説明

ランプ装置および照明器具

【課題】点灯装置の温度上昇を抑制することができるランプ装置およびこのランプ装置を具備する照明器具を提供する。
【解決手段】ランプ装置1は、発光素子を有する発光体2と、発光体2が取り付けられるベース部12およびベース部12と反対側に開口部13bを備える非真円筒状の筒部13を有する筐体3と、筒部13の外周面13aに周回に亘って互いに所定間隔を有して設けられた複数個の放熱フィン14と、筒部13の開口部に設けられ、放熱フィン14の筒部13の突設方向の端面から放熱フィン14,14間の所定間隔のうち最小寸法よりも大きい突出寸法を有する基板部29、基板部29から外方に突出形成された有底円筒状の突出部30および突出部30を挟むように基板部29に設けられた一対の電極ピン24,24を有する口金体4と、一対の電極ピン24,24を介して給電されて発光素子を点灯する点灯装置5を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、発光素子を光源とするランプ装置および照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードを光源とするランプ装置には、IEC(国際電気標準会議)で規格されたGX53形の口金部構造を用いたものが知られている。例えば、一対の電極ピンを有する口金部、この口金部を上面側に取り付ける筐体、この筐体の下面側に取り付けられたLEDモジュール(発光体)、筐体の下面を覆って取り付けられた透光性カバーおよび口金部内に配置された点灯装置を備え、筐体は、その外周面が放熱フィンを有する構造に形成されている。(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
LEDモジュールおよび点灯装置で発生した熱は、主として筐体に伝熱させて、放熱フィンから外部空間に放熱させるようにしている。ここで、LEDモジュールで発生した熱は、LEDモジュールが筐体の下面側に取り付けられているので、筐体に迅速に伝熱されて、放熱フィンから外部空間に直ちに放熱されている。
【0004】
これに対し、点灯装置で発生した熱は、LEDモジュールに比べて放熱されにくいものとなっている。すなわち、口金部および筐体は、それぞれ円筒状に形成されており、点灯装置の発熱部品等と、口金部および筐体との間には、相応の隙間(空間)があるので、点灯装置で発生した熱は、前記隙間(空間)を介在して伝熱することになり、口金部および筐体に伝熱しにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−70974号公報(第5頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
熱伝導性を向上させるため、例えば前記隙間(空間)に熱伝導性樹脂を介在させることが考えられるが、熱伝導性樹脂は、比較的高価であり、相応の重量を有するので、前記隙間(空間)に熱伝導性樹脂を設けると、熱伝導性樹脂の使用量に応じて、ランプ装置がコストアップするとともに重量が増加するという欠点を有する。
【0007】
また、口金部を金属で形成すると、同様に、ランプ装置がコストアップするとともに重量が増加するという欠点を有し、口金部と、電極ピンおよび点灯装置等との電気絶縁を図る必要があるという欠点を有する。
【0008】
本発明の実施形態は、点灯装置の温度上昇を抑制することができるランプ装置およびこのランプ装置を具備する照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態のランプ装置は、発光体、筐体、放熱フィン、口金体および点灯装置を有して構成される。
【0010】
発光体は、発光素子として例えば半導体発光素子を有して形成される。半導体発光素子は、発光ダイオード(LED)や有機エレクトロルミネセンス(EL)素子などである。
【0011】
筐体は、一面側に取付け面を備えるベース部および非真円筒状の筒部を有して形成される。ベース部の取付け面には、発光体が取り付けられる。筒部は、ベース部の他面側から突出形成され、ベース部と反対側に開口部を備える。
【0012】
放熱フィンは、筐体の筒部の周回に亘って互いに所定間隔を有して設けられた複数個からなっている。また、筒部の外周面から筒部の突設方向と直交する方向に周縁側が同一円周上に達するように設けられる。
【0013】
口金体は、筐体に設けられるものであり、基板部、突出部および一対の電極ピンを有して形成される。基板部は、筐体の筒部の開口部に設けられ、放熱フィンの筒部の突設方向の端面から放熱フィン間の所定間隔のうち最小寸法よりも大きい突出寸法を有する。突出部は、基板部から外方に突出形成され、有底円筒状に形成される。一対の電極ピンは、突出部を挟むように基板部に設けられる。
【0014】
