説明

リモートコントロール装置

【課題】動作状態を適切に見やすく表示し、少ないキーで構成され、操作、設定が容易に可能なリモートコントロール装置を得る。
【解決手段】リモートコントロール装置1であって、表示信号に基づく表示を行う表示パネルを有する液晶表示部2と、押下されると操作信号を送信するファンクションキー部4と、ファンクションキーによる機器の動作状態に合わせた操作内容を、表示パネル内のファンクションキーの近傍に表示させる表示信号を液晶表示部2に送信する制御処理手段100とを備え、制御処理手段100は、隣り合うファンクションキーによる操作内容が同類の処理に関するものであるときには、操作内容の表示を複数の隣り合うファンクションキーの横寸法に合わせて一体化して液晶表示部2に表示させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ドットマトリクス方式の表示パネルを有する表示手段と、ファンクションキーおよび固定キーとを備え、空気調和機、冷熱機器、給湯機等に対する操作、設定入力、状態表示等を行うためのリモートコントロール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば空気調和機等の室内機は室内の高い位置に設けられていることが多い等、操作・設定者(以下、使用者という)が操作等を行おうとする空気調和機、冷熱機器、給湯機等の機器(以降、空気調和機等と記載する)は、使用者から遠隔な場所に設置されている場合が多い。そのため、運転/停止、モード切換等の操作、スケジュールの設定等、動作のための設定等を行うためにリモートコントロール装置を設置するのが一般的である。リモートコントロール装置には、例えば表示部として液晶表示手段やLED表示手段が設けられている。ここで、多くの液晶表示手段では空気調和機等の動作状態や運転条件の設定に必要な文字や図柄の表示のパターンが予め固定的に印刷されており、決まった位置に決まった表示しか行うことができない。また、LED表示手段には点灯する部分がセグメントで固定されており、表示可能な内容が数字、小数点、一部の英文字に限定されている。また、一部の液晶表示エリアをドットマトリクス表示とし、限られた部分のみ自由に表示可能なリモートコントロール装置もある。
【0003】
これらのリモートコントロール装置は、1台の空気調和機等の室内機に対して1台もしくは複数台、あるいは複数の室内機に対して1台もしくは複数台接続され、例えばフロアごと、間仕切りごとに壁などに取り付けられる。リモートコントロール装置には運転/停止ボタン、運転モードボタン、風向ボタン、風速ボタン等、多くのボタン(キー)が配置されている。そして、各ボタンの名称や操作・設定内容(以下、操作内容という)が分かるように、各ボタンあるいはボタン周辺には、文字などの印刷がなされており、使用者は印刷された文字を見て室内機の運転/停止、運転モード、風向、風速等、希望の操作等を専用ボタンによって行う。例えば現在の室内機の動作状態が「運転、23℃、冷房、風向下」であった場合、「運転、25℃、暖房、風向上」に変更するためには設定温度増加ボタンを2回押下(23℃→24℃→25℃)、運転モードボタンを3回押下(冷房→ドライ→送風→暖房)、風向ボタンを1回押下(風向下→風向上)というようにして操作・設定(以下、操作という)する。
【0004】
一方で、室内機のスケジュール設定メニューへ移行、試運転、リモートコントロール装置本体に対する動作の詳細な設定等を行う場合は、専用ボタンが無いことが多い。例えばリモートコントロール装置本体の設定へ移行する場合は運転切換ボタンとタイマ入切ボタンの2つを3秒以上同時に押すというように意味が異なるボタンを同時に押して設定メニューを切替えるものがある(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、表示部の下部に固定スイッチを配備してそのスイッチ名称を表示部に表示させ、所望のスイッチ名称が得られない場合は所望の表示がされるまで、固定スイッチとは別のメニュー切換キーを押下し、所望のスイッチ名称が得られた場合は表示部下部の固定スイッチで設定項目を選択し、別に配備されたアップキー、ダウンキーによって設定値を変更するリモートコントロール装置がある(例えば特許文献2参照)。
【0006】
そして、昨今では、携帯電話等に普及が見られる上下左右キーと中央に押しボタンが付いている十字キーが配備されているリモートコントロール装置もあり、表示切替や変更したい設定項目メニュー表示に焦点を当てるためにこの十字キーの所定方向部分を押下し、目的の設定メニューに焦点を当てた状態で中央の押しボタン(決定キー)を押して設定画面に移行し、そこで目的の操作を行うものもある。
【0007】
一方、建物全体や事務所単位の空気調和機の全てをシステム的に統合管理するシステムリモートコントロール装置ではタッチパネルを供えた液晶表示部やCRT表示部を設けたものが用いられるようになっている。このようなシステムリモートコントロール装置においては物理的なボタンの代わりに、表示画面に操作用のソフトキーを表示する。使用者がこのソフトキーの表示領域を押下するとタッチパネルにより、入力およびその押下位置を検出して、空気調和機全てもしくは一部の動作状態を設定することができるようにしている。また、表示される画面によってこれらのソフトキーの数、位置、種類が変わるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−29687号公報(図1)
【特許文献2】特開平2−264597号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、多くの専用ボタンを配置したリモートコントロール装置では、希望の操作を専用ボタンを押下して行うことが可能であるが、ボタン数が多いということは、物理的にはどのボタンも押せる状態となる。そのため、どのボタンが現在有効なボタンであるかを使用者が考えながら押下して操作する必要があり、使用者は希望する操作とは無関係なボタンや無効なボタンを押してしまうこともあった。
