説明

ラベル貼付け装置

【課題】ラベル貼付け作業の自動化が図れ、作業能率の向上とワーク部材に対するラベル貼付け位置のばらつきの低減とを達成できるとともに、ラベル貼付け作業を繰り返し安定して正確に遂行可能なラベル貼付け装置を提供する。
【解決手段】シート移動機構13は、ラベル100が配置されたシート101を送り出すように移動させる。ラベル吸着部14は、送り出されたシート101の表面のラベル100を吸着する。ラベル剥離台15は、ラベル100の吸着時にラベル吸着部14との間でラベル100及びシート101を支持し、吸着後にラベル吸着部14に対して変位してシート101からラベル100を剥離させる。前後進駆動機構16は、ラベル剥離台15を前進及び後退方向に駆動する。ラベル貼付け駆動機構17は、ラベル剥離台15の後退後にラベル吸着部14を降下させ、ラベル100をワーク部材102に対して張り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面の剥離層にラベルが直列に並んで配置された帯状のシートからラベルを順番に剥がし、シート状又は袋状に形成されたワーク部材に対して張り付ける、ラベル貼付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シート状又は袋状に形成されたワーク部材に対してラベルを張り付ける作業が行われる際、まず、表面の剥離層にラベルが直列に並んで配置された帯状のシートからラベルが剥がされる。そして、剥がされたラベルがワーク部材に対して張り付けられることになる。
【0003】
上記のようなラベルの貼付け作業が手作業で行われる場合、作業者の熟練度によってラベルの貼付け作業の能率がばらついてしまうことになる。また、作業者の熟練度が高くても、作業者の手作業による場合、ラベルの貼付け作業の能率にも限界がある。更に、作業者によって、また同じ作業者であっても、ワーク部材に対するラベルの貼付け位置のばらつきが生じてしまうことになる。
【0004】
上記に対し、特許文献1においては、シートからラベルを剥がしてワーク部材に対して自動で張り付けるラベル貼付け装置が開示されている。特許文献1に開示されたラベル貼付け装置においては、まず、ラベル剥離台の先端部においてシートが鋭角的に曲げられてラベルがシートから剥離される。これにより、ラベルの一部がラベル剥離台の先端部から突出した状態となる。次いで、シートから一部が剥離されたラベルが担持手段によってその担持面に吸着される。
【0005】
そして、移動手段が、ラベルを担持した担持手段をワーク部材に当接させてラベルをワーク部材に張り付ける位置に移動させ、ラベルのワーク部材への貼付け作業が完了する。また、特許文献1に開示されたラベル貼付け装置においては、上記の担持手段に連動してラベル剥離台との間でラベルを押圧して挟み込み、ラベルの姿勢を担持手段における担持面に平行になるように矯正する押圧部材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−187161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されたラベル貼付け装置によると、シートからラベルを剥がしてワーク部材に対して張り付ける作業を自動で行うことができる。このため、作業者に起因する能率の低下を無くすことができ、ラベル貼付け作業の能率向上を図ることができる。また、ワーク部材に対するラベルの貼付け位置のばらつきを低減することもできる。
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されたラベル貼付け装置は、ラベル剥離台の先端部においてシートが鋭角的に曲げられてラベルがシートから剥離され、ラベルの一部がラベル剥離台の先端部から突出した状態で、そのラベルが担持手段によって吸着される。このため、ラベル剥離台先端部におけるラベルのシートからの剥離状態にばらつきが生じる虞があり、更に、ラベル剥離台先端部からのラベルの突出状態にばらつきが生じる虞もある。よって、担持手段によるラベルの吸着作業の状態にばらつきが生じ、ラベル貼付け作業が繰り返し安定して正確に遂行されることが妨げられてしまう虞がある。
【0009】
尚、特許文献1に開示のラベル貼付け装置には、上記の担持手段に連動してラベル剥離台との間でラベルを押圧して挟み込み、ラベルの姿勢を担持手段における担持面に平行になるように矯正する押圧部材が設けられている。しかし、この押圧部材はラベル剥離台との間でラベルを押圧する機構であるため、ラベル剥離台先端部におけるラベルのシートからの剥離状態のばらつきやラベル剥離台先端部からのラベルの突出状態のばらつきを抑制することは困難である。従って、ラベル貼付け作業を繰り返し安定して正確に遂行可能なラベル貼付け装置の実現が望まれる。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、ラベル貼付け作業の自動化が図れ、作業能率の向上とワーク部材に対するラベル貼付け位置のばらつきの低減とを達成できるとともに、ラベル貼付け作業を繰り返し安定して正確に遂行可能なラベル貼付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための第1発明に係るラベル貼付け装置は、表面の剥離層にラベルが直列に並んで配置された帯状のシートからラベルを順番に剥がし、シート状又は袋状に形成されたワーク部材に対して張り付ける、ラベル貼付け装置に関する。そして、第1発明に係るラベル貼付け装置は、ラベルが配置されたシートをその長手方向に沿って送り出すように移動させるシート移動機構と、前記シート移動機構によって送り出されたシートの表面に配置されたラベルを吸着するラベル吸着部と、前記シート移動機構によって送り出されるシートが表面に沿って移動するとともに、前記ラベル吸着部によってラベルが吸着される際に、前記ラベル吸着部との間でラベル及びシートを支持し、前記ラベル吸着部によってラベルが吸着された後に、前記ラベル吸着部に対して相対変位することでシートからラベルを剥離させるラベル剥離台と、前記ラベル剥離台を前記ラベル吸着部に対して前記シート移動機構によるシートの送り出し方向に沿った前進方向及び後退方向に向かって相対変位させるように駆動させる前後進駆動機構と、前記ラベル吸着部がラベルを吸着した状態で前記ラベル剥離台が前記前後進駆動機構によって後退させられた後に、前記ラベル吸着部を降下させ、前記ラベル吸着部に吸着されたラベルをワーク部材に対して押し付けて張り付けるように当該ラベル吸着部を駆動するラベル貼付け駆動機構と、を備えていることを特徴とする。
