説明

リグノセルロース材料を効果物質で含浸するための方法

本発明は、リグノセルロース材料、殊に木材、木質材料または木質材料を製造するための材料を効果物質で含浸するための方法に関する。本発明はまた、効果物質を含有する新規の組成物にも関する。方法は、以下の工程:a)少なくとも1つの効果物質を溶解したまたは分散した形において含有する液体配合物によりリグノセルロース材料を含浸する工程、およびb)工程a)の間または工程a)に引き続き、以下α)式CHOR[式中、Rは水素またはC〜C−アルキルである]の少なくとも2つのNに結合した基、および/または2つの窒素原子を架橋する1,2−ビスヒドロキシエタン−1,2−ジイル基を有する低分子化合物V、β)化合物Vの前縮合物およびγ)化合物Vと、C〜C−アルカノール、C〜C−ポリオールおよびオリゴアルキレングリコールの中から選択される少なくとも1つのアルコールとの反応生成物または混合物、の中から選択される、少なくとも1つの架橋性化合物を含有する硬化性の水性組成物で含浸する工程、およびc)工程b)で得られた材料を、高められた温度にて処理する工程を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リグノセルロース材料、殊に木材、木質材料または木質材料を製造するための材料を効果物質(Effektstoffe)で含浸するための方法に関する。本発明はまた、効果物質を含有する新規の組成物にも関する。
【0002】
木材変色菌または木材分解菌に対して、効果物質、例えば着色剤、一方でまた作用物質(Wirkstoffe)で木材を含浸することは久しい以前から公知である(例えばE.−H.Pommer"Wood−Wood Preservation"、殊にUllmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版 CD−ROM版、Wiley−VCH−Weinheim 1997の中の第2章を参照のこと)。
【0003】
DE3621856は、水性の着色剤配合物が圧力の適用によって木材本体の前部表面を介して木材中に導入される、木材を染色するための方法を記載する。着色剤は、目的に合わせて木材の維管束細胞の管腔を介して運搬され、それによって木材中に人工木目が作り出される。完全な含浸はこれによって達成されない。
【0004】
DE4316234は、木材がまず水で湿らされ、次いで圧力の適用下で高温において染料水溶液で含浸され、引き続き温度の低下をともないながら複数の洗浄プロセスが実施される、木材の染料浸透を記載する。
【0005】
しかしながら水溶性染料は、それが湿気の作用によって、例えば天候影響下で洗い落とされるという欠点を有する。原則的に顔料の使用により対処されるべきである。それというのもこれらは不溶性でありかつそれゆえ洗い落とされにくいからである。
【0006】
出願人の独自の試験により今になって明らかになったことは、おそらく含浸剤中に含有される、製造に起因して木材中に残留する表面活性物質に基づき顔料のようなそれ自体不水溶性の効果物質も水の作用下で洗い落とされることである。これは効果物質の損失およびそのため所望された特性の減少につながり、または着色剤の場合においては、ほとんど魅力のない外観につながるのみならず、また環境汚染にもつながる。
【0007】
ところで意想外にも、硬化を達成するために、効果物質で含浸されたリグノセルロース材料またはリグノセルロース材料が効果物質による含浸中に以下で定義された硬化性の水性組成物で含浸され、引き続きリグノセルロース材料が高められた温度にて処理される場合、効果物質が洗い落とされることを減少させることができるかまたはそれどころか回避できることが見つかった。
【0008】
それに応じて本発明は、以下の工程:
a)少なくとも1つの効果物質を溶解したまたは分散した形において含有する液体配合物によりリグノセルロース材料を含浸する工程、および
b)工程a)の間または工程a)に引き続き、以下
α)式CHOR[式中、Rは水素またはC〜C−アルキルである]の少なくとも2つのNに結合した基、および/または2つの窒素原子を架橋する1,2−ビスヒドロキシエタン−1,2−ジイル基を有する低分子化合物V、
β)化合物Vの前縮合物および
γ)化合物Vと、C〜C−アルカノール、C〜C−ポリオールおよびオリゴアルキレングリコールの中から選択される少なくとも1つのアルコールとの反応生成物または混合物、
の中から選択される、少なくとも1つの架橋性化合物を含有する硬化性の水性組成物で含浸する工程、および
c)工程b)で得られた材料を、高められた温度にて処理する工程、
を包含する、リグノセルロース材料を効果物質で含浸するための方法に関する。
【0009】
本発明による方法は、相当数の利点と結び付いている。該方法は、効果物質によるリグノセルロース材料の均一な含浸およびまた大きいサイズの原材料の場合にもリグノセルロース材料中における効果物質の均一な分布を可能にする。従来技術から公知の効果物質で処理されたリグノセルロース材料とは異なって、効果物質の浸出(Ausbluten)は、有機溶媒および/または湿気の作用に際してずっと低い程度においてしか生じないかまたは全く生じない。それゆえ本発明の対象はまた、本発明による方法によって得られるリグノセルロース材料である。
【0010】
本発明による方法は従来技術の多数の方法と違って、任意のリグノセルロースの材料を効果物質で含浸するのに適しており、その際、リグノセルロース材料は任意の寸法を有してよい。殊に、本発明による方法は木材を含浸するのに適している。本発明による方法は、微粒状材料、例えば繊維、切りくず(Spaene)、ストランド、チップ、小片等、厚み≦5mm、殊に≦1mmを有する平面状の薄い材料、例えば張り板(Furniere)を含浸するのと同様にまた、殊に最小寸法1mmを上回る、殊に>5mm、特に≧10mmを有する大きいサイズの部材を含浸することも可能にする。本発明による方法によって、これらの材料の場合にも大きい寸法の場合にも効果物質による均一な含浸が材料の全断面を介して達成される。
【0011】
本発明による方法は、殊に木材または木質材料を含浸するのに、特に無垢木材(Vollholz)もしくは中実木材(Massivholz)を含浸するのに適している。適しているのは、原則的に全ての木材種、殊に、水をその乾燥質量の少なくとも30%、殊に少なくとも50%吸収しうるもの、およびとりわけ有利には、DIN EN 350−2に従う含浸性等級(Traenkbarkeitsklassen)1および2に分類されるものである。例えばこれに含まれるものは、針葉樹の木材、例えばマツ(マツ類)、トウヒ、ベイマツ、カラマツ、カサマツ、モミ、グランドモミ、スギ、ヨーロッパハイマツ、ならびに広葉樹の木材、例えばカエデ、ハードメープル、アカシア、アイオン(Ayons)、カバノキ、セイヨウナシ、ブナノキ、オーク、ハンノキ、ヤマナラシ、トネリコ、ソルブストルミナリス、ハシバミ、クマシデ、サクラ、クリ、シナノキ、アメリカ産クルミの木、ポプラ、オリーブ、ハリエンジュ、ニレ、クルミ、ゴムノキ、ゼブラノ、ヤナギ、トルコガシ等である。適しているのはまた、すでに硬化性化合物で含浸されておりかつ硬化された木材である。本発明による利点は、殊に以下の木材の場合に効果を発揮する:ブナノキ、トウヒ、マツ、ポプラ、トネリコおよびカエデ。それゆえ本発明の有利な一実施態様は、効果物質による木材もしくは木質材料の含浸に関し、その際、木材成分は前に挙げた木材種の中から選択される。
【0012】
本発明による方法は、木材とは異なる他のリグノセルロース材料、例えば天然繊維物質、例えばタケ、バガス、綿の茎(Baumwollstaengel)、ジュート、サイザル、ワラ、アマ、ココナッツ繊維、バナナ繊維、ヨシ、例えばススキ、ラミー、麻、マニラ麻、エスパルト(アフリカハネガヤ)、米殻(Reisschale)およびコルクの含浸にも適している。
【0013】
"効果物質"という概念は、ここでおよび以下において有機材料と同様にまた無機材料も包含し、それらはリグノセルロース材料に、それが未処理の形において有さないかまたは不完全にしか有さない特性、例えば色彩、改善された酸化安定性またはUV安定性、また一方で木材腐朽菌または昆虫に対する耐性も付与する。それに応じて効果物質とは、殊に染料および顔料を含めた着色剤、UV安定剤、酸化防止剤、殺真菌剤(Fungizide)および/または殺虫剤である。
【0014】
本発明に従って効果物質は液体配合物の形において使用され、それは効果物質を溶解したまたは分散したもしくは懸濁した形において含有する。効果物質の液体配合物は溶媒ベースであるかまたは水ベースであってよく、その際、水ベースの配合物が有利である。溶媒ベースとはこの文脈において、組成物の液体成分が主として、すなわち液体成分に対して少なくとも60質量%の有機溶媒を包含するという意味である。水ベースとはこの文脈において、組成物の液体成分が主として、すなわち液体成分に対して少なくとも60質量%の、殊に少なくとも80質量%の水を包含するという意味である。本発明に従って水ベースの配合物が有利である。
【0015】
リグノセルロース材料中への効果物質の均一な浸透を達成するために有利であるのは、効果物質が組成物中で、殊に水性組成物中で溶解したまたは分散した形において2000nm未満および殊に1000nm未満の粒径で存在する場合である。
【0016】
本発明の有利な一実施態様に従って工程a)で使用される組成物は、水相中で分散した少なくとも1つの顔料および/または分散した効果物質を50〜2000nmおよび殊に50〜1000nmの範囲の平均粒径で含有する水性ベースの組成物である。
【0017】
この際、この組成物が少なくとも1つのアニオン性ポリマー分散剤を含有する場合に有利であることが判明した。リグノセルロース材料を含浸するためのこの種の組成物の使用は新規でありかつ同様に本発明の対象である。これらの組成物によってとりわけ均一な染色が、張り板のような微粒状または薄い材料の場合のみならず、また5mmを上回る、殊に10mmを上回る最小寸法を有する無垢木材もしくは中実木材の場合にも達成される。殊に、浸透深さ>10mmまたは>20mmひいてはまた40mmまたはそれを上回る最小寸法を有する非常に大きい木材部材の一様な含浸も達成される。
【0018】
アニオン性ポリマー分散剤として、アニオン変性ポリウレタンと同様またモノエチレン性不飽和モノマーのアニオン性ホモポリマーおよびコポリマーも考慮に値する。アニオン性基はホスフェート基、ホスホネート基、カルボキシレート基、またはスルホネート基であり、その際、これらの基は酸の形においても存在してよい。酸基が中性化された形において存在する限り、これらのポリマーは相応する対イオンを有する。典型的な対イオンは、アルカリ金属、例えばナトリウム、カリウムまたはリチウムならびにアンモニウムまたはプロトン化された第一級、第二級または第三級アミンのカチオンである。
【0019】
ポリマーのアニオン性分散剤の分子量は、典型的には800〜100000ダルトンの範囲、殊に1000〜20000ダルトンの範囲(数平均M)もしくは1000〜250000の範囲および1800〜100000の範囲(質量平均M)にある。
【0020】
第一の有利な一実施態様に従ってアニオン性分散剤は、モノエチレン性不飽和カルボン酸のホモポリマーまたはコポリマー、殊に、付加的にコモノマーとして中性ビニルモノマーを重合して含有してよいモノエチレン性不飽和モノカルボン酸および/またはエチレン性不飽和ジカルボン酸のホモポリマーまたはコポリマー、または塩を含めたそれらのアルコキシル化生成物である。
【0021】
カルボキシル基含有モノエチレン性不飽和モノマーのための例は、
−モノカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸およびクロトン酸;
−ジカルボン酸、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸モノアミド、マレイン酸と、アミンオキシド基含有誘導体へと酸化されていてよいジアミンとの反応生成物、およびフマル酸であって、
その際、マレイン酸、無水マレイン酸およびマレイン酸モノアミドが有利である;
適切な中性コモノマーは、殊にモノエチレン性不飽和中性モノマー、例えば:
−ビニル芳香族化合物、例えばスチレン、メチルスチレンおよびビニルトルエン;
−オレフィンおよびジエン、例えばエチレン、プロピレン、イソブテン、ジイソブテンおよびブタジエン;
−ビニルエーテル、例えばポリエチレングリコールモノビニルエーテルおよびオクタデシルビニルエーテル;
−直鎖状または分岐鎖状の脂肪族モノカルボン酸のビニルエステル、例えばビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルラウレート、ビニルステアレートおよびビニルバーサテート(Vinylversatate);
−モノエチレン性不飽和モノカルボン酸のアルキルエステル、シクロアルキルエステルおよびアリールエステル、殊にアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、例えばメチル−、エチル−、プロピル−、イソプロピル−、ブチル−、ペンチル−、ヘキシル−、2−エチルヘキシル−、ノニル−、ラウリル−およびヒドロキシエチル−(メタ)アクリレートならびにフェニル−、ナフチル−およびベンジル(メタ)アクリレート:
モノエチレン性不飽和ジカルボン酸のジアルキルエステル、例えばジメチル−、ジエチル−、ジプロピル−、ジ−イソプロピル−、ジブチル−、ジペンチル−、ジヘキシル−、ジ−2−エチルヘキシル−、ジノニル−、ジラウリル−およびジ−2−ヒドロキシエチルマレイネートおよび−フマレート;ビニルピロリドン;
−アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルであって、
その際、スチレン、イソブテン、ジイソブテン、アクリル酸エステルおよびポリエチレングリコールモノビニルエーテルが有利なコモノマーである。
【0022】
有利なホモポリマーのための例として、殊にポリアクリル酸が挙げられるべきである。
【0023】
記載されたモノマーのコポリマーは、2つ以上の、殊に3つの異なるモノマーから構成されていてよい。ランダムコポリマー、交互コポリマー、ブロックコポリマーおよびグラフトコポリマーが存在してよい。有利なコポリマーとして、そのつど付加的なモノマー成分としてアクリル酸エステルおよび/またはマレイン酸エステルを含有してよい、スチレン/アクリル酸−、アクリル酸/マレイン酸−、アクリル酸/メタクリル酸−、ブタジエン/アクリル酸−、イソブテン/マレイン酸−、ジイソブテン/マレイン酸−およびスチレン/マレイン酸−コポリマーが挙げられる。
【0024】
有利には、アルコキシル化されなかったホモポリマーおよびコポリマーのカルボキシル基は、水溶性を保証するために少なくとも部分的に塩の形において存在する。適しているのは、例えばアルカリ金属塩、例えばナトリウム塩およびカリウム塩、およびアンモニウム塩である。
【0025】
通常、アルコキシル化されなかった分散剤は1000〜250000の平均分子量Mを有する(質量平均)。個々のポリマーのためにとりわけ適した分子量範囲は、当然のことながらそれらの組成物に依存する。例えば、以下で種々のポリマーに関して分子量が記載される:ポリアクリル酸:900〜250000のM;スチレン/アクリル酸−コポリマー:1000〜50000のM;アクリル酸/メタクリル酸−コポリマー:1000〜250000のM;アクリル酸/マレイン酸−コポリマー:2000〜70000のM
【0026】
これらのホモポリマーおよびコポリマー自体の他に、それらのアルコキシル化生成物もアニオン性ポリマー分散剤として適しておりかつ有利である。これは特に、部分的にポリ−C〜C−アルキレンエーテルアルコールでエステル化されたポリマーと理解される。一般にこれらのポリマーのエステル化度は30〜80モル%である。
【0027】
エステル化のために適しているのは、殊にポリ−C〜C−アルキレンエーテルアルコール自体、有利にはポリエチレングリコールおよびポリエチレン/プロピレングリコール、ならびにそれらの片末端封鎖された誘導体、特に相応するモノエーテル、例えばモノアリールエーテル、例えばモノフェニルエーテル、および殊にモノ−C〜C28−アルキルエーテル、例えば脂肪アルコールでエーテル化されたエチレングリコールおよびプロピレングリコール、および、例えば相応するポリエーテルアルコールの末端OH基の転移によってかまたは、有利には第一級脂肪族アミンへのアルキレンオキシドの重付加によって製造可能なポリエーテルアミンである。その際、有利なのはポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテルおよびポリエーテルアミンである。使用されるポリエーテルアルコールおよびそれらの誘導体の平均分子量Mは、通常200〜10000である。
