説明

レジ釣銭機システム及び釣銭機

【課題】チェックアウト処理を効率良く行い、かつ、顧客の支払金の入金処理タイミングの制限を緩和する。
【解決手段】レジ釣銭機システムは、取引毎に、購入商品の合計金額の算出、及び釣銭額の算出を行うレジスタ30と、取引毎に、入金された貨幣の計数、入金データの作成、及び前記釣銭額の釣銭貨幣の出金を行う釣銭機1と、を備える。レジスタ30は、釣銭機1から前記入金データを取得し、前記合計金額と前記入金データとに基づいて前記釣銭額を算出する。釣銭機1は、貨幣の入金を締め切る締切通知を受け付ける締切受付部を有し、1つ前の取引に対応する釣銭貨幣を出金してから、前記締切受付部が前記締切通知を受け付けるまでの間、貨幣の入金を受け付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客の支払金の入金処理及び釣銭の出金処理を行うレジ釣銭機システム及び釣銭機に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店におけるチェックアウト処理では、まず、店員が顧客の購入商品をPOSレジに登録し、買上合計金額をPOSレジのカスタマーディスプレイに表示させる。顧客はカスタマーディスプレイに表示された買上合計金額を見てから、又は事前に、支払金を吟味台に置く。店員が、吟味台に置かれた顧客の支払金を釣銭機に投入すると、釣銭機が投入金額を計数してPOSレジに通知する。POSレジは、釣銭機から通知された金額と、買上合計金額とから釣銭額を算出し、釣銭機に釣銭額を通知して釣銭の出金命令を行う。釣銭機は、POSレジからの釣銭出金命令に基づいて釣銭を出金し、出金後に出金完了をPOSレジに通知する。POSレジは、釣銭機から出金完了の通知を受け取るとレシートを印刷する。そして、店員が、釣銭機から出金された釣銭と共に、POSレジにより印刷されたレシートを顧客に手渡すことでチェックアウト処理が完了する。このようなチェックアウト処理では、顧客の購入商品の登録後に、顧客の支払金を釣銭機に投入していたため、チェックアウト処理に時間がかかっていた。
【0003】
チェックアウト処理にかかる時間を短縮するために、店員が顧客の購入商品を登録する処理と、顧客が支払金を入出金装置に入金する処理とを並行して行うチェックアウト処理方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。このチェックアウト処理方法では、商品登録が終了したときに、入金額と買上合計金額との比較が即座に行われ、入金額が買上合計金額以上であった場合、釣銭が払い出されていた。そのため、商品登録が終了した時点で入金額(顧客の支払額)が買上合計金額以上であると、その後、支払いに用いる貨幣の変更や、所望の釣銭を受け取るための支払金の追加などを行うことが出来なかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−60271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、チェックアウト処理を効率良く行い、かつ、顧客の支払金の入金処理タイミングの制限を緩和したレジ釣銭機システム及び釣銭機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によるレジ釣銭機システムは、取引毎に、購入商品の合計金額の算出、及び釣銭額の算出を行うレジスタと、取引毎に、入金された貨幣の計数、入金データの作成、及び前記釣銭額の釣銭貨幣の出金を行う釣銭機と、を備えるレジ釣銭機システムであって、前記レジスタは、前記釣銭機から前記入金データを取得し、前記合計金額と前記入金データとに基づいて前記釣銭額を算出し、前記釣銭機は、貨幣の入金を締め切る締切通知を受け付ける締切受付部を有し、1つ前の取引に対応する釣銭貨幣を出金してから、前記締切受付部が前記締切通知を受け付けるまでの間、貨幣の入金を受け付けるものである。
【0007】
本発明の一態様によるレジ釣銭機システムにおいては、前記レジスタは、前記合計金額の算出に伴い前記釣銭機から前記入金データを取得し、この入金データの取得後、前記釣銭機に対して追加入金の有無を少なくとも1回問い合わせ、追加入金がないことを条件として前記締切受付部に対して前記締切通知を出力することが好ましい。
【0008】
本発明の一態様によるレジ釣銭機システムにおいては、前記レジスタは、入金締切を指示する締切指示部を有し、この締切指示部が操作されることにより、前記締切受付部に対して前記締切通知を出力し、前記釣銭機から前記入金データを取得することが好ましい。
