説明

ルアー

【課題】種々の大きさの化学発光体を装着することができ、使い勝手のよいルアーを提供する。
【解決手段】ルアー本体10の上部に、前後方向に沿う保持手段20を設け、保持手段20に棒状の化学発光体30を保持したルアー1であって、保持手段20は、化学発光体30が装着されるリング状の保持部を備えている構成とした。保持部は、弾性を有しており、保持部は弾性を利用して化学発光体30を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣りに用いるルアーに関し、特に、夜、早朝、夕方等の時間帯において視認性に優れたルアーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、夜、早朝、夕方等の暗い時間帯に使用されるルアーとして、視認性を高めるために化学発光体を具備したものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1のルアーでは、ルアー本体に穴が形成されており、この穴に棒状の化学発光体が挿し込まれて装着されるように構成されている。
【0003】
また、特許文献2のルアーでは、ルアー本体の上部に化学発光体を収容する空洞部材が取り付けられ、この空洞部材の両端部が栓で閉じられるように構成されている。
このような化学発光体を使用したルアーでは、化学発光体の発光により、ルアーがどこにあるのか把握し易く、狙うべきポイントに好適にルアーを投擲することができる。また、ルアーの位置を把握し易いので、根がかりに起因するルアーの紛失も好適に回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3050037号公報
【特許文献2】実開平6−13466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のルアーでは、ルアー本体に形成された穴に棒状の化学発光体が挿し込まれて装着される構成であるので、穴の径にフィットする化学発光体しか挿し込むことができず、穴の径に対応しない化学発光体は使用することができなかった。化学発光体の大部分が隠れてしまい視認性に劣っていた。
また、特許文献2のルアーでは、空洞部材に化学発光体を挿入して栓で閉じる構成であるので、空洞部材よりも太径の化学発光体は挿入することができなかった。また、空洞部材内に収まらない長さを備えた化学発光体も使用することができず、限られた化学発光体しか使用することができなかった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、種々の大きさの化学発光体を装着することができ、使い勝手のよいルアーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決する本発明のルアーは、ルアー本体の上部に、前後方向に沿う保持手段を設け、前記保持手段に棒状の化学発光体を保持したルアーであって、前記保持手段は、前記化学発光体が装着されるリング状の保持部を備えていることを特徴とする。
ここで、「ルアー本体の上部」には、例えば、ルアー本体に固定される部材を介してルアー本体の上部から間隔を空けた「ルアー本体の上方空間」も含まれる。
また、ルアー本体の前後方向とは、リトリーブ時におけるルアーの姿勢を基準として、進行方向に向く側を前とし、これとは反対方向に向く側を後としたときの方向である。
【0008】
このルアーによれば、リング状の保持部に、棒状の化学発光体を装着して保持することができる。
【0009】
また、本発明は、ルアー本体の上部に、前後方向に沿う保持手段を設け、前記保持手段に棒状の化学発光体を保持したルアーであって、前記保持手段は、前記化学発光体が軸方向に挿入される保持部を備えていることを特徴とする。
【0010】
このルアーによれば、保持部に、棒状の化学発光体を軸方向に挿入して保持することができる。
【0011】
また、本発明は、前記保持部は前記化学発光体を保持する弾性を有していることを特徴とする。
【0012】
このルアーによれば、保持部の弾性を利用して化学発光体を保持することができる。
【0013】
また、本発明は、前記化学発光体に外嵌され、前記化学発光体の軸方向から前記保持部の側部に当接されることで、前記保持部に前記化学発光体を抜け止め係止するOリングを備えたことを特徴とする。
【0014】
このルアーによれば、化学発光体に外嵌したOリングを保持部の側部に移動させ、保持部にOリングを当接させて留めおくことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、種々の大きさの化学発光体を装着することができ、使い勝手のよいルアーが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の参考例に係るルアーを示した図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は図1(c)の側面図に対する平面図である。