【0010】
また、多くのボタンが露出しているとデザイン性を損ねることから、使用頻度が少ないボタンはカバー等で覆われていることが多く、カバーを開けてボタンを押下する必要があることから操作性が悪くなっていた。
【0011】
また、リモートコントロール装置本体の設定等、操作対象の空気調和機等の動作状態に係る操作以外の設定操作等を行う場合は専用ボタンが無く、例えば意味の異なる2つのボタンを同時押しして専用の設定モードに移行する等の操作を行う必要があるため、使用者は、ボタンまたはボタン周辺に印刷された文字等を見て、この操作を連想することは難しく、手元に説明書が無いと操作ができなかった。
【0012】
さらに、操作対象の空気調和機等の動作状態の設定項目を追加する場合、追加する項目の数だけボタンを追加しなければならない場合もあった。そのため、ボタン増加により専用ボタンを探すのが煩雑となり、またボタンを増加するためにケースの型変更を余儀なくされ、型費用の発生、開発期間の増加を招いていた。
【0013】
そして、表示部が固定表示であった場合に、例えば従来の室内機の風向種類が水平、下45°、下90°の3種類から風向に下30°が追加されたような場合、リモートコントロール装置の表示部である液晶に下30°の文字、図柄等の印刷を追加しなければならず、そのための表示手段を新規に製造しなおす必要があった。このため、液晶製造に関わる費用の発生、開発期間の増加を招き、また、既存の表示の隙間に表示を追加するため、表示密度の増加で表示部のデザイン性が悪化しさらに追加した表示が小さく見えにくいものとなっていた。また、表示の隙間が無い場合は既存の表示レイアウトを見直す場合さえ発生し得た。
【0014】
また、上述した特許文献2のリモートコントロール装置ではメニュー切換キーが別に設けられ、所望のスイッチ名称が表示部に表示されない場合、所望の名称の有無がメニュー切換キーを押下し続けて操作しないと分からない。また、表示部下部の固定キーで設定項目を選択した後、設定値を変更するのはそれらの固定キーではなく、離れた場所にある別のアップキー、ダウンキーを押下して操作しなければならず、押下するスイッチの場所が分散していることにより使用者の混乱を招く可能性があった。
【0015】
十字キーを配備したリモートコントロール装置は、携帯電話等の普及により操作方法としては慣れ親しんだものであり、手に持って操作する機器では手に持つ角度を調整することにより操作しやすいものである。しかし、空気調和機等で用いる壁に固定して取り付けるようなタイプのリモートコントロール装置ではキーの位置を自由に動かせず、角度を変えることができないため、特に十字キーの上下方向を押しづらく、操作性が悪くなる。
【0016】
タッチパネル付きの液晶やCRT表示部を備えたリモートコントロール装置は、表示デザインの自由度が高く、機能の追加に対して液晶の新規製造が発生せず柔軟な対応が可能である。しかしながら、情報等を表示する部分とソフトキーを表示する部分とが表示部に混在するため、ユーザーフレンドリーなデザインの検討時間を要する。また、画面が切替わるとソフトキーの位置、サイズが変わることがあり、使用者の困惑を招いていた。さらに、ソフトキーのサイズは誤操作防止のため、ある程度の大きさ(面積)を確保する必要がある。そのため、画面が小さいとソフトキーの専有面積確保のためせっかくのデザイン自由度が犠牲となる。また、タッチパネル構造によりコストが高くなる。通常のスイッチと違い押下時の感触が希薄で、タッチパネル上のソフトキーを押したかどうかの感触を使用者にフィードバックできないこともディメリットであった。
【0017】
この発明は上記の事情を考慮したもので、その目的とするところはタッチパネルや大きな表示デバイスを使用しなくても、操作対象である空気調和機および冷熱機器の動作状態を適切に見やすく表示し、しかも少ないキーで構成されてデザインが良く、説明書が手元に無くても意図した操作、設定が容易に可能なリモートコントロール装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係るリモートコントロール装置は、空気調和機、冷熱機器および/または給湯機に係る機器に対して設けられるリモートコントロール装置であって、表示信号に基づく表示を行う表示パネルを有する表示手段と、押下されると操作信号を送信する複数のファンクションキーと、機器における動作状態を文字および/または図柄で、表示パネル内のメイン表示部分に表示させるとともに、ファンクションキーによる機器の動作状態に合わせた操作内容を、表示パネル内のファンクションキーの近傍となる操作ガイド部分に表示させる表示信号を表示手段に送信する制御処理手段とを備え、制御処理手段は、隣り合うファンクションキーによる操作内容が同類の処理に関するものであるときには、ファンクションキーの操作内容の上位概念の内容を示す文字を中央に表示させるように隣り合うファンクションキーの操作内容の表示を、複数の隣り合うファンクションキーの横寸法に合わせて一体化して、表示手段の操作ガイド部分に表示させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数の専用キー(ボタン)ではなく、画面表示の内容によって異なる操作内容を割りあてることができるファンクションキーの操作を行えるようにしたので、キーの数を少なくできる。また、使用者はどのボタンを押して良いのか混乱することなく、そのときに有効なファンクションキーを押下することにより正確な操作が可能となる。また、ファンクションキーの操作内容は表示手段の表示パネルに表示されるため、操作方法を知らなくても容易に操作が可能となる。また、動作状態に合わせた形でファンクションキーの操作内容が表示されるため、使用者は動作状態を確認しながらファンクションキーの操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1に係るリモートコントロール装置1の外観図である。
