説明

リモコン及びトイレ用機器

【課題】トイレ用機器の各機能の設定条件をメンテナンスセンターの職員に簡単に伝達することが可能なトイレ用機器及びリモコンを提供する。
【解決手段】リモコン20のスイッチエリア60のコード報知スイッチ97を押すと、トイレ用機器の各機能の設定条件の組み合わせが、数字及びアルファベットよりなる4桁のコードとして表示画面40に表示される。このコードをコード表を検索すること等により、各機能の設定条件を把握することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定条件を選択可能な複数の機能を有するリモコン及びトイレ用機器に係り、特にこの設定条件を報知する手段を備えたリモコン及びトイレ用機器に関する。
【背景技術】
【0002】
各種機能を備えたトイレ用機器を操作するためのリモコンに表示画面を設け、この表示画面に各種機能の現状の設定条件を各機能ごとに個別に表示することは公知である。
【0003】
例えば、特開2004−300711号の図14のリモコンでは、リモコンの設定確認スイッチを押すと、総ての機能の設定状態がリモコンの表示部に発光表示される。即ち、設定確認スイッチを押すと、洗浄ノズルから噴出する温水の水勢を表す絵、冷込防止機能の切/入、おまかせ節電機能の切/入、タイマー節電機能の切/入、温水温度、洗浄ノズルの洗浄位置を表す絵等が発光表示される。
【0004】
特開平11−71799号の図18のリモコンには、温度表示部、ノズル位置表示部及び水勢表示部が設けられており、これら表示部の前側にカバーが設置されている。このカバーは開閉可能となっており、また、カバーのうち温度表示部及び水勢表示と対面する位置に2つの貫通孔が設けられている。このカバーが閉じた状態ではこれら温度表示部及び水勢表示が2つの貫通孔から視認可能であり、カバーを開けると3つの表示部の総てが視認可能となる。
【特許文献1】特開2004−300711号
【特許文献2】特開平11−71799号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特開2004−300711号のリモコンにあっては、複数の機能の設定条件を確認したり他者に伝達したりする必要が生じた場合に、該設定条件を1つずつ確認・伝達する必要があるため、手間及び時間がかかるという問題がある。
【0006】
例えば、トイレ用機器に不具合が生じ、使用者がメンテナンスセンターの職員に問い合わせを行うことがある。この不具合の原因としては、トイレ用機器に故障が生じた場合の他に、単に使用者が特定の機能の設定条件を不適切に設定している場合もある。(例えば、使用者が自らタイマー節電機能を「入」と設定したことを忘れ、便座や温水が暖かくならないと訴える場合などである。)この場合、職員は不具合の原因を見極めるために、使用者に複数の機能の設定条件を確認及び通知してもらう必要があり、多くの手間及び時間を要する。
【0007】
上記の特開平11−71799号のリモコンでは3つの機能しかないため、各機能の設定条件の確認及び通知は比較的容易であるが、機能が増加した場合には、上記特開2004−300711号と同様の問題が生じる。
【0008】
本発明は、トイレ用機器の複数の機能の設定条件の確認及び伝達が容易なリモコン及びトイレ用機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明(請求項1)のリモコンは、設定条件を選択可能な複数の機能を有するトイレ用機器を操作するためのリモコンにおいて、各機能で選択されている各設定条件の組み合わせをコードとして報知するコード報知手段と、該コード報知手段を作動させる操作手段と、を有することを特徴とするものである。
【0010】
請求項2のリモコンは、請求項1において、前記コードは、数字、文字及び記号の少なくとも1種の組み合わせよりなることを特徴とする。
【0011】
請求項3のリモコンは、請求項1又は2において、前記コード報知手段は前記コードを画像又は音声にて表示するものであることを特徴とする。
【0012】
請求項4のリモコンは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記トイレ用機器に信号を送信する送信手段と、該トイレ用機器からの信号を受信する受信手段とを有しており、該送信手段は、前記操作手段が操作されると、該トイレ用機器に向けて、該トイレ用機器で設定されている各設定条件を送信するように要求する要求信号を送信するものであり、前記報知手段は、この送信されてきた各設定条件を報知するものであることを特徴とする。
