説明

ラベル貼付装置

【課題】ラベル貼付装置の段取りの切替時間の短縮を目的とするラベル貼付装置。
【解決手段】ラベル貼付ユニットEのための連結ステーションAが設けられている基本装置を備えている、容器のためのラベル貼付装置において、ラベル貼付ユニットEは、所定の一連の相対動作によって、基本装置における目標位置に連結する、および目標位置から切り離されるようにされており、媒体コネクタ部材および媒体コネクタ部材6は、それぞれ、ラベル貼付ユニットおよび基本装置に配置されており、互いに接続されるようにされている。これらの媒体コネクタ部材6は、連結の一連の動作によって自動的に接続され、かつ切離しの一連の動作によって自動的に分離されるように適合化されるように、実施されており、かつ、ラベル貼付ユニットEおよび連結ステーションAに、目標位置に基づいて、そのように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載のラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報冊子である非特許文献1には、その第15ページに、ラベル貼付ユニットを基本装置に連結するための垂直方向に調整可能な連結ステーションが説明されている。第15ページの関連する写真は、少なくとも1つのコネクタ部材(例えばユニットの駆動部の例えば供給電流用)をラベル貼付ユニットに取り付ける公知の原理を示している。さらに、連結ステーションの領域に、接続されたコネクタ部材も示されている。ラベル貼付ユニットは、駆動モーターのための供給電流を必要とするのみならず、ほとんどの場合、それ以外の媒体(例えば、加圧空気、空気圧力、制御信号、同期データ情報)も必要とする。ラベル貼付ユニットには、これらの媒体それぞれのための個々の接続部およびコネクタ部材が設けられており、これらには、連結動作時または連結動作後、適切に実施されているコネクタ部材あるいは継手が手作業によって取り付けられる(この冊子の第6ページ)。この冊子の第3ページの写真には、確立された接続が示されている。このようなラベル貼付装置においては、個々のアセンブリを備えたモジュール設計のおかげで、さまざまな構成が可能である。例えば、ラベル貼付装置には、さまざまなラベル貼付ユニット(コールドグルーユニットおよびホットグルーユニット、粘着性ラベル用のラベル貼付器、各種ラベル用のラベル貼付ユニット、ラベル印刷ユニットなど)を、必要に応じた数だけ選択的に連結することができる。これにより、飲料業界のニーズとして、ボトルまたはその他の容器にラベルを貼り付けるときに、さまざまな容器タイプを使用しながら工程の柔軟性を最大限にするというニーズが満たされる。このラベル貼付装置の利点として、設計がコンパクトであり、各部へのアクセスが容易であり、デザインが頻繁に変更される場合に効率が大幅に高まり、全体として、ユーザにとってのコストが大幅に低減する。しかしながら、コネクタ部材の接続を手で確立することは、時間がかかり、特殊な注意が必要であり、なぜなら、接続を確立するためには、その前に各コネクタ部材の中の1つまたは複数のコネクタ要素を最初に露出させなければならないためである。コネクタ要素が露出していると、オペレータにとっての操作上の危険性が高まり、なぜなら、場合によっては高い電流または電圧が必要であるためである。また、コネクタ要素が誤って汚れたり損傷することがある。さらには、さまざまな媒体の複数の接続を確立しなければならない。これらは、できる限り短くすべきである段取り時間あるいは切替え時間に関して重大な欠点であり、なぜなら、ラベル貼付装置の構造上の原則として、最大の柔軟性と、短い段取り時間または切替え時間とが目標とされるためである。
【0003】
さらなる従来技術は、特許文献1および特許文献2に開示されている。
【特許文献1】独国特許第19741476号明細書
【特許文献2】国際公開第2005/068302号パンフレット
【非特許文献1】“Etikettiertechnik, KRONES Modul-Etikettiermaschinen” (?Labelling Technology“ KRONES Modular Labelling Machines“), printing date 05/04, of the firm Krones AG, D-93073 Neutraubling/DE
