説明

ループ形成紡績またはループ形成加撚のための機械のスイッチオンの方法

【課題】従来の不足を排除しかつループ形成紡績またはループ形成加撚のための機械のスイッチオンの運転確実な方法を提案する。
【解決手段】まず、バルーンリミッタとスピンドルとが回転開始し、該スピンドルが、バルーンリミッタ以前にスタートせず、スピンドルの回転開始時の瞬間回転速度が、多くとも一時的にバルーンリミッタの回転開始時の瞬間回転速度に合致し、その後、まだバルーンリミッタおよびスピンドルの定格回転速度への到達前に供給機構が回転開始し、これによって、糸結合体が、スピンドルのスタートと供給機構の定格速度との間の時間インターバルで、最終糸の公称撚りの許容可能な偏差よりも低い撚り数を達成するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ループ形成紡績またはループ形成加撚のための機械をスイッチオンするための方法であって、該機械の作業ステーションを、供給材料の、制御される駆動装置を備えた供給機構と、制御される駆動装置を備えたバルーンリミッタと、制御される駆動装置を備えたスピンドルと、該スピンドルによって支持された巻管のベースの下方でスピンドルに位置する、糸のための保持手段と、スピンドルレールに位置する、糸のための裁断器具とによって形成し、前記機械が、供給機構からバルーンリミッタを介して、スピンドルレールの下方に位置する捕捉手段に通じる補助糸区分の形成の段階と、バルーンリミッタ、スピンドルおよび供給機構の回転開始時の該供給機構と、スピンドルに設けられた捕捉手段との間への糸結合体の形成の段階と同時に、捕捉手段と捕捉手段との間での糸の遮断の段階とを有する形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
ループ形成紡績またはループ形成加撚のための機械の原理は、ヨーロッパ特許出願公開第883703号明細書に記載されている。請求項1の導入部分は、同一出願人の、これまで公開されていないチェコ共和国特許出願第2005−18号明細書から出発する。
【0003】
機械のスイッチオン時の紡績開始プロセスの成果が、供給機構と、回転する開いたループの形成のための条件を、後続の運転確実な紡績プロセスに対する機能的な前提条件として提供するスピンドルに設けられた捕捉手段との間の糸結合体の構造に関連していることが確認された。
【0004】
しかし、これまで、ループ形成紡績またはループ形成加撚のための機械のスイッチオンの効果的な方法はまだ提案されなかった。
【特許文献1】ヨーロッパ特許出願公開第883703号明細書
【特許文献2】チェコ共和国特許出願第2005−18号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、従来の不足を排除しかつループ形成紡績またはループ形成加撚のための機械のスイッチオンの運転確実な方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために本発明の方法では、まず、バルーンリミッタとスピンドルとが回転開始し、該スピンドルが、バルーンリミッタ以前にスタートせず、スピンドルの回転開始時の瞬間回転速度が、多くとも一時的にバルーンリミッタの回転開始時の瞬間回転速度に合致し、その後、まだバルーンリミッタおよびスピンドルの定格回転速度への到達前に供給機構が回転開始し、これによって、糸結合体が、スピンドルのスタートと供給機構の定格速度との間の時間インターバルで、最終糸の公称撚りの許容可能な偏差よりも低い撚り数を達成するようにした。
【発明の効果】
【0007】
最終糸の公称撚りの許容可能な偏差の規定は、機械のスイッチオン時の紡績開始プロセスの成果に関して、糸結合体が、供給機構の回転開始の間、最終糸の公称撚りの150%よりも少ない全撚りを達成するという仮定から出発する。
【0008】