【0013】
請求項5のリモコンは、請求項1ないし4のいずれか1項において、リモコンの前面の少なくとも一部を覆う開閉可能なカバーと、閉止された該カバーの背後側に配置されたスイッチ類と、を有しており、該カバーを開けると、前記コード報知手段が作動するように構成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明(請求項6)のトイレ用機器は、設定条件を選択可能な複数の機能を有するトイレ用機器において、各機能で選択されている各設定条件の組み合わせをコードとして報知するコード報知手段と、該コード報知手段を作動させる操作手段と、を有することを特徴とするものである。
【0015】
請求項7のトイレ用機器は、請求項6において、前記コードは、数字の組み合わせ又は数字とアルファベットとの組み合わせよりなることを特徴とする。
【0016】
請求項8のトイレ用機器は、請求項6又は7において、前記コード報知手段は前記コードを画像又は音声にて表示するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明のリモコン(請求項1)及びトイレ用機器(請求項6)にあっては、各機能で選択されている各設定条件の組み合わせをコードとして報知する。このため、このコードだけで各機能の設定条件を容易に把握することができる。また、トイレ用機器の使用者がこのコードを他者(例えば、メンテナンスセンターの職員等)に伝えるだけで、該他者は各機器の設定条件を容易に把握することができる。
【0018】
このコードは、数字、文字及び記号の少なくとも1種の組み合わせよりなることが好ましく(請求項2、請求項7)、この場合、コードの伝達が極めて容易である。
【0019】
本発明において、コード報知手段はコードを画像又は音声にて表示するものであることが好ましい(請求項3、請求項8)。
【0020】
請求項4のリモコンは、トイレ用機器に信号を送信する送信手段と、該トイレ用機器からの信号を受信する受信手段とを有しており、該送信手段は、操作手段が操作されると、該トイレ用機器に向けて、該トイレ用機器で設定されている各設定条件を送信するように要求する要求信号を送信するものであり、報知手段は、この送信されてきた各設定条件を報知するものである。この場合、使用者は操作手段を操作した時点での各設定条件を確実に把握することができる。
【0021】
請求項5のリモコンは、リモコンの前面の少なくとも一部を覆う開閉可能なカバーと、閉止された該カバーの背後側に配置されたスイッチ類と、を有しており、該カバーを開けると、コード報知手段が作動するように構成されている。このため、カバーを開けるだけで使用者はコードを知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の好適な形態について説明する。第1図は実施の形態に用いられるトイレ用機器及びリモコンが設置されたトイレルームの斜視図、第2図(a)はリモコンの平面図、第2図(b)はリモコンの正面図、第3図はリモコンの前蓋を開けた状態の正面図である。
【0023】
本実施形態のトイレ用機器は、第1図に示すように、洋風水洗式便器に組み込まれている。この洋風水洗式便器では洋風便器本体1の後部に便座ボックス2が設置され、該便座ボックス2には、便座3及び便蓋4が回動可能に取り付けられている。便座3には着座センサ及び便座用ヒータが設けられている。
【0024】
この便座ボックス2の内部には、便座着座者の臀部を温水で洗浄するための温水洗浄装置(図示略)の洗浄ノズル5と、洋風便器本体1を使用する者を検知するための人体検知センサ6と、音声装置(図示略)のスピーカ7が設けられている。便座ボックス2の側面には手動式フラッシュハンドル8が設けられている。
【0025】
図示は省略するが、便座ボックス2内には、臀部乾燥用温風ファン、脱臭装置、足元及び便鉢内を照らす照明装置、トイレルーム内にプラスイオンとマイナスイオンとを放出するイオン発生器、トイレルーム内を暖房する暖房装置、トイレ用機器の電源のON−OFF切替を行うメイン電源スイッチ等が設けられている。この便座ボックス2は、昇降装置(図示略)によって洋風便器本体1の上面から浮上可能とされている。
【0026】
洋風便器本体1のトラップ部の外周面には、凍結防止用ヒータ(図示略)が設けられている。
【0027】