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、冒頭に記載したタイプのラベル貼付装置を改良するという課題に基づいており、媒体を伝えるための接続の確立が単純化され、接続の確立を、操作上の危険性を低減しながら自動的に実行することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1の特徴によって達成される。
【0006】
連結時の一連の動作を利用して接続を自動的に確立し、切離し時には自動的に接続を分離することができるように、媒体を接続するためのコネクタ部材は、連結された状態におけるラベル貼付ユニットの目標位置に基づいて、ラベル貼付ユニットおよび連結ステーションにすでに固定的に配置されている。さらに、コネクタ要素は、オペレータがコネクタ部材を直接操作する必要がないように、構成されている。連結時には媒体接続がすでに確立されており、切離し時には媒体接続が分離しているため、ラベル貼付ユニットを目標位置まで動かすとき、または目標位置から離すとき、接続を確立するための手動でのさらなる操作を省くことができ、このような手動操作に伴う時間および労力をかける必要がもはやない。これにより、操作上の安全性も高まり、なぜなら、オペレータはもはやコネクタ部材を操作する必要がないためであり、さらには、コネクタ要素が露出しているときにコネクタ部材が汚れたりオペレータが危険にさらされることがないように、これらのコネクタ部材を配置できるからである。段取り時間および切り替え時間は減少し、なぜなら、ラベル貼付ユニットがラベル貼付装置に正しく連結された時点でただちにラベル貼付装置を動作させることができ、また、ラベル貼付ユニットを取り外すときに接続を分離するための時間が必要ないからである。
【0007】
有利な実施形態によると、少なくとも、連結ステーションに配置されているコネクタ部材に保護カバーが設けられており、この保護カバーは、連結時および切離し時に、コネクタ部材における1つまたは複数のコネクタ要素のための保護カバーリングポジションと、媒体接続を確立することのできる受動ポジション(passive position)との間で、動くことができる。保護カバーは、連結時および切離し時に、一連の動作によって自動的に移動することが好ましい。ラベル貼付ユニットが切り離されているとき、露出しているコネクタ要素に起因するオペレータの操作上の危険性は、もはや存在しない。このことは重要であり、なぜなら、必要な供給電圧値が、例えば、最大で400ボルトであるためである。さらに、少なくとも連結ステーションにおいて、コネクタ部材における1つまたは複数のコネクタ要素が、汚れあるいは短絡に対して保護され、なぜなら、連結ステーションが使用されていない状態では、これらのコネクタ要素が、洗浄液などの影響から保護カバーによって保護されるためである。ラベル貼付ユニットが切り離されている状態においてカバーが誤って開いたときに生じうる危険性を排除するため、操作できないように保護カバーを固定することができる。操作に対するこの保護は、例えば、保護カバーが開く動きをセンサーによって検出することによってと、ラベル貼付ユニットが接続されていないときに連結ステーションの内部をゼロ電位に切り替えることによって、達成される。
【0008】
別の実施形態によると、ラベル貼付ユニットの連結時および切離し時に行われる一連の動作を使用して、媒体接続を確立する。具体的には、ラベル貼付ユニットが基本装置および連結ステーションの方に本質的に直線的に接近する動作によって、コネクタ部材の開口が露出するように保護カバーが受動ポジションの方に少なくとも途中まで動き、その一方で、連結ステーションが本質的に直線的に、好ましくは垂直方向に上昇する動作、もしくは、ラベル貼付ユニットが下降する動作、またはその両方によって、コネクタ部材が接続され、1つまたは複数の媒体接続が確立され、上昇する動作もしくは下降する動作、またはその両方は、接近する動作に対してほぼ横方向に起こる。言い換えれば、コネクタ部材の構造設計および配置は、通常の一連の動作を維持することができ、それにもかかわらず、遅延が生じることなく接続を確立することができるように、一連の動作に適合化させたものとなっている。
【0009】