【図2】(a)は図1(a)のA−A線矢視における保持部の保持の様子を示した模式拡大断面図、(b)は挟持の様子を示した模式拡大断面図、(c)は参考例の変形例の保持部における保持の様子を示した模式拡大断面図、(d)は同じく挟持の様子を示した模式拡大断面図、(e)は参考例の変形例の保持部における保持の様子を示した模式拡大断面図、(f)は同じく挟持の様子を示した模式拡大断面図、(g)(f)は、参考例の変形例の保持手段を示す側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るルアーの要部を示した図であり、(a)は拡大斜視図、(b)は部分断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るルアーの要部を示した図であり、(a)は拡大斜視図、(b)は構造を示す拡大断面図、(c)(d)は装着時の様子を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の参考例に係るルアーのその他の例を示す図であり、(a)は要部の斜視図、(b)(c)は取付時の様子を示す断面図である。
【図6】(a)〜(c)は本発明の参考例に係るルアーのその他の例を示す要部の斜視図、(d)は参考例のその他の例を示す断面図、(e)は図6(d)に示した参考例の装着時の様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るルアーの実施の形態について図面を参照しながら説明する。各実施形態において、同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。以下の説明において、ルアーの方向を言うときは、図1(a)に示した方向を基準として説明する。
【0018】
(参考例)
図1各図に示すように、ルアー1は、外形を虫に似せて形成されたルアー本体10と、ルアー本体10の前側に設けられた保持手段20と、この保持手段20に保持された化学発光体30と、を備えて構成されている。
ルアー本体10は、リトリーブ時に進行方向に向く前側、およびこれとは反対方向に向く後側がともに流線型とされており、前端下面10a(図1(c)参照、以下同じ)にカップ11が取り付けられている。また、図1(c)に示すように、ルアー本体10の下部10bには、取付金具12,12を介して前後に2つのフック13,13が取り付けられている。
【0019】
カップ11は、左右方向に膨出する平面視で略長丸形状(図1(d)参照)とされており、中央部11aが、図1(b)に示すように、2本のねじ11bでルアー本体10の前端下面10aに固着されている。
本参考例では、このカップ11の中央部11aとルアー本体10の前端下面10aとの間に、保持手段20を構成する固定部材23の固定部23bが挟持されて固定されている。
また、カップ11の先端部11cは前方へ突出しており、この部分にアイ11dが取り付けられている。
このようなカップ11は、リトリーブ時に前側から流れこむ水を左右それぞれの方向へ排出するように作用し、これによって、ルアー本体10に独特の揺れを生じさせたり、音を生じさせるようになっている。
【0020】
保持手段20は、保持部21,22と、保持部21,22を連結して固定する固定部材23と、を備えており、ルアー本体10の前側上部の上方となる視認性のよい位置において化学発光体30を保持(挟持)するように構成されている。本参考例では、1枚の可撓性を有する金属板を切断および折り曲げ加工することで、保持部21,22および固定部材23が一体的に形成されている。なお、樹脂材によって保持手段20を形成することもできる。
【0021】
保持部21,22は、ルアー本体10の前後方向に間隔を空けて配置されており、図1各図に示すように、化学発光体30の軸方向の一端部側(前端側)および他端部側(後端側)を挟持して保持する。
保持部21,22は、同一の形状とされており、ここでは、説明の便宜上、後側の保持部22について説明し、必要に応じて前側の保持部21について説明する。
保持部22は、図2(a)に示すように、正面視で略コ字形状を呈しており、化学発光体30の軸方向に直交する方向(本参考例では左右方向)から化学発光体30の外周面に当接可能であり、化学発光体30を左右方向から挟持可能である。
【0022】
ここで、保持部22の高さをH1とし、化学発光体30の直径をD1とすると、これらの関係がH1>D1となるように設定されており、固定部材23に当接する位置まで化学発光体30が挿し込まれることで、保持部22は、図2(b)に示すように、化学発光体30の上側に向けて折り曲げ可能な折り曲げ代22aを有するようになっている。
