説明

リンク先コンテンツ先読み装置とその方法と、プログラム

【課題】不要なトラヒックの発生を少なくすると共に、ユーザが欲しいウェブページを先読みするリンク先コンテンツ先読み装置の提供。
【解決手段】先読みURL抽出部が、ソースから画像表示部の1画面単位をテキストと画像データのフレームのみとで仮レンダリングし、仮の1画面内に入る予め設定されたキーワードを含むリンク先URLを先読みURLとして抽出し、先読みキャッシュが、先読みURLと対応する画像データを組みにして記憶する。1画面抽出部は、指定されたリンク先URLに対応する画像データをレンダリング結果記憶部又は先読みキャッシュから読み出して画像表示部に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネットワークを介してコンテンツをユーザ装置に表示するに際して、表示されているリンク先のコンテンツを予め取得するリンク先コンテンツ先読み装置とその方法と、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク上のコンテンツ(ウェブページとも称する)、特にハイパーリンクで結ばれたコンテンツをウェブブラウザを用いて閲覧する場合、通常、利用者はネットワーク上のコンテンツへのリンクをクリックすることで、対応するコンテンツを閲覧することができる。
【0003】
ここで、ネットワーク上のコンテンツの取得は、利用者がリンクをクリックした後に行われる。そのため、利用者がリンクをクリックしてから、そのリンクの先にあるコンテンツがユーザ装置内に取得され、利用者に提示されるまでにはいくらかの時間を要する。特にネットワークの回線速度が遅い場合に、この待ち時間は長くなる。
【0004】
そこで、閲覧される可能性のあるコンテンツを予めユーザ装置内に取得することで待ち時間を短縮する先読み技術が、これまでに提案されている。例えば、特許文献1に開示された先読み装置900が知られている。
【0005】
図11に先読み装置900の機能構成を示してその動作を簡単に説明する。先読み装置900は、リンク情報リスト作成部1、リンク情報リスト2、先読み判定部3、先読みリスト作成部4、先読みリスト5、リンク先コンテンツ先読み部6、入力装置8、を有する。
【0006】
先読み判定部3は、カーソル位置取得モジュール31と、先読みエリア算出モジュール32を備える。入力装置8は、先読み装置900の表示上のカーソル位置と連動する例えばマウス等のポインティングデバイスである。
【0007】
カーソル位置取得モジュール31は、アプリケーション上でのカーソルの位置を常時監視し、利用者の閲覧操作(マウス操作)に伴うカーソルの移動軌跡を元に、次に利用者が閲覧する可能性の高いエリアを、先読みエリアとして算出する。先読みリスト作成部4は、先読み判定部3で算出した先読みエリアに含まれるリンクを導出して先読みリストを作成する。リンク先コンテンツ先読み部6は、カーソルの移動に応じて動的に決定してリンク先からコンテンツを取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−85174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の先読み装置900は、カーソルの移動先のリンク先からコンテンツを先読みするので、利用者が取得したくないリンク先からもコンテンツを先読みしてしまい、不要なトラヒックが発生する。また逆に、先読み装置900が、例えばパーソナルコンピュータのように、ある程度の表示画面サイズを備えている場合は、ウェブページ内の利用者の閲覧箇所とカーソル位置とは一対一に対応しないので、先読みすべきリンク先のコンテンツを予め取得できない課題がある。その結果、ユーザが閲覧したいコンテンツのダウンロードは、ユーザの操作(クリック)後に行われるので、コンテンツが表示されるまでの体感時間が増大することになる。
【0010】
