説明

リストバンド

【課題】 本発明は、貼り合わせ部分の形状を維持して剥がすことが困難であり、複数人が付け替えて使用する等の不正使用を効果的に防止することができるリストバンドを提供することを課題とする。
【解決手段】 貼付領域13には、不正防止用の破断用切り込み16が形成されている。破断用切り込み16は、破断されると端部が丸められた長穴を形成する切り込みが、基体10の長手方向および幅方向にクロスさせて複数個形成されており、貼付領域13を被貼付領域14に一旦貼り付けた後に剥がすと、粘着剤層11の粘着力によって破断用切り込み16が破断されるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手首に取り付けて使用するリストバンドに関し、特に粘着剤によって貼り合わせることによって手首に取り付けるリストバンドに関する。
【背景技術】
【0002】
テーマパーク、コンサート会場、ライブ会場においては、チケットを発行し、当該チケットによって会場や場内のアトラクションへの入場チェック等を行っているが、チケットを紛失することなく携帯するためには、チケットホルダ等が必要となるため、チケットをリストバンド化することが考えられている。
【0003】
リストバンドとしては、バンド本体の両端部にそれぞれプラスチック製留め具を設けたものが一般的であるが、リストバンドをチケットとして利用するためには、安価であることが求められているため、リストバンドの一端面裏面側に粘着剤層を設け、手首にリストバンドを巻き回し、巻き回したリストバンドの粘着剤層と他端面表面側とを貼り合わせて使用するタイプのものが適している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、従来技術では、貼り合わせ部分を剥がすことが比較的容易であり、複数人が付け替えて使用する等の不正使用が行われる恐れがあるという問題点があった。
【特許文献1】特開2002−161417号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、貼り合わせ部分の形状を維持して剥がすことが困難であり、複数人が付け替えて使用する等の不正使用を効果的に防止することができるリストバンドを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
請求項1記載の発明の要旨は、貼付領域の裏面側と被貼付領域の表面側とを前記貼付領域の裏面に形成された粘着剤層によって貼り合わせて手首に取り付けるリストバンドであって、前記貼付領域を前記被貼付領域から引き剥がすと破断される破断用切り込みが前記貼付領域に形成されていることを特徴とするリストバンドに存する。
また請求項2記載の発明の要旨は、前記貼付領域を前記被貼付領域から引き剥がすと破断される破断用切り込みが前記被貼付領域に形成されていることを特徴とする請求項1記載のリストバンドに存する。
また請求項3記載の発明の要旨は、前記貼付領域の表面の前記破断用切り込みが形成されている箇所には、破断識別用マークが印字されていることを特徴とする請求項1又は2記載のリストバンドに存する。
また請求項4記載の発明の要旨は、貼付領域の裏面側と被貼付領域の表面側とを前記貼付領域の裏面に形成された粘着剤層によって貼り合わせて手首に取り付けるリストバンドであって、前記貼付領域を前記被貼付領域から引き剥がすと破断される破断用切り込みが前記被貼付領域に形成されていることを特徴とするリストバンドに存する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のリストバンドは、貼付領域を被貼付領域に一旦貼り付けた後に剥がすと破断される破断用切り込みを貼付領域に形成することによって、リストバンドを手首から取り外す際に、貼付領域を被貼付領域から引き剥がすと破断用切り込みが破断されるため、貼り合わせ部分の形状を維持して剥がすことが困難であり、複数人が付け替えて使用する等の不正使用を効果的に防止することができるという効果を奏する。
【0008】
さらに、本発明のリストバンドは、貼付領域および被貼付領域の両方に破断用切り込みを形成することによって、貼付領域を被貼付領域から引き剥がすと、貼付領域および被貼付領域の両方に形成された破断用切り込みがそれぞれ不規則に破断されることになり、不正使用の防止をさらに効果的に行うことができるという効果を奏する。
【0009】
さらに、本発明のリストバンドは、貼付領域の表面に破断識別用マークを印字することにより、破断用切り込みの破断の識別を容易にすることができ、複数人が付け替えて使用する等の不正使用を効果的に防止することができるという効果を奏する。