点灯装置は、口金体の突出部および筐体の筒部の少なくとも一方に収容される。そして、一対の電極ピンを介して給電されて発光素子を点灯するように形成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態によれば、筐体の筒部が非真円筒状に形成されているので、口金体の突出部および筐体の筒部の一方または両方に収容された点灯装置と筐体の筒部との隙間が小さくなり、点灯装置で発生した熱が筒部に伝熱しやすくなり、また、放熱フィンの表面積が大きくなるとともに、放熱フィン間が放熱フィンの端面および口金体の基板部との間に通気するので、筒部に伝熱された熱が放熱しやすくなって、点灯装置が温度低下することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すランプ装置の概略正面図である。
【図2】同じく、ランプ装置の概略上面図である。
【図3】同じく、ランプ装置の概略下面斜視図である。
【図4】同じく、ランプ装置の概略分解側面斜視図である。
【図5】同じく、ランプ装置の概略分解下面斜視図である。
【図6】同じく、ランプ装置の概略分解上面斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施形態を示すランプ装置の概略上面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す照明器具の概略下面斜視図である。
【図9】同じく、照明器具の一部切り欠き概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0018】
本実施形態は、ランプ装置1を示し、図1ないし図6に示すように構成される。図5において、ランプ装置1は、発光体2、筐体3、口金体4および点灯装置5を有して形成されている。
【0019】
発光体2は、発光素子としての複数個のLEDベアチップ6がCOB(Chip On Board)方式により1枚の基板7に実装された既知の構成からなっている。すなわち、複数個のLEDベアチップ6は、基板7の一面7a上に例えばマトリックス状に実装され、例えばシリコーン樹脂からなる土手8により包囲され、この土手8内に充填された封止樹脂9により覆われている。
【0020】
LEDベアチップ6は、例えば青色光を放射するように形成されている。封止樹脂9は、例えば透光性のシリコーン樹脂からなり、LEDベアチップ6から放射された青色光の一部を黄色光に波長変換する図示しない蛍光体を混合している。発光体2は、LEDベアチップ6から放射された青色光と蛍光体により波長変換された黄色光とが混合した白色光を放射する。また、LEDベアチップ6は、青色光の放射に伴って熱が発生する。この熱は、基板7に伝熱される。
【0021】
基板7は、例えばアルミニウム(Al)板であり、4隅に略半円状の切り欠き部10を有する略正方形状に形成されている。そして、一面7aに図示しない絶縁層を介してLEDベアチップ6を実装し、図示しない配線パターンを形成している。LEDベアチップ6は、配線パターンにより直列接続されて、一面7aに設けられた端子11に接続されている。
【0022】
筐体3は、図6に示すように、ベース部12、筒部13および放熱フィン14を有してなり、これらが例えばアルミダイキャストによって一体に成型されている。
【0023】
ベース部12は、図5に示すように、有底の円筒形に形成されている。すなわち、ベース部12は、一面としての円形の底面12aおよびこの底面12aの周縁に低い高さの周壁12cを有して形成されている。そして、底面12aには、4個のねじ孔15が形成されている。このねじ孔15には、発光体2の基板7の切り欠き部10を挿通した図示しないねじがねじ込まれる。基板7は、底面12aおよびねじの頭部に挟まれて底面12aに固定される。すなわち、ベース部12の底面12a側は、発光体2が取り付けられる取付け面となっている。基板7は、その一面7aと反対側の裏面7b(図6に示す。)が底面12aに密接する。
【0024】
また、底面12aには、ベース部12の底面12aの反対側の他面12b(図6に示す。)に貫通する4個の貫通孔16が形成されている。この貫通孔16には、それぞれねじ17が挿入される。4個のねじ17は、筐体3に後述する口金体4を取り付ける。また、底面12aには、同じく、1個のコネクタ配線孔18が形成されている。
【0025】
そして、周壁12cには、透光性カバー19が取り付けられる。周壁12cは、その内周面の高さ方向中間部に所要幅の図示しない周溝を形成している。周溝は、例えば旋盤の中ぐりバイトによるアンダーカット加工により1周形成されている。透光性カバー19は、周溝に係止して取り付けられている。
【0026】
透光性カバー19は、透光性を有する透明あるいは光拡散性を有するポリカーボネート(PC)等の合成樹脂材料により有底偏平円筒状に形成されている。透光性カバー19は、底部である円板状の前面部19aと、この前面部19aの外周縁部に設けられた円筒状の側面部19bを有し、側面部19bには、図6に示すように、筐体3の周壁12cの内側に嵌合する嵌合部19cが形成されている。この嵌合部19cに筐体3の周溝に係止する係止爪20が形成されている。
