説明

リゼルギン酸の製造のための方法

パスパル酸と濃縮された金属水酸化物水溶液によって生成した、相分離された混合物中でパスパル酸を異性化することにより、高収率かつ高品質でリゼルギン酸が生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パスパル酸(paspalic acid)を異性化することによって高収率でリゼルギン酸(lysergic acid)を製造および精製するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リゼルギン酸は、天然麦角アルカロイド類の基本構造部分である。これは、いくつかの半合成麦角アルカロイド類の合成のための中間体として大規模に製造されており、これらの半合成麦角アルカロイド類は、例えばエルゴメトリン(ergometrine)、メチルエルゴメトリン(methylergometrine)、メチセルギド(methysergide)及びニセルゴリン(nicergoline)等の薬品として使用することが知られている。
【0003】
パスパル酸もまた、発酵によって容易に入手可能な麦角アルカロイドである。パスパル酸のリゼルギン酸への変換は、種々の方法が知られている。しかしながら、最近の変換方法は、エピマーであるイソリゼルギン酸等の好ましくない不純物の生成が起こり、イソリゼルギン酸不純物を取り除く簡単な方法を示唆していない。
【0004】
リゼルギン酸、パスパル酸及びイソリゼルギン酸は、これらの骨格の5位においてキラル中心上でR立体配置を有した天然キラル化合物である。ここで用いられているように、リゼルギン酸、イソリゼルギン酸及びパスパル酸は、d‐リゼルギン酸、d‐イソリゼルギン酸及びd‐パスパル酸を意味している。これらの構造が以下に示されている。
【0005】
【化1】

【0006】
リゼルギン酸は、典型的には、麦角から単離されたエルゴタミン(ergotamine)又はエルゴトキシン(ergotoxine)に似た天然麦角アルカロイドを加水分解することによって製造される。もう一つの典型的な製造法は、リゼルギン酸ヒドロキシ‐エチルアミドの加水分解又はパスパル酸の異性化等の発酵によって入手可能な天然前駆体からの部分合成を含む。
パスパル酸と、そのリゼルギン酸への異性化は、コベルによって最初に記載された(Helv.Chim.Acta 47:1052(1964))。この異性化は、希釈された水性水酸化ナトリウム中でパスパル酸を沸騰させることによって行われる。しかしながら、パスパル酸の異性化がこの方法によって実施された場合、リゼルギン酸への変換は満足のいくものではなく(5%以上のパスパル酸が反応混合物中に残った)、高温が用いられるので、生成物の著しい分解が生じた。コベル等によって記載された他の方法(Helv.Chim.Acta 64:478(1981)及びJP 70013302)を用いても同様の結果が得られており、両者とも沸騰した水性水酸化カリウム中での異性化を用いている。更に、この反応混合物は、大量(25%以上)のイソリゼルギン酸を含有し、この化合物は、生成するリゼルギン酸の収率と品質の両方を低下させた(単離されたリゼルギン酸は、約5%のイソリゼルギン酸を含有していた)。それゆえ、生成物の更なる精製が必要であった。もう一つの欠点は、反応混合物中のパスパル酸の濃度が低いことであり、このことにより、言い換えると、大容量の反応器が必要となった。
【0007】
最近、リゼルギン酸を製造するための新たな方法が開示され、この方法には、パスパル酸を異性化させるために、水性の水酸化テトラアルキルアンモニウムを使用することが記載されている(U.S.Patent No.6,242,603)。約3%のイソリゼルギン酸を含有する、単離されたリゼルギン酸の報告されている収率は約80%であった。この生成物中におけるパスパル酸の含有量は開示されていなかった。又、この文献には、沸騰した希釈水酸化ナトリウム又はカリウム中の異性化を含む上記の方法によるリゼルギン酸の製造法が開示されていた。これらの比較例には、60%以下の収率でリゼルギン酸が生成することが記載されている。
【0008】
従って、高収率でリゼルギン酸を製造する方法で、同時に高純度をもたらすものを見い出すことが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、高収率と高純度の両方が得られる、パスパル酸からリゼルギン酸を製造するための新規な方法を提供する。
【0010】
