説明

リニアモータ

【課題】磁束の漏洩が抑制されるリニアモータを提供する。
【解決手段】リニアモータ1は、磁化方向を可動方向(x方向)に直交する方向(z方向)に向けた第1メインマグネット25Aと、軸方向の長さが第1メインマグネット25Aのx方向の長さよりも小さく、軸方向をx方向に向けるとともに外周面を第1メインマグネット25Aに向けた第1コイル19Aと、第1メインマグネット25Aの第1コイル19Aとは反対側を覆う外ヨーク7と、第1メインマグネット25Aのx方向の一端に隣接し、第1メインマグネット25Aが第1コイル19Aに向けている磁極と同一の磁極を第1メインマグネット25Aに向けている漏洩防止マグネット31と、漏洩防止マグネット31の第1コイル19Aとは反対側及び第1メインマグネット25Aとは反対側を覆う漏洩防止ヨーク12とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイスコイルモータ等のリニアモータに関する。
【背景技術】
【0002】
ボイスコイルモータ等のリニアモータは広く知られている。なお、特許文献1では、コイルに鎖交する磁束を発生するメインマグネットに隣接して、メインマグネットの磁化方向と直交する方向を磁化方向とする補助マグネットを設けることにより、ヨークを不要としたリニアモータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−158140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、リニアモータを含む装置の小型化が図られている。その結果、リニアモータと、リニアモータによって駆動される磁性体の被駆動部材とが近接する。そして、リニアモータから漏洩する磁束によって被駆動部材がリニアモータに吸引される。このような吸引は、高速制御性能や一定推力性能の低下を招く。そこで、リニアモータからの磁束の漏洩が抑制されることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係るリニアモータは、磁化方向を可動方向に直交する方向に向けた第1メインマグネットと、軸方向の長さが前記第1メインマグネットの前記可動方向の長さよりも小さく、前記軸方向を前記可動方向に向けるとともに外周面を前記第1メインマグネットに向けた第1コイルと、前記第1メインマグネットの前記第1コイルとは反対側を覆う外ヨークと、前記第1メインマグネットの前記可動方向の一端に隣接し、前記第1メインマグネットが前記第1コイルに向けている磁極と同一の磁極を前記第1メインマグネットに向けている漏洩防止マグネットと、前記漏洩防止マグネットの前記第1コイルとは反対側及び前記第1メインマグネットとは反対側を覆う漏洩防止ヨークと、を有する。
【0006】
好適には、前記リニアモータは、前記第1メインマグネットの前記漏洩防止マグネットとは反対側に隣接し、前記第1メインマグネットが前記第1コイルに向けている磁極と同一の磁極を前記第1メインマグネットに向けている第1補助マグネットを更に有し、前記漏洩防止マグネットは、前記可動方向の長さが前記第1補助マグネットの前記可動方向の長さよりも小さい。
【0007】
好適には、前記リニアモータは、前記第1補助マグネットの前記第1メインマグネットとは反対側に隣接し、磁極の向きが前記第1メインマグネットとは逆向きとされた第2メインマグネットと、軸方向の長さが前記第2メインマグネットの前記可動方向の長さよりも小さく、前記第1コイルと同軸に配置されるとともに外周面を前記第2メインマグネットに向けた第2コイルと、前記第2メインマグネットの前記第1補助マグネットとは反対側に隣接し、前記第2メインマグネットが前記第2コイルに向けている磁極と同一の磁極を前記第2メインマグネットに向けている第2補助マグネットと、を更に有し、前記外ヨークは、前記第1補助マグネット、前記第2メインマグネット及び前記第2補助マグネットの前記第1コイル及び前記第2コイルとは反対側も覆い、前記第2補助マグネットの前記第2メインマグネットとは反対側を覆うとともに、前記可動方向に見て前記第2コイルと重なる位置まで延びる端ヨークが設けられている。
【0008】
好適には、前記リニアモータは、前記可動方向及び前記第2メインマグネットの磁化方向に直交する方向において前記第2メインマグネットが前記第2コイルに向けている磁極と同一の磁極を前記第2コイルの外周面に向けたサブマグネットと、前記サブマグネットの前記第2コイルとは反対側を覆うとともに、前記端ヨークに連続するサブヨークと、前記第2コイルに挿通されるとともに前記端ヨークに連続するセンターヨークと、を更に有する。
【0009】
好適には、前記可動方向及び前記第1メインマグネットの磁化方向に直交する方向において前記第1コイルの外周面に対向するマグネット及びヨークは設けられていない。