この発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ユーザ装置の画面に表示されているリンク先から効率的にコンテンツを先読みするリンク先コンテンツ先読み装置とその方法と、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明のリンク先コンテンツ先読み装置は、リンク先URL抽出部と、ソース取得部と、レンダリング部と、レンダリング結果記憶部と、先読みURL抽出部と、先読みキャッシュと、1画面抽出部と、画像表示部と、を具備する。リンク先URL抽出部は、ソースからリンク先URLを抽出してそのリンク先URLを出力する。ソース取得部は、リンク先URL又は先読みURLを取得して当該URLにアクセスし、そのURLに存在するソースを取得する。レンダリング部は、ソースを画像データに変換する。レンダリング結果記憶部は画像データを記憶する。先読みURL抽出部は、ソースから画像表示部の1画面単位をテキストと画像データのフレームのみとで仮レンダリングし、仮の1画面内に入る予め設定されたキーワードを含むリンク先URLを先読みURLとして抽出する。先読みキャッシュは、先読みURLと対応する画像データを組みにして記憶する。1画面抽出部は、指定されたリンク先URLに対応する画像データを上記レンダリング結果記憶部又は上記先読みキャッシュから読み出して画像表示部に出力する。URLは、Uniform Resource Locatorの略。
【発明の効果】
【0012】
この発明のリンク先コンテンツ先読み装置は、画像表示部の1画面で表示している範囲内のリンク先URLに、予め登録したキーワードが含まれる場合にそのリンク先のウェブページを先読みする。そのキーワードに、ユーザの興味や関心のある対象に関する単語を設定して置くことで、不要なリンク先からの無駄なダウンロードを防止することが可能である。その結果、トラヒック量を削減する効果を奏する。
【0013】
また、ユーザの関心のあるウェブページを事前に取得できるので、ユーザにすぐ見たい情報を提供することが可能である。よって、ユーザに軽快な操作感を提供する効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明のリンク先コンテンツ先読み装置100の機能構成例を示す図。
【図2】リンク先コンテンツ先読み装置100の動作フローを示す図。
【図3】例えばWebサーバ30に存在するソース200の一例を示す図。
【図4】先読みURL抽出部115の機能構成例を示す図。
【図5】先読みURL抽出部115の動作フローを示す図。
【図6】仮レンダリングされた1画面の例を示す図。
【図7】先読みURL抽出部115′の機能構成例を示す図。
【図8】先読みURL抽出部115′の動作フローを示す図。
【図9】、キーワードを基準とした所定の範囲の例を示す図であり、(a)はキーワードの重心位置を中心として所定の半径の円形を所定の範囲にした例、(b)は所定の範囲を楕円とした例を示す図である。
【図10】所定の範囲をキーワードを基準としてx軸方向で負、且つy軸方向で負の矩形形状とした例を示す図。
【図11】特許文献1に開示されている先読み装置900の機能構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。複数の図面中同一のものには同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
【実施例1】
【0016】
図1に、この発明のリンク先コンテンツ先読み装置100の機能構成例を示す。その動作フローを図2に示す。リンク先コンテンツ先読み装置100は、ネットワーク20を介して複数のウェブサーバと通信接続する。図1では、Webサーバ30と40のみを表記している。
【0017】
リンク先コンテンツ先読み装置100は、プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、プログラムやデータを記憶する記憶装置と、これらプログラムを実行するCPUと、CPUが用いるデータ等を記憶するRAMとから成る制御手段120が、機能ブロック110を構成する各機能部の動作手順及び動作タイミングを制御してその機能を実現するものである。通信インターフェース130は無線通信接続も含む。また、リンク先コンテンツ先読み装置100の形態は、大はパーソナルコンピュータ、小は手の平サイズ以下の携帯電話が有り得る。
【0018】
リンク先コンテンツ先読み装置100の機能ブロック110は、リンク先URL抽出部111と、ソース取得部112と、レンダリング部113と、レンダリング結果記憶部114と、先読みURL抽出部115と、先読みキャッシュ116と、1画面抽出部117と、画面表示部118と、を具備する。なお、入力部等の機能ブロックの表記は省略している。