【0012】
この発明によると、シート移動機構によってラベル剥離台の表面に沿ってシートが送り出され、このシートの表面に配置されたラベルがラベル吸着部にて吸着される。そして、前後進駆動機構によってラベル剥離台が駆動されて後退させられることで、ラベル吸着部に吸着されたラベルがシートから剥離される。更に、ラベル貼付け駆動機構によって駆動されてラベル吸着部が降下することで、ラベルがワーク部材に対して押し付けられて張り付けられる。よって、本発明のラベル貼付け装置によると、シートからラベルを剥がしてワーク部材に対して張り付ける作業を自動で行うことができる。このため、作業者に起因する能率の低下を無くすことができ、ラベル貼付け作業の能率向上を図ることができる。また、ワーク部材に対するラベルの貼付け位置のばらつきを低減することもできる。
【0013】
また、本発明のラベル貼付け装置によると、ラベル吸着部によってラベルが吸着される際、ラベル吸着部とラベル剥離台との間でラベル及びシートが支持される。即ち、ラベルが吸着される際に、ラベルが、剥離せずにシートに配置されたままの状態で、シートとともにラベル吸着部及びラベル剥離台の間で安定して姿勢がばらつくことなく支持される。そして、ラベル吸着部によるラベルの吸着作業の状態にばらつきが生じることなくラベル吸着部によってラベルが安定した姿勢で吸着された状態で、前後進駆動機構によってラベル剥離台が駆動されて後退させられ、ラベル剥離台がラベル吸着部に対して相対変位してシートからラベルが剥離される。ラベル吸着部に吸着された状態でシートから剥離されたラベルは、ラベル吸着部とともにそのまま降下して速やかに且つワーク部材に対して正確な位置で張り付けられることになる。よって、ラベル貼付け作業が繰り返し安定して正確且つ速やかに遂行されることなる。
【0014】
従って、本発明によると、ラベル貼付け作業の自動化が図れ、作業能率の向上とワーク部材に対するラベル貼付け位置のばらつきの低減とを達成できるとともに、ラベル貼付け作業を繰り返し安定して正確に遂行可能なラベル貼付け装置を提供することができる。
【0015】
第2発明に係るラベル貼付け装置は、第1発明のラベル貼付け装置において、前記ラベル剥離台の先端部が、鋭角状に延びる部分として形成されていることを特徴とする。
【0016】
この発明によると、ラベル剥離台の先端部が鋭角状に延びるように形成されている。このため、ラベル剥離台が前後進駆動機構によって駆動されて後退した際に、ラベル剥離台の先端部の表面に巻き掛けられるように配置されたシートの表面から、ラベル吸着部に吸着されたラベルを非常に容易に剥離させることができる。
【0017】
第3発明に係るラベル貼付け装置は、第1発明又は第2発明のラベル貼付け装置において、前記ラベル貼付け駆動機構によってラベルが張り付けられたワーク部材を挟持する一対のロールを有し、当該一対のロールの回転によってラベルが張り付けられたワーク部材を送り出すように排出するワーク部材排出機構を更に備え、前記ワーク部材排出機構は、前記一対のロールの一方として設けられて、電動モータによって回転駆動される駆動ロールと、前記一対のロールの他方として設けられて、回転自在に支持された従動ロールと、前記従動ロールを一端側の端部において回転自在に支持するとともに、他端側の端部を中心として旋回することで、前記駆動ロールと前記従動ロールとの間にワーク部材を挟持可能な旋回軸と、前記旋回軸を旋回させるように駆動する旋回駆動機構と、を有していることを特徴とする。
【0018】
この発明によると、ワーク部材排出機構により、ラベルが張り付けられたワーク部材が一対のロールで挟持されて送り出されて自動で排出される。よって、ラベル貼付け作業に加え、ラベル貼付けが完了したワーク部材の排出作業まで自動化を図ることができる。また、本発明のラベル貼付け装置によると、ワーク部材排出機構が、旋回軸の旋回動作とともに従動ロールを旋回させる構造のため、駆動ロールと従動ロールとの間でワーク部材を容易に挟持することができる。
【0019】
第4発明に係るラベル貼付け装置は、第3発明のラベル貼付け装置において、前記ラベル貼付け駆動機構によってラベルが張り付けられたワーク部材を吸着するワーク部材吸着部と、ワーク部材を吸着した前記ワーク部材吸着部を駆動することで、前記駆動ロールにワーク部材が接触する位置まで当該ワーク部材の端部を持ち上げるワーク部材持ち上げ機構と、を更に備えていることを特徴とする。
【0020】
この発明によると、ワーク部材吸着部及びワーク部材持ち上げ機構が更に設けられ、ラベルが張り付けられたワーク部材を吸着して駆動ロールに接触する位置までワーク部材の端部が持ち上げられる。このため、ワーク部材を挟持する駆動ロール及び従動ロールの位置が、シートにラベルが張り付けられる位置よりも高い位置に設置されていても、確実に、駆動ロールと従動ロールとの間でワーク部材を挟持させることができる。よって、ワーク部材を挟持する駆動ロール及び従動ロールの位置の設計の自由度を大幅に向上させ、より効率的な装置レイアウトを容易に実現することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、ラベル貼付け作業の自動化が図れ、作業能率の向上とワーク部材に対するラベル貼付け位置のばらつきの低減とを達成できるとともに、ラベル貼付け作業を繰り返し安定して正確に遂行可能なラベル貼付け装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】表面にラベルが配置されたシートを示す斜視図である。
【図2】ラベルが張り付けられたワーク部材を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るラベル貼付け装置を模式的に示す側面図である。
【図4】図3に示すラベル貼付け装置における一部を拡大して示す図である。
