説明

リメディアル教育支援システム、リメディアル教育支援方法、およびメディアル教育支援プログラム

【課題】学習者による学習コンテンツ選択の自由度を良好なものとしつつ、学習者の習熟度によって受講不要な工程をスキップして学習効率を高めるリメディアル教育支援技術を提供する。
【解決手段】受講要求が示す学習コンテンツを学習者端末に配信し履修済みとの情報を第4テーブルに格納する履修状況管理手段と、学習者端末から修得判定コンテンツの各設問の回答データを受信する回答取得手段と、回答データを第2テーブルにおける正答データに照合して回答正否を判定する正否判定手段と、正答が得られた設問が含む学習要素を修得済み学習要素として特定する修得済み要素特定手段と、修得済み学習要素を学習要素とする学習コンテンツ群を第1テーブルで特定し履修済みでないものをスキップコンテンツとして第4テーブルで特定し学習者端末に送信する学習予定情報提供手段とからリメディアル教育支援システム100を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リメディアル教育支援システム、リメディアル教育支援方法、およびリメディアル教育支援プログラムに関するものであり、具体的には、学習者による学習コンテンツ選択の自由度を良好なものとしつつ、学習者の習熟度によって受講不要な工程をスキップして学習効率を高めるリメディアル教育支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
リメディアル教育とは、十分な知識を持たずに大学へ入学した学習者向けに実施される教育である。この教育方法においては、各学習者の苦手分野を克服するため、入学試験や事前テストなどの結果を元に各学習者の学習すべきカリキュラムが学習当初に設定されるのが主流である。また、このリメディアル教育では、カリキュラムをひとつひとつ履修して段階的に知識を修得していく必要はなく、教育受講後に受講者の知識レベルが一定のものとなっていればよい。そのため、受講者が自分の実力にあった教育を受けることができれば、効率よく学習を進めることが可能になる。
【0003】
そこで、こうしたリメディアル教育には、講師が実施する授業の形態よりもいわゆるe−Learningなどを用いた学習支援システムの適用が想定される。従来知られているe−Learningなどを用いた学習支援システムとしては、例えば、複数の行程からなる所定の教育を受講者が受講する前に、前記受講者の基礎知識の習熟度をチェックする第1のチェック手段と、前記第1のチェック手段によるチェックの結果に応じて、前記受講者の知識レベルを判断する知識レベル判断手段と、前記知識レベル判断手段による判断の結果に応じて、前記受講者が受講すべき教育形態を提示する提示手段と、前記受講者が前記行程の中の所定の行程から次の行程に進む段階で、前記受講者の習熟度をチェックする第2のチェック手段と、前記第2のチェック手段によるチェックの結果に応じて、前記受講者が前記所定の行程から次の行程に進むことを許可するか否かを決定する決定手段とを備えることを特徴とする教育支援システム(特許文献1参照)などが提案されている。
【0004】
また、教材毎にその教材を用いて学習する概念の集合およびその教材の履修の前提となる概念の集合を記憶する教材特性記憶手段と、学習可能な概念の関係を記憶する概念関係記憶手段と、利用者の概念の理解度を記憶する利用者理解度記憶手段と、学習戦略と上記利用者の概念の理解度とに基づいて学習対象の概念を選別する概念選別手段と、選別した上記学習対象の概念に基づいて上記教材特性記憶手段を参照して教材を選別する教材選別手段と、上記教材選別手段の選別結果を上記利用者に提示する手段とを有し、上記学習戦略は、(a)上記利用者の理解度が閾値を越えている概念を学習対象の概念として選別する、(b)上記利用者の理解度が閾値を越えていない概念を学習対象の概念として選別する、(c)上記利用者の理解度が閾値を越えている概念を選別し、選別した概念と所定の関係を有する概念を上記概念関係記憶手段を参照して取り出し、上記学習対象の概念として選別するという3つの学習戦略を含むことを特徴とする学習支援装置(特許文献2参照)なども提案されている。
【特許文献1】特開2004−233734号公報
【特許文献2】特開2004−012952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術において、事前に設計された工程を学習者が1つづつクリアして次の工程に進むことはできるが、学習者の習熟度によって工程をスキップすることができないという問題点がある。また、学習者の概念ごとの習熟度と学習戦略をもとに教材を検索することまではできるが、受講していない学習コンテンツの学習必要性を判定することはできないという問題点がある。
【0006】
そこで本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、学習者による学習コンテンツ選択の自由度を良好なものとしつつ、学習者の習熟度によって受講不要な工程をスキップして学習効率を高めるリメディアル教育支援技術の提供を主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明のリメディアル教育支援システムは、学習者端末とネットワークを介し通信する通信手段と、学習コンテンツとその学習コンテンツが意図する修得すべき学習要素の情報とを記憶した第1テーブルと、学習者に対する設問とその正答データとを含む修得判定コンテンツを記憶した第2テーブルと、前記修得判定コンテンツにおける各設問が含む学習要素の情報を記憶した第3テーブルと、学習者毎の学習コンテンツの履修状況を記憶する第4テーブルとを格納した記憶手段と、を備えたコンピュータにより構成され、例えばサーバ装置を想定できる。
【0008】
すなわち、前記リメディアル教育支援システムは、学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツの受講要求を受けて、前記受講要求が示す学習コンテンツを前記第1テーブルから読み出して前記学習者端末に配信し、前記学習コンテンツについて該当学習者が履修済みとの情報を前記第4テーブルに格納する、履修状況管理手段を備える。
【0009】
また、前記リメディアル教育支援システムは、前記記憶手段から修得判定コンテンツを読み出して前記通信手段を介し前記学習者端末に送信し、当該学習者端末から前記修得判定コンテンツの各設問の回答データを受信する、回答取得手段を備える。
【0010】
また、前記リメディアル教育支援システムは、前記学習者端末から受信した回答データを前記第2テーブルにおける該当修得判定コンテンツの各設問の正答データに照合して回答正否を判定し、該当学習者における各設問の正否状況のデータを記憶手段に格納する、正否判定手段を備える。
【0011】
また、前記リメディアル教育支援システムは、学習者の前記正否状況のデータを記憶手段から読み出して前記第3テーブルに照合し、正答が得られた設問が含む学習要素を修得済み学習要素として特定し、この修得済み学習要素の情報を該当学習者に対応付けて記憶手段に記憶する、修得済み要素特定手段を備える。
【0012】
また、前記リメディアル教育支援システムは、学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者についての修得済み学習要素を記憶手段から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とする学習コンテンツ群を前記第1テーブルで特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものをスキップコンテンツとして前記第4テーブルで特定し、当該スキップコンテンツの情報を前記学習者端末に送信する、学習予定情報提供手段を備える。
【0013】
なお、前記リメディアル教育支援システムにおいて、前記記憶手段の前記第1テーブルにおいて、学習コンテンツとその学習コンテンツが意図する修得すべき学習要素の情報と当該学習要素の難易度の情報とを記憶し、前記第3テーブルにおいて、前記修得判定コンテンツにおける各設問が含む学習要素と当該学習要素の難易度の情報を記憶しているとしてもよい。
【0014】
この場合、前記修得済み要素特定手段は、学習者の前記正否状況のデータを記憶手段から読み出して前記第3テーブルに照合し、正答が得られた設問が含む学習要素を修得済み学習要素として特定し、この修得済み学習要素とその難易度の情報を該当学習者に対応付けて記憶手段に記憶するとすれば好適である。なお、前記難易度の情報として、前記正否判定により特定される得点の情報を該当学習者に対応付けて記憶手段に記憶するとしてもよい。
【0015】
また、前記学習予定情報提供手段において、学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者についての修得済み学習要素とその難易度の情報を記憶手段から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とし、その学習要素の難易度が修得済み学習要素の難易度以下となっている学習コンテンツ群を前記第1テーブルで特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものをスキップコンテンツとして前記第4テーブルで特定し、当該スキップコンテンツの情報を前記学習者端末に送信する、とすれば好適である。なお、前記学習予定情報提供手段において、学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者についての修得済み学習要素とその得点の情報を記憶手段から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とし、その学習要素の目標とする基準値が修得済み学習要素の得点以下となっている学習コンテンツ群を前記第1テーブルで特定するとしてもよい。
【0016】
