説明

ラベル貼付装置

【課題】 印字済みラベルに巻き癖が生じ、ラベルに反りが生じる場合でも、印字済みラベルを正常な状態で吸着保持でき、正しくラベルを貼付することができるラベル貼付装置を提供する。
【解決手段】 ラベル発行部B1から印字済みラベルLを待機部15に排出し、待機部で待機する印字済みラベルLを、アプリケータB2が吸着し、該アプリケータの作動で吸着保持したラベルを商品に貼付するラベル貼付装置において、前記待機部15の直上で、排出方向と直交するラベル幅方向の一側部又は両側部に、排出された印字済みラベルLの排出方向と平行な縁部を覆うラベル押え片17を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はストレッチフィルムで包装された商品に印字済みラベルを貼付するラベル貼付装置に係り、更に詳しくはラベル発行部から発行された印字済みラベルをアプリケータの吸着部が吸着保持し、アプリケータの移動により該吸着部を商品に押し付けてラベルを貼付するラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラベル貼付装置には、一般的に長尺帯状の台紙にラベルが一定間隔で剥離可能に貼付されたラベル用紙をロール状に巻いたラベルロールが使用され、台紙から剥離されてラベル発行部から発行される印字済みラベルは、ソロバン玉状の接触子を配列したラベル受け面(待機部)にて支持され、そのラベル受け面で待機する印字済みラベルはアプリケータの吸着部で吸着保持され、そのアプリケータが移動して該吸着部を商品に押し付けることで吸着保持するラベルを商品に貼付するラベル貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、そのようなラベル貼付装置において印字済みラベルの長さ(発行方向の長さ)が長い場合(例えば、150mm位)や、ラベル用紙が巻かれたラベルロールの径が使用に伴って小さくなりラベルに巻き癖がついた場合、ラベル発行部からラベル受け面に発行されるラベルに反りが生じる場合がある。
そして、ラベル受け面にて待機する反りが発生している印字済みラベルに対して、アプリケータが移動して吸着部によるラベル吸着動作が始まると、待機している印字済みラベル表面がアプリケータのラベル吸着部に均一に接しない場合があり、結果的に印字済みラベルが正しくアプリケータによって吸着されない場合があるという問題があった。
【0004】
その問題の一例を図7に基づいて説明する、例えば、ラベル受け面33にて待機する反りが発生している印字済みラベルに対して、アプリケータが移動して吸着部によるラベル吸着動作が始まると、図7(a)に示すように移動するアプリケータ31のラベル保持部31’の下部が、上方に反っているラベルL’先端の粘着面(裏面)に接触する。その接触した状態のままアプリケータ31がラベル受け面33上の所定位置まで移動すると、その水平移動により粘着面が接着したラベルも一緒にラベル発行部32側に向けて引きずられ、ラベル受け面33に発行され待機するラベルL’は図7(b)に示すように略U字状に折り曲げられ、ラベルL’裏面の粘着面が上方を向いた状態で吸着保持される。粘着面を上に向けて吸着保持された印字済みラベルL’は、図7(c)に示すようにアプリケータ31が商品W’上方に移動し、下降して商品W’に印字済みラベルL’を押し付けたとしても、粘着面が上を向いているため、商品に貼付することはできない。即ち、貼付不良となる。
【0005】
【特許文献1】特許第3589121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記した従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、印字済みラベルの長さが長い場合や、ラベルロールの径が小さくなり、印字済みラベルに巻き癖が生じ、ラベルに反りが生じる場合でも、印字済みラベルを正常な状態で吸着保持でき、正しくラベルを貼付することができるラベル貼付装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、長尺帯状の台紙にラベルを一定間隔で剥離可能に貼付したラベル用紙がロール状に巻かれたラベルロールをラベルロールセット部にセットし、そのラベルロールセット部からラベル用紙を引き出して所定の印字を行い、ラベル発行部から印字済みラベルを待機部に排出し、待機部で待機する印字済みラベルを、アプリケータが吸着し、該アプリケータの作動で吸着保持したラベルを商品に貼付するラベル貼付装置において、前記待機部の直上で、排出方向と直交するラベル幅方向の一側部又は両側部に、排出された印字済みラベルの排出方向と平行な縁部を覆うラベル押え片を設けたことを特徴とする(請求項1)。