【0010】
さらに、本発明のリストバンドは、貼付領域を被貼付領域に一旦貼り付けた後に剥がすと破断される破断用切り込みを被貼付領域に形成することによって、リストバンドを手首から取り外す際に、貼付領域を被貼付領域から引き剥がすと破断用切り込みが破断されるため、貼り合わせ部分の形状を維持して剥がすことが困難であり、複数人が付け替えて使用する等の不正使用を効果的に防止することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係るリストバンドの第1の実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、表面から見た図であり、(b)は、裏面から見た図であり、(c)は、側面から見た図である。図2は、図1に示すリストバンドの取り付け時の動作を説明する説明図であり、図3は、図1に示すリストバンドの取り外し時の状態を説明する説明図である。
【0013】
第1の実施の形態のリストバンド1は、テーマパークや、コンサート会場、ライブ会場等のイベント会場においてチケットとして使用されるものであり、図1を参照すると、防水加工が施されている帯状の紙で構成された基体10と、基体10の一端部裏面側に塗布された粘着剤層11と、粘着剤層11に仮着されている剥離紙12とからなる。なお、粘着剤層11として両面テープを使用することもできる。
【0014】
基体10は、裏面に粘着剤層11が塗布されている貼付領域13と、手首への取り付け時に貼付領域13が貼り付けられる被貼付領域14と、貼付領域13と被貼付領域14と挟まれた中間領域15とからなる。
【0015】
貼付領域13には、不正防止用の破断用切り込み16が形成されている。破断用切り込み16は、破断されると端部が丸められた長穴を形成する切り込みが、基体10の長手方向および幅方向にクロスさせて複数個形成されており、貼付領域13を被貼付領域14に一旦貼り付けた後に剥がすと、粘着剤層11の粘着力によって破断用切り込み16が破断されるように構成されている。また、図示していないが、貼付領域13の表面、すなわち手首に取り付けた際に視認可能な面に、テーマパークやイベントのロゴマーク、キャラクター等を破断用切り込み16が形成されている箇所に印字するようにしても良く、貼付領域13の表面に印字されたロゴマーク、キャラクター等は、破断用切り込み16の破断の識別を容易にする破断識別用マークとして機能する。
【0016】
中間領域15の表面の中央部分には、図1(a)に示すように、入場日やチケットの形態等のチケット情報を示す可視表記17と、チケット情報をコード化したバーコードや2次元コードからなるコード表記18とが印字されており、可視表記17によってチケット情報を簡単に視認することができると共に、コード表記18を読み取ることによってチケットの利用状況をリアルタイムで管理できるように構成されている。
【0017】
リストバンド1を手首に取り付ける際には、まず、剥離紙12を粘着剤層11から剥がし、図2に示すように、リストバンド1を手首に巻き回して、破断用切り込み16が形成された貼付領域13の裏面側、すなわち粘着剤層11と被貼付領域14の表面側とを貼り合わせる。これにより、リストバンドがリング状になって手首に取り付けられる。
【0018】
リストバンド1を手首から取り外す際には、貼付領域13の端部を把持して、粘着剤層11によって貼り合わされている貼付領域13の裏面側と被貼付領域14の表面側とを引き剥がすことになるが、貼付領域13を被貼付領域14から引き剥がすと、粘着剤層11の粘着力によって破断用切り込み16が破断され、図3に示すように、破断用切り込み16が形成されている箇所が貼り残し部19として被貼付領域14の表面に残り、手首から取り外したリストバンド1の再利用を防止する。
【0019】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、貼付領域13を被貼付領域14に一旦貼り付けた後に剥がすと破断される破断用切り込み16を貼付領域13に形成することによって、リストバンド1を手首から取り外す際に、貼付領域13を被貼付領域14から引き剥がすと破断用切り込み16が破断されるため、貼り合わせ部分の形状を維持して剥がすことが困難であり、複数人が付け替えて使用する等の不正使用を効果的に防止することができるという効果を奏する。
【0020】
