説明

リバーシブルテントレインフライ

テント(20)用のレインフライ(24)。レインフライ(24)は、第1面(26)および第2面(28)を有する布を含み、第1面(26)は、レインフライが配置されるテントの内部が、かかるレインフライを有していないテントより涼しく保たれるように、太陽の放射熱エネルギーを反射するように構成され、第2面(28)は、太陽の放射熱エネルギーを吸収または保持し、冬期にテント内部を、かかるレインフライを用いないテントより暖かく保つように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の参照]
本出願は、参照により本明細書に援用される、2006年1月25日に出願された、米国仮特許出願第60/762,152号明細書に対する優先権を主張する。
【0002】
[発明の技術分野]
本発明は、概してテントに係わり、特にテント構造に関する。
【背景技術】
【0003】
[発明の背景]
テントは、軽量の、多くの場合防水性の布から作製される移動式のシェルタである。通常、テントは、張着されフレームによって支持される、帆布または他の材料からなる折畳み式シェルタである。テントは、屋外でキャンプするために、または一時的な建造物として、使用される。テントには、ドームテントおよびキャビンテントを含むさまざまな形状のものがある。
【0004】
最新のテントは、通常、テントを支持するポール構造を含む。テントは、通常、ポール構造から下方におよび/または内側に空間が設けられる。例えば、テントをポール構造に以下のように取り付ける場合がある。すなわち、ポール構造のポールをテントのスリーブに通し、テントがポール構造によって完全に支持されるように、ポールの端部をテントの角に固定する。このため、テントは、スリーブを介してポールから下方に垂れ下がる。あるいは、異なる構造で、例えばフックにより、テントがポールに取り付けられ、ポールから垂れ下がるように、ポール構造を組み立てる場合もある。レインフライが、通常、ポール構造の上部に横断して支持され、杭によって地面にさらに取り付けられる場合があり、または別の方法でテントに取り付けられる場合もある。
【発明の開示】
【0005】
[発明の概要]
以下に、本発明が基本的に理解されるために、本発明のいくつかの実施形態の簡略化した概要を示す。この概要は、本発明の詳細にわたる概説ではない。この概要は、本発明の重要な/不可欠な要素を特定することも、本発明の範囲を詳細に描写することも意図していない。その目的は、単に、本発明のいくつかの実施形態を、後に示すより詳細な説明に対する序文として簡略化した形式で示すことである。
【0006】
一実施形態によれば、テント内部の人々に対する紫外線からの保護を含む、テント用のレインフライを提供する。一実施形態では、テントフライは、テント内の人々に対し50以上の紫外線保護指数(UPF)を有する。
【0007】
一実施形態では、このレインフライは、布を紫外線色および/または強度劣化から保護する機能も有する。このため、レインフライおよびレインフライ下のテント布は、紫外線光に晒された場合に過度に退色せず、染色堅牢性を示す。
【0008】
別の実施形態によれば、レインフライを、太陽の放射熱エネルギーを反射し、したがって、夏期にレインフライ下のテントを涼しく保つように設計される布から作製してもよい。別の実施形態によれば、レインフライは、レインフライが太陽の熱エネルギーを吸収または保持し、冬期にテントの内部を暖かく保つことができるようにする材料を含んでもよい。一実施形態では、レインフライはリバーシブルであり、これらの機能の両方を提供する。
【0009】
本発明の他の特徴は、以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[詳細な説明]
以下の説明では、本発明のさまざまな実施形態について説明する。説明の目的で、実施形態が完全に理解されるために、特定の構成および詳細を示す。しかしながら、当業者には、本発明が具体的な詳細なしに実施されてもよいことも明らかとなろう。さらに、記載している実施形態を曖昧にしないために、周知の特徴については省略するかまたは簡略化する場合がある。
【0011】
本発明は、テント用のレインフライに関する。レインフライは既知であり、例えば、2005年3月31日に公開された米国特許出願公開第2005/0056591−A1号明細書に開示されている。
【0012】
図1に一例を示すが、そこでは、テント20はポール構造22を含む。レインフライ24がポール構造の上に配置され、当該技術分野において既知の方法でテントから隔置されている。図1に示す実施形態では、レインフライは、第1面26(図1において上面として示す)と第2面28(図1において下面として示す)とを含む。
【0013】
一実施形態では、レインフライ24は、テントの中にいる人を太陽の紫外線から保護するための紫外線保護指数(UPF)を有するように設計される。一実施形態では、保護は、50UPF以上である。レインフライは、例えば、遮断薬または抑制剤等の紫外線保護添加剤を含むコーティングを含んでもよい。一例として、コーティングは、シルテックス(SILTEX)コーティングであってもよく、それは、アルミニウムペーストを用いたウレタンコーティングであり、紫外線抑制添加剤を含んでもよい。レインフライに、他の紫外線保護添加剤を添加してもよい。レインフライに使用される布は、撥水性/耐水性、ならびに湿潤/乾燥クロッキングに対する染色堅牢度(乾燥4.0級および湿潤3.0級)および静的濡れに対する染色堅牢度(3.5級)を示し、キャンプ用テント材料に対してCPAI−84燃焼性要件を満たすことが好ましい。
【0014】
