説明

ランプ取付構造

【課題】パネル部材への組付性に優れ且つパネル部材に取付けられたランプの車室内側となる部位の被水防止性能を向上する。
【解決手段】サイドターンシグナルランプ10がフェンダーパネル14に形成した取付孔24に挿通され、フェンダーパネル14の車両外側にランプ本体16が設けられ、フェンダーパネル14の車両内側にランプ側コネクタ18が設けられおり、ランプ本体16とランプ側コネクタ18とが連結部20で連結されている。コネクタカバー34は取付部36によって、サイドターンシグナルランプ10の連結部20に、連結部20の軸線L1廻りに回転可能に支持されており、コネクタカバー34は回転することで、ランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方を上方から覆うカバー状態へ移行できる共にカバー状態においてランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30とともに取付孔24を通過できるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はランプ取付構造に係り、特に、自動車等の車両におけるパネル部材にランプを取り付けるためのランプ取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の車両におけるフェンダーパネル等のパネル部材にサイドターンシグナルランプ等のランプを取り付けるためのランプ取付構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、サイドターンシグナルランプの嵌挿片がフェンダーパネルに形成された取付穴内へ嵌挿されると、それぞれ突出長が異なる3種類の上側突起部から選択された1種類の上側突起部と、それぞれ突出長が異なる3種類の下側突起部から選択された1種類の下側突起部とがフェンダーパネルに当接することで、サイドターンシグナルランプとフェンダーパネルとの間に形成される隙間を目立たないものにしている。
【特許文献1】特開2006−282005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の技術では、フェンダーパネルの車両内側に配置されたランプのハウジングが、雨天走行時や洗車時にカウル部からフェンダーパネルの車両内側に流れ込んだ水を被る(被水する)可能性がある。この対策としてハウジングを防水構造とすると、ハウジングが大型化するため、フェンダーパネルの取付穴への組付性が低下する。
【0004】
本発明は上記事実を考慮し、パネル部材への組付性に優れ且つパネル部材に取付けられたランプの車室内側となる部位の被水防止性能を向上できるランプ取付構造を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明のランプ取付構造は、取付穴が形成されたパネル部材と、前記取付穴に挿通され、前記パネル部材の車両外側に設けられたランプ本体と前記パネル部材の車両内側に設けられたランプ側コネクタとが連結部で連結されたランプと、前記ランプ側コネクタに結合される電源供給側コネクタと、前記ランプに取付けられ、互いに結合された前記ランプ側コネクタと前記電源供給側コネクタとの双方を上方から覆うカバー状態と、互いに結合された前記ランプ側コネクタと前記電源供給側コネクタとの双方を上方から覆わない開放状態とへ移行可能とされると共に、前記カバー状態において互いに結合された前記ランプ側コネクタと前記電源供給側コネクタとともに前記パネル部材の取付穴を通過可能とされたコネクタカバーと、を有することを特徴とする。
【0006】
ランプがパネル部材に形成した取付穴に挿通され、パネル部材の外側にランプのランプ本体が設けられ、パネル部材の車両内側にランプのランプ側コネクタが設けられおり、ランプ本体とランプ側コネクタとが連結部で連結されている。また、コネクタカバーがランプに取付けられており、コネクタカバーは互いに結合されたランプ側コネクタと電源供給側コネクタとの双方を上方から覆うカバー状態と、互いに結合されたランプ側コネクタと電源供給側コネクタとの双方を上方から覆わない開放状態とへ移行可能であると共に、カバー状態において互いに結合されたランプ側コネクタと電源供給側コネクタとともにパネル部材の取付穴を通過可能とされている。このため、コネクタカバーを開放状態とすることでランプ側コネクタと電源供給側コネクタとを容易に結合できる。また、コネクタカバーをカバー状態とすることで互いに結合されたランプ側コネクタと電源供給側コネクタとの双方を上方から覆うことができ、パネル部材に取付けられたランプの車室内側となる部位の被水防止性能を向上できる。また、コネクタカバーを互いに結合されたランプ側コネクタと電源供給側コネクタとともにパネル部材の取付穴を通過させることができるため、パネル部材への組付性に優れる。
【0007】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のランプ取付構造において、前記コネクタカバーは、取付部とカバー部とを備え、前記取付部が前記ランプに、前記連結部の軸線廻りに回転可能に組付けられ、前記カバー部が前記取付部とともに回転することを特徴とする。
