説明

レジスターシステム

【課題】 レジ袋の有料化が導入された場合において、レジ袋の使用に対する直接的な金銭支払いをなくすようにして、顧客の不満を和らげながら買物袋を持参するように動機付けするレジスターシステムを提供する。
【解決手段】 商品購入代金を精算する顧客の識別情報を読み取る読取手段と、識別情報に基づいて、顧客のサービスポイント残高を照会する照会手段と、サービスポイント残高から前記顧客のレジ袋購入代金に相当するサービスポイント数を減算してレジ袋購入代金を精算するポイント演算手段と、サービスポイント残高を更新する更新手段と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品購入時に使用されるレジ袋の有料化に対応したレジスターシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等では、商品購入者に対してレジ袋を無料提供しているが、環境保護や省資源等の観点から好ましくないとする意見も多いため、例えば、顧客が買物袋を持参して店側の提供するレジ袋を使用しなかった場合に特典を与えることで、買物袋を持参するように動機付けしてレジ袋の使用を抑制するアイデアが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−157634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、買物袋の持参に対して特典を与えても、それだけではレジ袋の使用を控えさせる動機付けとしては弱く、十分な効果を得られていないのが実情であり、レジ袋の有料化を義務づける法案等の検討が進められている。もちろん、レジ袋が有料化されたところで顧客が買物袋を持参すればレジ袋代金の支払いは回避できるが、他の用事で外出した帰りに買物袋を持たずに店に立ち寄る場合等も考えられ、かかる場合には、顧客がレジ袋代金を支払わなければならないため、店に対して不満を持つことが予想される。
【0004】
本発明は、レジ袋の有料化が導入された場合において、レジ袋の使用に対する直接的な金銭支払いをなくすようにして、顧客の不満を和らげながら買物袋を持参するように動機付けすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、商品購入代金を精算する顧客の識別情報を読み取る読取手段と、前記識別情報に基づいて、前記顧客のサービスポイント残高を照会する照会手段と、前記サービスポイント残高から前記顧客のレジ袋購入代金に相当するサービスポイント数を減算してレジ袋購入代金を精算するポイント演算手段と、前記サービスポイント残高を更新する更新手段と、を備えることを特徴とするレジスターシステムを提供する。
【0006】
請求項2の発明は、商品購入代金を精算する顧客のサービスポイント残高を読み取る読取手段と、前記サービスポイント残高から前記顧客のレジ袋購入代金に相当するサービスポイント数を減算してレジ袋購入代金を精算するポイント演算手段と、前記サービスポイント残高を更新する更新手段と、を備えることを特徴とするレジスターシステムを提供する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のレジスターシステムであって、前記サービスポイントは、顧客がレジ袋を購入しないときに付与される特別サービスポイントと、レジ袋の購入に関係なく付与される通常サービスポイントと、を含んでなり、前記レジ袋購入代金のサービスポイントによる精算は、特別サービスポイントのみを対象とすることを特徴とするレジスターシステムを提供する。
【0008】
請求項4の発明は、商品購入代金を精算する顧客の識別情報を読み取る読取手段と、前記識別情報に基づいて、前記顧客のサービスポイント残高を照会する照会手段と、前記サービスポイント残高に前記顧客が商品購入代金の精算に伴って獲得するサービスポイント数を加算する一方、前記顧客のレジ袋購入代金に相当するサービスポイント数を減算してレジ袋購入代金を精算するポイント演算手段と、前記サービスポイント残高を更新する更新手段と、を備えることを特徴とするレジスターシステムを提供する。
【0009】