【発明の効果】
【0010】
上記の構成によれば、リニアモータからの磁束の漏洩が抑制される。その結果、例えば、リニアモータによる磁性体の吸引が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るリニアモータの外観を示す斜視図。
【図2】図1のリニアモータの他の向きからの外観を示す斜視図。
【図3】図1のリニアモータの可動子の外観を示す斜視図。
【図4】図1のリニアモータを可動方向において見た図。
【図5】図1のリニアモータを可動方向の側方から見た図。
【図6】図1のリニアモータの作用を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、同一若しくは同様の構成については、同一の符号を付すことがある。また、この場合において、「コイル19」を「第1コイル19A」「第2コイル19B」とするなど、名称の頭に数字を付すとともに、符号に大文字のアルファベットを付し、同一若しくは同様の構成を区別することがある。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係るリニアモータ1の外観を示す斜視図である。また、図2は、リニアモータ1を図1の紙面奥手側から見た斜視図である。
【0014】
リニアモータ1は、x方向に駆動力を発揮するリニアモータである。すなわち、リニアモータ1は、固定子3と、固定子3に対してx方向へ移動可能な可動子5とを有している。なお、図1においては、可動子5は、一部のみが示されている。
【0015】
リニアモータ1は、いわゆる可動コイル型のリニアモータとして構成されている。すなわち、固定子3は、マグネット(25、27、29及び31)と、ヨーク(7、9、11、12及び13)とを有し、可動子5は、コイル19を有している。
【0016】
ヨークは、マグネットの磁気経路を構成するだけでなく、マグネットを保持する部材を兼ねており、リニアモータ1の概ね直方体状の外形(箱体)を構成している。具体的には、固定子3は、直方体状のz方向の面を構成する一対の外ヨーク7と、y方向の面を構成する一対のサブヨーク9と、x方向の面を構成する端ヨーク11(図2)と、外ヨーク7のx方向の端部に設けられた漏洩防止ヨーク12とを有している。また、固定子3は、これらの外形を構成するヨークの中央においてx方向に延びるように配置されたセンターヨーク部13を有している。
【0017】
一対の外ヨーク7は、それぞれ概ね矩形の平板状に形成されており、可動子5を挟んでz方向において互いに対向している。一対のサブヨーク9は、それぞれ概ね矩形の平板状に形成されており、可動子5を挟んでy方向において互いに対向している。サブヨーク9は、x方向の長さが外ヨーク7の概ね半分程度とされており、一対の外ヨーク7により形成されたy方向の隙間の半分程度を塞いでいる。端ヨーク11は、概ね矩形の平板状に形成されており、一対の外ヨーク7及び一対のサブヨーク9により形成されたx方向の正側に形成された開口を塞いでいる。
【0018】
漏洩防止ヨーク12は、外ヨーク7のx方向に直交する断面形状と同一の断面形状の外側部12aと、外側部12aからコイル19側へ突出する端面部12bとを有している。端面部12bは、外側部12aよりもx方向の厚みが薄く形成されるとともに、外側部12aよりもy方向の幅が小さく形成されている。
【0019】
センターヨーク部13は、その本体たるセンターヨーク15(図1)と、センターヨーク15を囲む管状部材17とを有している。
【0020】
センターヨーク15は、鉄等の磁性体により形成され、例えば、断面矩形状に形成されている。センターヨーク15は、x方向において一対の外ヨーク7と概ね同等の長さを有している。
【0021】
管状部材17は、センターヨーク15の外形と相似形の筒状(本実施形態では断面矩形の筒状)に形成され、センターヨーク15の概ね全体を覆っている。管状部材17は、非磁性且つ導電性を有する材料により形成されている。このような材料としては、例えば、銅、アルミニウム、ステンレスが挙げられる。管状部材17は、1対のコイル19の相互インダクタンスの抑制に寄与する。
【0022】
外形を構成するヨーク(7、9、11及び12)は、例えば、鉄等の磁性体により形成されている。上述したヨーク(7、9、11、12及び13)は、ねじや接着剤等、適宜な方法により互いに固定されてよい。また、一部のヨークは互いに一体的に形成されていてもよいし、一のヨークが複数の部材から構成されていてもよい。例えば、外側部12aが外ヨーク7と一体的に形成されるとともに端面部12bが外側部12aとは別部材により形成されてもよい。
【0023】
図3は、可動子5の外観を示す斜視図である。
【0024】
