説明

レシートおよびレシート発行装置

【課題】レシートを冷蔵庫等に保存する食品の在庫管理に利用できるようにする。
【解決手段】バーコードリーダによって読み取られ、入力されたバーコードデータが日用雑貨に対応する場合、直ちに、そのバーコードデータによって表される商品名と価格がレシート用紙に印字される。一方、入力されたバーコードデータが食品に対応する場合、そのバーコードデータは一旦RAM等に記憶される。その後、バーコードデータの入力が終了すると、RAMに一時的に記憶された食品に対応する各バーコードデータが読み出され、そのバーコードデータによって表される品質保持期限までの日数が短い順に並べ替えられ、品質保持期限までの日数が長いものから順に印字が行われ、レシートの上方から下方に向けて品質保持期限までの日数の短いものから順に印字される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレシートおよびレシート発行装置に関し、特に、冷蔵庫等に保管する食品の在庫管理に利用可能なレシートおよびレシート発行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷蔵庫は扉を開けなければその中に保存されているものが見えないため、保存しておいた冷凍食品や生鮮食品等が品質保持期限を過ぎてしまい廃棄しなければならなくなることがあった。そこで、購買客の中には、冷蔵庫の扉にレシートを貼り付け、冷蔵庫の中に保存されている冷凍食品や生鮮食品等の在庫状況をチェックするようにして品質保持期限内に消費するというような工夫をしていた。
【0003】
ところで、スーパーマーケットなどのように、生鮮食品や冷凍食品と、日用雑貨品、化粧品等が混在して販売されている場合、レジにおいてはこれらの商品に付けられたバーコードのデータが順不同で読み取られ、バーコードのデータが読み取られた商品の順にレシートに印字されるので、様々な種類の商品が1枚のレシートに順不同で混在して印字されていた。
【0004】
また、レシートの上部に、従来のレシートと同様に、簡単な店舗からのメッセージや店舗名などの表示に続いて、商品名(商品特定データ)、商品の値段、小計、外税、合計(商品価格データ)といった、消費者が買った商品の値段を確認するために必須の必須出力事項が印字され、レシートの下部に、価格とは関係のない詳細な商品情報が印字されるようにし、消費者が、従来からある必須出力事項の他に、各商品の賞味期限や添加物といった詳細出力事項を容易に確認することができるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−222770号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のレシートを冷蔵庫の扉に貼り付ける場合、冷蔵庫に保存される冷凍食品や冷蔵食品等の食品の商品名だけでなく、食品以外の日用雑貨等の他の商品の商品名もレシートに順不同で混在して印字されているため、不必要に大きな面積を占めるとともに、その中から食品の商品名を探し出すのは面倒であるという課題があった。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、冷蔵庫や食品保管庫に保存された食品の品質保持期限や加工日時等の日付、在庫数を簡単に知ることができ、消費のタイミングを誤って食品を無駄にしてしまうということがないようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載のレシートは、第1の印字領域と、第2の印字領域と、第3の印字領域と、第4の印字領域とを備え、第1の印字領域には、店名、電話番号、および日時からなる第1のデータが印字され、第2の印字領域には、品質保持期限を有する食品に関する第2のデータが品質保持期限順に印字され、第3の印字領域には、食品以外の商品に関する第2のデータが印字され、第4の印字領域には、食品および食品以外の商品の合計価格を含む精算情報を示すデータが印字され、第1の印字領域、第2の印字領域、および第3の印字領域はこの順で上から下に配置され、第4の印字領域は、少なくとも第3の印字領域よりも上に配置されていることを特徴とする。
請求項2に記載のレシートは、少なくとも冷蔵庫にて保存すべき食品に関するデータが、その食品が保存されるべき冷蔵庫の保存場所毎に分けて印字されていることを特徴とする。
また、各食品毎に各食品を購入した個数分の所定の図形を示すデータがさらに印字されるようにすることができる。
