説明

リフト装置の緊急停止機構

【課題】 電動モータを駆動源としてリフトアームを上下に伸縮させてテーブルを昇降させるリフト装置において、電動モータの内蔵ブレーキが誤作動等により不用意に解放された場合等に、テーブルが落下して下降端位置で衝突することを防止するための緊急停止機構を提供する。
【解決手段】 リフト装置の駆動装置20を構成するねじ軸21の回転数が許容回転数よりも大きくなった時点で、ばね付勢された鋼球48の押し付け力によりねじ軸21に回転抵抗を与えてテーブルを徐々に減速させつつ停止される構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願に係る発明は、例えばテーブルリフト装置であって、電動モータや油圧モータを駆動源としてテーブル等の昇降体を上下に平行に昇降させるリフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、この種のリフト装置は、例えば特開2002-302388号公報に開示されているように、基台とこの基台に対して平行に昇降動するテーブル(昇降体)と、テーブルと基台との間に介装したリフトアームと、このリフトアームを上下に伸縮させる駆動装置を備えている。リフトアームは、2本のアームを相互に回転自在に連結したX字形をなすもので、通常左右対をなして基台とテーブルとの間に配置される。このリフトアームが上方へ伸長するとテーブルが平行に上昇し、下方へ縮小するとテーブルが平行に下降する。
駆動装置には、電磁ブレーキを内蔵した電動モータを駆動源としてねじ軸を回転させ、このねじ軸に噛み合わされたナットをねじ軸に沿って移動可能に設けたいわゆる電動シリンダが用いられている。この駆動装置は、リフトアームの2アーム間に介装されている。電動モータが上昇側に起動すると、ナットがねじ軸の先端側に移動してリフトアームが上方へ伸長し、これによりテーブルが上昇する。逆に電動モータが下降側に起動するとねじ軸が逆転してナットが基端側に移動し、これによりリフトアームが下方へ縮小してテーブルが平行に下降する。
このような電動駆動式のテーブルリフト装置において、テーブルの停止位置は、内蔵ブレーキの作動により電動モータの回転がロックされることによりロックされる。このため、電動モータではなく例えば油圧シリンダ等を駆動源とする場合における油洩れ等によりテーブルが時間の経過とともに徐々に下降してしまう問題を生ずることなく、電動駆動式のテーブルリフト装置によればテーブルの停止位置を確実にロックしておくことができる。
【特許文献1】特開2002-302388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この電動駆動式のテーブルリフト装置の場合には、例えば電動モータおよび内蔵ブレーキの作動を制御する制御回路において誤作動が発生し、その結果内蔵ブレーキが不用意に解放された場合にはテーブルが落下して当該リフト装置が損傷を受けるおそれがある。
本発明は、この問題点に鑑みてなされたものであり、駆動モータが内蔵するブレーキの作動状態に関わらず、テーブルの不用意な下降(落下)による損傷を確実に防止できるリフト装置の緊急停止機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このため、本発明は、特許請求の範囲の各請求項に記載した構成の緊急停止機構とした。
請求項1記載の緊急停止機構によれば、昇降体の下降速度に直接対応したねじ軸の回転数を検知して昇降体の下降動作を停止させる構成であるので、電動モータの内蔵ブレーキが誤作動により解放された場合、あるいは駆動系のチェーンが切断された場合等における昇降体の落下による下降端位置での衝突を未然に防止することができる。
しかも、昇降体の落下によりねじ軸の回転数が許容回転数よりも大きくなった時点で、ねじ軸に回転抵抗を与えて徐々に昇降体の落下速度を減速した後停止させる構成であるので、瞬時に停止させた場合のような大きな衝撃を発生することなく、スムーズに停止させることができ、これにより昇降体の支持機構等の損傷を回避することができる。
昇降体が通常の下降動作ではなく落下する場合の原因として以下の要因が考えられる。
(1)何らかの原因により駆動モータに内蔵されたブレーキ装置が解放されてしまった場合。
(2)チェーンの切断あるいはギヤ列の損傷等による駆動力伝達経路の損傷により駆動モータ側の動力あるいは制動力が遮断されてしまった場合。
(3)駆動モータとして3相電源モータを用いる場合に1相が欠相して出力トルクが低下した場合。
(4)当該リフト装置のメンテナンス等のために駆動モータを取り外した場合。
上記(1)〜(3)の要因は、電源オン時に発生し、(4)の要因は電源オフ時に発生する。この明細書では、これらの要因(1)〜(4)により昇降体が駆動モータの出力あるいはその内蔵ブレーキとは関係なくその自重あるいは積載物の荷重による重力によって降下する場合を特に「落下する」と言い、駆動モータの出力による制御下で降下する通常の下降動作と区別する。
【0005】