【0028】
この種のアニオン性表面活性剤も同様に公知でありかつ、例えばSokalan(R)(BASF)、Joncryl(R)(Johnson Polymer)、Alcosperse(R)(ALco)、Geropon(R)(Rhodia)、Good−Rite(R)(Goodrich)、Neoresin(R)(Avecia)、Orotan(R)およびMorez(R)(Rohm & Haas)、Disperbyk(R)(Byk)ならびにTegospers(R)(Goldschmidt)の名称で商業的に得られる。
【0029】
さらに他の有利な一実施態様において、分散した効果物質の水ベースの組成物は、水溶性もしくは水分散性のポリウレタンをベースとする、殊に非イオン性またはアニオン性に変性されているポリエーテルウレタンをベースとする少なくとも1つの分散剤を含有する。これは多価イソシアネート(I)、例えばジイソシアネートまたはトリイソシアネートと、場合によりアニオン性基、殊にカルボキシル基を有する多官能性の、殊に二官能性のイソシアネート反応性化合物RIとの水溶性もしくは水分散性の反応生成物と理解される。水溶性/水分散性ポリウレタンの分子量は、典型的には1000〜250000の範囲にある(質量平均)。
【0030】
殊に、多価イソシアネートIとして、3つまたは4つのイソシアネート基を有する化合物との組み合わせにおいても使用されうるジイソシアネートが適している。
【0031】
有利な化合物Iのための例として:2,4−トルイレンジイソ−シアネート(2,4−TDI)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4'−MDI)、p−キシレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトベンゼン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4'−MDI)およびトリイソシアナトトルエンならびにイソホロンジイソシアネート(IPDI)、2−ブチル−2−エチルペンタメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2−ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)プロパン、トリメチルヘキサンジイソシアネート、2−イソシアナトプロピルシクロヘキシルイソシアネート、2,4,4−および2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4'−メチレンビス(シクロヘキシル)ジイソシアネート、cis−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネートおよび4−メチルシクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート(H−TDI)およびそれらの混合物が挙げられる。
【0032】
イソシアネート反応性の有機化合物(RI)として、原則的に、イソシアネート基と結合形成下で反応する少なくとも2つの官能基、例えばヒドロキシル基、第一級アミノ基およびSH基を有する全ての化合物が適している。有利な化合物RIは、1分子当たり2つのヒドロキシル基を有する。
【0033】
化合物RIは、1分子当たり1つだけのイソシアネート反応性基、例えばヒドロキシル基を有する化合物RI'と組み合わせても使用されうる。
【0034】
化合物RIのための例は、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリラクトンジオール(ラクトンベースのポリエステルジオール)、ポリカーボネート−ジオール、12個までのC原子を有するジオールおよびトリオール、ジヒドロキシカルボン酸、ジヒドロキシスルホン酸、ジヒドロキシホスホン酸およびポリカーボネートジオールが挙げられる。
【0035】
例えば適切なポリエーテルジオールは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドのようなC〜C−アルキレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシドおよび/またはエピクロロヒドリンのホモポリマーおよびコポリマーである。有利なポリエーテルジオールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)ポリブチレングリコールおよびポリテトラヒドロフランである。ポリエーテルジオールの分子量Mは、有利には250〜5000、とりわけ有利には500〜2500である。
【0036】
ポリエステルジオールとして、殊にジオールとジカルボン酸とのOH末端反応生成物が考慮に入れられる。適切なジカルボン酸のための例は、有利には3〜12個のC原子を有する脂肪族ジカルボン酸、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ならびに芳香族および脂環式ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸である。ジカルボン酸の代わりにまたそれらのエステル、殊にそれらのメチルエステル、またはそれらの無水物、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラクロロフタル酸またはendo−無水メチレンテトラヒドロフタル酸も使用されうる。ジオールとして、殊に飽和および不飽和の脂肪族および脂環式ジオールが適している。とりわけ有利な脂肪族α,ω−ジオールは分岐鎖状でありかつ2〜12個、殊に2〜8個、特に2〜4個のC原子を有する。有利な脂環式ジオールはシクロヘキサンから誘導される。とりわけ適切なジオールのための例は:エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、cis−およびtrans−ブト−2−エン−1,4−ジオール、2−ブチン−1,4−ジオールおよびcis−およびtrans−1,4−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンである。ポリエステルジオールの分子量Mは、有利には300〜5000である。
【0037】
イソシナネート反応性化合物RIとして適しているラクトンベースのポリエステルジオールは、4〜22個、有利には4〜8個のC原子を有する脂肪族の飽和分岐鎖ω−ヒドロキシカルボン酸、有利には、例えばγ−ヒドロキシ酪酸およびδ−ヒドロキシ吉草酸の反応生成物である。
【0038】
イソシナネート反応性化合物として、さらに前記ジオール、殊に飽和および不飽和の脂肪族および脂環式ジオールが適しており、その際、上と同じ有利なものが適用される。
【0039】
同様にイソシアネート反応性化合物RIとして適しているのは、2つを上回るOH基、例えばトリオールを有するポリオールであり、これは3〜12個、特に3〜8個のC原子を有する。とりわけ適切なトリオールのための例はトリメチロールプロパンである。
【0040】
当然のことながらアニオン変性ポリウレタンは、前で言及したようにアニオン性基、殊にカルボキシル基を有する。この種の基は、付加的に少なくとも1つのアニオン性基を有するイソシアネート反応性化合物RI'を用いた製造に際して、適切にポリウレタン中に組み入れられる。これらのタイプの適切な化合物は、ジヒドロキシカルボン酸、例えば、有利には4〜14個のC原子を有する脂肪族飽和ジヒドロキシカルボン酸である。このジヒドロキシカルボン酸のためのとりわけ有利な例はジメチロールプロピオン酸(DMPA)である。さらに、相応するジヒドロキシスルホン酸およびジヒドロキシホスホン酸、例えば2,3−ジヒドロキシプロパンホスホン酸が適している。
【0041】
ポリウレタン中へのアニオン性基の導入は、1つだけのイソシアネート反応性基および少なくとも1つのアニオン性基を有するイソシアネート反応性化合物を使用することによっても行われうる。例として、殊に脂肪族、脂環式、芳香脂肪族または芳香族モノヒドロキシカルボン酸およびモノヒドロキシスルホン酸が挙げられる。
【0042】
ポリウレタンベースの分散剤は、化合物I、RIおよび場合によりRI'の反応によって製造され、その際、イソシアネート基対ヒドロキシル基のモル比は一般に2:1〜1:2、有利には1.2:1〜1:1.2である。殊に、アニオン性ポリウレタンは遊離イソシアネート基を有さない。
【0043】
この種の表面活性ポリウレタンは公知でありかつ、例えばBorchi(R)GEN SN95(Borchers)の名称で商業的に得られる。
【0044】
分散した効果物質の有利な水性配合物は、少なくとも1つのアニオン性分散剤および/またはポリウレタンを包含する。
【0045】
分散した効果物質の水性配合物が付加的に少なくとも1つのさらに他の表面活性物質を含有する場合、有利でありうる。この際、有利なのはポリエーテル構造を有する非イオン性の水溶性表面活性物質、殊に1つ以上のポリエチレンオキシド基を有するものである。このための適切な例は、C〜C−アルキレンオキシドのホモポリマーおよびコポリマー、殊にポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)、C〜C−アルキレンオキシドとスチレンオキシドとのコポリマー、殊にポリプロピレンオキシド−およびポリエチレンオキシドブロックを有するブロックコポリマーまたはポリ(フェニルエチレンオキシド)−およびポリエチレンオキシドブロックを有するブロックコポリマーならびにこれらのアルキレンオキシドのランダムコポリマーである。
【0046】
それ以外に適しているのは、ポリ−C〜C−アルキレンオキシド、殊にポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドおよびポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)であり、それらは相応するC〜C−アルキレンオキシドの、一官能性または多官能性の開始剤分子による、例えば飽和または不飽和の脂肪族および芳香族アルコール、例えばフェノールまたはナフトール、それらはまたそのつどアルキル、殊にC〜C12−アルキル、有利にはC〜C12−もしくはC〜C−アルキルによって置換されていてよい、飽和または不飽和の脂肪族および芳香族アミン、飽和または不飽和の脂肪族カルボン酸およびカルボン酸アミドによる反応によって製造される。通常、開始剤分子1モル当たり1〜300モル、有利には3〜150モルのアルキレンオキシドが使用される。
【0047】
その際、適切な脂肪族アルコールは一般に6〜26個のC原子、有利には8〜18個のC原子を含有し、かつ非分岐鎖状、分岐鎖状または環状に構成されていてよい。例として、オクタノール、ノナノール、デカノール、イソデカノール、ウンデカノール、ドデカノール、2−ブチルオクタノール、トリデカノール、イソトリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール(セチルアルコール)、2−ヘキシルデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール(ステアリルアルコール)、2−ヘプチルウンデカノール、2−オクチルデカノール、2−ノニルトリデカノール、2−デシルテトラデカノール、オレイルアルコールおよび9−オクタデカノールならびにまたこれらのアルコールの混合物、例えばC/C10−、C13/C15−およびC16/C18−アルコール、およびシクロペンタノールおよびシクロヘキサノールも挙げられる。とりわけ関心が持たれるのは、脂肪分解および還元によって天然原料から取得される飽和および不飽和の脂肪アルコール、およびオキソ合成法からの合成脂肪アルコールである。通常、これらのアルコールのアルキレンオキシド付加物は200〜5000の平均分子量Mを有する。
【0048】
上記の芳香族アルコールのための例として、非置換のフェノールおよびα−およびβ−ナフトールの他に、ヘキシルフェノール、ヘプチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、イソノニルフェノール、ウンデシルフェノール、ドデシルフェノール、ジ−およびトリブチルフェノールおよびジノニルフェノールが挙げられる。
【0049】
適切な脂肪族アミンは、上に記載された脂肪族アルコールに相当する。ここでも、有利には14〜20個のC原子を有する飽和および不飽和の脂肪アミンが特別な意味を有する。芳香族アミンとして、例えばアニリンおよびその誘導体が挙げられる。
【0050】
脂肪族カルボン酸として、殊に、有利には14〜20個のC原子を含有する飽和および不飽和の脂肪酸、および水素化された、部分水素化されたおよび水素化されなかった樹脂酸ならびにまた多価カルボン酸、例えばマレイン酸のようなジカルボン酸も適している。
【0051】
適切なカルボン酸アミドは、これらのカルボン酸から誘導される。
【0052】
一価のアミンおよびアルコールのアルキレンオキシド付加物の他に、少なくとも二官能性のアミンおよびアルコールのアルキレンオキシド付加物に極めて関心が持たれる。
【0053】
少なくとも二官能性のアミンとして二価〜五価のアミンが有利であり、それらは殊に式HN−(R−NR−H(R:C〜C−アルキレン;R:水素またはC〜C−アルキル;n:1〜5、その際、nは同じであるかまたは異なっていてよい)に相当する。個別的に例えば以下のものが挙げられる:エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、プロピレンジアミン−1,3、ジプロピレントリアミン、1,4,8−トリアザオクタン(Triazaoctan)、1,5,8,12−テトラアザドデカン、ヘキサメチレンジアミン、ジヘキサメチレントリアミン、1,6−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)へキサンおよびN−メチルジプロピレントリアミンおよびポリエチレンイミン(Lupasol(R)BASFの商標)、その際、ヘキサメチレンジアミンおよびジエチレントリアミンがとりわけ有利でありかつエチレンジアミンが極めて有利である。
【0054】
有利には、これらのアミンはまずプロピレンオキシドと反応させられ、引き続きエチレンオキシドと反応させられる。通常、エチレンオキシドのブロックコポリマーの含有率は約10〜90質量%である。
【0055】
多価アミンをベースとするブロックコポリマーは、一般に1000〜40000、有利には1500〜30000の平均分子量Mを有する。
【0056】
少なくとも二官能性のアルコールとして、二価〜五価のアルコールが有利である。例えば、C〜C−アルキレングリコールおよび相応するジアルキレングリコールおよびポリアルキレングリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール−1,2および−1,3、ブチレングリコール−1,2および−1,4、ヘキシレングリコール−1,6、ジプロピレングリコールおよびポリエチレングリコール、グリセリンおよびペンタエリトリットが挙げられ、その際、エチレングリコールおよびポリエチレングリコールがとりわけ有利でありかつプロピレングリコールおよびジプロピレングリコールが極めて有利である。
【0057】
少なくとも二官能性のアルコールのとりわけ有利なアルキレンオキシド付加物は、中心部のポリプロピレンオキシドブロックを有し、つまりプロピレングリコールまたはポリプロピレングリコールから出発し、それはまずさらに他のプロピレンオキシドと反応させられ、次いでエチレンオキシドと反応させられる。通常、エチレンオキシドのブロックコポリマーの含有率は10〜90質量%である。
【0058】
多価アルコールをベースとするブロックコポリマーは、一般的に1000〜20000、有利には1000〜15000の平均分子量Mを有する。
【0059】
この種のアルキレンオキシドブロックコポリマーは公知でありかつ、例えばTetronic(R)およびPluronic(R)(BASF)の名称で商業的に得られる。
【0060】
非イオン性表面活性物質には、典型的には1500ダルトンを下回るおよび頻繁に800ダルトンを下回る分子量(数平均)を有しかつ、以下で非イオン性乳化剤とも呼ばれる低分子物質も含まれる。非イオン性乳化剤は当業者に公知であり、例えばUllmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版 CD−ROM版、Wiley−VCH、Weinheim 1997、Emulsifiers、第7章から公知である。
