベル発行口105bよりラベル113の搬送方向下流側に設けられ、少なくとも一部を台紙114から剥離させたラベル113を検知するものである。本実施の形態では、センサ400には、発光素子401と受光素子402との組からなる透過型センサを用いている。発光素子401は、ラベル発行口105bの幅方向の端部405に設けられ、ラベル113の印字面113a側から光を発光する。受光素子402は、ラベル発行口105bの幅方向の端部406に設けられ、ラベル113の粘着面113b側で光を受光する。つまり、センサ400は、発光素子401から受光素子402に向う光の光軸404上(ラベル113を検知可能な検知範囲)にラベル113が存在して、受光素子402によって光を受光することができない場合に、ラベル発行口105bに発行されたラベル113を検知する。
【0026】
なお、本実施の形態では、発光素子401および受光素子402は、台紙から一部が剥離されたラベル113を取る場合に発光素子401や受光素子402が邪魔にならないように、ラベル113の搬送路から外れた位置にある、ラベル発行口105bの幅方向の端部405,406に分けて設けられているが、発光素子401および受光素子402がラベル発行口105bに存在するラベル113を介して設けられていれば、これに限定するものではない。例えば、ラベル発行口105bの幅方向の中央部において、ラベル113を介して上下に発光素子401および受光素子402をそれぞれ設けても良い。
【0027】
また、本実施の形態では、発光素子401および受光素子402の組からなる透過型センサをセンサ400として用いているが、少なくとも一部が台紙114から剥離されたラベル113を検知することができるものであれば、これに限定するものではない。例えば、反射型センサをセンサ400として用いても良い。
【0028】
阻止部材403は、センサ400よりラベル113の搬送方向下流側に設けられ、ラベル113がセンサ400の光軸404から外れることを阻止するものである。本実施の形態では、阻止部材403がセンサ400よりラベル113の搬送方向下流側に設けられているため、台紙114から剥離したラベル113がセンサ400の光軸404に達する前で折れ曲がってしまうことを防止できる。また、本実施の形態では、阻止部材403には、ラベル113がセンサ400の光軸404から外れないようにラベル113の粘着面113b(下面)を支持する棒状の部材を用いている。阻止部材403の両端は、ラベル発行口105bの幅方向の端部405および端部406に支持されている。これにより、センサ400によって阻止部材403が誤ってラベル113と検知されることを防止できる。なお、本実施の形態では、阻止部材403に棒状の部材を用いているが、ラベル113の搬送方向への幅が短い部材であれば、これに限定するものではない。
【0029】
また、阻止部材403には、ラベル113の粘着面113bとの粘着を防止するために、フッ素樹脂、テフロン(登録商標)、シリコンなど、ラベル113の粘着面113bと粘着しない非粘着性の部材を用いている。若しくは、阻止部材403には、ラベル発行口105bの幅方向の両端部405,406に回転自在に軸支することにより、ラベル113の粘着面113bに粘着しないようにしても良い。
【0030】
なお、本実施の形態では、センサ400よりラベル113の搬送方向下流側に設けられ、ラベル113の粘着面113bを支持する棒状の部材を阻止部材403として用いているが、センサ400の検知範囲からラベル113が外れることを阻止できるものであれば、これに限定するものではない。例えば、阻止部材403には、発光素子401から受光素子402に向けて発光された光の光軸404上に設けられ、ラベル113の粘着面113bを支持する部材を用いても良い。若しくは、阻止部材403には、センサ400とラベル剥離部121との間に設けられ、ラベル113の粘着面113bを支持する部材を用いても良い。
【0031】
図6および図7は、従来のラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す斜視図である。図8は、従来のラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す縦断側面図である。
【0032】
従来のラベルプリンタにおいては、図6に示すように、ラベル113の腰が強い場合若しくはラベル113の搬送方向への長さが短い場合には、ラベル113が光軸404よりも下に折れ曲がらず、ラベル113が光軸404から外れることを阻止することができる。しかしながら、従来のラベルプリンタにおいては、図7および図8に示すように、ラベル113の腰が弱い場合やラベル113の搬送方向への長さが長い場合には、ラベル113が光軸404よりも下に折れ曲がってしまう。そのため、ラベル113がラベル発行口105bに残っているにも関わらず、センサ400が、ラベル113が操作者等によって取り去られたことを誤検知することがある。
【0033】
しかし、本実施の形態にかかるラベルプリンタ100によれば、ラベル113の腰が弱い場合やラベル113の搬送方向への長さが長い場合であっても、阻止部材403によってラベル113がセンサ400の光軸404から外れることを阻止できるので、ラベル113が操作者等によって取り去られたことを誤検知することを防止できる。
【0034】
図9は、本実施の形態にかかるラベルプリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。図9に示すように、ラベルプリンタ100は、CPU901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903とを備えており、各部がバス904や各種インターフェースで接続されている。CPU901は、ROM902に格納されたプログラムをRAM903に展開して実行することで、ラベルプリンタ100のシステム全体を制御する制御部として機能する。CPU901は、センサ400によりラベル113が検知されなくなった場合に、プラテン118を制御して、用紙保持軸117に保持されたラベル用紙112を案内経路122に沿って引き出すことにより、ラベル発行口105bに向けてラベル113を搬送する。
【0035】
また、CPU901には、バス904やその他のインターフェースを介して、図1で示したディスプレイ104、操作パネル103、計量装置108、およびプリンタユニット105,106が接続されている。
【0036】