特に有利な実施形態によると、ラベル貼付ユニットおよび連結ステーションのそれぞれに、さまざまな媒体のための複数の媒体端子(media terminals)を含んでいる少なくとも1つの内部コネクタ要素を有するコネクタ部材が配置されており、コネクタ部材がハウジングを画成しており、このハウジングは、媒体端子を保護しており、複数の媒体ラインが接続されている。さまざまな媒体として、例えば、供給電流、加圧空気、油圧媒体、水、電気情報、電気信号、電気的データメッセージとすることができる。これらのさまざまな媒体は、相互に接続されている2つのコネクタ部材を介してまとめて伝えることが有利である。その場合、コネクタ部材までの接続ラインを最適に保護することができ、かつ最適な短い長さとすることができ、なぜなら、従来技術において実行される手動操作の場合とは異なり、接続を確立および分離するプロセスにおいて手動で操作するためと、接続を分離する前に連結ステーションとラベル貼付ユニットとを互いに相対的に動かすための、余分なケーブル長さ、あるいは自由に動くケーブル、ホース、またはラインを使用する必要がないためである。
【0010】
有利な実施形態によると、コネクタ部材の保護カバーは保護蓋であり、この保護蓋の上、もしくは、開口の周囲または開口の上または開口の中、あるいはその両方に、弾性シールフレーム(elastic sealing frame)が配置されており、弾性シールフレームは、保護カバーが保護ポジションに位置しているとき、コネクタ部材の開口を、そのすべての側面において閉じている。保護カバーの保護ポジションにおいては、ハーメチックシール効果が生成される。この解決策の1つの利点として、ラベル貼付ユニットが切り離された状態において、連結ステーションにおけるコネクタ部材の1つまたは複数のコネクタ要素が、不注意または不測の接触、あるいは物体との衝突に対して保護され、さらに、保護カバーを取り付けるおよび取り外すための操作がまったく必要なく、なぜなら、この目的には、連結時および切離し時に行われる所定の一連の動作のみが使用されるためである。
【0011】
有利な実施形態によると、保護カバーが保護ポジションに動くとき、保護カバーが、連接機構(articulation mechanism)によってコネクタ部材の開口または開口のシールフレームに押し付けられるように、保護カバーの保護蓋が、連接機構を介してコネクタ部材に可動自在に支持されている。
【0012】
有利な実施形態によると、保護カバーが自動的に保護ポジションをとるように、ばねの力もしくはバラスト重り(例えば、レバーアームにおけるバラスト重りによる)、またはその両方の影響が、連接機構または保護カバーに、保護ポジションの方向に作用する。
【0013】
保護カバーを受動ポジションに自動的に動かすため、ラベル貼付ユニット、好ましくはそのコネクタ部材に、少なくとも1つの作動要素が設けられていることが有利である。この作動要素は、コネクタ部材の前を動き、接近動作の方向に、保護カバーの停止器(counter stop)の方、または保護蓋の連接機構の方を向いている。接近動作時、次に行われるコネクタ部材の間の接続の確立が保護カバーによって妨げられないように、作動要素によって、保護カバーが、受動ポジションまで、または受動ポジションの方向に移動する。この場合、手による操作が必要ない。安全性の面にも関連し、なぜなら、この動作段階では、連結ステーションにおけるコネクタ部材の自由開口が、ラベル貼付ユニットにおけるコネクタ部材によってすでに覆われており、従って、オペレータの手が、意図的もしくは非意図的のいずれにおいても、露出した部分に触れることができない。
【0014】
構造的に単純な実施形態によると、連接機構は、コネクタ部材の両側に旋回自在に支持されている2つのフォークを備えており、これらのフォークの間に保護カバーが取り付けられている。各フォークの少なくとも1本の突起は、その長さを延ばして停止器を形成することができる。その場合、接近動作時、ラベル貼付ユニットおよびその作動要素がこの突起に作用し、従って、接近動作によって保護カバーが受動ポジションに移動する。
【0015】
