説明

ランプ及び照明装置

【課題】カバーと基台とが係合する部分における歪の発生を抑制しつつ、カバーと基台とを容易に一体化する。
【解決手段】カバー200は、該カバー200の短手方向の端部が該カバー200の内側に屈曲する屈曲部210を有する。基台400の短手方向の端部には、カバー200を保持するように、カバー200の長手方向において屈曲部210と線接触で係合する係合部410が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の半導体発光素子を用いたランプ及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED等の半導体発光素子は、高効率で省スペースな光源として、各種ランプに使用されている。
【0003】
このようなLEDを用いたLEDランプはLEDモジュール(発光モジュール)を備えており、LEDモジュールの形状を適宜選択して使用することにより、直管形のLEDランプ(直管形LEDランプ)及び電球形の蛍光灯(電球形LEDランプ)が提案されている。いずれのランプにおいても複数個のLEDが基板上に配列されて構成されるLEDモジュールが用いられる。例えば、特許文献1には、従来に係る直管形LEDランプが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−003683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の直管形LEDランプは、光源ユニット(発光モジュール)を保持する台(基台)と、透光性のカバーとを有する。当該基台はカバーに差し込まれる構成等によってカバーに嵌合され、かつ、カバーは基台に保持された構造である。そのため、当該基台と、カバーとは分離可能な構成となっている。このような構成のカバーは、ランプ点灯中に生じる熱などによって該カバーの長手方向において撓みやすいという問題がある。
【0006】
カバーの長手方向が撓むと、カバーと基台とが係合する部分に歪が生じるので、カバーが基台から外れ易いという問題が生じる。また、カバーが撓むことにより、上述のようにカバーと基台とが係合する部分において歪が生じると、当該カバーと基台とが一体化せず、光漏れの原因となるため好ましくない。そのため、カバーと基台とが係合する部分においてはなるべく歪が発生しないことが好ましい。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、カバーと基台とが係合する部分における歪の発生を抑制しつつ、カバーと基台とを容易に一体化することができるランプ及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るランプは、発光モジュールを保持する長尺状の基台と、前記発光モジュールを覆う長尺状のカバーとを備え、前記カバーは、該カバーの短手方向の端部が該カバーの内側に屈曲する屈曲部を有し、前記基台の短手方向の端部には、前記カバーを保持するように、前記カバーの長手方向において前記屈曲部と線接触で係合する係合部が形成される。
【0009】
すなわち、前記カバーは、該カバーの短手方向の端部が該カバーの内側に屈曲する屈曲部を有する。そのため、カバーの長手方向の撓みを抑制することができ、カバーと基台とが係合する部分における歪の発生を抑制することができる。
【0010】
さらに、前記基台の短手方向の端部には、前記カバーを保持するように、前記カバーの長手方向において前記屈曲部と線接触で係合する係合部が形成される。この構成により、カバーを、該カバーの長手方向にスライドさせることによりカバーと屈曲部とを一体化させる場合において、屈曲部と係合部との接触により生じる摩擦力を非常に小さくすることができる。以上の構成により、カバーと基台とが係合する部分における歪の発生を抑制しつつ、カバーと基台とを容易に一体化する(組み立てる)ことができる。
【0011】
また、好ましくは、前記カバーは、該カバーの短手方向に弾性変形するように構成される。
【0012】
また、好ましくは、前記カバーの短手方向において前記屈曲部の先端部が前記係合部に押圧することにより、該屈曲部と前記基台の前記係合部とは係合する。
【0013】
これにより、カバーと基台との接合強度を向上することができる。
【0014】
また、好ましくは、前記係合部は、前記発光モジュールからの射出光の1/2ビーム角の範囲外の領域に設けられる。
【0015】
また、好ましくは、前記係合部には、形状が前記屈曲部の形状と相似する溝部が形成され、前記係合部の前記溝部は、前記カバーの長手方向において前記屈曲部と線接触する。
【0016】
これにより、カバーと基台との接合強度を、さらに向上することができる。
【0017】
また、好ましくは、前記屈曲部の短手方向の先端部の断面の輪郭形状は、円弧形状である。
【0018】
また、好ましくは、前記カバーには、さらに、該カバーの長手方向において、前記発光モジュールの光照射側から前記係合部を覆うように構成された長尺状のガイド部が形成される。
【0019】
これにより、カバーの長手方向の撓みを抑制することができる。また、カバーを、該カバーの長手方向にスライドさせることによりカバーと屈曲部とを一体化させる場合において、カバーのスライド方向を特定の方向に容易に導くことができる。
【0020】
また、好ましくは、前記ガイド部は、前記発光モジュールからの射出光の1/2ビーム角の範囲外の領域に設けられる。
【0021】
本発明の一態様に係る照明装置は、上記のランプを備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、カバーと基台とが係合する部分における歪の発生を抑制しつつ、カバーと基台とを容易に一体化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、第1の実施形態に係るランプの外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、第1の実施形態に係る筺体の斜視図である。
【図3】図3は、第1の実施形態に係るランプの断面図である。