可動子5は、2つのコイル19と、2つのコイル19を保持する保持部材21と、保持部材21に固定された連結部材23とを有している。なお、図1及び図2では、保持部材21及び連結部材23の図示を省略した。
【0025】
コイル19は、特に図示しないが、例えば、線材が整列巻きされることにより構成されている。線材は、丸線でも平角線でもよい。なお、占積率を向上させる観点からは、線材は、平角線が好ましい。また、線材は、銅等の適宜な導電材料により形成されてよい。なお、可動子5の軽量化(高速化)を図る観点からは、線材はアルミニウムにより形成されていることが好ましい。
【0026】
コイル19は、例えば、軸方向(開口方向)に見て矩形状に形成されている。2つのコイル19は、例えば、互いに同一の構成であり、互いに同軸的に配置され、保持部材21により保持されている。なお、2つのコイル19は、互いに接続されていてもよいし、接続されていなくてもよい。
【0027】
保持部材21は、樹脂等の絶縁材料により形成されてもよいし、金属等の導電材料により形成されてもよい。絶縁材料により形成される場合には、渦電流の発生を抑制でき、導電材料(金属)により形成される場合には、強度を確保しつつ保持部材21の小型化を図ることができる。なお、保持部材21は、金属により形成された場合には、渦電流の発生を抑制するために、複数の孔部が形成されてもよい。コイル19と保持部材21とは例えば接着剤により互いに固定されている。
【0028】
連結部材23は、リニアモータ1の駆動対象に連結される部材であり、図3では模式的に直方体状に図示している。連結部材23は、例えば、ガラスエポキシ樹脂等の樹脂により形成されている。連結部材23は、ねじ、接着剤、埋設等の適宜な方法により保持部材21に固定されている。
【0029】
なお、図1及び図2に示した固定子3において、サブヨーク9及び端ヨーク11がx方向の負側にのみ設けられ、x方向の正側が開放されているのは、連結部材23が移動可能な空間を確保するためである。
【0030】
図4は、リニアモータ1をx方向に見た図であり、図5は、リニアモータをy方向に見た図である。なお、図4及び図5においても、可動子5は、一部が省略されて図示されている。
【0031】
固定子3は、メインマグネット25(図1、図2及び図5)と、サブマグネット27(図1及び図4)と、補助マグネット29(図1及び図5)と、漏洩防止マグネット31(図1、図2及び図5)とを有している。
【0032】
メインマグネット25としては、具体的には、z方向において対向する一対の第1メインマグネット25Aと、z方向において対向し、一対の第1メインマグネット25Aに対してx方向の負側に配置された一対の第2メインマグネット25Bとが設けられている。
【0033】
第1メインマグネット25A及び第2メインマグネット25Bは、例えば、互いに同一の構成である。メインマグネット25は、例えば、矩形の平板状に形成され、厚さ方向を磁化方向として形成されている。また、メインマグネット25は、z方向において磁極をコイル19の外周面に向けるようにして外ヨーク7の内側面に設けられている。また、メインマグネット25は、コイル19よりもx方向の長さが大きく形成されている。
【0034】
従って、メインマグネット25から出た磁束は、コイル19のy方向に延びる部分に対してz方向に鎖交する。従って、コイル19に電流が流されると、フレミングの左手の法則に従ってコイル19にはx方向の力が付与される。
【0035】
なお、可動子5の有効ストロークは、例えば、図5に示すように、メインマグネット25のx方向の長さL1からコイル19のx方向の長さL2を差し引いた長さ(L3+L4)により定義される。第1コイル19A及び第2コイル19Bの間隔は、第1コイル19Aの第1メインマグネット25Aに対する相対位置と、第2コイル19Bの第2メインマグネット25Bに対する相対位置が同一になるように設定されている。
【0036】
第1メインマグネット25A及び第2メインマグネット25Bは、第1コイル19A及び第2コイル19Bに対する磁極の向きが互いに逆向きとされている。従って、第1メインマグネット25A及び第2メインマグネット25B間において、内側の磁極同士を結ぶ磁気経路がセンターヨーク部13により構成され、外側の磁極同士を結ぶ磁気経路が外ヨーク7により構成される。その結果、磁束が効率的にコイル19に鎖交する。
【0037】
また、一対のコイル19は、電流の向きが互いに逆回りとなるように電流が供給される。これにより、一対のコイル19に電流が供給されることにより生じる磁束は互いに打ち消され、鉄損が抑制される。
【0038】