供給機構は、簡単な事例では、線形の速度経過で回転開始し、この回転開始時に、定格速度を上回る一時的な速度増加を達成する。第2の変化形の利点は、糸結合体における撚りの一時的な増加が、著しく早期に最終糸の撚りのレベルに減少させられるかまたは極めて短い時間の間でさえ、糸に課せられた瞬間撚りが最終撚りのレベル未満に減少させられることである。これによって、糸結合体の長さにおいて、有利には、この結合体における平均的な撚りが糸の最終撚りのレベルを僅かしか上回らないことが確保される。駆動の技術的な実施の簡略化の観点から、バルーンリミッタとスピンドルとが同時にスタートし、定格速度までの回転開始時のバルーンリミッタとスピンドルと瞬間回転速度が原理的に同じであると有利である。
【0009】
供給機構と捕捉手段との間の補助糸区分は、糸リザーブから形成することができるかまたは、たとえばボビンの交換後の機械の再度のスイッチオン前の機械の、制御された停止によって得られる糸から形成することができる。糸リザーブは、供給機構から到来する供給形成物に公知の形式で接続される。このことは、実際には、機械の最初のスイッチオンまたは部分の交換後の機械のスイッチオンが考慮される場合に考慮される。補助糸区分では、公称撚りが知られている。しかし、この公称撚りは、先行する操作によって幾分減少し得る。しかし、補助糸区分における撚り数は、機械のスイッチオン前に多くとも最終糸の公称撚りよりも25%だけ低いことが望ましい。
【0010】
機械は、制御されて以下の実行の順序:すなわち、スピンドルと供給機構との定格速度を減少させ、バルーンリミッタの定格速度を減少させ、スピンドルと供給機構との定格速度の減少を終了し、スピンドルと供給機構とを、減少させられたコンスタントな速度で運動させ、バルーンリミッタの定格速度の減少を終了し、バルーンリミッタを、減少させられたコンスタントな速度で運動させ、制御された回転終了によって、バルーンリミッタと、スピンドルと、供給機構との駆動装置を同時にスイッチオフし、これによって、バルーンリミッタがスピンドル以前に停止する:で停止させられる。したがって、このことは、バルーンリミッタの回転する壁が、コップに巻き上げられた糸の巻条を緩めないようにするために重要となる。
【0011】
バルーンリミッタと、スピンドルと、供給機構との駆動装置のスイッチオフのための時間インターバルは、供給ローラと、巻管に巻き上げられた糸との間の距離のほぼ二倍に相当する糸の長さ区分の紡績のために選択される。このことは、オーダにより、数分の一秒ないし数秒の期間に相当している。この時間後、全ての機能機構の駆動装置が同時にスイッチオフされる。糸の前記長さ区分の紡績は、機械の再度のスイッチオン前の新たな補助糸区分の形成のために有利である。
【0012】
スピンドルと供給機構との定格速度の減少の開始と、バルーンリミッタの定格速度の減少の開始との間の期間およびスピンドルと供給機構との定格速度の減少の終了と、バルーンリミッタの定格速度の減少の終了との間の期間は極めて僅かであり、オーダにより数分の一秒である。
【0013】
バルーンリミッタとスピンドルとの定格速度の減少時のかつ減少させられたコンスタントな速度の場合の速度関係は、紡績プロセス時の前記機能機構の速度関係に合致し続けている。
【0014】
供給機構の、減少させられたコンスタントな速度のレベルが、供給機構の定格速度に比べて低い場合には、糸が、公称撚りよりも低い撚りで紡績され得る。この場合、実際には、この撚りは公称撚りよりも最大25%だけ低い。
【0015】
しかし、バルーンリミッタとスピンドルとが、供給機構を含むこれらの機構において、同時にかつ同じ回転速度で回転開始する制限事例では、より低いレベルへのバルーンリミッタとスピンドルとの定格速度の減少の開始および終了が同時に行われることが可能である。
【0016】
したがって、機能機構の速度のより低いレベルでの紡績は、公称撚りの75〜100%のインターバルの撚りを備えた糸区分を保証することができる。この糸は、より低い生産速度と同時に、上述した機能機構のより低い速度で紡績され、したがって、この機能機構の、制御された回転終了を極めて短い時間で完全な静止にもたらすことができる。回転終了の制御のためには、たとえばプログラムブレーキを使用することができる。
【0017】