本参考例では、保持部22(化学発光体30の外周面に当接する部位)、および折り曲げ代22aが、化学発光体30を軸方向に直交する方向から挟持して抜け止め係止する係止部として機能するようになっている。
なお、保持部22の高さH1および化学発光体30の直径D1は、必ずしも前記した関係(H1>D1)となるように設定する必要はなく、例えば、保持部22の高さH1を化学発光体30の半径(D1/2)よりも若干大きくなる程度に設定して、保持部22の先端部で化学発光体30を加締めるようにして保持してもよい。また、折り曲げ代22aを化学発光体30の外周面に向けて折り曲げることなく、保持部22を化学発光体30の外周面に当接させるだけで、化学発光体30を挟持して保持してもよい。
【0023】
固定部材23は、図1(c)に示すように、ルアー本体10の上面形状に対応した緩やかな湾曲形状とされており、前方へ延設された延設部23aを有している。延設部23aは、ルアー本体10の前端下面10aに向けて折り返されており、ルアー本体10の前端下面10aとカップ11の中央部11aとの間に介設される平板状の固定部23bを形成している。
固定部23bには、図1(b)に示すように、ねじ11b,11bに対応した位置に、ねじ11b,11bを挿通可能とする切欠き23c,23cが形成されている。これにより、ルアー本体10の前端下面10aとカップ11の中央部11aとの間に固定部23bを挟んで、カップ11の下方からねじ11b,11bを螺合することで、ルアー本体10の前端下面10aに保持手段20とカップ11とを一緒に固定することができるようになっている。
【0024】
また、固定部材23の後端部24は、図1(a)(d)に示すように、左右方向に二股に形成されているとともに、図1(c)に示すように、上方へ一段高くなるように形成されている。このように形成することによって、保持部22を超えて後方へ長く延びるような全長を有する化学発光体30(図2(h)参照)を、下側から包むようにして好適に保持することができる。これにより、安定した化学発光体30の保持が可能となる。
【0025】
なお、図1(c)に示すように、固定部材23は、ルアー本体10の上面との間に隙間Sを有して配置されており、リトリーブ時等に生じる振動でルアー本体10の上面へ接触することが防止されている。これによって、ルアー本体10の上面が金属製の固定部材23によって傷付くことがない。なお、隙間Sを積極的に狭く形成して、リトリーブ時等に生じる振動で固定部材23がルアー本体10の上面に当接するようにして音を生じるように構成してもよい。
【0026】
化学発光体30は、細長い棒状とされ、可撓性を有する略円筒状の合成樹脂製容器内に2種類の液体が充填されてなり、使用時に容器を曲げて2種類の液体を混合させることで化学発光を生じるものである。化学発光体30は、例えば、釣具店やホームセンター等で販売されているものを挙げることができる。
このような化学発光体30は、軸方向の一端部側(前端側)および他端部側(後端側)を保持部21,22の開口から保持部21,22にそれぞれ挿し込むことで、保持手段20に装着される。
【0027】
ここで、保持部21,22は、前記したように、保持部22の高さH1と化学発光体30の直径D1との関係が、H1>D1となるように設定されているので、図2(b)に示すように、化学発光体30を固定部材23に当接する位置まで挿し込むことで、保持部22(21)の上端部を折り曲げ代22a(図2(b)において点線で図示)として利用することが可能となり、図2(b)に実線で示すように、この折り曲げ代22aを化学発光体30の上側に向けて加締めることができる。
これにより、化学発光体30の上側部分が保持部22(21)の上端部(折り曲げ代22a)で部分的に覆われるようにして保持され、これによって、保持部22(21)内に化学発光体30がしっかりと挟持されることとなる。
【0028】
以上説明した本参考例のルアー1によれば、2つの保持部21,22によって、ルアー本体10の前後方向に間隔を空けた2点で棒状の化学発光体30を保持することができる。2つの保持部21,22は、化学発光体30の軸方向に直交する方向から化学発光体30を挟持するように構成されているので、化学発光体30を、軸方向(長さ方向)から規制することなく保持することができる。したがって、太さの異なる化学発光体30も、化学発光体30の軸方向に直交する方向から柔軟に挟持することができる。
また、化学発光体30を、軸方向(長さ方向)から規制することなく保持することができるので、軸方向に長く形成された化学発光体30もその中間部分等を軸方向に直交する方向から好適に挟持することができる。したがって、太さや長さの異なる種々の化学発光体30を装着することができ、視認性に優れて使い勝手のよいルアー1が得られる。
【0029】