【図2】リモコンの別の外観例を表す図である。
【図3】各キーの構造例を表す図である。
【図4】リモコン1を用いたシステム構成を示す図である。
【図5】他のメイン画面20とファンクションキー部4との例を表す図である。
【図6】操作による液晶表示部2の表示変化例を表す図である。
【図7】空気調和装置等の設置時における本体設定に係る画面を表す図である。
【図8】制御処理手段100の制御例を表すフローチャートである。
【図9】実施の形態2に係る液晶表示部2に表示される画面を表す図である。
【図10】実施の形態3に係る液晶表示部2に表示される画面を表す図である。
【図11】実施の形態4に係る液晶表示部2に表示される画面を表す図である。
【図12】実施の形態5に係る液晶表示部2に表示される画面を表す図である。
【図13】バックライトを搭載した液晶表示部2aの画面20を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係るリモートコントロール装置1の外観図である。本実施の形態では、空気調和装置の室内機と通信を行うリモートコントロール装置1について説明する。リモートコントロール装置1(以下、リモコン1と記載する)には、空気調和機等の機能や状態等を表示するドットマトリクス表示方式の表示パネルを有する液晶表示部2、使用者に押下されたときに送信する操作信号の意味付けが変わることにより、複数の機能、設定に対応した処理をするためのファンクションキー4a〜4dを備えたファンクションキー部4および液晶表示部2に表示される操作内容によらず、常に一定の機能に対応した処理をする操作信号を送信する固定キー5a〜5dを備えた固定キー部5をケース(筐体)表面に配備している。
【0022】
液晶表示部2の表示パネルには、例えば図1に示すようなメイン画面20を表示する。メイン画面20においては、空気調和機等の機能や動作状態等を文字、絵柄(アイコン、ピクトグラム、絵文字)等で表示するメイン表示部分とともに、ファンクションキー部4の位置に合わせて、メイン表示部分の下部分に、ファンクションキー4a〜4dに係る操作内容を表示することができる(以下、この表示部分を操作ガイド3と記載する)。このとき、メイン表示部分に表示している状態等の内容と操作ガイド3に表示している操作内容とは関連しているものとする。
【0023】
また、本実施の形態のファンクションキー部4には、4個のファンクションキー4a〜4dを配備している。ただし、ファンクションキーの数はこれに限定するものではない。ファンクションキー4a〜4dは、長方形のキーであり、表示パネルの一辺に沿って設けられている。そして、ファンクションキー4a〜4dと操作ガイド3のファンクションキー4a〜4dのそれぞれの操作内容を表示している部分との横(長手方向)寸法および縦並びの位置は、関連性を分かりやすくするためにほぼ一致させている。さらに操作ガイド3とファンクションキー部4との隙間は大きすぎると使用者が関連性をイメージし難くなるため、関連性をわかりやすくするように、10mm以下とすることが望ましい。また、リモコン1の内部構造上、障害物などがあり、隙間を狭めることが困難な場合は、後述する図2のように、各ファンクションキー4a〜4dを、枠の印字やケースの窪みなどで装飾して擬似的に大きく見せるようにし、操作ガイドと装飾の隙間を10mm以下としても同様の効果を得ることができる。以降、ファンクションキー4a〜4dを区別しない場合にはファンクションキー部4と記載する。
【0024】
ここで、前述したように、操作ガイド3に表示したファンクションキー4a〜4dのそれぞれの操作内容はメイン表示部分の表示内容と同様に変化する。したがって、ファンクションキー4a〜4d等に操作内容を印刷しても、操作ガイド3と印刷した内容とが異なる状態が生じてしまうことになる場合が多い。そのため、本実施の形態のファンクションキー4a〜4dおよびその周辺のリモコン1のケースには操作内容は印刷しないものとする。また、図1では、ファンクションキー部4を液晶表示部2の下部に配備しているので、表示画面においては操作ガイド3をメイン表示部分の下部に表示させるようにしている。しかし、例えば液晶表示部2に対するファンクションキー部4の配置によっては、操作ガイド3を液晶表示部2の上部、または液晶表示部2の左右部分に表示させるようにしてもよい。例えば、左右の場合は、ファンクションキー部4と操作ガイド3とを縦並びの配置にする。
【0025】
固定キー部5には、「メニュー」固定キー5a、「戻る」固定キー5b、「決定」固定キー5cおよび「運転/停止」固定キー5dの4個の固定キーを例として配備している。ただし、固定キーを配備して行う処理内容についてはこれに限定するものではない。ここで、使用者が固定キーを操作した場合の処理内容は固定されて決まっているため、意匠面には予め押下時の操作内容が文字で印刷してある。これらの印刷は図形でも良く、またキー意匠面ではなくキー周辺の他の場所に印刷していてもよい。
【0026】
図2はリモコンの別の外観例を表す図である。本実施の形態では、四角い形状の固定キー5a〜5dをリモコン1の下端に一列に配備するようにしているが、例えば、図2の固定キー5e〜5hのように、下端より中央寄りの位置に配備してもよく、また、ファンクションキーの形状もデザインを変えるため、長方形ではなく、横長の楕円形、円形等にしてもよい。
【0027】