【図4】図4は、第1の実施形態に係る基台の斜視図である。
【図5】図5は、第1の実施形態に係るLEDモジュールの平面図である。
【図6】図6は、複数のLEDモジュールを示す平面図である。
【図7】図7は、図3の一部の拡大図である。
【図8】図8は、カバーと基台とが一体化されていない場合における、カバーおよび基台の断面図である。
【図9】図9は、カバーと基台とを一体化させるときの工程を説明するための図である。
【図10】図10は、弾性変形したカバーの断面を示す図である。
【図11】図11は、第2の実施形態に係る照明装置の構成を示す斜視図である。
【図12】図12は、変形例Aにおいて、カバーと基台とが係合している部分の拡大図である。
【図13】図13は、変形例Bに係る筺体の斜視図である。
【図14】図14は、変形例Bに係る筺体の断面図である。
【図15】図15は、図14の一部の拡大図である。
【図16】図16は、カバーと基台とを一体化させるときの工程を説明するための図である。
【図17】図17は、変形例Cに係る、図3の一部の拡大図である。
【図18】図18は、変形例Dに係るLEDモジュールの斜視図である。
【図19】図19は、変形例Eに係る口金の構成を示す図である。
【図20】図20は、変形例Fに係る口金の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。
【0025】
なお、実施の形態において例示される各構成要素の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるものであり、本発明はそれらの例示に限定されるものではない。また、各図における各構成要素の寸法は、実際の寸法と異なる場合がある。
【0026】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るランプ100の外観を示す斜視図である。ランプ100は、電極コイルを用いた従来の一般的な直管蛍光灯と略同形の直管形LEDランプである。
【0027】
なお、図1においては筺体110の一部を切り欠いてランプ100の内部が示されている。図1において、X,Y,Z方向の各々は、互いに直交する。以下の図に示されるX,Y,Z方向の各々も、互いに直交する。
【0028】
図1に示すように、ランプ100は、筺体110と、2つの口金201と、口金ピン202と、複数のLEDモジュール300とを備える。口金ピン202は、各口金201に設けられる。
【0029】
まず、本実施形態に係る筺体110について簡単に説明する。
【0030】
図2は、第1の実施形態に係る筺体110の斜視図である。
【0031】
図3は、第1の実施形態に係るランプ100の断面図である。具体的には、図3は、Y軸およびZ軸を含むYZ平面に沿った、ランプ100の断面図である。
【0032】
図1、図2および図3に示すように、筺体110は、LEDモジュール300を収納するための中空の筐体(外囲器)である。筺体110の形状は、長尺状である。筺体110の両端部には開口部が形成される。
【0033】
筺体110は、カバー200と、基台400とを含む。カバー200および基台400の各々は、該筺体110の長手方向に沿って延びる。以下においては、筺体110の長手方向を、筺体長手方向ともいう。
【0034】
カバー200は、透光性を有するプラスチックから構成される。なお、カバー200は、プラスチックに限定されず、アクリル、ポリカーボネート、ガラス等により構成されてもよい。
【0035】
カバー200の形状は、カバー200の長手方向の一端から他端まで、同じ形状(図3に示される形状)が続く形状である。すなわち、カバー200の形状は、長尺状である。また、基台400の形状は、基台400の長手方向の一端から他端まで、同じ形状(図3に示される形状)が続く形状である。カバー200は、発光モジュールとしてのLEDモジュール300を覆うように構成される。
【0036】
図3に示されるように、カバー200の断面形状は、略円弧形状である。カバー200の厚みは、例えば、0.7[mm]である。ただし、カバー200の断面形状は特に限定されず、例えば、四角形状など、直線と曲線とを組み合わせた形状であってもよい。
【0037】
また、カバー200の外面又は内面には拡散処理が施されていることが好ましい。これにより、LEDモジュール300が発する光を拡散させることができる。拡散処理としては、例えば、カバー200の内面にシリカや炭酸カルシウム等を塗布する方法、カバー200の材料に拡散材を分散したポリカーボネート等の樹脂材を用いる方法、あるいはカバー200の内面に溝などを形成して凹凸を設ける方法等がある。
【0038】
図4は、第1の実施形態に係る基台400の斜視図である。
【0039】
図3および図4に示すように、基台400は、載置板405を有する。載置板405は、筺体長手方向に沿って延びる。
【0040】
載置板405の表面には、複数のLEDモジュール300が筺体長手方向に沿って直線状に載置される。載置板405には、複数のLEDモジュール300が、熱伝導率の高い接着材等により固定される。すなわち、基台400は、発光モジュールとしてのLEDモジュール300を保持する長尺状の基台である。
【0041】
なお、各LEDモジュール300の基板310は、導電性のねじ部材等により、載置板405に固定されてもよい。
【0042】
次に、LEDモジュール300について説明する。
【0043】
図5は、第1の実施形態に係るLEDモジュール300の平面図である。LEDモジュール300は、COB型(Chip On Board)の発光モジュールである。LEDモジュール300は、ライン状(線状)に光を発するライン状光源である。
【0044】
図5に示すように、LEDモジュール300は、基板310と、発光部320とを備える。
【0045】
基板310は、筺体長手方向に延びる長尺矩形状の基板である。基板310は、例えば、セラミック基板である。当該セラミック基板は、アルミナ又は透光性の窒化アルミニウムからなる。
【0046】
なお、基板310は、セラミック基板に限定されず、樹脂基板、ガラス基板、可撓性のフレキシブル基板、アルミニウム基板等であってもよい。