請求項4に記載のレシート発行装置は、商品のバーコードを読み取る読み取り手段と、 読み取り手段によって読み取られたバーコードに対応するバーコードデータに基づいて、商品が食品であるか否かを判定する判定手段と、判定手段の判定結果に基づいて、所定のタイミングで食品および食品以外の商品のバーコードデータをレシート用紙に印字する印字手段と、判定手段の判定結果に基づいて、食品のバーコードデータを記憶する記憶手段と、判定手段によって商品が食品以外の商品であると判定されたとき、バーコードデータを順次印字するように印字手段を制御し、バーコードの読み取りが終了したとき、記憶手段によって記憶されている食品のバーコードデータを、バーコードデータによって表される食品の関連情報に基づいて並べ替えを行い、印字手段に対してバーコードデータを所定のフォーマットで印字するよう制御する印字制御手段とを備えることを特徴とする。
請求項5に記載のレシート発行装置は、商品のバーコードを読み取る読み取り手段と、 読み取り手段によって読み取られたバーコードに対応するバーコードデータに基づいて、商品が食品であるか否かを判定する判定手段と、判定手段の判定結果に基づいて、所定のタイミングで食品および食品以外の商品のバーコードデータをレシート用紙に印字する印字手段と、判定手段の判定結果に基づいて、食品のバーコードデータを記憶する記憶手段と、判定手段によって商品が食品以外の商品であると判定されたとき、バーコードデータを順次印字するように印字手段を制御し、バーコードの読み取りが終了したとき、レシート用紙を切り離し、記憶手段によって記憶されている食品のバーコードデータを、バーコードデータによって表される食品の関連情報に基づいて並べ替えを行い、印字手段に対してバーコードデータを所定のフォーマットで印字するよう制御する印字制御手段とを備えることを特徴とする。
また、関連情報は、食品の品質保持期限や加工日時等の日付であり、印字制御手段は品質保持期限や加工日時等の日付の順にバーコードデータを印字手段に印字させるようにすることができる。
また、関連情報は、食品の保存場所であり、印字制御手段は保存場所毎に分けてバーコードデータを印字手段に印字させるようにすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のレシートおよびレシート発行装置によれば、冷蔵庫や食品保管庫に保存された食品の品質保持期限や加工日時等の日付、在庫数を容易に認識することができるので、消費のタイミングを誤って食品を無駄にするということがないようにすることができる。
また、冷蔵庫や食品保管庫に保存された食品の保管場所を簡単に知ることができるので、消費のタイミングを誤って食品を無駄にしてしまうということがないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、品質保持期限または加工日時等の日付が付けられた食品と日用雑貨とが領域毎に分けられて印字されたレシートの例を示している。
【0010】
この例の場合、レシートには、店名「スーパー佐藤 大成店と」、電話番号「TEL XXX-XXXX-XXXX」と、日付および時刻「2004年11月29日(月) 10:11」とが印字されている。また、合計価格「¥3,896」と、お預かり金額「¥4,000」と、お釣り「¥104」とが印字されている。
【0011】
その下方には、食品の商品名と、価格と、品質保持期限とが印字される。この例では、「牛乳 ¥198 12月 4日」と、「ヨーグルト ¥158 12月 5日」と、「豆腐 ¥128 12月 6日」と、「納豆 ¥130 12月 8日」等が印字されている。
【0012】
さらに下方には、日用雑貨等の商品名と、価格が印字される。この例では、「ハブラシ ¥298」と、「石けん ¥150」と、「スポンジ ¥200」と、「シャンプー ¥398」等が印字されている。
【0013】
このように、図1に示したレシートは、食品の商品名が印字される印字領域と、日用雑貨等の食品以外の商品の商品名が印字される印字領域とがはっきりと分けられているため、日用雑貨等が印字された印字領域を切り離すことにより、冷蔵庫に保存される食品の商品名のみが印字されたレシートの残りの部分を冷蔵庫の扉に貼り付けることができる。これにより、冷蔵庫に保存されている食品の商品名を簡単に知ることができる。また、冷蔵庫に保存されている各食品のそれぞれの品質保時期限を容易に知ることができる。また、ここでは、冷蔵庫は、冷凍室、冷蔵室、および野菜室を有するものとする。
【0014】
図2は、品質保持期限の付けられた食品と日用雑貨とが、それぞれ別のレシートに印字された例を示している。図2(a)は、日用雑貨のみが印字されたレシートの例を示している。この例の場合、レシートには、店名「スーパー佐藤 大成店」と、電話番号「TEL XXX-XXXX-XXXX」と、日付および時刻「2004年11月29日(月) 10:11」とが印字されている。
【0015】
その下方には、日用雑貨の商品名と価格とが印字される。この例では、「ハブラシ ¥298」と、「石けん ¥150」と、「スポンジ ¥200」と、「シャンプー ¥398」等が印字されている。
