説明

リモコン装置及び便座装置

【課題】操作性が向上したリモコン装置及び便座装置を提供する。
【解決手段】操作入力手段と、取り付け方向に関する方向情報を取得可能な取り付け壁認識手段と、通信手段と、前記操作入力手段からの入力に基づいて前記通信手段から操作情報を送信させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記方向情報に応じて前記操作入力手段に対応する前記操作情報の割り当てを取替えることを特徴とするリモコン装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコン装置及び便座装置に関し、特に操作性を向上したリモコン装置及び便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から温水洗浄便座を遠隔にて操作することができるリモートコントローラー(以下、「リモコン」という)が知られている。具体的には、このリモコンは、トイレブースの壁や扉等に設置され、使用者に操作されることによってその操作に対応した信号を、リモコンに対応した温水洗浄便座に送信し、温水洗浄便座を遠隔にて操作することが出来るようになっている。
【0003】
このような温水洗浄便座用リモコンに設けられたスイッチの配列は、ユーザーの購入前の製造時などに定められている。したがって、リモコンを操作する使用者は、たとえこのリモコンのスイッチの配列が使用しづらい配列であったとしても、その入力手段に配置されたスイッチの配列のまま使用せざるを得なかった。
【0004】
また、リモコンの大きさの制約や意匠性の観点から、例えば、洗浄位置(温水洗浄便座における洗浄ノズルの吐水位置)の調整(前後方向)を行うための対になるスイッチを、リモコン上の同一高さ、左右方向に隣り合うように配列しているものがあった。しかし、洗浄位置調整スイッチを左右方向に配列してしまうと、リモコンの取付方向によっては、使用者が操作時に感覚的に違和感を覚えてしまうという問題点があった。
【0005】
例えば、リモコンに向かって左側に「洗浄位置-前」スイッチを、同右側に「洗浄位置-後」スイッチを配列したリモコン(例えば、特許文献1、2を参照)が、使用者が便座に着座した状態で右手側の壁に設置された場合を想定する。使用者から見て「前(奥)」方向にある洗浄位置調整スイッチを操作すると、温水洗浄便座には「洗浄位置-前」信号が送信され、温水洗浄便座の吐水位置も「前」に移動する。しかしながら、これとは逆に、リモコンが、使用者が便座に着座した状態で左手側の壁に設置された場合は、使用者から見て「前(奥)」にある洗浄位置調整スイッチを操作すると、温水洗浄便座には「洗浄位置-後」の信号が送信され、温水洗浄便座の吐水位置は「後」に移動してしまい、使用者は違和感を覚えてしまう。
【0006】
一方、リモコンの操作スイッチを、所定の操作により入替えることのできるリモコンも提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−60332号公報
【特許文献2】特開2005−12547号公報
【特許文献3】特開2002−171583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、操作性が向上したリモコン装置及び便座装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、操作入力手段と、取り付け方向に関する方向情報を取得可能な取り付け壁認識手段と、通信手段と、前記操作入力手段からの入力に基づいて前記通信手段から操作情報を送信させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記方向情報に応じて前記操作入力手段に対応する前記操作情報の割り当てを取替えることを特徴とするリモコン装置である。
上記のリモコン装置によれば、使用者が温水洗浄便座などの機器をリモコン装置にて遠隔操作する際の操作性が向上し、違和感なく操作することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、取り付け壁示唆手段を有するリモコン保持具をさらに備え、前記取り付け壁認識手段は、前記取り付け壁示唆手段により前記方向情報を入力することを特徴とする。
上記のリモコン装置によれば、リモコン保持具に取り付けることにより、取付方向を自動的に取得させることができる。
【0011】