【0061】
殊に、例示的な非イオン性乳化剤は、3〜50および特に5〜30の範囲のエトキシル化度を有するエトキシル化されたC〜C20−アルカノールならびに3〜50および特に5〜30の範囲のエトキシル化度を有するエトキシル化されたC〜C20−アルキルフェノールである。
【0062】
その他に、表面活性物質は僅かな量において低分子のアニオン性乳化剤も包含してよい。これには殊に、C〜C20−アルカノール、C〜C20−アルキルフェノールの酸性のリン酸エステル、ホスホン酸エステル、硫酸エステルおよび/またはスルホン酸エステルをベースとする、さらに、上に記載されたポリエーテルとリン酸、五酸化リンおよびホスホン酸もしくは硫酸およびスルホン酸との前記の反応生成物をベースとする乳化剤である。この際、ポリエーテルは、相応するリン酸モノ−または−ジエステルおよびホスホン酸エステルもしくは硫酸モノエステルおよびスルホン酸エステルに変えられる。これらの酸性エステルは、有利には水溶性塩の形において、殊にアルカリ金属塩、特にナトリウム塩、およびアンモニウム塩として存在するが、しかしながらそれらは遊離酸の形においても使用されうる。
【0063】
有利なホスフェートおよびホスホネートは、特にアルコキシル化された、殊にエトキシル化された脂肪アルコールおよびオキソアルコール、アルキルフェノール、脂肪アミン、脂肪酸および樹脂酸から誘導され、有利なスルフェートおよびスルホネートは、殊にアルコキシル化された、特にエトキシル化された脂肪アルコール、アルキルフェノールおよびアミン、また多価アミン、例えばヘキサメチレンジアミンをベースとする。
【0064】
この種のアニオン性表面活性剤は公知でありかつ、例えばNekal(R)(BASF)、Tamol(R)(BASF)、Crodafos(R)(Croda)、Rhodafac(R)(Rhodia)、Maphos(R)(BASF)、Texapon(R)(Cognis)、Empicol(R)(Albright & Wilson)、Matexil(R)(ICI)、Soprophor(R)(Rhodia)およびLutensit(R)(BASF)から商業的に得られる。
【0065】
一般に前記のポリマー分散剤の割合は、分散した固体に対して5〜100質量%となりかつ、殊に、分散した固体に対して10〜80質量%となる。
【0066】
本発明の第一の有利な実施態様において工程a)で使用される組成物は、少なくとも1つの着色剤、殊に顔料を、場合により1つ以上のさらに他の効果物質、殊に可溶性染料との組み合わせにおいて含有する。
【0067】
適切な有機着色顔料のための例は:
−モノアゾ顔料 C.I.Pigment Brown 25
C.I.Pigment Orange 5,13,36,38,64および67;
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,8,9,12,17,22,23,31,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,51:1,52:1,52:2,53,53:1,53:3,57:1,58:2,58:4,63,112,146,148,170,175,184,185,187,191:1,208,210,245,247および251;
C.I.Pigment Yellow 1,3,62,65,73,74,97,120,151,154,168,181,183および191;
C.I.Pigment Violet 32;
−ジスアゾ顔料 C.I.Pigment Orange 16,34,44および72;
C.I.Pigment Red 144,166,214,220,221および242;
C.I.Pigment Yellow 12,13,14,16,17,81,83,106,113,126,127,155,174,176,180および188;
−ジスアゾ縮合顔料:
C.I.Pigment Yellow 93,95および128;
C.I.Pigment Red 144,166,214,220,242および262;
C.I.Pigment Brown 23および41;
−アンサントロン(Anthanthron)顔料:
C.I.Pigment Red 168;
−アントラキノン顔料:
C.I.Pigment Yellow 147,177および199;
C.I.Pigment Violet 31;
−アントラピリミジン顔料:
C.I.Pigment Yellow 108;
−キナクリドン顔料:
C.I.Pigment Orange 48および49;
C.I.Pigment Red 122,202,206および209;
C.I.Pigment Violet 19;
−キノフタロン顔料:
C.I.Pigment Yellow 138;
−ジケトピロロピロール顔料:
C.I.Pigment Orange 71,73および81;
C.I.Pigment Red 254,255,264,270および272;
−ジオキサジン顔料:
C.I.Pigment Violet 23および37;
C.I.Pigment Blue 80;
−フラバントロン顔料:
C.I.Pigment Yellow 24;
−インダントロン顔料
C.I.Pigment Blue 60および64;
−イソインドリン顔料:
C.I.Pigment Orange 61および69;
C.I.Pigment Red 260;
C.I.Pigment Yellow 139および185;
−イソインドリノン顔料:
C.I.Pigment Yellow 109,110および173;
−イソビオラントロン顔料:
C.I.Pigment Violet 31;
−金属錯体顔料:C.I.Pigment Red 257;
C.I.Pigment Yellow 117,129,150,153および177;
C.I.Pigment Green 8;
−ペリノン顔料:C.I.Pigment Orange 43;
C.I.Pigment Red 194;
−ペリレン顔料:C.I.Pigment Black 31および32;
C.I.Pigment Red 123,149,178,179,190および224;
C.I.Pigment Violet 29;
−フタロシアニン顔料:
C.I.Pigment Blue 15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6および16;
C.I.Pigment Green 7および36;
−ピラントロン顔料:
C.I.Pigment Orange 51;
C.I.Pigment Red 216;
−ピラゾロキナゾロン顔料:
C.I.Pigment Orange 67;
C.I.Pigment Red 251;
−チオインジゴ顔料:
C.I.Pigment Red 88および181;
C.I.Pigment Violet 38;
−トリアリールカルボニウム顔料:
C.I.Pigment Blue 1,61および62;
C.I.Pigment Green 1;
C.I.Pigment Red 81,81:1および169;
C.I.Pigment Violet 1,2,3および27;
−C.I.Pigment Black 1(アニリンブラック);
−C.I.Pigment Yellow 101(アルダジンイエロー);
−Pigment Brown 22である。
【0068】
例えば適切な無機着色顔料は:
−白色顔料: 二酸化チタン(C.I.Pigment White 6)、亜鉛白、着色酸化亜鉛;硫化亜鉛、リトポン;
−黒色顔料: 酸化鉄ブラック(C.I.Pigment Black 11)、鉄−マンガン−ブラック、スピネルブラック(C.I.Pigment Black 27);カーボンブラック(C.I.Pigment Black 7);
−有色顔料: 酸化クロム、酸化クロム水和物グリーン;クロムグリーン(C.I.Pigment Green 48);コバルトグリーン(C.I.Pigment Green 50);ウルトラマリングリーン;
コバルトブルー(C.I.Pigment Blue 28および36;C.I.Pigment Blue 72);ウルトラマリンブルー;マンガンブルー;
ウルトラマリンバイオレット;コバルトバイオレットおよびマンガンバイオレット;
酸化鉄レッド(C.I.Pigment Red 101);カドミウムスルホセレニド(C.I.Pigment Red 108);硫化セリウム(C.I.Pigment Red 265);モリブデートレッド(C.I.Pigment Red 104);ウルトラマリンレッド;
酸化鉄ブラウン(C.I.Pigment Brown 6および7)、ミックスブラウン、スピネル相およびコランダム相(C.I.Pigment Brown 29,31,33,34,35,37,39および40)、クロムチタンイエロー(C.I.Pigment Brown 24)、クロムオレンジ;
硫化セリウム(C.I.Pigment Yellow 42);ニッケルチタンイエロー(C.I.Pigment Yellow 53;C.I.Pigment Yellow 157,158,159,160,161,162,163,164および189);クロムチタンイエロー;スピネル相(C.I.Pigment Yellow 119);硫化カドミウムおよび硫化カドミウム亜鉛(C.I.Pigment Yellow 37および35);クロムイエロー(C.I.Pigment Yellow 34);バナジン酸ビスマス(C.I.Pigment Yellow 184)である。
【0069】
有利な染料は、水に可溶性であるかまたは水と混和可能なまたは水に可溶性の有機溶媒に可溶性であるものである。顔料および染料が一緒に使用される場合、それらは有利には、そのつど比較可能な色相を有する。それというのもこのようにリグノセルロース材料のとりわけ集中的な染色が達成可能だからである。しかしながら色相が異なる染料も使用されえ、それによって染色に微妙な差違をもうけることが可能になる。適しているのは、殊にカチオン染料およびアニオン染料である。
【0070】
適切なカチオン染料は、殊にジ−およびトリアリールメタン−、キサンテン、アゾ−、シアニン−、アザシアニン−、メチン−、アクリジン−、サフラニン−、オキサジン−、インジュリン−、ニグロシン−およびフェナジン系に由来し、その際、アゾ−、トリアリールメタン−およびキサンテン系が有利である。個別的に例えば以下のものが記載される:C.I.Basic Yellow 1,2および37;C.I.Basic Orange 2;C.I.Basic Red 1および108;C.I.Basic Blue 1,7および26;C.I.Basic Violet 1,3,4,10,11および49;C.I.Basic Green 1および4;C.I.Basic Brown 1および4。カチオン染料(B)として対応する着色ベースも、可溶性にする酸性試薬の存在下で使用してよい。例として以下のものが挙げられる:C.I.Solvent Yellow 34;C.I.Solvent Orange 3;C.I.Solvent Red 49;C.I.Solvent Violet 8および9;C.I.Solvent Blue 2および4;C.I.Solvent Black 7。
【0071】
適切なアニオン染料は、殊に、アゾ−、アントラキノン−、金属錯体−、トリアリールメタン−、キサンテン−およびスチルベン系の系からのスルホン酸基含有化合物であり、その際、トリアリールメタン−、アゾ−および金属錯体−(殊に銅−、クロム−およびコバルト錯体−)系からの染料が有利である。個別的に例えば以下のものが挙げられる:C.I.Acid Yellow 3,19,36および204;C.I.Acid Orange 7,8および142;C.I.Acid Red 52,88,351および357;C.I.Acid Violet 17および90;C.I.Acid Blue 9,193および199;C.I.Acid Black 194;アニオン性クロム錯体染料、例えばC.I.Acid Violet 46,56,58および65;C.I.Acid Yellow 59;C.I.Acid Orange 44,74および92;C.I.Acid Red 195;C.I.Acid Brown 355およびC.I.Acid Black 52;アニオン性コバルト錯体染料、例えばC.I.Acid Yellow 119および204;C.I.Direct Red 80および81。有利なのは水溶性染料である。
【0072】
効果物質として、UV吸収剤、酸化防止剤および/または安定剤も使用されうる。UV吸収剤のための例は、以下に記載された群a)〜g)の化合物である。安定剤のための例は、群i)〜q)の以下に記載された化合物である。
a)4,4−ジアリールブタジエン、
b)ケイ皮酸エステル、
c)ベンゾトリアゾール、
d)ヒドロキシベンゾフェノン、
e)ジフェニルシアンアクリレート、
f)オキサミド、
g)2−フェニル−1,3,5−トリアジン;
h)酸化防止剤、
i)立体障害アミン、
j)金属不活性化剤、
k)ホスファイトおよびホスホナイト、
l)ヒドロキシルアミン、
m)ニトロン、
n)アミンオキシド、
o)ベンゾフラノンおよびインドリノン、
p)チオ共力剤(Thiosynergisten)、および
q)過酸化物分解化合物。
【0073】
4,4−ジアリールブタジエンの群a)には、例えば式A
【化1】

の化合物が含まれる。
【0074】
化合物はEP−A−916335から公知である。置換基R10および/またはR11は、有利にはC〜C−アルキルおよびC〜C−シクロアルキルである。
【0075】
ケイ皮酸エステルの群b)には、例えば4−メトキシケイ皮酸−2−イソアミルエステル、4−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステル、メチル−α−メトキシカルボニルシンナメート、メチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−シンナメートおよびメチル−α−メトキシカルボニル−p−メトキシシンナメートが含まれる。
【0076】
ベンゾトリアゾールの群c)には、例えば2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、例えば2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3',5'−ジ−tert−ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3',5'−ジ−tert−ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3'−sec−ブチル−5'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクチルオキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3',5'−ジ−tert−アミル−2'−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3',5'−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2'−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−5'−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2'−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−5'−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2'−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3'−ドデシル−2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾールおよび2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)−フェニルベンゾトリアゾール、2,2'−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェノール];2−[3'−tert−ブチル−5'−(2−メトキシカルボニルエチル)−2'−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル化の生成物;[R−CHCH−COO(CH(R=3'−tert−ブチル−4'−ヒドロキシ−5'−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェニル)およびそれらの混合物が含まれる。