又、本発明は、リゼルギン酸からイソリゼルギン酸を分離するための新規な方法を提供するものでもある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下の詳細な説明により明らかになるであろうこれらの及び他の利点は、リゼルギン酸が、相分離された混合物中にてパスパル酸と金属水酸化物の水溶液から生成できるという発明者等の発見によって得られてきた。更に、本発明者等はまた、イソリゼルギン酸がメタノール洗浄物を経てリゼルギン酸から取り除かれるということも見出した。本発明の更なる利点は、以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
ある具体例においては、本発明は、パスパル酸と金属水酸化物の水溶液を含む相分離された混合物中で、パスパル酸を異性化することを含むことを特徴とするリゼルギン酸の製造のための新規な方法を提供する。パスパル酸と金属水酸化物の量は、充分な量において相分離された反応混合物をもたらす。好都合に、この方法は、数時間以内に比較的低温で実施することができる。本質的に純粋なリゼルギン酸の単離は、70%以上の収率で、約1重量%以下のパスパル酸と約1重量%以下のイソリゼルギン酸の含有状態にて達成することができる。この方法は、更に、好ましくないイソリゼルギン酸から、望ましいリゼルギン酸へのエピマー化が提供できる。単離されたリゼルギン酸の収率と品質の両方は、従来技術から知られているもの(例えば米国特許6,242,603B1参照)よりも実質的に良好であった。
【0013】
水酸化ナトリウムと水酸化カリウムは、両方とも好ましい金属水酸化物である。他の金属水酸化物(例えばリチウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及びバリウム)は、本発明において有用であると考えられるものであり、本発明の要素であると考えられる。
【0014】
相分離された系を形成させるために、少なくとも約5、6、7、8、9、又は10重量%のパスパル酸が存在していることが好ましく、約5重量%であることがより好ましい。又、約12、13、14、15、16、17、18、19又は20重量%の金属水酸化物(例えば水酸化ナトリウム及びカリウム)の水溶液が使用されることが好ましく、約12重量%であることがより好ましい。重量パーセントは、ある成分の重量を基準物の全重量で割ることによって決定される。例えば、少なくとも12%の水酸化ナトリウム又はカリウム水溶液では、水溶液100g当たり、少なくとも12gの水酸化ナトリウム又はカリウムが必要ということになる。言い換えると、このことは、12gの水酸化ナトリウム又はカリウムと88gの水ということになる。いかなる理論に拘束されることなく、相分離された反応混合物がパスパル酸の異性化に適した優れた媒体をもたらすと考えられる。
【0015】
パスパル酸は、比較的温和な条件、例えば約50℃の温度で約4時間混合した後に、上記の相分離された媒体中にてリゼルギン酸に変換することができる。これらの反応条件の下では、パスパル酸の変換は、好ましくは90、91、92、93、94、95、96、97、98又は99%以上であり、98%以上がより好ましい。即ち、異性化後の反応混合物は、HPLCによって測定されたものとして約2.0%以下のパスパル酸を含有することが好ましい。又、異性化されたパスパル酸については、一定量のイソリゼルギン酸(例えばHPLCによって測定された際に約18%)を含有することが、まれではないことも注目される。
【0016】
一般的に、本発明は、パスパル酸と水と金属水酸化物を混合することによって実施される。便利であるので、パスパル酸は、金属水酸化物の水溶液に添加されることが好ましい。これらの成分は混合され、任意に、リゼルギン酸への高い変換を達成するのに充分な時間(例えば約1、2、3、4、5、6、7、8時間又はそれ以上)攪拌される。この反応の温度は、好ましくは約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95℃から100℃であり、約40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60℃であることがより好ましく、50℃であることが一層好ましい。
【0017】
生成後、リゼルギン酸は、反応混合物から分離されることが好ましい。さらに別の具体例では、リゼルギン酸は、リゼルギン酸の結晶性塩を生成させるための酸性化によって反応混合物から分離される。この酸性化は、反応混合物のpHを4.0、3.9、3.8、3.7、3.6、3.5またはそれ以下に下げることが好ましい。好ましくは、酸性化は硫酸を用いて行われる。硫酸による酸性化は、リゼルギン酸スルフェート塩を生成し、この塩は、反応混合物から沈殿する。この沈殿物は、当業者に公知の方法(例えば濾過)によって反応混合物から分離されることが好ましい。いくつかの実験から、未精製のリゼルギン酸塩が、パスパル酸の異性化の間に生成されるリゼルギン酸とイソリゼルギン酸をほぼ同じ割合で含有することが示されてきている。従って、生成したリゼルギン酸を、そのエピマーから更に単離することが望ましい。