【0027】
係止爪20は、前面部19aの中心に対して中心角120°置きに形成されている。係止爪20の周方向の両側は、係止爪20が前記周溝に弾性的に係止するように切り欠きされている。
【0028】
また、透光性カバー19は、図3に示すように、前面部19aの外面の外周部上に、滑り止め用の左右一対の小突起部21,21を突設している。これら小突起部21は、球状または半球状等所要形状の複数の小突起を例えば矩形等所要形状により配設し、人の指先により知覚できる大きさと形状に形成されている。一対の小突起部21,21は、透光性カバー19を筐体3に装着する際に、指先が当てられて支持されることにより、小形軽量の透光性カバー19が指先から滑り落ちることやずれることを防止または低減する。
【0029】
そして、筐体3の筒部13は、図6に示すように、ベース部12の他面12bから所定長突出形成された非真円筒状に形成され、ベース部12と反対側に開口部13bを備えている。筒部13は、ベース部12の中心に対して180°回転対称に形成されているとともに、その開口部13b形状が略矩形状に形成されている。すなわち、筒部13の外周面13aは、その長手方向の両側が平面に、その短手方向の両側がベース部12の周壁12cに沿う円弧状面となっている。
【0030】
放熱フィン14は、複数個が筒部13の外周面13aから筒部13の突設方向と直交する方向に設けられている。放熱フィン14は、所定の厚さを有し、筒部13の外周面13aからベース部12の周縁12dに達する長方形または略長方形に形成されている。そして、複数個の放熱フィン14は、図2に示すように、ベース部12の周縁12d側で所定間隔(略等間隔)を有するように、筒部13の周回に亘って設けられている。したがって、放熱フィン14の周縁14a側が同一円周上に達するように形成されている。
【0031】
筒部13の外周面13aは、略矩形状の長手方向側が平面に、短手方向側が円弧状面に形成されているので、ベース部12の周縁12dとの距離が部位によって異なっている。これにより、複数個の放熱フィン14は、その表面積がそれぞれ異なっており、筒部13の平面の外周面13a側では相対的に大きく、円弧状の外周面13a側では相対的に小さくなっている。
【0032】
なお、放熱フィン14は、ベース部12の周縁12d側に達するまで突設させなくてもよいが、表面積を大きくする点から少なくとも一部がベース部12の周縁12d側に達するように形成されるのが好ましい。また、放熱フィン14は、長方形または略長方形に形成しなくてもよいが、同様に表面積を大きくする長方形に形成されるのが好ましい。また、放熱フィン14は、ベース部12の周縁12d側から外方に突出するように形成されてもよいが、筐体3の大きさ、見栄えや外観性等の点からして、ベース部12の周縁12d側から外方に突設させなく形成されるのが好ましい。また、放熱フィン14の配設間隔や厚さ等は、放熱性能が最大に発揮されるように適宜設定されればよいものである。
【0033】
図6において、筐体3は、さらに筒部13に収容される絶縁部材22を有している。絶縁部材22は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などの合成樹脂により、筒部13に嵌め込まれる有底の略箱状に形成されている。絶縁部材22には、後述する点灯装置5の一部が収容される。
【0034】
そして、絶縁部材22は、その底面22aに一対のカラー23,23を正対するように立設している。一対のカラー23,23は、後述する一対の電極ピン24,24の下端部がそれぞれ挿入される円筒状であって、その先端側の平面形状がほぼC字状に形成されている。
【0035】
カラー23,23は、各電極ピン24の下端部をそれぞれ挿入させて絶縁部材22の底面22aで電極ピン24の下底端を押え支持するとともに、各電極ピン24にラッピング接続された図示しないリード線をC字状開口23aから外方に延在させる。当該リード線は、点灯装置5の入力端子に接続される。
【0036】
また、絶縁部材22の底面22aには、点灯装置5の図示しない出力線が導出される導出孔25が設けられている。図5に示すように、絶縁部材22の下面22bには、筐体3のコネクタ配線孔18に対向して、図示しない中継端子が配設される中継端子配設箱26が配設されている。図示しない中継端子に点灯装置5の出力線が接続されている。
【0037】
図4において、口金体4は、筐体3の筒部13の開口部13b側に設けられるものであり、口金本体27および口金部材28の2分割体により形成されている。口金本体27は、例えばアルミダイキャストにより成型され、口金部材28は、電気絶縁性を有するポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などの合成樹脂により成型されている。口金部材28は、口金本体27内に嵌め込まれるように、口金本体27の形状に沿って形成されている。