このように本実施の形態によれば、少なくとも一部が台紙114から剥離されたラベル113がセンサ400により検知されなくなった場合に、ラベル用紙112を搬送するラベルプリンタ100において、ラベル113が、センサ400が検知可能な検知範囲から外れることを阻止する阻止部材403を備えることにより、ラベル113の腰が弱い場合やラベル113の搬送方向への長さが長い場合であっても、阻止部材403によってラベル113がセンサ400の光軸404から外れることを阻止することができるので、ラベル113が操作者等によって取り去られたことを誤検知することを防止できる。
【0037】
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、ラベルがセンサの検知範囲から外れることを阻止する阻止位置と非阻止位置との間を移動する態様で阻止部材を設けた例である。なお、以下の説明では、第1の実施の形態にかかるラベルプリンタと同様の構成については説明を省略し、第1の実施の形態にかかるラベルプリンタと異なる構成についてのみ説明する。
【0038】
図10は、本実施の形態にかかるラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す斜視図である。図11は、本実施の形態にかかるラベルプリンタのラベル発行口付近を拡大して示す縦断側面図である。
【0039】
本実施の形態にかかるラベルプリンタ100は、ラベル113がセンサ400の検知範囲(光軸404上)から外れることを阻止する阻止部材1001を、ラベル113が光軸404から外れることを阻止する阻止位置(実線で示す)と非阻止位置(点線で示す)との間で移動する態様で設けている。より具体的には、阻止部材1001は、ラベル発行口105bの幅方向の両端部405,406に回動自在に支持された回動部材1002に固定されている。そして、阻止部材1001は、回動部材1002の回動に伴い、センサ400よりラベル113の搬送方向下流側に設けられた阻止位置(実線で示す)と、センサ400の下に移動した非阻止位置との間で移動する。
【0040】
このように本実施の形態によれば、ラベル113がセンサ400の光軸404から外れることを阻止する阻止位置と非阻止位置との間を移動する態様で阻止部材1001を設けることにより、ラベル113の搬送方向への長さが短いラベル113や腰の強いラベル113を発行する場合には、操作者等がラベル113と取り去る際に邪魔にならないように阻止部材1001を収納することができるので、ラベルプリンタ100の利便性をより向上させることができる。
【0041】
以上に説明したとおり、第1の実施の形態および第2の実施の形態のラベルプリンタ100によれば、ラベルが取り去られたことの誤検知を防止することができる。
【符号の説明】
【0042】
100 ラベルプリンタ
105b ラベル発行口
113 ラベル
114 台紙
400 センサ
403,1001 阻止部材
404 光軸
【先行技術文献】
【特許文献】
【0043】
【特許文献1】特開2007−15182号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が台紙から剥離させたラベルがセンサにより検知されなくなった場合に、前記ラベルと台紙とを有するラベル用紙を搬送するラベル発行装置において、
前記ラベルが、前記センサが検知可能な検知範囲から外れることを阻止する阻止部材、
を備えたことを特徴とするラベル発行装置。
【請求項2】
前記阻止部材は、前記ラベルが前記検知範囲から外れないように前記ラベルの下面を支持する棒状の部材であることを特徴とする請求項1に記載のラベル発行装置。
【請求項3】
前記阻止部材は、前記センサより前記ラベルの搬送方向下流側に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のラベル発行装置。
【請求項4】
前記阻止部材は、前記ラベルの付着がしない非粘着性の部材であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載のラベル発行装置。
【請求項5】
前記阻止部材は、前記ラベルが前記検知範囲から外れることを阻止する阻止位置と非阻止位置との間を移動する態様で設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載のラベル発行装置。
【請求項6】
少なくとも一部が台紙から剥離させたラベルがセンサにより検知されなくなった場合に、前記ラベルと台紙とを有するラベル用紙を搬送するプリンタにおいて、
前記ラベルが、前記センサが検知可能な検知範囲から外れることを阻止する阻止部材、
を備えたことを特徴とするプリンタ。
【請求項1】
少なくとも一部が台紙から剥離させたラベルがセンサにより検知されなくなった場合に、前記ラベルと台紙とを有するラベル用紙を搬送するラベル発行装置において、
前記ラベルが、前記センサが検知可能な検知範囲から外れることを阻止する阻止部材、
を備えたことを特徴とするラベル発行装置。
【請求項2】
前記阻止部材は、前記ラベルが前記検知範囲から外れないように前記ラベルの下面を支持する棒状の部材であることを特徴とする請求項1に記載のラベル発行装置。
【請求項3】
前記阻止部材は、前記センサより前記ラベルの搬送方向下流側に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のラベル発行装置。
【請求項4】
前記阻止部材は、前記ラベルの付着がしない非粘着性の部材であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載のラベル発行装置。
【請求項5】
前記阻止部材は、前記ラベルが前記検知範囲から外れることを阻止する阻止位置と非阻止位置との間を移動する態様で設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載のラベル発行装置。
【請求項6】
少なくとも一部が台紙から剥離させたラベルがセンサにより検知されなくなった場合に、前記ラベルと台紙とを有するラベル用紙を搬送するプリンタにおいて、
前記ラベルが、前記センサが検知可能な検知範囲から外れることを阻止する阻止部材、
を備えたことを特徴とするプリンタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−235953(P2011−235953A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111350(P2010−111350)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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