【0047】
ここで、基板310の長手方向の長さをL1とし、短手方向の長さをL2とする。この場合、L1およびL2は、一例として、10≦L1/L2なる関係式により規定される。すなわち、L1は、L2の10倍以上である。
【0048】
本実施形態に係る基板310の各種サイズは、一例として、長辺(長手方向の長さ)が140[mm]、短辺(短手方向の長さ)が5.5〜7[mm]、厚みが1[mm]である。
【0049】
基板310の主面には、光を発する発光部320が設けられる。以下、本明細書において、基板310の主面とは、発光部320が設けられる面とする。
【0050】
具体的には、基板310の主面において、発光部320は、基板310の長手方向の両端縁まで形成されている。すなわち、発光部320は、基板310の一方の短辺の端面から対向する他方の短辺の端面まで途切れることなく形成されている。
【0051】
発光部320は、複数のLED321と、封止部材322とから構成される。
【0052】
複数のLED321は、基板310の長手方向に沿って基板310の主面に直線状に実装される。本実施形態では、一例として、各基板310に24個のLED321が実装されている。
【0053】
LED321は、単色の可視光を発するベアチップである。各LED321は、ダイアタッチ材(ダイボンド材)により、基板310に接着される。LED321は、一例として、青色光を発光する青色LEDチップである。青色LEDチップは、InGaN系の材料によって構成された、中心波長が440nm〜470nmの窒化ガリウム系の半導体発光素子である。
【0054】
発光部320に含まれる複数のLED321は、基板310の表面に形成された後述の配線330により電気的に直列接続される。以下においては、発光部320に含まれる複数のLED321を、総括的に、発光部内LED群という。
【0055】
なお、発光部内LED群を構成する複数のLED321の全ては、直列接続されてなくてもよい。例えば、発光部内LED群を構成する24個のLED321は、電気的に並列接続された3組のLED群から構成されてもよい。この場合、当該3組のLED群の各々を構成する8個のLED321は、電気的に直列接続される。
【0056】
封止部材322は、1つの基板310に実装される全てのLED321を一括封止する。基板310の主面において、封止部材322は、基板310の長手方向の両端縁まで形成されている。すなわち、封止部材322は、基板310の一方の短辺の端面から対向する他方の短辺の端面まで途切れることなく形成されている。
【0057】
なお、直線状の封止部材322(発光部320)は、基板310の短手方向の中心を通る直線上に形成される。なお、これに限定されず、封止部材322(発光部320)は、基板310の短手方向の中心を通る直線よりも一方の長辺側に寄って形成されてもよい。
【0058】
封止部材322の形状は、断面が上に凸の略半円状のドーム形状である。また、封止部材322は、波長変換体である蛍光体が含有された蛍光体含有樹脂である。また、封止部材322は、LED321からの光を波長変換する波長変換層である。
【0059】
また、波長変換層は、光の波長を変換するための光波長変換体を備える。本実施形態において、波長変換層である封止部材322は、光波長変換体として蛍光体を備える。
【0060】
従って、封止部材322は、LED321の光を励起する蛍光体微粒子を含む蛍光体層である。なお、蛍光体微粒子として黄色蛍光体微粒子が用いられており、これをシリコーン樹脂に分散させることによって蛍光体含有樹脂が構成されている。
【0061】
黄色蛍光体粒子は、一例として、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体材料である。なお、黄色蛍光体粒子は、YAG系蛍光体材料に限定されず、例えば、シリケート系蛍光体材料であってもよい。
【0062】
以上のとおり、発光部320は、青色LEDチップとしての複数のLED321と黄色蛍光体粒子が含有された封止部材322とからなる。そのため、黄色蛍光体粒子は青色LEDチップの青色光によって励起されて黄色光を放出する。これにより、発光部320からは、励起された黄色光と青色LEDチップの青色光とによって白色光が放出される。
【0063】
LEDモジュール300は、さらに、配線330と、静電保護素子340と、2つの電極端子350と、ワイヤ331とを備える。
【0064】
配線330は、タングステン(W)又は銅(Cu)等からなる金属配線である。配線330は、基板310の主面にパターン形成されている。
【0065】
2つの電極端子350の各々は、配線330と電気的に接続される。
【0066】
静電保護素子340は、例えばツェナダイオードである。静電保護素子340は、基板310上に生じる逆方向極性の静電気によってLED321が破壊されることを防止する。静電保護素子340は、配線330により、複数のLED321と電気的に接続される。
【0067】
電極端子350は、基板310の主面に形成される。電極端子350は、外部電源から直流電力を受電するとともにLED321に直流電力を給電するための受給電部(外部接続端子)である。電極端子350は、配線330と電気的に接続されている。
【0068】
例えば、電極端子350からLED321に直流電流が供給されることにより、LED321が発光し、LED321から所望の光が放出される。
【0069】
なお、本実施形態において、2つの電極端子350は、封止部材322を基準として基板310の一方の長辺側に片寄せられている。
【0070】
ワイヤ331は、隣接するLED321および配線330を電気的に接続するための電線である。ワイヤ331は、例えば、金ワイヤである。LED321の上面には電流を供給するためのp側電極及びn側電極が形成されている。p側電極及びn側電極の各々と配線330とがワイヤ331によってワイヤボンディングされている。
【0071】
図6は、複数のLEDモジュール300を示す平面図である。
【0072】