また、化学発光体30は、下部側を除いて、保持部21,22で隠れる部分以外の部分が露出している。したがって、視認性に優れて使い勝手のよいルアー1が得られる。
また、化学発光体30は、保持部21,22に挿し込まれて挟持されるので、装着および取り外しが簡単であり、同様の保持手段20を備えた別のルアー1に対して、化学発光体30を付け替えることも可能となって、経済的である。
また、ルアー本体10に化学発光体30を挟持するための構造を直接設ける必要がないので、ルアー本体10の金型変更が必要とならず、従来の金型をそのまま利用することができて、経済的である。
【0030】
また、2つの保持部21,22を固定部材23を介して一体的に設けることができるので、2つの保持部21,22と固定部材23とが組み付けられたもの(保持手段20)を1つの部品として扱うことができ、組み付けが簡単になるとともに、生産性が高まる。
また、固定部材23に沿わせるようにして棒状の化学発光体30を保持することができるので、装着性がよく、また、装着後は、化学発光体30に沿う固定部材23を化学発光体30を保持するための保持部材として機能させることも可能となり、化学発光体30の脱落し難い保持構造が得られる。したがって、化学発光体30の紛失を好適に回避して手返しが向上され、使い勝手のよいルアー1が得られる。
【0031】
なお、前記参考例では、保持部21,22を正面視で略コ字形状としたが、これに限られることはなく、例えば、図2(c)に示すように、正面視で略U字形状となるようにしてもよい。この場合には、固定部材23も保持部21,22に対応して、湾曲凹形状とすることが望ましい。このように略U字形状とされた保持部21,22では、図2(d)に示すように、折り曲げ代22aを化学発光体30に外周面に対応させて湾曲させてもよいし、図2(b)に示すように、折り曲げて加締めてもよい。
このように正面視で略U字形状とされた保持部21,22とすることにより、保持部21,22と化学発光体30との接触面積を増やすことができ、化学発光体30がより脱落し難い保持構造とすることができる。
【0032】
また、図2(e)(f)に示すように、外方に弾性変形可能な保持部21,22に突出部22b,22b(係止部として機能する部分)を設けて、この突出部22b,22bで保持部21,22内に挿し込まれた化学発光体30を弾性的に押さえるように構成してもよい。
【0033】
なお、保持手段20は、延設部23aに固定部23bを設けて、これをルアー本体10に固定するようにしたが、これに限られることはなく、固定部23bを設けることなく、延設部23aをルアー本体10の上面に、ねじ等で直接固定するように構成してもよい。この場合、固定部材23の後端を後方へ向けて延設し、この延設した部分をルアー本体10の上面に、ねじ等で直接固定するように構成してもよい。
【0034】
また、固定部材23は、ルアー本体10の形状に合わせて、図2(g)に示すように直線状としてもよく、また、図2(h)に示すように、湾曲状の度合いを高めて、可撓性を有する化学発光体30が固定部材23上に湾曲した状態で保持されるように構成してもよい。このように湾曲した状態で保持されるようにした場合でも、保持部22を超えて後方へ長く延びるような全長を有する化学発光体30を、後端部24で下側から包むようにして好適に保持することができる。
【0035】
(第1実施形態)
図3(a)(b)に本発明の第1実施形態のルアーの要部を示す。
本実施形態に係るルアーは、保持手段20の保持部として、合成ゴム製のOリング40,40を用いてある。
図3(a)に示すように、Oリング40,40は、ルアー本体10(不図示)の前後方向に間隔を空けて固定部材23にそれぞれ取り付けられている。
【0036】
固定部材23においてOリング40,40を取り付ける位置には、プレス加工等によって、下方へ膨出形成された保持片23d,23dが設けられている。保持片23dは、図3(b)に示すように、固定部材23の下面との間に開口23eを有しており、Oリング40は、この開口23eを通じて固定部材23の下面と保持片23dの上面との間に挟み込まれて保持されるようになっている。
【0037】
固定部材23に取り付けられた状態で、Oリング40,40の内側には、その弾性を利用して化学発光体30を挿通することが可能であり、Oリング40,40は、化学発光体30の軸方向の一端部側(前端側)および他端部側(後端側)を挟持可能である。
【0038】
本実施形態によれば、化学発光体30をOリング40,40の弾性を利用して挟持することができ、化学発光体30の装着性に優れるとともに、取り外し性にも優れるという利点が得られる。
また、軸方向の滑り止め効果が高まり、化学発光体30の脱落を好適に防止することができる。
なお、保持片23d,23dの開口23eは、前方へ向けて形成されているので、取り外し性を有しながらも、リトリーブ時の水流を受けて外れるおそれがない。