第3の発明は、第2の発明において、前記リモコン保持具から取り外したときに、最後に取得した前記方向情報を、次に前記リモコン保持具に取り付けられるまで記憶することを特徴とする。
本リモコン装置によれば、リモコン装置をリモコン保持具から取り外したときに、リモコン装置の取り付けに関する方向情報を記憶することができる。
【0012】
第4の発明は、第2の発明において、前記リモコン保持具から取り外したときに、最後に取得した前記方向情報を、所定時間記憶することを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、前記所定時間を所定の操作方法で変更可能としたことを特徴とする。
【0013】
これらのリモコン装置によれば、リモコン装置をリモコン保持具から取り外したときに、所定時間だけリモコン装置の取り付けの方向情報を記憶することができる。例えば、電池交換や使用者が手に持ってのリモコン装置の操作時に、リモコン装置をリモコン保持具から取り外しての操作も考えられる。リモコン装置がリモコン保持具から取り外されている際には、所定時間(例えば5分)、最後に取り付けられた壁状況に関する方向情報を、記憶することもできる。この所定時間は、所定の操作にて変更することも可能である。
【0014】
第6の発明は、第1乃至第5のいずれかの発明において、表示手段をさらに備え、前記制御手段は、前記方向情報に応じて、前記表示手段の表示を切替えることを特徴とする。
【0015】
本リモコン装置によれば、取り付け位置により、リモコン装置の表示を適正に変更することができ、操作性がさらに向上する。
【0016】
第7の発明は、上記のいずれかのリモコン装置と、前記通信手段から送信された前記操作情報を受信する便座本体と、を備えた便座装置である。
本便座装置によれば、取り付け位置に応じて操作入力手段及び表示が変更され操作性が向上した便座装置が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、操作性が向上したリモコン装置及び便座装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係るリモコン装置を例示する正面図である。
【図2】図1に表したリモコン装置の背面図である。
【図3】リモコン保持具の正面図である。
【図4】リモコン保持具を例示する正面図である。
【図5】リモコン装置の回路構成を例示するブロック図である。
【図6】リモコン装置のスイッチ配列変更動作を説明するフローチャートである。
【図7】リモコン装置の他のリモコン保持具を例示する正面図である。
【図8】リモコン装置の他のリモコン保持具を例示する正面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る便座装置を設置したトイレ空間を例示する斜視図である。
【図10】本発明の実施形態に係る便座装置を設置したトイレ空間を例示する他の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
【0020】
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係るリモコン装置を例示する正面図である。
図1に表したように、リモコン装置70は、筐体50、スイッチ10a〜10f(操作入力手段)、表示20a〜20n、赤外線発光部59を有する。
【0022】
スイッチ10a〜10f(操作入力手段)の押下は、後述する制御手段38に入力され、表示20a〜20nに表示されるとともに、赤外線発光部59から、制御する機器に操作情報を送信される。なお、本実施例においては、赤外線により機器を制御する構成を例示しているが、本発明はこれに限定されない。リモコン装置70が、外部の機器を制御するために情報を送信できればよく、赤外線以外の光、電波などの無線送信の他、有線の送信でもよい。
【0023】
本実施例においては、筐体50上に洗浄位置調整スイッチ10e、10f(位置を操作する操作入力手段)が略同一高さに横方向に隣り合うように配列されている。ここで、スイッチ10eは「前スイッチ」であり、スイッチ10fは、「後スイッチ」であり、それぞれ、洗浄位置を「前」、「後」に移動操作をするスイッチである。
【0024】
リモコン装置70は、さらに、複数のスイッチ10a、10b、10c、10d(操作入力手段)を有する。また、複数の表示20a、20b、20c、20d、20e、20l、20m、20nを有する。なお、表示20l及び20mは、液晶表示20nにより構成され、後述する制御手段により変更することができる。なお、本実施例においては、液晶表示による構成を例示しているが、本発明はこれに限定されない。リモコン装置70は、外部に情報を表示できればよく、LEDなどの他の表示素子でもよい。