【0019】
リンク先URL抽出部111は、ソースからリンク先URLを抽出して当該リンク先URLを出力する(ステップS111)。最初のリンク先URLは、図示を省略している入力部によって指定される。
【0020】
ソース取得部112は、リンク先URL又は先読みURLを取得して当該URLにアクセスし、そのURLに存在するソースを取得する(ステップS112)。レンダリング部113は、ソース取得部111が取得したソースを画像データに変換する(ステップS113)。
【0021】
レンダリング結果記憶部114は、レンダリング部113が描画した画像データを記憶する(ステップS114)。先読みURL抽出部115は、上記ソースから画像表示部118の1画面単位をテキストと画像データのフレームのみとで仮レンダリングし、仮の1画面内に入る予め設定されたキーワードを含むリンク先URLを先読みURLとして抽出する(ステップS115)。
【0022】
先読みキャッシュ116は、先読みURLと対応する画像データを組みにして記憶する(ステップS116)。1画面抽出部117は、指定されたリンク先URLと対応する画像データをレンダリング結果記憶部114又は先読みキャッシュ116から読み出して画像表示部118に表示する(ステップS117)。
【0023】
このようにリンク先コンテンツ先読み装置100は、画像表示部の1画面で表示している範囲内のリンク先URLに、予め設定されたキーワードが含まれる場合にそのリンク先のウェブページを先読みする。そのキーワードに、ユーザの興味や関心のある対象に関する単語を設定して置くことで、不要なリンク先からの無駄なダウンロードを防止することができる。
【0024】
以降、具体例を示して更に詳しくこの発明を説明する。図3、例えばWebサーバ30に存在するソースの一例をソース200として示す。ソース200は、天気予報サイトのウェブページの例である。
【0025】
リンク先URL抽出部111は、閲覧中のソース200を参照して「<a href」で開始され、「</a>」で終了する文法規則で記載された文を検索する。この文はリンク表示タグ、またはリンクタグなどと呼ばれ、リンクを表示するためのものである。
【0026】
ここでリンクとは、カーソルを合わせることでクリック可能なエリアであって、このエリアは本文と色を異ならせた文字、図、アイコンなどにより表示される。このエリアにカーソルを合わせてクリックすることにより、現在表示中のウェブページとは異なるページにアクセスすることが可能である。
【0027】
リンク表示タグはリンク先URLなどの情報を含む。リンク先URLとは、リンク先ウェブページのソースが保管されている場所を特定する情報である。図3に示したリンク表示タグ230を例に、さらに具体的に説明する。図3に例示したリンク表示タグ230は、リンク先URL231「hokkaido.htm」を含む。「hokkaido.htm」とは、htmlソースファイルの名称である。リンク先URL231ではソースファイルの名称のみが指定され、ソースファイルの所在情報が指定されていないが、この指定はリンクがいわゆるサイト内リンクであって、当該リンクのソースが現在閲覧中のウェブページのソースと同じ箇所に保存されていることを意味する。
【0028】
例えば、リンク表示タグが閲覧中のウェブページのサイト内でない外部のウェブページをリンク先として指定する場合には、当該リンク先URLとして例えば「http://www.example.co.jp」などのようにhttp(ハイパー・テキスト・トランスファー・プロトコル)が先頭についたURLを指定する必要がある。従ってこの場合は、リンク表示タグは「<a href=http://www.example.co.jp>example</a>」などと表記される。このようにリンク先URL抽出部111は、現在ユーザが閲覧中のウェブページのソースを参照して「<a href」で開始され、「</a>」で終了する文法規則で記載された文を検索することにより、閲覧中ウェブページのリンク先URLを抽出することができる。
【0029】
図4に、先読みURL抽出部115のより具体的な機能構成例を示す。先読みURL抽出部115は、1画面内リンク先抽出手段1151と、キーワードリスト1152と、先読みURL抽出手段1153と、を備える。その動作フローを図5に示す。
【0030】