図3はファンクションキー部4および固定キー部5を構成する各キーの構造例を表す図である。図3に示すように、リモコン1のケース(筐体)1aにキートップ30が装着され、プリント基板32上にプッシュスイッチ31が固定されている。キートップ30は図1で示すように外部に露出している。通常はキートップ30とプッシュスイッチ31とは離れた状態になっており、このとき、プッシュスイッチ31はOFF状態となっている。使用者の操作によりキートップ30が押下されると、キートップ30下部の突起部30aがプッシュスイッチ31を押し、プッシュスイッチ31がON状態となり、操作信号を送信する。
【0028】
ここでは、キートップ30がプッシュスイッチ31を押すことにより、操作信号の送信を行うような構造としたが、これに限定するものではない。例えばキートップに電極を埋め込んでおき、キートップが押下されると、プリント基板上に印刷された2本の離れた回路パターンをこの電極が電気的に接続することによって操作信号送信ができるようにすることで、プッシュスイッチを用いない構成としてもよい。
【0029】
図4はリモコン1を用いたシステム構成を示す図である。リモコン1の通信対象となる空気調和機の室内機10とリモコン1とを伝送線11で通信接続する。伝送線11により、室内機10とリモコン1とが各種データを含む信号を送受信するとともに、室内機10がリモコン1へ給電を行っている。したがってリモコン1は室内機10から受電することにより動作を行っている。
【0030】
ここで、リモコン1は、例えばケース(筐体)内に、コンピュータ等からなる制御処理手段100、各種データを記憶する記憶手段101および伝送線11を介して室内機10との間で通信を行うための通信手段102を有している。
【0031】
制御処理手段100は、例えばデータの処理を行い、処理したデータを含む信号を通信手段102に送信させる。また、リモコン1の各手段の制御等を行う。特に、ここではファンクションキー部4および固定キー部5から送信され、入力した操作信号に基づいて処理を行う。また、記憶手段101に記憶された画像データに基づいて表示画面に係る表示信号を作成し、液晶表示部2に送信する。
【0032】
ここで、制御処理手段100については、本実施の形態等で説明する処理を行う専用機器(ハードウェア)として構成することもできる。しかし、ここでは、処理手順をあらかじめプログラム化し、ソフトウェア、ファームウェア等で構成し、制御処理手段100がそのプログラムを実行して処理を行うようにする。そのため処理を変更の際には、プログラムに係るデータを変更することで対応することができる。プログラムに係るデータは例えば記憶手段101に記憶しておくようにする。また、例えば、プログラムに係るデータを室内機10に記憶させておき、後述する立ち上げ処理の際に、室内機10側からの信号に含まれるプログラムに係るデータを記憶手段101に記憶させるようにしてもよい。このようにすれば、制御処理手段100が行う全ての処理のプログラムに係るデータを記憶手段101に記憶する必要がなく、記憶容量の削減を図ることができる。
【0033】
記憶手段101は、制御処理手段101が処理を行うために必要となるデータを一時的または長期的に記憶する。特に、ここでは液晶表示部2に表示させる画面の表示信号を制御処理手段100が作成するための画像データを記憶する。また、上述した制御処理手段100の処理手順のプログラムに係るデータを記憶する。通信手段102は、リモコン1と室内機10との間において、伝送線11を介した通信を行うためのインタフェースとなる手段である。
【0034】
リモコン1の制御処理手段100は、室内機10から受電により動作を開始し、リモコン1の内部チェック処理を行うとともに、室内機10に信号を送信する立上げ処理を開始する。立上げ処理において、室内機10における設定温度範囲、設定可能な運転モード、風速の段階数などの機能、現在の運転状態等のデータを含む信号が伝送線11を介して送信される。通信手段102は信号を受信し、制御処理手段100は、信号に含まれるデータを収集処理して記憶手段101に記憶する。記憶手段101に記憶した室内機10の機能に係るデータは、例えば設定画面における項目、設定する値の表示範囲(設定温度範囲等)を制御処理手段100が判断する処理を行う場合等に反映される。さらに、制御処理手段100は、記憶手段101に記憶した画像データに基づいて、収集した空調機10の運転状態等を表すメイン画面20の表示信号を生成し、液晶表示部2に送信する。
【0035】
そして、図1のような室内機10の現在の運転状態を表示するメイン画面20において、液晶表示部2の下部にファンクションキー部4の操作ガイド3を表示する。以降、液晶表示部2のメイン部分に表示する内容とともに、操作ガイド3の表示内容も変更する。なお、例えば、ファンクションキー部4を押下する必要がない画面など、表示する画面によっては操作ガイド3を表示しない場合もある。ここで、図1のメイン画面20において、液晶表示部2に表示されるメイン表示部分に表示する室内機10の状態等を表す絵柄等と操作ガイド3の各操作内容とについても、関連性をもたせるために縦並び位置を一致させてある。例えば、図1のようなメイン画面20では、ファンクションキー4aは風速切換キーとしての役割を果たすことになる。図1において、ファンクションキー4aの直上部分に位置する操作ガイド3では「風速」の文字を表示している。そして、メイン表示部分では、その文字が表示された直上の位置において風速の動作状態(風速自動)を絵柄等で表示している。
【0036】
次に具体的な画面表示例について説明する。まず、日常的に使用する室内機10に対する操作設定の画面例について説明する。図1の液晶表示部2にはリモコン1の立上げ処理が完了した後の表示例として、室内機10の現在の運転状態(風速:自動、設定温度:23℃、モード:自動運転冷房中)を表示している。また、液晶表示部2の下部にはファンクションキー部4に対応する操作ガイド3を表示しており、ファンクションキー4aに対応する部分には「風速」の文字を表示している。この表示がされているときのファンクションキー4aは風速切換キーとしての役割を果たすことになる。同様に、操作ガイド3のファンクションキー4bに対応する部分には「−」の文字を表示しており、このとき、ファンクションキー4bは設定温度減少キーの役割を果たす。また、ファンクションキー4cに対応する部分には「+」の文字を表示しており、ファンクションキー4cは設定温度増加キーの役割を果たす。そして、ファンクションキー4dに対応する部分には「モード」の文字を表示しており、ファンクションキー4dは運転モード切換キーの役割を果たす。