【0077】
ヒドロキシベンゾフェノンの群d)には、例えば2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(n−オクチルオキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4'−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびそのナトリウム塩、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン−5,5'−ビススルホン酸およびそのナトリウム塩が含まれる。
【0078】
例えばジフェニルシアンアクリレートの群e)には、例えばBASF AG社、LudwigshafenのUvinul(R)3035の名称で商業的に得られるエチル−2−シアン−3,3−ジフェニルアクリレート、例えばBASF AG社、LudwigshafenのUvinul(R)3039として商業的に得られる2−エチルヘキシル−2−シアン−3,3−ジフェニルアクリレートおよび、例えばBASF AG社、LudwigshafenのUvinul(R)3030の名称で商業的に得られる1,3−ビス−[(2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパンが含まれる。
【0079】
オキサミドの群f)には、例えば4,4'−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2'−ジエトキシオキサニリド、2,2'−ジオクチルオキシ−5,5'−ジ−tert−ブチルオキサニリド、2,2'−ジドデシルオキシ−5,5'−ジ−tert−ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2'−エチルオキサニリド、N,N'−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エチルオキサニリドおよび2−エトキシ−2'−エチル−5,4'−ジ−tert−ブチルオキサニリドとのその混合物ならびにo−、p−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物およびo−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物が含まれる。
【0080】
例えば2−フェニル−1,3,5−トリアジンの群g)には、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば2,4.6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシ−プロポキシ)−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシ−プロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシ−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシ−プロポキシ)フェニル]−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジンおよび2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジンが含まれる。
【0081】
例えば酸化防止剤の群h)は:
アルキル化モノフェノール、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、非分岐鎖状または側鎖において分岐鎖状のノニルフェノール、例えば2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルウンデシ−1−イル)−フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルヘプタデシ−1−イル)−フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルトリデシ−1−イル−)フェノールおよびそれらの混合物を包含する。
【0082】
アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0083】
ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば2.6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−ステアレート、ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0084】
トコフェロール、例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびそれらの混合物(ビタミンE)。
【0085】
ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば2,2'−チオ−ビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2'−チオ−ビス(4−オクチルフェノール)、4,4'−チオ−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4'−チオ−ビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4'−チオ−ビス−(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4'−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0086】
アルキリデン−ビスフェノール、例えば2,2'−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2'−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2'−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2'−エチリデン−ビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2'−メチレン−ビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4'−メチレン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4'−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール−ビス−[3,3−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3'−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ペンタン。
【0087】
ベンジル化合物、例えば3,5,3',5'−テトラ−tert−ブチル−4,4'−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)アミン、1,3,5−トリ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、ジ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−メルカプト酢酸イソオクチルエステル、ビス−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオールテレフタレート、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸ジオクタデシルエステルおよび3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸モノエチルエステルのカルシウム塩。
【0088】
ヒドロキシベンジル化マロネート、例えばジオクタデシル−2,2−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)−マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−マロネート、ジ−ドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−マロネート。
【0089】
ヒドロキシベンジル芳香族化合物、例えば1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0090】
トリアジン化合物、例えば2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート。
【0091】
ベンジルホスホネート、例えばジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)ホスホン酸ジエチルエステル)、ジオクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸−モノエチルエステルのカルシウム塩。
【0092】
アシルアミノフェノール、例えば4−ヒドロキシ−ラウリン酸アニリド、4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、2,4−ビス−オクチルメルカプト−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−s−トリアジンおよびオクチル−N−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−カルバメート。
【0093】
β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価または多価のアルコールとの、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリット、トリス(ヒドロキシエチル)−イソ−シアヌレート、N,N'−ビス−(ヒドロキシエチル)シュウ酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0094】
β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と、一価または多価のアルコールとの、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリット、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)シュウ酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0095】
β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価または多価のアルコールとの、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリット、トリス−(ヒドロキシエチル)−イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)−シュウ酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0096】
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と、一価または多価のアルコールとの、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリット、トリス−(ヒドロキシエチル)−イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)−シュウ酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0097】
β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N'−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサメチレンジアミン、N,N'−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−トリメチレンジアミン、N,N'−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヒドラジン、N,N'−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]−プロピオニル−オキシ)エチル]−オキサミド(例えばUniroyal社のNaugard(R)XL−1)。
【0098】
アスコルビン酸(Vitamin C)
アミン系酸化防止剤、例えばN,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p'−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス−(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N',N'−テトラメチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス−[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)−プロパン、(o−トリル)−ビグアニド、ビス[4−(1',3'−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノアルキル化とジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンとからの混合物、モノアルキル化ノニルジフェニルアミンとジアルキル化ノニルジフェニルアミンとからの混合物、モノアルキル化ドデシルジフェニルアミンとジアルキル化ドデシルジフェニルアミンとからの混合物、モノアルキル化とジアルキル化イソプロピル/イソヘキシル−ジフェニルアミンとからの混合物、モノアルキル化とジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンとからの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノアルキル化とジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチル−フェノチアジンとからの混合物、モノアルキル化とジアルキル化tert−オクチル−フェノチアジンとからの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N',N'−テトラフェニル−1,4−ジアミノブト−2−エン、N,N−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル−ヘキサメチレンジアミン、ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとのジメチルサクシネート−ポリマー[CAS番号65447−77−0]、(例えばCiba Specialty Chemicals、スイス国のTinuvin(R)622)、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−ジスピロ[5.1.11.2]−ヘイコサン−21−オン(2,2,4,4,-Tetramethyl-7-oxa-3,20-diaza-dispiro[5.1.11.2]-heeicosan-21-on)およびエピクロロヒドリンのポリマー[CAS番号:202483−55−4]、例えば(Ciba Specialty Chemicals、スイス国のHostavin(R)30)。
【0099】