具体的な実施形態によると、実質的に垂直な向きに連結ステーションに取り付けられているコネクタ部材の開口は、上方を向いていることができ、さらに、接近動作の方向に斜めに傾斜していることができる。この斜めの開口は、平らとすることができ、あるいは、保護蓋の相補的な凹状縁部に合致する凸状円弧をこの開口に設けることができ、これは特に有利である。保護蓋の旋回軸(接近動作に対して本質的に横方向に、水平に延びている)は、保護蓋が保護ポジションを離れた時点でただちに保護蓋が開口から持ち上がるように、開口の円弧セクションに関して偏心して配置されている。これにより、たとえ保護蓋が保護ポジションにおいて開口に動かないように押し付けられていても、保護蓋の動きに対する抵抗が低減する。さらに、旋回軸が偏心して配置されている効果として、保護蓋が旋回軸を中心に動いて保護ポジションに達したときに、保護蓋によって開口が固定的に閉じられ、開口がシールフレームによってシールされ、なぜなら、保護蓋が開口に接触して開口をしっかりと閉じるためである。
【0016】
上の実施形態によると、ラベル貼付ユニットに配置されているコネクタ部材の開口は下方を向いていることができ、さらに、連結ステーションにおけるコネクタ部材の開口に合致していることができる。両方のコネクタ部材におけるコネクタ要素は、これらコネクタ要素が正しく接続されているときコネクタ部材が互いにシールされた状態で接触しているように、配置されている。結果として、接続が正しく確立されると、外部からの影響に対してコネクタ要素も保護される。
【0017】
コネクタ部材と、破損しやすいコネクタ要素とが損傷することを防止する目的で、各コネクタ部材とそれぞれのコネクタ要素とを相互に位置合わせするためのセンタリング装置を、連結ステーションおよびラベル貼付ユニットに設けることが有利である。これらのセンタリング装置は、マンドレルおよび受け穴とすることができ、これらマンドレルおよび受け穴は、接近動作によって互いに位置合わせされ、上昇動作および下降動作によって互いに係合するようにされていることが好ましく、これにより、コネクタ要素が互いに正しく接触することが保証される。
【0018】
有利な実施形態によると、少なくとも、連結ステーションにおけるコネクタ部材におけるコネクタ要素を、可動自在に配置することができ、保護カバーの連接機構とコネクタ要素との間に機械式接続(geared connection)を設けることができる。保護カバーが受動ポジションに動くと、コネクタ要素は、機械式接続によって、他方のコネクタ部材のコネクタ要素との接続ポジション(最初のコネクタ部材よりも持ち上がっている)に動く。それに対し、コネクタ要素がコネクタ部材の中で固定的に取り付けられている場合、コネクタ要素が互いに正しく接続されるように、コネクタ部材を互いに係合させることができる。さらに、ラベル貼付ユニットのコネクタ部材に保護カバーを設けることもでき、この保護カバーは、連結時および切離し時に一連の動作を利用して同様に移動する。
【0019】
以下では、本発明の主題の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、ラベル貼付装置Mの一部を概略的に示しており、このラベル貼付装置は、基本装置B(例えば、ボトル回転コンベア(bottle carousel)(図示していない))と、連結ステーションA(単一の連結ステーションA、または、基本装置Bの周りに円周沿いに配置されている複数の連結ステーションAのうちの1台)と、目標位置に連結されているラベル貼付ユニットEとを備えている。
【0021】
ラベル貼付装置Mのこのモジュール式の構成に基づいたとき、基本装置Bにおいて搬送される容器F(例えば、ボトル)に、ラベル貼付ユニットEからラベルを貼り付けることができる。
【0022】
ラベル貼付ユニットEは、所定の一連の動作によって、図示した連結ポジション(基本装置Bにおける目標位置)に動き、この一連の動作は、例えば、連結ステーションAの、矢印1の方向における実質的に直線状かつ水平の接近動作と、連結ステーションAの、矢印2の方向における実質的に直線状かつ、この実施形態においては垂直方向の上昇動作、もしくは、ラベル貼付ユニットEの、矢印2’の方向における垂直方向の下降動作、またはその両方とを含んでいる。これらの接近動作1と、上昇動作2および下降動作2’とを使用して、ラベル貼付ユニットEにおけるコネクタ部材4と、連結ステーションAにおける相補的なコネクタ部材6との間の媒体用プラグ接続を自動的に確立する。ラベル貼付ユニットEを切り離すには、この一連の動作を逆に行い、この逆に行われる一連の動作を使用して、媒体用プラグ接続を分離する。