【0038】
口金部材28は、一対の電極ピン24,24を配設して、一対の電極ピン24,24と金属である口金本体27とを電気絶縁する。また、口金本体27と点灯装置5との間に介在して、これらを電気絶縁する。
【0039】
口金本体27は、その外側形状がGX53形の口金構造をなすように形成されたものであり、平面状の一面(上面)29aを有する基板部29、この基板部29の一面29aの中央部から外方に所定長突出形成された有底円筒状の突出部30を有している。基板部29は、一面29a側が筐体3の筒部13の開口部13bよりも若干小さい略矩形状に形成された略箱状に形成されている。
【0040】
口金部材28は、口金本体27の内側に沿う基体部31および凸部32を有してなり、凸部32を挟む基体部31の長手方向に電極ピン24の取付け孔33を有する取付け材34が設けられている。そして、取付け孔33に電極ピン24が嵌入されて取り付けられている。
【0041】
そして、一対の電極ピン24,24が取り付けられた口金部材28が口金本体27に嵌め込まれると、一対の取付け材34,34が口金本体27の基板部29の一面29aに設けられた開口35,35に、一面29aとほぼ同一面状となるように露出する。これにより、一対の電極ピン24,24は、図1に示すように、口金本体27の基板部29から突出するように設けられる。また、一対の電極ピン24,24は、図2に示すように、基板部29の略矩形状の一面29aの長手方向に突出部30を挟んで設けられている。一対の電極ピン24,24は、例えば黄銅からなり、その先端部が径大に形成されている。
【0042】
図5において、口金本体27の内側には、ねじ17が螺着されるねじ孔を有する取付けボス36が4個設けられている。この取付けボス36に筐体3の取付け孔16に挿通されたねじ17が取り付けられることにより、口金体4の口金本体27が筐体3の筒部13の開口部13b側に取り付けられ、筐体3と口金体4が一体化される。
【0043】
そして、口金体4は、筐体3に一体化されると、図1に示すように、基板部29の上面29aは、放熱フィン14の筒部13の突設方向の端面14bから放熱フィン14,14間の所定間隔のうちの最小寸法L1(図2に示す。)よりも大きい突出寸法H1を有している。すなわち、そのように基板部29が形成されている。
【0044】
放熱フィン14,14間の前記最小寸法L1は、図2に示すように、筒部13の外周面13aにおける放熱フィン14,14間の寸法であり、3mm以上となっている。すなわち、前記最小寸法L1が3mmを下回ると、放熱フィン14,14間が狭くなって、放熱フィン14,14間が通気しにくくなり、放熱フィン14の放熱性能が低下するものである。また、基板部29の放熱フィン14の端面14bからの前記突出寸法H1は、5mm以上が好適である。こうして、放熱フィン14,14間は、基板部29の上面29a側に連通している。
【0045】
図6において、点灯装置5は、略正方形の基板37、この基板37の一面37aに実装された電気部品38を有して形成されている。そして、交流電源を直流電源に変換し、発光体2に所定の電流を供給してLEDベアチップ6を点灯する既知の点灯回路に形成されている。そして、点灯装置5は、その電気部品38の大部分が口金体4の突出部30内に収容され、その他の点灯装置5部分が筐体3の筒部13(絶縁部材22)内に収容されている。
【0046】
点灯装置5の入力端子は、電極ピン24,24にそれぞれラッピングされた図示しないリード線が接続されている。点灯装置5の出力端子は、図5に示すように、図示しない出力線を介して絶縁部材22の下面22bに設けられた中継端子配設箱26内に配設された図示しない中継端子に接続されている。図示しない中継端子は、図示しないコネクタ付きのリード線により、発光体2の端子11に接続されている。
【0047】
ランプ装置1は、GX53形口金に対応したソケット装置にその口金体4が取り付けられる。そして、ソケット装置から交流電源が供給される。なお、口金体4の突出部30の側面30aには、図1に示すように、ソケット装置に設けられたキー凸部が嵌合するキー溝部39が形成されている。ソケット装置のキー凸部がキー溝部39に嵌合することにより、ランプ装置1は、ソケット装置に固定される。
【0048】
次に、本発明の第1の実施形態1の作用について述べる。
【0049】
点灯装置5は、口金体4が取り付けられたソケット装置に交流電源が供給されると、一対の電極ピン24,24を介して給電される。そして、交流電源から直流電源を生成して動作し、発光体2のLEDベアチップ6に所定の電流を供給する。これにより、LEDベアチップ6が点灯し、発光体2から白色光が放射される。白色光は、透光性カバー19を透過して外方の被照射面や被照射物などを照明する。
【0050】