【0037】
図5は他のメイン画面20とファンクションキー部4との例を表す図である。上述した図1では、ファンクションキー4bおよび4cに対応する操作ガイド3はそれぞれ独立したものにした。しかし、図5に示すように、隣接するファンクションキーが類似した意味をもつような場合(例えば対になる場合)には、操作ガイド3内の設定温度ガイド6のように、複数のファンクションキーの横寸法に合わせて表示し、さらに中央にファンクションキー押下時の上位概念(図5では「温度」)となる文字などを表示すればさらに分かりやすい表示となる。
【0038】
図6は、操作による液晶表示部2の表示変化例を表す図である。図6では、代表例としてファンクションキー4aを操作した場合の動作について説明する。図1は室内機10の風速は「自動」で運転している状態である。このときファンクションキー4aは風速切換キーとしての役割を果たす。使用者がファンクションキー4aを1回押下するごとに、制御処理手段100には操作信号が入力される。そして、操作信号に基づいて表示する内容を判断して対応する表示信号を送信する。これにより、例えば図6のように液晶表示部2における風速表示が「自動」から「弱」、「中」、「強」、「自動」とサイクリックに切り替わる。ここで、ファンクションキー4aを1回1回押下しなくても、押下した状態を継続すれば風速表示の切替速度が加速してサイクリックに切り替わっていくようにしてもよい。
【0039】
例えば、制御処理手段100は、一定時間ファンクションキー4aの押下がない(信号が送信されない)と判断すると、操作を確定し、確定した風速設定データを含む信号を伝送線11を介して室内機10に送信する。室内機10は信号を受信すると、信号に含まれる風速設定データに従って風速を切換える処理を行う。以下、リモコン1から室内機10への設定に係る信号送信については、同様の通信がなされる。
【0040】
また、同様に、設定温度減少キーとなるファンクションキー4bを押下すると、液晶表示部2が表示する設定温度の数字が減少し、逆に設定温度増加キーとなるファンクションキー4cを押下すると設定温度の数字が増加する。また、運転モード切換キーとなるファンクションキー4dを押下するごとに、「暖房」、「冷房」、「送風」、「自動」と液晶表示部2に表示された運転モードがサイクリックに切り替わる。
【0041】
図7は空気調和装置等の設置時における本体設定用の画面を表す図である。図7に基づいて、初期設定等に必要となるリモコン1本体に係る設定手順等について説明する。リモコン1本体に対して設定できる内容としては、例えば液晶表示部2に表示させる文字(言語)の種類の設定や温度設定可能な温度範囲の制限やいたずら防止のためのボタンロックなど様々なものがある。ここでは代表例として週間スケジュールを設定する方法について説明する。ここで示される週間スケジュールとは、例えば曜日ごとに時間、設定温度、運転/停止、モードなどの設定データのパターンを関連付けて設定し、記憶手段101に記憶するものである。そして、設定した指定曜日および時間になると、制御処理手段100は、関連付けた設定データを含む信号をリモコン1側から室内機10側に送信する。室内機10はリモコン1から受信した設定データに基づいて処理を行い、設定内容の通り動作する。
【0042】
リモコン1において、立上げ処理を完了した後、制御処理手段100は表示信号を送信し、図7のように、液晶表示部2にメイン画面20を表示させる(以後、図7において示されている表示画面は、使用者が押下したキーにより、制御処理手段100が送信した表示信号に基づいて液晶表示部2に表示される画面であるものとする)。前述したように、メイン画面20は、室内機10に対する操作設定をするための画面である。
【0043】
メイン画面20を表示しているときに、使用者が「メニュー」キー5aを押下すると、リモコン1に設定することができる設定項目、および風向、ルーバーなど日常的に室内機10に対して操作頻度が少ない設定項目が表示されたメインメニュー画面21aが表示される。ここで、現在、選択対象となっている項目の横には三角の表示を示す。ファンクションキー4aを押下すると三角表示が下の項目に移動し、ファンクションキー4bを押下すると上の項目に移動する。これに伴い選択対象となる項目も変化する。
【0044】
メインメニュー画面21aの下部には、ファンクションキー部4の操作ガイド3が表示される。画面21aにおいて操作できるのは、三角表示の上下移動のみのため、必要なファンクションキーは4aおよび4bだけでよい。そのため、ファンクションキー4cおよび4dに係る操作ガイド3については表示しない。また、使用者がファンクションキー4cおよび4dを操作(押下)しても制御処理手段100は処理を行わない(無効とする)。なお、ファンクションキー4cおよび4dの操作ガイド3については、画面21bのように、無効時に文字等をまったく表示しない(背景表示する)か、または別の色で操作ガイド3部分を表示するようにしてもよい。
【0045】
使用者は、週間スケジュールを設定するために、ファンクションキー4aを操作して「スケジュール設定」に三角表示を移動させる。画面21bはこの状態の表示を示している。ファンクションキー4aを押下しすぎて「スケジュール設定」を過ぎてしまった場合はファンクションキー4bを押下して三角表示を上に移動させる。
【0046】