【0008】
コネクタカバーは取付部によってランプの連結部に該連結部の軸線廻りに回転可能に組付けられ、カバー部が取付部とともに回転する。このため、簡単な構成でコネクタカバーを開放状態からカバー状態へ移行できる。
【0009】
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載のランプ取付構造において、前記コネクタカバーは、前記ランプに取付けられ前記ランプ側コネクタと前記電源供給側コネクタとの双方の周囲を取囲む取付枠部と、該取付枠部に開閉可能に連結された蓋部とを備え、前記蓋部が前記取付枠部上方を覆うことを特徴とする。
【0010】
コネクタカバーの取付枠部がランプに取付けられており、ランプ側コネクタと電源供給側コネクタとの双方の周囲を取囲んでいる。一方、組付枠部に開閉可能に連結された蓋部が取付枠部上方を覆うことで、コネクタカバーがランプ側コネクタと、ランプ側コネクタに結合された電源供給側コネクタとの双方を上方から覆う。このため、簡単な構成でコネクタカバーを開放状態からカバー状態へ移行できる。
【0011】
請求項4記載の本発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載のランプ取付構造において、前記コネクタカバーに設けた保持手段によって、前記コネクタカバーが前記カバー状態に保持されることを特徴とする。
【0012】
コネクタカバーの保持手段によって、コネクタカバーが結合されたランプ側コネクタと電源供給側コネクタとの双方を上方から覆うカバー状態に保持されるためコネクタカバーの外れが抑制される。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の本発明のランプ取付構造は、パネル部材への組付性に優れ且つパネル部材に取付けられたランプの車室内側となる部位の被水防止性能を向上できる。
【0014】
請求項2記載の本発明のランプ取付構造は、簡単な構成でコネクタカバーを開放状態からカバー状態へ移行できる。
【0015】
請求項3記載の本発明のランプ取付構造は、簡単な構成でコネクタカバーを開放状態からカバー状態へ移行できる。
【0016】
請求項4記載の本発明のランプ取付構造は、コネクタカバーの外れを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明におけるランプ取付構造の第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0018】
なお、図中矢印UPは車両上方方向を示し、図中矢印FRは車両前方方向を示し、図中矢印INは車幅内側方向を示している。
【0019】
図5には、本実施形態におけるランプ取付構造が適用された車両が車両斜め前方から見た斜視図で示されている。
【0020】
図5に示される如く、ランプとしてのサイドターンシグナルランプ10は、車両12における左右両側のパネル部材としてのフェンダーパネル14にそれぞれに取り付けられており、車両が右左折、車線変更等により進行方向を変更する際に、一方のサイドターンシグナルランプ10を点滅させることにより、他の車両等へ車両進路の変更方向を告知するようになっている。
【0021】
なお、サイドターンシグナルランプ10は、車両12のカウル部12Aの車幅方向外側両端部近傍に設けられている。
【0022】
図1には本実施形態におけるランプ取付構造が車両前方内側から見た斜視図で示されており、図2には本実施形態におけるランプ取付構造が車両前方内側から見た分解斜視図で示されている。また、図3と図4には本実施形態におけるランプとコネクタカバーが車両前方内側から見た斜視図で示されている。
【0023】
図1に示される如く、サイドターンシグナルランプ10はフェンダーパネル14に形成された取付孔24に取付けられている。
【0024】
図2に示される如く、サイドターンシグナルランプ10はランプ本体16と、ランプ側コネクタ18と、連結部20を備えており、ランプ本体16とランプ側コネクタ18とが連結部20によって連結されている。
【0025】
連結部20は円筒状に形成されており、内部には図示を省略した電線が挿通されている。また、サイドターンシグナルランプ10のランプ本体16は連結部20の車幅方向外側端20Aに設けられており、フェンダーパネル14の外側面(意匠面)側に配置されている。一方、ランプ側コネクタ18は連結部20の車幅方向内側端20Bに設けられており、フェンダーパネル14の内側面(裏面)側に配置されている。
【0026】
図1に示される如く、ランプ本体16は長手方向を車両前後方向とする長尺状となっており、ランプ本体16の後部の車幅方向内側部16Aに連結部20の車幅方向外側端20Aが結合されている。一方、ランプ本体16の前部の車幅方向内側部16Bには係合爪26が車幅内側方向へ向かって突出形成されており、この係合爪26の前壁部26Aが車両前後方向(図1の矢印Y方向)へ弾性変形することで、取付孔24の車両前側縁部24Aに係合可能となっている。
【0027】