立体障害アミンの群i)には、例えば、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−アリル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート(n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−マロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−エステル)、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンおよびコハク酸の縮合生成物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサンメチレンジアミンおよび4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状または環状の縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン、ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−セバケート、ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジル)−サクシネート、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状または環状の縮合生成物、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよびギ酸エステルの縮合生成物(CAS番号、124172−53−8、例えば、BASF AG社(Ludwigshafen)のUvinul(R)4050H)、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンおよび1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノエタン)の縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンおよび1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−および4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとからの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとからの縮合生成物、ならびに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(CAS登録番号[136504−96−06]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルサクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルサクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4,5]デカンおよびエピクロロヒドリンの反応混合物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシ−メチレン−マロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキソ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、無水マレイン酸−α−オレフィン−コポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとからの反応生成物、(部分的に)N−ピペリジン−4−イル置換されたマレイン酸イミドとα−オレフィンの混合物とからのコポリマー、例えばUvinul(R)5050H(BASF AG、Ludwigschafen)、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−オキシル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとt−アミルアルコールの炭素基とからの反応生成物、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)サクシネート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)グルタレート、2,4−ビス{N[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−N−ブチルアミノ}−6−(2ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミン、ヘキサヒドロ−2,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1H,4H,5H,8H−2,3a,4a,6,7a,8a−ヘキサアザシクロペンタ[def]フルオレン−4,8−ジオン(例えば、BASF AG社(Ludwigshafen)のUvinul(R)4049)、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]])[CAS番号71878−19−8]、N,N’,N’,N’−テトラキス(4,6−ビス(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−アミノ)トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザ−デカン−1,10−ジアミン(CAS番号106990−43−6)(例えばCiba Specialty Chemicals、スイス国のChimassorb(R)119)が属する。
【0100】
金属不活性化剤のグループj)には、例えばN,N’−ジフェニルシュウ酸ジアミド、N−サリチラル−N’−サリチロイル−ヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)−オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジピン酸ジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)シュウ酸ジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジドが属する。
【0101】
ホスフィットおよびホスホニットのグループk)には、例えばトリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリットジホスフィット、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット、ビスイソデシルペンタエリトリットジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリットジホスフィット、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリトリットジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリットジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)−ペンタエリトリットジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリットジホスフィット、トリステアリルソルビットトリホスフィット、テトラキス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホニット、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、2,2’,2"−ニトリロ[トリエチル−トリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット]、2−エチルヘキシル−(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィットが属する。
【0102】
ヒドロキシルアミンのグループl)には、例えばN,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−メチル−N−オクタデシルヒドロキシルアミンおよび水素化獣脂アミン(Talgfettamine)からのN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンが属する
ニトロンm)のグループには、例えばN−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、Nーテトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、Nーオクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、N−メチル−α−ヘプタデシルニトロン、および水素化獣脂アミンから製造されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロンが属する。
【0103】
アミンオキシドのグループn)には、例えばUS特許番号5,844,029および5,880,191に記載されているアミンオキシド誘導体、ジデシルメチルアミンオキシド、トリデシルアミンオキシド、トリドデシルアミンオキシドおよびトリヘキサデシルアミンオキシドが属する。
【0104】
ベンゾフラノンおよびインドリノンのグループo)には、例えばUS特許4,325,863;4,338,244;5,175,312;5,216,052;5,252,643;DE−A−4316611;DE−A−4316622;DE−A−4316876;EP−A−0589839またはEP−A−0591102の中で記載されたものかまたは3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、Ciba Specialty Chemicals社(スイス国)のIrganoxs HP−136、および3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オンが属する。
【0105】
チオ共力剤のグループp)には、例えばジラウリルチオジプロピオネートまたはジステアリルチオジプロピオネートが属する。
【0106】
過酸化物分解化合物のグループq)には、例えばβ−チオジプロピオン酸のエステル、例えばラウリルエステル、ステアリルエステル、ミリスチルエステルまたはトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾールまたは2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリット−テトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネートが属する。
【0107】
工程a)で使用される組成物は、効果物質として1つ以上の作用物質も含有してよく、それらは木材または比較可能なリグノセルロース材料を有害生物による被害または破壊から保護するのに適している。
【0108】
そのような有害生物のための例は、
−木材変色菌、例えばオフィオストマ属(例えばオフィオストマ ピセアエ)(Ophiostoma piceae)、オフィオストマ ピリフェルム(Ophiostoma piliferum))、セラトシスチス属(例えばセラトシスチス コエルレセンス(Ceratocystis coerulescens))、オーレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)、スクレロフォーマ属(例えばスクレロフォーマ ピティオフィラ(Sclerophoma pityophila))のような子嚢菌類;アスペルギルス属(例えばアスペルギルス ニガー(Aspergillus niger))、クラドスポリウム属(例えばクラドスポリウム サファエロスペルマ(Cladosporium sphaerospermum))、ペニシリウム属(例えばペニシリウム フニクロスム(Penicillium funiculosum))、トリコデルマ属(例えばトリコデルマ ビリディ(Trichoderma viride))、アルテルナリア属(例えばアルテルナリア アルテルナータ(Alternaria alternata))、パエシロミセス属(例えばパエシロミセス バリオティ)(Paecilomyces variotii))のような不完全菌類;ムコール属(例えばムコール ヒエマリス(Mucor hiemalis))のような接合菌類;
−木材分解菌:ケトミウム属(例えばケトミウム グロボーサム(Chaetomium globosum))、フミコラ属(例えばフミコラ グリセア(Humicola grisea))、ペトリエラ属(例えばペトリエラ セチフェラ(Petriella setifera))、トリクラス属(例えばトリクラス スピラリス(Trichurus spiralis))のような子嚢菌類;コニオホラ属(例えばコニオホラ プテアナ(Coniophora puteana))、コリオラス属(例えばカワラタケ(Coriolus versicolor))、グロエオヒラム属(例えばキチリメンタケ(Gloeophyllum trabeum))、レンチナス属(例えばマツオウジ(Lentinus lepideus))、プレウロタス属(例えばヒラタケ(Pleurotus ostreatus))、ポリア属(例えばポリア プラセンタ(Poria placenta)、ポリア バイランティ(Poria vaillantii))、セルプラ属(例えばナミダタケ(Serpula lacrymans))およびオシロイタケ属(例えばオオウズラタケ(Tyromyces palustris))のような担子菌類、および
−木材破壊昆虫、例えばヒロトロペス バジュラス(Hylotrupes bajulus)、ルリヒラタカミキリ(Callidium violaceum)のようなカミキリムシ科;ナラヒラタキクイムシ(Lyctus linearis)、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)のようなヒラタキクイムシ科;チビタケナガシンクイ(Dinoderus minutus)のようなナガシンクイムシ科(Bostrichidae);アノビウム パンクタタム(Anobium punctatum)、ゼストビウム ルホビロサム(Xestobium rufovillosum)のようなシバンムシ科;リメキシロン ナバレ(Lymexylon navale)のようなツツシンクイ科;プラティプス シリンドラス(Platypus cylindrus)のようなナガキクイムシ科;ナセルダ メラヌラ(Nacerda melanura)のようなカミキリモドキ科;カンポノタス アブドミナリス(Camponotus abdominalis)、キイロケアリ(Lasius flavus)、トビイロケアリ(Lasium brunneus)、クロクサアリ(Lasius fuliginosus)のようなアリ科;
それに応じて適しているのは、殺真菌性の作用物質、殺虫剤作用物質および殺菌剤、殊に:
以下の群からの殺真菌剤:
・ジカルボキシイミド、例えばイプロジオン、ミクロゾリン、プロシミドン、ビンクロゾリン;
・アシルアラニン、例えばベナラキシル、メタラキシル、オフレース、オキサジキシル;
・アミン誘導体、例えばアルジモルフ、ドジン、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、フェンプロピジン、グアザチン、イミンオクタジン(Iminoctadine)、スピロキサミン、トリデモルフ;
・アニリノピリミジン、例えばピリメタニル、メパニピリムまたはシプロジニル;
・抗生物質、例えばシクロヘキシミド、グリセオフルビン、カスガマイシン、ナタマイシン、ポリオキシンおよびストレプトマイシン;
・アゾール(コナゾール)、例えばアザコナゾール、ビテルタノール、ブロモコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェンコナゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシルアゾール(Flusilazol)、フルトリアホール(Flutriafol)、ケトコナゾール、ヘキサコナゾール、イミザリル、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロクロラズ、プロチオコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、トリチコナゾール;