トイレルームの壁面に設置されたリモコン20の前面下部に設けられた前蓋21には、第2図の通り、おしり洗浄用のおしりスイッチ(パワフルスイッチ)22及びマイルドスイッチ23、ビデスイッチ24、濡れた臀部に温風を吹き付けて乾燥させるための乾燥スイッチ25、洗浄及び乾燥停止用の止スイッチ26、洗浄強さ調節スイッチ27、洗浄位置調節スイッチ28、ターボ脱臭スイッチ29、マッサージスイッチ30及び電源スイッチ31が設けられている。
【0028】
おしりスイッチ(パワフルスイッチ)22を押すと、洗浄ノズル5から比較的高流速にて温水が噴出し、臀部が力強く洗浄される。マイルドスイッチ23を押すと、洗浄ノズル5から比較的低流速にて温水が噴出し、臀部がソフトに洗浄される。これらおしりスイッチ22及びマイルドスイッチ23は、もう1回押すと洗浄ノズル5が前後に動いて広い範囲が洗浄され(ワイルドモード)、さらにもう1回押すとこの前後移動が停止する。
【0029】
ビデスイッチ24についても、該ビデスイッチ24を1回押すと洗浄ノズル5から温水が噴出し、もう1回押すと洗浄ノズル5が前後に動き(ワイルドモード)、さらにもう1回押すとノズル5の前後移動がさらに大きくなり(スーパーモード)、さらにもう1回押すとこの前後移動が停止する。
【0030】
おしり洗浄、マイルド洗浄及びビデ洗浄の洗浄強さは、洗浄強さ調節スイッチ27の操作によって調節可能である。また、おしり洗浄、マイルド洗浄及びビデ洗浄の際における洗浄ノズル5の前後位置は、洗浄位置調節スイッチ28の操作によって調節可能である。
【0031】
乾燥スイッチ25は、これを1回押すと比較的高温の温風が吹き出し、もう1回押すと中温の温風となり、さらにもう1回押すと比較的低温の温風となり、以下同様に「高」、「中」、「低」と切り替わる。止スイッチ26を押すと、上述の洗浄や乾燥(温風吹出)動作が停止する。なお、この実施の形態では、洗浄は開始2分後に自動的に停止し、乾燥は開始4分後に自動的に停止するセルフストップ機構が採用されている。
【0032】
ターボ脱臭スイッチ29を押すと、脱臭装置が作動して便鉢内の臭気を脱臭し、もう1回押すと脱臭装置が停止する。
【0033】
マイルド洗浄時及びビデ洗浄時にマッサージスイッチ30を押すと、洗浄ノズル5から高流速の温水と低流速の温水が交互に噴出する。
【0034】
電源スイッチ31を押すと、リモコン20全体の電源の入/切が切り替わる。
【0035】
リモコン20の前面の上部中央には、液晶パネル等よりなる表示画面40が設けられている。この表示画面40には、時刻表示部41、リモコン20からの信号光が便座ボックス2に向けて出力されていることを示すための表示部42、洗浄ノズル5から噴出する温水の水勢の表示部43、乾燥用温風の温度表示部44、節電モードとなっているか否かを表示する節電表示部45、暖房装置の入/切を表示する暖房表示部46、凍結防止用ヒータの入/切を表示する凍結防止表示部47、リモコン20の電池残量を表示する電池残量表示部48が設けられている。
【0036】
リモコン20の上部には、便座3を電動装置によって開閉させるための便座開閉スイッチ50、便器本体1を大洗浄するための大フラッシュスイッチ51及び小洗浄するための小フラッシュスイッチ52が設けられている。
【0037】
前蓋21を開けて操作するスイッチについて第3図を参照して説明する。なお、この前蓋21は、左右両側に設けられたヒンジ部55,56によりリモコン20の本体側に対し上下方向回動可能に取り付けられている。前蓋21上の各スイッチ22〜31からの信号は、ハーネス57を介してリモコン内部の回路に送られる。
【0038】
前蓋21を開けることにより露出するスイッチエリア60の左端側は、音声装置の操作エリアとなっている。この操作エリアの中央には、液晶パネル等よりなる表示画面61が設けられている。この表示画面61よりも上側には、音声再生スイッチ62、スキップスイッチ63及びリバーススイッチ64が設けられている。この表示画面61よりも下側には、音量スイッチ65及びモード切替スイッチ66が設けられている。
【0039】
このモード切替スイッチ66を押すと、音声装置が記憶している複数の曲のうち1曲を繰り返し再生する1曲リピートモード、全曲を順番に繰り返し再生する全曲リピートモード、全曲をランダムに再生するランダムモード、朝及び夜の時間帯に朝専用曲及び夜専用曲を再生する専用曲モード等のモード切替が行われる。前記着座センサが着座を検知すると、各モードに従ってスピーカ7から曲が再生され、着座を検知しなくなってから所定時間経過後に、曲の再生が停止する。
【0040】