【0025】
図2は、図1に表したリモコン装置の背面図である。
図2に表したリモコン装置70は、筐体50の背面にリモコン保持部55、電池蓋51を有する。
リモコン保持部55は、右側接点スイッチ56R(取付け壁認識手段)、左側接点スイッチ56L(取付け壁認識手段)を有し、後述するように、リモコン装置70を壁や扉等の壁面に設置する際に、リモコン装置70を壁に保持するために使用する凹部である。また、右側接点スイッチ56R(取付け壁認識手段)または左側接点スイッチ56L(取付け壁認識手段)により、リモコン装置70が右壁面、左壁面のいずれに設置されているかの方向情報を検出する。
【0026】
図3は、図1及び図2に表したリモコン装置のリモコン保持具を例示する正面図である。
図3に表したように、リモコン保持具60Rは、保持具本体61、リモコン保持突出部65R及び取付け穴62を有する。また、このリモコン保持突出部65Rは、右突出部66Rを有する。
【0027】
リモコン保持具60Rは、右側の壁や扉等の右壁面にリモコン装置70を設置する際に用い、取付け穴62により、例えば、ねじなどで右壁面に固定する。リモコン装置70のリモコン保持部55をリモコン保持突出部65Rに嵌め込むことにより、リモコン装置70を右壁面に固定する。
【0028】
その際、リモコン保持部55の右側接点スイッチ56R(取付け壁認識手段)は、リモコン保持突出部65Rに設けられた右突出部66R(取付け壁示唆手段)により押下される。この右側接点スイッチ56R(取付け壁認識手段)の押下は、リモコン装置70に設けられた制御手段38(図5参照)により検出され、リモコン装置70は、右壁面に設置されたことの方向情報を検出することができる。
【0029】
図4は、リモコン装置のもうひとつのリモコン保持具を例示する正面図である。
図4に表したように、リモコン保持具60Lは、保持具本体61、リモコン保持突出部65L、及び取付け穴62を有する。
また、リモコン保持突出部65Lは、左突出部66L(取付け壁示唆手段)を有する。
【0030】
リモコン保持具60Lも、左側の壁や扉等の左壁面にリモコン装置70を設置する際に用い、取付け穴62により、例えば、ねじなどで左壁面に固定する。リモコン装置70のリモコン保持部55をリモコン保持突出部65Lに嵌め込むことにより、リモコン装置70を左壁面に固定する。
【0031】
その際、リモコン保持部55の左側接点スイッチ56L(取付け壁認識手段)は、リモコン保持突出部65Lに設けられた左突出部66L(取付け壁示唆手段)により押下される。この左側接点スイッチ56L(取付け壁認識手段)の押下は、制御手段38(図5参照)により検出され、リモコン装置70は、左壁面に設置されたことの方向情報を検出することができる。
なお、図2〜4においては、リモコン保持部55、リモコン保持突出部65R、65Lが、「逆V字型」形状の場合を例示しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、「逆U字型」形状など他の形状でもよく、リモコン装置70を安定に保持できればよい。
【0032】
また、本実施例においては、右側接点スイッチ56R(取付け壁認識手段)と左側接点スイッチ56L(取付け壁認識手段)とのいずれかを押下することにより、右壁面または左壁面に取付けられたことを検出(取り付け壁示唆手段)している。
【0033】
本実施例においては、図3及び図4に表したように、リモコン装置70の取り付けられる壁に応じて、2枚用意したリモコン保持具60R、60Lを、施工時に使い分ける。こうすることにより、リモコン装置70を取り付けた壁の方向に応じて、最適なスイッチ配列に設定することが可能となる。
【0034】
図5は、図1及び図2に表したリモコン装置70の回路構成を例示するブロック図である。
図5に表したように、リモコン装置70は、操作入力手段31、表示手段32、取付け壁認識手段35、記憶手段36、通信手段37、制御手段38を有する。
【0035】
制御手段38は、マイクロコンピュータ(以下、マイコン)を有し、リモコン装置70を制御するとともに、赤外線信号39を送信して外部機器(図示せず)を制御する。操作入力手段31は、制御手段38により制御され、リモコン装置70の操作入力手段、例えばスイッチの押下を制御手段38に入力する。例えば、図1に例示したリモコン装置70のスイッチ10a〜fの押下を制御手段38に入力する。