1画面内リンク先抽出手段1151は、ソースから画面表示部118の1画面単位をテキストと、画像データのフレームのみとで仮の1画面を描写する(ステップS1151a)。先ず、ソースから全てのリンク先URLを抽出する(ステップS1151b)。そして、抽出したリンク先URL個々について、仮に描写した1画面内に入るか否かを判定する(ステップS1151c)。1画面内に入るリンク先URLは1画面内URLとされる(ステップS1151d)。1画面内に入らない場合(ステップS1151cのNo)、次のリンク先URLの判定を行う。以上のようにして1画面内に入る1画面内リンク先URLを抽出する(ステップS1151b)。
【0031】
ソース200(図3)を参照して1画面内リンク先抽出手段1151の動作を更に詳しく説明する。1画面内リンク先抽出手段1151は、ソース200から「img src」で開始され、「>」で終了する文法則で記載された文を検索する。この文は、画像表示タグ、又は画像タグ等と称されマルチメディアデータの保管場所(以下、MMD保管場所)や、マルチメディアデータ表示サイズ(MMD表示サイズ)などの情報を含む。
【0032】
MMD表示サイズとはウェブページ上で表示する際のマルチメディアデータのサイズを表し、例えば、画像データや動画データが保有するピクセルサイズとは異なる。図3に例示した画像表示タグ210は、MMD保管場所211「img/tenki/logo.gif」を含む。
【0033】
「img/tenki/logo.gif」とは、画像表示タグ210によりウェブページ上に配置されるマルチメディアデータとして、当該ウェブページのデータを管理しているウェブサーバ上のimgフォルダ中に存在するtenkiフォルダ内のファイル名logo.gifを指定していることを意味する。また、画面表示タグ210はMMD表示サイズ212「width=”200” height=”40”」を含む。これは前述のマルチメディアデータlogo.gifを幅200ドット、高さ40ドットのサイズで表示することを規定している。
【0034】
1画面内リンク先抽出手段1151は、ソース200で指定されたマルチメディアファイルをダウンロードせずに、マルチメディアデータに対応するフレーム(枠)のみを生成し、このフレームのみを用いて仮レンダリングを行う。よって、仮レンダリングは高速かつ簡易に行うことが可能である。
【0035】
図6に、その仮レンダリングされた1画面を例示する。太実線はリンク先ウェブページの上端と左端を表す。太破線は、画像表示部118の画像領域を例えば横240ドット×縦350ドットした場合の1画面で表示できる範囲を示す。図5中のMMDデータ212及びリンク表示タグ230等は、図3の同じ参照符号を付したソースにそれぞれ対応する。
ここで、中国310〜沖縄330が1画面の表示範囲外に表示されることが分かる。北海道230〜近畿290が1画面内リンク先URLである。
【0036】
キーワードリスト1152は、ユーザの興味や関心のある対象に関する単語をキーワードとして記憶する。キーワードは、予め設定して置いても良いし、ウェブページの検索ワードやクリック文字列を逐次記憶するようにしても良い。
【0037】
先読みURL抽出手段1153は、キーワードリスト1152を参照して1画面内リンク先URL内にキーワードを含むか否かを判定する(ステップS1153a)。キーワードを含む1画面内リンク先URLは先読みURLとされる(ステップS1153b)。1画面内リンク先URL内にキーワードを含まない場合(ステップS1153aのNo)、次の1画面内リンク先URLにキーワードが含まれるか否かの判定を行い、全ての1画面内リンク先URLの判定が終了するまで繰り返される(ステップS1153cのYes)。
【0038】
ユーザが、例えば関東地区に居住している場合、キーワードとして予め関東を登録して置けば、リンク先URLの関東250が先読みURLとしてソース取得部112と先読みキャッシュ116に出力される。
【0039】
ソース取得部112は、先読みURLにアクセスし、そのURLに存在するソースを取得する。取得されたソースは、レンダリング部113によってMMDデータを含む全ての要素が画像データに変換される。その画像データは先読みキャッシュ116に先読みURLと組で記憶される。
【0040】