【0009】
本発明の一態様によるレジ釣銭機システムにおいては、前記釣銭機は、入金締切を指示する締切指示部を有し、この締切指示部が操作されることにより、前記締切受付部が締切通知を受け付けるとともに、当該釣銭機が前記レジスタに対し入金締切通知を出力し、
前記レジスタは、前記釣銭機から前記入金締切通知を受け取った後、前記合計金額の算出完了を条件として、前記釣銭機から前記入金データを取得することが好ましい。
【0010】
本発明の一態様によるレジ釣銭機システムにおいては、前記釣銭機は、前記入金データを記憶する記憶部を有し、追加入金に伴い前記記憶部に記憶されている入金データを更新し、前記レジスタから入金データの出力要求を受け付けると、前記記憶部に記憶されている入金データを前記レジスタに通知することが好ましい。
【0011】
本発明の一態様によるレジ釣銭機システムにおいては、前記釣銭機は、前記記憶部に記憶されている入金データを表示する表示部を有することが好ましい。
【0012】
本発明の一態様によるレジ釣銭機システムにおいては、前記釣銭機が前記締切通知を受け取るか、又は釣銭貨幣を出金することに伴い、前記記憶部は、前記入金データを入金確定情報として記憶することが好ましい。
【0013】
本発明の一態様によるレジ釣銭機システムにおいては、前記釣銭機は、過去の取引の入金確定情報の表示指示を受け付ける指示受付部を有し、前記指示受付部が前記表示指示を受け付けると、前記表示部が前記記憶部に記憶されている入金確定情報を表示することが好ましい。
【0014】
本発明の一態様によるレジ釣銭機システムにおいては、前記指示受付部が前記表示指示を受け付ける度に、前記表示部は、前記記憶部に記憶されている前記入金確定情報を新しいものから順に1つずつ表示することが好ましい。
【0015】
本発明の一態様によるレジ釣銭機システムにおいては、前記レジスタは、前記釣銭機が釣銭貨幣を出金すると、取引を識別する取引IDを印字したレシートを出力すると共に、この取引IDを前記釣銭機に通知し、前記記憶部は、前記入金確定情報と前記取引IDとを紐付けて記憶し、前記指示受付部は、取引IDが入力可能であり、前記指示受付部に前記表示指示と共に取引IDが入力されると、前記表示部は、入力された取引IDに紐付けられて前記記憶部に記憶されている入金確定情報を表示することが好ましい。
【0016】
本発明の一態様によるレジ釣銭機システムにおいては、前記レジスタは、取引毎に前記合計金額及び前記釣銭額を前記釣銭機に通知し、前記釣銭機は、前記入金確定情報、前記合計金額、及び前記釣銭額を取引毎に前記記憶部に記憶し、前記表示部は、前記指示受付部が前記表示指示を受け付けると、前記入金確定情報、前記合計金額、及び前記釣銭額を表示することが好ましい。
【0017】
本発明の一態様による釣銭機は、入金された貨幣の計数、入金データの作成、及びレジスタから指示された釣銭額の釣銭貨幣の出金を取引毎に行う釣銭機であって、貨幣の入金を締め切る締切通知を受け付ける締切受付部を備え、前記レジスタからの問い合わせに基づいて、前記入金データを前記レジスタに通知し、1つ前の取引に対応する釣銭貨幣を出金してから、前記締切受付部が前記締切通知を受け付けるまでの間、貨幣の入金を受け付けることができるものである。
【0018】
本発明の一態様による釣銭機は、入金された貨幣の計数、入金データの作成、レジスタが算出した購入商品の合計金額の取得、前記入金データと前記合計金額とに基づく釣銭額の算出、及び前記釣銭額の釣銭貨幣の出金を取引毎に行う釣銭機であって、貨幣の入金を締め切る締切通知を受け付ける締切受付部を備え、1つ前の取引に対応する釣銭貨幣を出金してから、前記締切受付部が前記締切通知を受け付けるまでの間、貨幣の入金を受け付けることができるものである。
【0019】
本発明の一態様による釣銭機機においては、機内に貨幣を補充する補充指示を受け付ける指示受付部をさらに備え、前記指示受付部が前記補充指示を受け付けると、作成した入金データを消去することが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、チェックアウト処理を効率良く行い、かつ、顧客の支払金の入金処理タイミングの制限を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係るレジ釣銭機システムの外観斜視図である。
【図2】同実施形態に係るレジ釣銭機システムのブロック構成図である。
【図3】同実施形態に係る釣銭機の記憶部を示す図である。
