ループ糸を製造するための装置用のノズルコア、ならびにノズルコアを製造するための方法
本発明は、セラミックノズルコア、並びにループを作るための装置の一部としてのセラミックノズルコアを製造するための方法に関する。セラミックノズルコアがほぼ等しくされた一定の壁厚でもって形成され、その大きさがループを形成するための空気吹き込みと糸出口を備えた糸処理通路の中枢機能を果たすまで縮小されており、成形法で製造される。セラミックノズルコアは極めて精密な方法で鋳造するのが特に好ましい。本発明のセラミックノズルコアは小型化することができ、かつ二つの部分から成るノズルコアの一部として形成することができる。この場合、セラミックノズルコアは外側ノズルコアジャケット内に差し込まれる。二つの部分から成るノズルコアは交換ノズルコアとして、例えば従来技術のケーシング内に組み込むことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ループ糸を製造するための装置の一部分としてのセラミックノズルコアを製造するための方法、ならびにループ糸を製造するためのノズルコアに関する。
【背景技術】
【0002】
テクスチャード加工の概念の一部は、糸にテクスチャード加工の性質を与える目的でもって、紡績されるフィラメント束あるいは相応するエンドレス糸を加工することであると理解される。後に続く説明において、テクスチャード加工の概念は、個々のフィラメントにおいて多数のループを作ること、あるいはループ糸を製造することである。テクスチャード加工のための従来の解決手段は、特許文献1に記載されている。エンドレスフィラメント糸は、テクスチャーノズルの入口端部で糸案内通路に供給され、かつトランペット状の出口端部で超音速流の衝撃力によりテクスチャード加工される。糸案内通路は一定の横断面を備えた円筒状である。入口は未加工の糸を問題なく導入するためにわずかに丸みが付されている。トランペット状の出口には案内体が配置されており、この場合トランペット形状部と案内体の間においてループの形成が行われる。糸は過剰にテクスチャーノズルに供給される。過剰な供給は、各個別のフィラメントにおいてループを形成するのに必要であり、それにより出口端部で糸の番手が上がる。
【0003】
特許文献2は、多数のフィラメントから成る少なくとも一つのエンドレス糸をテクスチャード加工するための装置から出発する。ノズルは糸案内通路、並びに半径方向で糸案内通路内に合流する圧力媒体のための少なくとも一つの導入部を有する。本発明に類するようなノズルは、外側の拡張する糸案内通路の出口開口部と、出口開口部内に突出し、この出口開口部と共に環状間隙を形成する球状あるいは半球状の案内体とを備えている。テクスチャード加工された糸にあって、糸の特性の維持は、完成品の加工工程の間であっても、その後であってもこのような糸を使用するための重要な基準である。さらに二つあるいは多数の糸とテクスチャード加工された糸の個々のフィラメントとの混合の程度が、安定した商品の形成を得るのには基本的に重要である。
【0004】
糸の不安定性Iを規定するために、番手167f68dtexを使用したポリエステルのマルチフィラメント糸に基づき説明するように、リール周面の1m毎に4巻を有する糸ストランドが形成される。次いでこのような糸ストランドは一分あたり25cNで負荷をかけられ、その後長さXが規定される。次いで同様に一分の間、負荷が1250cNで加えられる。負荷を解除した後、一分後糸ストランドは25cNで再度負荷をかけられ、次いでさらに一分後長さyが規定される。その結果不安定性の値が得られる。
【0005】
不安定性は、加えられた負荷により何パーセントの残留伸びが生じるかを示す。特許文献1の根底をなす課題は、糸の高い安定性と個々のフィラメントの高い混合度を保証する最適なテクスチャード加工効果が得られるような前述の様式の改良された装置を提供することにある。この課題の解決手段として、通路の凸状に彎曲した出口開口部の外径が、通路の直径の少なくとも4倍、および球状あるいは半球状の案内体(5)の直径の少なくとも0.5倍であることが提案された。最適な結果として、製品速度は100から600m/minまでの範囲であった。興味深いことに、本願出願人はすでに15年以上にわたりこのような相当するノズルを市販して、成功している。それと共に作られた糸の品質は、15年以上にわたり極めて良好であると評価された。しかしながら、さらに性能を高めたいという要望が次第に高まってきている。出願人は特許文献2による解決手段により、1000m/minまでの糸移送速度の著しい性能改善を達成した。性能改善のための基本的な考え方は、拡張された超音速通路内、すなわちループの形成が行われる領域内での流過比(Stromungsverhaltnis)を高くする点にある。特別な検査基準として、テクスチャーノズルの出口における糸張力が知られている。数多くの実験により、特許文献1による解決手段にあって、糸張力は約600m/minの糸速度を超えると著しく低下することがわかった。結局これによりこのようなノズルタイプの性能限界がわかる。
特許文献2の提案に従い超音速通路内で流れを強めることにより、移送速度を1000m/minまで高めることを可能にする、糸張力の予想外の上昇が得られた。この場合、処理された糸の品質は、初めは最大移送速度においても同じであるか、あるいは同じでない場合には良好であると判断された。しかしながら、実際には多くの例において、糸品質は所望の要求を満たしていない。
【0006】
特許文献2において、品質に関する鍵はテクスチャーノズルの後の糸張力にあることがわかる。糸張力を高めることが上手くいったときにだけ、品質を改善することができる。破損箇所は圧縮空気噴射流がマッハ2の範囲を超えたときに発生することがあった。一連の実験により、品質が改善されるだけでなく、品質が製造速度を高めることによりきわめてわずかな程度で好ましくない影響を受けることがわかった。すでにほんのわずかなマッハ数の上昇により、重要な結果が得られた。テクスチャード加工の相応する強化のための最良の説明によれば、速度の差は衝撃波面の直前及び直後に増大し、それにより直接相応する作用力により、空気はフィラメントに影響をもたらす。衝撃波面の領域内の力が大きいと糸張力は増大する。マッハ数が上昇することにより、直接このような経過はは衝撃波面において高まる。本発明によれば、法則性は次のように認識される。高マッハ数=強い衝撃=集中的なテクスチャード加工。集中的な超音速流は、広がった糸の個々のフィラメントを広い前面で、および極めて集中的に捕捉し、したがってどのループも側面で衝撃波面の作用領域を経由して回避することはまったくできない。超音速流を加速通路内で発生させることは膨張に基づくので、高いマッハ領域により、したがって例えばマッハ1.5ではなく、マッハ2.5により、有効な出口横断面積の増大が得られる。すなわち効有効な出口横断面積が倍増する。様々な驚くような観察を行ない、かつ新しい発明と組み合わせて証明することができる。
【0007】
特許文献1による従来技術の比較と特許文献2の範囲における解決手段により、かなり広い範囲において、以下の法則性が得られる。すなわち、テクスチャー品質は、製造速度が高い場合、製造速度が低い場合のテクスチャー品質と比べて、低いマッハ領域のために形成される超音速通路により少なくとも同じかあるいは良好である。テクスチャード加工過程は、空気速度にあっては、衝撃波面においてはマッハ2より大きく、つまり例えばマッハ2.5からマッハ5まで、糸貫通速度が高い場合、ループは全てほぼ例外なく捕捉され、かつ糸内で良好に束ねられるように集中的である。加速通路の内部で高いマッハ領域内の空気速度を生じさせることにより、テクスチャード加工は最高速度までもはや倒壊しない。次にフィラメント結合全体がはっきりした外側の通路境界部の内側で均一になり、かつ衝撃波面領域内へ直接案内される。
【0008】
加速通路内では、糸が加速する空気噴射により相応する間隔を介して取り込まれ、さらに開かれそして直接次のテクスチャー領域に引渡される。次いで吹き込み空気噴射は、加速通路内に、偏向しないで不安定でかつ強力に拡張するテクスチャー領域を通って案内される。一つあるいは複数の糸繊維は、同じかあるいは異なる引渡しにより導入することができ、かつ400から1200m/minまでの製造速度でテクスチャード加工することができる。超音速通路内の圧縮空気噴射は、マッハ2.0から6で、好ましくは2.5から4で加速される。糸通路の出口側端部が衝突体により区画された場合に、最良の結果が得られる。テクスチャード加工された糸は、糸通路軸線に対してほぼ直角に間隙を通って排出される。
【0009】
全体的理論上の効果的な超音速通路の拡張角度は、最小直径から最大直径まで、10°以上であるが40°未満であり、好ましくは15°から30°の間でなければならない。時間に関して普通の粗さの値にしたがって、一連の製造に関して35°から36°までの上側の臨界角が得られる。円錐状の加速通路内において、圧縮空気は実質的に連続的に加速される。超音速通路の直前のノズル通路部分は、ほぼ円筒状に形成されるのが好ましく、この場合、圧縮空気は移送部材により、加速通路への方向で円筒状部分内に吹き込まれる。糸を引っ張り込む力は、加速通路の長さにより大きくなる。ノズルの拡張あるいはマッハ数の増大により、テクスチャード加工は強くなる。加速通路は1:2.0の、好ましくは1:2.5もしくはそれ以上の少なくとも一つの横断面拡張領域を備えていなければならない。さらに加速通路の長さは、加速通路の開始部における糸通路の直径に比べて、3〜15倍、好ましくは4〜12倍の大きさであることが提案される。加速通路の全体あるいは一部は、連続的に拡張されて形成されており、円筒状の部分を備え、および/またはわずかな球面形状を有していてもよい。しかしながら、さらに加速通路は微細に段を付けて形成することができ、かつ異なる加速領域を備えていてもよい。すなわち加速度が大きい少なくとも一つの領域ならびに加速度が小さい少なくとも一つの領域を備えている。今ふれている境界条件が、加速通路のために守られる場合、挙げられた加速通路の変形は、ほぼ同等であるかあるいは少なくとも同等であるとわかった。糸通路は、加速通路に続いて、強度に凸状の、好ましくはトランペット状の、40°以上大きい分だけ拡張された糸通路合流部を備えており、この場合、超音速通路から糸通路合流部内への移行は、不連続に行われるのが好ましい。さらに決定的な要因は、衝突体により特にテクスチャースペース内の圧力比も確実に影響を受け、かつ安定した状態で保持できることにある。テクスチャーノズルのそれ以外の好ましい形態は、テクスチャーノズルが、空気供給部が合流する中央の円筒状部分を有した、貫通する糸通路を備えていることを特徴とする。
【0010】