音声装置の操作エリアの右側には、時刻合わせ用の「時」スイッチ70及び「分」スイッチ71、温水洗浄装置の温水温度設定スイッチ72、便座温度設定スイッチ73、温水温度及び便座温度の設定条件を表示する液晶等よりなる表示画面74が設けられている。本実施の形態では、これら温水温度及び便座温度は5段階に設定可能となっている。
【0041】
スイッチエリア60の右半側の上部には、ノズル掃除スイッチ80、足許及び便鉢内の照明の入/切スイッチ81、本体掃除スイッチ82、前記イオン発生器を作動させる快適イオンスイッチ83、呼び出しスイッチ84が設けられている。
【0042】
なお、ノズル掃除スイッチ80を押すと、洗浄ノズル5がその収納部内に収納されたまま約5秒間該ノズル5に水が注ぎかけられ、ノズル5が水洗いされる。本体掃除スイッチ82は、これを1回押すと昇降装置が便座ボックス2を浮上させ、もう1回押すと昇降装置が便座ボックス2を元の位置に下降させる。
【0043】
スイッチエリア60の右半側の下部には、ワンタッチ節電スイッチ90、スーパー節電スイッチ91、自動洗浄スイッチ92、フルオート便座スイッチ93、前記暖房装置を作動させる暖房温度スイッチ94、冷込防止スイッチ95が設けられている。また、スイッチエリア60の右半側の中央には、これらスイッチ90〜93,95の入/切及びスイッチ94の切/低温/高温を表示するための、液晶等よりなる表示画面96が設けられている。
【0044】
ワンタッチ節電スイッチ90を押すと、押してから8時間の間、温水用ヒータ及び便座用ヒータが切電された後、給電されて設定温度に戻る。
【0045】
スーパー節電スイッチ91を押すと、便蓋4が閉じている間は便座用ヒータ及び温水用ヒータが省エネ温度とされる。
【0046】
自動洗浄スイッチ92を押して自動洗浄モードにすると、着座センサが着座を検知した後に離座を検知したときに、便鉢内が自動的に洗浄される。
【0047】
フルオート便座スイッチ93を押してフルオート便座モードとすると、人体検知センサ6が人体を感知したときに便蓋4が自動的に開き、人体を感知しなくなると便蓋4が自動的に閉まる。
【0048】
冷込防止スイッチ95を押すと、トイレルーム内の室温が4℃以下になったときに前記暖房装置を作動させて、室温を5℃に保つ。
【0049】
前記呼び出しスイッチ84の右側に、コード報知スイッチ97が設けられている。このコード報知スイッチ97を押すと、トイレ用機器の各機能で選択されている各設定条件の組み合わせがコードとして表示画面40に表示される。
【0050】
次に、このコード報知スイッチ97について詳細に説明する。
【0051】
[コード表記方法]
先ず、コードの表記方法について説明する。
【0052】
第4図は以下に説明するコード表記方法に従って作成されたコード表であり、第5図は表示画面40にコード表示された状態を示す図面である。
【0053】
なお、本コード表記方法では、スイッチエリア60の右半側に配置された11個のスイッチ(即ち、スイッチ80〜84、90〜95)と、前記トイレ用機器のメイン電源スイッチよりなる合計12個のスイッチの設定条件の組み合わせをコードとして表示する。また、数字0〜9及びアルファベットa〜fの合計16文字を用い、4桁の文字としてコード表示を行う。
【0054】
第1の桁(左端の桁)では、スイッチ80〜83の4個のスイッチの設定条件の組み合わせを表示する。
【0055】
スイッチ80〜83の4個のスイッチの各々は、第1モード(「切」モード又は「下」モード)及び第2モード(「入」モード又は「上」モード)の2つのモードを有している。このため、これら4個のスイッチのモードの組み合わせは合計16パターン(2パターン)である。これら16個のパターンの各々に上記16個の文字の各々を対応させたものを、コードの第1の桁に表示する。
【0056】
例えば、これら4個のスイッチの総てが第1モードである場合の文字を0、スイッチ83のみが第2モードである場合の文字を1、スイッチ82のみが第2モードである場合の文字を2、スイッチ82,83が第2モードである場合の文字を3、…、4個のスイッチの総てが第2モードである場合の文字をfとする。
【0057】
第2の桁(左から2番目の桁)では、スイッチ84、90〜92の4個のスイッチの設定条件の組み合わせを表示する。
【0058】
スイッチ84、90〜92の4個のスイッチの各々も2つのモードを有しているため、各スイッチのモードの組み合わせは合計16パターンである。従って、第1の桁と同様にして、16個のパターンに上記16個の文字を対応させたものを、コードの第2の桁に表示する。
【0059】
第3の桁(左から3番目の桁)では、スイッチ93,95及び前記メイン電源スイッチの合計3個のスイッチの設定条件の組み合わせを表示する。