【図5】図3に示すラベル貼付け装置における一部を拡大して示す図である。
【図6】ラベル貼付け装置の作動を説明するための図であって、図4に対応して示す図である。
【図7】ラベル貼付け装置の作動を説明するための図であって、図4に対応して示す図である。
【図8】ラベル貼付け装置の作動を説明するための図であって、図4に対応して示す図である。
【図9】ラベル貼付け装置の作動を説明するための図であって、図5に対応して示す図である。
【図10】ラベル貼付け装置の作動を説明するための図であって、図5に対応して示す図である。
【図11】ラベル貼付け装置の作動を説明するための図であって、図5に対応して示す図である。
【図12】ラベル貼付け装置の作動を説明するための図であって、図5に対応して示す図である。
【図13】ラベル貼付け装置の作動を説明するための図であって、図5に対応して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、表面の剥離層にラベルが直列に並んで配置された帯状のシートからラベルを順番に剥がし、シート状又は袋状に形成されたワーク部材に対して張り付ける、ラベル貼付け装置として、広く適用することができるものである。
【0024】
図1は、表面にラベル100が配置されたシート101を示す斜視図である。また、図2は、ラベル100が張り付けられたワーク部材102を示す斜視図である。シート101は、帯状に形成された剥離紙として構成されており、ラベル100の糊面が接触する表面には、剥離層101aが設けられている。そして、複数のラベル100が、シート101の表面の剥離層101aに直列に並んで配置される。
【0025】
ラベル100は、シート101の表面に配置される面に糊面が設けられ、反対側に印刷等が施されて所定の情報等を表示した表示面が設けられている。そして、図2に示すように、ラベル100は、糊面においてシート状又は袋状に形成されたワーク部材102に対して張り付けられる。尚、例えば、ワーク部材102が製品等を袋詰めするための袋体であれば、ラベル100の表示面には、その商品等の名称、仕様等が表示される。
【0026】
図3は、本発明の一実施の形態に係るラベル貼付け装置1を模式的に示す側面図である。図1に示すラベル貼付け装置1は、表面の剥離層101aにラベル100が直列に並んで配置されたシート101からラベル100を順番に剥がし、ワーク部材102に対して張り付ける装置として構成されている。そして、ラベル貼付け装置1は、本体フレーム11、ラベルストッカ12、シート移動機構13、ラベル吸着部14、ラベル剥離台15、前後進駆動機構16、ラベル貼付け駆動機構17、ワーク部材排出機構18、可動ハウジング19、固定フレーム20、ワーク部材吸着部26、ワーク部材持ち上げ機構27、等を備えて構成されている。
【0027】
本体フレーム11は、支柱部分や台座部分をそれぞれ構成する鋼材等の構造部材が結合されて構成された構造体として設けられている。そして、本体フレーム11は、ラベルストッカ12、シート移動機構13、ラベル吸着部14、ラベル剥離台15、前後進駆動機構16、ラベル貼付け駆動機構17、ワーク部材排出機構18、可動ハウジング19、固定フレーム20、ワーク部材吸着部26、ワーク部材持ち上げ機構27、等を支持するように構成されている。また、本体フレーム11には、複数の車輪11aが設けられている。即ち、本実施形態では、ラベル貼付け装置1は、車輪11aが設けられることで、移動可能に構成されている。
【0028】
ラベルストッカ12は、表面にラベル100が配置されたシート101が拘束されることなく束ねられた状態で収容される収容機構を構成している。そして、ラベルストッカ12の上端側からは、表面にラベル100が配置されたシート101がその長手方向に沿って繰り出されるラベル供給口(図示せず)が設けられている。尚、ラベル100が配置されたシート101は、ラベル100が配置された表面が上側を向いた状態で、ラベル供給口から繰り出される。また、ラベルストッカ12の内部における下方部分には、ラベル100が剥離されたシート101が回収されるシート回収部が設けられている。尚、シート回収部には、ラベル100が剥離されて回収されるシートをシート移動機構13に連動して回収する送りロール、回収されるシートに対して一定の張力を付与するテンションロール、等が設けられた機構として構成されていてもよい。
【0029】
図4は、図3に示すラベル貼付け装置1における一部を拡大して示す図であり、シート移動機構13、ラベル吸着部14、ラベル剥離台15、前後進駆動機構16、ラベル貼付け駆動機構17、可動ハウジング19、等の近傍を拡大して示している。
【0030】
可動ハウジング19は、可動機構21を介して本体フレーム11上に設置され、シート移動機構13、前後進駆動機構16、ラベル貼付け駆動機構17、等を支持するように構成されている。そして、可動機構21には、前後レール21a、前後移動テーブル21b、左右レール21c、左右移動テーブル21dが設けられている。
【0031】
前後レール21aは、本体フレーム11上に設置された一対のレールとして設けられ、ラベル貼付け装置1の前後方向(図4にて両端矢印Aで示す方向と平行な方向)に延びるように設置されている。尚、ラベル貼付け装置1の前後方向は、本体フレーム11上に可動ハウジング19及び固定フレーム20が並んで配置される方向であって、ラベルストッカ12からシート101が繰り出される方向と平行な方向として規定される。前後移動テーブル21bは、前後レール21aに対して、スライダを介して、前後レール21aに沿って前後方向にスライド移動自在に配置されたテーブルとして設けられている。
【0032】
左右レール21cは、前後移動テーブル上に設置された一対のレールとして設けられ、ラベル貼付け装置1の左右方向(水平方向においてラベル貼付け装置1の前後方向に垂直な方向)に延びるように設置されている。左右移動テーブル21dは、左右レール21cに対して、スライダを介して、左右レール21cに沿って左右方向にスライド移動自在に配置されたテーブルとして設けられている。そして、左右移動テーブル21d上に可動ハウジング19が固定されている。
【0033】