前述したように、載置板405には、図6のように複数のLEDモジュール300が筺体長手方向に沿って直線状に載置される。すなわち、複数のLEDモジュール300は筺体110内に配置される。つまり、LEDモジュール300の基板310は、前記筺体110内に配置され、半導体発光素子(LED321)が実装された基台である。
【0073】
具体的には、複数のLEDモジュール300は、基台400の載置板405に載置される。すなわち、基台としての基板310は、基台400の載置板405に載置される。つまり、基台としての基板310は、基台400に載置(接続)される。
【0074】
また、図6に示すように、各隣接する2つのLEDモジュール300のうち、一方のLEDモジュール300の電極端子350と、他方のLEDモジュール300の電極端子350とが、配線10によって電気的に接続される。
【0075】
これにより、載置板405上の複数のLEDモジュール300における複数のLED321は直列接続される。なお、配線10は、例えば、絶縁被膜された導線からなるリード線等の導電部材からなる。
【0076】
次に、口金について説明する。
【0077】
筺体110の両端部には、2つの口金201が設けられる。口金201の形状は、筺体110の開口部を閉塞する形状である。
【0078】
口金201には、一対の口金ピン202が固定される(設けられる)。口金ピン202は、導電性の金属からなる。
【0079】
なお、ランプ100の内部又は外部には、2つの口金201の一方または両方を利用して、給電を受けてLEDモジュール300のLEDを発光させるための点灯回路(不図示)が設置される。点灯回路は、例えば、4個のツェナダイオードを用いたダイオードブリッジからなる整流回路で構成することができる。
【0080】
本実施形態に係るランプ100は、2つの口金201のうち、一例として、一方の口金201を利用して、LEDモジュール300へ電力が供給される。この場合、当該一方の口金201内には、図示しない点灯回路が設けられる。また、この場合、2つの口金201のうち他方の口金201は、照明器具に装着するために使用される。
【0081】
また、この場合、当該一方の口金201は、外部の商用の交流電源から口金ピン202を介して、半導体発光素子(LED321)の発光に利用される電力(交流電力)を受電する。すなわち、当該一方の口金201には、外部から交流電力が供給される。すなわち、当該一方の口金201の口金ピン202は、外部の商用の交流電源から前記交流電力を受電するためのピンである。
【0082】
本実施形態の口金ピン202は給電用端子として作用する形態を示したが、本発明では本形態に限定されない。口金201は給電部として機能せず、電力が供給されない非給電部材として機能するものでもよい。すなわち、口金201は単に器具へ取り付けられるための取付け部として機能するものであってもよい。口金201が非給電部材として機能する場合、LEDモジュール300への給電は、コネクタなどの給電端子を使用することで容易に実現することができる。コネクタなどの給電端子は、筐体に設けた孔を通して、その一端がLEDモジュール300に接続され、他端が筐体外に配置された供給電源へ電気的に繋がるように接続すればよい。
【0083】
なお、点灯回路は、複数のLEDモジュール300に電力を供給可能なように、複数のLEDモジュール300と電気的に接続される。
【0084】
この場合、点灯回路には、該点灯回路を収容する口金201に最も近い箇所に載置されるLEDモジュール300の電極端子350と配線により電気的に接続される。また、点灯回路には、該点灯回路を収容する口金201から最も遠い箇所に載置されるLEDモジュール300の電極端子350と電気的に接続される配線であって、基台400において筺体長手方向に沿って引き回される配線が接続される。
【0085】
なお、LEDモジュール300への電力供給は、1つの口金に限定されず、2つの口金201の両方が用いられてもよい。
【0086】
次に、本実施形態に係る筺体110について、さらに詳細に説明する。
【0087】
前述したように、筺体110は、カバー200と、基台400とを含む。
【0088】
基台400は、例えば、アルミニウムで構成される。載置板405に載置されるLEDモジュール300が発する熱は、基台400を介して、外気に放熱される。
【0089】
図7は、図3の一部の拡大図である。具体的には、図7は、図3の領域R10の拡大図である。
【0090】
図3、図4および図7に示すように、基台400は、筐体110の長手方向に沿った中心軸を対称とする位置に2つの係合部410を有する。係合部410は、該基台400の短手方向の2つの端部の各々が筺体110の内側に屈曲した部分である。係合部410の形状は、例えば、コの字形状である。なお、係合部410の形状は、コの字形状に限定されず、凹部を有する他の形状であってもよい。
【0091】
係合部410の凹部は、溝部411を形成する。すなわち、係合部410には、溝部411が形成される。溝部411は、平面411a,411b,411cから構成され、係合部410と後述する屈曲部210とで構成される空間を意味する。
【0092】
カバー200は、屈曲部210を有する。屈曲部210は、該カバー200の短手方向の端部が該カバー200の内側に屈曲する部分をいう。該カバー200の内側は、例えば、LEDモジュール300の光照射側である。なお、カバー200の内側は、光照射側に限定されず、例えば、カバー200の短手方向(水平方向)側であってもよい。
【0093】
カバー200に、屈曲部210が形成されることにより、カバー200の長手方向の強度を向上させることができる。すなわち、カバー200の長手方向の撓みを抑制することができる。
【0094】
屈曲部210の最端部の断面形状は、一例として、略円弧形状である。この構成により、屈曲部210は、YZ平面において、溝部411の1以上の箇所で点接触するように、係合部410と係合する。すなわち、基台400の短手方向の端部には、カバー200を保持するように、カバー200の長手方向において屈曲部210と1以上の箇所で線接触で係合する係合部410が形成される。
【0095】