【0039】
(第2実施形態)
図4(a)に本発明の第2実施形態のルアーの要部を示す。
本実施形態に係るルアー1が前記第1実施形態と異なるところは、保持手段20が、リング状の保持部41,42を備えて構成されている点にある。
リング状の保持部41,42は、ルアー本体10(不図示)の前後方向に間隔を空けて固定部材23にそれぞれ設けられており、化学発光体30の軸方向の一端部側(前端側)および他端部側(後端側)を保持可能である。保持部41,42の内径は、装着されることが想定される化学発光体30のうち、最大の直径(外径)を備えた化学発光体30の直径よりも大きくなるように設定されており、保持部41,42の内側には、挿通される化学発光体30との間に隙間S2(保持した際に生じる隙間)が形成されるようにしてある。
【0040】
固定部材23は、上方へ湾曲形成されており、保持部41,42に挿通された化学発光体30を湾曲した状態で保持するように構成してある。
【0041】
このような保持手段20において、保持部41,42に化学発光体30を挿通して保持すると、図4(b)に示すように、固定部材23上で保持部41,42に挿通された化学発光体30が湾曲した状態となり、各保持部41,42において、上下の開口縁部41a,42a(係止部として機能する部分)が、化学発光体30の外周面にそれぞれ対角状に喰い込むようにして当接(挟持)する。これによって、各保持部41,42において化学発光体30が挟持されるように保持されることとなる。
【0042】
本実施形態によれば、化学発光体30可撓性、弾性を利用し、各保持部41,42に挟持されるようにして、太さや長さの異なる種々の化学発光体30を装着することができる。これにより、視認性に優れて使い勝手のよいルアー1が得られる。
【0043】
図4(c)(d)に第2実施形態の変形例を示す。
この例では、図4(c)に示すように、保持部41,42の軸方向内側位置にOリング43,43がそれぞれ配置され、保持部41,42に化学発光体30を保持する際に、これらのOリング43,43を化学発光体30に外嵌するようにしたものである。
このような保持手段20において、化学発光体30に外嵌したOリング43,43は、図4(d)に示すように、各保持部41,42の内側に移動させて留めおかれるようにする。
【0044】
このようなOリング43,43を用いることにより、化学発光体30の軸方向の移動が好適に抑えられるようになり、化学発光体30の脱落をより効果的に防止することができる。
【0045】
なお、Oリング43,43は、保持部41,42の内側面に当接する外径を有するものとしたが、これに限られることはなく、保持部41,42と化学発光体30との間に形成される隙間S2の大きさによっては、隙間S2にOリング43,43の一部が入り込むようにして留めおかれるようにしてもよい。この場合にはOリング43,43が係止部として機能することとなる。
【0046】
図5,図6に保持手段のその他の参考例を示す。
図5(a)に示す例では、ルアー本体10の前端上面に前後方向に延びる凹溝14を形成し、この凹溝14内に正面視略U字形状の保持部21A,22Aを配置したものである。
凹溝14は、化学発光体30を収容可能な大きさを有しており、保持部22A(21A)は、収容後に、上端部22a’(図5(c)参照)を化学発光体30の外周に向けて加締めてもよい。
なお、長さの短い化学発光体30Aを収容する際には、図5(a)に示すように、凹溝14内の略中央部に追加の保持部25を配置して、例えば、保持部25と保持部22Aとで化学発光体30Aを保持するようにしてもよい。
【0047】
図6(a)に示す例では、固定部材23の後端部側にキャップ状の保持部26を設け、この保持部26に化学発光体30の後端部を挿入して保持するようにしたものである。
保持部26は、化学発光体30の後端部を挿入可能な大きさを有しており、化学発光体30の後端部を保持できる程度に、化学発光体30の後端部の外径よりも大きくされた内径を有している。
【0048】
この例では、キャップ状の保持部26の内側26bに挿入するだけで化学発光体30の後端部を保持することができ、化学発光体30の装着性がよい。また、化学発光体30の装着時には、保持部26に化学発光体30の後端部を挿入して保持しておいてから、他方の保持部21に前端部側を装着してこれを挟持するという装着手法を採ることができるので、装着時に不意に外れて脱落してしまうようなことがなくなり、装着性が向上する。
なお、これとは逆に、固定部材23の前側にキャップ状の保持部26を設け、後側に保持部22を設けてもよい。
【0049】
