説明

レインパンツ

【課題】ずれ落ちを確実に防止すること、適時に締め付けすること、及び、締め付け圧力を微調整することができるとともに、安価に製造することができるレインパンツをを提供する。
【解決手段】本発明に係るレインパンツ1は、締め付けバンド13、14を含む。締め付けバンド13、14は、内径寸法D13、D14の縮小、及び、拡大が調節自在であって、脚挿通部11、12において、着用者3の大腿部30に相当する部分110、120に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水性を有する生地で作られ、下半身に着用されるレインパンツに関する。
【背景技術】
【0002】
レインウエア(雨着)は、一般に、ナイロン(nylon)や、ポリエステル (Polyester)等の合成樹脂繊維を用いた防水性を有する生地で作られており、その縫製態様に応じて、レインコートと、レインスーツとに大別することができる。
【0003】
レインコートは、例えば特許文献1に示されているように、上半身に羽織ることにより、全身を覆うものである。この種のレインコートは、着脱が容易であるとともに安価に製造することができるから、買い物や通勤など比較的短時間での外出の際に用いる日用品として広く普及している。
【0004】
他方、レインスーツは、例えば特許文献2に示されているように、上半身に羽織るジャケットの他に、下半身に穿くズボン(レインパンツ)を有している。この種のレインスーツは、前裾が肌蹴て下半身が濡れることがあったレインコートとは異なり、下半身がレインパンツによって完全に覆われているから、着用中に着用者が激しい動作をしたとしても、下半身の防水性を確保することができる。そのため、この種のレインスーツは、トレッキングなどの本格レジャー用雨具、及び、建築工事などの業務用雨具として広く用いられている。
【0005】
ところで、この種のレインパンツは、通常、普段着の上に重ねて着用されるから、予めウエスト部分の締め付けに余裕を設けていることが多い。このため、着用中の着用者の動作により、レインパンツのウエスト部分が若干ずれ落ちてしまい、ずれ落ちによって生じる弛みの影響で、着用者が動き難くなるという不具合が生じる。この不具合は、レインパンツのウエスト部分を元の位置まで引き上げることにより一応は解消することができるものの、レインパンツがずれ落ちる度に、このような引き上げ操作を行うことは面倒である。
【0006】
そこで、従来は、上述したレインパンツのずれ落ち自体を回避するため、粘着テープを脚挿通部上に巻装して、締め付ける方法が採られていた。しかし、このような方法では、レインパンツを着脱する度に粘着テープを巻き直さなければならず、極めて面倒である。また、着脱の度に脚挿通部の同一箇所に対して粘着テープを何度も巻き直すことになるから、巻装箇所の生地の表面に損傷が生じ易く、防水性が損なわれる。さらに、一旦、粘着テープを巻き始めると、事後に締め付け圧力を調整することができないから不便である。
【0007】
他方、特許文献3に示されているように、所謂サスペンダーを用いてレインパンツを吊り下げることにより、上述したずれ落ちを回避することも可能ではある。しかし、サスペンダーを用いた構成によると、その分だけコスト高を招く。
【特許文献1】特開2006−299495号公報
【特許文献2】特開2002−146604号公報
【特許文献3】特開2001−214309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、ずれ落ちを確実に防止することができるレインパンツを提供することである。
【0009】
本発明のもう1つの課題は、適時に締め付けすることができるとともに、締め付け圧力を微調整することができるレインパンツを提供することである。
【0010】
本発明の更にもう一つの課題は、安価に製造することができるレインパンツを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため、本発明に係るレインパンツは、締め付けバンドを含む。締め付けバンドは、内径寸法の縮小、及び、拡大が調節自在であって、脚挿通部において、着用者の大腿部に相当する部分に取り付けられている。
【0012】
上述したように、本発明に係るレインパンツは、内径寸法の縮小、及び、拡大が調節自在な締め付けバンドが、脚挿通部に取り付けられている。この構成によると、脚挿通部に着用者の脚が挿通された状態で、バンドの内径寸法を縮小調節することにより、締め付けバンドが、着用者の脚に対して脚挿通部の一部(生地)を締め付けし、生地自体の動きが規制される。従って、レインパンツのずれ落ちを防止することができる。
【0013】
本発明に係るレインパンツは、締め付けバンドの取り付け位置に工夫を加えた点に特徴の一つがある。即ち、締め付けバンドは、脚挿通部において、着用者の大腿部に相当する部分に取り付けられている。この構成によると、締め付けバンドは、着用者のウエストに近い箇所に取り付けられているから、着用中の着用者の動作により、レインパンツのウエスト部分が、着用者のウエストからずれ落ちようとしたとしても、このずれ落ちを防止することができる。