請求項5の発明は、商品購入代金を精算する顧客のサービスポイント残高を読み取る読取手段と、前記サービスポイント残高に前記顧客が商品代金の精算に伴って獲得するサービスポイント数を加算する一方、前記顧客のレジ袋購入代金に相当するサービスポイント数を減算してレジ袋購入代金を精算するポイント演算手段と、前記サービスポイント残高を更新する更新手段と、を備えることを特徴とするレジスターシステムを提供する。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のレジスターシステムであって、前記減算されたサービスポイント数をレシートに印字することを特徴とするレジスターシステムを提供する。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載のレジスターシステムであって、前記サービスポイントの残高不足により前記レジ袋購入代金のポイント精算ができない場合に、前記レジ袋購入代金の全額又は不足分を現金精算することを特徴とするレジスターシステムを提供する。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載のレジスターシステムであって、レジ袋購入代金の精算について、顧客にポイント精算又は現金精算を選択させるための顧客入力手段を備えることを特徴とするレジスターシステムを提供する。
【0013】
請求項9の発明は、請求項7又は8に記載のレジスターシステムであって、現金で精算されたレジ袋購入代金を、商品購入代金と分けてレシートに印字することを特徴とするレジスターシステムを提供する。
【0014】
請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載のレジスターシステムであって、顧客にレジ袋購入要否を登録させるための顧客入力手段を備えることを特徴とするレジスターシステムを提供する。
【0015】
請求項11の発明は、請求項10に記載のレジスターシステムであって、顧客にレジ袋購入枚数を選択させるための顧客入力手段を備えることを特徴とするレジスターシステム提供する。
【0016】
請求項12の発明は、請求項1乃至11のいずれかに記載のレジスターシステムであって、商品購入代金の小計時に、レジ袋購入の未登録を警告表示することを特徴とするレジスターシステムを提供する。
【0017】
請求項13の発明は、請求項1乃至11のいずれかに記載のレジスターシステムであって、預り金の登録時に、レジ袋購入の未登録を警告表示することを特徴とするレジスターシステムを提供する。
【0018】
請求項14の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のレジスターシステムにより発行されるレシートであって、前記減算されたサービスポイント数が印字されていることを特徴とするレシートを提供する。
【0019】
請求項15の発明は、請求項7又は8に記載のレジスターシステムにより発行されるレシートであって、現金で精算されたレジ袋購入代金が、商品購入代金と分けて印字されていることを特徴とするレシートを提供する。
【発明の効果】
【0020】
請求項1又は2の発明によれば、以下の優れた効果を奏する。購入商品を精算する顧客のサービスポイント残高からレジ袋購入代金に相当するサービスポイント数を減算してレジ袋購入代金を精算するようにしたので、レジ袋の使用に対する現金支払いをなくすことができる。その結果、商品購入客のレジ袋購入代金の負担に対する不満を和らげられる。
【0021】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明が奏する効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。レジ袋購入代金のサービスポイントによる精算を、顧客がレジ袋を購入しないときに付与される特別サービスポイントでのみ行えるようにしたので、普段、買物袋を持参していれば、たまにレジ袋を使用することがあってもレジ袋購入代金を現金で支払わずに済む。これにより、顧客に対して買物袋を持ってくるように動機付けすることができる。
【0022】
請求項4又は5の発明によれば、以下の優れた効果を奏する。購入商品を精算する顧客のサービスポイント残高からレジ袋購入代金に相当するサービスポイント数を減算してレジ袋購入代金を精算するようにしたので、レジ袋の使用に対する現金支払いをなくすことができる。また、商品購入代金の精算に伴って獲得するサービスポイント数が加算されるので、サービスポイント残高が少なくても、一定額以上の買物をすれば、レジ袋購入代金を現金で精算しなくても済む。その結果、商品購入客のレジ袋代金負担に対する不満を和らげることができる。