【0016】
さらに下方には、雑貨の合計価格である雑貨小計「1,548」と、食品の合計価格である食品小計「2,348」と、食品と日用雑貨を合わせた合計価格である合計「3,896」と、お預かり金額「¥4,000」と、お釣り「¥104」とが印字されている。
【0017】
図2(b)は、食品のみが印字されたレシートの例を示している。この例の場合、レシートには、店名「スーパー佐藤 大成店」と、電話番号「TEL XXX-XXXX-XXXX」と、日付および時刻「2004年11月29日(月) 10:11」とが印字されている。
【0018】
その下方には、食品の商品名と、価格と、品質保持期限とが印字される。この例では、「牛乳 ¥198 12月 4日」と、「ヨーグルト ¥158 12月 5日」と、「豆腐 ¥128 12月 6日」と、「納豆 ¥130 12月 8日」等が印字されている。その下方には、品質保持期限なのない食品の商品名と、価格とが印字されている。
この例では、「にんじん ¥198」と、「たまねぎ ¥298」と、「ピーマン ¥198」等が印字されている。その下方には、食品小計「2,348」が印字されている。
【0019】
このように、冷蔵庫に貼り付けるための食品のみが印字されたレシートと、その他の日用雑貨等の商品が印字されたレシートを別々に発行することにより、消費者はレシートを切り離す手間を省くことができる。
【0020】
図3は、冷蔵庫の保存場所毎に食品を分類し、保存場所毎に異なる印字領域に食品の商品名と、価格と、品質保持期限とが印字されたレシートの例を示している。この例の場合、レシートには、店名「スーパー佐藤 大成店」と、電話番号「TEL XXX-XXXX-XXXX」と、日付および時刻「2004年11月29日(月) 10:11」とが印字されている。
【0021】
その下方には、食品と日用雑貨を合わせた合計価格「¥3,896」と、お預かり金額「¥4,000」と、お釣り「¥104」とが印字されている。
【0022】
さらに下方には、冷凍室に保存すべき食品の商品名と、価格と、品質保持期限とが印字される。この例では、「カニシューマイ ¥398 12月27日」と、「インゲンマメ ¥398 12月28日」と、「アイスクリーム ¥498 12月29日」が印字されている。
【0023】
さらに下方には、冷蔵室に保存すべき食品の商品名と、価格と、品質保持期限とが印字される。この例では、「牛乳 ¥198 12月 4日」と、「ヨーグルト ¥158 12月5日」と、「豆腐 ¥128 12月 6日」と、「納豆 ¥130 12月 8日」とが印字されている。
【0024】
さらに下方には、野菜室に保存すべき食品の商品名と価格とが印字される。この例では、「にんじん ¥198」と、「たまねぎ ¥298」と、「ピーマン ¥198」とが印字されている。
【0025】
さらに下方には、室温で保存すべき食品の商品名と価格とが印字される。この例では、「じゃがいも ¥398」と、「カップラーメン ¥168」と、「レトルトカレー ¥198」とが印字されている。
【0026】
また、これらの下方には、食品以外の日用雑貨等の商品の商品名と価格とが印字される。この例では、「ハブラシ ¥298」と、「石けん ¥150」と、「スポンジ ¥200」と、「シャンプー ¥398」等が印字されている。
【0027】
このように、冷蔵庫の冷凍室、冷蔵室、および野菜室にそれぞれ保存すべき食品毎に分けて、その商品名および価格等をレシートに印字することにより、冷蔵庫の中身とレシートとの対応付けが視覚的に容易となり、在庫管理も容易に行うことができる。
【0028】
図4は、図1のレシートにおいて、冷蔵庫に保存する食品について同一食品を複数購入した場合の印字例を示している。即ち、食品の商品名と、品質保持期限と、単価および個数と、合計価格(単価×個数)とを印字すると共に、商品毎に購入した個数を表す個数分の図形(この例では「☆」)を印字するようにしている。
【0029】
この例の場合、レシートには、店名「スーパー佐藤 大成店」と、電話番号「TEL XXX-XXXX-XXXX」と、日付および時刻「2004年11月29日(月) 10:11」とが印字されている。そして、食品と日用雑貨を合わせた合計価格「¥3,896」と、お預かり金額「¥4,000」と、お釣り「¥104」とが印字されている。
【0030】
その下方には、「牛乳 12月 4日 ¥198×2コ ¥396 ☆☆」と、「ヨーグルト 12月 5日 ¥158×2コ ¥316 ☆☆」と、「豆腐 12月 6日 ¥128×2コ ☆☆」と、「納豆 12月 8日 ¥130×3コ ¥390 ☆☆☆」とが印字されている。
【0031】
さらに下方には、食品以外の日用雑貨等の商品の商品名と価格とが印字される。この例では、「ハブラシ ¥298」と、「石けん ¥150」と、「スポンジ ¥200」と、「シャンプー ¥398」等が印字されている。