初期の全調査により、特許文献1による糸通路内への半径方向の空気吹き込み部を備えたテクスチャーノズルにより算出された、処理空気のための最適な吹き込み角度のデータが、ほぼ48°であることが確認できた。全く予期していなかったこととして、新しい実験により、特許文献2に従ったノズルを使用した吹き込み角度の増大が、第一の一連の実験においてすでに、テクスチャード加工された糸の品質の予期しない上昇をもたらした。発明から、続いて二つのプロセス領域、すなわち糸の開放と糸のテクスチャード加工が、コアの特徴であり、かつこの二つのプロセス領域を互いに重なり合って最適に調和させねばならないことがわかった。何度も繰り返した実験により、特許文献1による解決手段の場合、境界はテクスチャー領域内にあり、従って糸の開放を高めることは単に不都合をもたらすにすぎないことがわかった。
【0011】
提出された出願の対象ではない糸の渦巻きの領域から、最大の糸開放効果は90°の吹込み角度の場合であることが知られている。渦を巻くことの目的は、糸内において規則的な結びを形成することである。渦巻きの例として、特許文献3が指摘される。これに反してテクスチャード加工された糸の場合、何もない状況において結びが存在していて構わない。原則的に異なる結び形成及びループ形成の双方の方法のための吹込み角度に関する境界領域が存在する。最高の糸品質を得るための異なる機能の側面から、糸移送速度が最大の場合でさへも、続いて説明するように予期しない改善が得られる。少なくとも出願人の視点から、いわゆるノズルコアを製造するために、費用のかかる製造方法が必要であることは大きな短所として感じられる。例えばプレスあるいは射出成形のような経済的方法による試みは全て失敗した。未加工鋳造品を製造することは、プレス法であっても射出成形法であっても有利な条件の範囲内においては成功しなかった。理由はセラミックの原材料の特殊性にあった。セラミックは依然として磨耗すなわち耐久性を考慮した最良の原材料の一つである。
【特許文献1】欧州特許公開公報第0088254号明細書
【特許文献2】欧州特許第0880611号明細書
【特許文献3】ドイツ国特許第19580019号明細書
【特許文献4】欧州特許公開公報第1022366号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の根底をなす課題は、一方においては、記載されたノズルコアの認識された長所をすべて証明することであり、他方においては、ノズルコアを低コストで製造することが可能となる、新しい製造方法を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような課題は、セラミックノズルコアが、ほぼ一定の壁厚でもって形成され、ループを形成するための空気吹込み部と糸出口を備えた糸処理通路の中枢的機能部まで、大きさが縮小され、そして成形する方法にて製造されることにより解決される。
【0014】
特に有利な形態は、セラミックノズルコアが高度に精密な方法で射出成形されることを特徴とする。
【0015】
本発明によるノズルコアは、ノズルコアがセラミックノズルコアとして、ほぼ一定の壁厚でもって形成され、ループを形成するための空気吹込み部と糸出口を備えた糸処理通路の中枢的機能部まで、大きさが縮小されており、そして成形方法にて製造可能であることを特徴とする。
【0016】
出願人は、これまで、新しい開発に関して重要な判断基準が、ノズルコアが別の内側寸法と空気入射角でもって使用できるように、ノズルコアを交換用コアとして形成することにあることを前提とした。従って例えば現存する従来技術のノズルコアをわずかな操作で交換し、かつ新しい開発の長所を全て利用することが可能である。このそれ自体都合の良い過去の開発のための要求が、言葉通りに解釈され、かつそれ以上の開発を強く阻んでいることが、発明人により今はじめて認識されている。結果は、新しいノズルコアが各々、その外側寸法が、古いノズルコアと一致して形成されることであった。結果として、ノズルコアのための未加工鋳造部材は、ますますもはや鋳造工程あるいはプレス工程では製造できず、言い換えれば常に不利な前提条件が、成形方法の確立のためにもたらされた。新しい発明は、交換用コアとしてのセラミックノズルコアを形成するという文字通りの必然的帰結により解決した。むしろ、この形態は内側の中枢機能部まで首尾一貫して整向される。今から形状全体は、鋳造技術の要求に従って規定され、かつ例えば二分割にすることにより、外側ノズルセラミックジャケットを備えた小型化されたセラミックノズルコアとして形成することができる。外側ノズルセラミックジャケットに初めて、従来技術のノズルコアの寸法が与えられ、この寸法は交換用コアの機能も引き継ぐ。
【0017】
新発明により、多数の特に有利な形態が可能になり、それに対して請求項4〜10を引き合いに出す。特に有利な形態は、糸処理通路が、少なくとも一つの円筒形部分ならびに拡張部分を備え、この場合吹込み部が円筒形部分の内側に、好ましくは例えばセラミックノズルコアの縦方向側の中央領域内に設けられていることを特徴とする。拡張部分は特許文献1に相応して、完全にトランペット状に形成されているかあるいは特許文献2に従って円錐状ならびにトランペット状の部分を備えている。糸通路は、好ましくは円筒形の中央部分を備え、この中央部分は移送方向で跳ねることなく円錐状の拡張部分に移行されており、この場合圧縮空気は円錐状に拡張された超音速通路に対して十分な間隔をおいて円筒形部分内に吹込まれる。新発明と関連した試みは、異なる新しい認識をもたらした。
【0018】
特許文献2による強化された超音速流部を備えたテクスチャーノズルの場合、吹込み角度が48°を超えて増大したときに、各糸の番手において、品質の改良が達せられる。角度が50°を超えて増大した際に、品質の上昇が急激に始まる。吹込み角度が52°より大きく、一部が60°まで、その上さらに65°までになった場合、糸の品質は極めて一定である。しかしながら、最適な吹込み角度は、糸の番手に左右される。
【0019】
圧縮空気は120°の範囲でずれて配置された三つの開口を経由して糸通路内に吹き込まれるのが好ましい。各々の場合に、糸の開口部は圧縮空気を糸通路内へ吹き込むことにより強化されるが、糸内の結び目の形成が回避されるのは重要である。一方においては糸の開口部を、並びに他方においては糸のテクスチャード加工を各々別個に最適化しなければならない。完全に異なる双方の機能を最適化するために、これらのことは、局所的に切り離さねばならないが、開口部がテクスチャード加工に直接続くかあるいは糸開口過程の終了がテクスチャード加工内に直接移行するようにして、短時間で相次いで実施しなければならない。ループ糸を製造するための重要なテクスチャード機能は全て、今や小型化されたセラミックノズルコアの内部で実行することができる。新しいセラミックノズルコアは装置の一部分であり、この部分は拡張部分内に埋め込み可能な球状の衝突体を備えており、この場合トランペット状部分が半径を有しており、この半径は衝突体の直径に比例している。その際特許文献1に相応して、衝突体は
トランペット状部分により環状間隙を形成し、この場合、通路の凸状に彎曲した出口開口部の外径は、通路の直径の少なくとも4倍であり、かつ球状あるいは半球状の案内体の直径の少なくとも0.5倍である。
【0020】
ノズルコアは二つの部分から形成されており、かつ外側のノズル体を備えており、このノズル体内にはセラミックノズルコアが挿入可能であることが全体として特に好ましい。この場合外側のノズルコアは合成樹脂で製造される。外側の合成樹脂体は今や必要な取付け寸法と固定手段に関する従来の理解において、交換体の機能を有する。さらに外側の合成物質体はセラミックノズルコアのための保護機能も有する。外側ノズル体とセラミックノズルコアの間には、外側ノズル体内でセラミックノズルコアを固定するために固定場所が設けられるのが好ましい。さらに、セラミックノズルコアならびにノズル体の間には、円筒状部分の領域内において環状の圧縮空気通路が設けられ、この圧縮空気通路を経由して空気の吹込みがブローイン開口を用いて行われる。環状の圧縮空気通路は円筒状部分の両端部領域内において各々圧縮空気を密閉するための密閉場所を備えている。
【0021】
別の形態によれば、ノズルコアは迅速に交換可能な部材として装置内部に形成されており、従ってノズルコアはセラミックノズルコアと協働して装置への取り外しを迅速に行うことができる。ノズルコアは内側のセラミックノズルコアと外側ノズル体により、二つの部分から形成されてもよく、この場合両方の部分は回転駆動部を備えた装置の一部分であり、ノズル体は組み込まれたセラミックノズルコアと共に駆動可能である。
【0022】
二つの部分に分解する場合、セラミックノズルコアならびに外側ノズル体は組立られた状態で糸出口端部においてほぼ平坦な面を形成する。新しい解決手段のための重要な要求によれば、ノズル体のレイアウトにより、形状および厚さの変化を吸収しなければならない。組立ならびに機械への取付けを考慮した構造上の要求は、このようにして外側のノズル体を介して受け止めることができる。セラミックノズルコアはセラミックの未加工鋳造品に対して最適に成形することができる。ノズル体は合成物質体として製造され、かつ外側寸法が、従来技術の相応する解決手段に関する交換部分として形成されるのが全体として特に好ましい。
【0023】
新しい発明は、放射状原理に従ったテクスチャーノズルの種類を出発点とする。噴射空気は放射状原理の場合、案内場所から、軸方向へ直接一定の速度でもって加速通路まで案内される。特許文献2の従来技術におけるように、新しい解決手段によっても、一つあるいは多数の糸繊維は、様々な引渡し部によりテクスチャード加工することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を実施例に基づき詳しく説明する。
【実施例】
【0025】
以下図1を参照する。テクスチャーノズル1には、円筒部分2を備えた糸通路4があり、この円筒部分は同時に直径dの最狭断面部分3にも相当する。この最狭断面部分3から、糸通路4は断面部亀裂を生じることなく加速通路内に移行し、次いでトランペット状に広がる。この場合、トランペット形状は半径Rで規定することができる。超音速流により、対応する衝撃波面直径DAEを算出することができる。衝撃波面直径DAEにより、剥離場所あるいは引き離し場所A1,A2,A3あるいはA4を比較的正確に算出することができる。衝撃波面の作用に関しては、特許文献2に示されている。空気の加速領域は、最狭断面3の位置からの距離l1と引き離し場所Aによっても規定することができる。純粋な超音速流が問題となるので、それから空気速度を大体計算できる。図1は、長さl2に相当する円錐状の加速通路11の形態を示す。開口角αは20°である。剥離場所A2は超音速通路の端部に記入されている。そこで糸通路は、広がり具合が強い円錐状の、言い換えればトランペット状の拡張部12内に、開口角∂>40°でもって移行する。その幾何学形状により、衝撃波面直径DAEが判明する。例として、例えば以下のような関係がわかる。
【0026】