請求項2記載の緊急停止機構によれば、ねじ軸側に設けた係合凹部に、ばね付勢された鋼球が係脱することによりねじ軸に回転抵抗が与えられ、ねじ軸のトルクがばね付勢よりも小さくなった時点でねじ軸の回転が停止し、従って昇降体が停止する。従って、上記と同様の作用効果を奏する。
請求項3記載の緊急停止機構によれば、昇降体が落下してねじ軸の回転数が許容回転数よりも大きくなると電磁アクチュエータへの通電が遮断され、これによりロックレバーがロック側に移動して回転規制板の回転が禁止される。こうして回転規制板の回転が禁止されることにより上記と同様の作用効果を奏する。
請求項4記載の緊急停止機構によれば、昇降体の落下によりねじ軸の回転数が許容回転数よりも大きくなると、ねじ軸の回転がロックされることにより昇降体が瞬時に停止され、これにより昇降体の下降端位置への衝突が未然に回避される。このため、駆動源内蔵のブレーキが不用意に解放され、あるいは駆動系のチェーンが切断されてしまった場合等であっても昇降体の下降端位置への衝突を回避してその損傷を未然に防止することができる。
積載荷重等が小さく、昇降体を瞬時に停止させても駆動モータ、減速機等の慣性が小さい比較的小型のリフト装置に場合は、上記のように減速させることなく瞬時に停止させる構成としてもよい。瞬時に停止させても駆動モータ等の慣性が小さいために、昇降体支持機構(主としてリフトアーム)等に損傷を受けないからである。減速するための機構を省略することにより簡易な緊急停止機構を備えたリフト装置を安価に提供することができる。
請求項5記載の緊急停止機構によれば、昇降体が落下してねじ軸の回転数が許容回転数よりも大きくなると電磁アクチュエータへの通電が遮断され、これによりロックレバーがロック側に移動してねじ軸側の係合凸部に係合してねじ軸の回転が禁止される。こうしてねじ軸の回転が禁止されることにより上記と同様の作用効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明の実施形態を図1〜図8に基づいて具体的に説明する。図1および図2は、第1実施形態の緊急停止機構R1を備えたリフト装置1を示している。このリフト装置1は、昇降体の一形態としてテーブル3を備えた電動式のテーブルリフト装置であって、基台2とテーブル3と左右一対のリフトアーム4,4と駆動装置20を備えている。駆動装置20により左右のリフトアーム4,4が上下に伸縮作動することによりテーブル3が基台2に対して平行に昇降する。この点は、従来構成のものと同様である。
左右のリフトアーム4,4は、それぞれアウタアーム5とインナアーム6を支軸7を介して相互に回転自在かつX字形に連結した構成を備えている。左右のアウタアーム5,5の基台側端部(図2において左端部)は、それぞれ支軸5aを介して基台2に上下に回動自在に連結されている。また、両アウタアーム5,5のテーブル側端部(図2において右端部)にはそれぞれガイドローラ5bが回転自在に支持されている。両ガイドローラ5b,5bは、それぞれテーブル3の下面に設けたガイドレール3aに転動自在に連結されている。この左右のアウタアーム5,5の基台側端部付近およびテーブル側端部付近は、それぞれ連結ロッド8,9を介して相互に固定されている。従って、両アウタアーム5,5は、左右一体で上下に回動する。
図1に示すように左右のインナアーム6,6のテーブル側端部は、それぞれ支軸6aを介してテーブル3の下面に上下に回動自在に連結されている。また、左右のインナアーム6,6の基台側端部にはそれぞれガイドローラ6bが回転自在に支持されている。この両ガイドローラ6b,6bは、それぞれ基台2の上面に設けたガイドレール2aに転動自在に連結されている。
【0007】
アウタアーム5とインナアーム6が支軸7を中心にして相互に反対方向に回動することによりリフトアーム4が上下に伸縮する。左右のアウタアーム5,5が一体で上下に回動することから、両リフトアーム4,4は一体で伸縮する。両リフトアーム4,4が上方へ伸長するとテーブル3が上方へ平行移動し、両リフトアーム4,4が下方へ縮小するとテーブル3が下方へ平行に降下する。
両インナアーム6,6には、それぞれ支軸11を介して補助アーム12の一端側が上下に回動自在に支持されている。両補助アーム12,12の他端側には補助ローラ13が回転自在に支持されている。両補助ローラ13,13は、それぞれアウタアーム5に設けたガイド孔5c内に転動自在に支持されている。両補助アーム12,12の先端側は連結ロッド14を介して一体に連結されている。この連結ロッド14と前記連結ロッド8との間に駆動装置20が掛け渡すようにして取り付けられている。
駆動装置20が伸長方向に作動すると、補助ローラ13,13がそれぞれガイド孔5cの先端側(支軸7から離れる方向)に転動するため、補助アーム12が倒伏方向(図1において時計回り方向)に回動し、従ってリフトアーム4が下方へ縮小する方向に作動してテーブル3が平行に下降する。
駆動装置20が縮小方向に作動すると、補助ローラ13,13がそれぞれガイド孔5cの基端側(支軸7に接近する方向)に転動するため、補助アーム12が図1において起立方向(図1において反時計回り方向)に回動し、従ってリフトアーム4が伸長する方向に作動してテーブル3が平行に上昇する。
【0008】
次に、本例の駆動装置20の詳細が図3に示されている。この駆動装置20は、駆動モータとして電動モータ30を備えている。この電動モータ30は、電磁式の内蔵ブレーキ30aを備えている。この電動モータ30の、起動停止、回転方向、回転速度および内蔵ブレーキ30aの起動停止が後述する制御装置により適切に制御される。
この電動モータ30はケース31に取り付けられている。このケース31は、前記連結ロッド8の中央に固定したブラケット部8aに対して支軸32を介して上下に傾動可能に連結されている。このケース31には、上記電動モータ30の他、ねじ軸21の端部が軸受け35を介して回転自在に支持されている。
電動モータ30の出力軸には駆動側スプロケット36が取り付けられ、ねじ軸21の先端には従動側スプロケット37が取り付けられている。両スプロケット36,37間にはチェーン38が掛け渡されている。このため、電動モータ30が起動すると、駆動側スプロケット36、チェーン38および従動側スプロケット37を経てねじ軸21がその軸回りに回転する。
【0009】
このねじ軸21の先端側外周に、第1実施形態の緊急停止機構R1が組み込まれている。この緊急停止機構R1は、スリーブ40を備えている。このスリーブ40はねじ軸21の先端部に取り付けられている。このスリーブ40とねじ軸21の先端側との間には固定ピン41が径方向に打ち込まれている。このため、スリーブ40はねじ軸21と一体で回転する。このスリーブ40の後端部(図3において右端部)が軸受け34を介してケース31に対して回転自在に支持されている。このスリーブ40の軸方向中央寄りには、外周側に張り出すフランジ部40aが一体に設けられている。一方、このスリーブ40の先端外周には雄ねじ部が形成されており、この雄ねじ部には固定ナット42が締め込まれている。この固定ナット42と上記フランジ部40aとの間に、検知板43と、皿ばね44と、保持板45と回転規制板46がそれぞれ軸方向に挟み込まれて取り付けられている。
検知板43はスリーブ40ひいてはねじ軸21と一体回転する。この検知板43の周縁には多数のスリットが形成されており、このスリットの数を光電式の回転センサ47により読みとることで検知板43の回転数(従ってねじ軸21の回転数)が検知される。
回転規制板46は、スリーブ40に対して相対的に回転可能に支持されている。この回転規制板46には、周方向四等分位置に保持孔46a〜46aが板厚方向に貫通して形成されている。各保持孔46aにはそれぞれ2個の鋼球48,48が挿入されている。各鋼球48〜48は、回転規制板46の両側面から僅かにはみ出している。保持板45側にはみ出した4個の鋼球48〜48に対して保持板45が皿ばね44の付勢力で押し付けられ、これによりフランジ部40a側にはみ出した4個の鋼球48〜48がフランジ部40aに押し付けられている。このフランジ部40aには、回転規制板46の各保持孔46aに対応して、周方向四等分位置に断面V字形の係合孔40b〜40bが形成されている。回転規制板46側の4個の鋼球48〜48は、皿ばね44の押し付け力(付勢力)により対応する係合孔40b内に嵌り込んだ状態に保持されている。皿ばね44によって鋼球48〜48が各係合孔40bに嵌り込んだ状態に保持されることにより、回転規制板46はスリーブ40ひいてはねじ軸21と一体で回転する。各鋼球48の係合孔40bへの押し付け力は、固定ナット42の締め込み量を調整して皿ばね44の付勢力を変化させることにより調整することができる。
【0010】
これに対して、後述するロックレバー50が回転規制板46に係合されてその回転が禁止された状態になると、各鋼球48〜48を皿ばね44の押し付け力に抗して各係合孔40bから離脱させる動作を繰り返しつつスリーブ40ひいてはねじ軸21が相対的に回転する。各鋼球48〜48を皿ばね44に抗して係合孔44b〜44bから離脱させる動作を繰り返すため、スリーブ40ひいてはねじ軸21に対して大きな回転抵抗が付加される。
図2に示すようにねじ軸21には、ナット23が噛み合わされている。このナット23には連結スリーブ22が固定されている。連結スリーブ22の先端にはブラケット部22aが設けられている。このブラケット部22aを介して連結スリーブ22およびナット23ひいてはねじ軸21の先端側が連結ロッド14に対して上下に傾動可能に連結され、これにより当該駆動装置20の基端側がブラケット部8aを介して連結ロッド8に、先端側が連結ロッド14にそれぞれ上下に傾動可能に支持されている。このため、ねじ軸21がその軸回りに回転してナット23がねじ軸21に沿って移動することにより連結ロッド8に対する連結ロッド14の軸間距離が増減し、これによりガイドローラ14がガイド孔5c内で移動して補助アーム12が支軸11を中心にして上下に傾動し、その結果リフトアーム4が上下に伸縮する。
【0011】
次に、図3および図4に示すように上記したロックレバー50は、支軸51を介してケース31に傾動可能に支持されている。図4に示すようにロックレバー50の先端側は鉤形状に屈曲している。この鉤形状の先端屈曲部50aは、回転規制板46の周面四等分位置から側方へ張り出して設けた係合凸部46b〜46bに引き掛けられる。ロックレバー50の先端屈曲部50aがいずれかの係合凸部46bに引き掛けられると、上記したように回転規制板46の回転が禁止される。回転規制板46の回転が禁止されると、スリーブ40に伝えられる電動モータ30の出力トルクによって鋼球48〜48が皿ばね44による大きな押し付け力に抗してフランジ部40aの各係合孔40bに対して係脱することから、フランジ部40aひいてはねじ軸21に大きな回転抵抗が与えられる。
ロックレバー50の基端側(支軸51に対して先端屈曲部50aとは反対側の端部)には、電磁アクチュエータ52の出力軸52aと引っ張りばね53が連結されている。ロックレバー50の基端側は、支軸54を介して上下に傾動可能な状態で電磁アクチュエータ52の出力軸52aに連結されている。
引っ張りばね53の付勢力は、ロックレバー50の基端側を図4において上方へ引っ張る方向(電磁アクチュエータ52の出力軸52aが突き出す方向)に作用している。
電磁アクチュエータ52に通電されない状態では、ロックレバー50の基端側が引っ張りばね53により上方へ引っ張られ、これによりロックレバー50が図4において二点鎖線で示したロック位置に保持される。ロックレバー50がロック位置に保持された状態では、その先端屈曲部50aが回転規制板46の係合凸部46bに係合して回転規制板46の回転が禁止された状態となる。
【0012】
電磁アクチュエータ52に通電されると、その出力軸52aが引き込み方向にストロークし、これによりロックレバー50の基端側が引っ張りばね53に抗して下方へ引っ張られ、従ってロックレバー50が図4において実線で示したアンロック位置に保持される。ロックレバー50がアンロック位置に保持された状態では、その先端屈曲部50aが係合凸部46bから離脱して、係合凸部46bに干渉しない範囲まで退避した状態に保持されることにより、回転規制板46の回転が許容された状態となる。
当該テーブルリフト装置1の通常使用時(常時)には、電磁アクチュエータ52に通電され、これによりロックレバー50が引っ張りばね53に抗してアンロック位置に移動し、従って回転規制板46の回転が許容された状態となるよう制御されている。後述するように、不用意なテーブル3の下降(落下)や停電時等の非常時には、電磁アクチュエータへの通電が遮断されてロックレバー50が引っ張りばね53によってロック位置に保持され、これにより回転規制板46の回転が禁止されてテーブル3の下降動作がロックされた状態となるように制御される。
ここで、回転規制板46の係合凸部46bに対するロックレバー50の係合は、テーブル3の下降動作時にのみなされ、上昇動作時にはされないよう、ロックレバー50の先端屈曲部50aの形状および回転規制板46の係合凸部46bの形状が設定されている。すなわち、回転規制板46は、テーブル3が下降する段階では、図4中矢印U方向に回転し、テーブル3が上昇する段階では同図中矢印D方向に回転する。また、図4に示すように回転規制板46の各係合凸部46bの両端部は、当該回転規制板46がテーブル下降時において回転方向先端側となる一方の端部がロックレバー50の先端屈曲部50aを引き掛け可能な向きに傾斜した状態に形成され、この一方の端部とは反対側となる他方の端部であってテーブル上昇時において回転方向先端側となる端部は、ロックレバー50の先端屈曲部50aをアンロック方向に逃がす向きに傾斜した状態に形成されている。このことから、ロックレバー50はテーブル下降時にのみ回転規制板46の回転を禁止してテーブル3をロックする。テーブル上昇時(回転規制板46が矢印U方向に回転するとき)には、ロックレバー50は係合凸部46bに引き掛けられないので、回転規制板46の回転は禁止されず、従ってテーブル3の上昇動作はそのまま許容される。
【0013】
次に、図示は省略されているが、上記検知板43にはその周方向等間隔で複数のスリットが形成されている。一定時間に検出されるスリットの数(パルス数)を前記回転センサ47で読み取ることにより、検知板43ひいてはねじ軸21の回転数が検出される。ねじ軸21の回転数は、テーブル3の昇降速度に対応している。すなわち、テーブル3の昇降速度が高いほど、検知板43の回転数が高くなる。テーブル下降時における検知板43の回転数を検知して、この回転数が予め設定した許容回転数以上になると、上記電磁アクチュエータ52の通電が遮断されてロックレバー50が引っ張りばね53によってロック側に移動し、その結果ロックレバー50の先端屈曲部50aが係合凸部46bに係合される。ロックレバー50の先端屈曲部50aが係合凸部46bに係合されると、回転規制板46の回転が禁止されてねじ軸21に大きな回転抵抗が与えられ、その結果テーブル3の下降速度が減速されて、最終的にテーブル3が停止される。
一方、通常の使用状態におけるテーブル3の下降動作(通常の下降速度)は、電動モータ30が下降側に起動してねじ軸21が上記許容回転数以下の設定速度で回転することによりゆっくりと行われる。このため、電磁アクチュエータ52への通電状態が継続されてロックアーム50がアンロック位置に保持され、従って回転規制板46はねじ軸21と一体で回転するためねじ軸21に上記回転抵抗は与えられない。
ロックアーム50と電磁アクチュエータ52の出力軸52aとの連結部にはドグ55が取り付けられている。このドグ55は電磁アクチュエータ52の出力軸52aと一体で移動する。このドグ55の位置は光電式のロックセンサ56により検知される。電磁アクチュエータ52への通電が遮断されて出力軸52aが引っ張りばね53によって突き出し側にストロークするとこれと一体でドグ55が移動し、これがロックセンサ56によって検知される。すなわち、ロックレバー50がロック位置に移動して、回転規制板46の回転が禁止された状態になると、これがロックセンサ56によって検知される。
【0014】
以上のように構成した本実施形態の緊急停止機構R1によれば、テーブル3の不用意な下降動作が確実に防止される。例えば、テーブル3が上昇端位置において停止された状態において、電動モータ30の内蔵ブレーキ30aが誤作動により通電され、あるいはブレーキディスクが破損、摩耗等することによって解放されてしまい、あるいはチェーン38の切断等の原因により内蔵ブレーキ30aの制動力がねじ軸21に作用しなくなってしまうことによって、テーブル3が上記通常の下降速度よりも大きな速度で自由落下し始めた場合には、テーブル3の自由落下速度に対応して検知板43の回転数が許容速度以上になる。
回転センサ47によって検知される検知板43の回転数が許容速度以上になった時点で、電磁アクチュエータ52の通電が遮断されてロックレバー50が引っ張りばね53によってロック方向に回動し、その結果ロックレバー50の先端屈曲部50aが回転規制板46の係合凸部46bに係合されて回転規制板46の回転が禁止(ロック)される。
回転規制板46の回転が禁止されると、皿ばね44の付勢力に抗して鋼球48〜48が係合凹部40b〜40bに対して繰り返し係脱されることにより、スリーブ40ひいてはねじ軸21の回転数が減速され、従ってテーブル3は徐々に減速しつつ下降して、最終的に下降端に至る手前で停止する。
【0015】
このように、テーブル3が上昇端位置で停止されている状態において、電動モータ30の内蔵ブレーキ30aが誤作動等により解放されてしまった結果、テーブル3が通常の下降速度よりも大きな速度で自由落下し始めると、ロックアーム50によって回転規制板46の回転が禁止され、これによりテーブル3が瞬時に停止するのではなく、減速しながら徐々に停止する。このため、下降するテーブル3を瞬時に停止させた場合に発生する電動モータ30、減速機、チェーン38およびスプロケット36,37等の駆動系の損傷を未然に防止しつつ、テーブル3の下降端位置までの落下(衝突)を防止することができる。
また、自由落下し始めたテーブル3を減速させつつ徐々に停止させる構成であるので、瞬時に停止させる場合に比してロックレバー50および回転規制板46の係合凸部46b等の制動系の小型化、低コスト化を図ることができる。
さらに、上記のようにテーブル3の上昇端位置における停止状態のみならず、テーブル3の上昇動作中または下降動作中においてもチェーン38が切断する等してテーブル3が自由落下し始め、または通常下降時よりも大きな速度で下降し始めた場合には、これが検知板43を経て回転センサ47によって検知され、これにより上記と同様にしてテーブル3が徐々に減速して下降端に至る手前で停止される。
また、例えば当該リフト装置1のメンテナンス作業のために電動モータ30(内蔵ブレーキ30a)を取り外した場合(電源オフ状態)には、電磁アクチュエータ52の通電が遮断された状態であるので、ロックレバー50は引っ張りばね53によってロック位置に保持され、これによりテーブル3の下降動作が確実に禁止された状態となる。
【0016】
以上説明した第1実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、積載荷重の小さな比較的小型のリフト装置であって、電動モータや減速機等の慣性が小さいため落下するテーブルを瞬時に停止(緊急停止)させても動力伝達経路等に損傷を与えるおそれがない場合には、図5に示すように上記した緊急停止機構R1における回転規制板46を省略した構成(第2実施形態の緊急停止機構R2)としてもよい。この第2実施形態の緊急停止機構R2の場合、ねじ軸21の先端に固定されたスリーブ60はフランジ部60aを一体に備え、このフランジ部60aの外周四等分位置に係合凸部60b〜60bが形成されている。
このように構成した第2実施形態の緊急停止機構R2によっても自由落下するテーブル3の下降端位置における衝突を回避して、当該リフト装置の損傷を未然に防止することができる。すなわち、テーブル3の上昇端位置における停止中あるいはテーブル3の昇降動作中において誤作動等によって内蔵ブレーキ30aが解放されてしまった場合あるいはチェーン38が切断した場合等に、テーブル3が通常の下降速度よりも大きな速度で自由落下し始めると、これが検知板43の回転を検知する回転センサ47により検知され、これに基づいて電磁アクチュエータ52の通電が遮断されてロックレバー50がロック位置に移動する。ロックレバー50がロック位置に移動するとその先端屈曲部50aが上記係合凸部60bに係合され、これによりスリーブ60ひいてはねじ軸21の回転が瞬時にロックされる。ねじ軸21の回転がロックされると、ナット23の移動が禁止されてリフトアーム4,4の移動が禁止されるのでテーブル3の下降動作がロックされ、従って第1実施形態と同様テーブル3の下降端位置での衝突を回避して当該リフト装置の損傷を未然に防止することができる。
【0017】
また、上記第1および第2実施形態の緊急停止機構R1、R2は、電動モータ30の出力を駆動スプロケット36、チェーン38、従動スプロケット37からなる動力伝達経路を経てねじ軸21に伝達する構成のリフト装置1に適用した構成を例示したが、例えば図6および図7に示すように電動モータ71の出力軸71aとねじ軸72が同軸に直結された駆動装置70を備えたリフト装置101に適用することもできる。図6は、このリフト装置101を示している。このリフト装置101は、基台102とテーブル(図示省略)を備えており、両者間に左右一対のリフトアーム104,104を備えている。両リフトアーム104,104は、アウタアーム110とインナアーム111を支軸112を介してX字形に連結したもので、アウタアーム110,110の基端側(図6において左端側)はそれぞれ支軸113を介して基台102の端部に上下に傾動可能に支持されている。両アウタアーム110,110の基端側は連結アーム122を介して相互に一体化されている。両アウタアーム110,110の先端側は、テーブルの下面に沿って転動自在に連結されている。
両インナアーム111,111の基端側(図6において左端側)は、テーブルの下面に上限に傾動可能に支持されている。両インナアーム111,111の先端側は連結アーム115を介して一体化されている。連結アーム115の両端にガイドローラ115a,115aが回転自在に支持されている。両ガイドローラ115a,115aは、それぞれ基台102に設けたガイドレール102aに転動可能に係合されている。
また、両インナアーム111,111には、それぞれ支軸117を介して補助アーム118が上下に傾動可能に支持されている。両補助アーム118,118は連結アーム119を介して一体化されている。この連結アーム119の先端部間には、ブロック体120が支軸121a,121aの軸回りに回転自在に支持されている。両支軸121a,121aにはそれぞれ補助ローラ121が回転自在に支持されている。両補助ローラ121,121は、アウタアーム110に設けたガイド孔110a内に転動可能に係合されている。
【0018】
両リフトアーム104,104においてそれぞれアウタアーム110とインナアーム111を連結する支軸112,112間にはケースブロック133が当該支軸112の軸線回りに回転自在に支持されている。このケースブロック133と上記ブロック体120との間に駆動装置105が掛け渡すように支持されている。駆動装置105の詳細が図7に示されている。ケースブロック133に取り付けられた電動モータ130の出力軸130aには連結軸134の一端側が連結されている。この連結軸134は、電動モータ130の出力軸130aと一体で回転する。この連結軸134の他端側には、ねじ軸131の基端側が連結されている。連結軸134は軸受け135,135を介してケースブロック133に回転自在に支持されている。このため、電動モータ130が起動してその出力軸130aが回転すると、これと一体でねじ軸131がその軸回りに回転する。
ねじ軸131の先端側にはナット132が噛み合わされている。このナット132は、ブラケット120aを介して上記ブロック体120に連結されている。ねじ軸131の回転によりナット132が当該ねじ軸131に沿って移動すると支軸112と支軸121a間の軸間距離が増減するため補助アーム118,118が上下に傾動し、これによりリフトアーム104,104が上下に伸縮作動してテーブルが平行に昇降動する。
第3実施形態の緊急停止機構R3は、上記連結軸134上に組み付けられている。この第3実施形態の緊急停止機構R3は、前記第1実施形態の緊急停止機構R1に比して、電動モータ130の出力軸130aが、第1実施形態におけるスプロケット36、チェーン38およびスプロケット37を経ることなくねじ軸131に直結されている点で異なっており、その他の点は同様に構成されている。以下、簡単に説明する。連結軸134の軸方向ほぼ中程には、フランジ部134aが形成されている。また、この連結軸134の図7において左端部にはねじ軸部134cが形成されており、このねじ軸部134cには固定ナット125が締め込まれている。この固定ナット125を締め込むことにより当該固定ナット125と上記フランジ部134aとの間に、検知板126、皿ばね127、中間板128と回転規制板129が挟み込まれている。検知板126の周縁には多数のスリットが周方向等分位置に形成されている。このスリットの数(パルス数)を光電式の回転センサ140で読みとることにより検知板126の回転速度、ひいてはねじ軸131の回転速度が検知される。
回転規制板129の両側面間であって周方向四等分位置に保持孔129a〜129aが板厚方向に貫通して形成されている。各保持孔129aには2個の鋼球141,141が保持されている。各保持孔129aにおける2個の鋼球は、それぞれ回転規制板129の側面から僅かにはみ出るようその径が設定されている。各保持孔129aに対応して、連結軸134のフランジ部134aには断面V字形の係合凹部134b〜134bが周方向四等分位置に設けられている。各係合凹部134bに対してそれぞれ鋼球141が係脱される。回転規制板129の4個の鋼球141〜141は、皿ばね127の押圧力により、それぞれ係合凹部134b内に嵌り込んだ状態に保持される。
【0019】
第1および第2実施形態と同様、回転規制板129の周縁四等分位置には、係合凸部129b〜129bが形成されている。この回転規制板129の側方には、ロックレバー145が支軸146を介して傾動可能な状態でケースブロック133に支持されている。ロックレバー145の基端側は、電磁アクチュエータ150の出力軸150aに連結されている。また、ロックレバー145の基端側には、引っ張りばね151の一端側が引き掛けられている。このため、ロックレバー145は、図8において時計回り方向(ロック側)に付勢されている。電磁アクチュエータ150は、通電されると、その出力軸150aを引き込む方向に作動し、従ってロックレバー145が引っ張りばね151に抗してその先端部を係合凸部129bから離脱する方向(図8中実線で示すアンロック位置)に傾動し、従って回転規制板129の回転が許容された状態となる。
これに対して、テーブルの下降動作中において、電磁アクチュエータ150の通電が遮断されると、ロックレバー145が引っ張りばね151により図8において時計回り方向に傾動し、これにより図8中二点鎖線で示すロック位置に移動し、保持される。テーブルが下降して回転規制板129が図8中矢印D方向に回転する状態で、ロックレバー145がロック位置に移動されると、その先端が回転規制板129の係合凸部129bに係合され、その結果回転規制板129の回転が禁止される。
回転規制板129の回転が禁止されると、前記第1および第2実施形態と同様、鋼球141〜141がフランジ部134aの各係合孔134bに対して係脱を繰り返すことによりねじ軸131の回転速度が徐々に減速され、これによりテーブルは徐々に減速しながら下降して、最終的に下降端に至る手前で停止する。
【0020】
以上のように構成した第3実施形態の緊急停止機構R3によっても、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、誤作動等により電動モータ130の内蔵ブレーキが解放され、その結果テーブルが不用意に下降し始めてねじ軸131の回転速度が予め設定した許容回転数よりも大きくなった時点で、電磁アクチュエータ150の通電が遮断され、これにより回転規制板129の回転が禁止されて、テーブルが徐々に減速しつつ下降して下降端位置での衝突が回避される。
このように、テーブル上昇端において、電動モータ130の内蔵ブレーキが誤作動等により解放され、あるいは電動モータ130の電源として3相電源を用いた場合において当該電動モータ130の駆動中に1相だけ欠相し、その結果電動モータ130の出力が低下した場合等において、テーブルを落下途中において確実に停止させることができ、これにより当該リフト装置101の破損等を未然に回避することができる。
しかも、第3実施形態の緊急停止機構R3によれば、第1実施形態と同様、落下し始めた後、徐々に減速させながらテーブルをその下降端に至る手前で停止させることができるので、瞬時に停止させた場合のような大きな衝撃を受けることなくテーブルを停止させることができ、この点においてもリフト装置101の損傷を回避することができる。
以上説明した各実施形態では、昇降体の一形態としてテーブルを備えたテーブルリフト装置を例示したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、昇降体として例えば舞台装置、介護用ベッドあるいは種々作業台等その他の昇降体を備えたリフト装置に広く適用することができる。
また、電動モータを駆動源とする電動式リフト装置を例示したが、油圧モータを駆動源とする油圧駆動式のリフト装置にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る緊急停止機構を備えたリフト装置の側面図である。駆動装置は直線で模式的に示されている。
【図2】第1実施形態の緊急停止機構を備えたリフト装置の平面図である。テーブルの図示は省略されている。
【図3】第1実施形態の緊急停止機構およびこれを備えた駆動装置の平面図である。本図において、ケースの内部構造が横断面で示されている。
【図4】駆動装置を図3中矢印(4)方向から見た図である。
【図5】第2実施形態の緊急停止機構を備えた駆動装置の平面図である。
【図6】第3実施形態の緊急停止機構を備えたリフト装置の平面図である。テーブルの図示は省略されている。
【図7】第3実施形態の緊急停止機構およびこれを備えた駆動装置の平面図である。本図においてケースブロックの内部構造が横断面で示されている。
【図8】第3実施形態の緊急停止機構を備えた駆動装置を図7中矢印(8)方向から見た図である。
【符号の説明】
【0022】
R1…第1実施形態の緊急停止機構
R2…第2実施形態の緊急停止機構
R3…第3実施形態の緊急停止機構
1…第1実施形態のリフト装置(電動式テーブルリフト装置)
2…基台
3…テーブル
4…リフトアーム
5…アウタアーム
6…インナアーム
12…補助アーム
20…駆動装置(第1実施形態)
21…ねじ軸
23…ナット
30…電動モータ、30a…内蔵ブレーキ
31…ケース
38…チェーン
43…検知板
44…皿ばね
46…回転規制板、46b…係合凸部
47…回転センサ(光電センサ)
48…鋼球
50…ロックレバー
52…電磁アクチュエータ
53…引っ張りばね
60…スリーブ(第2実施形態)、60b…係合凸部
70…駆動装置(第3実施形態)
71…電動モータ
72…ねじ軸
101…リフト装置
104…リフトアーム
105…駆動装置
126…検知板
127…皿ばね
128…中間板
129…回転規制板、129b…係合凸部
130…電動モータ
131…ねじ軸
133…ケースブロック
141…鋼球
145…ロックレバー
150…電磁アクチュエータ
151…引っ張りばね
D…テーブル下降時における回転規制板の回転方向
U…テーブル上昇時における回転規制板の回転方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と昇降体との間に、2本のアームを相互に回転自在に連結したX字形のリフトアームが介装され、該リフトアームを前記2本のアーム間に介装した駆動装置により上下に伸縮させて前記昇降体を昇降させるリフト装置において、
前記駆動装置は、駆動モータと、該駆動モータにより回転し、前記2本のアームの一方に支持したねじ軸と、該ねじ軸に噛み合わされて該ねじ軸の回転により該ねじ軸に沿って移動し、前記2本のアームの他方に支持されたナットと、前記ねじ軸の回転を規制して前記昇降体の下降動作を規制する緊急停止機構を備え、
該緊急停止機構は、前記昇降体の下降時における前記ねじ軸の回転数を検知して、該ねじ軸の回転数が予め定めた許容回転数よりも大きくなったときに、前記ねじ軸に回転抵抗を与えて前記昇降体を減速させつつ下降させて停止させる構成としたリフト装置の緊急停止機構。
【請求項2】
請求項1記載の緊急停止機構であって、ねじ軸に対して相対回転可能な回転規制板を備え、該回転規制板に保持した鋼球をばね付勢力で前記ねじ軸側に設けた係合凹部に押圧して該係合凹部に嵌り込んだ状態に保持し、該嵌り込み状態で前記回転規制板を前記ねじ軸と一体で回転させる一方、前記ねじ軸の回転数が許容回転数よりも大きくなったときに、前記回転規制板の回転を規制して前記鋼球の前記ばね付勢力に抗してなされる前記係合凹部に対する係脱作用の繰り返しにより前記ねじ軸に回転抵抗を与える構成とした緊急停止機構。
【請求項3】
請求項2記載の緊急停止機構であって、ねじ軸の回転数が許容回転数よりも大きくなった時に、通電が遮断されて作動する電磁アクチュエータによりロック側に移動するロックレバーを備え、該ロックレバーをロック側に移動させて前記回転規制板に設けた係合凸部に係合させて該回転規制板の回転を禁止する構成とした緊急停止機構。
【請求項4】
基台と昇降体との間に、2本のアームを相互に回転自在に連結したX字形のリフトアームが介装され、該リフトアームを前記2本のアーム間に介装した駆動装置により上下に伸縮させて前記昇降体を昇降させるリフト装置において、
前記駆動装置は、駆動モータと、該駆動モータにより回転し、前記2本のアームの一方に支持したねじ軸と、該ねじ軸に噛み合わされて該ねじ軸の回転により該ねじ軸に沿って移動し、前記2本のアームの他方に支持されたナットと、前記ねじ軸の回転を規制して前記昇降体の下降動作を規制する緊急停止機構を備え、
該緊急停止機構は、前記昇降体の下降時における前記ねじ軸の回転数を検知して、該ねじ軸の回転数が予め定めた許容回転数よりも大きくなったときに、前記ねじ軸の回転をロックして前記昇降体を停止させる構成としたリフト装置の緊急停止機構。
【請求項5】
請求項4記載の緊急停止機構であって、ねじ軸の回転数が許容回転数よりも大きくなった時に、通電が遮断されて作動する電磁アクチュエータによりロック側に移動するロックレバーを備え、該ロックレバーをロック側に移動させて前記ねじ軸側に設けた係合凸部に係合させて該ねじ軸の回転を禁止する構成とした緊急停止機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−56613(P2006−56613A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−237301(P2004−237301)
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【出願人】(000137960)株式会社メイキコウ (9)