また、図6(b)に示す例は、保持部がルアー本体10の前後方向に沿って上方へ向けて突設された金属製や樹脂製の対向壁部21c,21cからなり、対向壁部21c,21c間で化学発光体30を挟持可能としたものである。対向壁部21c,21cは、ルアー本体10の上部に図示しないねじや接着剤を用いて直接固定されている。対向壁部21c,21cには、内側へ突出する突出部21d,21d(係止部として機能する部分)が設けられており、この突出部21d,21dで、対向壁部21c,21c内に挿し込まれた化学発光体30を抜け止め可能に係止することができるようになっている。
この例においても、太さや長さの異なる種々の化学発光体30を装着することができ、視認性に優れて使い勝手のよいルアー1が得られる。
【0050】
また、図6(c)に示す例は、ルアー本体10の前端上面に前後方向に延びる凹溝14a(保持部)を形成し、この凹溝14a内に化学発光体30を収容した後に、係止部として機能するバンド28,28を化学発光体30の上に係止したものである。バンド28は、接着剤や貼付によって取付可能であり、化学発光体30の軸方向に直交する方向(上方向)から凹溝14a内に化学発光体30を押え付けるようにして挟持し、凹溝14a内に化学発光体30を抜け止め係止する。
なお、凹溝14aの前後方向の中央部分の1箇所で、バンド28aによって係止してもよく、また、長さの短い化学発光体30(不図示)を収容する際等に、バンド28aを利用してもよい。
この例においても、太さや長さの異なる種々の化学発光体30を装着することができ、視認性に優れて使い勝手のよいルアー1が得られる。
【0051】
さらに、図6(d)(e)に示す例では、ルアー本体10(例えば樹脂製)に一体的に保持部27,27を突設し、この内面に突起27a,27aをそれぞれ設けたものである。
この例においても、太さや長さの異なる種々の化学発光体30を装着することができ、視認性に優れて使い勝手のよいルアー1が得られる。
また、突起27a,27aで保持部21,22内に挿し込まれた化学発光体30を押さえることができ、化学発光体30の脱落を好適に防止することができる。
【0052】
なお、前記した各実施形態や変形例等において、保持部21,22等の大きさや間隔を適宜変更することによって、さらに種々の太さや長さを備えた化学発光体30を好適に装着することができる。
【0053】
また、参考例として正面視略U字形状に形成した保持部をルアー本体10の前端上面に、前後方向にそれぞれ直接取り付けて、太さや長さの異なる種々の化学発光体30を装着するようにしてもよい。
また、参考例として正面視略U字形状に形成した保持部とキャップ状に形成した保持部26(図6(a)参照)とをルアー本体10の前端上面に、前後方向にそれぞれ直接取り付けて、太さや長さの異なる種々の化学発光体30を装着するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 ルアー
10 ルアー本体
14 凹溝
20 保持手段
21,22 保持部
21A,22A,21B 保持部
22a 折り曲げ代
23 固定部材
25,26,27,41 保持部
30,30A 化学発光体
40 Oリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルアー本体の上部に、前後方向に沿う保持手段を設け、前記保持手段に棒状の化学発光体を保持したルアーであって、
前記保持手段は、前記化学発光体が装着されるリング状の保持部を備えていることを特徴とするルアー。
【請求項2】
ルアー本体の上部に、前後方向に沿う保持手段を設け、前記保持手段に棒状の化学発光体を保持したルアーであって、
前記保持手段は、前記化学発光体が軸方向に挿入される保持部を備えていることを特徴とするルアー。
【請求項3】
前記保持部は前記化学発光体を保持する弾性を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のルアー。
【請求項4】
前記化学発光体に外嵌され、前記化学発光体の軸方向から前記保持部の側部に当接されることで、前記保持部に前記化学発光体を抜け止め係止するOリングを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のルアー。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−231802(P2012−231802A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−191645(P2012−191645)
【出願日】平成24年8月31日(2012.8.31)
【分割の表示】特願2010−171705(P2010−171705)の分割
【原出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000002495)グローブライド株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】