【0023】
媒体用プラグ接続を通じて伝えられる媒体は、例えば、ラベル貼付ユニットEの駆動モーター(図示していない)のための供給電流のみである。しかしながら、媒体用プラグ接続を介して複数の異なる媒体(例えば、供給電流、加圧空気、油圧媒体、水、電気信号、電気的データメッセージ)を同時に伝えることが有利である。これを可能にするため、複数の媒体ライン5,8が、コネクタ部材6,4と、コネクタ部材の中に配置されている媒体コネクタ要素3,7とに接続されている。
【0024】
図示した実施形態においては、コネクタ部材4(ラベル貼付ユニットEにおける適切な位置に固定手段22によって固定することができる)は、その開口が下を向くように配置されており、コネクタ部材6(本質的に垂直向きに、固定手段21を使用して連結ステーションAに取り付けられている)は、ラベル貼付ユニットEが連結されている図示した状態において、コネクタ要素3,7が互いに接続されており、コネクタ部材4,6が好ましくは密閉状態に互いに接続されているように、その開口が上を向くように配置されている。
【0025】
少なくとも、連結ステーションAのコネクタ部材6には、保護カバー9(例えば、保護蓋)が設けられており、この保護カバー9は、連接機構10によって、コネクタ部材6における旋回軸12を中心に旋回するようになされている。この保護カバー9は、図1に示した受動ポジションと、図示していない保護ポジション(切離し動作時にラベル貼付ユニットEのコネクタ部材4が取り外されたときに保護カバー9が自動的にとるポジション)との間で旋回することができる。
【0026】
保護カバー9を、図示していない保護ポジションから、図1に示した受動ポジションに動かす目的で、ラベル貼付ユニットE(すなわち、コネクタ部材4)に作動要素11が設けられている。この作動要素11は、接近動作1の方向に前を動き、連接機構10の停止器26に作用する。連接機構10は、例えば、コネクタ部材6の両側に配置されているフォーク23(図2)を備えており、保護カバー9を画成している保護蓋が、このフォーク23の間に取り付けられている。フォーク23は、ばねの力15、もしくは、有効なレバーアームを有するバラスト重り、またはその両方によって、方向16、保護ポジションの方にあらかじめ力がかかっている。
【0027】
連結ステーションAは、垂直方向に調整可能な支持脚14を介して地面に据え付けることができ、その場合、ラベル貼付ユニットEが何らかの手段(図示していない)によって垂直方向に調整される。あるいは、連結ステーションAの基部をシリンダ13によって垂直方向に調整できるようにすることができる。
【0028】
ラベル貼付ユニットEと連結ステーションAとの間に、センタリング装置Z(例えば、連結ステーションにおけるマンドレル20)を設けることが有利である。マンドレル20は、ラベル貼付ユニットEの下面に設けられている受け穴19に挿入されるようにされており、コネクタ部材4,6が正しく一体化してコネクタ要素3,7が正しく接続されることを保証する。
【0029】
連接機構10の旋回軸12は、コネクタ部材6の中心軸線と、コネクタ部材6の上側開口の中心とに対して、距離xだけ偏心して配置されており、これにより、保護ポジション(図示していない)においては、保護カバー9が、自身に作用する力15のもとでコネクタ部材6の上側開口を密閉状態にしっかりと閉じ、保護カバー9が保護ポジションを離れて、図示した受動ポジションの方向に動くと、ただちにコネクタ部材6の開口から持ち上がる(開口をこすらない)。
【0030】
図2に示した実施形態では、図1による実施形態との主たる違いとして、コネクタ部材6の開口(参照数字27によって表してある)が、接近動作1の方向において斜めに傾斜している。この傾斜は凸状の円弧28であり、この円弧は、保護カバー9の縁部30にも凹状の円弧の形で存在している。旋回軸12が、コネクタ部材6および開口27の中心に対して距離xだけずれて配置されているため、保護カバー9が図2における右方向に保護ポジションまで動くと、縁部30が開口27に動かないように押し付けられる。開口27の上側には、例えば、その周囲に沿って延在する弾性シールフレーム29が設けられている。図2において、開口27は、上向きのダクト31によって囲まれており、このダクト31の中には1つまたは複数のコネクタ要素7(図示していない)が取り付けられている。