【図4】同実施形態に係るレジ釣銭機システムを用いたチェックアウト処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係るレジ釣銭機システムの外観斜視図であり、図2は、レジ釣銭機システムのブロック構成図である。図1及び図2に示すように、レジ釣銭機システムは、顧客から支払われた貨幣の計数や釣銭の出金を行う釣銭機1と、顧客の購入商品の登録や釣銭額の算出を行うレジスタ30とを備えている。
【0024】
図1及び図2に示すように、レジスタ30には、ディスプレイ31、入力部32、カスタマーディスプレイ33、印字部34、及び釣銭機1との通信機能を有する演算制御部35が設けられている。レジスタ30にはハンディスキャナや据置型スキャナ等のスキャナ機構(図示せず)が接続されている。スキャナ機構は、商品に付されたバーコード等の読み取りを行い、商品のコード情報(商品情報)を演算制御部35に通知する。
【0025】
演算制御部35は、スキャナ機構から通知されたコード情報に基づいて顧客の購入商品の登録を行うと共に、商品の金額を取得する。例えば、演算制御部35が、商品のコード情報と金額とが対応付けて記憶されているメモリ(図示せず)を検索することで、商品の金額を取得できる。顧客の購入商品の登録や金額の入力は、入力部32を介してオペレータが手入力してもよい。
【0026】
入力部32には、顧客が購入する商品の合計金額の算出を指示する指示手段が設けられている。指示手段は例えば小計ボタンであり、オペレータによりこの小計ボタンが押されると、演算制御部35が登録されている購入商品の合計金額を算出する。
【0027】
演算制御部35は、購入商品の合計金額を算出すると、釣銭機1に対して、現在の取引において入金された貨幣の総額(入金総額を含む入金データ)を問い合わせる。演算制御部35は、釣銭機1から入金総額(入金データ)の応答を受け取ると、所定時間後(例えば2秒後)に、釣銭機1に対して、追加入金の有無を問い合わせる。演算制御部35は、釣銭機1から追加入金が無いという応答を受け取るか、又は、前回の問い合わせに対する応答と同額の入金総額を受け取ると、釣銭機1に追加入金が無かったと判断し、釣銭機1に対して貨幣の入金を締め切る入金締切通知を出力する。
【0028】
演算制御部35は、前回の問い合わせに対する応答とは異なる金額の入金総額を受け取ると、追加入金があったと判断し、さらに所定時間後(例えば2秒後)に、釣銭機1に対して、追加入金の有無を問い合わせる。
【0029】
このように、レジスタ30(演算制御部35)は、釣銭機1から入金総額を受け取った後、釣銭機1に対して追加入金の有無を少なくとも1回問い合わせる。
【0030】
また、演算制御部35は、入金締切通知の出力に伴い、購入商品の合計金額と釣銭機1への入金総額との差額である釣銭額を算出し、釣銭機1に釣銭の出金命令を出力する。
【0031】
また、演算制御部35は、ディスプレイ31やカスタマーディスプレイ33に、顧客の購入商品の情報(名称、単価等)、購入商品の合計金額、釣銭額等を表示させる。ディスプレイ31はオペレータに向けた表示画面であり、カスタマーディスプレイ33は顧客に向けた表示画面である。
【0032】
演算制御部35は、釣銭機1から釣銭の出金が完了したことを通知されると、印字部34に、購入商品の情報(名称、単価等)、購入商品の合計金額、釣銭機1への入金総額、釣銭額等の1取引における様々な情報や、この取引を識別する取引ID(取引識別情報)を出力する。印字部34は、演算制御部35から受け取ったこれらの情報を印字したレシートを出力する。取引IDは、例えば、このレジスタ30が同日にチェックアウト処理を行った何回目の取引であったかを示す数字(番号)である。店舗に複数のレジスタ30が設置されている場合は、各レジスタ30にレジスタ30を識別するレジID(レジ識別情報)を設定し、このレジIDをレシートに印字するようにしてもよい。
【0033】
また、演算制御部35は、登録した商品情報や、購入商品の合計金額、釣銭機1への入金総額、釣銭額等をホストコンピュータ(図示せず)へ送信してもよい。
【0034】
次に、釣銭機1の構成について、図1及び図2を用いて説明する。釣銭機1は、硬貨釣銭機1A、紙幣釣銭機1B、及びカスタマーディスプレイ10を有する。硬貨釣銭機1A及び紙幣釣銭機1Bは、それぞれ制御部C1、C2を有する。制御部C1、C2は互いに接続されており、制御部C2はカスタマーディスプレイ10及びレジスタ30の演算制御部35にも接続されている。
【0035】