【0060】
スイッチ93,95及び前記メイン電源スイッチは、入/切の2つのモードを有しているため、これらのスイッチ93,95及びメイン電源スイッチのモードの組み合わせは合計8パターンである。従って、8個のパターンに上記8個の文字を対応させたものを、コードの第3の桁に表示する。
【0061】
例えば、スイッチ93,95及びメイン電源スイッチが「切」に対応する文字を0、メイン電源スイッチが「入」かつスイッチ93,95が「切」に対応する文字を1、スイッチ95が「入」かつスイッチ93及びメイン電源スイッチが「切」に対応する文字を2、…、スイッチ93,95及びメイン電源スイッチが「入」に対応する文字を7とする。
【0062】
暖房温度スイッチ94は、切/低温/高温の3つのモードを有している。これらのモードに対応する文字を0,1,2とし、コードの第4の桁(右端の桁)に表示する。
【0063】
このように、これらスイッチ80〜84、90〜95及びメイン電源スイッチの設定条件が、4桁のコードとして表示される。
【0064】
[コード報知スイッチ97を押したときの動作]
次に、コード報知スイッチ97を押したときの動作について説明する。
【0065】
コード報知スイッチ97を押すと、リモコン20から便座ボックス2に向けて、トイレ用機器で設定されている各設定条件を送信するように要求する要求信号が送信される。この送信信号に基づき、便座ボックス2からリモコン20に向けて、トイレ用機器で設定されている各設定条件が送信される。そして、この送信された各設定条件が、表示画面40の右上(節電表示部45及び凍結防止表示部47に相当する位置)に、コード100(第5図)として表示される。
【0066】
例えば、これらスイッチエリア60の右半側のスイッチ(スイッチ80〜84、90〜95)のうち、ワンタッチ節電スイッチ90のみを「入」とし、他のスイッチを「切」及び「下」と設定している場合には、コードは「0500」となる。このため、第5図に示す通り、このコード「0500」が表示画面40の右上に表示される。
【0067】
上記実施の形態によると、トイレ用機器の各設定条件がコードとして表示されるため、このコードだけで各機能の設定条件を容易に把握することができる。また、トイレ用機器の使用者がこのコードを他者(例えば、メンテナンスセンターの職員等。)に伝えるだけで、該他者は各機器の設定条件を容易に把握することができる。
【0068】
例えば、上記のように、上記12個のスイッチ(スイッチエリア60の右半側のスイッチ80〜84、90〜95及びメイン電源スイッチ)のうちのワンタッチ節電スイッチ90が「入」であるときには、温水用ヒータ及び便座用ヒータへの給電が停止されている。このため、使用者が温水用ヒータ及び便座用ヒータに故障が生じたと思い込み、メンテナンスセンターの職員に修理の要請を行うことがある。ここで、職員が使用者に対し、コード報知スイッチ97を押してコード(「0500」)を確認・通知するように促す。職員がこのコードに対応する設定条件を第4図のコード表等によって確認することにより、ワンタッチ節電スイッチ90が「入」になっていることが不具合の原因であることが把握される。
【0069】
上記実施の形態では、スイッチ80〜84、90〜95及びメイン電源スイッチの設定条件の組み合わせをコードとして表示しているが、これらの組み合わせに限定されるものではないことは当然である。例えば、これらスイッチ80〜84、90〜95及びメイン電源スイッチの一部の設定条件の組み合わせをコード表示しても良く、他のスイッチ22〜31,50〜52,62〜66,70〜73の一部又は全部の設定条件の組み合わせをコード表示しても良い。例えば、便座温度スイッチ73、洗浄強さスイッチ27、乾燥スイッチ25の情報もコード表示するようにしても良い。これらスイッチの他に異なるスイッチを設け、それらをコード表示するようにしても良い。
【0070】
上記実施の形態において、複数個のスイッチを同時に押すことにより、トイレ用機器の設定条件を設定することができるようにしても良い(隠しモードによる設定)。例えば、ワンタッチ節電スイッチ90と冷込防止スイッチ95を同時に押すことにより、便器自動洗浄における洗浄時間を設定可能なモードとなり、このモードにおいて時スイッチ70ないし分スイッチ71を操作することにより、該洗浄時間を調整することができるようにしても良い。また、この隠しモードにおける設定条件をコード表示するようにしても良い。
【0071】