【0014】
さらに、締め付けバンドは、脚挿通部において、着用者の大腿部に相当する部分、即ち、着用者の股下から膝頭の上側までの間に相当する部分に取り付けられている。この構成によると、股下から足首にかけて先細りに細くなる人体一般の脚形状において、唯一存在する膝頭の膨らみ(凸形状)に対して、縮小された締め付けバンドを掛け止めることができる。従って、レインパンツのずれ落ちを、確実に防止することができる。
【0015】
上述したように、締め付けバンドは、主として内径寸法を縮小調節することにより生じる締め付け圧力(押し圧力)によってレインパンツのずれ落ちを防止する構成であるから、生地に対する損傷が生じる不都合を回避することができる。従って、長期間に渡って高い防水性を維持しうるレインパンツを提供することができる。また、製品寿命が伸びることにより、実質的なコスト削減が可能なレインパンツを提供することができる。
【0016】
しかも、本発明に係るレインパンツにおいて、締め付けバンドは、パンツのずれ落ちを防止するための機構であって、防水性自体は、レインパンツを構成する生地によって確保されている。従って、本発明に係るレインパンツをはく場合、着用者は、予め締め付けバンドの内径寸法を拡大させておくだけで、締め付けバンドの無い従来のレインパンツをはくときと同様に、迅速に着用することができる。
【0017】
締め付けバンドは、内径寸法の縮小、及び、拡大が調節自在であるから、締め付けバンドの内径寸法を拡大し、締め付け圧力を緩める操作をすることにより、締め付けバンドによる締め付け状態を解除することができる。従って、例えば、休憩時間などに容易に脱ぐことができるなど、適時に締め付け可能なレインパンツを提供することができる。
【0018】
締め付けバンドは、内径寸法の縮小、及び、拡大が調節自在であるから、径寸法の縮小、及び、拡大を自在に微調節すること、及び、適当な締め付け圧力に設定することができる。従って、優れた防水性を有するとともに、着心地のよいレインパンツを提供することができる。
【0019】
締め付けバンドは、脚挿通部において、着用者の大腿部に相当する部分に取り付けられているから、安価に製造することができる。
【0020】
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
【発明の効果】
【0021】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)ずれ落ちを確実に防止することができるレインパンツを提供することができる。
(2)適時に締め付けすることができるとともに、締め付け圧力を微調整することができるレインパンツを提供することができる。
(3)安価に製造することができるレインパンツを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係るレインパンツを示す正面図である。図1に示すレインパンツ1は、ナイロン(nylon)や、ポリエステル (Polyester)等の合成樹脂繊維を用いた防水性を有する生地で作られており、2つの脚挿通部11、12を含む。脚挿通部11、12は、それぞれ筒状であって、着用時に着用者3の脚が挿通される。
【0023】
さらに、レインパンツ1は、脚挿通部11に締め付けバンド13を有し、脚挿通部11、12に締め付けバンド14を有している。締め付けバンド13は、脚挿通部11において、着用者3の大腿部30に相当する部分110に取り付けられている。図1に示す締め付けバンド13は、脚挿通部11の外周面上において、着用者3の股下から膝頭31の近傍までの間(大腿部30)に相当する部分、より好ましくは着用者3の膝頭31の上側に相当する部分に配置され、脚の挿通方向Xに交差する方向Yに沿って環状に取り付けられている。
【0024】
締め付けバンド13は、内径寸法D13の縮小が調節自在であって、内径寸法D13を縮小させた状態で、脚挿通部11の生地とともに、バンド内部を通過している着用者3の大腿部30を締め付けする。即ち、締め付けバンド13の内径寸法D13は、バンドを縮小させた状態で大腿部30の直径寸法D30以下に調節することができる。他方、締め付けバンド13は、内径寸法D13の拡大が調節自在であって、内径寸法D13を拡大させた状態で、大腿部30の直径寸法D30より大きくすることができる。
【0025】
締め付けバンド14は、締め付けバンド13と同じものを用いることができる。以下、簡単に説明すると、締め付けバンド14は、脚挿通部12において、着用者3の大腿部30に相当する部分120に取り付けられている。締め付けバンド14は、内径寸法D14の縮小、及び、拡大が調節自在であって、内径寸法D14を縮小させた状態で、大腿部30の直径寸法D30以下に調節することができ、内径寸法D14を拡大させた状態で、大腿部30の直径寸法D30より大きくすることができる。
【0026】