別の実施形態によれば、レインフライ24は、レインフライの布を紫外線色/強度劣化から保護するコーティングまたは材料を提供し、それにより、布は、UV光に晒された場合に過度に退色せず、例えば40時間のフェード・オメータ(Fade-Ometer)露光の後に4.0級の染色堅牢度を示す。レインフライ24はまた、少なくとも50lb/inの引張り強さを示すことが好ましい。
【0015】
別の実施形態によれば、レインフライ24は、テント20の内部がかかるレインフライを有していないテントより涼しく保たれるように、太陽の放射熱エネルギーを反射する能力を提供する。
【0016】
別の実施形態によれば、レインフライは、太陽の放射熱エネルギーを吸収または保持し、冬期に、テント20の内部をかかるレインフライを用いないテントより暖かく保つ能力を提供する。
【0017】
例示的な実施形態によれば、レインフライ24等の単一レインフライが、上述した反射特性および吸収特性の両方を提供する。これらの特徴を、例えばレインフライの両面に提供してもよい。かかるレインフライはリバーシブルであってもよく、上方に向く面は、テントが使用される天候に基づいて確定される。
【0018】
一例として、レインフライ24は、第1面26に明色布を含み、第2面28に暗色布を含む、積層布を含んでもよい。明色布は、暖かい季節の間、テント20からの太陽の放射熱エネルギーを反射するように、上方に露出される。この配置を図1に示し、この図では、第1面26が上方に向いている。涼しい季節では、太陽の放射熱エネルギーが吸収されテント20が暖かくなり得るように、暗色布が上方に向いている。この第2配置を図2に示し、この図では、レインフライ24が裏返しにされており、暗色布がレインフライ24の上部にある。
【0019】
必要に応じて、薄層レインフライが利用される場合に、布の第1層と第2層との間に白色顔料が添加されたウレタンコーティングを配置してもよい。白色顔料は、例えば二酸化チタンであってもよい。このコーティングにより、レインフライの反射特性および/または吸収特性が向上する。
【0020】
別の例として、レインフライ24を、布の一方の面に暗い顔料でウレタンまたは他のコーティングがなされ、布の他方の面に、紫外線添加剤によるシルテックスコーティング等の反射コーティングがなされる、単体の布から作製してもよい。
【0021】
さらに別の実施形態では、一方の面がシルテックスコーティングおよび紫外線添加剤で処理される暗いレインフライを提供してもよい。シルテックスコーティングおよび紫外線添加剤は、レインフライのその面が上方に露出される場合に太陽の放射熱エネルギーを反射するのを助ける。
【0022】
レインフライをリバーシブルで使用するのを容易にするために、レインフライをいずれの構成でも連結できるようにレインフライのための取付具を提供してもよい。例えば、レインフライの縁に沿って配置される、グロメット、結び糸、フックまたはレインフライにある他の特徴を、レインフライがいずれの構成にあるときにも取り付けることができるように配置してもよい。さらに、レインフライの縫目(場合による)は、いずれの構成においても撥水性が提供されるように封止されることが好ましい。
【0023】
他の変形も本発明の趣旨内にある。このため、本発明にはさまざまな変形および代替構成が可能であるが、図面にはそのいくつかの例示的な実施形態を示し、それらについては詳細に上述した。しかしながら、本発明を、開示した特定の1つまたは複数の形態に限定する意図はなく、逆に、添付の特許請求の範囲において定義されるように、本発明の趣旨および範囲内にあるすべての変形、代替構成および等価物を包含する意図があるということが理解されるべきである。
【0024】
本明細書で引用した刊行物、特許出願および特許を含む全ての参考文献は、各文献が個々にかつ明確に参照により援用されるように示され、かつ本明細書に全体として説明されている場合と同程度に、参照により本明細書に援用される。
【0025】
本発明を説明する文脈において(特に特許請求の範囲の文脈において)、単数形(「1つの」)、「前記」および同様の指示語を使用する場合、それは、本明細書において特に示されず、かつ明らかに文脈と矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含するものと解釈される。「備える」、「有する」、「含む」および「含有する」という用語は、特に言及のない限り、オープンエンドの(open-ended)用語として解釈される(すなわち、「含むが、限定されない」を意味する)。「連結される」という用語は、何かが介在している場合であっても、部分的または全体的に内包され、取り付けられ、または互いに接合されているものと解釈される。本明細書において値の範囲が列挙されている場合、それは、本明細書において特に示されない限り、単にその範囲中に入る別個の値の各々を個々に参照する簡略方法としての役割を果たすように意図されたものであり、別個の値の各々は、本明細書において個々に列挙されているかのように、本明細書内に組み込まれる。本明細書で説明したすべての方法を、本明細書において特に示されず、または明らかに文脈と矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行してもよい。本明細書で提供する、任意のかつすべての例、または例示する語(例えば「等」)の使用は、特に請求のない限り、単に本発明の実施形態をより明らかにするように意図されるものであり、本発明の範囲に限定を与えるものではない。本明細書におけるいかなる語も、権利請求されていないいかなる要素も本発明を実施するために必須であるものとして示すように解釈されるべきではない。
【0026】