使用者が、画面21bの状態において「決定」キー5cを操作(押下)すると、週間スケジュール設定の画面22aが表示される。画面22aは、既に設定されている月曜日のパターン1のスケジュール設定内容であり、午前8時15分に室内機10が現在記憶している運転モードにて設定温度25℃で運転を開始する設定を示している。画面22aの下部にはファンクションキー部4の操作ガイド3が表示される。画面22aが表示されたときには、ファンクションキー4a、4bは、曜日の項目とパターンの項目とを設定対象として選択する三角表示移動のための上下キーとなる。ファンクションキー4c、4dは、画面22aが表示されたときのように、曜日選択時においては横(左右)方向に移動して各曜日の項目を選択するための曜日選択キーの役割を果たす。一方、画面22bが表示されたときのように、パターン番号選択時はパターン番号を変更するためのキーとなる。
【0047】
そして、例えば画面22aが表示されているときに使用者が「決定」キー5cを操作すると、月曜日のパターン1に係る設定画面22cが表示される。ここでは、動作開始時刻、運転/停止、設定温度の設定変更ができるものとする。このとき、画面22cの下部にはファンクションキー部4の操作ガイド3が表示される。ファンクションキー4a、4bは、動作時刻の項目、運転/停止の項目、設定温度の項目を選択する三角表示移動のための上下キーとなる。ファンクションキー4c、4dは、画面22cが表示されたときのように、動作時刻選択時においては、動作時刻の数字を増減させて時刻変更を行うための時刻変更キーの役割を果たす。また、画面22dが表示されたときのように、運転/停止設定時においては、横(左右)方向に移動して運転、停止、−(設定なし)を選択するための設定変更キーの役割を果たす。さらに、画面22eが表示されたときのように、設定温度設定時においては、設定温度の数字を増減させて設定温度変更を行うための設定温度変更キーの役割を果たす。
【0048】
例えば動作開始時刻を午前8時30分、設定温度を27℃に変更する場合、まず画面22cでファンクションキー4dを押下して動作時刻を「8:15」→「8:16」→・・・→「8:30」のように進める。ここで、時刻のような広い範囲で数値変更する可能性がある項目においては、ファンクションキーを継続して押下し続けた場合は、時刻となる数字の進み方が加速するようにしてもよい。
【0049】
次に使用者は、ファンクションキー4aを押下して、設定対象を「動作時刻」から「設定温度」に移動する。そしてファンクションキー4dを押下して設定温度を「25℃」→「26℃」→「27℃」のように変更する。以上のように操作した結果、表示される画面は画面22eのようになる。
【0050】
画面22eが表示されているときに、使用者が決定キー5cを押下すると、変更した月曜日のパターン1のスケジュールを確定し、スケジュール設定更新画面23を表示するとともに記憶手段101に設定データを記憶する。
【0051】
一方、各画面が表示されているときに、使用者が「戻る」キー5bを押下すると、前の画面に戻る。このとき、変更途中であった設定は無効となり、変更前の既存設定値が有効となる。ここで、上位の画面に迅速に戻るようにするために、例えば設定完了画面で使用者が「戻る」キー5bを押下した場合、または各画面で「戻る」キーを継続的に押下し続けた場合等のときには、途中に経過した画面を飛ばしてメインメニュー画面21a、21bまたはメイン画面20に戻るような処理を制御処理手段100が行うようにしてもよい。
【0052】
図8はリモコン1に対する操作に係る制御処理手段100の制御例を表すフローチャートである。図8に基づいて本実施の形態における操作入力処理について説明する。キー入力処理開始により、制御処理手段100は、ステップS1において、ファンクションキー部4および固定キー部5の押下に係る操作信号の入力がなされたかどうかを判別する。操作信号が入力されていないと判断すると、ステップS9におけるメイン処理を行う。メイン処理とは、例えば操作指示処理以外で制御処理手段100が処理すべき定時通信処理、時計処理、スケジュール処理など各種基本処理を総称した処理である。ここでは各処理についての詳細な説明は省略する。
【0053】
一方、ステップS1において、操作信号が入力されたものと判断すると、ステップS2において、どのキーからの操作信号の入力であるかを判断し、その判断に基づいて、液晶表示部2に表示すべき内容を判別して、対応する画面を表示させる処理(画面表示処理)を行う。例えば、メニューキー5aが押下されたものと判断すると、記憶手段101に記憶された画像データ等に基づいて表示信号を作成して送信し、図7に示すメインメニュー画面21aを液晶表示部2に表示させる。
【0054】
さらにステップS3において、ファンクションキー4a〜4dを押下したことによる設定変更に係る操作信号の入力であるかどうかを判別する。これは、設定変更に係る操作信号であれば、変更途中の確定前のデータであるので、一時的に記憶させるだけでよいデータかどうかを判別するものである。設定変更に係る操作信号の入力であると判別すると、ステップS4において一時記憶処理を行う。設定変更でないと判別すると、一時記憶処理を行わずにステップS4をスキップする。例えば、週間スケジュールの時刻設定を変更している途中の操作の場合は、設定時刻が確定していないため、変更中の時刻のデータを一時的に記憶させる。データを記憶させる手段については特に限定するものではないが、ここでは例えば記憶手段101であるものとする。
【0055】
次にステップS5において、押下されたキーが決定キー5cであるかどうかを判別する。確定キー5cであると判別すると、ステップS6において、確定したデータを設定データとして記憶手段101に記憶処理(データ記憶処理)を行う。確定キー5cでなければ、ステップS6をスキップする。
【0056】
