説明

ラベル貼付システム

【課題】 食品に貼付される広告ラベルと可変情報ラベルとの内容が異なることを防止するラベル貼付システムを提供する。
【解決手段】 食品Wを識別する識別情報を含む2次元コードCが印刷された広告ラベルLaを貼付する第一のラベル貼付装置100と、広告ラベルLaの2次元コードCを読み取る読取手段200と、識別情報に対応する可変情報を記憶する記憶手段と、読取手段200で読み取った2次元コードCを解析する解析手段と、解析された識別情報から可変情報を読み出す読出手段と、読み出された可変情報をラベルに印字する印字手段を有すると共に食品Wに可変情報ラベルLbを貼付する第二のラベル貼付装置300とから構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品に広告ラベルを貼付する第一のラベル貼付装置と、可変情報ラベルを貼付する第二のラベル貼付装置を有するラベル貼付システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近頃、ラッピングされた肉、魚、野菜などの生鮮食品や惣菜、漬物などの加工食品の表面に、新鮮さや特徴をPRするための広告ラベルを貼付し、食品の販促を促すことが一般的となっている。また、食品の安全性も重要視されることから、食品に貼付された広告ラベルにQR(Quick Response)コード等の2次元コードを印刷し、このQRコードを携帯電話で読み取ることで、QRコードが示すインターネット上のURL(Uniform Resource Locator)にアクセスし、インターネットを介して販売・製造元のホームページに掲示された各食品の生産地や生産者、農薬の有無、収穫(加工)期日、料理方法などを携帯電話に表示することで、食品のPRと共に安全性を開示することが必要となっている(例えば、特許文献1)。
ここでURLとは、インターネット上の接続場所を示すアドレスであり、図1に示すようにプロトコル名U1、ホスト名U2、ポート番号U3、ファイルパスアドレスU4、ファイル名U5から成り、URLの中で食品毎に異なるファイルパスアドレスU4およびファイル名U5を指定することで、商品毎に生産地や生産者、農薬の有無、収穫(加工)期日、料理方法などを掲示している画像ページに接続され、携帯電話に表示するようになっている。
さらに、上記2次元コードには、生産地や生産者、農薬の有無などの情報が改ざん防止として含まれている場合もある。
【0003】
また、食品は形態が小型なものが多く、広告ラベルも小さなものが多い。そのため、省スペースで表示可能なQRコード等の2次元バーコードが使用されており、その他食品毎に異なる名称や原材料名、原料産地名、賞味期限、添加物の詳細などが記載された可変情報ラベルは、食品のイメージを損なわないように側面や底面に貼付されることが多い。
図2に、食品に貼付されるラベルの形態を示すもので、図中の(a)は、広告ラベルの形態を示し、(b)は、可変情報ラベルの形態を示す。広告ラベルLaには、食品の特徴をPRするための文字や図柄が印刷されており、また、URLを含むQRコードCが印刷されている。可変情報ラベルLbには、名称や原材料名、原料産地名、賞味期限、添加物の詳細など食品により異なる可変情報が記載されている。
【0004】
上記により、食品をコンベアで搬送し、食品に広告ラベルを貼付する第一のラベル貼付装置と、可変情報ラベルを貼付する第二のラベル貼付装置により、食品に広告ラベルおよび可変情報ラベルを貼付するシステムが要求されている。
【0005】
上記のラベル貼付システムは、コンベアで搬送する食品に合わせて広告ラベルを第一のラベル貼付装置に装填するが、可変情報を印字し可変情報ラベルを貼付する第二のラベル貼付装置には、罫線や販売者等の固定情報は予め印刷されているものの、その他の名称や原材料名、原料産地名、賞味期限、添加物の詳細など欄は白無地とし、コンベアで搬送される食品に合わせて可変情報をラベルに印字し貼付するので、食品毎にラベルを交換して装填する必要が無い。
そして、上記ラベル貼付システムで食品に広告ラベルおよび可変情報ラベルを貼付する場合は、作業者が第一のラベル貼付装置に食品に合わせて広告ラベルを装填し、第二のラベル貼付装置と通信可能なパーソナルコンピュータのキーボードから印字する可変情報の内容を選択すると共に印字枚数を入力し、第二のラベル貼付装置に印字フォーマットと共に可変情報と印字枚数を送信することで、コンベアで搬送される食品に第一のラベル貼付装置で広告ラベルを貼付し、第二のラベル貼付装置で可変情報ラベルが貼付される。
【0006】