【0018】
更に別の具体例においては、本発明は、リゼルギン酸をその塩から再生するために、アルコール(例えばメタノール、エタノール、及びイソプロパノール)と水性アンモニアの混合物を用いて未精製のリゼルギン酸塩を抽出する方法を提供する。メタノールは、好ましいアルコールである。好ましくは、アルコールと水性アンモニアの混合は95:5(v/v)である。抽出後、抽出溶液の容積を減少させることが好ましい。好ましくは、このような減量により、存在するアンモニアのほとんど全てが取り除かれる。又、リゼルギン酸を結晶化させるのをより容易にするために、アルコール(例えばメタノール)の体積を減少させることも好ましい。
【0019】
更に別の具体例では、このようにして抽出されたリゼルギン酸は結晶化される。この結晶化は、水を添加することによって好都合に促進させることができる。結晶化したリゼルギン酸は、その後、母液を放置して分離されることが好ましい。この母液は、異性化工程の引き続いて行われる繰り返しに使用できる。このようにして得られた結晶性のリゼルギン酸は、いくらかのイソリゼルギン酸(例えば約10%以下)をまだ含有していることが知られてきている。
【0020】
更に別の具体例では、イソリゼルギン酸の含量は、結晶性のリゼルギン酸をメタノールで洗浄することによって更に減少させることができる。驚くべきことに、イソリゼルギン酸は、リゼルギン酸よりもメタノールに溶解し易いと考えられる。即ち、メタノールを用いた目的の生成物の洗浄は、リゼルギン酸をより一層精製するための便利な方法を提供する。又、メタノールを用いて洗浄を行う前に、水で結晶性物質を洗浄することも好ましい。メタノールを用いた洗浄により、メタノール洗浄物が残る。この洗浄物は、異性化工程の引き続いて行われる繰り返しに使用できる。イソリゼルギン酸不純物の量を約3重量%以下にまで減少させるために、結晶性のリゼルギン酸をメタノールで洗浄することが好ましい。1%以下のイソリゼルギン酸を含有するようになるまで、リゼルギン酸を洗浄することがより一層好ましい。
【0021】
結晶性のリゼルギン酸の濾過からの母液と、メタノール洗浄物は、主にイソリゼルギン酸を含有する。更に別の具体例では、これらの溶液は、異性化の工程へ戻されてリサイクルされ、この際、イソリゼルギン酸は、パスパル酸が異性化されると同時に、目的のリゼルギン酸へ異性化され、これによって、マルチバッチ又は連続工程の総収率が増加する。このリサイクルは、好ましくは、前記の母液とメタノール洗浄液を、パスパル酸と水と金属水酸化物(好ましくは水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム)から成る第2の部分と混合することによって達成される。2回目又はそれ以上の繰り返しの間に、相分離された系を生成させるために、少なくとも約5、6、7、8、9又は10重量%のパスパル酸が存在していることが好ましく、少なくとも約5重量%であることがより好ましく、少なくとも約7重量%であることがより一層好ましい。又、約12、13、14、15、16、17、18、19又は20重量%の金属水酸化物(例えば水酸化ナトリウム又はカリウム)水溶液が使用されることが好ましく、少なくとも約12重量%であることがより好ましく、少なくとも約15重量%であることがより一層好ましい。2回目及びそれ以降の異性化の温度は、最初の異性化について記載の温度と同様であることが好ましい。上記の工程(例えば酸性化、分離、抽出、減量、結晶化、分離、及び洗浄)のそれぞれは、上記と同様にして行われる。
【0022】
上記母液のリサイクルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10回繰り返すことができ、より高品質のリゼルギン酸が産出する。各回ごとに、上記の異性化からの母液とメタノール洗浄物は、パスパル酸と水と金属水酸化物の新たな部分と混合される。好ましくは、イソリゼルギン酸を含有する母液のリサイクルを含むマルチ‐バッチ法の全収率は、約70、75、80、85、90〜95%であり、約90%がより好ましい。得られたリゼルギン酸の品質は非常に高い。好ましくは、パスパル酸の平均含有量は、約5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1〜0.5%以下であり、より好ましくは約1%以下である。好ましくは、イソリゼルギン酸の平均含有量は、約5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1〜0.5%以下であり、より好ましくは約1%以下である。