上記ラベル押え片が、ラベル幅方向の両側部に配置される場合、両側のラベル押え片は独立タイプ、両側のラベル押え片が連結された一体物のタイプの何れでもよい。
又、本発明のラベル貼付装置は、印字手段を内蔵したラベル貼付装置、印字手段を内蔵しないラベル貼付装置の何れでもよく、従って待機部に発行される印字済みラベルは、内蔵の印字手段で印字されて発行されるものに限らず、予め所定の印字がされたラベルが台紙に貼付され、ロール状に巻かれたラベルロールから剥離して発行されるものも含むものである。
【0008】
上記手段によれば、待機部におけるラベルの排出方向(発行方向)と直交するラベル幅方向の一側部又は両側部に、排出された印字済みラベルの排出方向と平行な縁部を覆うラベル押え片が設けられているため、待機部に排出される印字済みラベルの反りが前記ラベル押え片で押えられ、印字済みラベルの反りは軽減される。それにより、アプリケータの移動によるラベルの吸着動作が正しく行われることになる。
【0009】
そして、前記ラベル貼付装置は、前記待機部にて、ラベルを吸着保持したアプリケータを略水平移動させる制御手段を備えた構成とする(請求項2)。
【0010】
上記手段によれば、印字済みラベルを吸着保持したアプリケータは、印字済みラベルの排出方向と同方向に水平移動するため、前記ラベル押え片がアプリケータの移動時に邪魔になることはなく、アプリケータの効率的な移動を可能とする。
【0011】
又、前記ラベル押え片は、ラベルロールセット部に対するラベルロールの挿入方向奥側の突き当て位置の線上に配置するとよい(請求項3)。
この構成とした場合は、ラベルロールをラベルロールセット部にセットする作業を、挿入方向奥側に突き当てることでセット(基準合せ)でき、その突き当ての延長線上におけるラベル排出方向に前記ラベル押え片が配置されている為、ラベル幅(排出方向と直交する方向の幅)の異なるラベルロールをセットした場合でも、排出される印字済みラベルの幅方向の側端は常にラベル押え片の下を通過するようになる。従って、ラベル幅の異なるラベルロールの変更に応じてラベル押え片の位置を変更す必要はない。
【0012】
更に、前記ラベル押え片は、待機部に排出されるラベルの先端側と対向する後部に、待機部表面から離間する上方へ反った案内部を設けてもよい(請求項4)。
上記手段によれば、ラベル押え片の後部が上方に反っていることで、待機部に排出される印字済みラベルの先端はラベル押え片の下側にスムーズに進入される。
【0013】
又、前記待機部は、ラベル押え片の長さ方向に沿って、回転するローラ部材を、ラベルの幅方向に並列配置して構成すると更に有効である(請求項5)。
上記手段によれば、待機部のローラ部材はラベルの排出方向に回転する為、ラベルと待機部の接触抵抗は少なく、アプリケータの水平移動がスムーズに行われる。
【0014】
更に、前記アプリケータの移動と待機部におけるラベル押え片の位置は、例えば、前記アプリケータは、ラベルが発行される待機部に向けて略水平に移動し、所定位置で下降することによりラベルを吸着し、前記ラベル押え片は、前記待機部に発行されたラベルの少なくとも先端部を押える位置に配置してもよい(請求項6)。
【0015】
上記手段によれば、排出された印字済みラベルの先端部がラベル押え片で押えられることで、ラベルの先端部が上方に反り上がることはなく、その為にアプリケータが該ラベルを吸着保持する為に待機部上に移動する途中にラベルの先端部と接触することはない。従って、アプリケータの吸着部によってラベルは正しく吸着保持される。
【0016】
又、前記ラベル押え片は、待機部に発行されるラベルの長さに合せて配置位置を排出方向に沿って移動可変自在としてもよい(請求項7)。