【0023】
請求項6の発明によれば、請求項1乃至5の発明が奏する効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。レジ袋購入代金の精算に充てられたサービスポイント数がレシートに印字されるので、顧客にレジ袋が無料ではないことを認識させて買物袋を持参するように動機付けすることができる。
【0024】
請求項7の発明によれば、請求項1乃至6の発明が奏する効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。サービスポイントが残高不足の場合には、レジ袋購入代金が自動的に現金精算されるので、レジ処理が迅速に行われる。
【0025】
請求項8の発明によれば、請求項1乃至7の発明が奏する効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。顧客がレジ袋購入代金の精算方法を選択できるので、レジオペレーターの負担が軽減されるとともに、レジ処理が迅速に行われる。
【0026】
請求項9の発明によれば、請求項7又は8の発明が奏する効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。現金精算されたレジ袋購入代金が商品購入代金とは別にレシート印字されるので、顧客にその旨を知らせて買物袋の持参を動機付けすることができる。
【0027】
請求項10の発明によれば、請求項1乃至9の発明が奏する効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。顧客にレジ袋購入要否を登録させるので、レジオペレーターの負担が軽減されるとともに、レジ処理が迅速に行われる。
【0028】
請求項11の発明によれば、請求項10の発明が奏する効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。顧客にレジ袋購入枚数を選択させるので、レジオペレーターの負担が一層軽減されるとともに、レジ処理がより迅速に行われる。
【0029】
請求項12の発明によれば、請求項1乃至11の発明が奏する効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。商品購入代金の小計時にレジ袋購入の未登録を警告表示するので、レジ袋購入要否の確認が行われないままに預り金を登録処理する不都合が回避される。
【0030】
請求項13の発明によれば、請求項1乃至11の発明が奏する効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。預り金の登録時にレジ袋購入の未登録を警告表示するので、レジ袋購入要否の確認が行われないままに精算処理を完了する不都合が回避される。
【0031】
請求項14の発明によれば、以下の優れた効果を奏する。レジ袋購入代金の精算に充てられたサービスポイント数が印字されたレシートで、顧客にレジ袋の使用が無料ではないことを認識させて買物袋を持参するように動機付けすることができる。
【0032】
請求項15の発明によれば、以下の優れた効果を奏する。現金精算されたレジ袋購入代金が商品購入代金とは別に印字されたレシートで、顧客にその旨を知らせて買物袋の持参を動機付けすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。
【0034】
本発明の実施形態に係るレジスターシステムは、図1及び図2に示されるように、スキャナー1、ターミナル2、及びストアコントローラー3(図1では不図示)を備えてなり、商品及びレジ袋の購入代金の算出・支払処理、購入代金の精算に伴って発生・利用するサービスポイントの演算、並びにサービスポイントの発生・利用に伴うサービスポイント残高の更新を行う。
【0035】