【0023】
本発明の他の特徴は、以下の具体例についての説明によって明らかとなるであろうが、これら具体例は、本発明を例示するためのものであって、これらに限定されることを意図するものではない。
【実施例】
【0024】
実施例1:母液のリサイクルを行わないリゼルギン酸の製造
【0025】
パスパル酸(100.0g)(滴定分析98.5%)を5%の水酸化ナトリウム水溶液(1000mL)中に溶解させ、その後、水酸化ナトリウム(150g)をこの溶液に加えた。二相混合物の生成が観察された。このようにして得られた二相混合物を、その後、窒素雰囲気下で約50℃にて約4時間混合した。この反応混合物を水(1000mL)で希釈し、10℃にまで冷却し、40%硫酸を用いてpH約3.5まで酸性化した。結晶性のリゼルギン酸スルフェートの懸濁液が生成し、これを約5℃にて約2時間混合した。この結晶性リゼルギン酸スルフェートを濾別し、メタノールと水性アンモニア95:5(v/v)の混合物を用いて抽出し(3×500mL)、一つにした抽出物を約200gになるまで蒸発させ、水(200mL)で希釈し、約5℃で24時間放置し、結晶化させた。その後、この結晶性リゼルギン酸を分離し、水(100mL)とメタノール(3×100mL)を用いて洗浄した。真空乾燥(60℃、24時間で、30ミリバール)を行った後にはリゼルギン酸が得られた(73.4g)(滴定分析99.1%、パスパル酸の含有量0.5%、イソリゼルギン酸の含有量0.8%)。
【0026】
リゼルギン酸の結晶化後の母液と、結晶性生成物を洗浄した後に得られたメタノール溶液を、約200mLの体積になるまで蒸発させ、その後、実施例2で使用した。
【0027】
実施例2:母液のリサイクルを伴うリゼルギン酸の製造
【0028】
水酸化ナトリウム(50g)を、水(800mL)と、前記実施例1からの濃縮された母液200mLに溶解させた。パスパル酸(100.0g)(滴定分析98.5%)と、最後に水酸化ナトリウム(150g)を上記溶液に加えた。二相の反応混合物が引き続いて生成され、窒素雰囲気下で約50℃にて約4時間混合した。この反応混合物を水(1000mL)で希釈し、10℃にまで冷却し、40%硫酸を用いてpH約3.5まで酸性化した。このようにして得られた懸濁液を約5℃にて2時間混合し、結晶性のリゼルギン酸スルフェートを濾別した。このリゼルギン酸スルフェートを、メタノールと水性アンモニア95:5(v/v)の混合物を用いて抽出した(3×500mL)。一つにした抽出物を約200gになるまで蒸発させ、水(200mL)で希釈し、約5℃で24時間放置し、結晶化させた。その後、この結晶性リゼルギン酸を分離し、水(100mL)とメタノール(3×100mL)を用いて洗浄した。真空乾燥(60℃、24時間で、30ミリバール)を行った後にはリゼルギン酸が得られた(90.8g)(滴定分析98.7%、パスパル酸の含有量0.6%、イソリゼルギン酸の含有量0.9%)。
【0029】
リゼルギン酸の結晶化後の母液と、結晶性生成物を洗浄した後に得られたメタノール溶液を約200mLの体積になるまで蒸発させ、次のバッチで使用するように準備した。
【0030】
この開示においては、本発明の好ましい具体例が説明されているだけであり、その多くの用途のうちの幾つかの実施例に過ぎない。本発明は、種々な他の組み合わせ及び状況において使用することができ、ここに示されている本発明の概念の範囲内で変更又は修正が可能であると理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パスパル酸と金属水酸化物の水溶液を含む相分離された混合物中で、パスパル酸を異性化することを含むことを特徴とするリゼルギン酸の製造方法。
【請求項2】
前記金属水酸化物が、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選ばれたものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の相分離された混合物が、少なくとも約5重量%のパスパル酸を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記の水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液が、水中に溶解した少なくとも約12重量%の水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記の異性化が、約40−60℃の範囲内の温度で行われることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