・ジチオカルバメート:フェルバム、ナバム、マンネブ、マンコゼブ、メタム、メチラム、プロピネブ、ポリカルバメート、チラム、ジラム、ジネブ;
・複素環式化合物、例えばアニラジン、ベノミル、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、オキシカルボキシン、シアゾファミド、ダゾメット、ジチアノン、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモール、フベリダゾール、フルトラニル、フラメトピル、イソプロチオラン、メプロニル、ヌアリモール、プロベナゾール、プロキナジド、ピリフェノックス、ピロキロン、キノキシフェン、シルチオファム、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート−メチル、チアジニル、トリシクラゾール、トリホリン;
・ニトロフェニル誘導体、例えばビナパクリル、ジノカップ、ジノブトン、ニトロフタル−イソプロピル;
・フェニルピロール、例えばフェンピクロニルならびにフルジオキソニル;
・EP−A897904の中で一般式Iによって記載される2−メトキシベンゾフェノン、例えばメトラフェノン;
・分類されなかった殺真菌剤、アシベンゾラル−S−メチル、ベンチアバリカルブ、カルプロアミド、クロロタロニル、シモキサニル、ジクロメジン、ジクロシメット、ジエトフェンカルブ、エディフェンホス、エタボキサム、フェンヘキサミド、フェンチン−アセテート、フェノキサニル、フェリムゾン、フルアジナム、ホセチル、ホセチル−アルミニウム、イプロバリカルブ、ヘキサクロロベンゼン、メトラフェノン、ペンシクロン、プロパムカルブ(Propamcarb)、フタリド、トロクロホス(Toloclofos)−メチル、キントゼン、ゾキサミド(Zoxamid);
・WO03/075663の中で一般式Iによって記載されるストロビルリン、例えば:アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシムメチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビンおよびトリフロキシストロビン;
・スルフェン酸誘導体、例えばカプタホール、カプタン、ジクロフルアニド、ホルペット、トリルフルアニド;
・ケイ皮酸アミドおよび類似物、例えばジメトモルフ、フルメトバー(Flumetover)、フルモルフ;
・例えばWO98/46608、WO99/41255またはWO03/004465の中でそのつど一般式Iによって記載される6−アリール−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
・アミド殺真菌剤(Amidfungizide)、例えばシフルフェナミドならびに(Z)−N−[α−(シクロプロピルメトキシイミノ)−2,3−ジフルオロ−6−(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−2−フェニルアセトアミド;
・ヨード化合物、例えばジヨードメチル−p−トルイルスルホン、3−ヨード−2−プロピニルアルコール、4−クロルフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマール、3−ブロム−2,3−ジヨード−3−プロペニルエチルカーボネート、2,3,3−トリヨードアリルアルコール、3−ブロム−2,3−ジヨード−2−プロペニルアルコール、3−ヨード−2−プロピニル−n−ブチルカルバメート、3−ヨード−2−プロピニル−n−ヘキシルカルバメート、3−ヨード−2−プロピニルフェニルカルバメート、O−1−(6−ヨード−3−オキソヘキサ−5−イニル)ブチルカルバメート、O−1−(6−ヨード−3−オキソヘキサ−5−イニル)フェニルカルバメート、ナプコシド(Napcocide);
・フェノール誘導体、例えばトリブロモフェノール、テトラクロロフェノール、3−メチル−4−クロロフェノール、ジクロロフェン、O−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、2−ベンジル−4−クロロフェノール;
・イソチアゾリン、例えばN−メチルイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−N−メチルイソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−N−オクチルイソチアゾリン−3−オン、N−オクチル−イソチアゾリン−3−オン;
・(ベンズ)イソチアゾリノン、例えば1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)オン、4,5−ジメチルイソチアゾール−3−オン、2−オクチル−2H−イソチアゾール−3−オン;
・ピリジン、例えば1−ヒドロキシ−ピリジンチオン(およびそのNa−、Fe−、Mn−、Zn−塩)、テトラクロロ−4−メチルスルホニルピリジン;
・金属石鹸、例えばスズ−、銅−、亜鉛ナフテネート、−オクテート、−2−エチルヘキサノエート、−オレエート、−ホスフェート、−ベンゾエート;
・有機スズ化合物、例えばトリブチルスズおよびトリブチル(モノナプテノイルオキシ)(mononapthenoyloxy)スズ誘導体のようなトリブチル(TBT)スズ化合物;
・ジアルキルジチオカルバメートおよびジアルキルチオカルバメート、テトラメチルチオウラムジスルフィド(Tetramethylthiouramdisulfid)のNa−およびZn−塩;
・ニトリル、例えば2,4,5,6−テトラクロロイソフタロジニトリル;
・ベンズチアゾール、例えば2−メルカプトベンゾチアゾール;
・キノリン、例えば8−ヒドロキシキノリンおよびそのCu−塩;
・トリス−N−(シクロヘキシルジアゼニウムジオキシ)−アルミニウム、N−(シクロヘキシルジアゼニウムジオキシ)−トリブチルスズ、ビス−N−(シクロヘキシルジアゼニウムジオキシ)−銅;
・3−ベンゾ(b)チエン−2−イル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−オキサチアジン−4−オキシド(ベトキサジン)。
【0109】
以下の群からの殺虫剤:
・有機リン化合物、例えばアジンホス−メチル、アジンホス−エチル、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、クロルフェンビンホス、ジアジノン、ジメチルビンホス、ジオキサベンゾホス、ジスルホトン、エチオン、EPN、フェニトロチオン、フェンチオン、ヘプテノホス、イソキサチオン、マラチオン、メチダチオン、メチル−パラチオン、パラオクソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメト、ホレート、ホキシム、ピリミホス−メチル、プロフェノフォス、プロチオフォス、プリミフォス−エチル、ピラクロフォス、ピリダフェンチオン、スルプロフォス、トリアゾホス、トリクロロフォン;テトラクロルビンホス、バミドチオン;
・カルバメート、例えばアラニカルブ、ベンフラカルブ、ベンジオカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、インドキサカルブ、メチオカルブ、ピリミカルブ、プロポキスル、チオジカルブ、トリアザメート;
・ピレスロイド(Pyrethroide)、例えばビフェントリン、シフルトリン、シクロプロトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、シハロトリン、ラムダシハロトリン、ペルメトリン、シラフルオフェン、タウ−フルバリネート、テフルトリン、トラロメトリン、α−シペルメトリン;
・節足動物の成長調整剤(Anthropode Wachstumsregulatoren):a)キチン合成阻害剤、例えばクロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェンクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン;ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、クロフェンタジン(Clofentazine)のようなベンゾイル尿素;b)エクジソンアンタゴニスト、例えばハロフェノジド(Halofenozid)、メトキシフェノジド、テブフェノジド;c)ジュベノイド(Juvenoide)、例えばピリプロキシフェン、メトプレン;d)脂質−生合成阻害剤(Lipid-Biosyntheseinhibitoren)、例えばスピロジクロフェン;
・ネオニコチノイド、例えばフロニカミド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニチアジン、アセタミプリド、チアクロプリド;
・さらに他の分類されなかった殺虫剤、例えばアバメクチン、アセキノシル、アミトラズ、アザジラクチン、ビフェナゼート、カルタップ、クロルフェナピル、クロルジメフォルム、シロマジン、ジアフェンチウロン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、フェナザキン、ホルメタネート、ホルメタネート−ヒドロクロリド、ヒドラメチルノン、インドキサカルブ、ピペロニルブトキシド、ピリダベン、ピメトロジン、スピノサド、チアメトキサム、チオシクラム、ピリダリル、フルアシプリム(Fluacyprim)、ミルベメクチン、スピロスメシフェン(Spirosmesifen)、フルピラゾホス、NCS 12、フルベンジアミド(Flubendiamid)、ビストリフロン、ベンクロチアズ(Benclothiaz)、ピラフルプロール、ピリプロール、アミドフルメト、フルフェネリン(Flufenerin)、シフルメトフェン、レピメクチン、プロフルトリン、ジメフルトリンおよびメタフルミゾン;および
殺菌剤:例えばイソチアゾロン、例えば1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン(BIT)、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンならびに2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)との混合物、さらにカルベンダジム、クロロトルロン、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、フルオメツロン、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(IPBC)、イソプロツロン、プロメトリン、プロピコナゾール。
【0110】
組成物中の作用物質もしくは効果物質の濃度は、それ自体公知のように所望された使用目的に従い、かつ典型的には組成物の全質量に対して0.01〜60質量%の範囲に、殊に0.05〜20質量%の範囲にある。着色剤の場合、濃度は典型的には分散液の質量に対して0.1〜20質量%の範囲にあり、作用物質の場合、典型的には0.05〜5質量%の範囲にあり、UV安定剤の場合、典型的には0.05〜5質量%の範囲にありかつ酸化防止剤の場合、典型的には組成物の質量に対して0.05〜5質量%の範囲にある。
【0111】
本発明のさらに他の有利な一実施態様において、水性分散液は効果物質の他にすでに、工程b)で使用される組成物中に含有されている少なくとも1つの架橋性化合物を含有する。この種の組成物は新規でありかつ同様に本発明の対象である。有利な成分、これらの組成物の濃度等に関して、以下の説明は工程b)で使用される組成物と同じように適用される。
【0112】
工程a)での効果物質組成物によるリグノセルロース材料の含浸は、それ自体通常の方法で、例えば浸漬によって、場合により圧力と組み合わせられる真空の適用によってまたは塗膜(Streichen)、噴霧等の慣例の施与法によって行われうる。そのつど適用される含浸法は、当然のことながら、含浸されるべき材料の寸法に依存する。切りくずまたはストランドのような小さい寸法を有するリグノセルロース材料ならびに薄い張り板、すなわち表面対体積の比が大きい材料は、僅かな費用で、例えば浸漬または噴霧によって含浸されえ、それに対して比較的大きい寸法を有するリグノセルロース材料、殊に、その最も小さい広がりが5mmを上回る材料、例えば無垢木材、無垢木材または木質材料からの成形部材は、圧力または真空の適用下で、殊に圧力と真空とを組み合わせて適用することによって含浸される。有利には、含浸は50℃を下回る温度にて、例えば15〜50℃の範囲で実施される。
【0113】
一般に含浸の条件は、吸収される水性組成物の量が未処理の材料の乾燥質量に対して少なくとも20質量%、頻繁に少なくとも30質量%となるように選択される。吸収される水性組成物の量は、未処理の材料の乾燥質量に対して100質量%までであってよくかつ、使用される未処理の材料の乾燥質量に対して頻繁に20〜100質量%の範囲に、有利には30〜100質量%の範囲に、および殊に40〜100質量%の範囲にある。含浸に使用される未処理の材料の湿度は非臨界状態でありかつ、例えば100%までであってよい。ここでおよび以下で"湿度"という概念は、DIN52183に従う残留湿分含有率の概念と同義である。有利には、残留湿分含有率は木材の繊維飽和点を下回る。頻繁に、それは1〜80%および殊に5〜50%の範囲にある。
【0114】
浸漬のためにリグノセルロース材料は、場合により前乾燥後に、水性組成物を含有する容器中に浸漬される。浸漬は、有利には数秒〜24時間、殊に1分〜6時間の時間にわたって行われる。通常、温度は15℃〜50℃の範囲にある。この際、リグノセルロース材料は水性組成物を吸収し、その際、水性組成物中における効果物質の濃度によって、温度および処理時間によって、リグノセルロース材料に吸収される効果物質の量が制御されうる。実際に吸収された効果物質の量は、含浸された材料の質量増加と水性組成物中における効果物質の濃度とを介して当業者により容易に算出されかつ制御されうる。例えば張り板は、水性の含浸組成物中にあるプレスローラ、いわゆるカレンダーを用いて前プレスしてよい。次いで、放圧に際して木材中に発生する真空により水性の含浸組成物の吸収が促進される。
【0115】
有利には、減少された圧力と高められた圧力との組み合わせを適用することにより含浸が行われる。このために、一般に1%〜100%の範囲の湿度を有するリグノセルロース材料はまず、頻繁に10〜500mbarの範囲におよび殊に40〜100mbarの範囲にある減少された圧力下で、例えば水性組成物中へ浸漬することによって水性組成物と接触させられる。通常、時間の長さは1分〜1時間の範囲にある。これに、例えば2〜20barの範囲の、殊に4〜15barのおよび特に5〜12barの範囲の高められた圧力における段階が続く。通常、この段階の時間は1分〜12時間の範囲にある。通常、温度は15〜50℃の範囲にある。この際、リグノセルロース材料は水性組成物を吸収し、その際、水性組成物中における効果物質の濃度によって、圧力によって、温度および処理時間によって、リグノセルロース材料に吸収される組成物ひいては効果物質の量が制御されうる。実際に吸収された効果物質の量は、ここでもリグノセルロース材料の質量増加を介して計算されうる。
【0116】
さらに含浸は、液体を表面上に施与する慣例の方法によって、例えば噴霧またはローラー塗布もしくは塗膜することによって行われうる。有利にはこのために、50%を上回らない、殊に30%を上回らない、例えば12%〜30%の範囲の湿度を有する材料が使用される。通常、施与は15〜50℃の範囲の温度にて行われる。噴霧は、通常の方法で、平面状または微粒状の物体を噴霧するために適した全ての装置において、例えばノズル配置(Duesenanordnungen)等を用いて行われうる。塗膜もしくはローラー塗布の場合、所望される水性組成物の量はローラー塗布または塗布することで平面状の材料に施与される。
【0117】
場合により、工程b)での含浸前に工程a)で得られたリグノセルロース材料を、例えば工程b)での含浸のために適した残留湿分に乾燥してよい。しかし一方で、効果物質の他に架橋性化合物も含有する水性組成物を使用することによって乾燥工程を省くかまたは工程a)および工程b)を一緒に実施してもよい。
【0118】
