説明

ランプソケットおよびこのランプソケットを用いた照明器具

【課題】ランプピンを挿入するだけでランプを確実に保持することができるランプソケットおよび照明器具を提供する。
【解決手段】平面らせん形蛍光灯20をランプソケット10に取付ける際に、平面らせん形蛍光灯20の発光管22の両端部に設けられた一対の口金23から突出している一対のランプピン21を、ランプソケット10のランプピン挿入溝13に挿入し、ランプピン挿入溝13の内部に設けられている一対の導電板14に一対のランプピン21を押し込むだけで保持できるので、簡単に平面らせん形蛍光灯20をランプソケット10に装着することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面らせん形蛍光灯のランプピンを保持して電力を供給するランプソケットおよびこのランプソケットを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ランプのランプピンを保持して電力を供給するためにランプソケットが用いられている(例えば特許文献1参照)。
図4に示すように、特許文献1に記載のランプソケット100は、ランプ101を保持して電力を供給するものであり、ランプ口金102に当接する受金面103に、一端が外周面104に開口し、ランプピン105が挿入可能なランプピン挿入溝106が設けられている。このランプピン挿入溝106の内部には、開口側と反開口側に、互いに異極の導電端子107、108が設けられている。
【0003】
従って、ランプ101のランプピン105をランプソケット100のランプピン挿入溝106に沿って挿入し、一対のランプピン105をランプピン挿入溝106内部の導電端子107、108に押し込むことにより容易にランプ101をランプソケット100に装着することができる。
【特許文献1】特開平10−144432号公報(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
なお、前述した特許文献1に記載のランプソケット100によってランプピン105が水平になるような状態でランプ101を支持する場合には、ランプ101が脱落するおそれがあるため係止爪(図示省略)が設けられているが、ランプ101の脱落を防止するには不十分であった。
【0005】
このため、平面らせん形蛍光灯を水平に保持する場合には、例えば図5に示すランプソケット110ように、ランプピン105の脱落を防止するために、ランプピン挿入溝111の入り口を閉じる開閉蓋111が設けられているものが用いられている。しかしながら、このようなランプソケット110では、ランプピン105を挿入した後に、開閉蓋111を閉じるという動作が要求され面倒であるという問題があった。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、ランプピンを挿入するだけでランプを確実に保持することができるランプソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のランプソケットは、管状の放電路の長手方向中央部を始点として同一平面に沿って2重渦巻状に旋回された発光管を有する平面らせん形蛍光灯の、当該発光管の両端部に設けられた一対の口金から、前記放電管の軸方向に沿って突出し前記平面に直交する方向に配設された一対のランプピンを保持して電力を供給するランプソケットであって、前記一対のランプピンを前記平面に直交する方向へ挿入可能なランプピン挿入溝と、前記ランプピン挿入溝の内部に設けられ前記一対のランプピンをそれぞれ保持する一対の導電板と、を有する構成を有している。
【0008】
この構成により、平面らせん形蛍光灯をランプソケットに取付ける際に、平面らせん形蛍光灯の発光管の両端部に設けられた一対の口金から突出している一対のランプピンを、ランプソケットのランプピン挿入溝に挿入し、ランプピン挿入溝の内部に設けられている一対の導電板に一対のランプピンを押し込むだけで保持できるので、容易に平面らせん形蛍光灯をランプソケットに装着することができる。また、開閉蓋等を設ける必要がないので、小型化を図ることができる。
【0009】
また、本発明のランプソケットは、前記一対の導電板が、挿入方向奥側導電板と手前側導電板とを有し、前記手前側導電板による前記ランプピンへの押付力が前記挿入方向奥側導電板による前記ランプピンへの押付力よりも大きい構成を有している。
【0010】
この構成により、手前側導電板によるランプピンへの押付力が、挿入方向奥側導電板の押付力よりも大きいので、挿入方向奥側のランプピンは押付力が強い手前側導電板を通過するとともに、手前側のランプピンが手前側導電板に保持されることになり、平面らせん形蛍光灯の脱落を完全に防止することができる。
【0011】
さらに、本発明のランプソケットは、前記挿入方向奥側導電板が、前記ランプピンの挿入を停止させるストッパ部を有する構成を有している。
【0012】
この構成により、挿入方向奥側のランプピンがストッパ部に当接するまで押し込むことにより、ランプピンは完全に導電板によって保持されることとなる。
【0013】