この段階で、画像表示部118には、1画面抽出部117によって選択された図6に例示した1画面のMMDデータ212も含む全てが描写された1画面が表示されている。MMDデータは、例えば日本地図と各地域のお天気マークから成る画像データである。
【0041】
そして、ユーザが入力部(図示は省略)を操作して画像の関東にカーソルを移動させてクリックすると、ソース取得部112は、その先読みURLの関東250のリンク先のソースを取得する。すると、1画面抽出部117は、先読みキャッシュ116に記憶されているその先読みURLと組の画像データ(関東地方の天気予報)を選択して画像表示部118に表示する。
【0042】
このように、ユーザの興味や関心のある対象が事前に先読みキャッシュ116に記憶されているので、その画像をダウンロードに要する時間無しに表示することができる。また、キーワードを含むリンク先URLが先読みされるので無駄なトラヒックを減らすことができる。なお、MMDデータ内のリンク先URLにキーワードが含まれれば、そのリンク先URLを先読みURLとしても良い。
【0043】
次に、テキスト内からキーワードを抽出して、そのキーワードを中心として所定の範囲内にあるリンク先を先読みするようにしたこの発明のリンク先コンテンツ先読み装置400を説明する。
【実施例2】
【0044】
この発明のリンク先コンテンツ先読み装置400の機能構成例は上記したリンク先コンテンツ先読み装置100(図1)に対して、先読みURL抽出部115′の構成のみが異なる。図7に先読みURL抽出部115′の機能構成例を示す。その動作フローを図8に示す。
【0045】
先読みURL抽出部115′は、キーワードリスト1152と、先読みURL抽出手段1153′と、キーワード位置特定手段1154と、を備える。キーワード位置特定手段1154は、ソース取得部112が出力するソースから画像表示部118の1画面単位をテキストと、画像データのフレームのみとで仮レンダリングする(ステップS1154a)。そして、キーワードリスト1152を参照して仮に描写した1画面内のキーワードの位置を特定する(ステップS1154b)。先読みURL抽出手段1153′は、特定されたキーワードの位置を基準として所定の範囲内にあるリンク先を1画面内リンク先として抽出する(ステップS1153a′)。1画面内リンク先の抽出は、全てのキーワードについて終了するまで繰り返される(ステップS1153d′のNo)。
【0046】
ここで位置とは、例えば画像表示部118の画面の縦方向及び横方向のドットサイズを基本単位とした座標情報である。座標は、例えば1画面表示部117が表示するウェブページ表示画面の左上隅の点を座標の原点とし、x軸正方向は画面表示部118の画面左側から右側に向かう向き、y軸正方向は画面表示部118の画面上側から下側に向かう向きと定義することができる。
【0047】
キーワード位置特定手段1154は、MMDデータ及びテキストの文字コードを、1画面単位の画像データに仮レンダリングする際にそれらの座標を特定する。図9に、キーワードを基準とした所定の範囲の例を示す。図9(a)は、例えばキーワード「ドコモ」の重心位置を中心として所定の半径、例えば半径50ピクセルの円形の範囲を所定の範囲にした例である。また、半径は画像表示部118の横方向の表示範囲の例えば1/n等(nは自然数)としても良い。
【0048】
図9(b)は、同様に「ドコモ」の重心位置を中心として規定の極率の楕円を、その短辺を時計方向に傾けた例である。また、所定の範囲は矩形でも良い。矩形とした場合、キーワードの重心位置を中心として、既定の範囲(例えば100×50ピクセル等)を所定の範囲としても良い。また、画像表示部118の画面サイズが、例えば縦640×横480ピクセルの場合にその1/n等(nは自然数)の範囲、例えば縦80(640/8)横96(480/5)を所定の範囲にしても良い。
【0049】
Htmlページの構造上、リンク文字列とその説明を順番で書くと、リンク文字列が説明文字列の左上方向にレンダリングされるため、キーワードの左上方向にそのテキストの対象リンク文字列がある場合が多い。そこで所定の範囲を、図10に例示するように、キーワードを基準としてx軸方向で負、且つy軸方向で負の領域とすると効果的である。この場合、レンダリングされたキーワードの左上端を基準に所定の範囲を設定する。
【0050】