上記手段によれば、ラベル押え片がラベルの排出方向に沿って移動自在である為、排出されるラベルの長さに合せて、前記したラベルの先端部を押える位置に移動調整することで、ラベル長さに関係なくラベルの先端側が反り上がるのを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のラベル貼付装置は請求項1記載の構成により、待機部上に排出されたラベルの排出方向と平行な縁部の一方又は両方がラベル押え片で覆われるため、排出されるラベルの反りは押えられる。従って、待機部に待機するラベルに上方に突出する反りはなく、アプリケータによって正しく吸着保持され、商品に対するラベルの貼付不良を確実に防止できる。
又、請求項2記載の構成により、ラベルの反りを抑えるラベル押え片がアプリケータの移動の邪魔になることは無く、効率的なアプリケータの移動を可能とする。
更に、請求項3記載の構成により、ラベル幅の異なるラベルロールに変更した場合でも、排出されるラベルの幅方向の側縁は常にラベル押え片の下に位置することになる。従って、ラベル幅の異なるラベルロールに切り替えた場合でも、ラベル幅方向におけるラベル押え片の位置を変更する作業は不要で、非常に効率的である。
【0018】
また、請求項4記載の構成により、待機部に排出されるラベルは、待機部とラベル押え片との間にスムーズに進入され、ラベルの反りは確実に押えられる。
更に、請求項5記載の構成により、待機部のローラ部材はラベルの排出方向に回転する為、ラベルと待機部の接触抵抗は少なく、アプリケータの水平移動がスムーズに行われる。
又、請求項6記載の構成により、待機部に待機するラベルの先端部が上方に反り上がることはなく、その為にアプリケータが該ラベルを吸着保持する為に待機部上に移動する途中にラベルの先端部と接触することはない。従って、アプリケータの吸着部によってラベルを正しく吸着保持することができる。
更に、請求項7記載の構成により、排出されるラベルの長さに合せて、ラベル押え片を前記したラベルの先端部を押える位置に移動調整することで、ラベル長さに関係なくラベルの先端側が反り上がるのを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係るラベル貼付装置の実施の一例を図面に基づいて説明する。
図1は、ストレッチ包装装置に組み付けたラベル貼付装置の概要を示し、図中、Aはストレッチ包装機、Bはラベル貼付装置である。
ストレッチ包装装置Aは、スーパーマーケットや小売店のバックヤード等に設置して使用され、生鮮食品等の商品などの物品(被包装物)をストレッチフィルムで包装するもので、今日周知の構造である。
【0020】
そのストレッチ包装装置Aは、機枠1の前方に商品Wを載置する商品載置部2が配置され、該商品載置部2に載せた商品Wはプッシャコンベヤ3により機枠内部に設けたエレベータ4まで搬送される。尚、商品Wは容器であるトレイに収容された状態で搬送される場合を例示し、また、商品載置部2は計量部の計量皿として構成されている。
上記エレベータ4の上方には包装部5が設けられ、その包装部5にはフィルムフィード機構6の上方に、商品Wに上面を覆うフィルムの端部を商品の底部側に折り込む後折り込み板7と左右折り込み板8、その左右折り込み板8の上方に位置して包装済みの商品を排出する排出プッシャ9、及び排出プッシャ9の移動方向前方位置に前折り込みローラ10が配設されている。
【0021】
又、前折り込みローラ10の前方には、ヒータ部11とその前部に商品溜まり部12が配設され、前記ヒータ部11及び商品溜まり部12の側方には、ラベル貼付装置Bを構成するラベル発行部B1が、ヒータ部11の上方で前記ラベル発行部B1の側方にはアプリケータ(ラベル貼付機構)B2が配置されている。
【0022】
上記ストレッチ包装装置Aにおいては、商品載置部2に載置された商品Wはプッシャコンベヤ3によってエレベータ4上に搬送され、その商品Wはエレベータ4の上昇により包装部5に張架されたフィルムに対して下方から突き上げられ、商品Wの上面を覆ったフィルムの端部は、後折り込み板7と左右折り込み板8とにより商品の底面側に折り込まれる。
