説明

リードフレーム搬送装置及びリードフレーム搬送方法

【課題】搬送爪をリードフレームに挿入するときのカジリを防ぐことができ、且つ、リードフレームを正確に搬送することができるリードフレーム搬送装置を提供する。
【解決手段】リードフレーム50の平面を貫通する送り穴51へ挿入される柱状の搬送爪10と、搬送爪10を送り穴51に挿入し、挿入した搬送爪10を平面と直交する柱状の内部の回転軸18を中心に回転させ、回転後の搬送爪10を平面と平行な搬送方向へ移動する駆動装置30とを具備する。搬送爪10の搬送方向の断面は、搬送方向と直交する送り穴51の向かい合う長辺54と長辺55との幅52aよりも小さい幅13eと、長辺54と長辺55との幅52a以上の幅14cとを含む。駆動装置30は、長辺54及び長辺55と幅13eを表す線分13とが直交する向きで搬送爪10を送り穴51に挿入し、挿入した搬送爪10が長辺54及び長辺55と接触するように回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリードフレームの搬送装置及びリードフレームの搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイボンダーやワイヤボンダー等の半導体製造装置におけるリードフレーム搬送装置は、所定の製造工程を実行する位置へリードフレームを正確に搬送する。具体的には、リードフレーム搬送装置は、リードフレームをピッチ送りした後、ピンを挿入して位置決めを行う。その所定の位置での製造工程が終了すると、リードフレーム搬送装置は加工されたリードフレームを再びピッチ送りする。リードフレーム搬送装置が複数のリードフレームを搬送していくなかで、各リードフレームは連続加工されていく。
【0003】
リードフレーム搬送装置に関する技術が特許文献1に開示されている。図1は、特許文献1のリードフレームの送り装置を示す模式図である。特許文献1に記載のリードフレームの送り装置は、リードフレーム200に設けたパイロット穴201にフィードピン100を挿入して、所定ピッチでリードフレーム200を位置決めして移送する。このリードフレームの送り装置は、パイロット穴201よりも大径のフィードピン100が、先端にパイロット穴201に入り込む先細のテーパ部を有しており、フィードピン100をパイロット穴201の挿入方向に付勢して支持することを特徴としている。このようなリードフレームの送り装置は、パイロット穴201に余分な遊びを設けずにフィードピン100で位置決めすることができるため、精度良くリードフレーム200を送ることができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−299540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のリードフレームの送り装置は、パイロット穴にフィードピンを挿入するとき、カジリによるバリを防止する一定の効果があると考えられる。しかし、本発明者は、特許文献1のリードフレームの送り装置には、以下のような搬送精度の問題点があることを見出した。第1に、フィードピンのテーパ部でリードフレームの送りを行なうと、リードフレーム送り方向以外の分力(水平方向から下向きの分力)がパイロット穴に加わるため、リードフレームの送りずれが生じやすいことである。第2に、パイロット穴の断面形状やフィードピンの付勢力によっては、リードフレームの送りが完了した後、フィードピンがパイロット穴から容易に抜けなくなり、その結果、リードフレームを持ち帰ることによる送りずれが生じてしまうことである。第3に、熱履歴のかかったリードフレームが反っている場合、テーパ部のパイロット穴に対する高さの位置がばらつくため、送りずれやフレームの持ち帰りが生じてしまうことである。
【0006】
このように、リードフレーム搬送装置において、搬送爪や位置決めピンなどをリードフレームに挿入するときのカジリを防ぐこと、及び、リードフレームを正確に搬送することを両立することは大変困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0008】