作業ステーションの機能機構の動作の時間的な順序は、種々異なる繊維材料および異なる長さ重量から成る糸の試し紡績の結果に応じて選択される。
【0018】
上述した条件による最初の紡績時のまたは機械の先の停止後のループ形成紡績またはループ形成加撚のための機械のスイッチオンの経過は、後続の紡績の運転確実な紡績開始プロセスを確保している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面につき詳しく説明する。
【0020】
図1には、ループ形成紡績またはループ形成加撚のための機械の作業ステーションが示してある。この作業ステーションは供給機構1を有している。この供給機構1は、通過させたい供給繊維形成物4、すなわち、紡績の事例では繊維源もしくは粗糸または加撚の事例では多重の糸システムの一対の供給ローラ2,3によって図示してある。紡績のための変化形では、これらの供給ローラ2,3が通過機構の出口ローラによって形成される。
【0021】
供給機構1はガイド5によって第1のモータ6に接続されている。供給機構1の下方には、糸巻上げ体9を備えた巻管8を支持するほぼ鉛直なスピンドル7と、このスピンドル7に対応配置されたバルーンリミッタ10とが配置されている。このバルーンリミッタ10は、糸を直接巻管8に移行するための、半径方向で制限されない、回転する開いたループの連続的な形成による回転するバルーンを制限するために設けられている。スピンドル7は、同時に第2のモータ11のロータ(図示せず)である。この第2のモータ11はスピンドルレール12に固定されている。スピンドルの中央のベルト駆動の事例では、機械が、少なくとも1つの共通の駆動モータを装備している。機械の全ての作業ステーションに沿って配置されたスピンドルレール12は、糸巻上げ体9の形成ために、慣用の駆動装置(図示せず)を備えている。この駆動装置によって、スピンドルレール12がプログラムにより鉛直に二重矢印13の方向に移動可能である。
【0022】
バルーンリミッタ10は、たとえば下向きの方向に拡幅された管状のボディ101によって形成される。このボディ101は、糸のガイドおよび連行のための内側の案内表面102を有していて、スピンドル7に類似して、同時に第3のモータ14のロータである。この第3のモータ14は、不動の支持レール15に固定されている。
【0023】
スピンドル7には、巻管8のベースの下方に、糸Pに対する構造化された表面を備えた保持手段16が載着されている。スピンドル7にはレバーガイド17が対応配置されている。このレバーガイド17は、糸Pを紡績開始プロセス時に保持手段16の作用の領域にプログラムにより導入するための駆動機構18によって操作される。
【0024】
供給機構1の駆動装置を形成する第1のモータ6と、スピンドル7の駆動装置を形成する第2のモータ11と、バルーンリミッタ10の駆動装置を形成する第3のモータ14とは、非同期的な電動モータとして形成されていてよい。これらの電動モータでは、周波数の変更または制御によって、回転数に相応に影響を与えることができ、これによって、電動モータは、電気的な線路19,20,21によって、機械の作業ステーションのプログラミング可能な公知の制御機構22、有利にはコンピュータにも制御可能に接続されている。モータの駆動・制動機能と、この駆動・制動機能の制御とは公知の形式(説明せず)で行われる。また、制御機構22をモータの駆動・制動機能の制御の目的のために配置しかつプログラミングすることも当業者には容易なことである。
【0025】
制御機構22には、電気的な線路23によってレバー糸ガイド17の駆動機構18も接続されている。
【0026】
スピンドルレール12の上方には、糸Pのための裁断器具24が位置している。スピンドルレール12の下方には、巻管のための捕捉手段25が配置されていて、たとえばボビンの交換機構の搬送ベルトのマンドレルによって形成されている。
【0027】
糸結合体26は、供給機構1と、巻管8に設けられた糸巻上げ体9との間の糸Pの一部である。破線で図示した補助糸区分27は供給機構1と捕捉手段25とによって仕切られる。
【0028】