上記のように、ラベル貼付け装置1では、可動機構21を介して可動ハウジング19が本体フレーム11上に設置されている。このため、可動ハウジング19に支持されたシート移動機構13、前後進駆動機構16、ラベル貼付け駆動機構17の位置を固定フレーム20側に対して相対変位させて調整可能に構成されている。
【0034】
シート移動機構13は、可動ハウジング19の上面部分を構成するとともに可動ハウジング19から固定フレーム20側に向かって水平に突出するように延びる上面テーブル19aに設置されている。このシート移動機構13は、上面テーブル19a上において回転自在に配置された送りロール13a、送りロール13aを回転駆動する電動モータ(図示せず)、等を備えて構成されている。そして、シート移動機構13は、電動モータによる送りロール13aの回転によって、上面テーブル19aと送りロール13aとの間に配置されたシート101を上面テーブル19aの表面に沿って前方(可動ハウジング19から固定フレーム20に向かう方向と平行な方向)に向かって送り出すように構成されている。このように、シート移動機構13は、ラベル100が配置されたシート101をシート101の長手方向に沿って送り出すように移動させる機構として設けられている。
【0035】
ラベル吸着部14は、シート移動機構13によって送り出されたシート101の表面に配置されたラベル100に対して負圧を発生させることによりこのラベル100を吸着する機構として設けられている。そして、この吸着部14は、例えば、ゴム部材で形成された筒状の吸盤部材として設けられた吸着パッドを備え、この吸着パッドの内側が図示しない真空ポンプに連通するように構成されている。これにより、ラベル吸着部14がラベル100を吸着可能に構成されている。即ち、吸着パッドがシート101表面のラベル100に対して密着した状態で真空ポンプが作動して吸着パッドの内部に負圧が発生することにより、外部の大気圧によって、ラベル100が吸着パッドに吸着されることになる。
【0036】
ラベル剥離台15は、上方に向いた状態で水平に配置される平滑な表面が設けられ、ラベル吸着部14に吸着されたラベル100をシート101から剥離させるための台として構成されている。シート移動機構13によって送り出されるシート101が、ラベル剥離台15の平滑な表面に沿って移動することになる。そして、ラベル剥離台15は、可動ハウジング19から水平に突出する上面テーブル19aの前方側である先端側において、上面テーブル19aに対して前後方向においてスライド移動自在に支持されている。尚、ラベル剥離台15の表面の高さは、上面テーブル19aと同じ高さとなるように設定されている。
【0037】
また、ラベル剥離台15には、ラベル剥離台15から可動ハウジング19側に向かって上面テーブル19aと同じ高さで水平に延びるスライドテーブル15aが固定されている。スライドテーブル15aは、ラベル剥離台15とともに、上面テーブル19aに対して前後方向においてスライド移動自在に支持されている。尚、上面テーブル19aにおける前方側には、左右方向の中央部分において前方に向かって開放された開口領域が形成されており、この開口領域の内側において、ラベル剥離台15及びスライドテーブル15aが上面テーブル19aに対してスライド移動自在に支持されている。
【0038】
尚、ラベルストッカ12から繰り出されるシート101が通過する経路であるパスラインは、上面テーブル19aにおける可動ハウジング19の上面部分を構成する部分から、スライドテーブル15a及びラベル剥離台15の表面に沿って進み、ラベル剥離台15の先端部に対して180°近くに亘って巻き掛けられるようにして進むように設定されている。そして、ラベル剥離台15の先端部に巻き掛けられたシート101の更に先のパスラインは、複数のパスラインロール(22、23、24)の外周に部分的に巻き掛けられて屈曲して進むように設定され、最終的に、ラベルストッカ12におけるシート回収部に回収されるように設定されている。
【0039】
また、上面テーブル19aに対して前後方向にスライド移動自在に支持されたラベル剥離台15は、図示しない制御装置からの指令信号に基づいて作動する後述の前後進駆動機構16によって位置が制御されるように構成されている。そして、ラベル剥離台15は、ラベル吸着部14によってラベル100が吸着される際には、前方に突出した位置であってラベル吸着部14の下方に位置するように位置が制御されている。これにより、ラベル剥離台15の先端部に巻き掛けられた状態のシート101とそのシート101に配置されたラベル100とが、ラベル剥離台15とラベル吸着部14との間で支持されることになる。
【0040】
更に、ラベル剥離台15は、ラベル吸着部14によってラベル100が吸着された後に、後退するように移動してラベル吸着部14に対して相対変位するように位置が制御される。これにより、ラベル剥離台15の先端部からパスラインロール22へと向かうシート101のパスラインが変化することになる。このパスラインの変化に伴い、ラベル剥離台15とラベル吸着部14との間で支持されてラベル吸着部14に吸着されたラベル100がラベル吸着部14に吸着されて水平な姿勢が維持されたままの状態で、シート101におけるラベル100が配置されていた部分が屈曲されることになる。このラベル剥離台15の動作に伴って、シート101からラベル100が剥離されることになる。
【0041】
尚、ラベル剥離台15の先端部は、鋭角状に延びる部分として形成されている。これにより、上述したラベル剥離台15の動作に伴うシート101からのラベル100の剥離動作が円滑に行われるように構成されている。
【0042】
前後進駆動機構16は、複数のリンク部材(16a、16b)、リンク部材駆動部16c、等を備えて構成されている。リンク部材16aは、ラベル貼付け装置1の前後方向に沿って略水平方向に延びるように配置されている。そして、リンク部材16aは、一端側の端部がラベル剥離台15に対して揺動自在に連結され、他端側の端部がリンク部材16bの一端側の端部に揺動自在に連結されている。また、リンク部材16bは、一端側の端部がリンク部材16aの他端側の端部に揺動自在に連結され、他端側の端部がリンク部材駆動部16cに連結されている。リンク部材駆動部16cは、例えば、正逆回転可能なステッピングモータ等を有し、リンク部材16bを他端側の端部を中心として所定の角度範囲内で揺動させる機構として構成されている。このリンク部材駆動部16cは、図示しない制御装置からの指令信号に基づいて作動するように構成されている。