次に、排出プッシャ9により商品Wをヒータ部11へ向けて水平に押動しながら前記フィルムの前側端部を前折り込みローラ10で商品Wの底面に折り込み、その底面側に折り込まれたフィルム端部の重なり部はヒータ部でヒートシールされ、包装済みの商品Wが得られる。ヒータ部11へ押動された商品Wには、その上面にラベル貼付装置Bによって所定のラベルが貼付され、前記排出プッシャ9によって商品溜まり部12へ排出される。
【0023】
次にラベル貼付装置Bについて説明する。
ラベル貼付装置Bは、先に説明したようにラベル発行部(ラベルプリンタ)B1と、そのラベル発行部B1から発行される印字済みラベルLを商品Wに貼付するアプリケータ(ラベル貼付機構)B2とにより構成されている。
【0024】
ラベル発行部(ラベルプリンタ)B1は、図1に示すように2台の発行部、即ち第1発行部13及び第2発行部14を前後に並設すると共に、それら2台の発行部はガイド機構15により商品の排出方向に沿って移動可能に設置されている。
第1発行部13は、奥側に配置され値段ラベルを印字発行するラベルプリンタであり、第2発行部14は手前側に配置されてセキュリティラベルを発行するラベル発行器である。
【0025】
上記第1発行部13及び第2発行部14は、データ(情報)を印字する印字ヘッド26と、台紙にラベルが剥離可能に貼付巻回されたラベルロール25を繰り出し可能に収納するラベルロールセット部24と、台紙を巻き取る巻取り部と、台紙から印字済みラベルを剥離するディスペンサ27と、印字済みラベルを略水平に保持する待機部(ラベル受け面)15、16を備えた今日周知のものである。従って、第1発行部13及び第2発行部14の詳細については説明を省略し、本発明に関係する待機部(ラベル受け面)15、16について以下に説明する。尚、第1発行部13の待機部15と第2発行部14の待機部16の構造は同じである為、第1発行部13の待機部15について説明し、第2発行部の待機部16については説明を省略する。
【0026】
待機部15は、ソロバン玉状のローラ部材15aを、ラベルの排出方向と同方向に向けて平行に配置したフレーム15cに対し直交するように配置した支軸15bに回転可能に取り付けて構成され、前記ローラ部材15aは排出されるラベル裏面の粘着面における幅方向(排出方向と直交する方向の幅)の両側部及び中央部付近を粘着保持するように、幅方向に間隔をおいて配列すると共に、ラベル幅の異なるラベルロールの交換にも対応し得るように、受け面幅は変更可能に構成されている。その受け面幅の変更機構としては、幅方向に間隔をおいて配列するローラ部材15aの支軸15bを左右分離し、少なくとも一方側のローラ部材15aを他方のローラ部材15aに対して接離移動可能に構成する。
【0027】
そして、上記構成とした待機部15には、該待機部15の直上で、且つラベルの排出方向と直交するラベル幅方向の一側部(図面では奥側)に、排出された印字済みラベルLの排出方向と平行な幅方向奥側の縁部Laを覆うラベル押え片17が取り付けられている。
【0028】
上記ラベル押え片17は、帯状の金属平板で構成され、その長さは前記待機部15のラベル排出方向の長さと略同じ長さとし、その帯板の幅方向の一半部(外半部)に、前記待機部15のフレーム15cに対して支持する取付部17aが形成され、幅方向の他半部(内半部)はローラ部材15aの頂面と所定の間隔S(例えば、1mm弱)をおいて対向し、排出される印字済みラベルLの反りを押える縁押え部17bが形成されている。尚、前記ローラ部材15aの頂面とラベル押え片17との間隔Sは、ローラ部材15aのブロックを上下することで可変可能で、位置の可変はビスによって行うことができる。
そして、前記縁押え部17bには、前記待機部15に排出されるラベルLの先端側と対向する後部の内側角部を、待機部15の表面から離間する上方に湾曲させた案内部23が形成されている。これにより、待機部15上に排出される印字済みラベルLがラベル押え片17の下側にスムーズに挿入案内される。
【0029】
ラベル押え片17を待機部15のフレーム15cに対して取り付ける方法は、例えば、図2〜図4に示すように、フレーム15cにセット用ピン18と固定ネジ19を螺合するネジ孔20がフレームの長さ方向に所定の間隔をおいて形成され、他方ラベル押え片17の取付部17aには前記セット用ピン18に嵌合する孔21と、ネジ孔20に螺合する固定ネジ19が貫通する孔22が所定の間隔を置いて複数(図示の例では2個づつ)形成されている。それにより、ラベル押え片17は待機部15の長手方向における取付位置を可変できるように構成されている。