また、リメディアル教育支援システムの前記学習予定情報提供手段において、前記学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者が履修済みでない学習コンテンツを未履修コンテンツとして前記第4テーブルで特定し、該当学習者についての修得済み学習要素を記憶手段から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とする学習コンテンツ群を前記第1テーブルで特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものをスキップコンテンツとして前記第4テーブルで特定し、前記未履修コンテンツのうち、前記スキップコンテンツを除いた学習コンテンツを次回学習候補コンテンツとして特定し、当該次回学習候補コンテンツの情報を前記学習者端末に送信する、としてもよい。なお、前記学習予定情報提供手段において、前記学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者が履修済みでない学習コンテンツを未履修コンテンツとして前記第4テーブルで特定し、該当学習者についての修得済み学習要素とその得点の情報を記憶手段から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とし、その学習要素の目標とする基準値が修得済み学習要素の得点以下となっている学習コンテンツ群を前記第1テーブルで特定するとしてもよい。
【0017】
また、前記リメディアル教育支援システムの前記学習予定情報提供手段において、前記学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者が履修済みでない学習コンテンツを未履修コンテンツとして前記第4テーブルで特定し、該当学習者についての修得済み学習要素とその難易度の情報を記憶手段から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とし、その学習要素の難易度が修得済み学習要素の難易度以下となっている学習コンテンツ群を前記第1テーブルで特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものをスキップコンテンツとして前記第4テーブルで特定し、前記未履修コンテンツのうち、前記スキップコンテンツを除いた学習コンテンツを次回学習候補コンテンツとして特定し、当該次回学習候補コンテンツの情報を前記学習者端末に送信する、としてもよい。
【0018】
また、前記リメディアル教育支援システムが、各学習者の前記正否状況のデータを記憶手段から読み出して、設問毎に学習者間の平均正答率を算定し、この平均正答率が所定基準以下の設問を特定して前記第3テーブルに照合し、該当設問が含む学習要素を未修得学習要素として特定し、前記第3テーブルにおいて前記未修得学習要素について難易度を当初設定値より所定値上昇させた上昇難易度を設定し、前記第1テーブルにおいて前記未修得学習要素に対応する学習要素に対し当初難易度の他に前記上昇難易度の情報も設定する、難易度調整手段を備えるとしてもよい。
【0019】
この場合、前記学習予定情報提供手段は、学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者についての修得済み学習要素とその難易度の情報を記憶手段から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素としその学習要素の難易度が修得済み学習要素の難易度以下となっている学習コンテンツ群を前記第1テーブルで特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものを前記第4テーブルで特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち前記上昇難易度が学習要素に設定されているものを特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち前記上昇難易度が前記修得済み学習要素の難易度を越えるものを再履修コンテンツとして特定し、当該再履修コンテンツの情報を前記学習者端末に送信する、とすれば好適である。
【0020】
また、本発明のリメディアル教育支援方法は、学習者端末とネットワークを介し通信する通信手段と、学習コンテンツとその学習コンテンツが意図する修得すべき学習要素の情報とを記憶した第1テーブルと、学習者に対する設問とその正答データとを含む修得判定コンテンツを記憶した第2テーブルと、前記修得判定コンテンツにおける各設問が含む学習要素の情報を記憶した第3テーブルと、学習者毎の学習コンテンツの履修状況を記憶する第4テーブルとを格納した記憶手段とを備えたコンピュータが、以下の処理を実行するものである。
【0021】
すなわち、前記コンピュータが、学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツの受講要求を受けて、前記受講要求が示す学習コンテンツを前記第1テーブルから読み出して前記学習者端末に配信し、前記学習コンテンツについて該当学習者が履修済みとの情報を前記第4テーブルに格納する、履修状況管理処理を実行する。
【0022】
また、前記コンピュータが、前記記憶手段から修得判定コンテンツを読み出して前記通信手段を介し前記学習者端末に送信し、当該学習者端末から前記修得判定コンテンツの各設問の回答データを受信する、回答取得処理を実行する。
【0023】
また、前記コンピュータが、前記学習者端末から受信した回答データを前記第2テーブルにおける該当修得判定コンテンツの各設問の正答データに照合して回答正否を判定し、該当学習者における各設問の正否状況のデータを記憶手段に格納する、正否判定処理を実行する。
【0024】
また、前記コンピュータが、学習者の前記正否状況のデータを記憶手段から読み出して前記第3テーブルに照合し、正答が得られた設問が含む学習要素を修得済み学習要素として特定し、この修得済み学習要素の情報を該当学習者に対応付けて記憶手段に記憶する、修得済み要素特定処理を実行する。
【0025】
また、前記コンピュータが、学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者についての修得済み学習要素を記憶手段から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とする学習コンテンツ群を前記第1テーブルで特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものをスキップコンテンツとして前記第4テーブルで特定し、当該スキップコンテンツの情報を前記学習者端末に送信する、学習予定情報提供処理を実行する。
【0026】
また、本発明のリメディアル教育支援プログラムは、学習者端末とネットワークを介し通信する通信手段と、学習コンテンツとその学習コンテンツが意図する修得すべき学習要素の情報とを記憶した第1テーブルと、学習者に対する設問とその正答データとを含む修得判定コンテンツを記憶した第2テーブルと、前記修得判定コンテンツにおける各設問が含む学習要素の情報を記憶した第3テーブルと、学習者毎の学習コンテンツの履修状況を記憶する第4テーブルとを格納した記憶手段と、を備えたコンピュータに以下のステップを実行させるためのプログラムである。
【0027】
すなわち、前記リメディアル教育支援プログラムは、学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツの受講要求を受けて、前記受講要求が示す学習コンテンツを前記第1テーブルから読み出して前記学習者端末に配信し、前記学習コンテンツについて該当学習者が履修済みとの情報を前記第4テーブルに格納するステップと、前記記憶手段から修得判定コンテンツを読み出して前記通信手段を介し前記学習者端末に送信し、当該学習者端末から前記修得判定コンテンツの各設問の回答データを受信するステップと、前記学習者端末から受信した回答データを前記第2テーブルにおける該当修得判定コンテンツの各設問の正答データに照合して回答正否を判定し、該当学習者における各設問の正否状況のデータを記憶手段に格納するステップと、学習者の前記正否状況のデータを記憶手段から読み出して前記第3テーブルに照合し、正答が得られた設問が含む学習要素を修得済み学習要素として特定し、この修得済み学習要素の情報を該当学習者に対応付けて記憶手段に記憶するステップと、学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者についての修得済み学習要素を記憶手段から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とする学習コンテンツ群を前記第1テーブルで特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものをスキップコンテンツとして前記第4テーブルで特定し、当該スキップコンテンツの情報を前記学習者端末に送信するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0028】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明の実施の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、学習者による学習コンテンツ選択の自由度を良好なものとしつつ、学習者の習熟度によって受講不要な工程をスキップして学習効率を高めるリメディアル教育支援技術を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
−−−システム構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態のリメディアル教育支援システム100の構成図である。図1に示すリメディアル教育支援システム100は、学習者による学習コンテンツ選択の自由度を良好なものとしつつ、学習者の習熟度によって受講不要な工程をスキップして学習効率を高めるリメディアル教育支援用のコンピュータシステムであり、サーバ装置を想定できる。
【0031】
前記リメディアル教育支援システムたるリメディアル教育支援サーバ100(以下サーバ100)は、本発明を実現する機能を備えるべくハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶手段101に格納されたプログラム102をRAM103に読み出し、演算装置たるCPU104により実行する。また、前記サーバ100は、コンピュータ装置が一般に備えている各種キーボードやボタン類などの入力インターフェイス105、ディスプレイなどの出力インターフェイス106を備えることができる。また、ネットワーク140を介して学習者端末200との間のデータ授受を担う通信手段107を有している。
【0032】