スキャナー1は、商品購入代金を精算する顧客が購入商品を持ち寄るカウンター4に設置されており、バーコードスキャナー11、スキャナーキーボード12、第一オペレータディスプレイ13、及び第一カスタマーディスプレイ14を備えてなる。バーコードスキャナー11は、レジオペレーターによって順次翳される購入商品のバーコードを読み取って、購入商品を登録する。スキャナーキーボード12は、購入商品のバーコード番号を手入力で登録したり、複数購入される同一商品の個数を登録したり、プリセットキーでバーコードが付されていない生鮮食品等の商品やレジ袋を登録したりするために使用される。なお、レジ袋の登録は、レジオペレーターが、顧客のレジ袋購入意思を確認のうえ、購入商品のボリュームから必要と判断した枚数、あるいは顧客の要望する枚数を登録する。第一オペレータディスプレイ13は、レジオペレーターによる確認のために、登録される購入商品やレジ袋の内容を逐一表示する。第一カスタマーディスプレイ14は、第一オペレータディスプレイ13と同様に、登録される購入商品やレジ袋の内容を逐一表示する表示手段であり、商品購入代金を精算する顧客が確認できるようにカウンター4の外側に向けて設置される。
【0036】
ターミナル2は、カウンター4の片端に隣接して設置され、カードリーダー21、プリンター22、ターミナルキーボード23、第二オペレータディスプレイ24、及び第二カスタマーディスプレイ25、制御部26(図1では不図示)を備えてなる。カードリーダー21は、レジオペレーターが顧客から預かった顧客カードを挿入するためのスロットを備えてなり、顧客カードに記録された顧客の識別情報(顧客識別番号)を読み取る読取手段として機能する。プリンター22は、商品及びレジ袋購入代金の精算内容、並びに顧客のサービスポイントの発生・利用内容及び残高内容を印字したレシートを発行する。ターミナルキーボード23は、スキャナーキーボード12と同様に、購入商品やレジ袋を登録することができるほか、商品及びレジ袋の購入代金の小計や、顧客からの預り金を登録して釣銭を出す支払処理の操作を行うことができる。
【0037】
第二オペレータディスプレイ24は、登録される購入商品やレジ袋の内容を逐一表示することができ、また、商品及びレジ袋の購入代金の小計、支払処理の際に登録される預り金、釣銭、商品及びレジ袋の精算に伴って発生・利用するサービスポイント、並びにサービスポイントの発生・利用に伴って更新されるサービスポイント残高を表示する。第二カスタマーディスプレイ25は、第二オペレータディスプレイ24と同様の内容を表示することができる表示手段であり、商品購入代金を精算する顧客が確認できるようにカウンター4の外側に向けて設置される。制御部26は、RAM261、CPU262、ROM263、カレンダー時計264を備えてなり、顧客の商品及びレジ袋の購入代金の小計、預り金から購入代金を差し引いた釣銭、及び商品及びレジ袋の購入に伴って発生・利用したサービスポイントを算出し、そのサービスポイントを顧客のサービスポイント残高に対して加減算する演算を行う。これらの結果は、レシート印字情報としてプリンター22に出力される。
【0038】
制御部26は、インターネットやLAN等の通信回線Tを介して、ストアコントローラー3に接続される。ストアコントローラー3は、コントローラー制御部31と、コントローラー制御部31により制御される記録部32と、を備えてなる。記録部32には、顧客情報データベースが保持されており、顧客情報データベースには、図3に示されるように、顧客名、顧客住所、サービスポイント残高SP、サービスポイント残高更新日時、その他の顧客情報が顧客識別番号と関連づけられた状態で記録されている。制御部26が、カードリーダー21で読み取られた顧客識別番号データをストアコントローラー3に送信すると、コントローラー制御部31が、受信した顧客識別番号データに基づいて顧客情報データベースの中から当該顧客のサービスポイント残高SPを検索し、ターミナル2に返信する。すなわち、制御部26とコントローラー制御部31が、顧客識別番号に基づいて、当該顧客のサービスポイント残高を照会する照会手段として機能する。
【0039】
サービスポイント残高SPには、顧客のレジ袋購入有無に関係なく商品購入金額に応じて発生し、レジ袋購入代金の精算には利用できない買上ポイント残高KPと、商品購入代金の精算時においてレジ袋を購入しないときに発生し、レジ袋を購入するときにレジ袋購入代金の精算に利用できるエコポイント残高EPと、があり、これらの合計ポイント残高GPが、所定のポイント数に達したときに所定額面の金券や商品等と交換可能とされている。顧客情報データベースには、図3(a)に示されるように、買上ポイント残高KP、エコポイント残高EP、及び合計ポイント残高GPが記録されており、これらのサービスポイント残高すべてがコントローラー制御部31により制御部26へ送信される。
【0040】