【0032】
このように、冷蔵庫等に保存すべき食品毎に、その個数を示す図形(例えば、その個数分の☆印)を印字することにより、消費する毎にその図形に×印等の印を付けて消費済みであることを表すことができるので、商品毎の在庫管理を容易に行うことができる。
【0033】
図5は、上述した各種レシートを発行するレジスターの構成例を示すブロック図である。同図に示すように、本実施の形態におけるレジスターは、後述するROM(Read Only Memory)12に記憶されている制御プログラムに従って動作し、各部を制御するCPU(Central Processing Unit)11と、上記制御プログラムを記憶するROM12と、CPU11が動作する上で必要となる各種データを記憶するRAM(Random Access Memory)13と、商品の価格等を手入力するための入力部15と、入力部15からの入力信号をディジタルの入力データに変換し、バス23を介してCPU11に供給するインタフェース14と、レシート用紙に印字を行いレシートとして発行するレシート印字発行部17と、レシート印字発行部17を制御する印字制御部16と、各種データを表示するLCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部19と、表示部19を制御する表示制御部18と、商品に印刷等により形成されたバーコードのデータ(バーコードデータ)を読み取るバーコードリーダ21と、バーコードリーダ21を制御するバーコードリーダ制御部20と、電源がオフされても保持しておきたい各種設定値等のデータを記憶するEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)22と、各部を接続するバス23等から構成されている。
【0034】
次に、図6のフローチャートを参照して、図1に示したレシートを印字発行する手順について説明する。まず、ステップS1において、バーコードリーダ制御部20によって制御されたバーコードリーダ21により、商品に貼付されたラベルに表示されているバーコードによって表される商品のバーコードデータが読み取られ、読み取られたバーコードデータがバーコードリーダ制御部20によりバス23を介してCPU11に供給される。
【0035】
次に、ステップS2において、CPU11は、バーコードリーダ制御部20よりバス23を介して供給されたバーコードデータを受け取ると、このバーコードデータが食品を表すものであるか否かを判定する。
【0036】
その結果、食品を表すバーコードデータであると判定した場合、ステップS3に進む。一方、食品を表すバーコードデータではない、即ち、日用雑貨等の食品以外の商品を表すバーコードデータであると判定した場合、ステップS6に進む。
【0037】
ステップS3においては、CPU11により、上記バーコードデータに品質保持期限(消費期限)を表すデータが含まれているか否かが判定される。その結果、品質保持期限を示すデータが含まれていると判定された場合、ステップS4に進む。一方、上記バーコードデータに品質保持期限を示すデータが含まれていないと判定された場合、ステップS5に進む。
【0038】
ステップS4においては、CPU11の制御下、上記バーコードデータがRAM13の記憶領域Aに記憶される。このバーコードデータには、食品の商品名、価格、および品質保持期限等を示すデータが含まれている。
【0039】
一方、ステップS5においては、CPU11の制御下、上記バーコードデータがRAM13の記憶領域Bに記憶される。このバーコードデータには、食品の商品名、価格等を示すデータが含まれている。
【0040】
また、ステップS6においては、上記バーコードデータは日用雑貨等の食品以外の商品を示すものであるので、CPU11は、このバーコードデータを印字制御部16に供給し、印字するよう指令する。
【0041】
CPU11からの指令を受けた印字制御部16は、CPU11より供給されたバーコードデータを印字するための制御信号を生成し、レシート印字発行部17に供給する。この制御信号が供給されたレシート印字発行部17は、制御信号に従って印字動作を行う。
【0042】
これにより、図1に示したように、バーコードデータに対応する日用雑貨等の商品名と価格とがレシート用紙に印字される。この例では、図1に示したレシートの下方から上方に向かって順に印字が行われる。日用雑貨等の食品以外の商品は、食品のように品質保持期限の順に並べ替える必要がないので、バーコードが読み取られる毎に逐次、入力順にレシート用紙に印字される。こうすることによって、全てのデータを入力した後に印字を行うよりも印字終了の時間が早くなり、印字の効率化を図ることができる。
【0043】