そして、発光体2は、点灯に伴って発熱する。この熱は、基板7に伝熱され、基板7を密接している筐体3のベース部12に伝熱される。そして、ベース部12から放熱フィン14に伝熱されて、放熱フィン14の周縁14a側から外部空間に放出される。また、放熱フィン14の端面14bと口金体4の基板部29の上面29a(ソケット装置)との間には、図1に示す突出寸法H1に相当する隙間があり、放熱フィン14,14間は、当該隙間に連通しているので、放熱フィン14,14間の熱は,当該隙間側に対流し、これにより、放熱フィン14に伝熱された熱が放熱される。そして、発光体2の基板7および筐体3は、熱伝導率の大きいアルミニウムで形成されているので、発光体2で発生した熱は、迅速に伝熱されて外部空間に放出される。これにより、発光体2の温度上昇が抑制される。
【0051】
また、点灯装置5は、点灯時に電気部品38の発熱量が大きくなる。この熱は、絶縁部材22を介して筐体3の筒部13に伝熱され、さらに放熱フィン14に伝熱されて外部空間に放熱される。ここで、筒部13は、非真円形状に形成され、その開口部13b形状(口金体4の基板部29形状)が略矩形状に形成されているので、点灯装置5と筒部13との隙間は、開口部13bの短手方向で小さくなり、点灯装置5の熱が迅速に筒部13に伝熱される。また、筒部13の平面の外周面13aに形成された放熱フィン14の表面積は、開口部13bの短手方向で相対的に大きく、放熱面積が大きくなっている。また、上述したように、放熱フィン14,14間は、口金体4の基板部29側の隙間に連通しており、放熱フィン14に伝熱した熱が放熱される。これにより、点灯装置5で発生した熱は、放熱フィン14を介して迅速に外部空間に放出され、点灯装置5の温度上昇が低減される。
【0052】
本実施形態のランプ装置1は、筐体3の筒部13が略矩形状の筒状に形成されているので、点灯装置5と筐体3の筒部13との隙間が小さくなり、点灯装置5で発生した熱が筒部13に伝熱しやすくなり、また、放熱フィン14の放熱面積が大きくなるとともに、放熱フィン14,14間が放熱フィン14の端面14bおよび口金体4の基板部29の上面29a(ソケット装置)との間に通気するので、点灯装置5の発生熱を迅速に放熱させることができて点灯装置5の温度上昇を抑制できるという効果を有する。
【0053】
また、点灯装置5と筐体3の筒部13との隙間に熱伝導性樹脂を充填しても、当該隙間は小さく、熱伝導性樹脂の充填量を少なくすることができるので、ランプ装置1のコストアップおよび重量の増加を抑制できるという効果を有する。
【0054】
また、口金体4は、筐体3の筒部13の開口部13bに設けられる基板部29が略矩形状に形成され、一対の電極ピン24,24が基板部29の長手方向に設けられているので、非真円形状である略矩形状の筒部13(開口部13b)に設けられるGX53形の口金体4を容易に形成できるという効果を有する。
【0055】
なお、本実施形態において、発光体2は、基板7を用いて形成したが、基板7を用いずに、LEDベアチップ6を筐体3のベース部12の底面12aに設けるようにして形成されたものであってもよい。すなわち、筐体3のベース部12を基板として用いてもよい。
【0056】
また、筐体3の筒部13は、非真円筒状として、その開口部13b形状が略矩形状の筒状に形成したが、長方形、楕円形状やくびれのある矩形状(鼓形)などの筒状に形成してもよい。
【0057】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0058】
図7は、本発明の第2の実施形態を示すランプ装置1Aである。このランプ装置1Aは、第1の実施形態のランプ装置1において、筐体3の筒部13の外周面13aに断面T型の放熱フィン40が設けられたものである。すなわち、放熱フィン40は、基部40aの先端に幅広部40bを有して形成されており、放熱フィン14よりも表面積が大きいものである。
【0059】
本実施形態によれば、断面T型の放熱フィン40は、放熱面積が大きいので、発光体2および点灯装置5に発生した熱を迅速に外部空間に放出することができ、これにより、発光体2および点灯装置5の温度上昇が効果的に抑制できるという効果を有する。また、放熱フィン40は、その先端に幅広部40bを有しているので、ランプ装置1Aが不所望に落下したときに、放熱フィン40の変形や人に対する怪我等を抑制できるという効果を有する。また、放熱フィン40は、隣接する基部40aおよび幅広部40bで形成される空間によって、ランプ装置1Aの上下方向に対流を形成して、放熱効果を向上できるという効果を有する。
【0060】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0061】
図8および図9は、本発明の第3の実施形態を示す照明器具であり、図8は概略斜視図、図9は一部切り欠き概略正面図である。なお、図1ないし図3と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0062】