続いて、前記リメディアル教育支援システムたる前記サーバ100が、例えばプログラム102に基づき前記記憶手段101にて構成・保持する機能部につき説明を行う。なお、前記サーバ100は、記憶手段において、少なくとも前記第1テーブル(判定管理テーブル130)、第2テーブル(設問テーブル125)、第3テーブル(設問別要素点テーブル126)、第4テーブル(個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132)を格納している。
【0033】
こうした前記サーバ100は、学習者端末200から前記通信手段107を介して学習コンテンツの受講要求を受けて、前記受講要求が示す学習コンテンツを前記第1テーブルたる判定管理テーブル130から読み出して前記学習者端末200に配信し、前記学習コンテンツについて該当学習者が履修済みとの情報を前記第4テーブルたる個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132に格納する、履修状況管理手段110を備える。
【0034】
また、前記サーバ100は、前記記憶手段101から修得判定コンテンツを読み出して前記通信手段107を介し前記学習者端末200に送信し、当該学習者端末200から前記修得判定コンテンツの各設問の回答データを受信する、回答取得手段111を備える。
【0035】
また、前記サーバ100は、前記学習者端末200から受信した回答データを前記第2テーブルたる設問テーブル125における該当修得判定コンテンツの各設問の正答データに照合して回答正否を判定し、該当学習者における各設問の正否状況のデータを記憶手段101に格納する、正否判定手段112を備える。
【0036】
また、前記サーバ100は、学習者の前記正否状況のデータを記憶手段101から読み出して前記第3テーブルたる設問別要素点テーブル126に照合し、正答が得られた設問が含む学習要素を修得済み学習要素として特定し、この修得済み学習要素の情報を該当学習者に対応付けて記憶手段101に記憶する、修得済み要素特定手段113を備える。
【0037】
また、前記サーバ100は、学習者端末200から前記通信手段107を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者についての修得済み学習要素を記憶手段101から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とする学習コンテンツ群を前記第1テーブルたる判定管理テーブル130で特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものをスキップコンテンツとして前記第4テーブルたる個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132で特定し、当該スキップコンテンツの情報を前記学習者端末200に送信する、学習予定情報提供手段114を備える。
【0038】
なお、前記学習予定情報提供手段114は、前記学習者端末200から前記通信手段107を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者が履修済みでない学習コンテンツを未履修コンテンツとして前記第4テーブルたる個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132で特定するとすれば好適である。この前記学習予定情報提供手段114は、該当学習者についての修得済み学習要素を記憶手段101から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とする学習コンテンツ群を前記第1テーブルたる判定管理テーブル130で特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものをスキップコンテンツとして前記第4テーブルたる個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132で特定する。また、前記学習予定情報提供手段114は、前記未履修コンテンツのうち、前記スキップコンテンツを除いた学習コンテンツを次回学習候補コンテンツとして特定し、当該次回学習候補コンテンツの情報を前記学習者端末200に送信する。
【0039】
また、前記サーバ100は、前記記憶手段の前記第1テーブルたる判定管理テーブル130において、学習コンテンツとその学習コンテンツが意図する修得すべき学習要素の情報と当該学習要素の難易度の情報(例:該当学習要素の目標とする修得度、すなわち修得判定の基準点の情報)とを記憶し、前記第3テーブルたる設問別要素点テーブル126において、前記修得判定コンテンツにおける各設問が含む学習要素と当該学習要素の難易度(例:配点)の情報を記憶しているとすれば好適である。
【0040】
ここで、前記設問別要素点テーブル126の配点すなわち要素点を、難易度と相関関係があるように設定を行ってもよい。たとえば、難易度が高いものほど要素点が高く、難易度が低いものほど要素点が低くなるように設定を行えばよい。
【0041】
この場合、前記修得済み要素特定手段113は、学習者の前記正否状況のデータを記憶手段101から読み出して前記第3テーブルたる設問別要素点テーブル126に照合し、正答が得られた設問が含む学習要素を修得済み学習要素として特定し、この修得済み学習要素とその難易度(例:得点)の情報を該当学習者に対応付けて記憶手段101に記憶する。
【0042】
そして前記学習予定情報提供手段114は、学習者端末200から前記通信手段107を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者についての修得済み学習要素とその難易度(例:得点)の情報を記憶手段101から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とし、その学習要素の難易度が修得済み学習要素の難易度以下となっている学習コンテンツ群を前記第1テーブルたる判定管理テーブル130で特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものをスキップコンテンツとして前記第4テーブル個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132で特定し、当該スキップコンテンツの情報を前記学習者端末200に送信するとすれば好適である。或いは前記学習予定情報提供手段114は、学習者端末200から前記通信手段107を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者についての修得済み学習要素とその得点の情報を記憶手段101から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とし、その学習要素の目標とする基準値が修得済み学習要素の得点以下となっている学習コンテンツ群を前記第1テーブルたる判定管理テーブル130で特定する。
【0043】
さらに前記学習予定情報提供手段114は、前記学習者端末200から前記通信手段107を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者が履修済みでない学習コンテンツを未履修コンテンツとして前記第4テーブルたる個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132で特定し、該当学習者についての修得済み学習要素とその難易度(例:得点)の情報を記憶手段101から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とし、その学習要素の難易度が修得済み学習要素の難易度以下となっている学習コンテンツ群を前記第1テーブルたる判定管理テーブル130で特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものをスキップコンテンツとして前記第4テーブルたる個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132で特定し、前記未履修コンテンツのうち、前記スキップコンテンツを除いた学習コンテンツを次回学習候補コンテンツとして特定し、当該次回学習候補コンテンツの情報を前記学習者端末200に送信するとすれば好適である。或いは前記学習予定情報提供手段114は、前記学習者端末200から前記通信手段107を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者が履修済みでない学習コンテンツを未履修コンテンツとして前記第4テーブルたる個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132で特定し、該当学習者についての修得済み学習要素とその得点の情報を記憶手段101から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とし、その学習要素の目標とする基準値が修得済み学習要素の得点以下となっている学習コンテンツ群を前記第1テーブルたる判定管理テーブル130で特定する。
【0044】
なお、前記サーバ100は、各学習者の前記正否状況のデータを記憶手段101から読み出して、設問毎に学習者間の平均正答率を算定し、この平均正答率が所定基準以下の設問を特定して前記第3テーブルたる設問別要素点テーブル126に照合し、該当設問が含む学習要素を未修得学習要素として特定し、前記第3テーブルたる設問別要素点テーブル126において前記未修得学習要素について難易度を当初設定値より所定値上昇させた上昇難易度を設定し、前記第1テーブルたる判定管理テーブル130において前記未修得学習要素に対応する学習要素に対し当初難易度の他に前記上昇難易度の情報も設定する、難易度調整手段115を備えるとしてもよい。
【0045】
この場合、前記学習予定情報提供手段114において、学習者端末200から前記通信手段107を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者についての修得済み学習要素とその難易度の情報を記憶手段101から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素としその学習要素の難易度が修得済み学習要素の難易度以下となっている学習コンテンツ群を前記第1テーブルたる判定管理テーブル130で特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものを前記第4テーブルたる個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132で特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち前記上昇難易度が学習要素に設定されているものを特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち前記上昇難易度が前記修得済み学習要素の難易度を越えるものを再履修コンテンツとして特定し、当該再履修コンテンツの情報を前記学習者端末200に送信するとすれば好適である。