筺体110は、カバー200の屈曲部210と、基台400の係合部410とが係合することにより、カバー200と基台400とが一体化したものである。
【0096】
図7は、一例として、YZ平面において、溝部411を構成する平面411a,411b,411cの各々に、屈曲部210が点接触している状態を示す。なお、図7では、屈曲部210が平面411cと面接触しているように見えるが、実際には、屈曲部210は、平面411cと点接触している。すなわち、YZ平面において、屈曲部210は、係合部410(溝部411)と、1以上の箇所で点接触するように、係合部410と係合する。
【0097】
なお、YZ平面における屈曲部210と係合部410との係合状態は、点接触のみに限定されない。例えば、屈曲部210は、YZ平面において、溝部411(係合部410)の平面411a,411bに対しては点接触し、平面411cに対しては面接触するように、係合部410と係合するように構成されてもよい。すなわち、YZ平面における屈曲部210と係合部410との係合状態は、少なくとも1箇所において点接触する構成であってもよい。
【0098】
なお、図7は、図3の筺体110の左側の部分における屈曲部210と係合部410との係合状態を示す。図3の筺体110の右側の部分における屈曲部210と係合部410との係合状態は、図7に示される係合状態と同様であるので詳細な説明は行わない。
【0099】
また、カバー200には、さらに、ガイド部220が形成される。具体的には、カバー200の短手方向の各端部付近には、ガイド部220が形成される。ガイド部220は、筺体長手方向に沿って延びる。ガイド部220の形状は、長尺状である。ガイド部220は、カバー200の長手方向において、発光モジュール(LEDモジュール300)の光照射側から係合部410を覆うように構成される。具体的には、ガイド部220は、屈曲部210の外側の面と接触するように形成される。
【0100】
ここで、発光部320におけるLED321が発する光の光度分布は、LED321の光軸となす角度(α)の余弦(cosα)に比例するランバーシアンの配光分布を持つ。
【0101】
そのため、LED321からの射出光の1/2ビーム角はおおよそ120度となる。なお、1/2ビーム角とは、発光面から出る光の最大光度の1/2の光度となる方向を定め、その方向と光軸とがなす角度の2倍の角度として定義される。
【0102】
ここで、光軸とは、放射される光のうち、最も強い光の位置と光源の位置とを仮想的に結ぶ軸である。例えば、LED321の配光性を示す軸が、LED321の光軸である。
【0103】
ガイド部220は、LED321からの射出光の1/2ビーム角の範囲内に達しないように構成される。すなわち、ガイド部220は、LEDモジュール300(発光モジュール)からの射出光の1/2ビーム角の範囲外の領域に設けられる。また、係合部410は、LEDモジュール300(発光モジュール)からの射出光の1/2ビーム角の範囲外の領域に設けられる。この構成により、ランプ100が発する全光束を十分に確保することができる。
【0104】
また、LEDモジュール300からの出射光が、係合部410のエッジ部に係ることなく、係合部410の高さが調整されている。このため、LEDモジュール300からの出射光が直接的に係合部410に照射されることがない。したがって、外部に光が漏れることを抑制することができるほか、出射光が照射されることにより係合部410が輝線となりうるおそれも低く抑えることができる。
【0105】
また、カバー200に、ガイド部220が形成されることにより、カバー200の長手方向の強度を向上させることができる。すなわち、カバー200の長手方向の撓みを抑制することができる。
【0106】
次に、本実施形態に係るカバー200と基台400とを一体化させるときの工程について説明する。
【0107】
図8は、カバー200と基台400とが一体化されていない場合における、YZ平面に沿ったカバー200および基台400の断面図である。
【0108】
ここで、カバー200の一方の屈曲部210と、カバー200の他方の屈曲部210との距離をw1とする。また、基台400の一方の係合部410の溝部411の底面(平面411b)と、基台400の他方の係合部410の溝部411の底面(平面411b)との距離をw2とする。
【0109】
この場合、w1<w2が満たされるように、カバー200および基台400は形成される。なお、上記に限定されず、カバー200および基台400は、w1=w2が満たされるように形成されてもよい。
【0110】
図9は、カバー200と基台400とを一体化させるときの工程を説明するための図である。カバー200と基台400とを一体化させるときの工程とは、筺体110を組み立てるときの工程である。
【0111】
図8および図9を参照して、まず、w1がw2以上になるように、カバー200に対し、該カバー200の短手方向(Y方向)に外力を加える。すなわち、カバー200に対し、カバー200の内側から外側に向かって外力を加える。
【0112】
ここで、本実施形態のように、プラスチック製のカバー200を用いれば、カバー200は、該カバーの短手方向に弾性変形するように構成される。これにより、図10に示すように、カバー200は、水平方向(Y方向)に広がるように弾性変形する。以下においては、w1がw2以上になるように弾性変形した状態のカバー200を、弾性変形状態のカバー200という。すなわち、弾性変形状態のカバー200において、w1はw2以上である。
【0113】
そして、図9に示すように、弾性変形状態のカバー200の屈曲部210を、基台400の溝部411に沿って摺動させることにより、カバー200と基台400とを一体化させる。
【0114】
以下においては、カバー200の長手方向の一方の端面および他方の端面を、それぞれ、第1カバー端面および第2カバー端面という。また、以下においては、基台400の一方の端面および他方の端面を、それぞれ、第1基台端面および第2基台端面という。カバー200と基台400とが一体化した状態において、第1カバー端面および第2カバー端面は、それぞれ、第1基台端面および第2基台端面に近接する。
【0115】