次に、ステップS7において、バーコードリーダ21によってすべての商品のバーコードが読み取られ、入力が終了したか否かが判定される。その結果、入力が終了していないと判定された場合、ステップS1に戻り、ステップS1以降の処理が繰り返し実行される。
【0044】
一方、入力が終了したと判定された場合、ステップS8に進む。ステップS8においては、CPU11により、記憶領域Aに記憶されたバーコードデータが読み出され、そのバーコードデータによって表される品質保持期限の順(例えば、品質保持期限までの日数が短いものから順)に食品が並べ替えられる。
【0045】
次に、ステップS9において、品質保持期限の順に並べ替えられた食品の商品名と、価格と、品質保持期限とが、品質保持期限までの日数が長いものから順にレシート用紙に印字される。これにより、レシートの上方から下方に向けて品質保持期限までの日数について昇順に表示される。
【0046】
次に、ステップS10において、食品および日用雑貨等の価格の合計が計算され、さらに、ステップS11において、合計、お預かり金額、およびお釣りが印字され、最後に店名、日付、および電話番号が印字された後、レシート用紙がカットされてレシートが発行される。
【0047】
次に、図7のフローチャートを参照して、図2に示したレシートを印字発行する手順について説明する。まず、ステップS21において、バーコードリーダ制御部20によって制御されたバーコードリーダ21により、商品に貼付されたラベルに表示されているバーコードによって表される商品のバーコードデータが読み取られ、読み取られたバーコードデータがバーコードリーダ制御部20によりバス23を介してCPU11に供給される。
【0048】
次に、ステップS22において、CPU11は、バーコードリーダ制御部20よりバス23を介して供給されたバーコードデータを受け取ると、このバーコードデータが食品を表すものであるか否かを判定する。
【0049】
その結果、食品を表すバーコードデータであると判定した場合、ステップS23に進む。一方、食品を表すバーコードデータではない、即ち、日用雑貨等の食品以外の商品を表すバーコードデータであると判定した場合、ステップS26に進む。
【0050】
ステップS23においては、CPU11により、上記バーコードデータに品質保持期限を表すデータが含まれているか否かが判定される。その結果、品質保持期限を示すデータが含まれていると判定された場合、ステップS24に進む。一方、上記バーコードデータに品質保持期限を示すデータが含まれていないと判定された場合、ステップS25に進む。
【0051】
ステップS24においては、CPU11の制御下、上記バーコードデータがRAM13の記憶領域Aに記憶される。このバーコードデータには、食品の商品名、価格、および品質保持期限等を示すデータが含まれている。
【0052】
ステップS25においては、CPU11の制御下、上記バーコードデータがRAM13の記憶領域Bに記憶される。このバーコードデータには、食品の商品名、価格等を示すデータが含まれている。
【0053】
ステップS26においては、CPU11の制御下、店名、日付、および電話番号が印字される。次に、ステップS27において、上記バーコードデータは日用雑貨等の食品以外の商品を示すものであるので、CPU11は、このバーコードデータを印字制御部16に供給し、印字するよう指令する。
【0054】
CPU11からの指令を受けた印字制御部16は、CPU11より供給されたバーコードデータを印字するための制御信号を生成し、レシート印字発行部17に供給する。この制御信号が供給されたレシート印字発行部17は、制御信号に従って印字動作を行う。
【0055】
これにより、図2(a)に示したように、バーコードデータに対応する日用雑貨等の商品名と価格がレシート用紙に印字される。この例では、図2に示したレシートの上方から下方に向かって順に印字が行われるが、下方から上方へ印字することも可能である。いずれにせよ、日用雑貨等の食品以外の商品は、食品のように品質保持期限の順に並べ替える必要がないので、バーコードが読み取られる毎に逐次、入力順にレシート用紙に印字される。
【0056】
次に、ステップS28において、バーコードリーダ21によってすべての商品のバーコードが読み取られ、入力が終了したか否かが判定される。その結果、入力が終了していないと判定された場合、ステップS21に戻り、ステップS21以降の処理が繰り返し実行される。
【0057】
一方、入力が終了したと判定された場合、ステップS29に進み、食品および日用雑貨等の価格の小計および合計が計算される。次に、ステップS30において、食品および日用雑貨等の価格の小計、合計、お預かり金額、およびお釣りを印字する。
【0058】
さらにステップS31においては、レシート用紙がカットされて図2(a)に示したような食品以外の日用雑貨等の買い上げ商品からなるレシートが発行される。
【0059】