【0046】
また前記サーバ100は、上記した各手段の他に、一般的なe−Learning学習サービスを前記学習者端末200に提供するための処理機能や必要なデータ類を備えるものとする(この一般的なe−Learning技術については従来技術を採用すればよい)。
【0047】
こうした前記サーバ100から学習コンテンツや修得判定コンテンツの配信を受けてディスプレイやスピーカー等に出力し、設問への回答データを学習者から受け付けて前記サーバ100に返信するのが学習者端末200である。この学習者端末200は、例えば、既存のコンピュータ端末、携帯端末、ディジタルテレビなどとなる。こうした学習者端末200は、ハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶手段201に格納されたプログラム202(前記サーバ100が提供するe−Learning学習サービスを利用するための機能を実現するもの)をRAM203に読み出し、演算装置たるCPU204により実行する。また、前記学習者端末200は、コンピュータ装置が一般に備えている各種キーボードやボタン類などの入力インターフェイス205、ディスプレイなどの出力インターフェイス206を備えている。また、前記サーバ100との間のデータ授受を担う通信手段207を有している。
【0048】
これまで示した前記システム100を構成する各装置における各手段110〜115はハードウェアとして実現してもよいし、メモリやHDD(Hard Disk Drive)などの適宜な記憶装置に格納したプログラムとして実現するとしてもよい。この場合、各装置のCPUがプログラム実行に合わせて記憶装置より該当プログラムをRAMに読み出して、これを実行することとなる。
【0049】
−−−テーブル構造例−−−
次に、本実施形態の前記システム100が利用するテーブルの例について説明する。図2は本実施形態の設問テーブル125(第2テーブル)のデータ構成例を示す図である。この設問テーブル125は、学習者に対する設問とその正答データとを含む修得判定コンテンツを記憶した第2テーブルにあたる。図2に例示した設問テーブル125は、例えば、修得判定コンテンツを一意に示す判定コンテンツID2101、修得判定コンテンツが含む各設問に対応する設問ID2102、設問の内容データたる設問2103、該当設問の模範解答2104(=正答)の各データを含むレコードの集合体となっている。この設問テーブル125における各レコードのデータは、予め前記サーバ100の運用者(例:大学の教育関係者等)によって作成され、記憶手段101に格納される。
【0050】
また、図3は本実施形態の設問別要素点テーブル126(第3テーブル)のデータ構成例を示す図である。この設問別要素点テーブル126は、前記修得判定コンテンツにおける各設問が含む学習要素の情報を記憶した第3テーブルにあたる。当該設問別要素点テーブル126は、例えば、前記設問テーブル125における判定コンテンツIDに対応した判定コンテンツID3201、前記設問テーブル125の設問ID2102に対応する設問ID3202、学習要素(例:整数の計算、桁上がりの計算、少数の計算、分数の計算、桁の異なる計算、など)を示す要素区分3203、要素区分ごとの配点を示す要素点3204の各データを含むレコードの集合体となっている。この設問別要素点テーブル126における各レコードのデータは、予め前記サーバ100の運用者(例:大学教育関係者等)によって作成され、記憶手段101に格納される。なお、前記学習要素とは、修得判定コンテンツや学習コンテンツにおいて修得目標とされる学習内容を要素毎に分類したものであり、数学における計算力(整数、小数、分数の計算など)、国語や外国語における文法理解力、文章作成能力、読解能力、など各手段学問分野で様々に想定できる。
【0051】
また、図4は本実施形態の成績テーブル127のデータ構成例を示す図である。この成績テーブル127は、修得判定コンテンツの設問に対する学習者の回答結果を格納するテーブルである。この成績テーブル127は、学習者の個人ID4301、該当学習者が回答を行った修得判定コンテンツの判定コンテンツID4302、該当修得判定コンテンツの含む設問の設問ID4303、該当設問への回答4304、前記回答の正否を示す正否コード4305の各データを含むレコードの集合体となっている。前記正否コード4305は、上記設問テーブル125の模範解答2104と学習者の回答4304とが一致した場合には「1」、一致しない場合には「0」となる。
【0052】
また、図5は本実施形態の個人別要素点合計テーブル128のデータ構成例を示す図である。この個人別要素点合計テーブル128は、学習者が修得判定コンテンツにて正答できた学習要素とその得点を示すテーブルである。このテーブルは、学習者の個人ID5401、修得判定コンテンツを示す判定コンテンツID5402、正答できた学習要素を示す要素区分5403、該当学習要素について算定した得点を示す要素得点(計)5404の各データを含むレコードの集合体となっている。
【0053】
また、図6は本実施形態の要素点階層テーブル129のデータ構成例を示す図である。この要素点階層テーブル129は、学習要素間の親子関係を示すテーブルであり、これによりきめ細かい修得度判定が実現できる。このテーブルは、最上位階層の「1」から順次下位階層になるに従って「2」、「3」・・・と数値が増える要素階層6501、下位階層の学習要素(子の学習要素)を含む親の学習要素を示す親要素区分6502、子の学習要素を示す子要素区分6503、学習要素間での要素点の重み付け値を示す倍率6504の各データを含むレコードの集合体となっている。
【0054】
また、図7は本実施形態の判定管理テーブル130(第1テーブル)のデータ構成例を示す図である。この判定管理テーブル130は、学習コンテンツとその学習コンテンツが意図する修得すべき学習要素の情報とを記憶した第1テーブルにあたる。また、この判定管理テーブル130は、学習者の成績(修得判定コンテンツの設問に対する正答具合)により学習コンテンツが修得完了か否かを判定する基準を格納したテーブルである。こうした判定管理テーブル130は、学習コンテンツを示す学習コンテンツID7601、前記要素点階層テーブル129の要素階層に対応する判定階層7602、要素区分7603、判定方法7604、基準値7605の各データを含むレコードの集合体となっている。なお、実際にはこの判定管理テーブル130の各学習コンテンツID7601に応じた学習コンテンツの実体データが、前記記憶手段101に別途格納されていて、前記サーバ100は、学習者端末200からの要求に応じて記憶手段101から該当学習コンテンツの実体データを読み出して配信する。
【0055】
また、図8は本実施形態の個人別判定結果テーブル131のデータ構成例を示す図である。この個人別判定結果テーブル131は、学習コンテンツの要素区分(学習要素)毎の修得判定結果を格納したテーブルである。このテーブルは、学習者の個人ID8701、学習コンテンツID8702、判定階層8703、要素区分8704、要素集計得点8705、下位判定数8706、判定結果8707の各データを含むレコードの集合体となっている。
【0056】
また、図9は本実施形態の個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132(第4テーブル)のデータ構成例を示す図である。この個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132は、学習者毎の学習コンテンツの履修状況を記憶する第4テーブルにあたる。この個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132は、例えば、学習者の個人ID9801、学習コンテンツのコンテンツID9802、学習コンテンツ名称9803、履修状態9804、判定結果9805の各データを含むレコードの集合体となっている。
【0057】
−−−処理手順の例1−−−
以下、本実施形態におけるリメディアル教育支援方法の実際手順について、図に基づき説明する。なお、以下で説明するリメディアル教育支援方法に対応する各種動作は、前記システム100を構成する各装置のRAMに読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0058】
図10は本実施形態のリメディアル教育支援方法の処理フロー例1を示す図である。まずはここで、リメディアル教育支援方法の全体処理の流れを説明する。なお、この処理に先立ち、前記サーバ100の記憶手段101における設問テーブル125、設問別要素点テーブル126、要素点階層テーブル129、判定管理テーブル130のデータは、予め設定済みであることとする。
【0059】
この時、前記サーバ100の履修状況管理手段110は、ネットワーク140上の学習者端末200から、前記通信手段107を介して学習コンテンツの受講要求を受けて、前記受講要求(学習者の個人IDおよび受講希望対象の学習コンテンツのID等を含む)が示す学習コンテンツを前記判定管理テーブル130(および記憶手段101の学習コンテンツの実体データ格納領域)から読み出して前記学習者端末200に配信する(s100)。
【0060】
学習者端末200では前記学習コンテンツのデータを受信し、出力インターフェイス206にて出力し(s101)、学習者の閲覧等に供することになる。また、この学習者端末200は、例えば、前記学習コンテンツの出力終了指示を入力インターフェイス205で受けて、該当学習コンテンツの履修済みの情報(学習コンテンツIDと「受講済み」のフラグなど)を、前記サーバ100に返信する(s102)。
【0061】
一方、前記サーバ100の履修状況管理手段110は、前記学習コンテンツについて該当学習者(前記受講要求が含む個人IDに対応)が履修済みとの情報を学習者端末200から受信し、これを前記個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132に格納する(s103)。この格納処理に当たって前記履修状況管理手段110は、前記個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132において前記学習者の個人IDおよび学習コンテンツIDをキーに該当レコードを検索し(或いは新規にレコードを生成し)、該当レコードにおける履修状態9804のデータとして、例えば「受講済」などと設定を行うことになる。