さらに、本発明の照明器具は、管状の放電路が長手方向中央部を中心として略同一平面に沿って2重渦巻状に旋回された発光管と、前記発光管の両端部にそれぞれ設けられた一対の口金と、前記口金に設けられて前記発光管の軸方向に沿って延びるランプピンと、前記一対の口金間を連結支持するブリッジとを備えた蛍光ランプと、前記ランプピンと電気的に接続されて前記蛍光ランプに電力を供給するランプソケットと、前記ランプソケットを介して前記蛍光ランプを保持する器具本体と、を備えた照明器具であって、前記ランプソケットが、請求項1〜3に記載のランプソケットであるる構成を有している。
【0014】
この構成により、平面らせん形蛍光灯をランプソケットに取付ける際に、平面らせん形蛍光灯の発光管の両端部に設けられた一対の口金から突出している一対のランプピンを、ランプソケットのランプピン挿入溝に挿入し、ランプピン挿入溝の内部に設けられている一対の導電板に一対のランプピンを押し込むだけで保持できるので、容易に平面らせん形蛍光灯をランプソケットに装着することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、平面らせん形蛍光灯をランプソケットに取付ける際に、平面らせん形蛍光灯の発光管の両端部に設けられた一対の口金から突出している一対のランプピンを、ランプソケットのランプピン挿入溝に挿入し、ランプピン挿入溝の内部に設けられている一対の導電板に一対のランプピンを押し込むだけで保持できるので、簡単に平面らせん形蛍光灯をランプソケットに装着することができるという効果を有するランプソケットを提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態のランプソケットについて、図面を用いて説明する。
図1(A)は本発明の実施の形態にかかるランプソケットの正面図、図1(B)は側面図、図1(C)は下面図、図2(A)は平面らせん形蛍光灯の平面図、図2(B)は図2(A)中B方向から見た正面図、図3は本発明の実施の形態にかかる照明器具の斜視図である。
【0017】
図1に示すように、本発明にかかるランプソケット10は、平面らせん形蛍光灯20のランプピン21を保持して電力を供給するものである。
【0018】
図2に示すように、平面らせん形蛍光灯20は、管状の放電路が長手方向中央部22aを始点として同一平面に沿って2重渦巻状に旋回された発光管22を有しており、発光管22の中央部22aは、その他の部分に比して太径となっており、最冷点となっている。発光管22の両端部にはそれぞれ口金23、23が取付けられており、両口金23、23は、発光管22の中央部22aに対して、点対称の位置に設けられている。なお、両口金23、23はブリッジ24によって連結されている。また、各口金23、23には、平面らせん形蛍光灯20の平面に直交する方向に一対のランプピン21として、挿入方向奥側ランプピン21aおよび手前側ランプピン21bが、発光管22の軸方向に沿って突出して設けられている。
【0019】
図1に示すように、ランプソケット10は、例えば有底円筒形状をした本体11の前面(図1(B)において右面)開口にカバー12が取付けられており、カバー12にはランプピン21が通過可能なランプピン挿入溝13が下方に開口して切りかかれている。本体11の内部空間には、カバー12に設けられたランプピン挿入溝13に沿って、一対のランプピン21a、21bをそれぞれ保持する一対の導電板14が設けられている。一対の導電板14は、挿入方向奥側ランプピン21aを保持する挿入方向奥側導電板14aおよび手前側ランプピン21bを保持する手前側導電板14bを有している。
【0020】
手前側導電板14bによる手前側ランプピン21bへの押付力は、挿入方向奥側導電板14aによる挿入方向奥側ランプピン21aへの押付力よりも大きく設定されるのが望ましい。例えば、手前側導電板14bの押付力は、平面らせん形蛍光灯20の重量を十分に保持できる強さを有し、挿入方向奥側導電板14aの押付力は、挿入方向奥側ランプピン21aと確実に導通がとれ且つ手前側導電板14bの押付力よりも小さく設定する。なお、押付力の強弱は、導電板14のばね力を強弱設定することにより可能である。あるいは、ばね力が一定で、導電板14の隙間(ランプピン21を挿入する隙間)を大小設定することによっても可能である。
【0021】
これにより、挿入方向奥側ランプピン21aは押付力が強い手前側導電板14bを通過するとともに、手前側ランプピン21bが手前側導電板14bに保持されることになり、平面らせん形蛍光灯20の脱落を完全に防止することができる。
【0022】
また、挿入方向奥側導電板14aに、挿入方向奥側ランプピン21aの挿入を停止させるストッパ部15を設けるのが望ましい。例えば、挿入方向奥側導電板14aを全体C字形状に形成し、C字形状の底部をストッパ部15とすることができる。
【0023】
以上、説明したランプソケット10によれば、平面らせん形蛍光灯20をランプソケット10に取付ける際に、図1(B)に示すように、平面らせん形蛍光灯20の発光管22の両端部に設けられた一対の口金23から突出している一対のランプピン21を、ランプソケット10のランプピン挿入溝13に挿入し、ランプピン挿入溝13の内部に設けられている一対の導電板14に一対のランプピン21を押し込むだけで保持できるので、容易に平面らせん形蛍光灯20をランプソケット10に装着することができる。このとき、挿入方向奥側ランプピン21aがストッパ部15に当接するまで押し込むことにより、両ランプピン21は容易且つ完全に導電板14によって保持されることとなる。また、開閉蓋等を設ける必要がないので、小型化を図ることができる。