なお、先読みURL抽出部115′も、仮の1画面内に入るキーワードを含むリンク先URLを先読みする例で説明を行ったが、1画面内のキーワードに限定しなくとも良い。つまり、ソース全体からキーワードの位置を特定して、そのキーワードを基準とした所定の範囲に入るリンク先URLを先読みURLとして抽出するようにしても良い。
【0051】
また、MMDデータ内のテキストにキーワードが含まれる場合に、そのキーワードを基準として所定の範囲内のリンク先を抽出するようにしても良い。また、レンダリング部113は、入力されるソースを画像データに変換する単純な例のみを説明したが、既に先読みURL抽出部115内に仮レンダリングされた画像データがある場合は、その画像データを利用して未変換部のMMDデータのみをレンダリングするようにしても良い。
【0052】
以上述べたように、この発明のリンク先コンテンツ先読み装置は、画像表示部の1画面で表示している範囲内のリンク先URLに、ユーザの興味や関心のあるキーワードが含まれる場合にそのリンク先のウェブページを先読みする。したがって、不要なリンク先からの無駄なダウンロードを防止することが可能である。また、ユーザの関心のあるウェブページを事前に取得できるので、ユーザにすぐ見たい情報を提供することが可能であり、ユーザに軽快な操作感を提供する効果も奏する。
【0053】
上記した各装置における処理手段をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、各装置における処理手段がコンピュータ上で実現される。
【0054】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP-ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0055】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記録装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0056】
また、各手段は、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより構成することにしてもよいし、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソースからリンク先URLを抽出して当該リンク先URLを出力するリンク先URL抽出部と、
上記リンク先URL又は先読みURLを取得して当該URLにアクセスし、そのURLに存在するソースを取得するソース取得部と、
上記ソースを画像データに変換するレンダリング部と、
上記画像データを記憶するレンダリング結果記憶部と、
上記ソースから画像表示部の1画面単位をテキストと、画像データのフレームのみとで仮レンダリングし、仮の1画面内に入る予め設定されたキーワードを含むリンク先URLを先読みURLとして抽出する先読みURL抽出部と、
先読みURLと対応する画像データを組みにして記憶する先読みキャッシュと、
指定されたリンク先URLに対応する画像データを上記レンダリング結果記憶部又は上記先読みキャッシュから読み出して画像表示部に出力する1画面抽出部と、
を具備するリンク先コンテンツ先読み装置。
【請求項2】
請求項1に記載したリンク先コンテンツ先読み装置において、
上記先読みURL抽出部は、
上記ソースから画像表示部の1画面単位をテキストと、画像データのフレームのみとで仮の1画面を描写し、その1画面内に入る1画面内リンク先URLを抽出する1画面内リンク先抽出手段と、
キーワードを記憶したキーワードリストと、
上記キーワードリストを参照してキーワードを含む先読みURLを抽出する先読みURL抽出手段と、
を備えることを特徴とするリンク先コンテンツ先読み装置。
【請求項3】
ソースからリンク先URLを抽出して当該リンク先URLを出力するリンク先URL抽出部と、
上記リンク先URL又は先読みURLを取得して当該URLにアクセスし、そのURLに存在するソースを取得するソース取得部と、
上記ソースを画像データに変換するレンダリング部と、
上記画像データを記憶するレンダリング結果記憶部と、
上記ソースからキーワードを含むリンク先URLを先読みURLとして抽出する先読みURL抽出部と、
先読みURLと対応する画像データを組みにして記憶する先読みキャッシュと、
指定されたリンク先URLに対応する画像データを上記レンダリング結果記憶部又は上記先読みキャッシュから読み出して画像表示部に出力する1画面抽出部とを具備し、