【0062】
また、前記サーバ100の回答取得手段111は、前記学習コンテンツの履修済みの情報ないし修得判定要求を学習者端末200から受信した際などに、例えば、記憶手段101の設問テーブル125より各修得判定コンテンツの判定コンテンツID2101と設問2103のデータを読み取って学習者端末200に送信し、学習者からの修得判定コンテンツの選択を受ける(s104)。前記回答取得手段111は、前記学習者端末200からの修得判定コンテンツの選択指示を受けて、該当修得判定コンテンツのデータを前記設問テーブル125より読み出し、前記通信手段107を介し前記学習者端末200に送信する(s105)。
【0063】
学習者端末200では前記修得判定コンテンツのデータを受信して、出力インターフェイス206にて出力し、修得判定コンテンツの含む各設問に対する学習者による回答データを入力インターフェイス205で受け付ける(s106)。また、前記学習者端末200は前記入力インターフェイス205で受け付けた回答データ(修得判定コンテンツの判定コンテンツID、および該当設問の設問IDも含む)を、前記サーバ100に返信する(s107)。
【0064】
前記サーバ100の回答取得手段111は、前記学習者端末200から前記修得判定コンテンツの各設問の回答データを受信する(s108)。また、前記サーバ100の正否判定手段112は、前記学習者端末200から受信した回答データを前記設問テーブル125における該当修得判定コンテンツ(←回答データが示す判定コンテンツIDに該当)の各設問(←回答データが示す設問IDに対応する設問)の模範解答2104に照合して回答正否を判定し、該当学習者における各設問の正否状況のデータを記憶手段101の成績テーブル127に格納する(s109)。前記正否状況データは、回答が正答であれば「1」、誤答であれば「0」が、前記正否コード4305のデータとして格納される。
【0065】
続いて、前記サーバ100の修得済み要素特定手段113は、前記学習者の個人IDおよび前記修得判定コンテンツの判定コンテンツID、設問IDをキーに前記正否状況のデータを記憶手段101から読み出して正答が得られた設問を特定し、ここで特定した設問の設問IDおよび前記判定コンテンツIDを前記設問別要素点テーブル126に照合し、正答が得られた設問が含む学習要素を修得済み学習要素として特定する(s110)。なお、前記修得済み要素特定手段113は、この修得済み学習要素の要素区分3203の情報(難易度の情報は要素点として得られる)を該当学習者の個人ID、修得判定コンテンツの判定コンテンツIDに対応付けて記憶手段101に記憶しておく。
【0066】
次に前記修得済み要素特定手段113は、上記ステップs110の処理で特定した、修得済み学習要素に対応する判定コンテンツIDおよび設問IDとをキーとして前記設問別要素点テーブル126に照合し、該当するレコードの要素区分3203と要素点3204の情報を取得する(s111)。
【0067】
続いて前記修得済み要素特定手段113は、前記ステップs111までの処理で取得したレコード情報により、個人別要素点合計テーブル128を作成する(s112)。この処理は以下のように実施する。前記修得済み要素特定手段113は、前記成績テーブル127の判定コンテンツID4302と前記設問別要素点テーブル126の判定コンテンツID3201、前記成績テーブル127の設問ID4303と前記設問別要素点テーブル126の設問ID3202をそれぞれキーに該当レコードのJOIN処理を行い、JOIN後のレコードの個人ID4301、判定コンテンツID4302、要素区分3203ごとに、正否コード4305が「1」(ここでは正解とする)であるレコードの要素点3204を合計して、要素得点(計)5404を算定する。なお、前記JOIN処理は、内部結合処理とも呼ばれ、リレーショナルデータベースの2つのテーブル(表)から1つのテーブル(表)を定義する処理となる。
【0068】
前記修得済み要素特定手段113は、前記成績テーブル127の個人ID4301を個人ID5401、前記成績テーブル127の判定コンテンツID4302を判定コンテンツID5402、前記設問別要素点テーブル126の要素区分3203を要素区分5403、算定した要素得点(計)を要素得点(計)5404として、前記個人別要素点合計テーブル128に格納するのである。
【0069】
例えば、図3の設問別要素点テーブル126、および図4の成績テーブル127の例において、学習者の個人IDが「A」、判定コンテンツIDが「100」の場合、前記修得済み要素特定手段113によるJOIN処理後のレコードで要素区分3203が「整数の計算」であるレコードは設問ID3202及び設問ID4303が「1」と「2」の2レコード(設問IDが「1」は桁上がり無し、設問IDが「2」は桁上がりあり)あり、それぞれ正否コード4305は「1」である。また、図3の設問別要素点テーブル126によれば要素区分「整数の計算」の要素点3204はそれぞれ「3」であるから、前記2レコード分の要素点を合計すると「6」となり、すなわち要素得点(計)は「6」となる。このようにして個人別要素点合計テーブル128に個人ID5401が「A」、判定コンテンツID5402が「100」、要素区分5403が「整数の計算」、要素得点(計)5404が「6」のレコードが作成される。
【0070】
次に、前記修得済み要素特定手段113は、前記個人別要素点合計テーブル128と前記判定管理テーブル130とから、前記個人別判定結果テーブル131を作成する(s113)。この処理で前記修得済み要素特定手段113は、前ステップs112までで処理理・取得した学習コンテンツIDをキーにして、前記判定管理テーブル130の学習コンテンツID7601、判定階層7602、要素区分7603の各データを取得する。また、前記修得済み要素特定手段113は、上記ステップs112の処理で作成した個人別要素点合計テーブル128の個人ID5401を個人別判定結果テーブル131の個人ID8701として、個人別判定結果テーブル131にレコードを作成し、上記学習コンテンツID7601を学習コンテンツID8702に、判定階層7602を判定階層8703に、要素区分7603を要素区分8704に格納する。また、前記個人別判定結果テーブル131において、初期値として要素集計得点8705および下位判定数8706に「0」、判定結果8707に「−」を格納する。ここで作成したレコードについて、前記サーバ100は、図11以降に詳細を示す処理により、学習コンテンツにおける学習要素(=要素区分)の修得状態に関する判定結果8707を格納する(s114)。
【0071】
−−−処理手順の例2−−−
次に、上記処理手順の例1における前記ステップs114(学習コンテンツの修得状態の判定処理)の処理詳細について説明する。図11は本実施形態のリメディアル教育支援方法の処理フロー例2を、図12は本実施形態のリメディアル教育支援方法の処理フロー例3を、図13は本実施形態のリメディアル教育支援方法の処理フロー例4をそれぞれ示す図である。本実施形態では、修得判定コンテンツの各設問の回答が正答であった時に、該当設問の学習要素についてこれを修得済みとするのみでなく、学習要素間の階層構造についても考慮して、例えば、ある学習要素(親)が複数の学習要素(子)を含むとすれば、前記学習要素(親)について「修得済み」と判定する為には、複数の学習要素(子)が全て基準点以上の要素点を獲得している必要がある、などと判定を行う。
【0072】
こうした場合、前記サーバ100の修得済み要素特定手段113は、前記個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132から個人ID9801をキーにしてレコード(=学習コンテンツに対応)を取得する(s201)。次に、前記修得済み要素特定手段113は、前記判定管理テーブル130から、前記ステップs201で取得したレコードが示す学習コンテンツID9802に対応する学習コンテンツID7601をキーにして、学習コンテンツごとのレコードを取得し、判定階層7602の値で降順にソートを行う(s202)。
【0073】
前記学習予定情報提供手段114は、以下、前記ステップs202でソートした判定管理テーブル130のレコードごとに処理を行い、未処理レコードが無くなるまで処理を繰り返す。まず修得済み要素特定手段113は、前記個人別判定結果テーブル131の要素集計得点8705の算出を行う(s203)。図12は、要素集計得点の算出処理(s203)の処理の流れを示すフローチャートである。
【0074】
前記修得済み要素特定手段113は、まず前記個人別要素点合計テーブル128で、要素区分5403が、処理中の前記判定管理テーブル130のレコードの要素区分7603に一致するレコードを検索する(s2031a)。この検索でレコードが見つかった場合(s2031a:Yes)、要素得点(計)5404を要素集計得点8705にデータを設定し(s2031b)、見つからなかった場合(s2031a:No)、次のステップs2031の処理に移る。次に、前記要素点階層テーブル129で、親要素区分6502が、処理中の前記判定管理テーブル130のレコードの要素区分7603に一致するレコードを検索する(s2031)。この検索でレコードが見つからなかった場合、すなわち下位階層が存在しない場合(s2031:No)、修得済み要素特定手段113は、要素集計得点の算出処理(前記ステップs203)を終了し、図11のステップs204の処理に移る。一方、前記ステップs2031の検索処理により、要素点階層テーブル129でレコードが見つかった場合、すなわち下位階層が存在する場合(s2031:Yes)、前記修得済み要素特定手段113は、見つかったレコードの子要素区分6503と要素区分8704が一致する個人別判定結果テーブル131のレコードにおける、要素集計得点8705にデータを設定すべく、要素集計得点の算定処理を行う(s2032)。 この算定処理において、前記修得済み要素特定手段113は、前記要素点階層テーブル129の該当レコードの子要素区分6503に要素区分5403が一致するレコードを前記個人別要素点合計テーブル128で検索する。そして、ここで検索されたレコードが含む要素得点5404に対し、前記要素点階層テーブル129の子要素区分6503の倍率6504を乗じる処理を、前記ステップs2031で検索できた要素点階層テーブル129のレコードごとに計算する。また、前記修得済み要素特定手段113は、処理中の判定管理テーブル130のレコードキー(学習コンテンツID、判定階層、要素区分等)と一致する個人別判定結果テーブル131のレコードの要素集計得点8705の値に、前記要素得点5404に対し、前記要素点階層テーブル129の子要素区分6503の倍率6504を乗じて得た値を加算して、要素集計得点8705に設定する。こうして要素集計得点の算出処理が終了すれば、図11のステップs204の処理に移る。