工程b)で使用される水性組成物の架橋性化合物もしくは効果物質の組成物中における架橋性化合物は低分子化合物または僅かな分子量を有するオリゴマーであり、それらは一般に水中で完全に溶解して存在する。通常、架橋性化合物の分子量は400ダルトンを下回る。想定されるのは、化合物がこの特性に基づき木材の細胞壁に浸透しえ、かつ硬化に際して細胞壁の機械的安定性を改善しかつ水により引き起こされるその膨潤を防止するということである。
【0119】
架橋性化合物のための例は以下のものであるが、それらに制限されない:
− 1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン(DMDHEU)、
− C〜C−アルカノール、C〜C−ポリオールまたはオリゴアルキレングリコールで変性されている、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジノン(変性DMDHEUもしくはmDMDHEU)、
− 1,3−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、
− 1,3−ビス(メトキシメチル)尿素、
− 1−ヒドロキシメチル−3−メチル尿素、
− 1,3−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾリジン−2−オン(ジメチロールエチレン尿素)、
− 1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−ヘキサヒドロピリミジン−2−オン(ジメチロールプロピレン尿素)
− 1,3−ビス(メトキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン(DMeDHEU)、
− テトラ(ヒドロキシメチル)アセチレンジ尿素
− 低分子メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(MF樹脂)、例えば2−、3−、4−、5−、または6重にメチロール化されたメラミン、例えばトリ(ヒドロキシメチル)メラミン(=2,4,6−トリス−(N−ヒドロキシメチル)アミノ)−1,3,5−トリアジンおよび
− 低分子メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(MF樹脂)、例えば2−、3−、4−、5−、または6重にメチロール化されたメラミン、例えばC〜C−アルカノール、C〜C−ポリオールまたはオリゴアルキレングリコールで変性されているトリ(ヒドロキシメチル)メラミン(変性MF樹脂)。
【0120】
架橋性化合物は、典型的には水性組成物の形において使用される。
【0121】
化合物Vの水性組成物、それらの前縮合物およびそれらの反応生成物は、例えばWO2004/033171、WO2004/033170、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版 CD−ROM版、Wiley−VCH、Weinheim 1997の中のK.Fischer他"Textile Auxiliaries−Finishing Agents"第7.2.2章およびそこで引用される文献、US2,731,364、US2,930,715、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版 CD−ROM版、Wiley−VCH、Weinheim 1997の中のH.Diem他"Amino−Resins"第7.2.1章および第7.2.2章およびそこで引用される文献、Houben−Weyl E20/3、第1811頁〜第1890頁からそれ自体公知でありかつ、通常、繊維仕上のための架橋剤として使用される。N−メチロール化尿素化合物Vとアルコールとの反応生成物、例えば変性1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジノン−2(mDMDHEU)は、例えばUS4,396,391およびWO98/29393から公知である。その他の点では、化合物Vならびにそれらの反応生成物および前縮合物は商業的に得られる。
【0122】
本発明の有利な一実施態様において架橋性化合物は、前で定義されたように、尿素単位(N−C(O)−N)の窒素原子にそのつど基CHORを有する尿素化合物V、ならびにこの種の尿素化合物VとC〜C−アルカノール、C〜C−ポリオールおよびオリゴアルキレングリコールとの反応生成物の中から選択される。殊に架橋性化合物は、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オンおよびC〜C−アルカノール、C〜C−ポリオール、および/またはポリアルキレングリコールで変性された1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オンの中から選択される。ポリアルキレングリコールのための例は、殊に下で記載されるオリゴ−およびポリ−C〜C−アルキレングリコールである。
【0123】
mDMDHEUは、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジノン−2と、C〜C−アルカノール、C〜C−ポリオール、オリゴエチレングリコールまたはこれらのアルコールの混合物との反応生成物である。適切なC〜C−アルカノールは、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノール、n−ブタノールおよびn−ペンタノールであり、有利なのはメタノールである。適切なポリオールはエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−および1,3−プロピレングリコール、1,2−、1,3−、および1,4−ブチレングリコールおよびグリセリンである。適切なポリアルキレングリコールのための例は、殊に以下で記載されるオリゴ−およびポリ−C〜C−アルキレングリコールである。mDMDHEUの製造のために、DMDHEUはアルカノール、ポリオールまたはポリアルキレングリコールと混合される。この際、一価のアルコール、ポリオール、またはオリゴ−もしくはポリアルキレングリコールは、通常、DMDHEUに対してモル当量0.1〜2.0、殊に0.2〜2ずつの比で使用される。通常、DMDHEU、ポリオールまたはポリアルキレングリコールとからの混合物は、有利には20〜70℃の温度および、有利には1〜2.5のpH値にて水中で反応させられ、その際、一般にpH値は反応後に4〜8の範囲に設定される。
【0124】
本発明のさらに他の有利な一実施態様において架橋性化合物は、少なくとも2重に、例えば2−、3−、4−、5−または6重に、特に3重にメチロール化されたメラミン(ポリ(ヒドロキシメチル)メラミン)およびC〜C−アルカノール、C〜C−ポリオールおよび/またはポリアルキレングリコールで変性されたポリ(ヒドロキシメチル)メラミンの中から選択される。ポリアルキレングリコールのための例は、殊に以下で記載されるオリゴ−およびポリ−C〜C−アルキレングリコールである。
【0125】
本発明により使用される水性組成物は、前記のアルコール、例えばC〜C−アルカノール、C〜C−ポリオール、オリゴ−およびポリアルキレングリコールまたはこれらのアルコールの混合物の1つ以上も含有してよい。適切なC〜C−アルカノールは、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノール、n−ブタノールおよびn−ペンタノールであり、有利なのはメタノールである。適切なポリオールはエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−および1,3−プロピレングリコール、1,2−、1,3、−および1,4−ブチレングリコールおよびグリセリンである。適切なオリゴ−およびポリアルキレングリコールは、殊にオリゴ−およびポリ−C〜C−アルキレングリコール、特にエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドのホモ−およびコオリゴマーであり、それらは場合により、低分子開始剤、例えば、少なくとも2つのOH基、例えば1,3−プロパンジオール、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エリトリット、およびペンタエリトリット、ならびにペンタイト(Pentite)およびヘキサイト(Hexite)、例えばリビット(Ribit)、アラビット(Arabit)、キシリット(Xylit)、ダルシット(Dulcit)、マンニット(Mannit)およびソルビットならびにイノジット(Inosit)を有する脂肪族または脂環式ポリオールまたは、少なくとも2つのNH基、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、プロピレンジアミン−1,3、ジプロピレントリアミン、1,4,8−トリアザオクタン、1,5,8,12−テトラアザドデカン、ヘキサメチレンジアミン、ジヘキサメチレントリアミン、1,6−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)ヘキサン、N−メチルジプロピレントリアミンまたはポリエチレンイミンを有する脂肪族または脂環式ポリアミンの存在下で得られ、その中で、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジ−、トリ−およびテトラプロピレングリコールおよび低分子Pluronic(R)−BASFの商標(例えばPluronic(R)PE3100、PE4300、PE4400、RPE1720、RPE1740)が有利である。
【0126】
通常、水性組成物中における架橋性化合物の濃度は、組成物の全質量に対して1〜60質量%の範囲に、頻繁に10〜60質量%の範囲におよび殊に15〜50質量%の範囲にある。硬化性の水性組成物が前記のアルコールの1つを含有する場合、その濃度は有利には1〜50質量%の範囲に、殊に5〜40質量%の範囲にある。通常、架橋性化合物およびアルコールの全量は、水性組成物の全質量の10〜60質量%および殊に20〜50質量%となる。
【0127】
一般に工程b)で使用される水性組成物は、化合物V、もしくはその反応生成物または前縮合物の架橋を引き起こす少なくとも1つの触媒Kを含有する。一般に触媒Kとして、金属ハロゲン化物、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属リン酸塩、金属テトラフルオロホウ酸塩の群からの金属塩;三フッ化ホウ素;ハロゲン化アンモニウム、硫酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウムおよびリン酸二アンモニウムの群からのアンモニウム塩;ならびに有機カルボン酸、有機スルホン酸、ホウ酸、リン酸、硫酸および塩酸が適している。
【0128】
触媒Kとして適した金属塩のための例は、殊に塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化亜鉛、塩化リチウム、臭化リチウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸亜鉛およびテトラフルオロホウ酸ナトリウムである。
【0129】
触媒Kとして適したアンモニウム塩のための例は、殊に塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウムおよびリン酸二アンモニウムである。
【0130】
触媒Kとして、殊に水溶性有機カルボン酸、例えばマレイン酸、ギ酸、クエン酸、酒石酸およびシュウ酸、さらにベンゼンスルホン酸、例えばp−トルエンスルホン酸も適しており、また一方で無機酸、例えば塩酸、リン酸、硫酸、ホウ酸およびそれらの混合物も適している。
【0131】
有利には、触媒Kは、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムおよびそれらの混合物の中から選択され、その際、塩化マグネシウムがとりわけ有利である。
【0132】
通常、触媒Kは、工程b)で含浸される少し前になって初めて水性分散液に添加される。通常、それは水性組成物中に含有される硬化性成分の全質量に対して1〜20質量%、殊に2〜10質量%の量で使用される。水性組成物の全質量に対する触媒の濃度は、通常0.1〜10質量%の範囲におよび殊に0.5〜5質量%の範囲にある。
【0133】
工程b)での含浸は、それ自体通常の方法で、例えば浸漬によって、場合により圧力と組み合わせられる真空の適用によってまたは、例えば塗膜、噴霧等の慣例の施与法によって行われうる。そのつど適用される含浸法は、当然のことながら、含浸されるべき材料の寸法に依存する。切りくずまたはストランドのような小さい寸法を有するリグノセルロース材料ならびに薄い張り板、すなわち表面対体積の比が大きい材料は、僅かな費用で、例えば浸漬または噴霧することによって含浸されえ、それに対して比較的大きい寸法を有するリグノセルロース材料、殊に、その最も小さい広がりが5mmを上回る材料、例えば無垢木材、無垢木材または木質材料からの成形部材は、圧力または真空の適用下で、殊に圧力と真空とを組み合わせて適用することによって含浸される。有利には、含浸は50℃を下回る温度にて、例えば15〜50℃の範囲の温度にて実施される。
【0134】
一般に工程b)での含浸の条件は、吸収される水性組成物の硬化性成分の量が工程a)で得られた材料の乾燥質量に対して少なくとも1質量%となるように選択される。吸収される硬化性成分の量は、工程a)で得られた材料の乾燥質量に対して100質量%までであってよくかつ、工程a)で得られた材料の乾燥質量に対して頻繁に1〜60質量%の範囲に、有利には5〜50質量%の範囲に、および殊に10〜30質量%の範囲にある。工程b)での含浸に使用される材料の湿度は非臨界状態でありかつ、例えば100%までである。ここでおよび以下で"湿度"という概念は、DIN52183に従う残留湿分含有率の概念と同義である。有利には、残留湿分含有率は木材の繊維飽和点を下回る。頻繁に、それは1〜80%および殊に5〜50%の範囲にある。
【0135】
浸漬のためにリグノセルロース材料は、場合により前乾燥後に、水性組成物を含有する容器中に浸漬される。浸漬は、有利には数秒〜24時間、殊に1分〜6時間の時間にわたって行われる。通常、温度は15℃〜50℃の範囲にある。この際、リグノセルロース材料は水性組成物を吸収し、その際、水性組成物中における非水性成分(すなわち硬化性成分)の濃度によって、温度および処理期間によって、リグノセルロース材料に吸収されるこれらの成分の量が制御されうる。実際に吸収された成分の量は、含浸された材料の質量増加と水性組成物中における成分の濃度とを介して当業者により容易に算出されかつ制御されうる。例えば張り板は、水性の含浸組成物中にあるプレスローラ、いわゆるカレンダーを用いて前プレスしてよい。次いで、放圧に際して木材中に発生する真空により水性の含浸組成物の吸収が促進される。
【0136】
有利には、減少された圧力と高められた圧力との組み合わせを適用することにより含浸が行われる。このために、一般に1%〜100%の範囲の湿度を有するリグノセルロース材料はまず、頻繁に10〜500mbarの範囲におよび殊に40〜100mbarの範囲にある減少された圧力下で、例えば水性組成物中へ浸漬することによって水性組成物と接触させられる。通常、時間の長さは1分〜1時間の範囲にある。これに、例えば2〜20barの範囲の、殊に4〜15barおよび特に5〜12barの範囲の高められた圧力における段階が続く。通常、この段階の時間は1分〜12時間の範囲にある。通常、温度は15〜50℃の範囲にある。この際、リグノセルロース材料は水性組成物を吸収し、その際、水性組成物中における非水性成分(すなわち硬化性成分)の濃度によって、圧力によって、温度および処理時間によって、リグノセルロース材料に吸収されるこれらの成分の量が制御されうる。実際に吸収された量は、ここでもリグノセルロース材料の質量増加を介して計算されうる。
【0137】
さらに含浸は、液体を表面上に施与するための慣例の方法によって、例えば噴霧またはローラー塗布もしくは塗膜することによって行われうる。有利にはこのために、50%を上回らない、殊に30%を上回らない、例えば12%〜30%の範囲の湿度を有する材料が使用される。通常、施与は15〜50℃の範囲の温度にて行われる。噴霧は、通常の方法で、平面状または微粒状の物体を噴霧するために適した全ての装置において、例えばノズル配置等を用いて行われうる。塗膜もしくはローラー塗布の場合、所望される水性組成物の量はローラー塗布または塗布することで平面状の材料に施与される。
【0138】