【0043】
前後進駆動機構16は、上記のように構成されていることで、前述の制御装置からの指令信号に基づいて、ラベル剥離台15をラベル吸着部14に対してシート移動機構13によるシート101の送り出し方向に沿った前進方向及び後退方向に向かって相対変位させるように駆動する機構として設けられている。尚、ラベル剥離台15が前進方向に駆動されると、ラベル剥離台15は、可動ハウジング19から前方に突出する。一方、ラベル剥離台15が後退方向に駆動されると、ラベル剥離台15は、可動ハウジング19に向かって後退する。
【0044】
ラベル貼付け駆動機構17は、支持部材17a、ガイド軸17b、揺動部材17c、揺動部材駆動部17d、等を備えて構成されている。支持部材17aは、上下方向に沿って延びるように配置され、その下端側に設置されたラベル吸着部14を支持する部材として設けられている。ガイド軸17bは、上面テーブル19aに対して固定され、上面テーブル19aから鉛直上方に向かって延びるように設置された軸部材として設けられている。そして、ガイド軸17bに対しては、支持部材17aがガイド軸17bの上下方向に沿ってスライド移動自在に設置されている。
【0045】
揺動部材17cは、ガイド軸17bに上下にスライド移動自在に設置された支持部材17aを懸架した状態で支持するとともに、揺動することで、支持部材17cを上下に昇降駆動する部材として設けられている。そして、揺動部材17cの一端側の端部は、支持部材17aの上端部分に設けられた長孔状の溝(図示せず)に対して遊嵌状態で連結されている。一方、揺動部材17cの他端側は、揺動部材駆動部17dに連結されている。
【0046】
また、揺動部材駆動部17dは、例えば、正逆回転可能なステッピングモータ等を有し、揺動部材17cを他端側の所定箇所を中心として所定の角度範囲内で揺動させる機構として構成されている。これらの構成により、揺動部材駆動部17dによって揺動部材17cが揺動駆動され、支持部材17aの上端部分の長孔状の溝に対する揺動部材17cの一端側の端部の位置が変化しながら、ガイド軸17bに沿って支持部材17aが昇降駆動されることになる。そして、支持部材17aとともにラベル吸着部14も昇降駆動されることになる。
【0047】
また、ラベル貼付け駆動機構17は、図示しない制御装置からの指令信号に基づいて揺動部材駆動部17dが作動することで、ラベル吸着部14がラベル100を吸着した状態でラベル剥離台15が前後進駆動機構16によって後退させられた後に、ラベル吸着部14を降下させるように構成されている。これにより、ラベル貼付け駆動機構17は、ラベル吸着部14に吸着されたラベル100を後述の固定フレーム20における載置テーブル25に載置されたワーク部材102に対して押し付けて張り付けるようにラベル吸着部14を駆動するように構成されている。
【0048】
図5は、図3に示すラベル貼付け装置1における一部を拡大して示す図であり、ワーク部材排出機構18、ワーク部材吸着部26、ワーク部材持ち上げ機構27、等の近傍を拡大して示している。図3乃至図5に示すように、固定フレーム20は、本体フレーム11上に固定されている。そして、固定フレーム20上には、ラベル100が張り付けられるワーク部材102が載置される載置テーブル25が設置されている。尚、載置テーブル25へのワーク部材102の載置作業は、作業者によって、或いは、図示しないワーク部材供給機構によって行われる。
【0049】
上記のワーク部材供給機構としては、例えば、複数の送りロールによってワーク部材102を載置テーブル25上の所定位置まで送り出して供給する機構が設けられていてもよい。この場合、ワーク部材供給機構は、例えば、固定フレーム20の側方から(ラベル貼付け装置1の左右方向から)ワーク部材102を載置テーブル25上に第1の送りロールで送り出して供給した後に、載置テーブル25上でラベル100が適切に張り付けられる所定位置まで前後方向に第2の送りロールで移動させる機構として構成されていてもよい。
【0050】
図3及び図5に示すワーク部材排出機構18は、本体フレーム11の上部及び固定フレーム20に設置されている。そして、ワーク部材排出機構18は、ラベル貼付け駆動機構17によってラベル100が張り付けられたワーク部材102を挟持する一対のロール(18a、18b)を有し、一対のロール(18a、18b)の回転によってラベル100が張り付けられたワーク部材102を送り出すように排出する機構として設けられている。そして、ワーク部材排出機構18は、駆動ロール18a、従動ロール18b、旋回軸18c、旋回駆動機構18d、駆動プーリ18e、従動プーリ18f、ベルト18g、電動モータ18h、等を備えて構成されている。
【0051】
駆動ロール18aは、上記の一対のロール(18a、18b)の一方として設けられて、駆動プーリ18e、従動プーリ18f、及びベルト18gを介して、電動モータ18hによって回転駆動されるロールとして設けられている。一方、従動ロール18bは、上記の一対のロール(18a、18b)の他方として設けられて、回転自在に支持されたロールとして設けられている。
【0052】
旋回軸18cは、従動ロール18bを一端側の端部において回転自在に支持するとともに、他端側の端部を中心として旋回することで、駆動ロール18aと従動ロール18bとの間にワーク部材102を挟持可能な軸部材として設けられている。また、旋回駆動機構18dは、旋回軸18cにおける他端側の端部を支持している。そして、旋回駆動機構18dは、例えば、正逆回転可能なステッピングモータ等を有し、旋回軸18cをその他端側の端部を中心として所定の角度範囲内で旋回させるように駆動する機構として設けられている。尚、旋回軸駆動機構18dは、固定フレーム20に対して設置されている。
【0053】