【0075】
図6〜図8の例で、例えば、個人IDが「A」で、学習コンテンツIDが「500」、要素区分が「計算力」の場合の処理を例にすると、要素点階層テーブル129の親要素区分6502が「計算力」のレコードを検索すると、子要素区分が「整数の計算」、「小数の計算」、「分数の計算」、「桁の計算」の4レコードが存在する(s2031:Yes)。ここで、個人別判定結果テーブル131の要素区分8704が、「整数の計算」、「小数の計算」、「分数の計算」、「桁の計算」の要素集計得点8705の値は、それぞれ「6」、「6」、「0」、「15」であり、要素点階層テーブル129の親要素区分6502が「計算力」かつ子要素区分が「整数の計算」、「小数の計算」、「分数の計算」、「桁の計算」の4レコードの倍率6504はそれぞれ「1」、「2」、「2」、「1」である。ここで、個人別判定結果テーブル131で個人IDが「A」で、学習コンテンツIDが「500」、要素区分が「計算力」のレコードの要素集計得点の算出を実行する前の要素集計得点8705の初期値は「0」であるから、前記修得済み要素特定手段113は、「0」+「6」×「1」+「6」×「2」+「0」×「2」+「15」×「1」を計算した結果の「33」を、個人IDが「A」で、学習コンテンツIDが「500」、要素区分が「計算力」のレコードの要素集計得点8705に設定する。
【0076】
次に図11のステップs204以降の処理を説明する。前記サーバ100の修得済み要素特定手段113は、処理中の判定管理テーブル130のレコードにおける判定方法7604に基づく判定処理を実行する(s204)。例えば、前記判定方法7604が「要素点で判定する」の場合(s204:No)、前記修得済み要素特定手段113は、処理中の判定管理テーブル130のレコード(の学習コンテンツID、要素区分)に対応する要素集計得点8705(個人別判定結果テーブル131)と判定管理テーブル130の基準値7605を比較する(s205)。
【0077】
この比較処理で、要素集計得点8705のほうが基準値7605よりも高いか同じである場合(s205:Yes)、前記修得済み要素特定手段113は、該当要素区分に対する判定結果8707を「OK」に設定する(s207)。他方、要素集計得点8705のほうが基準値7605よりも低い場合(s205:No)、前記修得済み要素特定手段113は、該当要素区分に対する判定結果を「NG」に設定する(s206)。
【0078】
一方、前記ステップs204で判定方法7604が「下位判定数で判定する」の場合(s204:Yes)、前記修得済み要素特定手段113は、下位階層の判定結果8707の「OK」の数、すなわち下位判定数を算出する(s208)。図13は、同一コンテンツ内で判定階層が下位階層の要素区分に関する判定結果「OK」数を算出する下位判定数算出処理(s208)の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
【0079】
図13における下位判定数算出処理で、前記修得済み要素特定手段113は、要素点階層テーブル129にて親要素区分6502と処理中の判定管理テーブル130のレコードの要素区分7603が一致するレコードを検索する(s2081)。この検索でレコードが見つからなかった場合(s2081:No)、前記修得済み要素特定手段113は、個人別判定結果テーブル131の下位判定数8706の値を「0」に設定し(s2082)、下位判定数算出処理を終了し、図11のステップs209の処理に移る。一方、前記ステップs2081で要素点階層テーブル129にレコードが見つかった場合(s2081:Yes)、前記修得済み要素特定手段113は、見つかったレコードの子要素区分6503に要素区分8704が一致し、かつ判定結果が「OK」のレコードを、前記個人別判定結果テーブル131で検索して該当レコード件数を算定し、この算定値を下位判定数8706に設定する(s2083)またこの場合、下位判定数算出処理を終了し、図11のステップs209の処理に移る。
【0080】
図6〜図8で、例えば、個人IDが「A」で、学習コンテンツIDが「500」、要素区分が「計算力」の場合の処理を例にする。この場合、前記修得済み要素特定手段113は、要素点階層テーブル129で親要素区分6502が「計算力」のレコードを検索すると、子要素区分が「整数の計算」、「小数の計算」、「分数の計算」、「桁の計算」の4レコードを検索できる(s2081:Yes)。ここで、個人別判定結果テーブルの要素区分8704が「整数の計算」、「小数の計算」、「分数の計算」、「桁の計算」のいずれかで学習コンテンツIDが「500」、判定結果が「OK」のレコード数は、要素区分8704が「整数の計算」、「小数の計算」、「桁の計算」の3レコードが該当するため、前記修得済み要素特定手段113は、個人IDが「A」、学習コンテンツIDが「500」、要素区分が「計算力」のレコードに対しては、下位判定数8706に「3」を設定する。
【0081】
次に前記修得済み要素特定手段113は、前記ステップs208で算出した下位判定数と判定管理テーブル130の基準値7605とを比較し、該当学習要素について修得したか否かを判定する(s209)。前記下位判定数8706が基準値7605より高いか同じである場合(s209:Yes)、前記修得済み要素特定手段113、該当要素区分8704に対する判定結果8707に「OK」を設定する(s211)。一方、下位判定数8706が基準値7605より低い場合(s209:No)、前記修得済み要素特定手段113は、該当要素区分8704に対する判定結果8707に「NG」を設定する(s210)。
【0082】
また、前記修得済み要素特定手段113は、前記判定管理テーブル130のレコードに同じ階層の要素区分が他に存在するかチェックする(s212)。存在する場合(s212:Yes)、修得済み要素特定手段113は次のレコードの処理をステップs203に戻って同様に行う。他方、同じ階層の要素区分がなくなった場合(s212:No)、修得済み要素特定手段113は、処理中の判定管理テーブル130のレコードが最上位のレコードであるか、すなわち判定階層7602が最小であるか判定を行う(s213)。最上位の階層ではなかった場合(s213:No)、修得済み要素特定手段113は、前記ステップs203に戻り、判定管理テーブル130の次のレコードの処理を行う。他方、最上位の階層であった場合(s213:Yes)、前記修得済み要素特定手段113は、以上までの処理で算出した各要素区分8704の要素集計得点8705、下位判定数8706、判定結果8707のデータを、個人別判定結果テーブル131の該当欄に格納する(s214)。
【0083】
また、前記サーバ100の学習予定情報提供手段114は、最上位の判定階層の要素区分8704における判定結果8707がすべて「OK」となった学習コンテンツについては、個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132の該当学習コンテンツID9802に対応する判定結果9805を「修得済」に設定する(s215)。勿論、最上位の判定階層の要素区分8704における判定結果8707がすべて「OK」となっていない学習コンテンツについては、前記学習予定情報提供手段114は、個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132の該当学習コンテンツID9802に対応する判定結果9805を「未修得」のままとする。
【0084】
最後に、前記修得済み要素特定手段113は、前記個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132のレコードが最後のコンテンツでないか判定する(s216)。最後のコンテンツでない場合(s216:No)、修得済み要素特定手段113は、処理を前記ステップs202に戻し、次のレコードの処理を行う。一方、最後のコンテンツであった場合(s216:Yes)、修得済み要素特定手段113は、当該処理フロー終了する。
【0085】
−−−処理手順の例3−−−
図14は本実施形態のリメディアル教育支援方法の処理フロー例5を示す図である。以上の処理手順例1〜2の処理終了後に、学習者が前記学習者端末200から前記サーバ100にアクセスすると、前記サーバ100の学習予定情報提供手段114は、例えばこのアクセスを学習コンテンツに関する情報要求(個人IDを含む)と認識し、該当学習者の個人IDをキーに、前記個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132からレコードを読み出す(s400)。
【0086】
また、前記学習予定情報提供手段114は、前記ステップs400で読み出したレコードからデータを抽出し、所定の画面データ(記憶手段101に予め保持)に設定して、図15に示す学習コンテンツ一覧画面1600のデータを生成し、前記学習者端末200に送信する(s401)。図15に示す学習コンテンツ一覧画面1600は、前記ステップs400で読み出したレコードが含んでいた、学習コンテンツの名称、履修状態、および判定結果のデータと、操作ボタンとを含む。
【0087】
履修状態が「未受講」であるにも関わらず、判定結果が「修得済み」となっている学習コンテンツは、スキップコンテンツである。画面1600の例であれば、「3.小数の計算」がスキップコンテンツに該当する。また、前記個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132におけるレコードが示す学習コンテンツのうち前記スキップコンテンツを除き、なおかつ履修状態が「未受講」の学習コンテンツは、画面1600の例であれば、「2.整数の計算(桁上がり)」となる。これらは次回学習候補コンテンツとなり、つまりは、学習者が受講すべき学習コンテンツとなる。
【0088】