【0030】
又、ラベル押え片17はラベル幅の大小に関係なく、常に印字済みラベルLの一方縁上に位置するように、ラベルロールセット部24に対するラベルロール25の挿入方向奥側の突き当て位置Xの線上に配置されている。それにより、ラベル幅の異なるラベルロールに変更した場合でも、ラベルロール25を挿入方向奥側の突き当て位置に突き当ててセットすることで、そのラベルロールから繰り出されるラベルの幅方向奥側の縁はラベル押え片17の縁押え部17bの幅内に位置し、ラベルの反りが確実に押えられる。
【0031】
待機部15上に排出され待機する印字済みラベルLを吸着保持して貼付位置まで移動し、商品Wに貼付するアプリケータ(ラベル貼付機構)B2は、待機部15(又は16)に待機する印字済みラベルLを吸着するラベル保持部28と、その保持部28を移動させる駆動機構29とにより構成されている。
ラベル保持部28は、ラベルを吸着保持する吸着部と、該吸着部の上部に配置され前記吸着部にラベル吸着力を発生させる吸引ボックス部とで構成されている。
駆動機構29は、前記ラベル保持部28を商品Wの搬出方向と直交する方向、詳しくは前記ストレッチ包装装置Aのヒータ部11上でその幅方向に移動させる駆動機構、及び前記ラベル保持部28を上下方向に移動させる駆動機構と、前記ラベル保持部28を水平面内で回転させる駆動機構を具備する。
そして、上記ラベル保持部28と駆動機構29は、コンピュータで構成された制御手段30で制御されるように構成されている。
尚、上記したアプリケータ(ラベル貼付機構)B2の詳細な構成については、例えば特許第3589121号公報に記載されている為、詳細な説明は省略する。
【0032】
次に、待機部15に排出され待機する印字済みラベルLを、アプリケータ(ラベル貼付機構)B2で商品に貼付する動作を図5に基づいて説明する。
(1)アプリケータB2は基準位置(予め、設定により決定されている)から水平移動で待機部15の上部に設定されている原点位置まで移動する(図5(a)参照)。
(2)待機部15上の原点位置から待機部15に向かって下降し、ラベル保持部28を印字済みラベルLの表面に押し付けて該ラベルLを吸着する(図5(b)参照)。
(3)ラベル保持部28がラベルLを吸着保持した後、アプリケータ(ラベル貼付機構)B2はほぼ水平移動して前記基準位置(ラベル貼付位置)まで移動し、ヒート部11上に排出された商品Wの略直上に位置する(図5(b)の仮想線の位置)。尚。アプリケータの水平移動は、図示するように鉛直方向に若干上がりながら略水平移動する。これは、アプリケータのラベル保持部でラベルを吸着する場合、該ラベル保持部をラベルに押し付けて吸着する為、その押し付けている力を解除する為に上方へ引き上げながら水平移動させる。その押し付けている力を解除せずにそのまま水平移動した場合で、特にラベルの長さがラベル保持部28のラベル吸着面より該アプリケータの進行方向に対して少なくとも前後方向にはみ出す長いラベルの場合、アプリケータB2が水平方向に移動し、待機部15の先端部を超えるまで下方向へ押し付けている力が働いていると、前記はみ出したラベルを吸着したままアプリケータは下方向へ押し付けようとするので、待機部15の先端と、ラベル吸着面から後方にはみ出したラベルの端部とが当って上方へ跳ね上げられ、それによりラベルにはラベル前側がラベル吸着面から離反する力が作用し、その結果、ラベルがラベル吸着面から分離落下する可能性がある。
(4)基準位置に到達後、垂直下方に下降してラベル保持部28を商品Wの上面に押し付け、ラベル保持部28に粘着面を下に向けて吸着保持する印字済みラベルLを貼付する。尚、アプリケータ(ラベル貼付機構)B2の下降動作は、商品Wがヒート部11上の所定位置に排出されたことが検出された後、開始される。その検出方法としては、例えば、ヒート部11の側方に配置したセンサで検出する、或いは包装部5からヒート部11に商品を排出する排出プッシャ9の駆動後の所定時間後等、何れでもよい。
【0033】