相当する開口角により加速通路を延長すると、衝撃波面直径DAEは大きくなる。最大可能圧縮衝撃波面13は、引き続く圧力上昇領域14と共に、衝撃波面形成領域内において直接発生する。実際のテクスチャード加工は、最大圧縮衝撃波面の領域内で行われる。空気は糸に比べて数で約50係数分だけ速く運動する。多くの実験により、剥離箇所A3,A4は、供給圧力が低下した場合でも、加速通路11内に移行できることがわかった。実際には、各糸用に最適な供給圧力の算出が行われ、この場合、不都合な場合のための加速通路11の長さ(l2)が決められる。したがって、加速通路11の長さ(l2)は多少長めに選択される。MBによりブローイン開口15の中心線が記され、MGKにより糸通路4の中心線が記され、そしてMGKならびにMBの交点はSMで記されている。Pdは加速通路11の始端部における最狭断面部分の箇所であり、l1はSMとPdの間隔であり、l2はPdから加速通路の端部(A4)までの間隔である。Loffは、ほぼ糸開口領域の長さを表わし、Ltexはほぼ糸テクスチャード加工領域の長さを表わしている。角度βが大きくなるほど、後方に延びる糸開口領域は拡張する。
【0027】
続いて、ノズルコア5全体の有利な実施形態を断面で示す図2を参照する。外側の形状は、正確に従来技術のノズルコアに合っていると有利である。このことはとりわけ重要な取付け寸法、すなわち穴径BD,全長L,ノズルヘッド高さKH,ならびに圧縮空気接続部PP‘の間隔LAに関連する。実験により、48°より大きい吹込み角度βが最適であることがわかった。対応するブローイン開口15の間隔Xは、加速通路に関して重要である。ノズルコア5は糸の走入領域内において、矢印16と糸導入円錐6を備えている。寸法“X”(図6)は、圧縮空気孔15が好ましくは少なくとも最狭断面3のほぼ直径dの大きさ分だけ後方にずれていることを示す。送り方向(矢印16)で見て、テクスチャーノズル1あるいはノズルコアは、糸導入円錐6、円筒状の中間部分7、同時に加速通路11に相当する円錐8ならびに拡張するテクスチャー空域9を有する。このテクスチャー空域は、流れに対して垂直に、開放された円錐状の漏斗としても形成可能であるラッパ形状12により区画される。
【0028】
図2は実際の大きさに対して数倍の大きさに拡大された二つの部分から成るノズルコア5を示しており、このノズルコアは、案内体あるいは衝突体10を備えたセラミックノズルコア24ならびに外側のノズルコアジャケット25から成る。新しいノズルコア5は、従来技術のノズルコアのための交換用コアとして設計されている。したがって、特に取付け長さとしての寸法Bd,EL、LA+KHならびにKHは同じに製造されるだけでなく、同じ公差で製造されるのが好ましい。さらに外側の出口領域におけるラッパ形状も、従来技術におけるのと同様に、相当する半径Rで同じに製造されるのが好ましい。衝突体10は任意の形状、すなわち球面形状、球形状、扁平形状、あるいはそれどころか球冠形状を有していてもよい。出口領域における衝突体10の正確な位置は、外側寸法を維持することによりずっと保たれる。すなわち相当して同じ引出し間隙SP1が保たれる。テクスチャー空域18は加速通路11により後方に区画される。テクスチャー空域は選択した空気圧のレベルに応じて、加速通路内へも拡大できる。セラミックノズルコア24は、従来技術と同様に、セラミックのような高価な材料でできた塊として製造され、かつ実際高価なテクスチャーノズルの部分である。この新しいノズルで重要なことは、円錐状の円筒壁面17も、加速通路の領域内における壁面19も、さらには糸通路内への圧縮空気孔15の合流箇所も最高の品質を有する。
【0029】
図3は二つの部分に分かれたノズルコア5ならびに衝突体10を備えたノズルヘッド21全体を示す。この衝突体はアーム22を介して公知のケーシング20内に移動可能に固定されている。糸を通すために、衝突体10はアーム22を用いて公知の方法で、矢印23に対応して、テクスチャーノズルの作業領域から引っ張って取除くかあるいは振り外すことができる。圧縮空気はケーシング室27から圧縮空気孔15を経由して供給される。
ノズルコア5はクランプ26を介してケーシング20に固くクランプされる。衝突体は、球状の形状の代わりに球冠形状であってもよい。
【0030】
図4a,4b及び4cは、長い糸案内通路29を備えた特許文献1に相当する従来技術の解決手段を示す。この糸案内通路を通ってテクチュアード加工されるべき糸30が走行する。糸案内通路29には半径方向の圧縮空気孔15を通して圧縮空気が供給される。ブローイン開口15は、糸案内通路29の軸線と約48°の角度αをなしている。ブローイン開口15の直径は1.1mmである。糸案内通路29は1.5mmの直径を有し、かつ外側に広がり、凸状に湾曲した出口開口部を備えている。凸状の湾曲部は、6.5mmの半径を有する円弧の形状をしており、この円弧に対してテクスチャーノズル1の端面34は接線方向面を形成する。この場合、湾曲部の弧と接線方向面の接点は、直径がDの円上に位置している。直径Dは式D=d1+2Rに相当し、よって直径Dは14.5mmである。直径d2が12.5mmである衝突体10は、その一部が通路出口開口部35内へ突出しており、かつ通路出口開口部の内壁と共に環状間隙31を形成している。ノズルから走出する糸30は、出口開口部の縁部を介して引出される。
【0031】
図4a及び4bに示すように、ノズルを担持するケーシング20には、担持体33が軸32と共に取付けられており、この軸を中心にして衝突体10と固く連結しているアーム22は旋回可能である。アーム22の旋回により、環状間隙31が調節される、言い換えれば案内体が糸を通すために離れる。滑らかな糸30は送り部材36を介してテクスチャーノズル1に導入され、かつテクスチャード加工された糸30として送り部材37を介して引き出される。
【0032】
図5は左下において特許文献1による従来技術のテクスチャード加工を純模式的に示す。この場合、二つの主要パラメータが取上げられている。開口領域Oe−Z1ならびに衝撃波面の直径DAsは、特許文献1のように直径dを前提として、ノズルに合わせて示してある。これに反して、右上には特許文献2によるテクスチャード加工が示してある。この場合、値Oe−Z2ならびにDAeがより大きいことがはっきりわかる。糸開口領域Oe−Z2は加速通路の直前で圧縮空気導入部Pの領域内で始まり、かつ特許文献1による解決手段の比較的短い糸開口領域Oe−Z1に対してすでに明らかに長い。図5の言い表している重要なことは、マッハ<2の従来技術の糸の張力(曲線T311)ならびにマッハ>2のテクスチャーノズル(曲線S315)ならびに新しいテクスチャーノズルのグラフによる比較にある。グラフの垂直線において、糸の張力をC(N)で示してある。水平線において、製造速度をPgeschw(m/分)で示してある。曲線T311では、製造速度が500m/分以上で糸の張力が明らかに落ちることがわかる。約650m/分以上では、特許文献1に相当するテクスチャーノズルによるテクスチャード加工はできなくなる。これとは対照的に、特許文献2の相当するテクスチャーノズルによる曲線S325では、糸の張力はかなり高いだけでなく、400〜700m/分の範囲でほぼ一定であり、さらにより製造速度の高い領域でもゆっくりとしか落ちないことがわかる。マッハ数を高めることは、テクスチャード加工を強化するための最も重要なパラメータの一つである。吹込み角度を大きくすることは、第三の例としての新しいテクスチャーノズルを使用して左上に示したような、テクスチャード加工の品質に関する重要なパラメータの一つである。例として、吹込み角度を50°〜60°の範囲にしてある。糸開口領域Oe−Z3は、(特許文献2による)右上における解決手段の糸開口領域よりも大きく、かつ(特許文献1による)左下における解決手段の糸開口領域よりも著しく大きい。他の方法技術的な方法のパラメータは、三つの解決手段のすべてにあって同じである。範囲45°〜48°の吹き込み角度、及び新たに45°以上の吹込み角度が異なる以外に、驚くべき正の効果は、OZ1ならびにOZ2を付してあるように、あるいは相当する円内に付してあるように糸開口領域の第一部分にある。表面上の相違は、ただ吹込み角度の変化だけにある。糸の張力の際立った増大は、48°を超えた角度でもって始まり、かつ組み合わせ上の作用により認識することができる。少なくとも時間に関して驚くべき正の効果が認識される限りは、48°の吹込み角度は限界値である。これは特に特許文献1によるテクスチャーノズルの場合限界値である。このテクスチャーノズルタイプは、十分な予備性能を有しており、したがって糸の開口部のほんのわずかな強化ですら、糸の品質改善に転化される。
【0033】
実際のところ、テクスチャード加工された糸は、例えばATQと呼ばれる、商品名称ヘマクオリティー(HemaQuality)と共に、第二の供給機構の後方で、品質センサーの上方を進む。このセンサーにおいて、糸30の引張力(in cN)ならびに目下の引張力の偏差(Sigma%)が測定される。測定信号はコンピュータ本体に送られる。相当する品質測定は、生産を監視するための前提条件である。その値は糸の品質のための指標でもある。空気吹込みテクスチャード加工プロセスにおいて、品質の決定は、一定のループの大きさが全くない限りでは阻害されている。偏差を顧客から良しとみなされる品質に対して極めて良好に決定することができる。ATQシステムを使用することにより、このことが可能である。というのも糸構造とその偏差は糸張力センサーにより固定された状態で評価されかつ唯一の特性値によりAT値に指示されるからである。糸張力センサーは、アナログ電気信号として、特にテクスチャーノズルの後方の糸引っ張り力を検出する。この場合糸引っ張り力−測定値の平均値と分散から続くようにしてAT値が得られる。このAT値の大きさは、糸の構造に左右され、かつユーザーにより独立した品質要求にしたがって算出されている。生産中に、糸張力の糸引っ張り力と分散(均等性)が変化すると、AT値も変化する。上限値と下限値がどこにあるかは、糸の表面、編んだサンプルあるいは布地サンプルにより確認できる。上限値と下限値は各々品質要求によって様々である。ATQ測定の長所は、工程からの様々な障害、例えば、テクスチャード加工の調整の均一性、糸の湿潤、繊維のほつれ、ノズルの汚染、衝突球の間隙、ホットピン温度、気圧の相違、POY差込区域、糸のパターン(Garnvorlage)等が同時に検出されることにある。
【0034】
続いて図6aと6bを引き合いに出す。図はどちらもループヤーンを製造する際のコア機能のための“フレーム”を示す。図6aは図4a〜4cによる解決策から出発している。図6bは図1,2及び3による解決策から出発している。両図の一致している部分は、同じ参照符号を付してある。図6aと6bはどちらも、おおよそコア機能のための個々の領域の大きさの比率を示す。
【0035】