【0036】
取付け壁認識手段35は、リモコン装置70が、右壁面、左壁面のいずれに設置されたかを認識する手段であり、制御手段38により制御される。すなわち、図3及び図4に表したように、右側接点スイッチ56R、左側接点スイッチ56Lなどにより構成される。
【0037】
表示手段32は、操作入力手段31及びリモコン装置70の状態を表示するもので、制御手段38により制御され、例えば液晶表示部などにより構成される。
通信手段37は、リモコン装置70が操作入力手段31の操作入力手段に対応する制御情報を外部機器に送信するもので、本実施例においては、赤外線信号39を送信する場合を例示している。
【0038】
記憶手段36は、リモコン装置70の設置状態に関する方向情報を記憶するもので、制御手段38により制御される。例えば、EEPROMなどにより構成される。なお、記憶手段36は、リモコン装置70の電源をオフした状態でも記憶内容を保持する不揮発性の記憶手段である。また、制御手段38は、方向情報などを保持するRAMを有する。
【0039】
制御手段38は、操作入力手段31、取付け壁認識手段35及び記憶手段36からの入力に応じて、表示手段32の表示を制御し、記憶手段36に設置状態に関する方向情報を記憶し、制御情報を通信手段37を介して、赤外線信号39を送信する。
なお、本実施例においては、表示手段32及び記憶手段を有する場合を例示しているが、これらはなくてもよい。
【0040】
図6は、図1及び図2に表したリモコン装置のスイッチ配列の変更動作を説明するフローチャートである。
図6に表したように、リモコン装置70は、以下に説明する制御手段38の処理ステップにより取付け壁に関する方向情報を検出する。
【0041】
まず、制御手段38は、取付け壁認識手段35(右側接点スイッチ56R、左側接点スイッチ56L)の入力により、壁に取付けられたか否かを検出する(ステップS1)。
【0042】
右側接点スイッチ56R(取付け壁認識手段)、左側接点スイッチ56Lのいずれかが押下されていれば、壁に取付けられた状態と認識して、次のステップS2に進む。右側接点スイッチ56R(取付け壁認識手段)、左側接点スイッチ56Lのいずれも押下されていない場合は、壁に取付けられていない状態と認識して、始めの状態に戻り、ステップS1を繰り返す。
【0043】
ステップS2においては、右側接点スイッチ56R(取付け壁認識手段)が押下されているか否かを判定し、押下されている(Y)場合は、ステップS3に進み、押下されていない(N)場合は、ステップS4に進む。
ステップS3においては、操作入力手段31のスイッチ配列をリモコン装置70が右壁面に設置された場合の配列、すなわち右配列に設定し、右壁面に設置されたことの方向情報を制御手段38の内部に保持し、かつ記憶手段36に記憶する。そして、ステップS5に進む。
【0044】
ステップS4においては、操作入力手段31のスイッチ配列をリモコン装置70が左壁面に設置された場合の配列、すなわち左配列に設定し、左壁面に設置されたことの方向情報を記憶手段36に記憶する。そして、ステップS5に進む。
ステップS5においては、リモコン装置70が表示手段32を有するか否かを判定し、し有する場合は、ステップS6に進み、表示手段32を有しない場合は、処理を終了する。
ステップS6においては、方向情報に基づいて、表示手段32の表示を変更して終了する。
【0045】
このように、リモコン装置70が、記憶手段36を有する場合は、リモコン装置70を壁面から取り外したときに、リモコン装置70の取り付けに関する方向情報を記憶することができる。例えば、電池交換の際や、使用者が手に持ってのリモコン装置70を操作する時に、リモコン装置70を壁面から取り外しての操作等も考えられる。リモコン装置70が壁面から取り外されている際には、最後に取り付けられた壁状況に関する方向情報を、リモコン装置70が次に壁面に取り付けられるまで記憶することができる。これにより、操作性が向上する。
【0046】
さらに、リモコン装置70を壁面から取り外したときに、所定時間だけリモコン装置70の取り付けの方向情報を記憶することができる。例えば、電池交換や使用者が手に持ってのリモコン装置70の操作時に、リモコン装置70を壁面から取り外しての操作も考えられる。リモコン装置70が壁面から取り外されている際には、所定時間(例えば5分)、最後に取り付けられた壁状況に関する方向情報を、記憶することもできる。この所定時間は、所定の操作にて変更することも可能である。例えば、操作入力手段のスイッチ10a〜fの2重押しなどで、この時間を設定するモードに入り、さらに操作入力手段のスイッチ10a〜fにより時間を設定することができる。これにより、操作性が向上する。