即ち、サイドターンシグナルランプ10は、連結部20の車幅方向外側端20Aが取付孔24の車両後側縁部24Bに車両後方側から支持され、係合爪26が取付孔24の車両前側縁部24Aに係合することで、フェンダーパネル14に取付けられている。
【0028】
図2に示される如く、サイドターンシグナルランプ10のランプ側コネクタ18は長手方向を車両前後方向とする長尺状となっており、ランプ側コネクタ18の後部の車幅方向外側部18Aには、連結部20の車幅方向内側端20Bが連通状態(電線を通せる状態)で結合されている。
【0029】
なお、ランプ側コネクタ18には電源供給側コネクタ30が車両前方側から結合可能となっている。
【0030】
図1に示される如く、サイドターンシグナルランプ10のランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30には、コネクタカバー34が車両上方側から被されている。
【0031】
図2に示される如く、コネクタカバー34は取付部36とカバー部38とを備えている。コネクタカバー34の取付部36は車幅方向から見た断面形状が円弧の筒状となっており、サイドターンシグナルランプ10の連結部20の外周部に連結部20の軸線L1廻りの方向(図2の矢印A方向)に回転可能に係合している。
【0032】
コネクタカバー34のカバー部38は、車両前方側と車両下方側が開口された箱形状となっており、車幅方向外側壁部38Aの後端部に取付部36が連結されている。即ち、カバー部38は、車幅方向外側壁部38Aと車幅方向内側壁部38Bと車両後方壁部38Cと、これらの車幅方向外側壁部38A、車幅方向内側壁部38B、車両後方壁部38Cで形成された略コ字状の枠部の上方を上壁部38Dで塞いだ形状となっており、車幅方向外側壁部38Aの後端部から車幅方向外側に向かって取付部36が突出形成されている。
【0033】
また、カバー部38の車幅方向外側壁部38Aの前端下部には車両下方向かって保持手段としての係合爪42が形成されており、カバー部38の車幅方向内側壁部38Bの前端下部には車両下方向かって保持手段としての係合爪44が形成されている。
【0034】
図1に示される如く、カバー部38の係合爪44はランプ側コネクタ18に結合された電源供給側コネクタ30の下壁部30Aに車両下方側から係合するようになっている。また、図1には図示されていないが、カバー部38の係合爪42もランプ側コネクタ18に結合された電源供給側コネクタ30の下壁部30Aに車両下方側から係合するようになっている。従って、カバー部38は、互いに結合状態にあるランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方を上方から覆うカバー状態に保持できるようになっている。
【0035】
図2に示される如く、連結部20の車幅方向外側端20Aには、凸部50、52が連結部20の周方向に沿って車両前方側と車両上方側の2箇所に形成されている。また、コネクタカバー34の取付部36における車幅方向外側端部には、車幅方向外側から車幅方向内側に向かって切欠56が形成されており、この切欠56に連結部20の凸部50、52が係合するようになっている。
【0036】
従って、コネクタカバー34は取付部36に形成した切欠56が、連結部20に設けた凸部50に係合することで、図4に示すようにコネクタカバー34がランプ側コネクタ18とを車両上方側から覆うカバー状態に停止する。また、図3に示すように、取付部36に形成した切欠56が、連結部20に設けた凸部52に係合することで、コネクタカバー34がランプ側コネクタ18から車両上方へ略90°回転した開放状態に停止するようになっている。
【0037】
図3に示される如く、連結部20の車幅方向内側端20Bには、ストッパ53が周方向外側に向かって立設されており、カバー部38を図4に示すカバー状態に移動した場合に、ストッパ53がカバー部38の車幅方向外側壁部38Aの車幅方向内側面38Eに当たる。このため、電源供給側コネクタ30と結合されていない状態で、コネクタカバー34がサイドターンシグナルランプ10の連結部20に対して車幅方向内側へ移動するのを防止でき、コネクタカバー34がサイドターンシグナルランプ10から脱落しないようになっている。
【0038】
次に、本実施形態の組付け手順を説明する。
【0039】
本実施形態では、コネクタカバー34の取付部36がサイドターンシグナルランプ10の連結部20の外周部に連結部20の軸線L1廻りの方向(図2の矢印A方向)に回転可能に係合している。このため、コネクタカバー34を軸線L1廻りに回転し、図3に示される如く、コネクタカバー34の取付部36に形成した切欠56を、連結部20に設けた凸部52に係合することで、コネクタカバー34がランプ側コネクタ18から車両上方へ略90°回転した開放状態に停止させることができる。このため、この状態で、電源供給側コネクタ30をランプ側コネクタ18へ用に容易に結合できる。
【0040】