引き続き工程c)において、工程b)で使用された水性組成物の架橋性成分の硬化が行われる。硬化は、従来技術において記載される方法と同じように実施されえ、例えばWO2004/033170およびWO2004/033171の中で記載される方法に従って実施されうる。
【0139】
典型的には硬化は、工程b)で得られた材料を、80℃を上回る、殊に90℃を上回る、例えば90〜220℃の範囲および殊に100〜200℃の範囲の温度にて処理することによって行われる。硬化させるために必要な時間は、典型的には10分〜72時間の範囲にある。張り板および微粒状リグノセルロース材料の場合、むしろより高い温度およびより短い時間を適用してよい。硬化に際して、リグノセルロース材料中の細孔は、硬化された含浸剤で満たされるのみならずまた、含浸剤とリグノセルロース材料自体との間で架橋が生じる。
【0140】
場合により、硬化させる前に乾燥工程(以下でまた前乾燥工程)を実施してよい。この際、尿素化合物の硬化/架橋において反応しない、水性組成物の揮発性成分、殊に水および過剰の有機溶媒が部分的にまたは完全に除去される。前乾燥とは、リグノセルロース材料が材料の種類に応じて約30質量%にある繊維飽和点以下で乾燥されることを意味する。この前乾燥は、大きいサイズの物体の場合、殊に無垢木材の場合に亀裂が形成される危険を押さえる。小さいサイズの材料または張り板の場合、前乾燥は省いてよい。しかしながら大きい寸法を有する材料の場合、前乾燥は有利である。別個の前乾燥が実施される場合、これは有利には20〜80℃の範囲の温度にて行われる。選択される乾燥温度に依存して、組成物中に含有される硬化性成分の部分的なまたは完全な硬化/架橋が行われうる。通常、含浸された材料の前乾燥/架橋を組み合わせたものは、50℃〜220℃、殊に80〜200℃に達してよい温度プロフィールを作成することによって行われる。
【0141】
硬化/乾燥は、慣例のフレッシュエアー−排気系(Frischluft-Abluft System)において、例えば回転乾燥機で実施してよい。有利には、前乾燥は、微粒状リグノセルロース材料の湿分含有率が乾燥質量に対して前乾燥後に30%を上回らない、殊に20%を上回らないように行われる。有利でありうるのは、乾燥/硬化を、乾燥質量に対して<10%および殊に<5%の湿分含有率まで行うことである。湿分含有率は、温度、時間および前乾燥に際して選択される圧力によって容易に制御されうる。
【0142】
場合により、乾燥/硬化前に付着している液体は機械的な方法で除去される。
【0143】
大きいサイズの材料の場合、これらを乾燥/硬化する際に、例えば加熱プレスにおいて定着させることが有利であることがわかった。
【0144】
工程b)で含浸されたもしくは工程c)で硬化されたリグノセルロース材料は、それがすでに調製された最終生成物でない場合、公知の方法で後処理されえ、微粒状材料の場合、成形体、例えばOSB板(オリエンティッド・ストラクチュラル・ボード(oriented structural board))、パーティクルボード、ウェハーボード、OSL板およびOSL成形部材(オリエンティッド・ストランド・ランバー(Oriented-Strand-Lumber))、PSL板およびPSL成形部材(パラレル・ストランド・ランバー(Parallel-Strand-Lumber))、インシュレーションボードおよび中密度繊維板(MDF)および高密度繊維板(HDF)、木材プラスチック複合体(WPC)等が得られ、張り板の場合、張り板材料、例えばOSL化粧板およびPSL化粧板(オリエンティッド・ストランド・ランバーもしくはパラレル・ストランド・ランバー(parallel strand lumber))を含めた、化粧繊維板(furnierte Faserplatten)、化粧指物用板(furnierte Tischlerplatten)、化粧パーティクルボード、合板、膠質材(Leimholz)、層状材(Lagenholz)、張り板積層材(Furnierschichtholz)(例えばKerto−積層材)、複合板、積層された張り板材料(単板積層材 (Laminated Veneer Lumber) LVL)、装飾用張り板材料、例えば装飾パネル、被覆パネル、既製の寄木張りパネル(Fertigparkett-Paneele)、また一方で非平面状の3次元に形作られた構成部材、例えば層状材成形品、合板成形品、および少なくとも1つの張り板層で被覆された他の任意の成形品が得られる。後処理は工程b)での含浸の直後に、一方でまたは工程c)での硬化に続けて行ってよい。含浸された張り板の場合、有利には後処理は硬化工程の前にまたは硬化工程と一緒に実施される。微粒状材料からの成形体の場合、形状付与工程および硬化工程は同時に実施されうる。
【0145】
含浸されたリグノセルロース材料が無垢木材または調製された木質材料である場合、これは工程c)での処理前に通常の方法において、例えば鋸で挽く、鉋で削る、研磨する等によって処理してよい。殊に、本発明により含浸されたかつ硬化された無垢木材は、湿気および殊に天候の影響下にさらされる対象物を製造するのに適しており、例えば建築用材、梁材、木材からの建築用構成材のために、木材バルコニー、屋根板(Dachschindeln)、フェンス、リグノセルロースマスト(Lignocellulosemasten)、道路の塀(Bahnschwellen)のために、屋内改造(Innenausbau)および上甲板構造物(Decksaufbauten)のための船舶建造において適している。
【0146】
以下の例は本発明を具体的に説明するのに役立つ。
【0147】
顔料で含浸するための一般規定:
市販の固形または水性の顔料調製物または液体の染料調製物(表1を参照のこと)を、表2の中で記載される濃度に水で希釈する。硫酸の添加によって6〜8のpH値を設定する。この水性配合物の100質量部に、室温にて攪拌しながらN,N−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ビスヒドロキシイミダゾリン−2−オン(BASF−AktiengesellschaftのFixapret(R)CP)の市販の濃縮された水性配合物の30質量部を添加する。
【0148】
比較目的のために、N,N−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ビスヒドロキシイミダゾリン−2−オンを添加しなかった相応する組成物をテストした。
【0149】
そうして得られた配合物中に、前部表面が2−K−ラッカー(Lack)で塗られている3cm×3cm×3cmの寸法を有する方形のマツ材(Kiefernholzwuerfel)を完全に浸漬し、重りで負荷をかけかつ軽度の減圧にて1時間貯蔵した。次いで、含浸組成物を標準圧力にてさらに4時間作用させた。次いで、そのように含浸された木材片を空気循環乾燥キャビネット(Umluft-Trockenschrank)中で36時間120℃にて乾燥した。
【0150】
適用技術試験:
得られた試験体を鋸で2等分にし、かつ目視により染料の浸透を検査した。本発明により製造された木材本体と同様また本発明によらないで製造された木材本体にも完全に染料が浸透していた。
【0151】
耐移染性(Migrationsbestaendigkeit)を評価するために、そのつど2等分にした木材片を周囲温度にて水中で一週間貯蔵しかつ着色剤の浸出を目視評価した。浸出は、以下の評定段階に従って評価した。
【0152】
1 浸出なし
2 軽度の浸出
3 浸出
4 激しい浸出
結果は表2の中で記載されている。
【0153】
【表1】

【0154】
テストした全ての顔料配合物はポリマーのアニオン性分散剤を含有していた。
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リグノセルロース材料を効果物質で含浸するための方法であって、以下の工程:
a)少なくとも1つの効果物質を溶解したまたは分散した形において含有する液体配合物によりリグノセルロース材料を含浸する工程、および
b)工程a)の間または工程a)に引き続き、以下
α)式CHOR[式中、Rは水素またはC〜C−アルキルである]の少なくとも2つのNに結合した基、および/または2つの窒素原子を架橋する1,2−ビスヒドロキシエタン−1,2−ジイル基を有する低分子化合物V、
β)化合物Vの前縮合物および
γ)化合物Vと、C〜C−アルカノール、C〜C−ポリオールおよびオリゴアルキレングリコールの中から選択される少なくとも1つのアルコールとの反応生成物または混合物、
の中から選択される、少なくとも1つの架橋性化合物を含有する硬化性の水性組成物で含浸する工程、および
c)工程b)で得られた材料を、高められた温度にて処理する工程、
を包含する、リグノセルロース材料を効果物質で含浸するための方法。
【請求項2】
効果物質を、着色剤、UV安定剤、酸化防止剤、殺真菌剤および殺虫剤の中から選択する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
効果物質を水性組成物の形において使用し、該水性組成物中で効果物質は溶解したまたは分散した形において2000nmを上回らない粒径で存在する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
工程a)で使用される組成物が、水相中で分散した少なくとも1つの顔料および/または顔料とは異なる分散した効果物質を50〜2000nmの範囲の平均粒径で含有する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
工程a)で使用される組成物が、アニオン性ポリマー分散剤および中性ポリマー分散剤の中から選択される少なくとも1つのポリマー分散剤を含有する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
工程a)で使用される組成物が、効果物質を0.01〜60質量%の濃度で含有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
硬化性組成物の架橋性化合物を、
− 1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン、
− C〜C−アルカノール、C〜C−ポリオールまたはオリゴアルキレングリコールで変性されている、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジノン、
− 1,3−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、
− 1,3−ビス(メトキシメチル)尿素;
− 1−ヒドロキシメチル−3−メチル尿素、
− 1,3−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾリジン−2−オン(ジメチロールエチレン尿素)、
− 1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−ヘキサヒドロピリミジン−2−オン(ジメチロールプロピレン尿素)
− 1,3−ビス(メトキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン(DMeDHEU)、
− テトラ(ヒドロキシメチル)アセチレンジ尿素
− 低分子メラミン−ホルムアルデヒド樹脂および
− C〜C−アルカノール、C〜C−ポリオールまたはオリゴアルキレングリコールで変性されている低分子メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(変性MF樹脂)
の中から選択する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
水性の硬化性組成物中での架橋性化合物の濃度が、組成物の全質量に対して1〜60質量%の範囲にある、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
水性組成物が、架橋性化合物の硬化を引き起こす触媒Kを付加的に含有する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
触媒Kを、金属ハロゲン化物、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属リン酸塩、金属テトラフルオロホウ酸塩の群からの金属塩;三フッ化ホウ素;ハロゲン化アンモニウム、硫酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウムおよびリン酸二アンモニウムの群からのアンモニウム塩;有機カルボン酸、有機スルホン酸、ホウ酸、リン酸、硫酸および塩酸の中から選択する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
工程b)を工程a)に続けて実施する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
工程a)およびb)を同時に実施する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
i)少なくとも1つの溶解したまたは分散した効果物質および
ii)b)以下から選択される少なくとも1つの架橋性化合物:
α)式CHOR[式中、Rは水素またはC〜C−アルキルである]の少なくとも2つのNに結合した基、および/または2つの窒素原子を架橋する1,2−ビスヒドロキシエタン−1,2−ジイル基を有する低分子化合物V、
β)化合物Vの前縮合物および
γ)化合物Vと、C〜C−アルカノール、C〜C−ポリオールおよびオリゴアルキレングリコールの中から選択される少なくとも1つのアルコールとの反応生成物または混合物、
を含有する水性組成物を使用する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
50℃を下回る温度にて含浸を行う、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
リグノセルロースの材料が木材または木質材料である、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれか1項記載の方法によって得られる、リグノセルロース材料。
【請求項17】
i)少なくとも1つの溶解したまたは分散した効果物質および
ii)以下から選択される少なくとも1つの架橋性化合物:
α)式CHOR[式中、Rは水素またはC〜C−アルキルである]の少なくとも2つのNに結合した基、および/または2つの窒素原子を架橋する1,2−ビスヒドロキシエタン−1,2−ジイル基を有する低分子化合物V、
β)化合物Vの前縮合物および
γ)化合物Vと、C〜C−アルカノール、C〜C−ポリオールおよびオリゴ−C〜C−アルキレングリコールの中から選択される少なくとも1つのアルコールとの反応生成物または混合物、
を含有する水性組成物。
【請求項18】
効果物質が、着色剤、顔料、UV安定剤および酸化防止剤、殺真菌剤、殺虫剤の中から選択される、請求項17記載の組成物。
【請求項19】
水相中で分散した少なくとも1つの顔料および/または分散した効果物質を50〜2000nmの範囲の平均粒径で含有する、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
少なくとも1つのアニオン性ポリマー分散剤を付加的に含有する、請求項19記載の組成物。
【請求項21】
効果物質を0.1〜20質量%の濃度で含有する、請求項17から20までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項22】
水相中で分散した少なくとも1つの顔料および/または分散した効果物質を50〜2000nmの範囲の平均粒径で含有しかつアニオン性ポリマー分散剤および中性ポリマー分散剤の中から選択される少なくとも1つの分散剤を含有する、リグノセルロース材料を含浸するための水性の効果物質組成物の使用。
【請求項23】
リグノセルロース材料が木材を包含する、請求項22記載の使用。
【請求項24】
リグノセルロース材料が無垢木材の本体である、請求項23記載の使用。

【公表番号】特表2008−540159(P2008−540159A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509351(P2008−509351)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【国際出願番号】PCT/EP2006/004019
【国際公開番号】WO2006/117162
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】