定置の機械の場合、個々の作業ステーションにおいて、たとえば機械の最初のスイッチオン前にまたは部分の交換後の機械のスイッチオン前に、補助糸区分27が供給機構1と捕捉手段25との間に存在しない限り、補助糸区分27が最初に提供されなければならない。このためには、捕捉手段25に載着されたコップから、1つの蓄え糸Pが公称撚り数で繰り出され、この蓄え糸Pの端部がバルーンリミッタ10のスリーブに供給機構1に向かって引き通され、そこで、予め供給機構1にガイドされた、供給ローラ2,3のニップラインを越えて突出した供給形成物4に慣用の形式で結合されるように、操作または適切な自動操作が慣用の形式で実施される。この状況では、レバーガイド17が、破線で図示した非作業位置にある。
【0029】
いずれにせよ、コップにおける蓄え糸から補助糸区分27の公称撚り数が知られている。しかし、この公称撚り数は、先行する操作時に幾分減少し得る。しかし、補助糸区分27における撚り数は、機械のスイッチオン前に多くとも最終糸の公称撚り数よりも25%だけ低いことが望ましい。
【0030】
補助糸区分27が機械の作業ステーションに形成されるやいなや、機械が運転開始され得る。第1の段階では、駆動機構18が制御機構22のパルスに対して糸ガイド17を作業位置にもたらす。この作業位置では、補助糸区分27が保持手段16の作用の領域に到来している。機械のスイッチオン時には、まず、制御機構22により、第3のモータ14によってバルーンリミッタ10が回転開始し、予め規定された遅れを伴って第2のモータ11によってスピンドル7が回転開始する。このスピンドル7の後続の回転開始によって、糸が、スピンドル7に設けられた保持手段16と、供給機構1との間に糸結合体26を形成する。同時に、裁断器具24によって、糸Pが、スピンドル7に設けられた保持手段16と、捕捉手段25に設けられたコップとの間で遮断される。バルーンリミッタ10およびスピンドル7の回転開始時には、バルーンリミッタ10の瞬間回転数とスピンドル7の瞬間回転数との間に常に、規定された正の差が維持され、これによって、スピンドル7がより緩速に回転する。このスピンドル7の回転開始によって、糸結合体26において撚り数が増加させられる。バルーンリミッタ10およびスピンドル7の定格回転の達成前の予め規定された瞬間では、第1のモータ6によって供給機構1がスタートし、その後、この供給機構1の回転開始が制御され、これによって、糸結合体26が、スピンドル7のスタートと供給機構1の定格速度との間の時間インターバルで、最終糸の公称撚りの許容可能な偏差よりも低い撚り数を獲得する。紡績開始プロセス時の糸結合体26における可能な限り許容可能な撚り数は、最終糸の公称撚り数の150%であってよい。
【0031】
作業ステーションの機能機構の、制御された回転開始時には、糸によって、回転する開いたループが確実に形成される。その後、このループによって、糸Pが巻管8に巻き上げられる。
【0032】
機械の後続のスイッチオン前には、この機械が、制御されて以下の実行の順序:すなわち、
−スピンドル7と供給機構1との定格速度を減少させ、
−バルーンリミッタ10の定格速度を減少させ、
−減少させられたコンスタントな速度での後続の運動によってスピンドル7と供給機構1との定格速度の減少を終了し、
−減少させられたコンスタントな速度での後続の運動によってバルーンリミッタ10の定格速度の減少を終了し、
−バルーンリミッタ10とスピンドル7との、制御された回転終了によって、バルーンリミッタ10と、スピンドル7と、供給機構1との駆動装置を同時にスイッチオフし、これによって、バルーンリミッタ10がスピンドル7以前に停止する
で停止させられる。
【0033】
制御された回転終了は、プログラムブレーキによって実施され得る。プログラムによる機械の停止後、機能機構の駆動装置のスイッチオフ前の時間インターバルで紡績された糸から、補助糸区分27が形成される。これには、上述したように、プログラムによる機械のスイッチオンが後続することができる。
【0034】