次に、コネクタカバー34を軸線L1廻りに回転し、図1に示すようにコネクタカバー34のカバー部38が、結合状態にあるランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方を上方から覆うカバー状態へ移動する。この際、カバー部38の係合爪42、44が電源供給側コネクタ30の下壁部30Aに車両下方側から係合することで、カバー部38を互いに結合状態にあるランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方を上方から覆うカバー状態に保持できる。
【0041】
次に、カバー部38が互いに結合状態にあるランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方を上方から覆うカバー状態に保持した状態(図1の状態)で、コネクタカバー34をフェンダーパネル14に形成した取付孔24を車両外側(車幅方向外側)から車両内側(車幅方向内側)に向かって(図1の矢印B方向へ)通過させる。更に、サイドターンシグナルランプ10を車室内側に移動すると、連結部20の車幅方向外側端20Aが取付孔24の車両後側縁部24Bに車両後方側から支持されると共に、係合爪26が取付孔24の車両前側縁部24Aに係合することで、サイドターンシグナルランプ10がフェンダーパネル14に固定される。
【0042】
従って、本実施形態のランプ取付構造では、コネクタカバー34を、ランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30とを容易に結合できる開放状態から、互いに結合状態にあるランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方を上方から覆うカバー状態へ移行することができると共に、カバー状態にコネクタカバー34を保持した状態(図1の状態)で、フェンダーパネル14に形成した取付孔24を車両外側(車幅方向外側)から車両内側(車幅方向内側)に向かって(図1の矢印B方向へ)通過させることができる。このため、フェンダーパネル14の車両外側からの組付作業が可能となり、サイドターンシグナルランプ10のフェンダーパネル14への組付け作業性が向上する。
【0043】
なお、電源供給側コネクタ30とランプ側コネクタ18との結合は、電源供給側コネクタ30をフェンダーパネル14の取付孔24を通して車両内側から車両外側に引き出した状態で行う。
【0044】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0045】
本実施形態では、サイドターンシグナルランプ10がフェンダーパネル14に形成した取付孔24に挿通され、フェンダーパネル14の車両外側にランプ本体16が設けられ、フェンダーパネル14の車両内側にランプ側コネクタ18が設けられおり、ランプ本体16とランプ側コネクタ18とが連結部20で連結されている。また、コネクタカバー34が取付部36によって、サイドターンシグナルランプ10の連結部20に、連結部20の軸線L1廻りに回転可能に支持されており、コネクタカバー34は回転することで、ランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方を上方から覆うカバー状態へ移行できる。
【0046】
このため、本実施形態では、ランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方を上方から覆うカバー状態へ移動したコネクタカバー34によって、フェンダーパネル14の車室内側となるランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方が、例えば、雨天走行時や洗車時に車両12のカウル部12Aからフェンダーパネル14の車両内側に流れ込んだ水を被るのを防止できる。このため、フェンダーパネル14の車室内側となるランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方への被水を防止できる。
【0047】
従って、本実施形態では、サイドターンシグナルランプ10のフェンダーパネル14への組付性に優れ且つフェンダーパネル14に取付けられたサイドターンシグナルランプ10の車室内側となるランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30の被水防止性能を向上できる。
【0048】
また、本実施形態では、コネクタカバー34のカバー部38に設けた係合爪42、44によって、コネクタカバー34のカバー部38がランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方を上方から覆うカバー状態に保持される。このため、コネクタカバー34がカバー状態から外れるのを抑制できる。
【0049】
また、本実施形態では、コネクタカバー34の取付部36を車幅方向から見た断面形状が円弧の筒状とし、サイドターンシグナルランプ10の連結部20の外周部に連結部20の軸線L1廻りの方向(図2の矢印A方向)に回転可能に係合する構成のため、構成が簡単である。
【0050】