ステップS7では、信号に含めて送信すべきであるかどうかを判断する。ファンクションキー部4および固定キー5dの押下による操作信号に基づいて、室内機10に通信して命令すべき設定の有無を判別する。該当する設定と判別した場合はステップ8で通信手段102に室内機10に信号を送信させる処理(通信処理)を実行し、該当が無ければステップS9のメイン処理に戻る。これをキー入力がなされる度に行う。ここで、以上の制御処理手段100の制御処理は一例を示すものであって、実施の形態の動作が達成できる制御であれば他の制御方法でも良い。
【0057】
以上説明したように、本発明の実施の形態1のリモコン1によれば、複数の専用キーではなく、操作信号の意味付けが変更されるファンクションキー4a〜4dで操作できるようにしたので、リモコン1に配備するキーの数を少なくできる。このため、リモコン1の小型化、デザインの向上、配備の自由度を高める等の効果を得ることができる。また、使用者はどのキーを押して良いのか混乱することなく、そのときに有効なファンクションキー4a〜4dの中から押下するキーを選択するだけでよいので、正確な操作が可能となる。特にスケジュール等の設定内容の分類を階層的にした方が操作がわかりやすいことが多いにもかかわらず、実際の操作方法が階層的になっていないことから、本実施の形態のように、特に上下方向等に移動させるためのキーをファンクションキーに割りあてるようにしたことで、使用者は操作を行いやすくなる。
【0058】
また、ファンクションキー4a〜4dの操作内容を液晶表示部2に操作ガイド3として表示するようにしたので、操作方法を知らなくても容易に操作が可能となる。さらに、例えば意味付けの異なる2つ以上のキーを同時押しすることなく、ファンクションキー4a〜4dにて様々な画面に移行することができるため、使用者はどのキーを押して画面を切替えれば良いのか混乱することなく、正確な操作が可能となる。特に空気調和機などと接続されるリモコン1においては、使用者がメンテナンス業者、管理者、居室者と不特定であるにもかかわらず、取扱説明書などが手元にないことが多いため、好適である。
【0059】
さらに、液晶表示部2は、ドットマトリクス方式の表示パネルであり、設定方法がファンクションキーによる操作であるため、仕様追加時や、特に冷熱機器および/または給湯機などの空気調和機とは分野の異なる機種用のリモコンを開発するにあたっても新たに専用キーを追加せず、ファンクションキーに意味付けを追加または変更すれば良いので、固定キー追加やケースの変更をせずにソフトウェアの変更のみで新たな機能が追加または空気調和機とは異なる分野の機種用のリモコンが開発でき、製造コストの低減や、開発期間の短縮が可能となる。
【0060】
実施の形態2.
図9は本発明の実施の形態2に係る液晶表示部2に表示される画面を表す図である。図9において、メイン画面20aは、実施の形態1で説明したメイン画面20において表示していた風速に係る表示の代わりに、風向に係る表示を設定に基づいて行うようにした画面である。また、メイン画面20bは室内機10およびリモコン1の基本的な状態を示す絵柄(画像)を全て表示した詳細画面である。さらにメイン画面20cは運転モードを変更するためのファンクションキー4dの操作内容を消去した(表示しないようにした)画面である。
【0061】
メイン画面20a、メイン画面20bは、実施の形態1で説明したメインメニュー画面21bの「画面表示切替え」メニューにおいて、例えば、実施の形態1で説明した設定手順に即した形で設定した画面である。この設定により、例えばどの表示をメイン画面とするかを設定することができる。制御処理手段100は、その設定に係る設定データを記憶手段101に記憶しておく。そして、設定データに基づいて選択した画像データから表示信号を作成し、液晶表示部2に送信して表示させるようにする。本実施の形態以外のリモコン1の処理動作は実施の形態1で説明した内容と同じである(以降の実施の形態についても同様である)。
【0062】
以上のように実施の形態2のリモコン1によれば、メイン画面に表示する内容を選択可能としたので、リモコン1の設置場所や使用環境に合った表示ができるリモコンを提供することが可能となる。特に画面20cのように、例えば不特定多数の宿泊客に運転モードを変えられることが無いため、ホテル等の室内を設置場所とする場合には好適である。また、設置場所や使用環境によって異なったリモコンを開発する必要がなく、開発負荷の低減に寄与することができる。
【0063】
実施の形態3.
図10は本発明の実施の形態3に係る液晶表示部2に表示される画面を表す図である。図10において、実施の形態2において説明した画面20bは、本実施の形態においては、リモコン1を設置したときの初期状態のときに液晶表示部2に表示される画面であるものとする。そして、画面20b内に表示されている風向表示画像40、ルーバー表示画像41、換気表示画像42はそれぞれ「風向」、「ルーバー」、「換気」の状態を示すものである。
【0064】
制御処理手段100は、例えば予め決められた期間内に1度も無かった操作に係る画像については、メイン画面20bから消去する(メイン画面への表示を行わない)処理を行う(これらの画像を含めない画面の表示信号を液晶表示部2に送信する)。画面20dは風向、ルーバー、換気の操作がなされず、風向表示画像40、ルーバー表示画像41および換気表示画像42がメイン画面20bから消去された画面である。画像を消去した後、例えば操作が1回でもなされた場合、予め決められた期間に複数回の操作がなされた場合等、所定の基準を満たしたものと判断すると、制御処理手段100は、メイン画面に再表示する処理を行う。
【0065】
以上のように実施の形態3のリモコン1によれば、例えば一定期間において、操作に係る頻度が高いと判断した室内機10の状態を表す画像等については液晶表示部2に表示するようにし、低いと判断した画像については消去する(表示しない)ようにしたので、使用環境に合った表示を自動的に行い、使用者にとって表示が見やすいリモコン1を提供することができる。
【0066】
実施の形態4.