図8および図9に示す照明器具41は、天井等に埋設されるダウンライトである。図9において、照明器具41は、ソケットとしてのソケット装置42を有する器具本体43および図1に示すランプ装置1を具備して構成されている。
【0063】
器具本体43は、アルミダイキャストによって成型され、下端側43aに開口部44および外方に突出する環状のフランジ部45を有し、上端側43bに上端側43bを閉塞するとともに平坦状に形成された上板部46を有する略円筒状の箱体に形成されている。また、器具本体43の外面43cには、複数の放熱フィンを兼ねる補強片47,48などが形成されている。さらに、外面43cの下端側43aには、フランジ部45との間で天井等を挟持する一対の取付けばね49,49が設けられている。そして、器具本体43の内面43dは、例えば白色塗装により反射面に形成されている。
【0064】
上板部46の外面には、天板50がねじ51等により取り付けられている。天板50は、図8に示すように、その下面50aに端子台52を取り付けている。端子台52には、外部電源からの図示しない電源線およびソケット装置42に接続される図示しないリード線がそれぞれ接続されている。
【0065】
そして、図9に示すように、上板部46の内面には、ソケット装置42が図示しないねじにより取り付けられている。ソケット装置42は、GX53形の口金であるランプ装置1の口金体4を装着する周知の構成で形成されている。そして、ソケット装置42にランプ装置1が装着されている。ランプ装置1は、その口金体4の突出部30(図示しない。)がソケット装置42の図示しない挿通孔に挿入され、その一対の電極ピン24,24(図示しない。)がソケット装置42の図示しない一対の接続孔に挿入された後、回動されることにより、ソケット装置42のキー凸部が口金体4のキー溝部39(図示しない。)に嵌合してソケット装置42に固定されるとともに、一対の電極ピン24,24がソケット装置42の図示しない一対の受金に電気接続している。
【0066】
端子台52に外部電源が供給されると、ランプ装置1のLEDベアチップ6が点灯して白色光が放射され、当該白色光が透光性カバー19から出射される。白色光は、直接光または器具本体43の内面43dで反射された反射光となって、器具本体43の開口部44から出射され、被照射面例えば床面を照明する。
【0067】
ランプ装置1は、筐体3が略矩形状の筒状の筒部13を有するように形成されているので、発光体2および点灯装置5の温度上昇を抑制することができる。これにより、ランプ装置1が長寿命化されて、ランプ装置1の交換などのメンテナンス作業が長期間に設定される照明器具41を提供できるという効果を有する。
【符号の説明】
【0068】
1,1A…ランプ装置、 2…発光体、 3…筐体、 4…口金体、 5…点灯装置、 12…ベース部、 13…筒部、 14,40…放熱フィン、 24,24…一対の電極ピン、 29…基板部、 30…突出部、 41…照明器具、 42…ソケットとしてのソケット装置、 43…器具本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を有する発光体と;
一面側に前記発光体が取り付けられる取付け面を備えるベース部およびこのベース部の他面側から突出形成され、前記ベース部と反対側に開口部を備える非真円筒状の筒部を有する筐体と;
前記筒部の外周面から前記筒部の突設方向と直交する方向に周縁側が同一円周上に達するように周回に亘って互いに所定間隔を有して設けられた複数個の放熱フィンと;
前記筒部の開口部に設けられ、前記放熱フィンの前記筒部の突設方向の端面から前記放熱フィン間の所定間隔のうち最小寸法よりも大きい突出寸法を有する基板部、この基板部から外方に突出形成された有底円筒状の突出部およびこの突出部を挟むように前記基板部に設けられた一対の電極ピンを有する口金体と;
前記突出部および前記筒部の少なくとも一方に収容され、前記一対の電極ピンを介して給電されて前記発光素子を点灯する点灯装置と;
を具備していることを特徴とするランプ装置。
【請求項2】
前記口金体は、前記基板部が略矩形状に形成され、その長手方向に前記一対の電極ピンが設けられていることを特徴とする請求項1記載のランプ装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のランプ装置と;
このランプ装置の前記一対の電極ピンが電気接続されるソケットを有する器具本体と;
を具備していることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−30414(P2013−30414A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166913(P2011−166913)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】