購入商品の登録と合わせてレジ袋が登録(購入)されたときは、商品購入代金とともにレジ袋購入代金が算出されるが、エコポイント残高EPがあると確認される場合には、レジ袋購入代金の精算にエコポイントが利用される。また、現金精算される商品購入代金に応じて買上ポイントが発生する。制御部26は、買上ポイント残高KPに顧客が商品購入代金の精算に伴って獲得したサービスポイント数を加算する一方、エコポイント残高EPからレジ袋購入代金に相当するサービスポイント数を減算してレジ袋購入代金をポイント精算し、さらに加減算された後の買上ポイント残高KPとエコポイント残高EPの合計ポイント残高GPを算出するポイント演算処理を行い、ポイント演算処理手段として機能する。
【0041】
ポイント演算処理されたサービスポイント残高SPのデータは、制御部26からコントローラー制御部31へ送信され、コントローラー制御部31が顧客情報データベースに記録されているサービスポイント残高SPを更新する。例えば、商品購入代金に応じて発生する買上ポイントが「40」で、レジ袋購入代金の精算に利用されるエコポイントが「15」の場合、図3(b)に示されるように、買上ポイント残高KPは、前回更新時の「100」に「40」を加算した「140」に,エコポイント残高EPは、前回更新時の「40」から「15」を減算した「25」に、これらの合計ポイントGPは、前回更新時の「140」から「165」に更新される。すなわち、制御部26とコントローラー制御部31が、ポイント演算されたサービスポイント残高SPを更新する更新手段として機能する。
【0042】
上記レジスターシステムのプリンター22から印字発行されるレシートRには、店舗名、連絡先、レシート発行日時に続いて、図4に示されるように、顧客が精算する各購入商品の名称及び代金と、レジで購入するレジ袋の枚数及びその代金とが、仕切線を挟むように分けて印字される。レジ袋購入代金のうちエコポイントによる精算分は「エコポイント値引」として、金額がマイナス表示される。その下方に仕切線を挟んで、商品及びレジ袋購入代金の合計である「商品・レジ袋代金」、エコポイント値引及びその他金券等による値引の合計である「値引」に、「小計」、「お預り(預り金)」、「お釣(釣銭)」が続いて印字され、さらに現金精算された商品購入代金である「商品現金」と、レジ袋購入代金である「レジ袋現金」が各別に印字される。
【0043】
レシートRには、上記のような商品及びレジ袋購入代金の精算内容に加え、仕切線を挟んで、商品購入代金の精算に伴って発生し買上ポイント残高KPに加算されるサービスポイント数として「今回買上ポイント」、レジ袋代金の精算に利用されエコポイント残高EPから減算されるサービスポイント数として「今回エコポイント」、これらのサービスポイント数を加減算して求められる「累計お買上ポイント(買上ポイント残高KP)」、「累計エコポイント(エコポイント残高EP)」、「累計ポイント合計(合計ポイント残高GP)」が印字される。その他、上記のような顧客のサービスポイントの発生・利用内容及び残高内容の明細に続き、エコポイントを利用した(レジ袋を購入した)顧客に対して買物袋の持参を促すメッセージMが印字される。
【0044】
図5では、レジ袋購入代金をエコポイントで全額精算した場合を示したが、顧客がレジ袋を購入しない場合は、図6に示されるように、レシートRには、レジ袋枚数及びレジ袋購入代金は印字されず、レジ袋を購入しないときに発生する「今回エコポイント(¥2)」及び、これを加算した「累計エコポイント」が印字される。また、これらの下方に、レジ袋の使用が無かったことに対してエコポイントが加算された旨のメッセージが印字される。
【0045】
また、顧客がレジ袋を購入したが、そのレジ袋購入代金を全額精算するためにはエコポイントが不足している場合、図7に示されるように、レジ袋購入代金「¥15」に相当するサービスポイント数の一部「¥10」分をエコポイントで精算し、サービスポイント数が不足する「¥5」分を現金で精算しても良い。この場合、現金精算された商品購入代金である「商品現金」の「¥4000」と、レジ袋購入代金である「レジ袋現金」の「¥5」が各別に印字され、ポイント精算された「¥10」分のサービスポイント数が今回エコポイント「−10」として印字される。さらに、レジ袋購入代金のポイント不足を現金で精算した旨のメッセージが印字される。
【0046】
(上記実施形態の特徴点)