【0031】
2つのフォーク23は2本の突起24,25を有し、これら突起24,25に保護カバー9(保護蓋として実施されている)が取り付けられている。突起25は、1つまたは複数の作動要素11(図1を参照)のための停止器26を画成するように、先端において長くなっており、従って、ラベル貼付ユニットEの接近動作1時に保護カバー9が適切に移動し、開口27を露出させる。
【0032】
代替の解決策として、コネクタ要素7は、図1において垂直方向に動くようにコネクタ部材6の中に支持されており、例えば、連接機構10によって、機械式接続17(破線によって示してある)を介して矢印18の方向に移動するようになされている。保護蓋が、図1に示した受動ポジションに動いたとき、コネクタ要素7は、コネクタ要素7がコネクタ部材4におけるコネクタ要素3に正しく接続される距離だけ、矢印18の方向に機械式接続17を介して持ち上がっている。
【0033】
図2による斜めの開口は、平らとすることもでき、保護カバー9の相補的な縁部30についても同様である。言うまでもなく、ラベル貼付ユニットEにおけるコネクタ部材4の開口についても、媒体用プラグ接続が正しく確立されたときにコネクタ部材4,6によってシールされるように、図2においては適切な凹形状を有する。
【0034】
連結動作時、接近動作1を使用して、マンドレル20および受け穴19を互いに位置合わせすることができ、上昇動作2および下降動作2’を使用して、各マンドレル20をその受け穴19に挿入し、コネクタ部材4,6を正しく接続する。少なくとも円錐状のマンドレル20では、センタリングプロセスが容易になる。
【0035】
ラベル貼付ユニットEの切離し時、一連の動作が逆に行われるときには、最初に、上昇動作2および下降動作2’によって、ラベル貼付ユニットEが接近動作1とは反対の方向に離れることができる位置まで、コネクタ部材4,6が互いに分離する。この動きによって、保護カバー9(力15が作用している)が自動的に保護ポジションをとり、開口27がシールされる。ラベル貼付ユニットEにおけるコネクタ部材4には、保護カバーとして、形状および機能が類似した保護カバーを設けることができるが、下向きであることを考えると、保護カバーを設けなくてもよい。
【0036】
コネクタ要素3,7は、例えば、供給電圧または供給電流のための電流接続を確立する目的にのみ使用することができる。しかしながら、上述したように、媒体用プラグ接続を介して複数の媒体を同時に伝えることが有利である。
【0037】
図3は、連結ステーションにおけるコネクタ部材6の例えばコネクタ要素7を、概略的な平面図として示している。コネクタ要素7は、上から見るとほぼ長方形であり、長方形の長手方向端部の両方に舌状ガイド突起33が設けられている。この舌状ガイド突起33は、ラベル貼付ユニットEのコネクタ部材4における対応するコネクタ要素3の相補的な穴に挿入することができる。コネクタ要素7の前面32には、例えば供給電流のための、例えば2本の接触ピン34および2つの接触ソケット35が配置されている。これらの接触ソケット35の横には、電気信号のための一連の接触ツメまたは接触ピン36が設けられている。これら接触ツメまたは接触ピン36の横には、例えば、加圧空気、水、およびその他の媒体(必要時)のための3つの接続ソケット37が設けられている。コネクタ部材4のコネクタ要素3(図示していない)は、鏡像的に反転させた構造設計を有し、従って、コネクタ要素3,7の間に適切な接続が確立されているとき、すべての媒体を同時に伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】ラベル貼付ユニットが連結ステーションに連結して媒体用プラグ接続が確立された状態でのラベル貼付装置の一部の概略断面図を示している。
【図2】連結動作の過程における連結ステーションにおけるコネクタ部材の代替形態を詳しく示している。
【図3】媒体用プラグ接続を確立するためのコネクタ要素の概略的な平面図を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器のためのラベル貼付装置(M)であって、
ラベル貼付ユニット(E)のための少なくとも1台の連結ステーション(A)が設けられている基本装置(B)と、