サブマグネット27は、例えば、矩形の平板状に形成され、厚さ方向を磁化方向として形成されている。また、サブマグネット27は、第2メインマグネット25Bが第2コイル19Bに向けている磁極と同一の磁極(本実施形態ではN極)をy方向において第2コイル19Bの外周面に向けるようにしてサブヨーク9の内側面に設けられている。また、サブマグネット27は、x方向において第2メインマグネット25Bと同等の長さを有している。
【0039】
従って、サブマグネット27から出た磁束は、第2コイル19Bのz方向に延びる部分に対してy方向に鎖交する。従って、第2コイル19Bに電流が流されると、フレミングの左手の法則に従って第2コイル19Bにはx方向の力が付与される。
【0040】
サブマグネット27の2つの磁極(N極及びS極)に対向するセンターヨーク部13及びサブヨーク9は端ヨーク11により連結されている。従って、センターヨーク部13、端ヨーク11及びサブヨーク9により、サブマグネット27のN極から出た磁束がサブマグネット27のS極へ入る磁気経路が構成される。その結果、磁束が効率的にコイル19に鎖交する。
【0041】
補助マグネット29としては、具体的には、第1メインマグネット25Aと第2メインマグネット25Bとの間に配置され、これらメインマグネット25に隣接する一対の第1補助マグネット29Aと、第2メインマグネット25Bの第1補助マグネット29Aとは反対側に隣接する一対の第2補助マグネット29Bとが設けられている。
【0042】
第1補助マグネット29A及び第2補助マグネット29Bは、例えば、互いに同一の構成である。補助マグネット29は、例えば、細長い直方体状に形成され、長手方向に直交する幅方向を磁化方向として形成されている。また、補助マグネット29は、隣接するメインマグネット25がコイル19に向けている磁極と同一の磁極をその隣接するメインマグネット25に向けるようにして外ヨーク7の内側面に設けられている。すなわち、本実施形態では、第1補助マグネット29Aは、S極を第1メインマグネット25Aに向けるとともにN極を第2メインマグネット25Bに向け、第2補助マグネット29BはN極を第2メインマグネット25Bに向けている。
【0043】
従って、第1補助マグネット29Aにより、第2メインマグネット25BのN極から出た磁束がセンターヨーク部13を通過せずに第1メインマグネット25AのS極へ流れてしまうことが抑制され、効率的に磁束をコイル19に鎖交させることができる。
【0044】
また、第2補助マグネット29Bにより、第2メインマグネット25BのN極から出た磁束がセンターヨーク部13を通過せずに第2メインマグネット25BのS極へ流れてしまうことが抑制され、効率的に磁束をコイル19に鎖交させることができる。
【0045】
漏洩防止マグネット31は、例えば、細長い平板状に形成され、厚み方向を磁化方向として形成されている。また、漏洩防止マグネット31は、漏洩防止ヨーク12の外側部12aの内側(コイル19側)且つ端面部12bと第1メインマグネット25Aとの間に設けられている。換言すれば、漏洩防止マグネット31は、第1コイル19Aとは反対側及び第1メインマグネット25Aとは反対側が漏洩防止ヨーク12により覆われている。また、漏洩防止マグネット31は、第1メインマグネット25Aがコイル19に向けている磁極と同一の磁極(本実施形態ではS極)を第1メインマグネット25Aに向けている。
【0046】
従って、第1メインマグネット25AのS極に向かう磁束がリニアモータ1の開放端側(x方向の負側)に漏れることが抑制される。また、漏洩防止マグネット31のN極から出る磁束の開放端側への漏れは、磁束が漏洩防止ヨーク12に流れることにより抑制される。
【0047】
なお、漏洩防止マグネット31は、磁束の漏洩を主たる目的とするものであることから、磁束を効率的にコイル19に鎖交させるための補助マグネット29に比較して、大きさ(ひいては磁界の強さ)が小さくてもよい。また、漏洩防止マグネット31を小さくすることにより、漏洩防止マグネット31からの磁束の漏洩を防止する漏洩防止ヨーク12を小さくすることができ、小型化が相乗的に図られる。漏洩防止マグネット31は、例えば、補助マグネット29に対してx方向の大きさが半分以下とされている。
【0048】
図6は、リニアモータ1の作用を説明する図である。
【0049】
図6において、横軸はx方向の位置を示し、縦軸はコイル19の位置における磁界の強さを示している。実線Ln1は、リニアモータ1の磁界の強さを示し、実線Ln0は、比較例の磁界の強さを示している。比較例としては、リニアモータ1から補助マグネット29、漏洩防止マグネット31及び漏洩防止ヨーク12を無くしたものを想定した。
【0050】
実線Ln0及び実線Ln1において、正方向及び負方向に高くなっている領域R1及びR2は、それぞれメインマグネット25の磁界に対応している。リニアモータ1は、比較例に比較して、領域R1及びR2における、磁界の強さが一定となるx方向の長さが長くなっている。すなわち、推力が一定に維持されるストロークが長くなっている。また、リニアモータ1は、領域R1の正方向の負側において、磁界の強さが速やかに低下しており、磁束の漏洩が抑制されている。