図6aは、円筒形の部分yzl.Aが拡張部分EAのほぼ2倍ほど長いことをわかり易く示している。三つの半径方向の吹込み孔15は、拡張部分EAに比べて、間隔o.Aだけすなわち開口部分だけずれており、かつ吹込み部分(Einbl. A.)に対応して書かれているように円筒形の部分の中間領域に配置されている。拡張部分EAにおいて、直径Dならびに半径Rは非常に重要である。円筒形の部分は直径Gdを有する。図6aによる解決策の他の特別な特徴は、矢印16による糸の移送方向において48°である角度αである。導入テーパー部EKは糸を通すのに必要なほどの長さであるにすぎないが、かなり短い。直径Bdは従来技術に相応して寸法を決められている。図4aならびに6aの比較は、新しい解決策の円筒形の部分(zyl.A)が、図4aによる従来技術の解決策と比べて、半分の長さよりも少ないことをわかりやすく示している。このことは本発明によるセラミックノズルコアの形態が具体的になった場合には重要な特徴である。テクスチャード機能から見ると、従来技術において糸案内通路の長さは不必要に長く設定されてきた。糸案内通路GAは図4bから明らかなように、従来技術においてはケ−シング20の厚さ寸法に左右される。
【0036】
図6bは図6aと比べて二つの特別な特徴を備えている。図6bによる解決策は、特許文献2の解決策に相応して、トランペット状の部分EAの箇所において、円錐状部分(Kon A.)ならびにトランペット状のテクスチャード部分TA*を有する。図6aと6bを比較すると、円筒形の部分zyl.A*は、表示X1及びX2に相応して、図6bの場合短縮されて形成されていることがわかる。得たものとして、開口部分o.A*は図6bの場合拡張されて形成されている。円錐状部分は12°〜40°の開口角度χでもって形成されているのが好ましい。第二の特別な特徴は、50°〜70°の角度βでもって、吹込み孔15が半径方向に配設されていることにある。この角度により、テクスチャード加工の安定性は極めて高いレベルまで高められ、かつ最高のテクスチャード品質が得られる。
【0037】
図7は特許文献3から出発している他の特別な有利な形態を示す。実際のところ、ループ糸を製造するための空気吹込みテクスチャーノズルは、比較的短い時間間隔で洗浄しなければならないことがわかっている。特許文献3はノズルコアを継続的かあるいは間欠的に回転状態にすることを提案している。これにより、洗浄間隔を純粋に延ばすことに成功した。図7は、新しい発明がどのようにして回転しながら駆動されるノズルコア内に組込まれるかを示す。そのために、例えば図2による二つの部分から成るノズルコアが組込むことが提案される。図7は例として糸Aならびに糸Bによる同時の結合とテクスチャード加工示しており、これらの糸は各々糸案内装置40あるいは41を介して糸導入円錐6内に案内される。セラミックノズルコア24ならびに外部ノズルコアジャケット25から成るノズルコアは、回転可能に支承された回転スリーブ42内に設けられており、この回転スリーブは玉軸受43を介して駆動部ケーシング44内で支承されている。圧縮空気は圧縮空気チャンバー45ならびに圧縮空気接続部46を経由して供給され、この際多数のシールリング47により圧縮空気の漏れを防ぐことができる。ウォームホイール48はカラー49ならびに蓋50を介して駆動部ケーシング44内に保持されている。駆動は駆動軸51、伝動機構ホイール52ならびにウォームホイール48を介して行われる。
【0038】
図8は、図6aと図3と図7に相応して、二つの部分から成るノズルコアを三次元図にて示す。図8は外側ノズルコアジャケット25を備えたセラミックノズルコア24の組立を示す。セラミックノズルコア24は図8において明らかなように、ノズルコアジャケット25内に手で差し込むことができる。この場合最終的な差込みにより、スナップ式に作用するセラミックノズルコア24のロック装置60は、定位置に正確に保持される。図2に対応して、外側に向かって平面34が形成されている。セラミックノズルコア24ならびに外側ノズルコアジャケット25の間には、円筒形の圧縮空気チャンバー61が形成され、この圧縮空気チャンバーは外側に向かってシールリング62により閉鎖されており、従って圧縮空気はただ半径方向の吹込み孔15を介してのみ糸通路4内に流入可能である。
【0039】
図8による例は、極めて重要な別の特徴、すなわちセラミックノズルコア24の壁の厚さがほぼ一定であるという要求を極めてわかりやすく示している。この場合、三箇所、すなわちWSt1,WSt2,WSt3において各々矢印寸法を用いて壁厚が示してある。取付けの要求に関して、矢印寸法D1,D2,D3を備えた外側ノズルコアジャケット25において、三つの異なる厚さが示してある。外側ノズルコアジャケットは例えば合成樹脂で製造されてもよいので、厚さのばらつきが大きくても悪影響にはならない。それに比べて、内側のセラミックノズルコアは、セラミック鋳造部材の製造に関する要求に従ってプレス方法、特に射出成形法で最適に製造することができる。
【0040】
図9は図6aと8による解決策を断面図で示してある。
【0041】
図10は図6bと8を断面図で示してある。どちらの図においても、セラミックノズルコア24は、外側ノズルコアジャケット内に取付けられている。図示していない他の形態において、セラミックノズルコア24は、例えば図4bによるケーシング20内に直接取付けることができる。この場合、ケーシング20は小型化されたセラミックノズルコア24に対応したはめ込み開口部を備えている。
【特許文献3】独国特許第1022366号明細書
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】糸開口領域及びテクスチャー領域内の糸通路を示す図である。
【図2】挿入されたセラミックノズルコア、ならびに糸通路の出口端部において衝突体を備えたノズルコアである。
【図3】捩れ糸を製造するために取り付けられた、二つの部分から成るノズルコアを示す図である。
【図4a】ノズルコアを備えた従来技術(特許文献1)による解決手段を示す図である。
【図4b】ノズルコアを備えた従来技術(特許文献1)による解決手段を示す図である。
【図4c】図4Aによる矢視Aを示す図である。
【図5】様々なノズルコアの形態と本発明のテクスチャード加工された糸との比較図である。
【図6a】ループヤーンを製造するコア機能のための“フレーム”を示す図である。
【図6b】ループヤーンを製造するコア機能のための“フレーム”を示す図である。
【図7】回転可能に駆動されるノズルコアを示す図である。
【図8】外側ノズルコアジャケットあるいはセラミックノズルコアを備えた、分割されたすなわち二つの部分から成るノズルコアに関する三次元図である。
【図9】図6a及び8に対応する、二つの部分から成るノズルコアの断面図である。
【図10】図6b及び8に対応する、二つの部分から成るノズルコアの断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ループ糸を製造するための装置の一部分としてのセラミックノズルコアを製造するための方法、ならびにループ糸を製造するためのノズルコアに関する。
【背景技術】
【0002】
テクスチャード加工の概念の一部は、糸にテクスチャード加工の性質を与える目的でもって、紡績されるフィラメント束あるいは相応するエンドレス糸を加工することであると理解される。後に続く説明において、テクスチャード加工の概念は、個々のフィラメントにおいて多数のループを作ること、あるいはループ糸を製造することである。テクスチャード加工のための従来の解決手段は、特許文献1に記載されている。エンドレスフィラメント糸は、テクスチャーノズルの入口端部で糸案内通路に供給され、かつトランペット状の出口端部で超音速流の衝撃力によりテクスチャード加工される。糸案内通路は一定の横断面を備えた円筒状である。入口は未加工の糸を問題なく導入するためにわずかに丸みが付されている。トランペット状の出口には案内体が配置されており、この場合トランペット形状部と案内体の間においてループの形成が行われる。糸は過剰にテクスチャーノズルに供給される。過剰な供給は、各個別のフィラメントにおいてループを形成するのに必要であり、それにより出口端部で糸の番手が上がる。
【0003】
特許文献2は、多数のフィラメントから成る少なくとも一つのエンドレス糸をテクスチャード加工するための装置から出発する。ノズルは糸案内通路、並びに半径方向で糸案内通路内に合流する圧力媒体のための少なくとも一つの導入部を有する。本発明に類するようなノズルは、外側の拡張する糸案内通路の出口開口部と、出口開口部内に突出し、この出口開口部と共に環状間隙を形成する球状あるいは半球状の案内体とを備えている。テクスチャード加工された糸にあって、糸の特性の維持は、完成品の加工工程の間であっても、その後であってもこのような糸を使用するための重要な基準である。さらに二つあるいは多数の糸とテクスチャード加工された糸の個々のフィラメントとの混合の程度が、安定した商品の形成を得るのには基本的に重要である。
【0004】
糸の不安定性Iを規定するために、番手167f68dtexを使用したポリエステルのマルチフィラメント糸に基づき説明するように、リール周面の1m毎に4巻を有する糸ストランドが形成される。次いでこのような糸ストランドは一分あたり25cNで負荷をかけられ、その後長さXが規定される。次いで同様に一分の間、負荷が1250cNで加えられる。負荷を解除した後、一分後糸ストランドは25cNで再度負荷をかけられ、次いでさらに一分後長さyが規定される。その結果不安定性の値が得られる。
【0005】
不安定性は、加えられた負荷により何パーセントの残留伸びが生じるかを示す。特許文献1の根底をなす課題は、糸の高い安定性と個々のフィラメントの高い混合度を保証する最適なテクスチャード加工効果が得られるような前述の様式の改良された装置を提供することにある。この課題の解決手段として、通路の凸状に彎曲した出口開口部の外径が、通路の直径の少なくとも4倍、および球状あるいは半球状の案内体(5)の直径の少なくとも0.5倍であることが提案された。最適な結果として、製品速度は100から600m/minまでの範囲であった。興味深いことに、本願出願人はすでに15年以上にわたりこのような相当するノズルを市販して、成功している。それと共に作られた糸の品質は、15年以上にわたり極めて良好であると評価された。しかしながら、さらに性能を高めたいという要望が次第に高まってきている。出願人は特許文献2による解決手段により、1000m/minまでの糸移送速度の著しい性能改善を達成した。性能改善のための基本的な考え方は、拡張された超音速通路内、すなわちループの形成が行われる領域内での流過比(Stromungsverhaltnis)を高くする点にある。特別な検査基準として、テクスチャーノズルの出口における糸張力が知られている。数多くの実験により、特許文献1による解決手段にあって、糸張力は約600m/minの糸速度を超えると著しく低下することがわかった。結局これによりこのようなノズルタイプの性能限界がわかる。
特許文献2の提案に従い超音速通路内で流れを強めることにより、移送速度を1000m/minまで高めることを可能にする、糸張力の予想外の上昇が得られた。この場合、処理された糸の品質は、初めは最大移送速度においても同じであるか、あるいは同じでない場合には良好であると判断された。しかしながら、実際には多くの例において、糸品質は所望の要求を満たしていない。