また、本実施形態では、コネクタカバー34を図4に示すカバー状態に移動することで、ストッパ53がカバー部38の車幅方向外側壁部38Aの車幅方向内側面38Eに当たる。このため、電源供給側コネクタ30と結合されていない状態で、コネクタカバー34がサイドターンシグナルランプ10の連結部20に対して車幅方向内側へ移動するのを防止し、脱落しないようにできる。この結果、サイドターンシグナルランプ10にコネクタカバー34を組付けた状態(アッシー状態)で在庫及び搬送する際に、サイドターンシグナルランプ10からコネクタカバー34が脱落するのを防止できる。
【0051】
なお、上記実施形態では、カバー部38の車幅方向外側壁部38Aの前端下部に保持手段としての係合爪42を形成し、カバー部38の車幅方向内側壁部38Bの前端下部に保持手段としての係合爪44を形成して、これらの係合爪42、44が電源供給側コネクタ30の下壁部30Aに車両下方側から係合する構成にしたが、係合爪42、44がランプ側コネクタ18等の他の部位に係合する構成としてもよい。また、保持手段は係合爪42、44に代えて、結束バンド等の他の保持手段でもよい。
【0052】
次に、本発明におけるランプ取付構造の第2実施形態を図6〜図8に従って説明する。
【0053】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0054】
図6には本実施形態におけるランプ取付構造の要部が車両前方内側から見た斜視図で示されている。また、図7には本実施形態におけるコネクタカバーが車両前方内側から見た分解斜視図で示されており、図8には図7の8−8線に沿った拡大断面図が示されている。
【0055】
図6に示される如く、本実施形態では、サイドターンシグナルランプ10のランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30に、コネクタカバー60が車両上方側から被されている。
【0056】
図7に示される如く、本実施形態のコネクタカバー60は取付部62とカバー部64とを備えており、コネクタカバー60の取付部62は車幅方向から見た断面形状が円弧の筒状となっている。
【0057】
図6に示される如く、コネクタカバー60の取付部62は、サイドターンシグナルランプ10の連結部20の外周部に、車両上方側から固定されている。
【0058】
図7に示される如く、コネクタカバー60のカバー部64は、取付枠部66と蓋部68とを備えている。取付枠部66は車両前方側が開口されたコ字型枠状となっており、車幅方向外側壁部66Aの後端部には、取付部62の車幅方向内側端部62Aが連通状態(電線を通せる状態)で結合されている。
【0059】
図6に示される如く、取付枠部66はランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方の周囲を取囲むようになっている。
【0060】
一方、蓋部68は、組付状態において、車両前方側と車両下方側が開口された箱形状となっている。
【0061】
図7に示される如く、蓋部68は、車幅方向外側壁部68Aと車幅方向内側壁部68Bと車両後方壁部68Cと、これら車幅方向外側壁部68A、車幅方向内側壁部68B、車両後方壁部68Cで形成された略コ字状の枠部の上方を上壁部68Dで塞いだ形状となっている。
【0062】
図8に示される如く、蓋部68の車両後方壁部68Cの先端縁部68Eと、取付枠部66の後壁部66Bの先端縁部66Cとがインテグラルヒンジ69で連結されており、インテグラルヒンジ69を回転中心にして、蓋部68は、図8に二点鎖線で示す取付枠部66を車両上方から覆うカバー状態と、カバー状態から車両上方へ立ち上がった図8に実線で示す開放状態とへ移動可能となっている。
【0063】
図7に示される如く、取付枠部66の車幅方向内側壁部66Dにおける車幅方向内側面には、車両前後方向に所定の間隔を開けて保持手段としての2つの係合爪70が車幅方向内側に向かって突出形成されている。一方、蓋部68の車幅方向内側壁部68Bには、車両前後方向に所定の間隔を開けて保持手段としての2つの係合孔72が形成されている。
【0064】
図6に示される如く、蓋部68を取付枠部66を車両上方から覆うカバー状態へ移動すると、取付枠部66の車幅方向内側壁部66Dの車幅方向内側に蓋部68の車幅方向内側壁部68Bが重なり、車幅方向内側壁部68Bの係合孔72に、車幅方向内側壁部66Dの係合爪70が係合するようになっている。この結果、蓋部68が取付枠部66を車両上方から覆うカバー状態に保持されるようになっている。
【0065】
なお、蓋部68を取付枠部66を車両上方から覆うカバー状態へ移動すると、取付枠部66の車幅方向外側壁部66Aの車幅方向外側に蓋部68の車幅方向外側壁部68Aが重なり、取付枠部66の後壁部66Bの車両後方側に蓋部68の車両後方壁部68Cが重なるようになっている。
【0066】
次に、本実施形態の組付け手順を説明する。
【0067】
本実施形態では、カバー部64の蓋部68が取付枠部66に対してインテグラルヒンジ69を中心にして、図8に二点鎖線で示す取付枠部66を車両上方から覆うカバー状態と、カバー状態から車両上方へ立ち上がった図8に実線で示す開放状態とへ移動可能となっている。この結果、カバー部64の蓋部68を図8に実線で示す開放状態へ移動させることで、電源供給側コネクタ30をランプ側コネクタ18へ用に容易に結合できる。