【0047】
図7は、リモコン装置の他のリモコン保持具を例示する正面図である。
図7に表したように、本具体例のリモコン保持具60aは、保持具本体61、リモコン保持突出部65a、取付け穴62、「ミギ(右)」表示63及び「ヒダリ(左)」表示64を有する。なお、ミギ表示63とヒダリ表示64とは、互いに上下逆に設けられている。そのため、例えば、ミギ表示63が正しく読み取れるように、リモコン保持具60aを配置した場合、ヒダリ表示64は上下逆の状態となる。同様に、ヒダリ表示64が正しく読み取れるように、リモコン保持具60aを配置した場合、ミギ表示63は上下逆の状態となる。
【0048】
また、リモコン保持突出部65aは、右突出部66R(取付け壁示唆手段)及び左突出部66L(取付け壁示唆手段)を有する。ミギ表示63及びヒダリ表示64と同様に、右突出部66R(取付け壁示唆手段)と左突出部66L(取付け壁示唆手段)とは、互いに上下逆に設けられている。そのため、例えば、ミギ表示63が正しく読み取れるように、リモコン保持具60aを配置した場合、右突出部66R(取付け壁示唆手段)が上方を向き、図3に表したリモコン保持具60Rと同様に機能する。
【0049】
リモコン保持具60aは、壁や扉等の壁面にリモコン装置70を設置する際に用い、取付け穴62により、例えば、ねじなどで右壁面または左壁面に固定する。その際、右壁面に設置する場合は、ミギ表示63が正しく読み取れるように配置して設置する。リモコン装置70のリモコン保持部55をリモコン保持突出部65aに嵌め込むことにより、リモコン装置70を右壁面に固定する。その際、リモコン保持部55の右側接点スイッチ56R(取付け壁認識手段)は、リモコン保持突出部65aに設けられた右突出部66R(取付け壁示唆手段)により押下される。この右側接点スイッチ56R(取付け壁認識手段)の押下は、制御手段38により検出され、リモコン装置70は、右壁面に設置されたことの方向情報を検出することができる。
【0050】
同様に、リモコン保持具60aを、例えば、ヒダリ表示64が正しく読み取れるように、リモコン保持具60aを配置した場合、左突出部66L(取付け壁示唆手段)が上方を向き、図4に表したリモコン保持具60Lと同様に機能する。
この場合、リモコン装置70がリモコン保持具60aにより、左壁面に設置されたことの方向情報を検出する原理は、上記のリモコン保持具60Lと同様なので説明を省略する。
【0051】
図8は、リモコン装置の他のリモコン保持具を例示する正面図である。
図8に表したように、リモコン保持具60bは、保持具本体61、リモコン保持突出部65b及び取付け穴62を有する。
【0052】
リモコン保持突出部65bには、右突出部66R及び左突出部66Lを設け、さらに、それらの根元に、右突出部66R及び左突出部66Lを切り取るための補佐手段67R、67Lが設けられている。補佐手段67R、67Lは、例えば、切り込みやノッチなどとすることができる。
【0053】
リモコン保持具60bは、壁や扉等の壁面にリモコン装置70を設置する際に用い、取付け穴62により、例えば、ねじなどで右壁面または左壁面に固定する。その際、例えば、右壁面に設置する場合は、補佐手段67Lにより左突出部66Lを切り取って用いる。 リモコン装置70のリモコン保持部55をリモコン保持突出部65bに嵌め込むことにより、リモコン装置70を右壁面に固定する。
【0054】
その際、リモコン保持部55の右側接点スイッチ56R(取付け壁認識手段)は、リモコン保持突出部65bに設けられた右突出部66R(取付け壁示唆手段)により押下される。この右側接点スイッチ56R(取付け壁認識手段)の押下は、制御手段38により検出され、リモコン装置70は、右壁面に設置されたことの方向情報を検出することができる。
【0055】
同様に、リモコン保持具60bを、左壁面に設置する場合は、補佐手段67Rにより右突出部66Rを切り取って用いる。制御手段38が、方向情報を検出する原理は上記と同様なので説明を省略する。
なお、図7及び図8に例示したリモコン保持具60a、60bにおいては、取り付け穴62を、上方に1つ、下方に2つ設けたが、図3、4に表したリモコン保持具60R、60Lと同様に、上方に2つ、下方に1つ設けてもよい。