それぞれの媒体コネクタ部材(6,4)と、
を備えており、
前記ラベル貼付ユニット(E)は、所定の一連の相対的な動作によって、前記基本装置における目標位置に連結する、および目標位置から切り離される、ようにされており、
前記媒体コネクタ部材(6,4)は、それぞれ、前記基本装置(B)および前記ラベル貼付ユニット(E)に配置されており、互いに接続されるようになされている、
ラベル貼付装置(M)において、
前記媒体コネクタ部材(6,4)は、
前記媒体コネクタ部材(6,4)は、前記連結の一連の動作によって自動的に接続され、これによって、少なくとも1つの媒体接続が確立され、かつ、前記切離しの一連の動作によって自動的に分離される、ように適合化されるように、
前記ラベル貼付ユニット(E)および前記連結ステーション(A)に、前記目標位置に基づいて配置されており、そのように実施されている、
ことを特徴とする、ラベル貼付装置(M)。
【請求項2】
少なくとも、前記連結ステーション(A)に配置されている前記コネクタ部材(6)に、保護カバー(9)が設けられており、前記保護カバーは、前記コネクタ部材(6)の開口(27)を覆う保護ポジションと、前記開口(27)が露出して、それぞれの媒体コネクタ要素(7,3)を自動的に接続することのできる受動ポジションとの間で、前記一連の動作によって、好ましくは自動的に動くことができ、前記保護カバー(9)の前記動作は、連結時および切離し時に行われる、
ことを特徴とする、請求項1に記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
前記連結の一連の動作は、前記ラベル貼付ユニット(E)の、前記基本装置(B)および前記連結ステーション(A)の方への本質的に直線状の接近動作(1)と、前記連結ステーション(A)の、少なくとも本質的に直線的な、好ましくは本質的に垂直方向の上昇動作(2)、もしくは、前記ラベル貼付ユニット(E)の下降動作(2’)、またはその両方、とを含んでおり、前記上昇動作(2)および前記下降動作(2’)が、前記接近動作(1)に対してほぼ横方向に起こり、
前記保護カバー(9)が、前記接近動作(1)によって前記受動ポジションの方に少なくとも途中まで動くことができ、
前記コネクタ要素(7,3)および前記コネクタ部材(6,4)は、前記上昇動作(2)もしくは前記下降動作(2’)、またはその両方によって接続されるようになされている、
ことを特徴とする、請求項2に記載のラベル貼付装置。
【請求項4】
前記ラベル貼付ユニット(E)および前記連結ステーション(A)のそれぞれに、複数の媒体端子(34,35,36,37)を含んでいる少なくとも1つの内部コネクタ要素(7,3)を有するコネクタ部材(6,4)が配置されており、前記コネクタ部材(6,4)がハウジングを画成しており、前記ハウジングが、前記コネクタ要素(7,3)を保護しており、複数の媒体ライン(5,8)に接続されている、
ことを特徴とする、請求項1に記載のラベル貼付装置。
【請求項5】
前記保護カバー(9)、好ましくは保護蓋の上、もしくは、前記開口(27)の周囲または開口の上または開口の中、あるいはその両方に、弾性シールフレーム(29)が配置されており、前記弾性シールフレーム(29)が、前記保護カバー(9)が前記保護ポジションに位置しているとき、前記開口(27)を、そのすべての側面において閉じている、
ことを特徴とする、請求項1に記載のラベル貼付装置。
【請求項6】
前記保護カバー(9)が、連接機構(10)を介して前記コネクタ部材(6)に可動自在に支持されており、
前記保護カバー(9)が、前記保護ポジションに動くとき、前記連接機構(10)によって前記開口(27)または前記開口(27)のシールフレーム(29)に押し付けられるようになされている、
ことを特徴とする、請求項1に記載のラベル貼付装置。
【請求項7】
前記連接機構(10)または前記保護カバー(9)に、ばねの力もしくはバラスト重り、またはその両方の影響(15)が、前記保護ポジションの方向(16)に作用することを特徴とする、請求項6に記載のラベル貼付装置。
【請求項8】
前記ラベル貼付ユニット(E)、好ましくは前記ラベル貼付ユニット(E)の前記コネクタ部材(4)に、少なくとも1つの作動要素が設けられており、前記作動要素は、前記コネクタ部材(4)の前を動き、前記接近動作(1)の方向に、前記保護カバー(9)の停止器(26)の方、または前記保護カバー(9)の前記連接機構(10)の方を向いている、