本明細書では、本発明を実行するために本発明者らが知る最良の形態を含む本発明の好ましい実施形態について説明した。当業者には、上述した説明を読むことにより、それら好ましい実施形態の変形が明らかとなり得る。本発明者らは、当業者がかかる変形を必要に応じて採用することを期待し、本発明が、本明細書において特に記載されているもの以外の方法で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用される法律により許可されるように、添付の特許請求の範囲に列挙された主題の全ての変形および均等物を包含する。さらに、本明細書において特に示されず、かつ明らかに文脈と矛盾しない限り、上述した要素のそのすべてのあり得る変形におけるいかなる組合せも、本発明によって包含される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】一実施形態を組み込んだレインフライを有するテントの側面斜視図である。
【図2】レインフライが裏返しにされている図1のテントの上面斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面および第2面を有する布を備えたレインフライであって、前記第1面が、前記レインフライが配置されるテントの内部が、日向において、かかるレインフライを有していないテントより涼しく保たれるように、太陽の放射熱エネルギーを反射するように構成され、前記第2面が、太陽の放射熱エネルギーを吸収または保持し、日向において、テント内部をかかるレインフライを用いないテントより暖かく保つように構成されるレインフライ。
【請求項2】
第1布が第2布に沿って延在しかつ前記第2布に取り付けられる、積層布をさらに備え、
前記第1布が前記第1面を含み、前記第2布が前記第2面を含む、請求項1に記載のレインフライ。
【請求項3】
前記積層布が、前記布の第1層と第2層との間に配置される白色顔料によるコーティングを含む、請求項2に記載のレインフライ。
【請求項4】
前記コーティングがウレタンコーティングを含む、請求項3に記載のレインフライ。
【請求項5】
前記白色顔料が二酸化チタンを含む、請求項4に記載のレインフライ。
【請求項6】
前記白色顔料が二酸化チタンを含む、請求項3に記載のレインフライ。
【請求項7】
前記第1布が明色布を含み、前記第2布が暗色布を含む、請求項2に記載のレインフライ。
【請求項8】
前記布が単一体の布を含む、請求項1に記載のレインフライ。
【請求項9】
前記単一体の布が、前記布の前記第2面に暗い顔料を用いるコーティングを含み、前記布の前記第1面に反射コーティングを含む、請求項8に記載のレインフライ。
【請求項10】
前記単一体の布が、前記第1面にコーティングによりコーティングされた暗色布を含む、請求項8に記載のレインフライ。
【請求項11】
前記第1面の前記コーティングが紫外線遮断添加剤を含む、請求項10に記載のレインフライ。
【請求項12】
前記第1面の前記コーティングが、アルミニウムペーストを用いるウレタンコーティングを含む、請求項10に記載のレインフライ。
【請求項13】
紫外線保護添加剤を用いるコーティングを含むレインフライ。
【請求項14】
前記コーティングが、50UPF以上の紫外線保護指数(UPF)を含む、請求項13に記載のレインフライ。
【請求項15】
前記コーティングが、アルミニウムペーストを用いるウレタンコーティングを含む、請求項13に記載のレインフライ。
【請求項16】
前記第1面または前記第2面のいずれかがテントに面した状態で前記レインフライをテントに取り付けることを可能にする、取付構造をさらに含む、請求項1に記載のレインフライ。
【請求項17】
請求項1に記載のレインフライを備えるテント。
【請求項18】
第1面を備えたレインフライであって、前記第1面が、前記レインフライが配置されるテントの内部が、かかるレインフライを有していないテントより涼しく保たれるように、太陽の放射熱エネルギーを反射するように構成されるレインフライ。
【請求項19】
前記第1面が、布の第1層と第2層との間に配置される白色顔料を用いるコーティングを含む、請求項18に記載のレインフライ。
【請求項20】
前記コーティングがウレタンコーティングを含む、請求項19に記載のレインフライ。
【請求項21】
前記白色顔料が二酸化チタンを含む、請求項20に記載のレインフライ。
【請求項22】
前記白色顔料が二酸化チタンを含む、請求項19に記載のレインフライ。
【請求項23】
前記第1面が明色布を含む、請求項18に記載のレインフライ。
【請求項24】
請求項18に記載のレインフライを備えるテント。
【請求項25】
第1面を備えたレインフライであって、前記第1面が、太陽の放射熱エネルギーを吸収または保持し、日向で、前記レインフライの下のテントを、かかるレインフライを用いないテントより暖かく保つように構成されるレインフライ。
【請求項26】
前記第1面が暗色布を含む、請求項25に記載のレインフライ。
【請求項27】
前記第1面が、暗い顔料を用いるコーティングを含む、請求項25に記載のレインフライ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−524753(P2009−524753A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552534(P2008−552534)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/060826
【国際公開番号】WO2007/095409
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(593107454)ザ・コールマン・カンパニー・インコーポレイテッド (44)
【氏名又は名称原語表記】THE COLEMAN COMPANY, INC.
【Fターム(参考)】