【0056】
図9は、本発明の実施形態に係る便座装置を設置したトイレ空間を例示する斜視図である。
図9に表したように、本実施例の便座装置80は、リモコン装置70及び便座本体91とを有する。
【0057】
図9においては、リモコン装置70が便座本体91に座った使用者からみて右手側に取り付けられた状態を表している。便座本体91は、赤外線受光部92を有し、便器本体90の上に設置され、リモコン装置70により制御される。リモコン装置70は、右壁面95Rにリモコン保持具60Rにより設置されている。
【0058】
リモコン装置70は、リモコン保持具60Rに取り付けられた際に、右突出部66Rが右側接点スイッチ56Rを押下した状態となる。リモコン装置70は、制御手段38により、使用者の右手側の右壁面95Rに取り付けられたことの方向情報を検出し、記憶手段36を有するリモコン装置70の場合、記憶手段36に方向情報を記憶する。
【0059】
制御手段38は、方向情報を元に、操作入力手段31のスイッチ配列の再配列を行い、例えば、リモコン装置70に向かって、左側が「前スイッチ」、同じく右側が「後スイッチ」へと内部的に変更する。表示手段32を有するリモコン装置70の場合は、同時に表示手段32への表示内容も変更する。また、このスイッチ配列、及び表示内容は、記憶手段36を有する場合は、記憶手段36に記憶される。
【0060】
リモコン装置70は、再配列されたスイッチ配列に従って、操作入力手段31の操作入力手段を操作情報として赤外線発光部59に送信し、便座本体を制御する。
なお、本実施例においては、リモコン保持具60R、リモコン装置70を用いた便座装置80を例示したが、リモコン保持具60a、60bを用いることもできる。
【0061】
図10は、本発明の実施形態に係る便座装置を設置したトイレ空間を例示する他の斜視図である。
図10に表したように、本実施例の便座装置80は、リモコン装置70及び便座本体91とを有する。
図10においては、リモコン装置70が便座本体91に座った使用者からみて左手側に取り付けられた状態を表している。便座本体91は、赤外線受光部92を有し、便器本体90の上に設置され、リモコン装置70により制御される。リモコン装置70は、左壁面95Lにリモコン保持具60Lにより設置されている。
【0062】
リモコン装置70は、リモコン保持具60Lに取り付けられた際に、左突出部66Lが、左側接点スイッチ56Lを押下した状態となる。リモコン装置70は、使用者の左手側の左壁面95Lに取り付けられたことの方向情報を検出し、記憶手段36を有するリモコン装置70の場合、記憶手段36に方向情報を記憶する。
【0063】
制御手段38は、方向情報を元に、操作入力手段31のスイッチ配列の再配列を行い、例えば、リモコン装置70に向かって、左側が「後スイッチ」、同じく右側が「前スイッチ」へと内部的に変更する。表示手段32を有するリモコン装置70の場合は、同時に表示手段32への表示内容も変更する。また、このスイッチ配列、及び表示内容は、記憶手段36を有する場合は、記憶手段36に記憶される。
【0064】
このように、便座装置80によれば、使用者が温水洗浄便座などの機器をリモコン装置にて遠隔操作する際の操作性が向上し、違和感なく操作することができる。
また、リモコン装置70が、表示手段32を有する場合は、取り付け位置により、リモコン装置70の表示を適正に変更することができ、操作性がさらに向上する。
【0065】
例えば、液晶などの表示装置を備えていた場合、リモコン装置70が使用者の右手側の壁や使用者の左手側の壁に取り付いていることを認識した際に、取り付け壁状況に伴い液晶上の「強く」「弱く」等の文字配列や、液晶のピクトグラム表示などを変更することができる。
【0066】
また、リモコン装置70が、記憶手段36を有する場合は、リモコン装置70をリモコン保持具60L、60Rから取り外したときに、リモコン装置70の取り付けに関する方向情報を記憶することができる。例えば、電池交換の際や使用者が手に持ってのリモコン装置70を操作する時に、リモコン装置70をリモコン保持具60L、60Rから取り外しての操作等も考えられる。リモコン装置70がリモコン保持具60L、60Rから取り外されている際には、最後に取り付けられた壁状況に関する方向情報を、リモコン装置70が次にリモコン保持具60L、60Rに取り付けられるまで記憶することができる。これにより、操作性が向上する。
【0067】