【0068】
次に、カバー部64を図8に二点鎖線で示す取付枠部66を車両上方から覆うカバー状態へ移動する。この際、取付枠部66の車幅方向内側壁部66Dの車幅方向内側に蓋部68の車幅方向内側壁部68Bが重なり、車幅方向内側壁部68Bの係合孔72に、車幅方向内側壁部66Dの係合爪70が係合することで、取付枠部66を車両上方から覆うカバー状態に蓋部68を保持できる。
【0069】
次に、カバー部64が互いに結合状態にあるランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方を上方から覆うカバー状態に保持した状態(図6の状態)で、コネクタカバー60をフェンダーパネル14に形成した取付孔24を車両外側(車幅方向外側)から車両内側(車幅方向内側)に向かって(図6の矢印B方向へ)通過させる。更に、サイドターンシグナルランプ10を車室内側に移動すると、連結部20の車幅方向外側端20Aが取付孔24の車両後側縁部24Bに車両後方側から支持されると共に、係合爪26が取付孔24の車両前側縁部24Aに係合することで、サイドターンシグナルランプ10がフェンダーパネル14に固定される。
【0070】
従って、本実施形態のランプ取付構造では、コネクタカバー60をランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30とを容易に結合できる開放状態から、互いに結合状態にあるランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方を上方から覆うカバー状態へ移行することができると共に、カバー状態にコネクタカバー60を保持した状態(図6の状態)で、フェンダーパネル14に形成した取付孔24を車両外側(車幅方向外側)から車両内側(車幅方向内側)に向かって(図6の矢印B方向へ)通過させることができる。このため、フェンダーパネル14の車両外側からの組付作業が可能となり、サイドターンシグナルランプ10のフェンダーパネル14への組付け作業性が向上する。
【0071】
なお、電源供給側コネクタ30とランプ側コネクタ18との結合は、電源供給側コネクタ30をフェンダーパネル14の取付孔24を通して車両内側から車両外側に引き出した状態で行う。
【0072】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0073】
本実施形態では、コネクタカバー60が取付部62によって、サイドターンシグナルランプ10の連結部20に固定されていると共に、コネクタカバー60の取付部62に固定された取付枠部66にインテグラルヒンジ69を介して蓋部68が連結されており、蓋部68をインテグラルヒンジ69を中心に回転することで、ランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方を上方から覆う図1に示すカバー状態へコネクタカバー60を移行することができる。
【0074】
このため、本実施形態では、結合状態のランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方を上方から覆うカバー状態へ移行したコネクタカバー60によって、フェンダーパネル14の車室内側となるランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方が、例えば、雨天走行時や洗車時に車両12のカウル部12Aからフェンダーパネル14の車両内側に流れ込んだ水を被るのを防止できる。このため、フェンダーパネル14の車室内側となるランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30との双方への被水を防止できる。
【0075】
従って、本実施形態では、サイドターンシグナルランプ10のフェンダーパネル14への組付性に優れ且つフェンダーパネル14に取付けられたサイドターンシグナルランプ10の車室内側となるランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30の被水防止性能を向上できる。
【0076】
また、本実施形態では、コネクタカバー60のカバー部64の蓋部68における車幅方向内側壁部68Bの係合孔72に、コネクタカバー60のカバー部64の取付枠部66における車幅方向内側壁部66Dの係合爪70が係合するようになっている。このため、コネクタカバー60の蓋部68がランプ側コネクタ18と電源供給側コネクタ30の上方から外れるのを抑制できる。
【0077】
また、本実施形態では、蓋部68の車両後方壁部68Cの前端上側角部68Eと、取付枠部66の後壁部66Bの後端下側角部68Cとの間をインテグラルヒンジ69で連結する構成のため、構成が簡単である。
【0078】