【0006】
特許文献2において、品質に関する鍵はテクスチャーノズルの後の糸張力にあることがわかる。糸張力を高めることが上手くいったときにだけ、品質を改善することができる。破損箇所は圧縮空気噴射流がマッハ2の範囲を超えたときに発生することがあった。一連の実験により、品質が改善されるだけでなく、品質が製造速度を高めることによりきわめてわずかな程度で好ましくない影響を受けることがわかった。すでにほんのわずかなマッハ数の上昇により、重要な結果が得られた。テクスチャード加工の相応する強化のための最良の説明によれば、速度の差は衝撃波面の直前及び直後に増大し、それにより直接相応する作用力により、空気はフィラメントに影響をもたらす。衝撃波面の領域内の力が大きいと糸張力は増大する。マッハ数が上昇することにより、直接このような経過はは衝撃波面において高まる。本発明によれば、法則性は次のように認識される。高マッハ数=強い衝撃=集中的なテクスチャード加工。集中的な超音速流は、広がった糸の個々のフィラメントを広い前面で、および極めて集中的に捕捉し、したがってどのループも側面で衝撃波面の作用領域を経由して回避することはまったくできない。超音速流を加速通路内で発生させることは膨張に基づくので、高いマッハ領域により、したがって例えばマッハ1.5ではなく、マッハ2.5により、有効な出口横断面積の増大が得られる。すなわち効有効な出口横断面積が倍増する。様々な驚くような観察を行ない、かつ新しい発明と組み合わせて証明することができる。
【0007】
特許文献1による従来技術の比較と特許文献2の範囲における解決手段により、かなり広い範囲において、以下の法則性が得られる。すなわち、テクスチャー品質は、製造速度が高い場合、製造速度が低い場合のテクスチャー品質と比べて、低いマッハ領域のために形成される超音速通路により少なくとも同じかあるいは良好である。テクスチャード加工過程は、空気速度にあっては、衝撃波面においてはマッハ2より大きく、つまり例えばマッハ2.5からマッハ5まで、糸貫通速度が高い場合、ループは全てほぼ例外なく捕捉され、かつ糸内で良好に束ねられるように集中的である。加速通路の内部で高いマッハ領域内の空気速度を生じさせることにより、テクスチャード加工は最高速度までもはや倒壊しない。次にフィラメント結合全体がはっきりした外側の通路境界部の内側で均一になり、かつ衝撃波面領域内へ直接案内される。
【0008】
加速通路内では、糸が加速する空気噴射により相応する間隔を介して取り込まれ、さらに開かれそして直接次のテクスチャー領域に引渡される。次いで吹き込み空気噴射は、加速通路内に、偏向しないで不安定でかつ強力に拡張するテクスチャー領域を通って案内される。一つあるいは複数の糸繊維は、同じかあるいは異なる引渡しにより導入することができ、かつ400から1200m/minまでの製造速度でテクスチャード加工することができる。超音速通路内の圧縮空気噴射は、マッハ2.0から6で、好ましくは2.5から4で加速される。糸通路の出口側端部が衝突体により区画された場合に、最良の結果が得られる。テクスチャード加工された糸は、糸通路軸線に対してほぼ直角に間隙を通って排出される。
【0009】
全体的理論上の効果的な超音速通路の拡張角度は、最小直径から最大直径まで、10°以上であるが40°未満であり、好ましくは15°から30°の間でなければならない。時間に関して普通の粗さの値にしたがって、一連の製造に関して35°から36°までの上側の臨界角が得られる。円錐状の加速通路内において、圧縮空気は実質的に連続的に加速される。超音速通路の直前のノズル通路部分は、ほぼ円筒状に形成されるのが好ましく、この場合、圧縮空気は移送部材により、加速通路への方向で円筒状部分内に吹き込まれる。糸を引っ張り込む力は、加速通路の長さにより大きくなる。ノズルの拡張あるいはマッハ数の増大により、テクスチャード加工は強くなる。加速通路は1:2.0の、好ましくは1:2.5もしくはそれ以上の少なくとも一つの横断面拡張領域を備えていなければならない。さらに加速通路の長さは、加速通路の開始部における糸通路の直径に比べて、3〜15倍、好ましくは4〜12倍の大きさであることが提案される。加速通路の全体あるいは一部は、連続的に拡張されて形成されており、円筒状の部分を備え、および/またはわずかな球面形状を有していてもよい。しかしながら、さらに加速通路は微細に段を付けて形成することができ、かつ異なる加速領域を備えていてもよい。すなわち加速度が大きい少なくとも一つの領域ならびに加速度が小さい少なくとも一つの領域を備えている。今ふれている境界条件が、加速通路のために守られる場合、挙げられた加速通路の変形は、ほぼ同等であるかあるいは少なくとも同等であるとわかった。糸通路は、加速通路に続いて、強度に凸状の、好ましくはトランペット状の、40°以上大きい分だけ拡張された糸通路合流部を備えており、この場合、超音速通路から糸通路合流部内への移行は、不連続に行われるのが好ましい。さらに決定的な要因は、衝突体により特にテクスチャースペース内の圧力比も確実に影響を受け、かつ安定した状態で保持できることにある。テクスチャーノズルのそれ以外の好ましい形態は、テクスチャーノズルが、空気供給部が合流する中央の円筒状部分を有した、貫通する糸通路を備えていることを特徴とする。
【0010】
初期の全調査により、特許文献1による糸通路内への半径方向の空気吹き込み部を備えたテクスチャーノズルにより算出された、処理空気のための最適な吹き込み角度のデータが、ほぼ48°であることが確認できた。全く予期していなかったこととして、新しい実験により、特許文献2に従ったノズルを使用した吹き込み角度の増大が、第一の一連の実験においてすでに、テクスチャード加工された糸の品質の予期しない上昇をもたらした。発明から、続いて二つのプロセス領域、すなわち糸の開放と糸のテクスチャード加工が、コアの特徴であり、かつこの二つのプロセス領域を互いに重なり合って最適に調和させねばならないことがわかった。何度も繰り返した実験により、特許文献1による解決手段の場合、境界はテクスチャー領域内にあり、従って糸の開放を高めることは単に不都合をもたらすにすぎないことがわかった。
【0011】
提出された出願の対象ではない糸の渦巻きの領域から、最大の糸開放効果は90°の吹込み角度の場合であることが知られている。渦を巻くことの目的は、糸内において規則的な結びを形成することである。渦巻きの例として、特許文献3が指摘される。これに反してテクスチャード加工された糸の場合、何もない状況において結びが存在していて構わない。原則的に異なる結び形成及びループ形成の双方の方法のための吹込み角度に関する境界領域が存在する。最高の糸品質を得るための異なる機能の側面から、糸移送速度が最大の場合でさへも、続いて説明するように予期しない改善が得られる。少なくとも出願人の視点から、いわゆるノズルコアを製造するために、費用のかかる製造方法が必要であることは大きな短所として感じられる。例えばプレスあるいは射出成形のような経済的方法による試みは全て失敗した。未加工鋳造品を製造することは、プレス法であっても射出成形法であっても有利な条件の範囲内においては成功しなかった。理由はセラミックの原材料の特殊性にあった。セラミックは依然として磨耗すなわち耐久性を考慮した最良の原材料の一つである。
【特許文献1】欧州特許公開公報第0088254号明細書
【特許文献2】欧州特許第0880611号明細書
【特許文献3】ドイツ国特許第19580019号明細書
【特許文献4】欧州特許公開公報第1022366号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の根底をなす課題は、一方においては、記載されたノズルコアの認識された長所をすべて証明することであり、他方においては、ノズルコアを低コストで製造することが可能となる、新しい製造方法を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような課題は、セラミックノズルコアが、ほぼ一定の壁厚でもって形成され、ループを形成するための空気吹込み部と糸出口を備えた糸処理通路の中枢的機能部まで、大きさが縮小され、そして成形する方法にて製造されることにより解決される。
【0014】
特に有利な形態は、セラミックノズルコアが高度に精密な方法で射出成形されることを特徴とする。
【0015】
本発明によるノズルコアは、ノズルコアがセラミックノズルコアとして、ほぼ一定の壁厚でもって形成され、ループを形成するための空気吹込み部と糸出口を備えた糸処理通路の中枢的機能部まで、大きさが縮小されており、そして成形方法にて製造可能であることを特徴とする。
【0016】
出願人は、これまで、新しい開発に関して重要な判断基準が、ノズルコアが別の内側寸法と空気入射角でもって使用できるように、ノズルコアを交換用コアとして形成することにあることを前提とした。従って例えば現存する従来技術のノズルコアをわずかな操作で交換し、かつ新しい開発の長所を全て利用することが可能である。このそれ自体都合の良い過去の開発のための要求が、言葉通りに解釈され、かつそれ以上の開発を強く阻んでいることが、発明人により今はじめて認識されている。結果は、新しいノズルコアが各々、その外側寸法が、古いノズルコアと一致して形成されることであった。結果として、ノズルコアのための未加工鋳造部材は、ますますもはや鋳造工程あるいはプレス工程では製造できず、言い換えれば常に不利な前提条件が、成形方法の確立のためにもたらされた。新しい発明は、交換用コアとしてのセラミックノズルコアを形成するという文字通りの必然的帰結により解決した。むしろ、この形態は内側の中枢機能部まで首尾一貫して整向される。今から形状全体は、鋳造技術の要求に従って規定され、かつ例えば二分割にすることにより、外側ノズルセラミックジャケットを備えた小型化されたセラミックノズルコアとして形成することができる。外側ノズルセラミックジャケットに初めて、従来技術のノズルコアの寸法が与えられ、この寸法は交換用コアの機能も引き継ぐ。
【0017】
新発明により、多数の特に有利な形態が可能になり、それに対して請求項4〜10を引き合いに出す。特に有利な形態は、糸処理通路が、少なくとも一つの円筒形部分ならびに拡張部分を備え、この場合吹込み部が円筒形部分の内側に、好ましくは例えばセラミックノズルコアの縦方向側の中央領域内に設けられていることを特徴とする。拡張部分は特許文献1に相応して、完全にトランペット状に形成されているかあるいは特許文献2に従って円錐状ならびにトランペット状の部分を備えている。糸通路は、好ましくは円筒形の中央部分を備え、この中央部分は移送方向で跳ねることなく円錐状の拡張部分に移行されており、この場合圧縮空気は円錐状に拡張された超音速通路に対して十分な間隔をおいて円筒形部分内に吹込まれる。新発明と関連した試みは、異なる新しい認識をもたらした。
【0018】