図1に示した締め付けバンド13、14の具体的な実施形態について、さらに図2及び図3を参照して説明する。図2は図1において二点鎖線で示した領域Aを拡大して示す部分正面図、図3は図2に示したレインパンツの締め付け状態を示す部分正面図である。図2及び図3において、図1に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
【0027】
まず、図2を参照すると、本発明の一実施形態に係るレインパンツ1は、複数のバンド挿通部15と、締め付けバンド13(14)とを有している。バンド挿通部15は、所謂ベルトループであって、複数が脚挿通部11(12)の外周面上において、着用者3の大腿部30に相当する部分110(120)、より好ましくは着用者3の膝頭31の上側に相当する部分に配置され、脚の挿通方向Xに交差する方向Yに沿って、間隔を隔てて断続的に取り付けられている。
【0028】
締め付けバンド13(14)は、複数のバンド挿通部15に対して、連続して挿通されており、一端131(141)と、他端132(142)とが、膝頭31の前面で結び付けられていることにより、レインパンツ1に取り付けられている。
【0029】
図2に示した状態では、締め付けバンド13(14)の内径寸法D13(D14)が、大腿部30の直径寸法D30より大きく、脚挿通部11(12)には、締め付けバンド13(14)から何らの締め付け圧力が加えられていない。従って、着用者は、締め付けバンド13(14)のない従来のレインパンツと同様に着用すること、及び、着脱することができる。
【0030】
次に、図3を参照すると、図2に示した状態から締め付けバンド13(14)の一端131(141)と、他端132(142)とを引き絞り、この引き絞った位置で、両者を結び付けることにより、締め付けバンド13(14)の内径寸法D13(D14)が、大腿部30の直径寸法D30以下まで縮小調節される。そして、この縮小調節により、着用者3の膝頭31の上側に相当する部分110(120)において、締め付けバンド13(14)が取り付けられている部分の脚挿通部11(12)が絞られる。
【0031】
図1乃至図3を参照して説明したように、本発明の実施形態に係るレインパンツ1は、上述した雨具として一般的に求められる防水性に加え、ずれ落ちを防止するため、締め付けバンド13(14)の取り付け位置に工夫を加えた点に特徴の一つがある。即ち、レインパンツ1は、内径寸法D13(D14)の縮小、及び、拡大が調節自在な締め付けバンド13(14)が、脚挿通部11(12)において、脚の挿通方向Xに交差する方向Yに沿って環状に取り付けられている。この構成によると、脚挿通部11(12)に着用者3の脚が挿通された状態で、バンド13(14)の内径寸法D13(D14)を縮小調節することにより、締め付けバンド13(14)が、着用者3の脚に対して脚挿通部11(12)の一部(生地)を締め付けし、これにより生地自体の動きが規制される。従って、レインパンツ1のずれ落ちを防止することができる。
【0032】
さらに、締め付けバンド13(14)は、脚挿通部11(12)において、着用者3の大腿部30に相当する部分110(120)に取り付けられている。この構成によると、締め付けバンド13(14)は、着用者3のウエストに近い箇所に取り付けられているから、着用中の着用者3の動作により、レインパンツ1のウエスト部分が、着用者3のウエストからずれ落ちようとしたとしても、このずれ落ちを防止することができる。
【0033】
しかも、締め付けバンド13(14)は、着用者3の大腿部30に相当する部分110(120)、即ち、股下から膝頭31の上側までの間に相当する部分110(120)に取り付けられている。この構成によると、股下から足首にかけて先細りに細くなる人体一般の脚形状において、唯一存在する膝頭31の膨らみ(凸形状)に対して、縮小された締め付けバンド13(14)を掛け止めることができる。従って、レインパンツ1のずれ落ちを、確実に防止することができる。
【0034】
上述したずれ落ち防止の具体例について、例えば、図4に示したように、レインパンツ1の脚挿通部11、12には、着用中の着用者3の歩行動作により、地球の重力の作用や、大腿部30と裏地生地との接触に伴う摩擦力が生じ、この作用により、脚挿通部11、12のそれぞれが矢印M1で示す方向に引っ張られ、ずれ落ちようとする。このM1方向へのずれ落ちに対して、膝頭31の上側において、締め付けバンド13、14が、大腿部30に対して生地を締め付けることにより、生地自体の動きが規制される。
【0035】
同様に、図5に示したように、レインパンツ1の脚挿通部11、12には、着用中の着用者3のしゃがみ動作により、地球の重力や、大腿部30、及び、臀部と裏地生地との接触に伴う摩擦力が生じ、この作用により、脚挿通部11、12のそれぞれが矢印M2、M3で示す方向に引っ張られ、ずれ落ちようとする。このM2、M3方向へのずれ落ちに対して、締め付けバンド13、14が、膝頭31の上側の大腿部30に対して生地を締め付けることにより、生地自体の動きが規制される。
【0036】