なお、上記実施形態では、取付枠部66の車幅方向内側壁部66Dに設けた保持手段としての係合爪70が、蓋部68の車幅方向内側壁部68Bに設けた保持手段としての係合孔72に係合する構成にしたが、係合爪70は取付枠部66における車幅方向外側壁部66A等の他の部位に設けてもよく、係合孔72は蓋部68における車幅方向外側壁部68A等の他の部位に設けてもよい。また、取付枠部66側に係合孔72を設け、蓋部68側に係合爪70を設けた構成としてもよい。また、保持手段は係合爪70と係合孔72に代えて、結束バンド等の他の保持手段でもよい。
【0079】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記各実施形態では、フェンダーパネル14に取付けられるサイドターンシグナルランプ10に本発明のランプ取付構造を適用したが、本発明のランプ取付構造は、クォータパネル等の他のパネルに取付けられるサイドターンシグナルランプ10以外の他のランプにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1実施形態に係るランプ取付構造を示す車両前方内側から見た斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るランプ取付構造を示す車両前方内側から見た分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るランプ取付構造のランプとコネクタカバーを示す車両前方内側から見た斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るランプ取付構造のランプとコネクタカバーを示す車両前方内側から見た斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るランプ取付構造を適用した車両を示す車両斜め前方から見た斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るランプ取付構造を示す車両前方内側から見た斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るランプ取付構造のコネクタカバーを示す車両前方内側から見た斜視図である。
【図8】図7の8−8断面線に沿った拡大断図である。
【符号の説明】
【0081】
10 サイドターンシグナルランプ(ランプ)
14 フェンダーパネル(パネル部材)
16 サイドターンシグナルランプのランプ本体
18 サイドターンシグナルランプのランプ側コネクタ
20 サイドターンシグナルランプの連結部
24 取付孔
30 電源供給側コネクタ
34 コネクタカバー
36 コネクタカバーの取付部
38 コネクタカバーのカバー部
42 コネクタカバーの係合爪(保持手段)
44 コネクタカバーの係合爪(保持手段)
60 コネクタカバー
62 コネクタカバーの取付部
64 コネクタカバーのカバー部
66 コネクタカバーの取付枠部
68 コネクタカバーの蓋部
69 コネクタカバーのインテグラルヒンジ
70 コネクタカバーの係合爪(保持手段)
72 コネクタカバーの係合孔(保持手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付穴が形成されたパネル部材と、
前記取付穴に挿通され、前記パネル部材の車両外側に設けられたランプ本体と前記パネル部材の車両内側に設けられたランプ側コネクタとが連結部で連結されたランプと、
前記ランプ側コネクタに結合される電源供給側コネクタと、
前記ランプに取付けられ、互いに結合された前記ランプ側コネクタと前記電源供給側コネクタとの双方を上方から覆うカバー状態と、互いに結合された前記ランプ側コネクタと前記電源供給側コネクタとの双方を上方から覆わない開放状態とへ移行可能とされると共に、前記カバー状態において互いに結合された前記ランプ側コネクタと前記電源供給側コネクタとともに前記パネル部材の取付穴を通過可能とされたコネクタカバーと、
を有することを特徴とするランプ取付構造。
【請求項2】
前記コネクタカバーは、取付部とカバー部とを備え、前記取付部が前記ランプに、前記連結部の軸線廻りに回転可能に組付けられ、前記カバー部が前記取付部とともに回転することを特徴とする請求項1に記載のランプ取付構造。
【請求項3】
前記コネクタカバーは、前記ランプに取付けられ前記ランプ側コネクタと前記電源供給側コネクタとの双方の周囲を取囲む取付枠部と、該取付枠部に開閉可能に連結された蓋部とを備え、前記蓋部が前記取付枠部上方を覆うことを特徴とする請求項1に記載のランプ取付構造。
【請求項4】
前記コネクタカバーに設けた保持手段によって、前記コネクタカバーが前記カバー状態に保持されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のランプ取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−265558(P2008−265558A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−111999(P2007−111999)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】