具体的には、弾性変形状態のカバー200の第1カバー端面における屈曲部210を、基台400の第2基台端面側の溝部411に係合させる。そして、屈曲部210と溝部411との係合状態を維持したまま、カバー200を基台400の第1基台端面側にスライドさせていく。
【0116】
以下においては、筺体110を組み立てるために、カバー200をスライドさせている期間を、スライド期間という。
【0117】
そして、カバー200の第1カバー端面と基台400の第1基台端面とが一致するところでスライドを停止する。
【0118】
以上の工程により、カバー200と基台400とが一体化する。すなわち、以上の工程により、筺体110を組み立てることができる。
【0119】
なお、屈曲部210と溝部411とが係合している状態において、弾性変形状態のカバー200の屈曲部210の先端部は、該カバー200の復元力により、図7のように、係合部410の平面411bを押圧する。すなわち、カバー200の短手方向において屈曲部210の先端部が係合部410に押圧することにより、該屈曲部210と基台400の係合部410とは係合する。これにより、カバー200と、基台400とは、強固に一体化される。
【0120】
前述したように、係合部410は、カバー200の長手方向において屈曲部210と線接触で係合する。すなわち、屈曲部210は、カバー200の長手方向において係合部410と1以上の箇所で線接触で係合する。
【0121】
つまり、スライド期間において、屈曲部210は、カバー200の長手方向において係合部410の溝部411と線接触で係合する。例えば、屈曲部210の先端部は、図7のように、YZ平面において、係合部410の平面411bを点接触により押圧する。
【0122】
したがって、スライド期間において、屈曲部210と、係合部410の溝部411との接触面積は非常に小さい。そのため、スライド期間において、屈曲部210と溝部411との接触により生じる摩擦力を非常に小さくすることができる。したがって、スライド期間において、屈曲部210の先端部が係合部410に押圧しているにも関わらず、カバー200をスライドさせるのに必要な力を小さくすることができる。その結果、筺体110の組み立てを容易に行うことができる。すなわち、カバー200と基台400とを容易に一体化する(組み立てる)ことができる。
【0123】
また、ガイド部220が形成されることにより、カバー200の長手方向の撓みを抑制することができ、カバー200と基台400とが係合する部分における歪の発生を抑制することができる。これにより、カバー200と基台400とが係合する部分における歪の発生を抑制しつつ、カバー200と基台400とを容易に一体化することができる。
【0124】
また、図7のように、ガイド部220のうち、屈曲部210の外側の面と接触する部分は、スライド期間において、カバー200のスライド方向を筺体長手方向にガイドするように機能する。この構成により、弾性変形状態のカバー200のスライドを容易に行うことができる。つまり、ガイド部220を設けることにより、筺体110の組み立てをさらに容易に行うことができる。すなわち、カバー200と基台400とをさらに容易に一体化する(組み立てる)ことができる。
【0125】
なお、上述のように、カバー200のスライド方向を筐体長手方向にガイドするよう機能させる構成とは、例えば、屈曲部210と係合部410との接触面積を低減させて、結果的に接触抵抗を小さくできるように、屈曲部210の先端が曲率を持つように形成された構成をいう。
【0126】
以下においては、ガイド部220のうち、屈曲部210の外側の面と接触する部分を、ガイド部接触部分ともいう。
【0127】
また、筺体110の組み立てが終了した後において、係合部410は、屈曲部210と、ガイド部220のガイド部接触部分とにより挟まれる。これにより、カバー200と、基台400とを、さらに、強固に一体化することができる。すなわち、カバー200と基台400との接合強度を向上することができる。
【0128】
なお、カバー200および基台400は、w1<w2が満たされるように形成されるとしたがこれに限定されない。例えば、カバー200および基台400は、w1=w2が満たされるように形成されてもよい。
【0129】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る照明装置について説明する。
【0130】
図11は、第2の実施形態に係る照明装置600の構成を示す斜視図である。
【0131】
照明装置600は、ランプ60と、照明器具610とを備える。
【0132】
照明器具610は、一対のソケット611と、器具本体612と、図示しない回路ボックス(図外)とを備える。
【0133】
一対のソケット611は、ランプ60と電気的に接続される。一対のソケット611は、ランプ60を保持する。器具本体612には、ソケット611が取り付けられている。
【0134】
器具本体612の内面612aは、ランプ60から発せられた光を所定方向(例えば、下方向)に反射させる反射面である。
【0135】
回路ボックスは、その内部に、スイッチ(図外)がオン状態ではランプ60に給電し、オフ状態では給電しない点灯回路を収納する。
【0136】
照明器具610は、天井等に固定具を介して装着される。
【0137】
ランプ60は、前述の第1の実施形態に係るランプ100または後述の変形例に係るランプである。
【0138】
<その他の変形例>
次に、上述した本発明の実施形態に係るランプの変形例について、以下に説明する。なお、以下の各変形例は、第2の実施形態に係る照明装置に適用することもできる。
【0139】
<変形例A>
なお、上記の実施形態では、係合部410の形状は、コの字形状であるとしたがこれに限定されない。
【0140】
例えば、係合部410の形状は、図12に示される形状であってもよい。具体的には、係合部410に形成される溝部411の形状は、屈曲部210の形状と相似する。すなわち、係合部410には、形状が屈曲部210の形状と相似する溝部411が形成される。
【0141】