【0024】
図3に示すように、本発明にかかる照明器具30は、天井や壁等の壁面31に固定して使用するものであり、例えば矩形箱状の器具本体32と、器具本体32の前面開口を覆う透明あるいは半透明の樹脂等からなるパネル33を有している。器具本体32の底板32aには、一方の端部寄りに商用交流電源(図示省略)に接続されている点灯装置34等の電気部品が取付けられており、点灯装置34等を覆うとともにパネル33を取付けるための取付板35が設けられている。パネル33は、ネジ33aを取付板35のネジ穴35aに螺合し、締め付けることにより着脱可能に取付けられる。
【0025】
また、底板32aの中央部および他方の端部よりには、蛍光ランプとしての平面らせん形蛍光灯20の照明光をパネル33側に反射して照明効率を向上させる反射板36が設けられており、反射板36の上面に、平面らせん形蛍光灯20を装着するための一対のランプソケット10、10が取付けられている。これらランプソケット10、10は、電源線(図示省略)によって、点灯装置34に接続されている。
【0026】
以上、説明した照明器具30によれば、前述したランプソケット10を用いることにより、平面らせん形蛍光灯20をランプソケット10に取付ける際に、平面らせん形蛍光灯20の発光管22の両端部に設けられた一対の口金23から突出している一対のランプピン21を、ランプソケット10のランプピン挿入溝13に挿入し、ランプピン挿入溝13の内部に設けられている一対の導電板14(図1参照)に一対のランプピン21を押し込むだけで保持できるので、容易に平面らせん形蛍光灯20をランプソケット10に装着することができる。これにより、両ランプピン21は容易且つ完全に導電板14によって保持されることとなる。また、開閉蓋等を設ける必要がないので、照明器具30の小型化を図ることができる。
【0027】
なお、本発明のランプソケットおよび照明器具は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】(A)は本発明の実施の形態にかかるランプソケットの正面図、(B)は側面図、(C)は下面図
【図2】(A)は平面らせん形蛍光灯の平面図、(B)は(A)中B方向から見た正面図
【図3】本発明の実施の形態にかかる照明器具の斜視図
【図4】従来のランプソケットの一例を示す斜視図
【図5】従来のランプソケットの別の例を示す斜視図
【符号の説明】
【0029】
10 ランプソケット
13 ランプピン挿入溝
14 導電板
14a 挿入方向奥側導電板
14b 手前側導電板
15 ストッパ部
20 平面らせん形蛍光灯(蛍光ランプ)
21 ランプピン
22 発光管
23 口金
24 ブリッジ
30 照明器具
32 器具本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状の放電路の長手方向中央部を始点として同一平面に沿って2重渦巻状に旋回された発光管を有する平面らせん形蛍光灯の、当該発光管の両端部に設けられた一対の口金から、前記放電管の軸方向に沿って突出し前記平面に直交する方向に配設された一対のランプピンを保持して電力を供給するランプソケットであって、
前記一対のランプピンを前記平面に直交する方向へ挿入可能なランプピン挿入溝と、前記ランプピン挿入溝の内部に設けられ前記一対のランプピンをそれぞれ保持する一対の導電板と、を有することを特徴とするランプソケット。
【請求項2】
前記一対の導電板が、挿入方向奥側導電板と手前側導電板とを有し、前記手前側導電板による前記ランプピンへの押付力が前記挿入方向奥側導電板による前記ランプピンへの押付力よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のランプソケット。
【請求項3】
前記挿入方向奥側導電板が、前記ランプピンの挿入を停止させるストッパ部を有することを特徴とする請求項2に記載のランプソケット。
【請求項4】
管状の放電路が長手方向中央部を中心として略同一平面に沿って2重渦巻状に旋回された発光管と、前記発光管の両端部にそれぞれ設けられた一対の口金と、前記口金に設けられて前記発光管の軸方向に沿って延びるランプピンと、前記一対の口金間を連結支持するブリッジとを備えた蛍光ランプと、
前記ランプピンと電気的に接続されて前記蛍光ランプに電力を供給するランプソケットと、
前記ランプソケットを介して前記蛍光ランプを保持する器具本体と、を備えた照明器具であって、
前記ランプソケットが、請求項1〜3に記載のランプソケットであることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−170226(P2009−170226A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−5974(P2008−5974)
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】