図11は本発明の実施の形態4に係る液晶表示部2に表示される画面を表す図である。図11において、実施の形態2において説明した画面20bは室内機10およびリモコン1の基本的な状態を示す絵柄(画像)を全て表示した詳細画面である。例えば、使用者は、室内機10の現在の設定温度を23℃から22℃に変更するためにファンクションキー4b(画面20bのときには設定温度減少キーとしての役割を果たす)を操作する。
【0067】
制御処理手段100は、ファンクションキー4bから送信される操作信号に基づいて、対応する処理を行う。その際、画面20bにおいて表示していた設定温度に係る文字(数字)などの表示以外の表示を消去し、画面20eのように、処理対象とする設定温度に係る表示のみを大きく表示する表示信号を送信し、液晶表示部2に表示させる。このとき、設定温度の増減操作にはファンクションキー4aと4dは使用しないため、操作ガイド3のファンクションキー4aと4dの操作内容を消去する(表示させない)。
【0068】
画面20eはファンクションキー4bまたは4cにより設定温度の操作が一定時間無かった場合、元の画面20bに戻り、一定時間内に操作があった場合は20eの表示を継続する。各画面20bおよび20eにおいてファンクションキーによる設定温度の変更操作があった場合、設定温度の表示が変更されるのは言うまでも無い。
【0069】
以上のように実施の形態4のリモコン1によれば、ファンクションキー部4からの操作信号による処理を行う際、液晶表示部2に処理対象に係る表示を大きくして表示させるようにしたので、操作に係る表示が見やすく、また操作しやすいリモコン1を提供することができる。
【0070】
実施の形態5.
図12は本発明の実施の形態5に係る液晶表示部2に表示される画面を表す図である。図12において、実施の形態1において説明した画面20は、メイン画面を表す。例えば、ファンクションキー4a(この場合は風速切換キー)を押下して、風速の設定を風速自動から風速弱に切換えた場合、液晶表示部2のファンクションキー4aに対応する操作ガイド3の「風速」表示のみを、画面20fと画面20gに示すように、例えば背景と文字の色を入れ換えることにより、規定回数点滅させるようにする。
【0071】
図13はバックライトを搭載した液晶表示部2aの画面20を表す図である。例えば、メイン画面20においてファンクションキー4aを押下して風速の設定を風速自動から風速弱に切換えた場合、画面20hと20iに示すように、バックライトが規定回数点滅させるようにする。
【0072】
以上のように実施の形態5のリモコン1によれば、押下したファンクションキーに対応する操作ガイドの部分が規定回数点滅させたり、液晶表示部2のバックライトを規定回数点滅させたりするようにしたので、ファンクションキーの操作感を使用者に容易にフィードバックでき、操作しやすいリモコン1を提供することができる。
【0073】
実施の形態6.
上述の実施の形態では、リモコン1による操作、状態表示対象を空気調和装置の室内機10としたが、例えば冷凍機、チラー、温水器等の冷熱機器を対象に適用しても良い。また、液晶表示部2の表示パネルとしてドットマトリクス表示方式の液晶表示部としたがコストが許容されれば、有機EL素子等の自己発光型の素子を用いたドットマトリクス表示方式の表示パネルを適用することによって達成しても良い。
【符号の説明】
【0074】
1 リモコン、1a ケース、2,2a 液晶表示部、3 操作ガイド、4 ファンクションキー部、4a,4b,4c,4d ファンクションキー、5 固定キー部、5a,5b,5c,5d 固定キー、6 設定温度ガイド、10 室内機、11 伝送線、20,20a,20b,20c,20d,20e,20f,20g,20h,20i メイン画面、21a,21b,22a,22b,22c,22d,22e,23 画面、30 キートップ、30a 突起部、31 プッシュスイッチ、32 プリント基板、40 風向表示画像、41 ルーバー表示画像、42 換気表示画像、100 制御処理手段、101 記憶手段、102 通信手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機、冷熱機器および/または給湯機に係る機器に対して設けられるリモートコントロール装置であって、
表示信号に基づく表示を行う表示パネルを有する表示手段と、
押下されると操作信号を送信する複数のファンクションキーと、
前記機器における動作状態を文字および/または図柄で、前記表示パネル内のメイン表示部分に表示させるとともに、前記ファンクションキーによる前記機器の動作状態に合わせた操作内容を、前記表示パネル内の前記ファンクションキーの近傍となる操作ガイド部分に表示させる前記表示信号を前記表示手段に送信する制御処理手段と
を備え、
前記制御処理手段は、隣り合う前記ファンクションキーによる操作内容が同類の処理に関するものであるときには、前記ファンクションキーの操作内容の上位概念の内容を示す文字を中央に表示させるように前記隣り合うファンクションキーの操作内容の表示を、複数の隣り合うファンクションキーの横寸法に合わせて一体化して、前記表示手段の前記操作ガイド部分に表示させることを特徴とするリモートコントロール装置。
【請求項2】
前記制御処理手段は、前記ファンクションキー押下が一定時間ないと判断すると、操作を確定することを特徴とする請求項1記載のリモートコントロール装置。
【請求項3】
前記制御処理手段は、送信されても処理を行わない操作信号に係る前記ファンクションキーに対応する表示部分には、操作が無効であることを示すために、設定内容を表示させないまたは有効な設定内容表示と異なる表示を前記表示手段に行わせることを特徴とする請求項1又は2記載のリモートコントロール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−102446(P2013−102446A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−269817(P2012−269817)
【出願日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【分割の表示】特願2008−76187(P2008−76187)の分割
【原出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】