本発明のリードフレーム搬送装置(1)は、リードフレーム(50)の平面を貫通する送り穴(51)へ挿入される柱状の搬送爪(10)と、搬送爪(10)を送り穴(51)に挿入し、挿入した搬送爪(10)を平面と直交する柱状の内部の回転軸(18)を中心に回転させ、回転後の搬送爪(10)を平面と平行な搬送方向へ移動する駆動装置(30)とを具備する。搬送爪(10)の搬送方向の断面は、搬送方向と直交する送り穴(51)の向かい合う第1辺(54)と第2辺(55)との幅(52a、53a)よりも小さい第1幅(13e)と、第1辺(54)と第2辺(55)との幅(52a、53a)以上の第2幅(14c)とを含む。駆動装置(30)は、第1辺(54)及び第2辺(55)と第1幅(13e)を表す第1線分(13)とが直交する向きで搬送爪(10)を送り穴(51)に挿入し、挿入した搬送爪(10)が第1辺(54)及び第2辺(55)と接触するように回転させる。
このようなリードフレーム搬送装置(1)は、送り穴(51)とのクリアランス(60)を保持したまま搬送爪(10)を挿抜することができ、搬送爪(10)を回転させてクリアランス(60)をなくしてから、リードフレーム(50)を搬送することができる。
【0009】
本発明のリードフレーム搬送方法は、リードフレーム(50)の平面を貫通する送り穴(51)へ柱状の搬送爪(10)を挿入するステップと、挿入した搬送爪(10)を平面と直交する柱状の内部の回転軸(18)を中心に回転させるステップと、回転後の搬送爪(10)を平面と平行な搬送方向へ移動するステップとを具備する。搬送爪(10)の搬送方向の断面は、搬送方向と直交する送り穴(51)の向かい合う第1辺(54)と第2辺(55)との幅(52a、53a)よりも小さい第1幅(13e)と、第1辺(54)と第2辺(55)との幅(52a、53a)以上の第2幅(14c)とを含む。挿入するステップは、第1辺(54)及び第2辺(55)と第1幅(13e)を表す第1線分(13)とが直交する向きで、搬送爪(10)を送り穴(51)に挿入するステップを含む。回転させるステップは、挿入した搬送爪(10)が第1辺(54)及び第2辺(55)と接触するように回転させるステップを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明のリードフレーム搬送装置は、搬送爪をリードフレームに挿入するときのカジリを防ぐことができ、且つ、リードフレームを正確に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、特許文献1のリードフレームの送り装置を示す模式図である。
【図2】図2は、本発明のリードフレーム搬送装置が搬送するリードフレーム50を示す平面図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態によるリードフレーム搬送装置1を示す模式図である。
【図4】図4は、図3のB−B断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態によるリードフレーム搬送装置1の搬送方法を示す図である。
【図6】図6は、図3の搬送爪10が送り穴51へ挿入されることを示す図である。
【図7】図7は、送り穴51に挿入された搬送爪10断面と、リードフレーム50の平面とを示す図である。
【図8】図8は、回転後の搬送爪10と、リードフレーム50とを示す図である。
【図9】図9は、図7のリードフレーム50がピッチ送りされたことを示す平面図である。
【図10】図10は、搬送爪10が送り穴51から引き抜かれることを示す図である。
【図11】図11は、本発明と異なるリードフレーム搬送装置を説明する図である。
【図12】図12は、図11に示したリードフレーム搬送装置の搬送方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態によるリードフレーム搬送装置を説明する。
【0013】
図2は、本発明のリードフレーム搬送装置が搬送するリードフレーム50を示す平面図である。図2を参照すると、リードフレーム50は板状であり、X軸方向に並んだ複数の送り穴51を備える。送り穴51は、リードフレーム50の平面のXY面をZ軸方向(厚み方向)に貫通したものである。送り穴51の平面の輪郭は、長さ52aの短辺52と、長さ53aの短辺53と、長さ54aの長辺54と、長さ55aの長辺55とで囲まれている。ここでは、短辺52と短辺53とが平行であり、長辺54と長辺55とが平行である。尚、複数の送り穴51は並んで配置されていればよく、各送り穴51の形状は図1に示した口形の他、短辺52が無いコ形であってもよい。リードフレーム50は、本発明のリードフレーム搬送装置によってX方向に搬送されていく。