特許文献2による強化された超音速流部を備えたテクスチャーノズルの場合、吹込み角度が48°を超えて増大したときに、各糸の番手において、品質の改良が達せられる。角度が50°を超えて増大した際に、品質の上昇が急激に始まる。吹込み角度が52°より大きく、一部が60°まで、その上さらに65°までになった場合、糸の品質は極めて一定である。しかしながら、最適な吹込み角度は、糸の番手に左右される。
【0019】
圧縮空気は120°の範囲でずれて配置された三つの開口を経由して糸通路内に吹き込まれるのが好ましい。各々の場合に、糸の開口部は圧縮空気を糸通路内へ吹き込むことにより強化されるが、糸内の結び目の形成が回避されるのは重要である。一方においては糸の開口部を、並びに他方においては糸のテクスチャード加工を各々別個に最適化しなければならない。完全に異なる双方の機能を最適化するために、これらのことは、局所的に切り離さねばならないが、開口部がテクスチャード加工に直接続くかあるいは糸開口過程の終了がテクスチャード加工内に直接移行するようにして、短時間で相次いで実施しなければならない。ループ糸を製造するための重要なテクスチャード機能は全て、今や小型化されたセラミックノズルコアの内部で実行することができる。新しいセラミックノズルコアは装置の一部分であり、この部分は拡張部分内に埋め込み可能な球状の衝突体を備えており、この場合トランペット状部分が半径を有しており、この半径は衝突体の直径に比例している。その際特許文献1に相応して、衝突体は
トランペット状部分により環状間隙を形成し、この場合、通路の凸状に彎曲した出口開口部の外径は、通路の直径の少なくとも4倍であり、かつ球状あるいは半球状の案内体の直径の少なくとも0.5倍である。
【0020】
ノズルコアは二つの部分から形成されており、かつ外側のノズル体を備えており、このノズル体内にはセラミックノズルコアが挿入可能であることが全体として特に好ましい。この場合外側のノズルコアは合成樹脂で製造される。外側の合成樹脂体は今や必要な取付け寸法と固定手段に関する従来の理解において、交換体の機能を有する。さらに外側の合成物質体はセラミックノズルコアのための保護機能も有する。外側ノズル体とセラミックノズルコアの間には、外側ノズル体内でセラミックノズルコアを固定するために固定場所が設けられるのが好ましい。さらに、セラミックノズルコアならびにノズル体の間には、円筒状部分の領域内において環状の圧縮空気通路が設けられ、この圧縮空気通路を経由して空気の吹込みがブローイン開口を用いて行われる。環状の圧縮空気通路は円筒状部分の両端部領域内において各々圧縮空気を密閉するための密閉場所を備えている。
【0021】
別の形態によれば、ノズルコアは迅速に交換可能な部材として装置内部に形成されており、従ってノズルコアはセラミックノズルコアと協働して装置への取り外しを迅速に行うことができる。ノズルコアは内側のセラミックノズルコアと外側ノズル体により、二つの部分から形成されてもよく、この場合両方の部分は回転駆動部を備えた装置の一部分であり、ノズル体は組み込まれたセラミックノズルコアと共に駆動可能である。
【0022】
二つの部分に分解する場合、セラミックノズルコアならびに外側ノズル体は組立られた状態で糸出口端部においてほぼ平坦な面を形成する。新しい解決手段のための重要な要求によれば、ノズル体のレイアウトにより、形状および厚さの変化を吸収しなければならない。組立ならびに機械への取付けを考慮した構造上の要求は、このようにして外側のノズル体を介して受け止めることができる。セラミックノズルコアはセラミックの未加工鋳造品に対して最適に成形することができる。ノズル体は合成物質体として製造され、かつ外側寸法が、従来技術の相応する解決手段に関する交換部分として形成されるのが全体として特に好ましい。
【0023】
新しい発明は、放射状原理に従ったテクスチャーノズルの種類を出発点とする。噴射空気は放射状原理の場合、案内場所から、軸方向へ直接一定の速度でもって加速通路まで案内される。特許文献2の従来技術におけるように、新しい解決手段によっても、一つあるいは多数の糸繊維は、様々な引渡し部によりテクスチャード加工することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を実施例に基づき詳しく説明する。
【実施例】
【0025】
以下図1を参照する。テクスチャーノズル1には、円筒部分2を備えた糸通路4があり、この円筒部分は同時に直径dの最狭断面部分3にも相当する。この最狭断面部分3から、糸通路4は断面部亀裂を生じることなく加速通路内に移行し、次いでトランペット状に広がる。この場合、トランペット形状は半径Rで規定することができる。超音速流により、対応する衝撃波面直径DAEを算出することができる。衝撃波面直径DAEにより、剥離場所あるいは引き離し場所A1,A2,A3あるいはA4を比較的正確に算出することができる。衝撃波面の作用に関しては、特許文献2に示されている。空気の加速領域は、最狭断面3の位置からの距離l1と引き離し場所Aによっても規定することができる。純粋な超音速流が問題となるので、それから空気速度を大体計算できる。図1は、長さl2に相当する円錐状の加速通路11の形態を示す。開口角αは20°である。剥離場所A2は超音速通路の端部に記入されている。そこで糸通路は、広がり具合が強い円錐状の、言い換えればトランペット状の拡張部12内に、開口角∂>40°でもって移行する。その幾何学形状により、衝撃波面直径DAEが判明する。例として、例えば以下のような関係がわかる。
【0026】
相当する開口角により加速通路を延長すると、衝撃波面直径DAEは大きくなる。最大可能圧縮衝撃波面13は、引き続く圧力上昇領域14と共に、衝撃波面形成領域内において直接発生する。実際のテクスチャード加工は、最大圧縮衝撃波面の領域内で行われる。空気は糸に比べて数で約50係数分だけ速く運動する。多くの実験により、剥離箇所A3,A4は、供給圧力が低下した場合でも、加速通路11内に移行できることがわかった。実際には、各糸用に最適な供給圧力の算出が行われ、この場合、不都合な場合のための加速通路11の長さ(l2)が決められる。したがって、加速通路11の長さ(l2)は多少長めに選択される。MBによりブローイン開口15の中心線が記され、MGKにより糸通路4の中心線が記され、そしてMGKならびにMBの交点はSMで記されている。Pdは加速通路11の始端部における最狭断面部分の箇所であり、l1はSMとPdの間隔であり、l2はPdから加速通路の端部(A4)までの間隔である。Loffは、ほぼ糸開口領域の長さを表わし、Ltexはほぼ糸テクスチャード加工領域の長さを表わしている。角度βが大きくなるほど、後方に延びる糸開口領域は拡張する。
【0027】
続いて、ノズルコア5全体の有利な実施形態を断面で示す図2を参照する。外側の形状は、正確に従来技術のノズルコアに合っていると有利である。このことはとりわけ重要な取付け寸法、すなわち穴径BD,全長L,ノズルヘッド高さKH,ならびに圧縮空気接続部PP‘の間隔LAに関連する。実験により、48°より大きい吹込み角度βが最適であることがわかった。対応するブローイン開口15の間隔Xは、加速通路に関して重要である。ノズルコア5は糸の走入領域内において、矢印16と糸導入円錐6を備えている。寸法“X”(図6)は、圧縮空気孔15が好ましくは少なくとも最狭断面3のほぼ直径dの大きさ分だけ後方にずれていることを示す。送り方向(矢印16)で見て、テクスチャーノズル1あるいはノズルコアは、糸導入円錐6、円筒状の中間部分7、同時に加速通路11に相当する円錐8ならびに拡張するテクスチャー空域9を有する。このテクスチャー空域は、流れに対して垂直に、開放された円錐状の漏斗としても形成可能であるラッパ形状12により区画される。
【0028】
図2は実際の大きさに対して数倍の大きさに拡大された二つの部分から成るノズルコア5を示しており、このノズルコアは、案内体あるいは衝突体10を備えたセラミックノズルコア24ならびに外側のノズルコアジャケット25から成る。新しいノズルコア5は、従来技術のノズルコアのための交換用コアとして設計されている。したがって、特に取付け長さとしての寸法Bd,EL、LA+KHならびにKHは同じに製造されるだけでなく、同じ公差で製造されるのが好ましい。さらに外側の出口領域におけるラッパ形状も、従来技術におけるのと同様に、相当する半径Rで同じに製造されるのが好ましい。衝突体10は任意の形状、すなわち球面形状、球形状、扁平形状、あるいはそれどころか球冠形状を有していてもよい。出口領域における衝突体10の正確な位置は、外側寸法を維持することによりずっと保たれる。すなわち相当して同じ引出し間隙SP1が保たれる。テクスチャー空域18は加速通路11により後方に区画される。テクスチャー空域は選択した空気圧のレベルに応じて、加速通路内へも拡大できる。セラミックノズルコア24は、従来技術と同様に、セラミックのような高価な材料でできた塊として製造され、かつ実際高価なテクスチャーノズルの部分である。この新しいノズルで重要なことは、円錐状の円筒壁面17も、加速通路の領域内における壁面19も、さらには糸通路内への圧縮空気孔15の合流箇所も最高の品質を有する。
【0029】
図3は二つの部分に分かれたノズルコア5ならびに衝突体10を備えたノズルヘッド21全体を示す。この衝突体はアーム22を介して公知のケーシング20内に移動可能に固定されている。糸を通すために、衝突体10はアーム22を用いて公知の方法で、矢印23に対応して、テクスチャーノズルの作業領域から引っ張って取除くかあるいは振り外すことができる。圧縮空気はケーシング室27から圧縮空気孔15を経由して供給される。
ノズルコア5はクランプ26を介してケーシング20に固くクランプされる。衝突体は、球状の形状の代わりに球冠形状であってもよい。
【0030】
図4a,4b及び4cは、長い糸案内通路29を備えた特許文献1に相当する従来技術の解決手段を示す。この糸案内通路を通ってテクチュアード加工されるべき糸30が走行する。糸案内通路29には半径方向の圧縮空気孔15を通して圧縮空気が供給される。ブローイン開口15は、糸案内通路29の軸線と約48°の角度αをなしている。ブローイン開口15の直径は1.1mmである。糸案内通路29は1.5mmの直径を有し、かつ外側に広がり、凸状に湾曲した出口開口部を備えている。凸状の湾曲部は、6.5mmの半径を有する円弧の形状をしており、この円弧に対してテクスチャーノズル1の端面34は接線方向面を形成する。この場合、湾曲部の弧と接線方向面の接点は、直径がDの円上に位置している。直径Dは式D=d1+2Rに相当し、よって直径Dは14.5mmである。直径d2が12.5mmである衝突体10は、その一部が通路出口開口部35内へ突出しており、かつ通路出口開口部の内壁と共に環状間隙31を形成している。ノズルから走出する糸30は、出口開口部の縁部を介して引出される。
【0031】