次に、ステップS32において、新たなレシート用紙に対して店名、日付、電話番号等が印字される。次に、ステップS33において、CPU11により、記憶領域Aに記憶されたバーコードデータが読み出され、そのバーコードデータによって表される品質保持期限の順(例えば、品質保持期限までの日数が短いものから順)に食品が並べ替えられる。
【0060】
次に、ステップS34において、品質保持期限の順に並べ替えられた食品の商品名と、価格と、品質保持期限とがレシート用紙に印字される。次に、ステップS35において、記憶領域Bに一時記憶された品質保持期限の設定されていない食品が、そのバーコードデータが入力された順にレシート用紙に印字される。
【0061】
次に、ステップS36において、食品の小計が印字された後、ステップS37において、レシート用紙がカットされて図2(b)に示したような食品のみからなるレシートが発行される。
【0062】
このように、冷蔵庫に保管される食品のみからなるレシートと、それ以外の日用雑貨等の商品のみからなるレシートとが別々に発行されるので、消費者は冷蔵庫の扉に食品のみが印字されたレシートを貼るだけでよく、レシートを切り離すという面倒な作業から開放される。
【0063】
次に、図8のフローチャートを参照して、図3に示したレシートを印字発行する手順について説明する。まず、ステップS41において、バーコードリーダ制御部20によって制御されたバーコードリーダ21により、商品のバーコードによって表されるバーコードデータが読み取られ、読み取られたバーコードデータがバーコードリーダ制御部20によりバス23を介してCPU11に供給される。
【0064】
次に、ステップS42において、CPU11は、バーコードリーダ制御部20よりバス23を介して供給されたバーコードデータを受け取ると、このバーコードデータが食品を表すものであるか否かを判定する。
【0065】
その結果、食品を表すバーコードデータであると判定した場合、ステップS43に進む。一方、食品を表すバーコードデータではない、即ち、日用雑貨等の食品以外の商品を表すバーコードデータであると判定した場合、ステップS48に進む。
【0066】
ステップS43においては、CPU11の制御により、上記バーコードデータに含まれる適切な保存場所を表すデータに基づいて、食品毎に各保存場所に対応するRAM13の記憶領域にバーコードデータが記憶される。
【0067】
例えば、上記バーコードデータに保存場所として冷凍室を示すデータが含まれていると判定された場合、ステップS44に進む。また、上記バーコードデータに保存場所として冷蔵室を示すデータが含まれていると判定された場合、ステップS45に進む。また、上記バーコードデータに保存場所として野菜室を示すデータが含まれていると判定された場合、ステップS46に進む。さらに、上記バーコードデータに保存場所として室温を示すデータが含まれていると判定された場合、ステップS47に進む。
【0068】
ステップS44においては、CPU11の制御下、上記バーコードデータがRAM13の記憶領域Aに記憶される。このバーコードデータには、食品の商品名、価格、品質保持期限、および保存場所として冷凍室を示すデータ等が含まれている。
【0069】
ステップS45においては、CPU11の制御下、上記バーコードデータがRAM13の記憶領域Bに記憶される。このバーコードデータには、食品の商品名、価格、品質保持期限、および保存場所として冷蔵室を示すデータ等が含まれている。
【0070】
ステップS46においては、CPU11の制御下、上記バーコードデータがRAM13の記憶領域Cに記憶される。このバーコードデータには、食品の商品名、価格、および保存場所として野菜室を示すデータ等が含まれている。
【0071】
ステップS47においては、CPU11の制御下、上記バーコードデータがRAM13の記憶領域Dに記憶される。このバーコードデータには、食品の商品名、価格、および保存場所として室温を示すデータ等が含まれている。
【0072】
また、ステップS48においては、上記バーコードデータは日用雑貨等の食品以外の商品を示すものであるので、CPU11は、このバーコードデータを印字制御部16に供給し、印字するよう指令する。
【0073】
CPU11からの指令を受けた印字制御部16は、CPU11より供給されたバーコードデータを印字するための制御信号を生成し、レシート印字発行部17に供給する。この制御信号が供給されたレシート印字発行部17は、制御信号に従って印字動作を行う。
【0074】
これにより、図3に示したように、バーコードデータに対応する日用雑貨等の商品名と価格がレシート用紙に印字される。この例でも図2の場合と同様に、図3に示したレシートの下方から上方に向かって順に印字が行われる。日用雑貨等の食品以外の商品は、食品のように品質保持期限の順に並べ替える必要がないので、バーコードが読み取られる毎に逐次、入力順にレシート用紙に印字される。