駆動プーリ18eは、本体フレーム11上に設置された電動モータ18hによって回転駆動されるプーリとして設けられている。そして、従動プーリ18fは駆動ロール18aに対して同一の回転軸で連結されて固定され、従動プーリ18fと駆動ロール18aとが同心軸上に配置されている。これにより、従動プーリ18fの回転とともに駆動ロール18aが回転するように構成されている。尚、従動プーリ18fは、本体フレーム11上に固定されるとともに鉛直上方に向かって延びる支柱28に対して回転自在に取り付けられている。また、ベルト18gは、駆動プーリ18e及び従動プーリ18fに対してそれらの周りを周回するように巻き掛けられたベルトとして設けられている。
【0054】
上記の構成により、ワーク部材排出機構18においては、図示しない制御装置からの指令信号に基づく電動モータ18hの作動に伴い、駆動プーリ18eが回転し、駆動プーリ18eとともにベルト18gが周回する。そして、ベルト18gの周回とともに従動プーリ18fが回転し、更に、従動プーリ18fとともに駆動ロール18aが回転することになる。また、旋回軸18cが旋回して従動ロール18bと駆動ロール18aとの間でワーク部材102が挟持されている状態で、上記の作動によって駆動ロール18aが所定方向(図5における反時計方向)に回転することで、ワーク部材102がロール(18a、18b)の間から送り出されるように排出されることになる。
【0055】
ワーク部材吸着部26は、ラベル貼付け駆動機構17によってラベル100が張り付けられたワーク部材102における前方側に配置された端部を吸着する機構として設けられている。そして、このワーク部材吸着部26は、例えば、ゴム部材で形成された筒状の吸盤部材として設けられた吸着パッドを備え、この吸着パッドの内側が図示しない真空ポンプに連通するように構成されている。これにより、ワーク部材吸着部26がワーク部材102を吸着可能に構成されている。即ち、吸着パッドがワーク部材102の端部に対して密着した状態で真空ポンプが作動して吸着パッドの内部に負圧が発生することにより、外部の大気圧によって、ワーク部材102が吸着パッドに吸着されることになる。尚、ワーク部材吸着部26は、ラベル貼付け装置1の左右方向に沿って複数並んで設置されている。これにより、ワーク部材吸着部26は、ワーク部材102に対してその前方側に配置された端部の縁部に沿って複数個所で吸着し、ワーク部材102を安定した姿勢で保持できるように構成されている。
【0056】
ワーク部材持ち上げ機構27は、ワーク部材102を吸着したワーク部材吸着部26を駆動することで、駆動ロール18aにワーク部材102が接触する位置までこのワーク部材102の端部を持ち上げる機構として設けられている。そして、このワーク部材持ち上げ機構27は、固定フレーム20に設置され、揺動軸27a、揺動軸駆動部27b、等を備えて構成されている。
【0057】
揺動軸27aは、複数設けられ、それぞれが各一端側の端部において各ワーク部材吸着部26を支持する軸部材として設けられている。そして、各揺動軸27aは、他端側の端部において、同一の回転シャフト(図示せず)を介して揺動軸駆動部27bに連結されている。尚、複数の揺動軸27aは1つの回転シャフトに対して固定されていることで、同期して同一角度で揺動するように構成されている。
【0058】
揺動軸駆動部27bは、例えば、正逆回転可能なステッピングモータ等を有し、複数の揺動軸27aをそれらの他端側の端部が固定された上記の回転シャフトを中心として所定の角度範囲内で回転させ、複数の揺動軸27aを揺動させるように駆動する機構として設けられている。尚、揺動軸駆動部27bは、固定フレーム20に対して設置されている。
【0059】
次に、上述したラベル貼付け装置1の作動について説明する。ラベル貼付け装置1の作動は、ラベルストッカ12から繰り出されるシート101のパスラインが、上面テーブル19aの表面、ラベル剥離台15の先端部、パスラインロール(22、23、24)に沿って進むように設定された状態で、開始される。そして、図示しない制御装置からの指令信号に基づいてラベル貼付け装置1が作動することで、シート101からラベル100が順番に剥がされてワーク部材102に対して順次貼付けられる作業が自動で行われることになる。尚、以下の説明では、シート101から1つのラベル100が剥がされてワーク部材102に対して張り付けられ、更にそのワーク部材102が排出される工程について、図4乃至図13を参照しながら説明する。
【0060】
まず、ラベル吸着部14にラベル100が吸着される前の状態である図4の状態においては、ラベル剥離台15は、ラベル吸着部14の下方であって前方に突出した位置に位置している。このとき、シート101における剥離台15の表面上に位置している部分には、ラベル100が配置されている。
【0061】
そして、上記の状態から、ラベル貼付け駆動機構17における揺動部材駆動部17dが作動して揺動部材17cが所定の小さな角度分のみ揺動し、ラベル支持部材17aとともにラベル吸着部14が少しの距離を降下する。これにより、図6に示す状態となり、ラベル吸着部14がラベル100に対して密着する位置に位置することになる。図6に示す状態では、更に、ラベル吸着部14によるラベル100の吸着動作が行われる。このとき、ラベル剥離台15とラベル吸着部14との間でラベル100及びシート101が安定した姿勢で支持された状態で、ラベル100の吸着動作が行われる。
【0062】
ラベル吸着部14によるラベル100の吸着動作が行われると、次いで、前後進駆動機構16のリンク部材駆動部16cが作動する。これにより、図7に示すように、リンク部材駆動部16cの作動にリンク部材(16a、16b)が連動し、ラベル剥離台15がラベル吸着部14の下方から外れる位置に水平に相対変位するように、可動ハウジング19側に向かって後退する。これにより、ラベル剥離台15の先端部からパスラインロール22へと向かうシート101のパスラインが変化し、ラベル吸着部14に吸着されたラベル100がシート101から剥離されることになる。
【0063】
ラベル100がシート101から剥離されると、次いで、ラベル貼付け駆動機構17における揺動部材駆動部17dが作動して揺動部材17cが所定の角度揺動し、ラベル支持部材17aとともに、ラベル100を吸着したラベル吸着部14が載置テーブル25に向かって降下する。これにより、図8に示す状態となる。このとき、載置テーブル25には、既に、作業者によって、或いは、図示しないワーク部材供給機構によって、ワーク部材102が所定位置に載置されている。そして、糊面を下に向けた状態でラベル100を吸着したラベル吸着部14が上記のように降下することで、ラベル100がワーク部材102に対して押し付けられて張り付けられることになる。