【0014】
図3は、本発明の実施の形態によるリードフレーム搬送装置1を示す模式図である。図3を参照すると、リードフレーム搬送装置1は、搬送爪10と、押さえ部20と、駆動装置30とを具備する。尚、図3において、リードフレーム50は図1におけるA−A断面を示している。
【0015】
搬送爪10は、駆動装置30に基づいて、上下方向(Z軸と平行な方向)及び左右方向(XZ面に平行な方向)へ移動させられる柱状の爪である。また、搬送爪10は、駆動装置30に基づいて、内部の回転軸18を中心に回転させられる。尚、図3では、搬送爪10の先端の一部分が示されている。
【0016】
押さえ部20は、駆動装置30に基づいて、上下方向に移動させられる。押さえ部20は、搬送爪10がリードフレーム50から抜かれるときに、リードフレーム50を上から押下して固定する。リードフレーム50がX方向に搬送されるときには、押さえ部20は上に移動させられてリードフレーム50から離れる。
【0017】
駆動装置30は、リードフレーム50を搬送するために、搬送爪10と押さえ部20とを移動する。詳細には、駆動装置30は、搬送爪10を送り穴51に挿入し、挿入した搬送爪10をXY面と直交する回転軸18を中心に回転させる。そして、駆動装置30は回転後の搬送爪10を、搬送方向のX方向へ移動する。更に、駆動装置30は、挿入した搬送爪10を、回転軸18を中心に逆方向へ回転させ、送り穴51から搬送爪10を引き抜く。その後、駆動装置30は、搬送爪10を移動して元の位置に戻す。また、駆動装置30は、押さえ部20を上下方向に移動して、搬送されたリードフレーム50の平面を押下する。
【0018】
搬送爪10の詳細を説明する。図4は、図3のB−B断面図である。尚、図4では、搬送爪10の断面の形状を説明するために、送り穴51が示されている。図4を参照すると、搬送爪10の断面は、幅13eと、幅14cとを含む。幅13eは、搬送方向であるX方向と直交する向かい合う2つの長辺54と長辺55との幅(即ち、長さ52a、53a)よりも小さい。従って、搬送爪10と長辺54及び長辺55との間には、クリアランス60が存在する。幅14cは、長辺54と長辺55との幅以上である。駆動装置30は、搬送爪10を図4に示した向きで、送り穴51へ挿入することになる。つまり、駆動装置30は、長辺54及び長辺55と、幅13eを表す線分13とが直交する向きで搬送爪10を送り穴51に挿入する。その後、駆動装置30は、中心12を通りZ軸に平行な回転軸18を中心として、挿入した搬送爪10が長辺54及び長辺55と接触するように回転させる。このとき、搬送爪10は、幅14cが長辺54と長辺55との幅以上であるため、長辺54及び長辺55に相当する送り穴51の内面と当たることになる。つまり、搬送爪10は、回転によって搬送爪10と長辺54及び長辺55との間のクリアランス60が無くなるように作用する。これは、リード間隔の異なる(長さ52aが異なる)リードフレーム50を搬送するときでも、搬送爪10の交換をせずに対応することができる効果を奏する。但し、搬送爪10が回転して長辺54及び長辺55と接触した2つの接触位置を結ぶ線は、搬送精度を高める観点から、搬送方向のX方向に平行であることが好ましい。従って、幅14cは、長辺54と長辺55との幅(長さ52a、53a)と同じであることが好ましい。尚、図4では、好ましい断面形状として、幅14cは長辺54と長辺55との幅(長さ52a、53a)と同じ幅で示されている。
【0019】