なお、YZ平面において、溝部411の面積は、溝部411に挿入されている屈曲部210の面積より大きい。具体的には、YZ平面において、溝部411の面積は、屈曲部210のうち、係合部410(溝部411)と係合している部分の面積よりも大きい。言い換えれば、溝部411の形状と、屈曲部210の形状とは略同一である。
【0142】
この構成において、係合部410の前記溝部411は、カバー200の長手方向において屈曲部210と1以上の箇所で線接触する。すなわち、係合部410は、カバー200の長手方向において屈曲部210と1以上の箇所で線接触で係合する。
【0143】
変形例Aに係る構成により、カバー200と、基台400とは、より強固に係合(一体化)される。すなわち、変形例Aに係る構成により、カバー200と基台400との接合強度を、第1の実施形態に係る構成よりもさらに向上することができる。
【0144】
<変形例B>
なお、上記の実施形態では、カバー200にガイド部220が形成される構成としたが、ガイド部220が形成されない構成としてもよい。
【0145】
変形例Bに係るランプは、図1のランプ100と比較して、筺体110の代わりに筺体110Aを備える点が異なる。変形例Bに係るランプのそれ以外の構成は、ランプ100と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
【0146】
図13は、変形例Bに係る筺体110Aの斜視図である。
【0147】
図14は、変形例Bに係る筺体110Aの断面図である。
【0148】
図15は、図14の一部の拡大図である。具体的には、図14の領域R11の拡大図である。
【0149】
図13〜図15に示されるように、筺体110Aは、図2の筺体110と比較して、カバー200の代わりにカバー200Aを含む点が異なる。筺体110Aのそれ以外の構成は、筺体110と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
【0150】
カバー200Aは、図3のカバー200と比較して、ガイド部220が形成されてない点が異なる。カバー200Aのそれ以外の構成は、カバー200と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
【0151】
筺体110Aにおいて、係合部410は、LEDモジュール300(発光モジュール)からの射出光の1/2ビーム角の範囲外の領域に設けられる。
【0152】
なお、変形例Bにおいて、溝部411の形状は、例えば、変形例Aのように、屈曲部210の形状と相似してもよい。
【0153】
変形例Bに係る構成では、図9で説明した工程と同様、図16に示されるように、弾性変形状態のカバー200Aの屈曲部210を、基台400の溝部411に沿って摺動させることにより、カバー200Aと基台400とを一体化させることができる。なお、カバー200Aと基台400とを一体化させるための説明は、第1の実施形態と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
【0154】
変形例Bに係る構成を有する筺体110Aは、第1の実施形態と同様な効果を奏する。すなわち、カバー200Aと基台400との接合強度を向上することができる。また、カバー200Aに屈曲部210が形成されることにより、カバー200Aの長手方向の撓みを抑制することができる。その結果、カバー200Aと基台400とが係合する部分における歪の発生を抑制することができる。これにより、筺体110Aの組み立てを容易に行うことができる。すなわち、カバー200Aと基台400とが係合する部分における歪の発生を抑制しつつ、カバー200Aと基台400とを容易に一体化する(組み立てる)ことができる。
【0155】
<変形例C>
また、屈曲部210の先端部の形状は、例えば、図7に示される形状に限定されない。例えば、屈曲部210の先端部は、断面が略円形状の円柱部211であってもよい。
【0156】
図17は、変形例Cに係る、図3の一部の拡大図である。具体的には、図17は、図3の領域R10の拡大図である。
【0157】
円柱部211の形状は、屈曲部210の長手方向の一端から他端まで、同じ形状(図17に示される形状)が続く形状である。
【0158】
円柱部211のYZ平面に沿った断面の形状は、略円形状である。すなわち、屈曲部210の短手方向の先端部の断面の輪郭形状は、円弧形状である。YZ平面において、屈曲部210の円柱部211(先端部)は、平面411a,411b,411cの各々に対し点接触することにより、屈曲部210は、係合部410(溝部411)と係合する。
【0159】
この構成において、係合部410の溝部411は、カバー200の長手方向において屈曲部210(円柱部211)と線接触する。すなわち、係合部410は、カバー200の長手方向において屈曲部210(円柱部211)と線接触で係合する。
【0160】
変形例Cに係る構成を有する筺体は、第1の実施形態と同様な効果を奏する。特に、スライド期間において、屈曲部210と溝部411との接触により生じる摩擦力を非常に小さくすることができる。したがって、スライド期間において、屈曲部210の先端部が係合部410に押圧しているにも関わらず、カバー200をスライドさせるのに必要な力を小さくすることができる。その結果、筺体110の組み立てを容易に行うことができる。すなわち、カバー200と基台400とを容易に一体化する(組み立てる)ことができる。
【0161】
なお、変形例Cの構成において、溝部411の形状は、図12(変形例A)のように、屈曲部210の形状と相似してもよい。
【0162】
<変形例D>
上記実施形態において、LEDモジュール300は基板310上にLEDそのもの(ベアチップ)を直接実装するCOB型(Chip On Board)であるとした。
【0163】
しかし、LEDモジュール300は、樹脂等で成型されたキャビティの中にLEDチップを実装し、当該キャビティ内を蛍光体含有樹脂によって封入したパッケージ型、つまり表面実装型(SMD:Surface Mount Device)であってもよい。
【0164】
このようなSMD型の本発明の変形例Dに係るLEDモジュール300Aについて以下に説明する。