上記実施形態に係るレジスターシステム及びレシートは下記のような特徴点を有する。
【0047】
第一に、上記実施形態に係るレジスターシステムは、顧客カードから顧客識別番号を読み取る読取手段と、顧客識別番号に基づいて、当該顧客のサービスポイント残高(エコポイント残高EP)を照会する照会手段と、サービスポイント残高SPから顧客のレジ袋購入代金に相当するサービスポイント数を減算してレジ袋購入代金を精算するポイント演算手段と、サービスポイント残高SPを更新する更新手段と、を備えるので、レジ袋の使用に対する現金支払いをなくして、商品購入客のレジ袋購入代金の負担に対する不満を和らげることができる。
【0048】
第二に、上記実施形態に係るレジスターシステムは、顧客がレジ袋を購入しないときに付与される特別サービスポイントであるエコポイントと、レジ袋の購入に関係なく付与される通常サービスポイントである買上ポイントという二種類のサービスポイントのうち、エコポイントのみをレジ袋購入代金のポイント精算の対象とするので、普段、買物袋を持参する顧客のみが、たまにレジ袋を使用してもその購入代金をポイント精算できるようになり、顧客に対して買物袋の持参を動機付けすることができる。
【0049】
第三に、上記実施形態に係るレジスターシステム及びレシートは、レジ袋購入代金をエコポイント残高EPで精算する場合に、エコポイント残高EPから減算されるサービスポイント数を「今回エコポイント」として、レシート印字するので、顧客にレジ袋が無料ではないことを認識させて買物袋を持参するように動機付けすることができる。
【0050】
第四に、上記実施形態に係るレジスターシステムは、エコポイント残高EPの不足によってレジ袋購入代金のポイント精算ができない場合には、レジ袋購入代金の不足分を自動的に現金精算するので、レジ処理を迅速に行うことができる。
【0051】
第五に、上記実施形態に係るレジスターシステム及びレシートは、現金精算されたレジ袋購入代金が「レジ袋現金」として、商品購入代金である「商品現金」とは別にレシート印字されるので、顧客に対して買物袋の持参を動機付けすることができる。
【0052】
第六に、上記実施形態に係るレジスターシステムは、商品購入代金の小計ボタンが押される小計時に、レジ袋購入の未登録を警告表示するので、レジ袋購入要否の確認が行われないままに預り金の登録処理を済ませてしまい、後でレジ袋購入のために処理をやり直すことになる不都合を回避できる。
【0053】
(上記実施形態の変形例)
上記実施形態に係るレジスターシステムでは、顧客カードに記録された顧客識別番号をカードリーダー21で読み取り、それに基づいて顧客のサービスポイントを照会することとしたが、顧客カードに当該顧客のサービスポイント残高を記録し、これをカードリーダー21で直接読み取るようにして、レジ袋購入代金をポイント精算するとともに、カードリーダー21で精算後の新しいサービスポイント残高に更新させるようにしても良い。
【0054】
上記実施形態に係るレジスターシステムでは、特別ポイント(エコポイント)と通常ポイント(買上ポイント)の二種類のサービスポイントを設けられており、レジ袋の購入代金の精算には、レジ袋を購入しないときに付与される特別ポイントのみを使用できるようにしたが、サービスポイントの種類に関係なく、レジ袋の購入代金をポイント精算できるようにしても良い。例えば、レジ袋の購入代金には、エコポイント残高を優先的に利用するが、ポイント不足の場合には買上ポイントで補填する等である。
【0055】
また、サービスポイントは必ずしも複数種類が設定されている必要はなく、例えば、サービスポイントの種類を商品購入金額に応じて発生する買上ポイントのみとして、商品購入代金の精算時に、サービスポイント残高(買上ポイント残高)に顧客が商品購入代金の精算に伴って獲得するサービスポイント数を加算する一方、前記顧客のレジ袋購入代金に相当するサービスポイント数を減算してレジ袋購入代金を精算するようにしても良い。かかる場合、商品購入代金の精算に伴って獲得する新規のサービスポイント数が加算され、精算前のサービスポイント残高が少なくても、一定額以上の買物をすれば、レジ袋購入代金を現金で精算しなくても済む。これにより、商品購入客のレジ袋代金負担に対する不満を一層和らげることができる。
【0056】