異性化の後で前記反応混合物を酸性化し、リゼルギン酸の結晶性塩を生成させることを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記反応混合物が、約4以下のpHにまで酸性化されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記反応混合物を酸性化させるために、硫酸が使用されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記のリゼルギン酸塩を分離することを更に含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
アルコールと水性アンモニアの混合物を用いて、前記の分離されたリゼルギン酸塩からリゼルギン酸を抽出し、リゼルギン酸溶液を生成することを更に含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記アルコールがメタノールであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記のリゼルギン酸溶液の体積を減少させることを更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記の減少したリゼルギン酸溶液からリゼルギン酸を結晶化させることを更に含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記の結晶化が、水の添加によって促進されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
結晶性リゼルギン酸と第1母液を提供するために、前記の結晶性リゼルギン酸を分離することを更に含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
結晶性リゼルギン酸と第1メタノール洗浄液を提供するために、前記の分離された結晶性リゼルギン酸をメタノールを用いて洗浄することを更に含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記の結晶性リゼルギン酸が、約1重量%以下のパスパル酸と約1重量%以下のイソリゼルギン酸を含むまで、前記のメタノール洗浄を続けることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
得られたリゼルギン酸の収率が少なくとも70%であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記の第1母液と第1メタノール洗浄液を、パスパル酸と水と金属水酸化物から成る第2の部分と混合することによる、相分離された系中でのパスパル酸の第2の異性化を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記の第1母液と第1メタノール洗浄液を、第2の部分であるパスパル酸、水及び金属水酸化物と混合する前に混合して体積減少させることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記金属水酸化物が、水酸化ナトリウム又はカリウムであることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
結晶性リゼルギン酸をメタノールを用いて洗浄することを含むことを特徴とする、結晶性リゼルギン酸からイソリゼルギン酸を除去する方法。
【請求項23】
前記の結晶性リゼルギン酸が、少なくとも5重量%のイソリゼルギン酸を含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記の結晶性リゼルギン酸が約3重量%以下のイソリゼルギン酸を含むまで、前記のメタノール洗浄を続けることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記の結晶性リゼルギン酸が約1重量%以下のイソリゼルギン酸を含むまで、前記のメタノール洗浄を続けることを特徴とする請求項24に記載の方法。

【公表番号】特表2007−523171(P2007−523171A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554184(P2006−554184)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/004933
【国際公開番号】WO2005/082902
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(506283846)イヴァックス ファーマシューティカルズ エス.アール.オー. (2)
【Fターム(参考)】