さらに、リモコン装置70をリモコン保持具60L、60Rから取り外したときに、所定時間だけリモコン装置70の取り付けの方向情報を記憶することができる。例えば、電池交換や使用者が手に持ってのリモコン装置70の操作時に、リモコン装置70をリモコン保持具60L、60Rから取り外しての操作も考えられる。リモコン装置70がリモコン保持具60L、60Rから取り外されている際には、所定時間(例えば5分)、最後に取り付けられた壁状況に関する方向情報を、記憶することもできる。この所定時間は、所定の操作にて変更することも可能である。これにより、操作性がさらに向上する。
【0068】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、リモコン装置及び便座装置を構成する各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0069】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施形態として上述したリモコン装置及び便座装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのリモコン装置及び便座装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0070】
10a〜f 入力スイッチ(操作入力手段)、 20a〜n 表示、 31 入力手段、 32 表示手段、 35 取付け壁認識手段、 36 記憶手段、 37 通信手段、 38 制御手段、 39 赤外線信号、 50 リモコン筐体、 51 電池蓋、 52、55 リモコン保持部、 、 56L 左側接点スイッチ(取付け壁認識手段)、 56R 右側接点スイッチ(取付け壁認識手段)、 59 赤外線発光部、 60a〜R リモコン保持具、 61 リモコン保持具本体、 62 リモコン保持具取付け穴、 63、64 リモコン保持具取付け用表示、 65a〜R リモコン保持部、 66L 左突出部、 66R 右突出部(取付け壁示唆手段)、 67L〜R 補佐手段、 70 リモコン装置、 90 便器本体、 91 便座本体、 92 赤外線受光部、 95R 右壁面、 95L 左壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力手段と、
取り付け方向に関する方向情報を取得可能な取り付け壁認識手段と、
通信手段と、
前記操作入力手段からの入力に基づいて前記通信手段から操作情報を送信させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記方向情報に応じて前記操作入力手段に対応する前記操作情報の割り当てを取替えることを特徴とするリモコン装置。
【請求項2】
取り付け壁示唆手段を有するリモコン保持具をさらに備え、
前記取り付け壁認識手段は、前記取り付け壁示唆手段により前記方向情報を入力することを特徴とする請求項1記載のリモコン装置。
【請求項3】
前記リモコン保持具から取り外したときに、最後に取得した前記方向情報を、次に前記リモコン保持具に取り付けられるまで記憶することを特徴とする請求項2記載のリモコン装置。
【請求項4】
前記リモコン保持具から取り外したときに、最後に取得した前記方向情報を、所定時間記憶することを特徴とする請求項2記載のリモコン装置。
【請求項5】
前記所定時間を所定の操作方法で変更可能としたことを特徴とする請求項4記載のリモコン装置。
【請求項6】
表示手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記方向情報に応じて、前記表示手段の表示を切替えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のリモコン装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載のリモコン装置と、
前記通信手段から送信された前記操作情報を受信する便座本体と、
を備えたことを特徴とする便座装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−229754(P2010−229754A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80205(P2009−80205)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】