上記実施形態に係るレジスターシステムでは、レジ袋購入代金をサービスポイントでポイント精算するように設定されていたが、所定の操作をすることにより、現金精算に切り替えることができるようにしても良い。また、サービスポイント残高が不足してレジ袋購入代金の全額をポイント精算できない場合には、その不足分を自動的に現金精算するように設定されていたが、全額を現金精算するように切り替えることとしても良い。
【0057】
上記実施形態に係るレジスターシステムでは、レジオペレーターが、顧客のレジ袋購入意思を確認して、購入商品のボリュームから必要と判断した枚数、あるいは顧客の要望する枚数を登録することとしたが、第一カスタマーディスプレイ14や第二カスタマーディスプレイ25をタッチパネルディスプレイ(表示入力手段)としたり、別の入力手段を備えたりして、顧客自らにレジ袋購入要否、購入枚数、及び精算方法を登録(入力)させるようにしても良い。これにより、レジオペレーターが顧客の要望を聞いたり、レジ袋の必要枚数を見積もったりする負担がなくなり、レジ処理を迅速に行うことができる。
【0058】
顧客入力手段をタッチパネルディスプレイとする場合、例えば、図9に示されるように、(a)希望するレジ袋枚数を選択登録させ、(b)ポイント精算か、現金精算かを選択登録させ、(c)使用ポイント数(現金精算の場合は購入金額)を表示させて、(d)サービスポイント残高が不足している場合には、不足分を現金精算する旨を表示させる、等の表示をすることができる。これにより、レジオペレーターの負担が軽減されるのみならず、顧客が自ら操作するので、顧客の言い間違いやレジオペレーター聞き違いによるトラブルが防止される。
【0059】
上記実施形態に係るレジスターシステムでは、小計時にレジ袋購入の未登録を警告表示することとしたが、図8に示されるように、預り金の登録時にレジ袋購入の未登録を警告表示するようにしても良い。かかる場合、顧客の購入代金が変動するために、顧客から追加の預り金を受け取り、預り金登録をやり直す必要が生じる場合もあり得るが、レジ袋購入要否の確認が行われないままに精算処理を完了することが防止されるため、後でレジ袋購入のためだけに精算処理を行う事態が回避される。
【0060】
その他、本発明のレジスターシステム及びレシートは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本実施形態に係るレジスターシステムを示す斜視図。
【図2】本実施形態に係るレジスターシステムを示すブロック図。
【図3】本実施形態に係るレジスターシステムに保持される顧客情報データベースを示す図。
【図4】本実施形態に係るレジスターシステムより印字発行されるレシートを示す図。
【図5】本実施形態に係るレジスターシステムの処理手順を示すフロー図。
【図6】本実施形態に係るレジスターシステムより印字発行される別のレシートを示す図。
【図7】本実施形態に係るレジスターシステムより印字発行される更に別のレシートを示す図。
【図8】本実施形態の変形例に係るレジスターシステムの処理手順を示すフロー図。
【図9】本実施形態の変形例に係るレジスターシステムの顧客入力手段の画面を示す図。
【符号の説明】
【0062】
1 スキャナー
2 ターミナル
3 ストアコントローラー
4 カウンター
11 バーコードスキャナー
12 スキャナーキーボード
13 第一オペレータディスプレイ
14 第一カスタマーディスプレイ
21 カードリーダー
22 プリンター
23 ターミナルキーボード
24 第二オペレータディスプレイ
25 第二カスタマーディスプレイ
26 制御部
31 コントローラー制御部
32 記録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品購入代金を精算する顧客の識別情報を読み取る読取手段と、
前記識別情報に基づいて、前記顧客のサービスポイント残高を照会する照会手段と、
前記サービスポイント残高から前記顧客のレジ袋購入代金に相当するサービスポイント数を減算してレジ袋購入代金を精算するポイント演算手段と、
前記サービスポイント残高を更新する更新手段と、を備えることを特徴とするレジスターシステム。
【請求項2】
商品購入代金を精算する顧客のサービスポイント残高を読み取る読取手段と、
前記サービスポイント残高から前記顧客のレジ袋購入代金に相当するサービスポイント数を減算してレジ袋購入代金を精算するポイント演算手段と、
前記サービスポイント残高を更新する更新手段と、を備えることを特徴とするレジスターシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のレジスターシステムであって、