図16において、修得判定の結果と学習コンテンツの難易度との対応関係を示す。図において、最も難易度の低い修得判定コンテンツ(要素点が「1」)の設問について基準値以上に正答し前記判定にて判定結果が「修得済」であったとする。また、この修得判定コンテンツは、学習段階「1」および「2」の学習コンテンツの学習要素を全て含んでいたとする。この場合、該当学習者は、学習段階「2」の学習コンテンツを履修していなくとも、これをスキップして、学習段階「3」の学習コンテンツを受講することが可能となる。
【0089】
前記学習予定情報提供手段114は、前記画面1600における「修得科目を表示しない」、或いは「修得済み科目も表示する」のボタンの押下を前記学習者端末200から受けたとする(s402)。この時、前記学習予定情報提供手段114は、当該サーバ100にアクセス中の学習者端末200を使用する学習者の個人ID(サーバへのアクセス時に学習者端末200から取得)をキーにして、前記個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132からレコードを取得する(s403)。また、押下ボタンの種別を判定する(s404)。
【0090】
ここで、「修得済科目を表示する」ボタンが押下された場合以外(s404:No)、前記学習予定情報提供手段114は、取得した個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132のレコードから判定結果9805が「修得済」のレコードを除外する(s405)。他方、「修得済科目を表示する」ボタンが押下されていた場合(s404:Yes)、学習予定情報提供手段114は、そのまま処理を続行する。
【0091】
次に、前記学習予定情報提供手段114は、取得した個人別学習コンテンツ状態管理テーブル132のレコード情報により、前記画面1600の生成処理を行う(s406)。次に、学習予定情報提供手段114は、前記通信手段107を通じて、学習者端末200に前記画面1600のデータ送信を行い(s407)、処理を終了する。なお、前記画面1600の生成処理(s406)において、HTML形式にて画面生成を行えば、学習者端末200が備える通信手段207にて画面データを受信後、一般的なWebブラウザを用いることにより画面表示を行うことができる。
【0092】
なお、前記画面1600を介し前記学習者端末200にて、「学習する」ボタンが押下されたとすると、前記サーバ100は記憶手段101から該当学習コンテンツのデータを読み出して前記学習者端末200に配信することになる。
【0093】
−−−処理手順の例4−−−
次に、学習者の正答率平均に応じて設問の難易度すなわち要素点を自動変更する処理について説明する。この処理は、前記サーバ100の運用者(例:大学教育関係者等)が、たとえば、年度末処理として処理を起動することにより実行される。この処理により、当年度の学習者の正答率平均に応じて次年度以降の設問の難易度すなわち要素点を自動変更する。具体的な処理について処理フロー例を用いて説明する。図17は本実施形態のリメディアル教育支援方法の処理フロー例6を示す図である。この場合、前記サーバ100の難易度調整手段115は、各学習者の前記正否コード4305のデータを前記成績テーブル127から読み出して、前記設問ID4303毎に学習者間の平均正答率を算定する(s500)。
【0094】
また、前記難易度調整手段115は、この平均正答率が所定基準以下の設問の設問IDを特定して前記設問別要素点テーブル126に照合し、前記設問IDに対応する該当設問が含む学習要素を未修得学習要素として特定する(s501)。例えば、判定コンテンツIDが「100」設問IDが「3」の場合、「小数の計算」なる学習要素(未修得学習要素)を特定できる。
【0095】
前記難易度調整手段115は、前記設問別要素点テーブル126において設問ID「3」、前記学習要素「小数の計算」について、平均正答率が所定基準以下であることから、要素点3204を当初設定値の「3」より所定値上昇させた上昇要素点(上昇難易度)(「3」を1段階上げて)「4」を設定する(s502)。
【0096】
つぎに、前記成績テーブル127の判定コンテンツID4302と前記設問別要素点テーブル126の判定コンテンツID3201、前記成績テーブル127の設問ID4303と前記設問別要素点テーブル126の設問ID3202をそれぞれキーに該当レコードのJOIN処理を行い、JOIN後のレコードの設問ID3202、要素区分3203ごとに、学習者間の平均正答率を算定する(s503)。
【0097】
ここで、要素点3204と前記平均正答率との間に線形の相関関係(例えば、1次方程式で表すことのできる関係)が存在すると仮定すると、統計の一般的な手法である最小二乗法を用いて、前記要素点3204と前記平均正答率との間の1次方程式の関係式を求めることができる(s504)。
【0098】
さらに、前記最小二乗法を用いて求めた1次方程式を用いることにより、前記平均正答率から調整要素点を求め、前記設問別要素点テーブル126の要素点3204に設定することができる(s505)。ここで求めた調整要素点が整数でなかった場合、四捨五入を行い整数となるようにしてもよい。
【0099】
前記サーバ100がこうした処理を行えば、修得判定コンテンツや学習コンテンツの各学習要素に設定した難易度すなわち要素点と実際の学習者による回答を基にした難易度すなわち調整要素点との間に隔たりがあっても、それを自動的に補正して該当コンテンツに適切な要素点を設定することが可能となる。
【0100】
本実施形態によれば、学習要素とその難易度の2つの観点で修得判定することにより、修得済みの学習コンテンツの難易度より下位の難易度に属し、学習要素が同じ学習コンテンツについては、該当学習者がそれを未履修であっても履修する必要を無くすことができる。したがって本実施形態によれば、学習者による学習コンテンツ選択の自由度を良好なものとしつつ、学習者の習熟度によって受講不要な工程をスキップして学習効率を高めるリメディアル教育支援技術が提供可能となる。
【0101】
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本実施形態のリメディアル教育支援システムの構成図である。
【図2】本実施形態の設問テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図3】本実施形態の設問別要素点テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図4】本実施形態の成績テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図5】本実施形態の個人別要素点合計テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図6】本実施形態の要素点階層テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図7】本実施形態の判定管理テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図8】本実施形態の個人別判定結果テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図9】本実施形態の個人別学習コンテンツ状態管理テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図10】本実施形態のリメディアル教育支援方法の処理フロー例1を示す図である。
【図11】本実施形態のリメディアル教育支援方法の処理フロー例2を示す図である。
【図12】本実施形態のリメディアル教育支援方法の処理フロー例3を示す図である。
【図13】本実施形態のリメディアル教育支援方法の処理フロー例4を示す図である。
【図14】本実施形態のリメディアル教育支援方法の処理フロー例5を示す図である。
【図15】本実施形態の出力画面例を示す図である。
【図16】本実施形態の修得判定コンテンツの難易度と学習コンテンツとの対応関係例を示す図である。
【図17】本実施形態のリメディアル教育支援方法の処理フロー例6を示す図である。
【符号の説明】
【0103】
100 リメディアル教育支援システム(サーバ)
101、201 記憶手段
102、202 プログラム
103、203 RAM(Random Access Memory)
104、204 CPU(Central Processing Unit)
105、205 入力インターフェイス
106、206 出力インターフェイス
107、207 通信手段
110 履修状況管理手段
111 回答取得手段
112 正否判定手段
113 修得済み要素特定手段
114 学習予定情報提供手段
115 難易度調整手段
125 設問テーブル(第2テーブル)
126 設問別要素点テーブル(第3テーブル)
127 成績テーブル
128 個人別要素点合計テーブル
129 要素点階層テーブル
130 判定管理テーブル(第1テーブル)
131 個人別判定結果テーブル
132 個人別学習コンテンツ状態管理テーブル(第4テーブル)
140 ネットワーク
200 学習者端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習者端末とネットワークを介し通信する通信手段と、
学習コンテンツとその学習コンテンツが意図する修得すべき学習要素の情報とを記憶した第1テーブルと、学習者に対する設問とその正答データとを含む修得判定コンテンツを記憶した第2テーブルと、前記修得判定コンテンツにおける各設問が含む学習要素の情報を記憶した第3テーブルと、学習者毎の学習コンテンツの履修状況を記憶する第4テーブルとを格納した記憶手段と、
学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツの受講要求を受けて、前記受講要求が示す学習コンテンツを前記第1テーブルから読み出して前記学習者端末に配信し、前記学習コンテンツについて該当学習者が履修済みとの情報を前記第4テーブルに格納する、履修状況管理手段と、
前記記憶手段から修得判定コンテンツを読み出して前記通信手段を介し前記学習者端末に送信し、当該学習者端末から前記修得判定コンテンツの各設問の回答データを受信する、回答取得手段と、
前記学習者端末から受信した回答データを前記第2テーブルにおける該当修得判定コンテンツの各設問の正答データに照合して回答正否を判定し、該当学習者における各設問の正否状況のデータを記憶手段に格納する、正否判定手段と、
学習者の前記正否状況のデータを記憶手段から読み出して前記第3テーブルに照合し、正答が得られた設問が含む学習要素を修得済み学習要素として特定し、この修得済み学習要素の情報を該当学習者に対応付けて記憶手段に記憶する、修得済み要素特定手段と、