上記先読みURL抽出部は、
キーワードを記憶したキーワードリストと、
上記ソースから上記キーワードリストを参照してその1画面内のキーワードの位置を特定するキーワード位置特定手段と、
上記キーワードの位置を基準として所定の範囲内にある先読みURLを抽出する先読みURL抽出手段と、
を備えることを特徴とするリンク先コンテンツ先読み装置。
【請求項4】
請求項3に記載したリンク先コンテンツ先読み装置において、
上記所定の範囲は、
上記画像表示部の表示画面の左上隅の点を原点とし、x軸正方向を画像左側から右に向かう向き、y軸正方法を画像上側から下側に向かう向きとした時に、上記キーワードを基準としてx軸方向で負、且つy軸方向で負の領域であることを特徴とするリンク先コンテンツ先読み装置。
【請求項5】
ソースからリンク先URLを抽出して当該リンク先URLを出力するリンク先URL抽出過程と、
指定されたリンク先URLを取得して当該リンク先URLにアクセスし、そのリンク先URLに存在するソースを取得するソース取得過程と、
上記ソースを画像データに変換するレンダリング過程と、
上記画像データを記憶するレンダリング結果記憶過程と、
上記ソースから画像表示部の1画面単位をテキストと画像データ及び動画データのフレームのみとで仮レンダリングし、仮の1画面内に入る予め設定されたキーワードを含むリンク先URLを先読みURLとして抽出する先読みURL抽出過程と、
先読みURLと対応する画像データを組みにして記憶する先読みキャッシュ過程と、
指定されたリンク先URLに対応する画像データを上記レンダリング結果記憶部又は上記先読みキャッシュから読み出して画像表示部に出力する1画面抽出過程と、
を備えるリンク先コンテンツ先読み方法。
【請求項6】
請求項5に記載したリンク先コンテンツ先読み方法において、
上記先読みURL抽出過程は、
上記ソースから画像表示部の1画面単位をテキストと、画像データのフレームのみとで仮の1画面を描写し、その1画面内に入る1画面内リンク先URLを抽出する1画面内リンク先抽出ステップと、
キーワードを記憶したキーワードリストを参照してキーワードを含む先読みURLを抽出する先読みURL抽出ステップと、
を含むことを特徴とするリンク先コンテンツ先読み方法。
【請求項7】
ソースからリンク先URLを抽出して当該リンク先URLを出力するリンク先URL抽出過程と、
指定されたリンク先URLを取得して当該リンク先URLにアクセスし、そのリンク先URLに存在するソースを取得するソース取得過程と、
上記ソースを画像データに変換するレンダリング過程と、
上記画像データを記憶するレンダリング結果記憶過程と、
上記ソースから予め設定されたキーワードを含むリンク先URLを先読みURLとして抽出する先読みURL抽出過程と、
先読みURLと対応する画像データを組みにして記憶する先読みキャッシュ過程と、
指定されたリンク先URLに対応する画像データを上記レンダリング結果記憶部又は上記先読みキャッシュから読み出して画像表示部に出力する1画面抽出過程と、
を備え、
上記先読みURL抽出過程は、
キーワードを記憶したキーワードリストと、
上記ソースから上記キーワードリストを参照してその1画面内のキーワードの位置を特定するキーワード位置特定ステップと、
上記キーワードの位置を基準として所定の範囲内にある先読みURLとして抽出する先読みURL抽出過程と、
を含むことを特徴とするリンク先コンテンツ先読み方法。
【請求項8】
請求項7に記載したリンク先コンテンツ先読み方法において、
上記所定の範囲は、
上記画像表示部の表示画面の左上隅の点を原点とし、x軸正方向を画像左側から右に向かう向き、y軸正方法を画像上側から下側に向かう向きとした時に、上記キーワードを基準としてx軸方向で負、且つy軸方向で負の領域であることを特徴とするリンク先コンテンツ先読み方法。
【請求項9】
請求項1乃至4の何れかに記載したリンク先コンテンツ先読み装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−108747(P2012−108747A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257470(P2010−257470)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】