【特許文献1】特開2000−267966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記ラベル貼付システムで、作業者が食品に合わせて第一のラベル貼付装置に広告ラベルを装填後、パーソナルコンピュータの選択画面で間違った可変情報を選択した場合、食品に貼付された広告ラベルと可変情報ラベルの内容が異なって貼付されてしまう。また、可変情報ラベルが食品の側面や底面に貼付されることが多いことから、その間違いに気付かず大量の食品に異なった可変情報ラベルを貼付してしまう問題があった。
上記の問題が発生した場合は、人力による可変情報ラベルの貼り替え作業や、上記ラベル貼付システムの第一のラベル貼付装置を停止させ、可変情報ラベルを貼付する第二のラベル貼付装置のみを稼動するようにシステムを変更するなどが必要となり、作業効率を著しく低下させるものであった。
【0008】
また、作業者がパーソナルコンピュータで入力した印字枚数より搬送される食品の数が少ない場合は、第二のラベル貼付装置に印字枚数が残った状態となり、この状態で作業者が先程とは異なる食品に合わせ第一のラベル貼付装置に広告ラベルを装填し、コンベアに先程とは異なる食品を投入した場合、第二のラベル貼付装置では先程の残った可変情報ラベルを食品に貼付してしまい、上記と同様に食品に異なった可変情報ラベルを貼付してしまう問題があった。
さらに、作業者がパーソナルコンピュータで入力した印字枚数より搬送される食品の数が多い場合は、食品の搬送途中で第二のラベル貼付装置の印字枚数が無いことを示すエラーが報知されコンベアを停止すると共に、作業者はパーソナルコンピュータのキーボードから印字する可変情報の内容を選択すると共に追加分の印字枚数を入力し、停止したコンベアの稼動を操作するなど、その作業が煩わしい問題があった。
【0009】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、食品に貼付される広告ラベルと可変情報ラベルとの内容が異なることを防止するラベル貼付システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち本発明のラベル貼付システムは、食品を搬送するコンベアと、該食品を識別する識別情報を含む2次元コードが印刷された広告ラベルを貼付する第一のラベル貼付装置と、前記広告ラベルの2次元コードを読み取る読取手段と、前記識別情報に対応する可変情報を記憶する記憶手段と、前記読取手段で読み取った2次元コードを解析する解析手段と、前記解析手段により解析された識別情報から前記記憶手段に記憶された可変情報を読み出す読み出し手段と、前記読み出し手段により読み出された可変情報をラベルに印字する印字手段を有すると共に前記食品に可変情報ラベルを貼付する第二のラベル貼付装置とを有することを特徴とする。
また、前記識別情報はインターネットで使用可能なURLであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明のラベル貼付システムによれば、食品に貼付された広告ラベルの2次元コードを読み取り、読み取った2次元コード内に含まれる識別情報に対応した可変情報を第二のラベル貼付装置でラベルに印字し貼付するので、食品に貼付される広告ラベルと可変情報ラベルとの内容が異なることを防止できる。
また、他の目的に使用されるURLを各食品の識別情報とすることで、広告ラベルに識別情報を目的とする数字や記号、バーコード等を新たに印字することが無いため、食品のイメージを損なわない広告ラベルとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
それでは、本発明の第一の実施の形態によるラベル貼付システムを図面を用いて説明する。
図3は、本発明の第一の実施の形態によるラベル貼付システムの構成を説明するための構成図である。
ラベル貼付システム10は、食品Wを搬送するコンベアDと、広告ラベルLaを貼付するラベル貼付装置100と、広告ラベルLaのQRコードCを読み取るCCDカメラやスキャナなどの読取手段200と、可変情報を印字し可変情報ラベルLbを貼付するラベル貼付装置300と、コンベアDにより搬送される食品Wを検知する検知センサK1、K2、K3とから構成される。
【0013】
図4は、ラベル貼付装置300の回路構成を説明するための回路構成図である。
ラベル貼付装置300を司るCPU310は、各種プログラムや識別情報に対応した可変情報を格納するフラッシュメモリ等から成る非揮発性メモリ311と、CPU310の作業領域として使用するRAM312と、ラベル貼付装置300の動作に関する情報を設定する各種釦と表示パネルから成る操作部313と、時計機能を有する時計部314と、外部機器と有線または無線にて通信を行う通信部315と、可変情報を印字するサーマルヘッド等から成るヘッドを制御する印字制御部316と、ラベルの搬送を制御する搬送制御部317と、読取手段200と有線または無線にて通信を行うスキャナインタフェース318とをシステムバス319を介して制御する。
【0014】