更に、図4を参照して、搬送爪10の断面の輪郭線の詳細を説明する。搬送爪10の断面の輪郭線は、点13cと、点13dと、点14aと、点14bとを含む。点13c及び点13dは、長さ52a(長さ53a)と同じ長さの直径を有する円19の内側にあり、円19の中心12を通る線分13の両端である。点14a及び点14bは、中心12を通る線分14の両端であり、円19の円周上にある。点13cと、点14aと、点13dと、点14bとを結ぶ搬送爪10の断面の輪郭線は円19の内側にある。駆動装置30は、搬送爪10を図4に示した状態から、中心12を通る回転軸18を中心として、右に90度回転させることになる。つまり、駆動装置30は、送り穴51に挿入した搬送爪10を、点13dと近接している長辺54へ点14aを近づけ、点13cと近接している長辺55へ点14bを近づける方向に回転させる。従って、点13dと点14aとを結ぶ輪郭線と、点13cと点14bとを結ぶ輪郭線とは、必ず円19の内側にある。しかし、点13dと点14bとを結ぶ輪郭線と、点13cと点14aとを結ぶ輪郭線とは円19の外側でもよい。但し、搬送爪10の断面は、回転方向を限定しないことや、搬送爪10の製造を容易とすることなどから、円19の中心12を対称点とする点対称であることが好ましい。図4では、輪郭線は楕円状に示されているが、四角形などの多角形でもよい。
【0020】
図5は、本発明の実施の形態によるリードフレーム搬送装置1の搬送方法を示す図である。図5を参照しながら、リードフレーム搬送装置1の搬送方法を説明する。
【0021】
ステップA01:
駆動装置30は、リードフレーム50を固定している押さえ部20を上昇させる。
【0022】
ステップA02:
駆動装置30は、リードフレーム50の平面を貫通する送り穴51へ、柱状の搬送爪10を挿入する。図6は、図3の搬送爪10が送り穴51へ挿入されることを示す図である。図6を参照すると、駆動装置30は、長辺54及び長辺55と、幅13eを表す線分13とが直交する向きで、搬送爪10を送り穴51に挿入する。送り穴51に挿入された搬送爪10は、長辺54及び長辺55に相当する送り穴51の内面と接触せず、クリアランス60が存在する。
【0023】
図7は、送り穴51に挿入された搬送爪10断面と、リードフレーム50の平面とを示す図である。図7を参照すると、搬送爪10は、送り穴51の平面の輪郭となる短辺52、短辺53、長辺54、及び長辺55との何れにも接していない。そして、線分13と長辺54及び長辺55とが直交し、線分13と長辺54及び長辺55とが平行になる。このように挿入されることで、搬送爪10とリードフレーム50とは接触することがなく、カジリを防止することができる。
【0024】
ステップA03:
駆動装置30は、挿入した搬送爪10を、回転軸18を中心に回転させる。図7を参照すると、駆動装置30は、中心12を通る回転軸18を中心として右に90度回転させる。つまり、駆動装置30は、挿入した搬送爪10が長辺54及び長辺55と接触するように回転させる。言い換えると、駆動装置30は、線分14の点14a及び点14bが、送り穴51の長辺54及び長辺55と接するように回転させる。
【0025】
図8は、回転後の搬送爪10と、リードフレーム50とを示す図である。図8を参照すると、線分14の点14a及び点14bが、送り穴51の長辺54及び長辺55と接していることが示されている。その結果、搬送爪10と、送り穴51との間のクリアランスがなくなっている。
【0026】
ステップA04:
駆動装置30は、回転後の搬送爪10を搬送方向であるX方向へ移動する。即ち、リードフレーム搬送装置1は、リードフレーム50をピッチ送りする。図9は、図7のリードフレーム50がピッチ送りされたことを示す平面図である。図9を参照すると、搬送爪10は、搬送方向に平行な線分14が長辺54及び長辺55と直交するため、リードフレーム50との間にクリアランスが生じていない。このとき、リードフレーム搬送装置1は、リードフレーム50に対して、上から押さえつける力をかけていないため、リードフレーム50の送りずれを防止することができる。
【0027】
ステップA05:
駆動装置30は、押さえ部20を下降させ、搬送されたリードフレーム50の平面を押下する。
【0028】
ステップA06:
駆動装置30は、挿入した搬送爪10を、回転軸18を中心に逆方向へ回転させる。図9を参照すると、駆動装置30は、回転軸18を中心として左に90度回転させる。つまり、駆動装置30は、搬送爪10が長辺54及び長辺55と接触しなくなるように回転させる。
【0029】
ステップA07:
駆動装置30は、搬送爪10を上昇させて、送り穴51から搬送爪10を引き抜く。図10は、搬送爪10が送り穴51から引き抜かれることを示す図である。図10を参照すると、駆動装置30は、長辺54及び長辺55と、幅13eを表す線分13とが直交する向きで、搬送爪10を送り穴51から引き抜く。搬送爪10と、長辺54及び長辺55に相当する送り穴51の内面との間にはクリアランス60が存在するため、リードフレーム搬送装置1は、リードフレーム50を持ち帰ることなく搬送を完了することができる。
【0030】
ステップA08:
駆動装置30は、搬送爪10を元の位置へ戻す。
【0031】
以上のように、本発明のリードフレーム搬送装置1は、リードフレーム50に接触しない位置関係で搬送爪10を挿入すること、搬送爪10を回転させてクリアランス60を無くすこと、及び、クリアランス60が無くなった状態でリードフレーム50を搬送することに基づいて、カジリを防ぎながら搬送精度を高めることができる。そして、本発明のリードフレーム搬送装置1は、ピッチ送りの終端で搬送爪10を停止させ、そのまま半導体組立て動作を行うと、位置決めピンを無くすことができる。従って、本発明のリードフレーム搬送装置1は、リードフレーム50に加わる外力を減らす効果も奏する。
【0032】
図11は、本発明と異なるリードフレーム搬送装置を説明する図である。尚、前述した構成と同じものには同じ符号を用いて説明する。図11を参照すると、搬送爪70は、送り穴51に挿入されており、長辺54及び長辺55との幅(長さ52a、長さ53a)よりも短い幅71を有している。搬送爪70と送り穴51との間には、クリアランス61が存在する。
【0033】
図12は、図11に示したリードフレーム搬送装置の搬送方法を示す図である。図12を参照しながら、図11に示したリードフレーム搬送装置の搬送方法を説明する。
【0034】
図11のリードフレーム搬送装置は、搬送爪70と位置決めピン80と、それらを駆動させる駆動装置とで構成されている。駆動装置は、リードフレーム50を固定している位置決めピン80を上昇させる(ステップB01)。駆動装置は、リードフレーム50の送り穴51へ、搬送爪70を挿入する(ステップB02)。駆動装置は、リードフレーム50をピッチ送りする(ステップB03)。駆動装置は、位置決めピン80を下降させる(ステップB04)。駆動装置は、搬送爪70を上昇させる(ステップB05)。駆動装置は、搬送爪70を元の位置へ移動する(ステップB06)。
【0035】
この方式によると、ステップB02では、図11に示したクリアランス61が一定以上必要となる。しかし、ステップB04ではクリアランス61が大きいと、リードフレーム50のカジリが発生するため、搬送精度に問題が生じてしまう。本発明のリードフレーム搬送装置1は、この問題点を解消することができる。つまり、本発明のリードフレーム搬送装置1は、搬送爪10を回転させることで、搬送爪10をリードフレーム50に挿入するとき及び引き抜くときのカジリを防止しつつ、リードフレーム50を正確に搬送することが可能となっている。しかも、本発明のリードフレーム搬送装置1は、位置決めピンを必要としない効果も奏している。
【符号の説明】
【0036】
1 リードフレーム搬送装置
10 搬送爪
12 中心
13、14 線分
13a、13b、13c、13d、14a、14b 点
13e、14c 幅
18 回転軸
19 円
20 押さえ部
30 駆動装置
50 リードフレーム
51 送り穴
52、53 短辺
54、55 長辺
52a〜55a 長さ
60、61 クリアランス
70 搬送爪
71 幅
80 位置決めピン
100 フィードピン
200 リードフレーム
201 パイロット穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リードフレームの平面を貫通する送り穴へ挿入される柱状の搬送爪と、
前記搬送爪を前記送り穴に挿入し、挿入した前記搬送爪を前記平面と直交する前記柱状の内部の回転軸を中心に回転させ、回転後の前記搬送爪を前記平面と平行な搬送方向へ移動する駆動装置と
を具備し、
前記搬送爪の前記搬送方向の断面は、
前記搬送方向と直交する前記送り穴の向かい合う第1辺と第2辺との幅よりも小さい第1幅と、
前記第1辺と前記第2辺との幅以上の第2幅と
を含み、
前記駆動装置は、前記第1辺及び前記第2辺と前記第1幅を表す第1線分とが直交する向きで前記搬送爪を前記送り穴に挿入し、挿入した前記搬送爪が前記第1辺及び前記第2辺と接触するように回転させる