学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者についての修得済み学習要素を記憶手段から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とする学習コンテンツ群を前記第1テーブルで特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものをスキップコンテンツとして前記第4テーブルで特定し、当該スキップコンテンツの情報を前記学習者端末に送信する、学習予定情報提供手段と、
を備えることを特徴とするリメディアル教育支援システム。
【請求項2】
前記記憶手段の前記第1テーブルにおいて、学習コンテンツとその学習コンテンツが意図する修得すべき学習要素の情報と当該学習要素の難易度の情報とを記憶し、前記第3テーブルにおいて、前記修得判定コンテンツにおける各設問が含む学習要素と当該学習要素の難易度の情報を記憶しており、
前記修得済み要素特定手段において、学習者の前記正否状況のデータを記憶手段から読み出して前記第3テーブルに照合し、正答が得られた設問が含む学習要素を修得済み学習要素として特定し、この修得済み学習要素とその難易度の情報を該当学習者に対応付けて記憶手段に記憶し、
前記学習予定情報提供手段において、学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者についての修得済み学習要素とその難易度の情報を記憶手段から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とし、その学習要素の難易度が修得済み学習要素の難易度以下となっている学習コンテンツ群を前記第1テーブルで特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものをスキップコンテンツとして前記第4テーブルで特定し、当該スキップコンテンツの情報を前記学習者端末に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のリメディアル教育支援システム。
【請求項3】
前記学習予定情報提供手段において、
前記学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者が履修済みでない学習コンテンツを未履修コンテンツとして前記第4テーブルで特定し、
該当学習者についての修得済み学習要素を記憶手段から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とする学習コンテンツ群を前記第1テーブルで特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものをスキップコンテンツとして前記第4テーブルで特定し、
前記未履修コンテンツのうち、前記スキップコンテンツを除いた学習コンテンツを次回学習候補コンテンツとして特定し、当該次回学習候補コンテンツの情報を前記学習者端末に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のリメディアル教育支援システム。
【請求項4】
前記学習予定情報提供手段において、
前記学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者が履修済みでない学習コンテンツを未履修コンテンツとして前記第4テーブルで特定し、
該当学習者についての修得済み学習要素とその難易度の情報を記憶手段から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とし、その学習要素の難易度が修得済み学習要素の難易度以下となっている学習コンテンツ群を前記第1テーブルで特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものをスキップコンテンツとして前記第4テーブルで特定し、
前記未履修コンテンツのうち、前記スキップコンテンツを除いた学習コンテンツを次回学習候補コンテンツとして特定し、当該次回学習候補コンテンツの情報を前記学習者端末に送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載のリメディアル教育支援システム。
【請求項5】
各学習者の前記正否状況のデータを記憶手段から読み出して、設問毎に学習者間の平均正答率を算定し、この平均正答率が所定基準以下の設問を特定して前記第3テーブルに照合し、該当設問が含む学習要素を未修得学習要素として特定し、前記第3テーブルにおいて前記未修得学習要素について難易度を当初設定値より所定値上昇させた上昇難易度を設定し、前記第1テーブルにおいて前記未修得学習要素に対応する学習要素に対し当初難易度の他に前記上昇難易度の情報も設定する、難易度調整手段を備え、
前記学習予定情報提供手段において、学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者についての修得済み学習要素とその難易度の情報を記憶手段から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素としその学習要素の難易度が修得済み学習要素の難易度以下となっている学習コンテンツ群を前記第1テーブルで特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものを前記第4テーブルで特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち前記上昇難易度が学習要素に設定されているものを特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち前記上昇難易度が前記修得済み学習要素の難易度を越えるものを再履修コンテンツとして特定し、当該再履修コンテンツの情報を前記学習者端末に送信する、
ことを特徴とする請求項2または4に記載のリメディアル教育支援システム。
【請求項6】
学習者端末とネットワークを介し通信する通信手段と、学習コンテンツとその学習コンテンツが意図する修得すべき学習要素の情報とを記憶した第1テーブルと、学習者に対する設問とその正答データとを含む修得判定コンテンツを記憶した第2テーブルと、前記修得判定コンテンツにおける各設問が含む学習要素の情報を記憶した第3テーブルと、学習者毎の学習コンテンツの履修状況を記憶する第4テーブルとを格納した記憶手段とを備えたコンピュータが、
学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツの受講要求を受けて、前記受講要求が示す学習コンテンツを前記第1テーブルから読み出して前記学習者端末に配信し、前記学習コンテンツについて該当学習者が履修済みとの情報を前記第4テーブルに格納する、履修状況管理処理と、
前記記憶手段から修得判定コンテンツを読み出して前記通信手段を介し前記学習者端末に送信し、当該学習者端末から前記修得判定コンテンツの各設問の回答データを受信する、回答取得処理と、
前記学習者端末から受信した回答データを前記第2テーブルにおける該当修得判定コンテンツの各設問の正答データに照合して回答正否を判定し、該当学習者における各設問の正否状況のデータを記憶手段に格納する、正否判定処理と、
学習者の前記正否状況のデータを記憶手段から読み出して前記第3テーブルに照合し、正答が得られた設問が含む学習要素を修得済み学習要素として特定し、この修得済み学習要素の情報を該当学習者に対応付けて記憶手段に記憶する、修得済み要素特定処理と、
学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者についての修得済み学習要素を記憶手段から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とする学習コンテンツ群を前記第1テーブルで特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものをスキップコンテンツとして前記第4テーブルで特定し、当該スキップコンテンツの情報を前記学習者端末に送信する、学習予定情報提供処理と、
を実行することを特徴とするリメディアル教育支援方法。
【請求項7】
学習者端末とネットワークを介し通信する通信手段と、学習コンテンツとその学習コンテンツが意図する修得すべき学習要素の情報とを記憶した第1テーブルと、学習者に対する設問とその正答データとを含む修得判定コンテンツを記憶した第2テーブルと、前記修得判定コンテンツにおける各設問が含む学習要素の情報を記憶した第3テーブルと、学習者毎の学習コンテンツの履修状況を記憶する第4テーブルとを格納した記憶手段と、を備えたコンピュータに、
学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツの受講要求を受けて、前記受講要求が示す学習コンテンツを前記第1テーブルから読み出して前記学習者端末に配信し、前記学習コンテンツについて該当学習者が履修済みとの情報を前記第4テーブルに格納するステップと、
前記記憶手段から修得判定コンテンツを読み出して前記通信手段を介し前記学習者端末に送信し、当該学習者端末から前記修得判定コンテンツの各設問の回答データを受信するステップと、
前記学習者端末から受信した回答データを前記第2テーブルにおける該当修得判定コンテンツの各設問の正答データに照合して回答正否を判定し、該当学習者における各設問の正否状況のデータを記憶手段に格納するステップと、
学習者の前記正否状況のデータを記憶手段から読み出して前記第3テーブルに照合し、正答が得られた設問が含む学習要素を修得済み学習要素として特定し、この修得済み学習要素の情報を該当学習者に対応付けて記憶手段に記憶するステップと、
学習者端末から前記通信手段を介して学習コンテンツに関する情報要求を受けて、該当学習者についての修得済み学習要素を記憶手段から読み出し、この修得済み学習要素を学習要素とする学習コンテンツ群を前記第1テーブルで特定し、ここで特定した学習コンテンツ群のうち該当学習者が履修済みでないものをスキップコンテンツとして前記第4テーブルで特定し、当該スキップコンテンツの情報を前記学習者端末に送信するステップと、
を実行させることを特徴とするリメディアル教育支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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