非揮発性メモリ311には、食品Wに貼付される広告ラベルLaにあるQRコードCのURLに対応した可変情報を格納する可変情報テーブルTがあり、その構成を図5に示す。
可変情報テーブルTは、食品Wを識別するためにURLのファイルパスアドレスU4およびファイル名U5を示すRUL情報T1と、名称情報T2、原材料名情報T3、原料原産地情報T4、保存方法情報T5とを有し、非揮発性メモリ311には、必要に合わせて可変情報テーブルTが複数格納されている(記憶手段)。
【0015】
上記構成により、図3を参照して第一の実施の形態によるラベル貼付システムの動作を説明する。
先ず、作業者は、これからコンベアDにて搬送する食品Wの広告ラベルLaをラベル貼付装置100に装填する。その後、コンベアDに順次食品Wを投入する。
広告ラベルLaが装填されたラベル貼付装置100は、検知センサK1により搬送される食品Wを検知すると、広告ラベルLaを繰出し食品Wに貼付する。
その後、検知センサK2に食品Wを検地すると読取手段200が食品Wに貼付された広告ラベルLaのQRコードCを読み取り、スキャナインタフェース318を介してラベル貼付装置300に送信する。
【0016】
ラベル貼付装置300のCPU310は、スキャナインタフェース318を介して受信したQRコードC内に含まれるURLを解析する(解析手段)。
CPU310は、解析されたURLのファイルパスアドレスU4およびファイル名U5と可変情報テーブルTのRUL情報T1とを比較し、対応する可変情報テーブルTの印字情報(名称情報T2、原材料名情報T3、原料原産地情報T4、保存方法情報T5)を読み出す(読出手段)。
読み出された印字情報は、印字制御部316により可変情報ラベルLbに可変情報を印字する。この時、CPU310は、印字枚数を1枚として印字する。
上記により、食品Wの検知により印字枚数が1枚セットされるので、ラベル貼付装置300内に印字枚数が残ることがないので、広告ラベルおよび異なった可変情報ラベルを貼付してしまうことが回避される。
尚、賞味期限に関しては、時計部314より算出され印字される。
【0017】
次いで、検知センサK3により食品Wを検知すると、ラベル貼付装置300は、可変情報ラベルLbを繰出し食品Wに貼付する。
【0018】
尚、上記説明ではQRコードCに含まれるURLの識別情報としてファイルパスアドレスU4およびファイル名U5を使用したが、これに限定するものではなく、URLで指定するCGI(Common Gateway Interface)プログラム名(XXX.cgi、XXX.pl)や画像ファイル(XXX.jpg、XXX.gif)、音声ファイル(XXX.mp3、XXX.wma)、動画ファイル(XXX.mpg、XXX.mov)などのファイル種別、または、CGIなどのプログラムの呼び出しに使用するパラメータやページ内での位置情報を用いても良く、適宜変更して構わない。
さらに、QRコード内に含まれる他の情報、例えば、改ざん防止として含まれている生産地や生産者、農薬の有無などの情報としても良い。この場合、可変情報テーブルTのURL情報T1に、上記識別情報を持つことで容易に変更可能である。
【0019】
上記の説明により、本発明の第一の実施の形態によるラベル貼付システムによれば、食品に貼付された広告ラベルの2次元コードを読み取り、読み取った2次元コード内に含まれる識別情報に対応した可変情報を第二のラベル貼付装置でラベルに印字し貼付するので、食品に貼付される広告ラベルと可変情報ラベルとの内容が異なることを防止できる。
また、他の目的に使用されるURLを各食品の識別情報とすることで、広告ラベルに識別情報を目的とする数字や記号、バーコード等を新たに印字することが無いため、食品のイメージを損なわない広告ラベルとすることができる。
【0020】
次に、本発明の第二の実施の形態によるラベル貼付システムを図面を用いて説明する。
図6は、本発明の第二の実施の形態によるラベル貼付システムの構成を説明するための構成図である。第二の実施の形態によるラベル貼付システム20は、第一の実施の形態によるラベル貼付システム10と略同様であるが、PC(パーソナルコンピュータ)400が追加と成っている。
また、ラベル貼付システム20では、読取装置200とPC400が有線または無線にて通信可能となっており、また、PC400は、ラベル貼付装置300とも有線または無線にて通信可能となっている。
さらに、PC400には、上記ラベル貼付装置300の非揮発性メモリ311に格納された可変情報テーブルTが、図示しないハードディスク等の記憶媒体に記憶されている。
【0021】
上記構成により、図6を参照して第二の実施の形態によるラベル貼付システムの動作を説明する。
先ず、作業者は、これからコンベアDにて搬送する食品Wの広告ラベルLaをラベル貼付装置100に装填する。その後、コンベアDに順次食品Wを投入する。