リードフレーム搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載のリードフレーム搬送装置であって、
前記断面の輪郭線は、
前記第1辺と前記第2辺との幅と同じ長さの直径を有する円の内側にあり、前記円の中心を通る前記第1線分の両端である第1点及び第2点と、
前記円の中心を通る第2線分の両端であり、前記円の円周上の第3点及び第4点と
を含み、前記第1点と前記第3点とを結ぶ第1輪郭線と、前記第2点と前記第4点とを結ぶ第2輪郭線とは、前記円の内側にあり、
前記駆動装置は、前記送り穴に挿入した前記搬送爪を、前記第1点と近接している前記第1辺へ前記第3点を近づけ、前記第2点と近接している前記第2辺へ前記第4点を近づける方向に回転させる
リードフレーム搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載のリードフレーム搬送装置であって、
前記第1点と前記第4点とを結ぶ第3輪郭線と、前記第2点と前記第3点とを結ぶ第4輪郭線とは、前記円の内側にあり、
前記第2線分は、前記第2幅を示す
リードフレーム搬送装置。
【請求項4】
請求項3に記載のリードフレーム搬送装置であって、
前記断面は、前記円の中心を対称点とする点対称である
リードフレーム搬送装置。
【請求項5】
リードフレームの平面を貫通する送り穴へ柱状の搬送爪を挿入するステップと、
挿入した前記搬送爪を前記平面と直交する前記柱状の内部の回転軸を中心に回転させるステップと、
回転後の前記搬送爪を前記平面と平行な搬送方向へ移動するステップと
を具備し、前記搬送爪の前記搬送方向の断面は、前記搬送方向と直交する前記送り穴の向かい合う第1辺と第2辺との幅よりも小さい第1幅と、前記第1辺と前記第2辺との幅以上の第2幅とを含み、
前記挿入するステップは、
前記第1辺及び前記第2辺と前記第1幅を表す第1線分とが直交する向きで、前記搬送爪を前記送り穴に挿入するステップ
を含み、
前記回転させるステップは、
挿入した前記搬送爪が前記第1辺及び前記第2辺と接触するように回転させるステップ
を含む
リードフレーム搬送方法。
【請求項6】
請求項5に記載のリードフレーム搬送方法であって、
前記断面の輪郭線は、前記第1辺と前記第2辺との幅と同じ長さの直径を有する円の内側にあり、前記円の中心を通る前記第1線分の両端である第1点及び第2点と、前記円の中心を通る第2線分の両端であり、前記円の円周上の第3点及び第4点とを含み、前記第1点と前記第3点とを結ぶ第1輪郭線と、前記第2点と前記第4点とを結ぶ第2輪郭線とは、前記円の内側にあり、
前記接触するように回転させるステップは、
前記第1点と近接している前記第1辺へ前記第3点を近づけるステップと、
前記第2点と近接している前記第2辺へ前記第4点を近づけるステップと
を含む
リードフレーム搬送方法。
【請求項7】
請求項6に記載のリードフレーム搬送方法であって、
搬送された前記リードフレームの前記平面を押下するステップと、
挿入した前記搬送爪を、前記回転軸を中心に逆方向へ回転させるステップと、
前記送り穴から前記搬送爪を抜くステップと
を更に具備し、
前記逆方向へ回転させるステップは、
前記第3点と近接している前記第1辺へ前記第1点を近づけるステップと、
前記第4点と近接している前記第2辺へ前記第2点を近づけるステップと
を含む
リードフレーム搬送方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のリードフレーム搬送方法であって、
前記第1点と前記第4点とを結ぶ第3輪郭線と、前記第2点と前記第3点とを結ぶ第4輪郭線とは、前記円の内側にあり、
前記第2線分は、前記第2幅を示す
リードフレーム搬送方法。
【請求項9】
請求項8に記載のリードフレーム搬送方法であって、
前記断面は、前記円の中心を対称点とする点対称である
リードフレーム搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−165845(P2011−165845A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26206(P2010−26206)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)