【0051】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【0052】
マグネット及びコイルは、いずれが可動子又は固定子であってもよい。また、双方がリニアモータが設けられる機器の筐体等に対して移動してもよい。
【0053】
第2メインマグネット(25B)及び第2コイル(19B)は設けられなくてもよい。換言すれば、メインマグネットは、可動方向において一対設けられなくてもよい。例えば、リニアモータ1は、第1メインマグネットのN極からS極へ磁束が流れるように、ヨーク等が構成されてもよい(実施形態のサブマグネット27参照)。また、サブマグネット及び補助マグネットも本発明の必須要件ではない。
【0054】
マグネットやコイルの形状は適宜に設定されてよい。例えば、コイルは円形であってもよいし、マグネットはコイルの外周面を囲む環状に形成されていてもよいし、この場合において円形に形成されていてもよい。また、メインマグネット等のマグネットは、複数のマグネットから構成されてもよいし、逆に、メインマグネット及びサブマグネットが一体的に形成されるなどしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…リニアモータ、7…外ヨーク、12…漏洩防止ヨーク、19A…第1コイル、29A…第1メインマグネット、31…漏洩防止マグネット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁化方向を可動方向に直交する方向に向けた第1メインマグネットと、
軸方向の長さが前記第1メインマグネットの前記可動方向の長さよりも小さく、前記軸方向を前記可動方向に向けるとともに外周面を前記第1メインマグネットに向けた第1コイルと、
前記第1メインマグネットの前記第1コイルとは反対側を覆う外ヨークと、
前記第1メインマグネットの前記可動方向の一端に隣接し、前記第1メインマグネットが前記第1コイルに向けている磁極と同一の磁極を前記第1メインマグネットに向けている漏洩防止マグネットと、
前記漏洩防止マグネットの前記第1コイルとは反対側及び前記第1メインマグネットとは反対側を覆う漏洩防止ヨークと、
を有するリニアモータ。
【請求項2】
前記第1メインマグネットの前記漏洩防止マグネットとは反対側に隣接し、前記第1メインマグネットが前記第1コイルに向けている磁極と同一の磁極を前記第1メインマグネットに向けている第1補助マグネットを更に有し、
前記漏洩防止マグネットは、前記可動方向の長さが前記第1補助マグネットの前記可動方向の長さよりも小さい
請求項1に記載のリニアモータ。
【請求項3】
前記第1補助マグネットの前記第1メインマグネットとは反対側に隣接し、磁極の向きが前記第1メインマグネットとは逆向きとされた第2メインマグネットと、
軸方向の長さが前記第2メインマグネットの前記可動方向の長さよりも小さく、前記第1コイルと同軸に配置されるとともに外周面を前記第2メインマグネットに向けた第2コイルと、
前記第2メインマグネットの前記第1補助マグネットとは反対側に隣接し、前記第2メインマグネットが前記第2コイルに向けている磁極と同一の磁極を前記第2メインマグネットに向けている第2補助マグネットと、
を更に有し、
前記外ヨークは、前記第1補助マグネット、前記第2メインマグネット及び前記第2補助マグネットの前記第1コイル及び前記第2コイルとは反対側も覆い、
前記第2補助マグネットの前記第2メインマグネットとは反対側を覆うとともに、前記可動方向に見て前記第2コイルと重なる位置まで延びる端ヨークが設けられている
請求項2に記載のリニアモータ。
【請求項4】
前記可動方向及び前記第2メインマグネットの磁化方向に直交する方向において前記第2メインマグネットが前記第2コイルに向けている磁極と同一の磁極を前記第2コイルの外周面に向けたサブマグネットと、
前記サブマグネットの前記第2コイルとは反対側を覆うとともに、前記端ヨークに連続するサブヨークと、
前記第2コイルに挿通されるとともに前記端ヨークに連続するセンターヨークと、
を更に有する請求項3に記載のリニアモータ。
【請求項5】
前記可動方向及び前記第1メインマグネットの磁化方向に直交する方向において前記第1コイルの外周面に対向するマグネット及びヨークは設けられていない
請求項4に記載のリニアモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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