図2には、供給機構のスタートおよび回転開始を含むバルーンリミッタ10およびスピンドル7の回転開始の線形の経過を備えた根本的な変化形におけるバルーンリミッタ10およびスピンドル7の段階的なスタート時の糸結合体26における瞬間撚り数の線図が示してある。
【0035】
a−バルーンリミッタ10のスタート:a1−回転開始、a2−回転開始の終了、a3−定格速度
b−スピンドル7のスタート:b1−回転開始、b2−回転開始の終了、b3−定格速度
c−供給機構1のスタート:c1−回転開始、c2−回転開始の終了、c3−定格速度
Z−機能機構の瞬間速度に応じた糸結合体26における瞬間撚りの形成の経過を示している。この場合、y軸では、1.00が最終糸の公称撚りを示しており、1.50が、最終糸の公称撚りよりも50%だけ高い撚りを示しており、0.75は、最終糸の公称撚りよりも25%だけ低い撚りを示している。y軸における縮尺なしの二次パラメータは、機能機構の瞬間速度の経過を概略的に示している。
【0036】
図3には、(請求項4により)定格速度を上回る瞬間速度の一時的な増加を伴う供給機構1の回転開始を備えた変化形における機能機構の段階的なスタート時の糸結合体26における瞬間撚り数の線図が示してある。この線図から明らかであるように、糸Pは、供給機構1の回転開始の速度の一時的な増加の最大値で、最終糸の公称撚りよりも低い瞬間撚りである。
【0037】
図4には、プログラムによる機械のスイッチオフの例示的な経過時の糸における瞬間撚り数の線図が示してある。糸結合体26の形成の経過から明らかであるように、機能機構の回転終了時には、糸結合体における撚り数が、最終糸の公称撚りの最大25%だけ減少し得る。
【0038】
a3,b3,c3は、バルーンリミッタ10の定格速度、スピンドル7の定格速度および供給機構1の定格速度を示しており、
a4,b4,c4は、バルーンリミッタ10の速度の、制御された減少、スピンドル7の速度の、制御された減少および供給機構1の速度の、制御された減少を示しており、
a5,b5,c5は、規定された時間Tの間の減少させられたコンスタントな速度を備えたバルーンリミッタ10の速度、スピンドル7の速度および供給機構1の速度を示しており、
a6,b6,c6は、完全な静止までの制御された終了を示しており、
T1は、スピンドル7および供給機構1の定格速度の減少の開始と、バルーンリミッタ10の定格速度の減少の開始との間の時定数であり、
T2は、スピンドル7および供給機構1の定格速度の減少の終了と、バルーンリミッタ10の定格速度の減少の終了との間の時定数である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】ループ形成紡績またはループ形成加撚のための機械の作業ステーションの部分的な側面図である。
【図2】糸結合体における撚りの経過の線図および機械のスイッチオン時の作業ステーションの機能機構の動作の概略的な例示的な経過を示す図である。
【図3】糸結合体における撚りの経過の線図および機械のスイッチオン時の作業ステーションの機能機構の動作の概略的な例示的な経過を示す図である。
【図4】機械の一時的な停止時の作業ステーションの機能機構の、制御された回転終了時の糸における撚りの経過の線図である。
【符号の説明】
【0040】
1 供給機構、 2,3 供給ローラ、 4 供給繊維形成物、 5 ガイド、 6 第1のモータ、 7 スピンドル、 8 巻管、 9 糸巻上げ体、 10 バルーンリミッタ、 11 第2のモータ、 12 スピンドルレール、 13 二重矢印、 14 第3のモータ、 15 支持レール、 16 保持手段、 17 レバーガイド、 18 駆動機構、 19,20,21 線路、 22 制御機構、 23 線路、 24 裁断器具、 25 捕捉手段、 26 糸結合体、 27 補助糸区分、 101 ボディ、 102 案内表面、 P 糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループ形成紡績またはループ形成加撚のための機械をスイッチオンするための方法であって、該機械の作業ステーションを、供給材料の、制御される駆動装置を備えた供給機構と、制御される駆動装置を備えたバルーンリミッタと、制御される駆動装置を備えたスピンドルと、該スピンドルによって支持された巻管のベースの下方でスピンドルに位置する、糸のための保持手段と、スピンドルレールに位置する、糸のための裁断器具とによって形成し、前記機械が、供給機構からバルーンリミッタを介して、スピンドルレールの下方に位置する捕捉手段に通じる補助糸区分の形成の段階と、バルーンリミッタ、スピンドルおよび供給機構の回転開始時の該供給機構と、スピンドルに設けられた捕捉手段との間への糸結合体の形成の段階と同時に、捕捉手段と捕捉手段との間での糸の遮断の段階とを有する形式のものにおいて、