図6はラベル押え片の他の変形例を示し、待機部15に排出される印字済みラベルLの幅方向の両側縁を押えるように、ラベル押え片30を待機部15の幅方向の両側に配置した例である。この場合、両側のラベル押え片30は図示するように連結片31で連結された一体物に限らず、左右のラベル押え片30が分離独立した形態でもよい。尚、ラベルの両側を押えるタイプは、前記したラベルの片側縁を押えるタイプに比べて、ラベルの引っ掛かりが多少多くなる可能性がある。
【0034】
本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で変更可能である。
例えば、図示のラベル発行部B1はストレッチ包装装置Aに対して横向きに配置してあるが、ストレッチ包装装置Aにおける商品の排出方向と同じ方向にラベルが排出(発行)されるよう平行に配置し、アプリケータが水平に移動してラベルを受け取るようにしてもよい。
又、実施の形態ではラベル発行部として2台の発行部が設置された形態を示したが、ラベル発行部は1台の発行部でもよいものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係るラベル貼付装置を包装装置に組み込んだ状態を示す平面図。
【図2】ラベル発行部における待機部を示す拡大平面図。
【図3】図2の(3)−(3)線に沿える拡大断面図。
【図4】図2の拡大側面図。
【図5】アプリケータの動作を示す説明図で、(a)は基準位置から待機部上への水平移動を示す図、(b)はアプリケータが下降してラベルを吸着し、吸着後、基準位置へ移動する状態を示す図。
【図6】ラベル押え片の他の変形例を示す平面図。
【図7】従来のラベル貼付装置によるラベル貼付動作を示す説明図。
【符号の説明】
【0036】
A…ストレッチ包装装置 B…ラベル貼付装置
B1…ラベル発行部 B2…アプリケータ
15,16…待機部 17,30…ラベル押え片
21…案内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺帯状の台紙にラベルを一定間隔で剥離可能に貼付したラベル用紙がロール状に巻かれたラベルロールをラベルロールセット部にセットし、そのラベルロールセット部からラベル用紙を引き出して所定の印字を行い、ラベル発行部から印字済みラベルを待機部に排出し、待機部で待機する印字済みラベルを、アプリケータが吸着し、該アプリケータの作動で吸着保持したラベルを商品に貼付するラベル貼付装置において、
前記待機部の直上で、排出方向と直交するラベル幅方向の一側部又は両側部に、排出された印字済みラベルの排出方向と平行な縁部を覆うラベル押え片を設けたことを特徴とするラベル貼付装置。
【請求項2】
前記待機部にて、ラベルを吸着保持したアプリケータを略水平移動させる制御手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
前記ラベル押え片は、ラベルロールセット部に対するラベルロールの挿入方向奥側の突き当て位置の線上に配置されていることを特徴とする請求項1記載のラベル貼付装置。
【請求項4】
前記ラベル押え片は、待機部に排出されるラベルの先端側と対向する後部に、待機部表面から離間する上方へ反った案内部を有していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のラベル貼付装置。
【請求項5】
前記待機部は、ラベル押え片の長さ方向に回転するローラ部材を、ラベルの幅方向に並列配置して構成されていることを特徴とする請求項1記載のラベル貼付装置。
【請求項6】
前記アプリケータは、ラベルが発行される待機部に向けて略水平に移動し、所定位置で下降することによりラベルを吸着し、
前記ラベル押え片は、前記待機部に発行されたラベルの少なくとも先端部を押える位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載のラベル貼付装置。
【請求項7】
前記ラベル押え片は、待機部に発行されるラベルの長さに合せて配置位置を可変自在としたことを特徴とする請求項1記載のラベル貼付装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate