説明

リボン織機の送出しローラーユニット伝動装置

【課題】 単にサーボモーターの回転速度を調整するだけでローラーの回転速度を制御、調整できる、操作が非常に簡単なリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置を提供する。
【解決手段】 本体と、該本体の側板の間に設置され、下部ローラー、及び該下部ローラーに当接するように設置されるガイドローラーからなる送出しローラーユニットと、該下部ローラーの一端に設けられる下部ギアと、側板に形成される貫通孔と、側板に取り付けられる駆動機構とを備え、前記駆動機構は、互いに接続し合うサーボモーターと減速機とを有し、該減速機の出力軸の端部に、側板の貫通孔を貫通してから、下部ギアに噛合するギアが設けられ、該サーボモーターを制御することによって下部ローラーの回転速度を調整することを特徴とするリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に送出しローラーユニットを通るリボンの張力を調整制御できるリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リボンは通常、リボン織機によって製作され、そのリボン織機の構造は、縦、横方向の糸を、リボン織機に設けられたそれぞれ異なる機能をもつ編み器に通して編み合わせるものである。また、従来の織機は、消費者のニーズに応えて異なる規格、例えば緻密さや柔軟さなどを有するリボンを提供するために、編織の過程でリボンの糸の張力及び編み速度を調整する必要があるので、図4に示すように、上部ローラー(51)、下部ローラー(52)及びガイドローラー(53)の回転速度を編織速度に合わせながら、編みあがったリボン(70)が皺なく且つ設計通りになるように、伝動装置に駆動されるローラーによって輸送する必要がある。
【0003】
従来、ローラーの回転速度を制御する伝動装置は、図5に示すように、本体(60)と、該本体(60)における編織後の位置に設けられ、上部、下部ローラー(51, 52)及び該下部ローラー(52)に隣接するガイドローラー(53)からなる送出しローラーユニット(50)と、該本体(60)の外側壁に設けられ、互いに噛合う歯数の異なる複数のギアからなるギアユニット(40)とを有し、該ギアユニット(40)が動力装置、例えば織機のメインモーターに接続され、該動力装置によるギアユニット(40)における各ギアの駆動回転に連動して、送出しローラーユニット(50)の上部ローラー(51)、及び下部ローラー(52)が駆動回転することによって、編み上がったリボンの完成品が送り出される仕組みとなっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、異なる仕様や設計に応じて編み手段と糸を調整する必要があり、この場合、編上げられたリボンの、送出しローラーユニットへの速度が異なるため、ギアの回転速度を編織の速度に合わせるように、前記ギアユニット(40)を歯数の異なる他のギアと交換する、つまりギアユニットにおける各ギアを順次取り外してから、所望の回転速度に対応する歯数の異なるギアを1つずつ取り付ける必要がある。しかしながら、該ギアユニット(40)における各ギアの交換作業は全て手作業であるので、時間や手間がかかっていた。更に、本体の設置空間が限られている場合には、ギアユニットの交換作業が非常に不便であり、時間や人件費が増加してしまうといったデメリットがあった。
【0005】
そこで、出願されたのが本発明であって、本体にサーボモーターと減速機を設け、該サーボモーターを制御して送出しローラーユニットの回転速度を調整することにより、編織の速度を瞬時に調整し、操作性や交換の利便性を高め、コストダウンの達成を図る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の請求項1の発明は、本体(10)と、該本体(10)の側板の間に設置され、下部ローラー(22)、及び該下部ローラー(22)に当接するように設置されるガイドローラー(23)からなる送出しローラーユニット(20)と、該下部ローラー(22)の一端に設けられる下部ギア(221)と、側板に形成される貫通孔(11)と、側板に取り付けられる駆動機構(30)とを備え、
前記駆動機構(30)は、互いに接続し合うサーボモーター(31)と減速機(32)とを有し、該減速機(32)の出力軸(33)の端部に、側板の貫通孔(11)を貫通してから、下部ギア(221)に噛合するギア(331)が設けられ、該サーボモーター(31)を制御することによって下部ローラー(22)の回転速度を調整することを特徴とするリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置を提供するものである。
【0007】
本願の請求項2の発明は、前記送出しローラーユニット(20)は、側板の間において、一端に下部ギア(221)に噛合可能な上部ギア(211)が設けられる上部ローラー(21)を有し、該上部ローラー(21)及び下部ローラー(22)を同期に回転させることを特徴とする請求項1に記載のリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置を提供するものである。
【0008】
本願の請求項3の発明は、前記ガイドローラー(23)を複数有し、それらは並列接続されると共に、該ガイドローラー(23)にそれぞれガイドプレート(24)が延設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置によれば、編織速度の異なるリボンを編織する場合、単に駆動機構におけるサーボモーターの出力の速度を調整、制御すれば、すぐに対応することができるので、回転速度の調整が便利であり、且つ人件費を大幅に低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。尚、下記実施例は、本発明の好適な実施の形態を示したものにすぎず、本発明の技術的範囲は、下記実施例そのものに何ら限定されるものではない。
【0011】
図1は本発明に係るリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置の斜視図であり、図2は本発明に係るリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置の分解斜視図であり、図3は本発明に係るリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置の正面図であり、図4は本発明に係るリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置により編上げられたリボンの送り出し状態を示す側面透視図である。
【0012】
図1及び図2に示すように、本発明のリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置は、複数の板状部材と側板により構成された本体(10)と、該本体(10)の左右の側板の間に設置される送出しローラーユニット(20)と、該本体(10)の側板における、送出しローラーユニット(20)と対応する位置に形成される貫通孔(11)と、該側板の外側における、該貫通孔(11)と対応する位置に設置される駆動機構(30)とを有する。
【0013】
図3に示すように、前記送出しローラーユニット(20)は、上部ローラー(21)と、下部ローラー(22)と、複数のガイドローラー(23)とからなると共に、本体(10)の左右の側板の間に平行に枢設されており、前記下部ローラー(22)及び上部ローラー(21)は、その全体が円筒状を呈し、その一端には互いに噛合可能な上部ギア(211)及び下ギア(221)が設置され、前記複数のガイドローラー(23)は共に、短い円筒状を呈し、それらはそれぞれ下部ローラー(22)の表面に当接するように並列に設置されている。また、該ガイドローラー(23)の側面には、複数のガイドプレート(24)が外側へ延設されている。
【0014】
更に、前記駆動機構(30)は、サーボモーター(31)と減速機(32)を有し、該サーボモーター(31)の出力端が減速機(32)に接続されると共に、該減速機(32)には出力軸(33)が設けられ、該出力軸(33)の端部には、本体(10)の貫通孔(11)を貫通してから、下部ローラー(22)の下部ギア(221)に噛合するギア(331)が設けられている。
【0015】
図4に示すように、前記構成のリボン織機の編み装置によって編上げられたリボン(70)は、ガイドレバー(図示せず)の案内によって順次上部ローラー(21)、下部ローラー(22)に巻き込まれた後、下部ローラー(22)とガイドローラー(23)の間に挟持されながら、ガイドプレート(24)に沿って送り出される。
【0016】
また、実際の操作において、リボンに応じて送出しローラーユニット(20)の回転速度を調整する場合は、単にサーボモーター(31)の回転速度を調整制御するだけでよく、この時、サーボモーター(31)から出力された回転速度は減速機(32)によって減速され、更に出力軸(33)により下部ローラー(22)を駆動して送出しローラーユニット(20)の回転速度を、リボンの製作に適した回転速度に調整制御される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置の分解斜視図である。
【図3】本発明に係るリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置を示す正面図である。
【図4】本発明に係るリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置により編上げられたリボンの送り出し状態を示す側面透視図である。
【図5】従来のリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0018】
10 本体
11 貫通孔
20 送出しローラーユニット
21 上部ローラー
22 下部ローラー
23 ガイドローラー
24 ガイドプレート
30 駆動機構
31 サーボモーター
32 減速機
33 出力軸
40 ギアユニット
50 送出しローラーユニット
51 上部ローラー
52 下部ローラー
53 ガイドローラー
60 本体
70 リボン
211 上部ギア
221 下部ギア
331 ギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(10)と、該本体(10)の側板の間に設置され、下部ローラー(22)、及び該下部ローラー(22)に当接するように設置されるガイドローラー(23)からなる送出しローラーユニット(20)と、該下部ローラー(22)の一端に設けられる下部ギア(221)と、側板に形成される貫通孔(11)と、側板に取り付けられる駆動機構(30)とを備え、
前記駆動機構(30)は、互いに接続し合うサーボモーター(31)と減速機(32)とを有し、該減速機(32)の出力軸(33)の端部に、側板の貫通孔(11)を貫通してから、下部ギア(221)に噛合するギア(331)が設けられ、該サーボモーター(31)を制御することによって下部ローラー(22)の回転速度を調整することを特徴とするリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置。
【請求項2】
前記送出しローラーユニット(20)は、側板の間において、一端に下部ギア(221)に噛合可能な上部ギア(211)が設けられる上部ローラー(21)を有し、該上部ローラー(21)及び下部ローラー(22)を同期に回転させることを特徴とする請求項1に記載のリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置。
【請求項3】
前記ガイドローラー(23)を複数有し、それらは並列接続されると共に、該ガイドローラー(23)にそれぞれガイドプレート(24)が延設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のリボン織機の送出しローラーユニット伝動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−41171(P2009−41171A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8266(P2008−8266)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(596135722)
【Fターム(参考)】