【0075】
次に、ステップS49において、バーコードリーダ21によってすべての商品のバーコードが読み取られ、入力が終了したか否かが判定される。その結果、入力が終了していないと判定された場合、ステップS41に戻り、ステップS41以降の処理が繰り返し実行される。
【0076】
一方、入力が終了したと判定された場合、ステップS50に進む。ステップS50においては、CPU11により、記憶領域Dに記憶された保存場所として室温を示すデータを含むバーコードデータが読み出され、そのバーコードデータによって表される商品名と、価格とが、記憶領域Dに記憶された順にレシート用紙に印字される。
【0077】
次に、ステップS51に進み、記憶領域Cに記憶された保存場所として野菜室を示すデータを含むバーコードデータが読み出され、そのバーコードデータによって表される商品名と、価格とが、記憶領域Cに記憶された順にレシート用紙に印字される。
【0078】
次に、ステップS52に進み、記憶領域Bに記憶された保存場所として冷蔵室を示すデータを含むバーコードデータが読み出され、そのバーコードデータによって表される品質保持期限の順(例えば、品質保持期限までの日数が短いものから順)に食品が並べ替えられる。その後、レシート用紙に食品の商品名と、価格と、品質保持期限とが品質保持期限までの日数が長いものから順に印字される。
【0079】
次に、ステップS53に進み、記憶領域Aに記憶された保存場所として冷凍室を示すデータを含むバーコードデータが読み出され、そのバーコードデータによって表される品質保持期限の順(例えば、品質保持期限までの日数が短いものから順)に食品が並べ替えられる。その後、レシート用紙に食品の商品名と、価格と、品質保持期限とが品質保持期限までの日数が長いものから順に印字される。
【0080】
次に、ステップS54において、食品および日用雑貨等の価格の合計が計算される。次に、ステップS55において、合計、お預かり金額、およびお釣りが印字され、最後に店名、日付、および電話番号が印字された後、レシート用紙がカットされて図3に示したような保存場所別に食品が印字されたレシートが発行される。
【0081】
このように、冷蔵庫に保存される食品が保存場所毎に分けて印字されたレシートが発行されるので、消費者は冷蔵庫の扉に貼り付けたレシートの内容と、冷蔵庫の中身とを視覚的に容易に対応付けて品質保持期限や在庫数を認識することができる。
【0082】
次に、図4に示したようなレシートを印字発行する手順について説明する。この場合、図6のフローチャートを参照して上述した手順と基本的には同一であるが、ステップS9において、各食品の商品名と、品質保持期限と、価格(単価)と、購入した個数と、合計(単価×個数)と、購入した個数分の図形(この例では「☆」)を印字するという点が異なる。
【0083】
このように、冷蔵庫に保存する食品毎に、購入した個数を図形で表すことにより、冷蔵庫を開けることなく在庫数を視覚により容易に認識することができ、在庫管理を簡単に行うことができる。
【0084】
また、並べ替える必要がない日用雑貨等をバーコードデータが入力された後、直ちに印字することにより、バーコードデータの入力と印字までのタイムラグを小さくすることができ、精算時の作業効率を上げることができる。
【0085】
なお、上記実施の形態において、品質保持期限を例に挙げて説明したが、これに限らず、製造日時や加工日時等の日付が設定された商品に対しても、上記実施の形態と同様にして本発明を適用することができる。
【0086】
上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施の形態における品質保持期限の付けられた食品と日用雑貨とが印字領域毎に分けられて印字されたレシートの例を示している。
【図2】本発明の実施の形態における品質保持期限の付けられた食品と日用雑貨とがそれぞれ別のレシートに印字された例を示している。
【図3】本発明の実施の形態における冷蔵庫の保存場所毎に食品を分類し、保存場所毎に異なる印字領域に食品の商品名と価格を印字したレシートの例を示している。
【図4】図1のレシートにおいて、冷蔵庫に保存する食品について同一食品を複数購入した場合の印字例を示している。
【図5】本発明の実施の形態における各種レシートを発行するレジスターの構成例を示すブロック図である。
【図6】図1に示したレシートを印字発行する手順を説明するためのフローチャートである。
【図7】図2に示したレシートを印字発行する手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】図3に示したレシートを印字発行する手順を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 インタフェース