図4a及び4bに示すように、ノズルを担持するケーシング20には、担持体33が軸32と共に取付けられており、この軸を中心にして衝突体10と固く連結しているアーム22は旋回可能である。アーム22の旋回により、環状間隙31が調節される、言い換えれば案内体が糸を通すために離れる。滑らかな糸30は送り部材36を介してテクスチャーノズル1に導入され、かつテクスチャード加工された糸30として送り部材37を介して引き出される。
【0032】
図5は左下において特許文献1による従来技術のテクスチャード加工を純模式的に示す。この場合、二つの主要パラメータが取上げられている。開口領域Oe−Z1ならびに衝撃波面の直径DAsは、特許文献1のように直径dを前提として、ノズルに合わせて示してある。これに反して、右上には特許文献2によるテクスチャード加工が示してある。この場合、値Oe−Z2ならびにDAeがより大きいことがはっきりわかる。糸開口領域Oe−Z2は加速通路の直前で圧縮空気導入部Pの領域内で始まり、かつ特許文献1による解決手段の比較的短い糸開口領域Oe−Z1に対してすでに明らかに長い。図5の言い表している重要なことは、マッハ<2の従来技術の糸の張力(曲線T311)ならびにマッハ>2のテクスチャーノズル(曲線S315)ならびに新しいテクスチャーノズルのグラフによる比較にある。グラフの垂直線において、糸の張力をC(N)で示してある。水平線において、製造速度をPgeschw(m/分)で示してある。曲線T311では、製造速度が500m/分以上で糸の張力が明らかに落ちることがわかる。約650m/分以上では、特許文献1に相当するテクスチャーノズルによるテクスチャード加工はできなくなる。これとは対照的に、特許文献2の相当するテクスチャーノズルによる曲線S325では、糸の張力はかなり高いだけでなく、400〜700m/分の範囲でほぼ一定であり、さらにより製造速度の高い領域でもゆっくりとしか落ちないことがわかる。マッハ数を高めることは、テクスチャード加工を強化するための最も重要なパラメータの一つである。吹込み角度を大きくすることは、第三の例としての新しいテクスチャーノズルを使用して左上に示したような、テクスチャード加工の品質に関する重要なパラメータの一つである。例として、吹込み角度を50°〜60°の範囲にしてある。糸開口領域Oe−Z3は、(特許文献2による)右上における解決手段の糸開口領域よりも大きく、かつ(特許文献1による)左下における解決手段の糸開口領域よりも著しく大きい。他の方法技術的な方法のパラメータは、三つの解決手段のすべてにあって同じである。範囲45°〜48°の吹き込み角度、及び新たに45°以上の吹込み角度が異なる以外に、驚くべき正の効果は、OZ1ならびにOZ2を付してあるように、あるいは相当する円内に付してあるように糸開口領域の第一部分にある。表面上の相違は、ただ吹込み角度の変化だけにある。糸の張力の際立った増大は、48°を超えた角度でもって始まり、かつ組み合わせ上の作用により認識することができる。少なくとも時間に関して驚くべき正の効果が認識される限りは、48°の吹込み角度は限界値である。これは特に特許文献1によるテクスチャーノズルの場合限界値である。このテクスチャーノズルタイプは、十分な予備性能を有しており、したがって糸の開口部のほんのわずかな強化ですら、糸の品質改善に転化される。
【0033】
実際のところ、テクスチャード加工された糸は、例えばATQと呼ばれる、商品名称ヘマクオリティー(HemaQuality)と共に、第二の供給機構の後方で、品質センサーの上方を進む。このセンサーにおいて、糸30の引張力(in cN)ならびに目下の引張力の偏差(Sigma%)が測定される。測定信号はコンピュータ本体に送られる。相当する品質測定は、生産を監視するための前提条件である。その値は糸の品質のための指標でもある。空気吹込みテクスチャード加工プロセスにおいて、品質の決定は、一定のループの大きさが全くない限りでは阻害されている。偏差を顧客から良しとみなされる品質に対して極めて良好に決定することができる。ATQシステムを使用することにより、このことが可能である。というのも糸構造とその偏差は糸張力センサーにより固定された状態で評価されかつ唯一の特性値によりAT値に指示されるからである。糸張力センサーは、アナログ電気信号として、特にテクスチャーノズルの後方の糸引っ張り力を検出する。この場合糸引っ張り力−測定値の平均値と分散から続くようにしてAT値が得られる。このAT値の大きさは、糸の構造に左右され、かつユーザーにより独立した品質要求にしたがって算出されている。生産中に、糸張力の糸引っ張り力と分散(均等性)が変化すると、AT値も変化する。上限値と下限値がどこにあるかは、糸の表面、編んだサンプルあるいは布地サンプルにより確認できる。上限値と下限値は各々品質要求によって様々である。ATQ測定の長所は、工程からの様々な障害、例えば、テクスチャード加工の調整の均一性、糸の湿潤、繊維のほつれ、ノズルの汚染、衝突球の間隙、ホットピン温度、気圧の相違、POY差込区域、糸のパターン(Garnvorlage)等が同時に検出されることにある。
【0034】
続いて図6aと6bを引き合いに出す。図はどちらもループヤーンを製造する際のコア機能のための“フレーム”を示す。図6aは図4a〜4cによる解決策から出発している。図6bは図1,2及び3による解決策から出発している。両図の一致している部分は、同じ参照符号を付してある。図6aと6bはどちらも、おおよそコア機能のための個々の領域の大きさの比率を示す。
【0035】
図6aは、円筒形の部分yzl.Aが拡張部分EAのほぼ2倍ほど長いことをわかり易く示している。三つの半径方向の吹込み孔15は、拡張部分EAに比べて、間隔o.Aだけすなわち開口部分だけずれており、かつ吹込み部分(Einbl. A.)に対応して書かれているように円筒形の部分の中間領域に配置されている。拡張部分EAにおいて、直径Dならびに半径Rは非常に重要である。円筒形の部分は直径Gdを有する。図6aによる解決策の他の特別な特徴は、矢印16による糸の移送方向において48°である角度αである。導入テーパー部EKは糸を通すのに必要なほどの長さであるにすぎないが、かなり短い。直径Bdは従来技術に相応して寸法を決められている。図4aならびに6aの比較は、新しい解決策の円筒形の部分(zyl.A)が、図4aによる従来技術の解決策と比べて、半分の長さよりも少ないことをわかりやすく示している。このことは本発明によるセラミックノズルコアの形態が具体的になった場合には重要な特徴である。テクスチャード機能から見ると、従来技術において糸案内通路の長さは不必要に長く設定されてきた。糸案内通路GAは図4bから明らかなように、従来技術においてはケ−シング20の厚さ寸法に左右される。
【0036】
図6bは図6aと比べて二つの特別な特徴を備えている。図6bによる解決策は、特許文献2の解決策に相応して、トランペット状の部分EAの箇所において、円錐状部分(Kon A.)ならびにトランペット状のテクスチャード部分TA*を有する。図6aと6bを比較すると、円筒形の部分zyl.A*は、表示X1及びX2に相応して、図6bの場合短縮されて形成されていることがわかる。得たものとして、開口部分o.A*は図6bの場合拡張されて形成されている。円錐状部分は12°〜40°の開口角度χでもって形成されているのが好ましい。第二の特別な特徴は、50°〜70°の角度βでもって、吹込み孔15が半径方向に配設されていることにある。この角度により、テクスチャード加工の安定性は極めて高いレベルまで高められ、かつ最高のテクスチャード品質が得られる。
【0037】
図7は特許文献3から出発している他の特別な有利な形態を示す。実際のところ、ループ糸を製造するための空気吹込みテクスチャーノズルは、比較的短い時間間隔で洗浄しなければならないことがわかっている。特許文献3はノズルコアを継続的かあるいは間欠的に回転状態にすることを提案している。これにより、洗浄間隔を純粋に延ばすことに成功した。図7は、新しい発明がどのようにして回転しながら駆動されるノズルコア内に組込まれるかを示す。そのために、例えば図2による二つの部分から成るノズルコアが組込むことが提案される。図7は例として糸Aならびに糸Bによる同時の結合とテクスチャード加工示しており、これらの糸は各々糸案内装置40あるいは41を介して糸導入円錐6内に案内される。セラミックノズルコア24ならびに外部ノズルコアジャケット25から成るノズルコアは、回転可能に支承された回転スリーブ42内に設けられており、この回転スリーブは玉軸受43を介して駆動部ケーシング44内で支承されている。圧縮空気は圧縮空気チャンバー45ならびに圧縮空気接続部46を経由して供給され、この際多数のシールリング47により圧縮空気の漏れを防ぐことができる。ウォームホイール48はカラー49ならびに蓋50を介して駆動部ケーシング44内に保持されている。駆動は駆動軸51、伝動機構ホイール52ならびにウォームホイール48を介して行われる。
【0038】
図8は、図6aと図3と図7に相応して、二つの部分から成るノズルコアを三次元図にて示す。図8は外側ノズルコアジャケット25を備えたセラミックノズルコア24の組立を示す。セラミックノズルコア24は図8において明らかなように、ノズルコアジャケット25内に手で差し込むことができる。この場合最終的な差込みにより、スナップ式に作用するセラミックノズルコア24のロック装置60は、定位置に正確に保持される。図2に対応して、外側に向かって平面34が形成されている。セラミックノズルコア24ならびに外側ノズルコアジャケット25の間には、円筒形の圧縮空気チャンバー61が形成され、この圧縮空気チャンバーは外側に向かってシールリング62により閉鎖されており、従って圧縮空気はただ半径方向の吹込み孔15を介してのみ糸通路4内に流入可能である。
【0039】
図8による例は、極めて重要な別の特徴、すなわちセラミックノズルコア24の壁の厚さがほぼ一定であるという要求を極めてわかりやすく示している。この場合、三箇所、すなわちWSt1,WSt2,WSt3において各々矢印寸法を用いて壁厚が示してある。取付けの要求に関して、矢印寸法D1,D2,D3を備えた外側ノズルコアジャケット25において、三つの異なる厚さが示してある。外側ノズルコアジャケットは例えば合成樹脂で製造されてもよいので、厚さのばらつきが大きくても悪影響にはならない。それに比べて、内側のセラミックノズルコアは、セラミック鋳造部材の製造に関する要求に従ってプレス方法、特に射出成形法で最適に製造することができる。
【0040】
図9は図6aと8による解決策を断面図で示してある。
【0041】
図10は図6bと8を断面図で示してある。どちらの図においても、セラミックノズルコア24は、外側ノズルコアジャケット内に取付けられている。図示していない他の形態において、セラミックノズルコア24は、例えば図4bによるケーシング20内に直接取付けることができる。この場合、ケーシング20は小型化されたセラミックノズルコア24に対応したはめ込み開口部を備えている。
【特許文献3】独国特許第1022366号明細書
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】糸開口領域及びテクスチャー領域内の糸通路を示す図である。