【0064】
上述したラベル100のワーク部材102への貼付け作業が完了すると、ラベル吸着部14の内側が大気圧となるように負圧状態が解除される。これにより、ラベル吸着部14とラベル100とが離間することになる。そして、引き続き行われるラベル貼付け駆動機構17の作動に伴って、ラベル吸着部14が上昇するように駆動される。これにより、ラベル吸着部14が、次のラベル100の貼付け作業が可能な位置に位置することになる。
【0065】
上述したラベル100の貼付け作業が完了すると、続いて、ラベル100が張り付けられたワーク部材102の排出作業が自動で行われる。ラベル100の貼付け作業が完了した時点では、図5に示すように、ワーク部材102の前方側の端部が、複数のワーク部材吸着部26と載置テーブル25との間に配置されている。
【0066】
そして、上記の状態から、ワーク部材持ち上げ機構27における揺動軸駆動部27bが作動して複数の揺動軸27aが所定の小さな角度分のみ下方に向かって揺動し、複数のワーク部材吸着部26が少しの距離を降下する。これにより、図9に示す状態となり、各ワーク部材吸着部26がワーク部材102に対して密着する位置に位置することになる。図9に示す状態では、更に、各ワーク部材吸着部26によるワーク部材102の吸着動作が行われる。
【0067】
ワーク部材吸着部26によるワーク部材102の吸着動作が行われると、次いで、ワーク部材持ち上げ機構27の揺動軸駆動部27bが作動する。これにより、図10に示すように、複数の揺動軸27aが上方に向かって所定の角度揺動し、この揺動軸27aの揺動動作とともに、ワーク部材102の端部を吸着したワーク部材吸着部26が所定の高さまで上昇する。これにより、ワーク部材102の端部が駆動ロール18aに接触する位置まで持ち上げられることになる。
【0068】
ワーク部材102の端部が駆動ロール18aに接触する位置まで持ち上げられると、次いで、ワーク部材排出機構18における旋回軸駆動機構18dが作動して旋回軸18cが所定の角度上方に向かって旋回する。これにより、図11に示すように、駆動ロール18aに接触した状態のワーク部材102の端部に従動ロール18bが当接し、駆動ロール18a及び従動ロール18bの間において、ワーク部材102の端部が挟持されることになる。
【0069】
駆動ロール18a及び従動ロール18b間でワーク部材102が挟持されると、次いで、各ワーク部材吸着部26の内側が大気圧となるように負圧状態が解除される。これにより、図12に示すように、各ワーク部材吸着部26とワーク部材102とが離間することになる。
【0070】
ワーク部材吸着部26とワーク部材102とが離間すると、次いで、ワーク部材排出機構18における電動モータ18hが作動して駆動プーリ18eが回転し、ベルト18gが周回し、更に、従動プーリ18fが回転する。そして、従動プーリ18fとともに駆動ロール18aが図13における反時計方向に回転し、この駆動ロール18aの回転に伴って従動ロール18bが駆動ロール18aとは逆方向に(図13における時計方向に)回転する。これにより、図13に示すように、駆動ロール18a及び従動ロール18bの間で挟持されたワーク部材102が、これらのロール(18a、18b)の間から送り出されるように排出されることになる。
【0071】
以上説明したように、ラベル貼付け装置1によると、シート移動機構13によってラベル剥離台15の表面に沿ってシート101が送り出され、このシート101の表面に配置されたラベル100がラベル吸着部14にて吸着される。そして、前後進駆動機構16によってラベル剥離台15が駆動されて後退させられることで、ラベル吸着部14に吸着されたラベル100がシート101から剥離される。更に、ラベル貼付け駆動機構17によって駆動されてラベル吸着部14が降下することで、ラベル100がワーク部材102に対して押し付けられて張り付けられる。よって、ラベル貼付け装置1によると、シート101からラベル100を剥がしてワーク部材102に対して張り付ける作業を自動で行うことができる。このため、作業者に起因する能率の低下を無くすことができ、ラベル貼付け作業の能率向上を図ることができる。また、ワーク部材102に対するラベル100の貼付け位置のばらつきを低減することもできる。
【0072】
また、ラベル貼付け装置1によると、ラベル吸着部14によってラベル100が吸着される際、ラベル吸着部14とラベル剥離台15との間でラベル100及びシート101が支持される。即ち、ラベル100が吸着される際に、ラベル100が、剥離せずにシート101に配置されたままの状態で、シート101とともにラベル吸着部14及びラベル剥離台15の間で安定して姿勢がばらつくことなく支持される。そして、ラベル吸着部14によるラベル100の吸着作業の状態にばらつきが生じることなくラベル吸着部14によってラベル100が安定した姿勢で吸着された状態で、前後進駆動機構16によってラベル剥離台15が駆動されて後退させられ、ラベル剥離台15がラベル吸着部14に対して相対変位してシート101からラベル100が剥離される。ラベル吸着部14に吸着された状態でシート101から剥離されたラベル100は、ラベル吸着部14とともにそのまま降下して速やかに且つワーク部材102に対して正確な位置で張り付けられることになる。よって、ラベル貼付け作業が繰り返し安定して正確且つ速やかに遂行されることなる。
【0073】
従って、本実施形態によると、ラベル貼付け作業の自動化が図れ、作業能率の向上とワーク部材に対するラベル貼付け位置のばらつきの低減とを達成できるとともに、ラベル貼付け作業を繰り返し安定して正確に遂行可能なラベル貼付け装置1を提供することができる。
【0074】
また、ラベル貼付け装置1によると、ラベル剥離台15の先端部が鋭角状に延びるように形成されている。このため、ラベル剥離台15が前後進駆動機構16によって駆動されて後退した際に、ラベル剥離台15の先端部の表面に巻き掛けられるように配置されたシート101の表面から、ラベル吸着部14に吸着されたラベル100を非常に容易に剥離させることができる。