広告ラベルLaが装填されたラベル貼付装置100は、検知センサK1により搬送される食品Wを検知すると、広告ラベルLaを繰出し食品Wに貼付する。
その後、検知センサK2に食品Wを検地すると読取手段200が食品Wに貼付された広告ラベルLaのQRコードCを読み取り、PC400に送信する。
【0022】
PC400は、読取手段200から受信したQRコードC内に含まれるURLを解析する(解析手段)。
次いで、PC400は、ハードディスク内にある可変情報テーブルから、解析手段で解析されたURLのファイルパスアドレスU4およびファイル名U5と可変情報テーブルTのRUL情報T1とを比較し、対応する可変情報テーブルTの印字情報(名称情報T2、原材料名情報T3、原料原産地情報T4、保存方法情報T5)を読み出す(読出手段)。
PC400は、読み出した印字情報を印字データに変換しラベル貼付装置300へ送信する。この時、PC400は、印字枚数を1枚として指定する。また、賞味期限に関しては、PC400内の図示しない時計部より算出され印字データに変換される。
ラベル貼付装置300は、通信部315を介して受信した印字データを印字制御部316で可変情報ラベルLbに印字する。
【0023】
次いで、検知センサK3により食品Wを検知すると、ラベル貼付装置300は、可変情報ラベルLbを繰出し食品Wに貼付する。
【0024】
上記の説明により、本発明の第二の実施の形態によるラベル貼付システムによれば、第一の実施の形態によるラベル貼付システムと同様の効果を有すると共に、PC400のハードディスクに可変情報テーブルTを設けたので、より多くの異なる食品に対応可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】URLの基本的な構造を説明するための説明図である。
【図2】食品に貼付されるラベルの形態を示すもので、(a)は、広告ラベルの形態を示し、(b)は、可変情報ラベルの形態を示す図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態によるラベル貼付システムの構成を説明するための構成図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態によるラベル貼付装置の回路構成を説明するための回路構成図である。
【図5】本発明で使用する可変情報を格納する可変情報テーブルの構成図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態によるラベル貼付システムの構成を説明するための構成図である。
【符号の説明】
【0026】
U1 プロトコル名
U2 ホスト名
U3 ポート番号
U4 ファイルパスアドレス
U5 ファイル名
La 広告ラベル
Lb 可変情報ラベル
C QRコード
W 食品
D コンベア
10 ラベル貼付システム(第一の実施の形態)
100 ラベル貼付装置(第一のラベル貼付装置)
200 読取手段
300 ラベル貼付装置(第二のラベル貼付装置)
K1、K2、K3 検知センサ
310 CPU
311 非揮発性メモリ
312 RAM
313 操作部
314 時計部
315 通信部
316 印字制御部
317 搬送制御部
318 スキャナインタフェース
319 システムバス
T 可変情報テーブル
T1 RUL情報
T2 名称情報
T3 原材料名情報
T4 原料原産地情報
T5 保存方法情報
20 ラベル貼付システム(第二の実施の形態)
400 PC


【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を搬送するコンベアと、
該食品を識別する識別情報を含む2次元コードが印刷された広告ラベルを貼付する第一のラベル貼付装置と、
前記広告ラベルの2次元コードを読み取る読取手段と、
前記識別情報に対応する可変情報を記憶する記憶手段と、
前記読取手段で読み取った2次元コードを解析する解析手段と、
前記解析手段により解析された識別情報から前記記憶手段に記憶された可変情報を読み出す読出手段と、
前記読み出し手段により読み出された可変情報をラベルに印字する印字手段を有すると共に前記食品に可変情報ラベルを貼付する第二のラベル貼付装置と
を有することを特徴とするラベル貼付システム。
【請求項2】
前記識別情報はインターネットで使用可能なURLであることを特徴とする請求項1記載のラベル貼付システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−62815(P2007−62815A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−252519(P2005−252519)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】