【図2】挿入されたセラミックノズルコア、ならびに糸通路の出口端部において衝突体を備えたノズルコアである。
【図3】捩れ糸を製造するために取り付けられた、二つの部分から成るノズルコアを示す図である。
【図4a】ノズルコアを備えた従来技術(特許文献1)による解決手段を示す図である。
【図4b】ノズルコアを備えた従来技術(特許文献1)による解決手段を示す図である。
【図4c】図4Aによる矢視Aを示す図である。
【図5】様々なノズルコアの形態と本発明のテクスチャード加工された糸との比較図である。
【図6a】ループヤーンを製造するコア機能のための“フレーム”を示す図である。
【図6b】ループヤーンを製造するコア機能のための“フレーム”を示す図である。
【図7】回転可能に駆動されるノズルコアを示す図である。
【図8】外側ノズルコアジャケットあるいはセラミックノズルコアを備えた、分割されたすなわち二つの部分から成るノズルコアに関する三次元図である。
【図9】図6a及び8に対応する、二つの部分から成るノズルコアの断面図である。
【図10】図6b及び8に対応する、二つの部分から成るノズルコアの断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループ糸を製造する装置の一部分としてのセラミックノズルコアを製造する方法において、
セラミックノズルコアが、ほぼ一定の壁厚でもって形成され、ループを形成するための空気吹込み部と糸出口を備えた糸処理通路の中枢的機能部まで、大きさが縮小され、そして成形方法にて製造されることを特徴とする方法。
【請求項2】
セラミックノズルコアが高度に精密な方法で射出成形されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
ループ糸を製造する装置のためのノズルコアにおいて、
ノズルコアがセラミックノズルコアとして、ほぼ一定の壁厚でもって形成され、ループを形成するための空気吹込み部と糸出口を備えた糸処理通路の中枢的機能部まで、大きさが縮小されており、そして成形方法にて製造可能であることを特徴とするノズルコア。
【請求項4】
糸処理通路が、少なくとも一つの円筒形部分(zyl.A.)、ならびに拡張部分(E.A.)を備え、この場合吹込み部(Einbl.)が円筒形部分の内側に、好ましくは例えばノズルコアの縦方向側の中央領域内に設けられており、この場合拡張部分が、好ましくは完全にトランペット状に形成されているかあるいは円錐形ならびにトランペット状の部分を備えており、その際円錐形部分の場合、拡張部分が少なくとも12°の開口角度を備えていることを特徴とする請求項3記載のノズルコア。
【請求項5】
セラミックノズルコアの空気吹込み部が、一つあるいは複数の、好ましくは三つのブローイン開口を備え、このブローイン開口が移送方向で角度を成すように、少なくとも48°の角度で、特に52°から65°までの範囲で設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のノズルコア法。
【請求項6】
セラミックノズルコアが装置の一部分であり、この部分が拡張部分内に埋め込み可能な球状の衝突体を備えており、この場合通路の凸状に彎曲した出口開口部の外径が、通路の直径の少なくとも4倍であり、かつ球状あるいは半球状の案内体(5)の直径の少なくとも0.5倍であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のノズルコア。
【請求項7】
ノズルコアが二つの部分から形成されており、かつ外側のノズル体を備えており、このノズル体内にはセラミックノズルコアが挿入可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のノズルコア。
【請求項8】
外側ノズル体とセラミックノズルコアの間には、外側ノズル体内でセラミックノズルコアを固定するために固定場所が設けられており、この場合、好ましくはセラミックノズルコアならびにノズル体の間には、円筒状部分の領域内において環状の圧縮空気通路が設けられ、この圧縮空気通路を経由して空気の吹込みがブローイン開口を用いて行われ、環状の圧縮空気通路が、特に好ましくは円筒状部分の両端部領域内において各々圧縮空気を密閉するための密閉場所を備えていることを特徴とする請求項7記載のノズルコア。
【請求項9】
ノズルコアが、迅速に交換可能な部材として装置内部に形成されており、かつセラミックノズルコアと協働して装置への取り外しを迅速に行うことができ、この場合、ノズルコアが内側のセラミックノズルコアと外側ノズル体により二つの部分から形成されており、そしてこの両方の部分が回転駆動部を備えた装置の一部分であり、この場合、ノズル体が組み込まれたセラミックノズルコアと共に駆動可能であることを特徴とする請求項9〜8のいずれか一つにノズルコア。
【請求項10】
ノズルコアが、セラミックノズルコアならびに外側ノズル体により、二つの部分から形成されており、この場合、組立てられた状態で、糸出口端部がほぼ平坦な面を形成し、ノズル体のレイアウトにより、形状および厚さの変化が吸収され、この場合、ノズル体が合成物質体として製造され、そして外側寸法が、従来技術の相応する解決手段に関する交換部分として形成されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載のノズルコア。
【請求項1】
ループ糸を製造する装置の一部分としてのセラミックノズルコアを製造する方法において、
セラミックノズルコアが、ほぼ一定の壁厚でもって形成され、ループを形成するための空気吹込み部と糸出口を備えた糸処理通路の中枢的機能部まで、大きさが縮小され、そして成形方法にて製造されることを特徴とする方法。
【請求項2】
セラミックノズルコアが高度に精密な方法で射出成形されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
ループ糸を製造する装置のためのノズルコアにおいて、
ノズルコアがセラミックノズルコアとして、ほぼ一定の壁厚でもって形成され、ループを形成するための空気吹込み部と糸出口を備えた糸処理通路の中枢的機能部まで、大きさが縮小されており、そして成形方法にて製造可能であることを特徴とするノズルコア。
【請求項4】
糸処理通路が、少なくとも一つの円筒形部分(zyl.A.)、ならびに拡張部分(E.A.)を備え、この場合吹込み部(Einbl.)が円筒形部分の内側に、好ましくは例えばノズルコアの縦方向側の中央領域内に設けられており、この場合拡張部分が、好ましくは完全にトランペット状に形成されているかあるいは円錐形ならびにトランペット状の部分を備えており、その際円錐形部分の場合、拡張部分が少なくとも12°の開口角度を備えていることを特徴とする請求項3記載のノズルコア。
【請求項5】
セラミックノズルコアの空気吹込み部が、一つあるいは複数の、好ましくは三つのブローイン開口を備え、このブローイン開口が移送方向で角度を成すように、少なくとも48°の角度で、特に52°から65°までの範囲で設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のノズルコア法。
【請求項6】
セラミックノズルコアが装置の一部分であり、この部分が拡張部分内に埋め込み可能な球状の衝突体を備えており、この場合通路の凸状に彎曲した出口開口部の外径が、通路の直径の少なくとも4倍であり、かつ球状あるいは半球状の案内体(5)の直径の少なくとも0.5倍であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のノズルコア。
【請求項7】
ノズルコアが二つの部分から形成されており、かつ外側のノズル体を備えており、このノズル体内にはセラミックノズルコアが挿入可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のノズルコア。
【請求項8】
外側ノズル体とセラミックノズルコアの間には、外側ノズル体内でセラミックノズルコアを固定するために固定場所が設けられており、この場合、好ましくはセラミックノズルコアならびにノズル体の間には、円筒状部分の領域内において環状の圧縮空気通路が設けられ、この圧縮空気通路を経由して空気の吹込みがブローイン開口を用いて行われ、環状の圧縮空気通路が、特に好ましくは円筒状部分の両端部領域内において各々圧縮空気を密閉するための密閉場所を備えていることを特徴とする請求項7記載のノズルコア。
【請求項9】
ノズルコアが、迅速に交換可能な部材として装置内部に形成されており、かつセラミックノズルコアと協働して装置への取り外しを迅速に行うことができ、この場合、ノズルコアが内側のセラミックノズルコアと外側ノズル体により二つの部分から形成されており、そしてこの両方の部分が回転駆動部を備えた装置の一部分であり、この場合、ノズル体が組み込まれたセラミックノズルコアと共に駆動可能であることを特徴とする請求項9〜8のいずれか一つにノズルコア。
【請求項10】
ノズルコアが、セラミックノズルコアならびに外側ノズル体により、二つの部分から形成されており、この場合、組立てられた状態で、糸出口端部がほぼ平坦な面を形成し、ノズル体のレイアウトにより、形状および厚さの変化が吸収され、この場合、ノズル体が合成物質体として製造され、そして外側寸法が、従来技術の相応する解決手段に関する交換部分として形成されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載のノズルコア。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2007−501342(P2007−501342A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529526(P2006−529526)
【出願日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【国際出願番号】PCT/CH2004/000202
【国際公開番号】WO2004/106605
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(597021141)ヘベルライン・フアイバーテクノロジー・インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【国際出願番号】PCT/CH2004/000202
【国際公開番号】WO2004/106605
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(597021141)ヘベルライン・フアイバーテクノロジー・インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
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