【0075】
また、ラベル貼付け装置1によると、ワーク部材排出機構18により、ラベル100が張り付けられたワーク部材102が一対のロール(18a、18b)で挟持されて送り出されて自動で排出される。よって、ラベル貼付け作業に加え、ラベル貼付けが完了したワーク部材102の排出作業まで自動化を図ることができる。また、ラベル貼付け装置1によると、ワーク部材排出機構18が、旋回軸18cの旋回動作とともに従動ロール18bを旋回させる構造のため、駆動ロール18aと従動ロール18bとの間でワーク部材102を容易に挟持することができる。
【0076】
また、ラベル貼付け装置1によると、ワーク部材吸着部26及びワーク部材持ち上げ機構27が更に設けられ、ラベル100が張り付けられたワーク部材102を吸着して駆動ロール18aに接触する位置までワーク部材102の端部が持ち上げられる。このため、ワーク部材102を挟持する駆動ロール18a及び従動ロール18bの位置が、シート101にラベル100が張り付けられる位置よりも高い位置に設置されていても、確実に、駆動ロール18aと従動ロール18bとの間でワーク部材102を挟持させることができる。よって、ワーク部材102を挟持する駆動ロール18a及び従動ロール18bの位置の設計の自由度を大幅に向上させ、より効率的な装置レイアウトを容易に実現することができる。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。即ち、シート移動機構、ラベル吸着部、ラベル剥離台、前後進駆動機構、ラベル貼付け駆動機構、ワーク部材排出機構、ワーク部材吸着部、ワーク部材持ち上げ機構の形態については、上述の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した限りにおいて変更して実施してもよい。また、本発明のラベル貼付け装置が適用されるラベル、シート、及びワーク部材の形態についても、上述の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した限りにおいて変更された形態のラベル、シート、及びワーク部材に対して本発明が適用されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、表面の剥離層にラベルが直列に並んで配置された帯状のシートからラベルを順番に剥がし、シート状又は袋状に形成されたワーク部材に対して張り付ける、ラベル貼付け装置として、広く適用することができるものである。
【符号の説明】
【0079】
1 ラベル貼付け装置
13 シート移動機構
14 ラベル吸着部
15 ラベル剥離台
16 前後進駆動機構
17 ラベル貼付け駆動機構
100 ラベル
101 シート
102 ワーク部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面の剥離層にラベルが直列に並んで配置された帯状のシートからラベルを順番に剥がし、シート状又は袋状に形成されたワーク部材に対して張り付ける、ラベル貼付け装置であって、
ラベルが配置されたシートをその長手方向に沿って送り出すように移動させるシート移動機構と、
前記シート移動機構によって送り出されたシートの表面に配置されたラベルを吸着するラベル吸着部と、
前記シート移動機構によって送り出されるシートが表面に沿って移動するとともに、前記ラベル吸着部によってラベルが吸着される際に、前記ラベル吸着部との間でラベル及びシートを支持し、前記ラベル吸着部によってラベルが吸着された後に、前記ラベル吸着部に対して相対変位することでシートからラベルを剥離させるラベル剥離台と、
前記ラベル剥離台を前記ラベル吸着部に対して前記シート移動機構によるシートの送り出し方向に沿った前進方向及び後退方向に向かって相対変位させるように駆動させる前後進駆動機構と、
前記ラベル吸着部がラベルを吸着した状態で前記ラベル剥離台が前記前後進駆動機構によって後退させられた後に、前記ラベル吸着部を降下させ、前記ラベル吸着部に吸着されたラベルをワーク部材に対して押し付けて張り付けるように当該ラベル吸着部を駆動するラベル貼付け駆動機構と、
を備えていることを特徴とする、ラベル貼付け装置。
【請求項2】
請求項1に記載のラベル貼付け装置であって、
前記ラベル剥離台の先端部が、鋭角状に延びる部分として形成されていることを特徴とする、ラベル貼付け装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のラベル貼付け装置であって、
前記ラベル貼付け駆動機構によってラベルが張り付けられたワーク部材を挟持する一対のロールを有し、当該一対のロールの回転によってラベルが張り付けられたワーク部材を送り出すように排出するワーク部材排出機構を更に備え、
前記ワーク部材排出機構は、
前記一対のロールの一方として設けられて、電動モータによって回転駆動される駆動ロールと、
前記一対のロールの他方として設けられて、回転自在に支持された従動ロールと、
前記従動ロールを一端側の端部において回転自在に支持するとともに、他端側の端部を中心として旋回することで、前記駆動ロールと前記従動ロールとの間にワーク部材を挟持可能な旋回軸と、
前記旋回軸を旋回させるように駆動する旋回駆動機構と、
を有していることを特徴とする、ラベル貼付け装置。
【請求項4】
請求項3に記載のラベル貼付け装置であって、
前記ラベル貼付け駆動機構によってラベルが張り付けられたワーク部材を吸着するワーク部材吸着部と、
ワーク部材を吸着した前記ワーク部材吸着部を駆動することで、前記駆動ロールにワーク部材が接触する位置まで当該ワーク部材の端部を持ち上げるワーク部材持ち上げ機構と、
を更に備えていることを特徴とする、ラベル貼付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−140150(P2012−140150A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293271(P2010−293271)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)
【Fターム(参考)】