上記実施の形態ではコードを表示画面40に表示したが、表示画面40,61,96の1個又は2個以上に表示しても良い。また、コードの画面表示に代えて又は画面表示と共に、便座ボックス2内のスピーカ7やリモコン20に設置したスピーカからコードを音声として報知させるようにしてもよい。
【0072】
本実施の形態では16文字を用いた4桁の文字としてコード表示したが、これに限定されるものではない。例えば、数字のみ又はアルファベットのみで表示してもよく、機能の増減に合わせて桁数を増減させてもよい。
【0073】
本実施の形態では便座ボックス2に機能の操作部を設けなかったが、便座ボックス2に操作部を設け、該操作部にコード報知スイッチと、表示画面や音声装置等の報知手段を設けても良い。この場合、リモコン20を省略しても良い。
【0074】
本実施の形態において、前蓋21を開いたときに、コードが表示画面40に表示されるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】実施の形態に用いられるトイレ用機器及びリモコンが設置されたトイレルームの斜視図である。
【図2】(a)はリモコンの平面図、(b)はリモコンの正面図である。
【図3】リモコンの前蓋を開けた状態の正面図である。
【図4】コード表を示す図である。
【図5】コードを表示画面40に表示した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1 便器本体
2 便座ボックス
3 便座
4 便蓋
5 洗浄ノズル
7 スピーカ
20 リモコン
21 前蓋
22〜31 スイッチ
40 表示画面
50〜52 スイッチ
60 スイッチエリア
61 表示画面
62〜66 スイッチ
70〜73 スイッチ
74 表示画面
80〜84 スイッチ
90〜95 スイッチ
96 表示画面
97 コード報知スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定条件を選択可能な複数の機能を有するトイレ用機器を操作するためのリモコンにおいて、
各機能で選択されている各設定条件の組み合わせをコードとして報知するコード報知手段と、
該コード報知手段を作動させる操作手段と、
を有することを特徴とするリモコン。
【請求項2】
請求項1において、前記コードは、数字、文字及び記号の少なくとも1種の組み合わせよりなることを特徴とするリモコン。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記コード報知手段は前記コードを画像又は音声にて表示するものであることを特徴とするリモコン。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、前記トイレ用機器に信号を送信する送信手段と、該トイレ用機器からの信号を受信する受信手段とを有しており、
該送信手段は、前記操作手段が操作されると、該トイレ用機器に向けて、該トイレ用機器で設定されている各設定条件を送信するように要求する要求信号を送信するものであり、
前記報知手段は、この送信されてきた各設定条件を報知するものであることを特徴とするリモコン。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、
リモコンの前面の少なくとも一部を覆う開閉可能なカバーと、閉止された該カバーの背後側に配置されたスイッチ類と、
を有しており、
該カバーを開けると、前記コード報知手段が作動するように構成されていることを特徴とするリモコン。
【請求項6】
設定条件を選択可能な複数の機能を有するトイレ用機器において、
各機能で選択されている各設定条件の組み合わせをコードとして報知するコード報知手段と、
該コード報知手段を作動させる操作手段と、
を有することを特徴とするトイレ用機器。
【請求項7】
請求項6において、前記コードは、数字、文字及び記号の少なくとも1種の組み合わせよりなることを特徴とするトイレ用機器。
【請求項8】
請求項6又は7において、前記コード報知手段は前記コードを画像又は音声にて表示するものであることを特徴とするトイレ用機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−114757(P2009−114757A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−289799(P2007−289799)
【出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】