さらに、第1の実施の形態によれば、貼付領域13の表面に破断識別用マークを印字することにより、破断用切り込み16の破断の識別を容易にすることができ、複数人が付け替えて使用する等の不正使用を効果的に防止することができるという効果を奏する。
【0021】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明に係るリストバンドの第2の実施の形態の構成を示す図である。
【0022】
第2の実施の形態のリストバンド2は、図4を参照すると、破断用切り込み21が被貼付領域14に形成されている。手首に取り付けられたリストバンド2を取り外す際には、貼付領域13の端部を把持して、粘着剤層11によって貼り合わされている貼付領域13の裏面側と被貼付領域14の表面側とを引き剥がすことになるが、貼付領域13を被貼付領域14から引き剥がすと、粘着剤層11の粘着力によって破断用切り込み21が破断され、破断用切り込み21が形成されている箇所が貼り残し部として貼付領域13の裏面に残り、手首から取り外したリストバンド2の再利用を防止する。
【0023】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、貼付領域13を被貼付領域14に一旦貼り付けた後に剥がすと破断される破断用切り込み21を被貼付領域14に形成することによって、リストバンド2を手首から取り外す際に、貼付領域13を被貼付領域14から引き剥がすと破断用切り込み16が破断されるため、貼り合わせ部分の形状を維持して剥がすことが困難であり、複数人が付け替えて使用する等の不正使用を効果的に防止することができるという効果を奏する。
【0024】
なお、第1の実施の形態では、破断用切り込み16を貼付領域13に形成し、第2の実施の形態では、破断用切り込み21を被貼付領域14に形成したが、貼付領域13および被貼付領域14の両方に破断用切り込みを形成しても良く、この場合には、貼付領域13を被貼付領域14から引き剥がすと、貼付領域13および被貼付領域14の両方に形成された破断用切り込みがそれぞれ不規則に破断されることになり、不正使用の防止をさらに効果的に行うことができる。
【0025】
また、リストバンド1およびリストバンド2の材質は、手首に巻き回すことができ、さらに粘着剤層11の粘着力によって破断する破断用切り込み16、21を形成することができる材質であれば、紙に限定されるものではないことは明らかである。
【0026】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るリストバンドの第1の実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、表面から見た図であり、(b)は、裏面から見た図であり、(c)は、側面から見た図である。
【図2】図1に示すリストバンドの取り付け時の動作を説明する説明図である。
【図3】図1に示すリストバンドの取り外し時の状態を説明する説明図である。
【図4】本発明に係るリストバンドの第2の実施の形態の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
10 基体
11 粘着剤層
12 剥離紙
13 貼付領域
14 被貼付領域
15 中間領域
16 破断用切り込み
17 可視表示
18 コード表示
19 貼り残し部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貼付領域の裏面側と被貼付領域の表面側とを前記貼付領域の裏面に形成された粘着剤層によって貼り合わせて手首に取り付けるリストバンドであって、
前記貼付領域を前記被貼付領域から引き剥がすと破断される破断用切り込みが前記貼付領域に形成されていることを特徴とするリストバンド。
【請求項2】
前記貼付領域を前記被貼付領域から引き剥がすと破断される破断用切り込みが前記被貼付領域に形成されていることを特徴とする請求項1記載のリストバンド。
【請求項3】
前記貼付領域の表面の前記破断用切り込みが形成されている箇所には、破断識別用マークが印字されていることを特徴とする請求項1又は2記載のリストバンド。
【請求項4】
貼付領域の裏面側と被貼付領域の表面側とを前記貼付領域の裏面に形成された粘着剤層によって貼り合わせて手首に取り付けるリストバンドであって、
前記貼付領域を前記被貼付領域から引き剥がすと破断される破断用切り込みが前記被貼付領域に形成されていることを特徴とするリストバンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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