前記サービスポイントは、顧客がレジ袋を購入しないときに付与される特別サービスポイントと、レジ袋の購入に関係なく付与される通常サービスポイントと、を含んでなり、
前記レジ袋購入代金のサービスポイントによる精算は、特別サービスポイントのみを対象とすることを特徴とするレジスターシステム。
【請求項4】
商品購入代金を精算する顧客の識別情報を読み取る読取手段と、
前記識別情報に基づいて、前記顧客のサービスポイント残高を照会する照会手段と、
前記サービスポイント残高に前記顧客が商品購入代金の精算に伴って獲得するサービスポイント数を加算する一方、前記顧客のレジ袋購入代金に相当するサービスポイント数を減算してレジ袋購入代金を精算するポイント演算手段と、
前記サービスポイント残高を更新する更新手段と、を備えることを特徴とするレジスターシステム。
【請求項5】
商品購入代金を精算する顧客のサービスポイント残高を読み取る読取手段と、
前記サービスポイント残高に前記顧客が商品代金の精算に伴って獲得するサービスポイント数を加算する一方、前記顧客のレジ袋購入代金に相当するサービスポイント数を減算してレジ袋購入代金を精算するポイント演算手段と、
前記サービスポイント残高を更新する更新手段と、を備えることを特徴とするレジスターシステム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のレジスターシステムであって、
前記減算されたサービスポイント数をレシートに印字することを特徴とするレジスターシステム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のレジスターシステムであって、
前記サービスポイントの残高不足により前記レジ袋購入代金のポイント精算ができない場合に、前記レジ袋購入代金の全額又は不足分を現金精算することを特徴とするレジスターシステム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載のレジスターシステムであって、
レジ袋購入代金の精算について、顧客にポイント精算又は現金精算を選択させるための顧客入力手段を備えることを特徴とするレジスターシステム。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のレジスターシステムであって、
現金で精算されたレジ袋購入代金を、商品購入代金と分けてレシートに印字することを特徴とするレジスターシステム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載のレジスターシステムであって、
顧客にレジ袋購入要否を登録させるための顧客入力手段を備えることを特徴とするレジスターシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のレジスターシステムであって、
顧客にレジ袋購入枚数を選択させるための顧客入力手段を備えることを特徴とするレジスターシステム。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載のレジスターシステムであって、
商品購入代金の小計時に、レジ袋購入の未登録を警告表示することを特徴とするレジスターシステム。
【請求項13】
請求項1乃至11のいずれかに記載のレジスターシステムであって、
預り金の登録時に、レジ袋購入の未登録を警告表示することを特徴とするレジスターシステム。
【請求項14】
請求項1乃至5のいずれかに記載のレジスターシステムにより発行されるレシートであって、
前記減算されたサービスポイント数が印字されていることを特徴とするレシート。
【請求項15】
請求項7又は8に記載のレジスターシステムにより発行されるレシートであって、
現金で精算されたレジ袋購入代金が、商品購入代金と分けて印字されていることを特徴とするレシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−241693(P2007−241693A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−63724(P2006−63724)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】