まず、バルーンリミッタとスピンドルとが回転開始し、該スピンドルが、バルーンリミッタ以前にスタートせず、スピンドルの回転開始時の瞬間回転速度が、多くとも一時的にバルーンリミッタの回転開始時の瞬間回転速度に合致し、その後、まだバルーンリミッタおよびスピンドルの定格回転速度への到達前に供給機構が回転開始し、これによって、糸結合体が、スピンドルのスタートと供給機構の定格速度との間の時間インターバルで、最終糸の公称撚りの許容可能な偏差よりも低い撚り数を達成することを特徴とする、ループ形成紡績またはループ形成加撚のための機械をスイッチオンするための方法。
【請求項2】
糸結合体が、供給機構の回転開始の途中に、最終糸の公称撚り数の150%よりも少ない全撚りを達成する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
供給機構が、瞬間速度の線形の経過で回転開始する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
供給機構が、一時的な増加の回転開始時に、定格速度を上回る瞬間速度を達成する、請求項1または2記載の方法。
【請求項5】
バルーンリミッタと、スピンドルと、供給機構とが、機械の、制御された先の停止後に回転開始し、該停止後、糸結合体が、多くとも最終糸の公称撚りよりも25%だけ低い撚りを有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
機械を、制御して以下の実行の順序:すなわち、
−スピンドルと供給機構との定格速度を減少させ、
−バルーンリミッタの定格速度を減少させ、スピンドルと供給機構との定格速度を減少させ、スピンドルと供給機構とを、減少させられたコンスタントな速度で運動させ、バルーンリミッタの定格速度の減少を終了し、バルーンリミッタを、減少させられたコンスタントな速度で運動させ、バルーンリミッタとスピンドルとの、制御された回転終了によって、バルーンリミッタと、スピンドルと、供給機構との駆動装置を同時にスイッチオフし、これによって、バルーンリミッタがスピンドル以前に停止する
で停止させる、請求項5記載の方法。
【請求項7】
バルーンリミッタとスピンドルとの定格速度の減少時のかつ減少させられたコンスタントな速度の場合の速度関係が、紡績プロセス時の前記機能機構の速度関係に合致し続ける、請求項6記載の方法。
【請求項8】
バルーンリミッタと、スピンドルと、供給機構との駆動装置のスイッチオフ前の、減少させられたコンスタントな速度における紡績の時間インターバルを、供給機構と、巻管への糸の巻上げの箇所との間の距離のほぼ二倍に相当する糸の長さ区分の紡績開始のために選択する、請求項6記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−299504(P2006−299504A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−112007(P2006−112007)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(590005597)マシーネンファブリク リーター アクチェンゲゼルシャフト (93)
【氏名又は名称原語表記】Maschinenfabrik Rieter AG
【住所又は居所原語表記】Klosterstrasse 20,CH−8406 Winterthur,Switzerland
【Fターム(参考)】