図1乃至図5を参照して説明したように、本発明の一実施形態に係るレインパンツ1の締め付けバンド13、14は、内径寸法D13、D14の縮小、及び、拡大が調節自在であって、脚挿通部11、12において、着用者3の大腿部30に相当する部分110、120に取り付けられているから、着用者3がレインパンツ1を着用し、脚挿通部11、12に脚を挿通した状態で、バンドの内径寸法D13、D14を縮小調節することにより、大腿部30を締め付けることができる。従って、着用中の着用者3の動作により、レインパンツ1のウエスト部分が、着用者3のウエストからずれ落ちようとしたときに、大腿部30に対する締め付けバンド13、14の締め付け圧力により、レインパンツ1のずれ落ちを確実に防止することができる。
【0037】
締め付けバンド13、14は、内径寸法D13、D14を、脚部の直径寸法D30以下まで縮小調節することにより、バンド内径部分を通過している着用者3の大腿部30を締め付ける。即ち、締め付けバンド13、14は、主として締め付け圧力によってレインパンツ1のずれ落ちを防止する構成であるから、粘着テープを巻装していた従来技術とは異なり、脚挿通部11、12の生地に対する損傷が生じる不都合を回避することができる。従って、長期間に渡って高い防水性を維持し、実質的なコスト削減を図ることができるレインパンツ1を提供することができる。
【0038】
しかも、締め付けバンド13、14は、パンツのずれ落ちを防止するための機構であって、防水性自体は、レインパンツ1を構成する生地素材によって確保されている。従って、レインパンツ1をはく時は、着用者3は、予め締め付けバンド13、14の内径寸法D13、D14を拡大させておくだけで、締め付けバンド13、14の無い従来のレインパンツ1をはくときと同様に、脚挿通部11、12に脚を通すことができる。即ち、本発明の一実施形態に係るレインパンツ1の構成によると、所謂サスペンダーを用いてレインパンツ1を吊り下げしていた従来技術(特許文献3)とは異なり、迅速に着用することができる。
【0039】
締め付けバンド13、14は、内径寸法D13、D14の縮小、及び、拡大が調節自在であるから、締め付けバンド13、14の径寸法を、大腿部30の直径寸法D30よりも拡大し、締め付け圧力を緩める操作をすることにより、締め付けバンド13、14による締め付け状態を解除することができる。従って、粘着テープを巻装していた従来技術とは異なり、例えば、休憩時間などに容易に脱ぐことができるなど、適時に締め付け可能なレインパンツ1を提供することができる。
【0040】
締め付けバンド13、14は、内径寸法D13、D14の縮小、及び、拡大が調節自在であるから、径寸法の縮小、及び、拡大を自在に微調節することにより、適当な締め付け圧力に設定することができる。従って、粘着テープを巻装していた従来技術とは異なり、優れた防水性を有するとともに、着心地のよいレインパンツ1を提供することができる。
【0041】
締め付けバンド13、14は、脚挿通部11、12において、着用者3の大腿部30に相当する部分110(120)に取り付けられているから、所謂サスペンダーを用いてレインパンツ1を吊り下げしていた従来技術(特許文献3)とは異なり、安価に製造することができる。
【0042】
図6乃至図8は、本発明の更にもう一つの実施形態に係るレインパンツについて、一部を省略して示す拡大正面図である。図6乃至図8において、図1乃至図5に図示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
【0043】
図6乃至図8に示す実施形態に係るレインパンツ1のバンド挿通部15は、膝頭の正面部分に開放箇所150を有する袋状であって、脚挿通部11(12)の外周面上において、着用者の大腿部に相当する部分に配置され、脚の挿通方向Xに交差する方向Yに沿って取り付けられている。締め付けバンド13(14)は、開放箇所150からバンド挿通部15の内部に挿通される。この構成によると、締め付けバンド13(14)の脱落を確実に防止しうるとともに、外見上のデザイン性を向上させることができる。
【0044】
さらに、締め付けバンド13(14)の具体的態様について、図6を参照すると、締め付けバンド13(14)は、所謂バックル機構16を有し、一端131(141)側に美錠161と、ツク棒162を有し、他端132(142)側に複数の貫通孔163を有し、これらの有機的結合によって掛け止められている。締め付けバンド13(14)の内径寸法D13(D14)は、ツク棒162と貫通孔161との掛止位置を選択することにより、適時に調節することができる。
【0045】
図7に示す実施形態を参照すると、締め付けバンド13(14)は、一端131(141)側に雄型面ファスナー171と、雌型面ファスナー172とを有しており、一端131(141)を折り返しリング173で折り返すことにより、雄型面ファスナー171と、雌型面ファスナー172とが結合される。締め付けバンド13(14)の内径寸法D13(D14)は、一端131(141)の折り返し長さ寸法を調節することにより、適時に調節することができる。