15 入力部
16 印字制御部
17 レシート印字発行部
18 表示制御部
19 表示部
20 バーコードリーダ制御部
21 バーコードリーダ
22 EEPROM
23 バス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面に第1の印字領域と、第2の印字領域と、第3の印字領域と、第4の印字領域とを備え、
前記第1の印字領域には、店名、電話番号、および日時からなる第1のデータが印字され、
前記第2の印字領域には、品質保持期限を有する食品に関する第2のデータが前記品質保持期限順に印字され、
前記第3の印字領域には、前記食品以外の商品に関する第2のデータが印字され、
前記第4の印字領域には、前記食品および前記食品以外の商品の合計価格を含む精算情報を示すデータが印字され、
前記第1の印字領域、前記第2の印字領域、および前記第3の印字領域はこの順で上から下に配置され、前記第4の印字領域は、少なくとも前記第3の印字領域よりも上に配置されている
ことを特徴とするレシート。
【請求項2】
少なくとも冷蔵庫に保存すべき食品に関するデータが、その食品が保存されるべき前記冷蔵庫の保存場所毎に分けて印字されている
ことを特徴とするレシート。
【請求項3】
各食品毎に各食品を購入した個数分の所定の図形を示すデータがさらに印字される
ことを特徴とする請求項1または2に記載のレシート。
【請求項4】
商品のバーコードを読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段によって読み取られた前記バーコードに対応するバーコードデータに基づいて、前記商品が食品であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、所定のタイミングで前記食品および前記食品以外の商品のバーコードデータをレシート用紙に印字する印字手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記食品のバーコードデータを記憶する記憶手段と、
前記判定手段によって前記商品が食品以外の商品であると判定されたとき、前記バーコードデータを順次印字するように前記印字手段を制御し、
前記バーコードの読み取りが終了したとき、前記記憶手段によって記憶されている前記食品のバーコードデータを、前記バーコードデータによって表される前記食品の関連情報に基づいて並べ替えを行い、前記印字手段に対して前記バーコードデータを所定のフォーマットで印字するよう制御する印字制御手段と
を備えることを特徴とするレシート発行装置。
【請求項5】
商品のバーコードを読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段によって読み取られた前記バーコードに対応するバーコードデータに基づいて、前記商品が食品であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、所定のタイミングで前記食品および前記食品以外の商品のバーコードデータをレシート用紙に印字する印字手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記食品のバーコードデータを記憶する記憶手段と、
前記判定手段によって前記商品が食品以外の商品であると判定されたとき、前記バーコードデータを順次印字するように前記印字手段を制御し、前記バーコードの読み取りが終了したとき、前記レシート用紙を切り離し、前記記憶手段によって記憶されている前記食品のバーコードデータを、前記バーコードデータによって表される前記食品の関連情報に基づいて並べ替えを行い、前記印字手段に対して前記バーコードデータを所定のフォーマットで印字するよう制御する印字制御手段と
を備えることを特徴とするレシート発行装置。
【請求項6】
前記関連情報は、前記食品の品質保持期限や加工日時等の日付であり、前記印字制御手段は前記品質保持期限や加工日時等の日付の順に前記バーコードデータを前記印字手段に印字させる
ことを特徴とする請求項4または5に記載のレシート発行装置。
【請求項7】
前記関連情報は、前記食品の保存場所であり、前記印字制御手段は前記保存場所毎に分けて前記バーコードデータを前記印字手段に印字させる
ことを特徴とする請求項4または5に記載のレシート発行装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−155415(P2006−155415A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−347636(P2004−347636)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】