ことを特徴とする、請求項6に記載のラベル貼付装置。
【請求項9】
前記連接機構(10)は、前記コネクタ部材(6)の両側に旋回自在に支持されている2つのフォーク(23)を備えており、前記フォークの間に前記保護カバー(9)が取り付けられており、
前記フォーク(23)それぞれの少なくとも1本の突起(25)が、長さが延長されており、これにより前記停止器(26)を形成している、
ことを特徴とする、請求項6に記載のラベル貼付装置。
【請求項10】
少なくとも実質的に垂直の向きに前記連結ステーション(A)に取り付けられている前記コネクタ部材(6)の前記開口(27)は、上方を向いており、前記接近動作(1)の方向に、好ましくは直線的に、または凸状円弧に沿って、斜めに傾斜しており、
前記保護カバー(9)は、前記開口(27)に合致する縁部(30)を有し、好ましくは前記コネクタ部材(6)における旋回軸(12)を中心に旋回可能であり、前記旋回軸(12)は、前記接近動作(1)に本質的に横方向に、かつ水平に延びており、前記保護カバー(9)が前記保護ポジションを離れた時点でただちに前記保護カバー(9)が前記開口(27)から持ち上がるように、前記旋回軸(12)は前記開口(27)に関して偏心して(x)配置されている、
ことを特徴とする、請求項1から請求項9の少なくとも1項に記載のラベル貼付装置。
【請求項11】
前記ラベル貼付ユニット(E)に配置されている前記コネクタ部材(4)の前記開口は、下方を向いており、前記連結ステーション(A)における前記コネクタ部材(6)の前記開口(27)の上、周囲、または中に嵌るまたは収まるように実施されており、
両方のコネクタ部材(6,4)における前記コネクタ要素(3,7)は、前記コネクタ要素が正しく接続されたときに前記コネクタ部材(6,4)が互いにシールするように、配置されている、
ことを特徴とする、請求項10に記載のラベル貼付装置。
【請求項12】
前記連結ステーション(A)および前記ラベル貼付ユニット(E)に、それぞれの前記コネクタ部材(6,4)とそれぞれの前記コネクタ要素(7,3)とを相互に位置合わせするための係合可能なセンタリング装置(Z)、が配置されており、前記センタリング装置(Z)は、好ましくは、前記ラベル貼付ユニット(E)および前記連結ステーション(A)におけるマンドレル(20)および受け穴(19)であり、前記マンドレル(20)および前記受け穴(19)は、前記接近動作(1)によって互いに位置合わせされ、前記上昇動作(2)および前記下降動作(2’)によって互いに係合するようになされている、
ことを特徴とする、請求項1から請求項11の少なくとも1項に記載のラベル貼付装置。
【請求項13】
少なくとも、前記連結ステーション(A)における前記コネクタ部材(6)における前記コネクタ要素(7)が、可動自在に配置されており、
前記保護カバー(9)の前記連接機構(10)と前記コネクタ要素(7)との間に機械式接続(17)が設けられており、前記保護カバー(9)が前記受動ポジションに動くとき、前記コネクタ要素(7)は、前記機械式接続(17)によって、前記ラベル貼付ユニット(E)の前記コネクタ部材(4)の前記コネクタ要素(3)との接続ポジションまで、前記コネクタ部材(6)に対して動くことができる、
ことを特徴とする、請求項1から請求項12の少なくとも1項に記載のラベル貼付装置。
【請求項14】
前記コネクタ要素(3,7)それぞれの媒体端子(34,35,36,37)が、電気信号、電気的データ、電力、加圧空気、水、油圧媒体などを並列に送るように少なくとも実施されていることを特徴とする、請求項1から請求項13の少なくとも1項に記載のラベル貼付装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−120267(P2009−120267A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−291075(P2008−291075)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(506040652)クロネス アクティェンゲゼルシャフト (55)
【Fターム(参考)】