【0046】
図8に示す実施形態を参照すると、締め付けバンド13(14)は、一端131(141)に雄型嵌合片181が取り付けられ、他端132(142)に雌型嵌合片182が取り付けられ、両者の凹凸嵌合によって掛け止められている。締め付けバンド13(14)の内径寸法D13(D14)は、締め付けバンド13(14)の長さ寸法を選択することにより、適時に調節することができる。
【0047】
図6乃至図8を参照して説明したレインパンツ1の実施形態は、いずれも図1乃至図5を参照して説明したレインパンツ1と同様に、内径寸法D13(D14)の縮小、及び、拡大が調節自在な締め付けバンド13(14)が、脚挿通部11(12)において、着用者の大腿部に相当する部分に取り付けられているから、図1乃至図5を参照して説明したレインパンツ1の利点を全て有することができる。
【0048】
さらに、締め付けバンド13(14)は、図6乃至図8を参照して説明したような、何らかの留め具を有する構成によると、掛止効果の信頼性、及び、掛止操作の容易性を向上させることができる。
【0049】
図9は、本発明の更にもう一つの実施形態に係るレインパンツを示す正面図である。図9において、図1乃至図8と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
【0050】
図9に示すように、本発明の実施形態に係るレインパンツ1は、レインジャケット4と組み合わされて、所謂レインスーツとして用いることができる。なお、レインジャケット4は、当該技術分野において、周知の構成部分であるから、詳細は省略する。
【0051】
さらに、図9を参照すると、レインパンツ1は、第2の締め付けバンド23、24を有している。第2の締め付けバンド23、24は、内径寸法D23、D24の縮小、及び、拡大が調節自在であって、脚挿通部11、12において、着用者3の膝頭31の下側に相当する部分に取り付けられている。具体的に、第2の前記締め付けバンド13、14は、前記脚挿通部11、12において、着用時に着用者3の膝頭31の下側に相当する部分から脹脛に相当する部分までの間に配置されている。
【0052】
この構成によると、レインパンツ1は、脚挿通部11、12において、着用者3の膝頭31の上側に相当する部分110、120に第1の締め付けバンド13、14を有するから、図1乃至図8を参照して説明した利点を全て有することができる上、脚挿通部11、12において、着用者3の膝頭31の下側に相当する部分にも第2の締め付けバンド23、24を有するから、掛止効果の信頼性を向上させることができる。
【0053】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に係るレインパンツを用いたレインスーツを示す正面図である。
【図2】図1において二点鎖線で示した領域を拡大して示す部分正面図である。
【図3】図2に示したレインパンツの締め付け状態を示す部分正面図である。
【図4】図1乃至図3に示したレインパンツの使用状態について、一部を省略して示す側面図である。
【図5】図1乃至図3に示したレインパンツの使用状態について、一部を省略して示す側面図である。
【図6】本発明のもう一つの実施形態に係るレインパンツについて、一部を省略して示す拡大正面図である。
【図7】本発明の更にもう一つの実施形態に係るレインパンツについて、一部を省略して示す拡大正面図である。
【図8】本発明の更にもう一つの実施形態に係るレインパンツについて、一部を省略して示す拡大正面図である。
【図9】本発明の更にもう一つの実施形態に係るレインパンツを示す正面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 レインパンツ
11、12 脚挿通部
110、120 着用者の大腿部に相当する部分
13、14 締め付けバンド
23、24 第2の締め付けバンド
3 着用者
30 大腿部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
締め付けバンドを含むレインパンツであって、
前記締め付けバンドは、内径寸法の縮小、及び、拡大が調節自在であって、脚挿通部において、着用者の大腿部に相当する部分に取り付けられている、
レインパンツ。
【請求項2】
請求項1に記載されたレインパンツであって、さらに第2の締め付けバンドを有しており、
前記第2の締め付けバンドは、内径寸法の縮小、及び、拡大が調節自在であって、脚挿通部において、着用者の膝頭の下側に相当する部分に取り付けられている、
レインパンツ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−190082(P2008−190082A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−25590(P2007−25590)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(507038168)
【Fターム(参考)】