【0165】
図18は、変形例Dに係るLEDモジュール300Aの斜視図である。
【0166】
図18に示すように、LEDモジュール300Aでは、基板310の表面に、複数のパッケージ390が一列に並んで直線状に実装されている。
【0167】
パッケージ390は、樹脂等で構成され、そのキャビティ内にはLED321が実装されている。そして、実装されたLED321は封止部材322で覆われている。複数のパッケージ390は、配線パターン及びワイヤー等で互いに電気的に接続される。
【0168】
<変形例E>
上記実施形態では、口金ピン202の形状は、直線状としたがこれに限定されない。
【0169】
図19に示されるように、口金ピン202の先端部の形状は、L字形状であってもよい。この構成により、変形例Eに係る口金ピン202を有するランプを、照明器具からはずれにくくすることができる。
【0170】
<変形例F>
上記実施形態では、2つの口金のうち、一方の口金のみで電力を受電する構成とした。この場合、点灯回路を収容しない口金201は、以下の構成であってもよい。
【0171】
図20は、変形例Fに係る口金201の構成を示す図である。
【0172】
図20に示されるように、変形例Fに係る口金201は、図1の口金201と比較して、一対の口金ピン202の代わりに、口金ピン202bを含む点が異なる。
【0173】
口金ピン202bは、接地のためのアースピンである。口金ピン202bの一方の端部の形状は、照明器具にとりつけるために、例えば、T字形状とされる。口金ピン202bの他方の端部は、例えば、筺体110内の図示しないアース端子に、配線を介して電気的に接続される。
【0174】
以上、本発明のランプ及び照明装置について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、複数の実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0175】
例えば、上記実施形態において、LEDモジュール300の基板310上の複数のLED321は共通の封止部材322により一括封止されるとした。しかし、複数のLED321のそれぞれは別の封止部材322により個別に封止されてもよい。
【0176】
また、上記の実施形態では、筺体110の一方の端部から給電される片側給電形のランプについて説明したが、筺体110の両端から給電される両端給電形であってもよい。
【0177】
また、上記実施形態において、半導体発光素子としてLEDを例示したが、半導体レーザ及び有機EL(Electro Luminescence)であってもよい。
【0178】
また、上記の実施形態では、断面形状が矩形状の基板310を用いたが、断面形状が四角形(矩形)以外の多角形の基板を用いても構わない。すなわち、基板310の形状は、三角柱、五角柱、六角柱等であってもよい。
【0179】
また、上記実施形態に係る口金201は、一体化された1つの筺体から構成されるとしたがこれに限定されない。上記実施形態に係る口金は、例えば、断面形状が半円弧状の2つの筺体から構成されてもよい。
【0180】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0181】
本発明は、LED等の半導体発光素子が用いられるランプ及び照明装置等に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0182】
10,330 配線
60,100 ランプ
110,110A 筺体
200,200A カバー
201 口金
202,202b 口金ピン
210 屈曲部
211 円柱部
300,300A LEDモジュール
310 基板
320 発光部
321 LED
350 電極端子
400 基台
410 係合部
411 溝部
600 照明装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光モジュールを保持する長尺状の基台と、
前記発光モジュールを覆う長尺状のカバーとを備え、
前記カバーは、該カバーの短手方向の端部が該カバーの内側に屈曲する屈曲部を有し、
前記基台の短手方向の端部には、前記カバーを保持するように、前記カバーの長手方向において前記屈曲部と線接触で係合する係合部が形成される
ランプ。
【請求項2】
前記カバーは、該カバーの短手方向に弾性変形するように構成される
請求項1に記載のランプ。
【請求項3】
前記カバーの短手方向において前記屈曲部の先端部が前記係合部に押圧することにより、該屈曲部と前記基台の前記係合部とは係合する
請求項2に記載のランプ。
【請求項4】
前記係合部は、前記発光モジュールからの射出光の1/2ビーム角の範囲外の領域に設けられる
請求項1〜3のいずれか1項に記載のランプ。
【請求項5】
前記係合部には、形状が前記屈曲部の形状と相似する溝部が形成され、
前記係合部の前記溝部は、前記カバーの長手方向において前記屈曲部と線接触する
請求項1〜4のいずれか1項に記載のランプ。
【請求項6】
前記屈曲部の短手方向の先端部の断面の輪郭形状は、円弧形状である
請求項1〜5のいずれか1項に記載のランプ。
【請求項7】
前記カバーには、さらに、該カバーの長手方向において、前記発光モジュールの光照射側から前記係合部を覆うように構成された長尺状のガイド部が形成される
請求項1〜6のいずれか1項に記載のランプ。
【請求項8】
前記ガイド部は、前記発光モジュールからの射出光の1/2ビーム角の範囲外の領域に設けられる
請求項1〜7のいずれか1項に記載のランプ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のランプを備える
照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−185943(P2012−185943A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46930(P2011−46930)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】