硬貨釣銭機1Aは、外部から硬貨を受け入れる硬貨受入部114、硬貨受入部114から受け入れた受入硬貨の識別計数を行う硬貨識別部101、硬貨識別部101による識別結果に応じて受入硬貨を額面別に収納する硬貨収納部106、及び機内の貨幣を外部に払い出す硬貨払出部116を備える。
【0036】
図1に示すように、硬貨釣銭機1Aは前部上面に操作表示部112を有する筐体110を備える。筐体110の前部には硬貨受入部114及び硬貨払出部116が設けられている。
【0037】
硬貨受入部114は受け入れた硬貨を1層1列状態で1枚ずつ機内へ取り込む。受入部114の後方には取り込まれた硬貨を搬送する入金搬送部103が延びている。
【0038】
この入金搬送部103の途中には硬貨の識別・計数を行う硬貨識別部101と、分岐部104が設けられている。分岐部104は硬貨識別部101の識別結果に基づいて、リジェクト硬貨等の硬貨払出部116から払い出される(放出される)硬貨を出金搬送部108へ案内(搬送)する。
【0039】
正常硬貨等の機内に収納される硬貨は入金搬送部103により硬貨収納部106へ搬送される。硬貨収納部106は硬貨を金種別に収納し、例えば入金搬送部103の上流側から高額順に硬貨を収納する。
【0040】
出金搬送部108は硬貨収納部106に収納された硬貨を取り出して、硬貨払出部116へ搬送する。また、分岐部104から案内された硬貨を硬貨払出部116へ搬送する。
【0041】
制御部C1は貨幣釣銭機1Aの各部の制御を行う。また、制御部C1は、入金された硬貨の計数結果を硬貨識別部101から受け取り、紙幣釣銭機1Bの制御部C2に通知する。制御部C1は、硬貨の入金がある度に計数結果を制御部C1に通知する。
【0042】
また、制御部C1は、レジスタ30の演算制御部35から制御部C2を介して入金締切通知を受け取ると、硬貨受入部114の硬貨取り込みを停止させ、硬貨の入金を受け付けないようにする。
【0043】
次に、紙幣釣銭機1Bの構成を説明する。紙幣釣銭機1Bは、外部から紙幣を受け入れる受入部214、受入部214から受け入れた紙幣の識別計数を行う識別部201、識別部201による識別結果に応じて紙幣を金種別に収納する収納部206、及び機内の紙幣を外部に払い出す払出部216を備える。
【0044】
図1及び図2に示すように、紙幣釣銭機1Bは、筐体210と、この筐体210内の略中央部に設けられた環状の周回搬送部203aとを備えている。また、受入部214、収納部206、払出部216、出金リジェクト部204、及び回収カセット207が、周回搬送部203aの外周を取り囲むように配置されている。
【0045】
また、受入部214、各収納部206、払出部216、出金リジェクト部204、及び回収カセット207と、周回搬送部203aとの間を接続する紙幣の接続搬送部203bがそれぞれ形成されている。周回搬送部203aには、通過する紙幣の識別・計数を行う識別部201が設けられている。
【0046】
また、周回搬送部203aと各接続搬送部203bとの間で紙幣の搬送経路を切り替える経路切替部(図示せず)が周回搬送部203aに沿って配置されている。
【0047】
図1及び図2に示すように、筐体210の前面には受入部214の受入口214aと、払出部216の取出口216aとが設けられている。回収カセット207は筐体210に対して着脱自在に取り付けられている。また、筐体210の前部上面に操作表示部212が設けられている。
【0048】
受入部214は受入口214aに挿入された紙幣を1枚ずつ取り込んで、周回搬送部203a側へ繰り出す。各収納部206は、識別部201の識別結果に基づいて紙幣を金種別に収納する。払出部216は、各収納部206から取り出された紙幣を取出口216aより放出する。
【0049】
出金リジェクト部204は、収納部206から繰り出された紙幣のうち、斜行等により識別部201で識別のできない紙幣を出金リジェクト紙幣として収納する。また、受入部214から取り込まれた紙幣のうち、汚損等により識別部201で識別のできない紙幣はリジェクト紙幣として払出部216に返却される。
【0050】
さらに、紙幣釣銭機1Bには、記憶部20が設けられている。図3に示すように、記憶部20は、現在の取引において顧客から支払われ釣銭機1に入金された貨幣の入金総額(入金データ)を記憶する記憶領域21と、過去の取引の入金確定額である入金確定情報を記憶する記憶領域22を有する。記憶領域22が記憶する入金確定情報の数は、任意に設定することができる。
【0051】
制御部C2は紙幣釣銭機1Bの各部の制御を行う。また、制御部C2は、入金された紙幣の計数結果を識別部201から受け取り、制御部C1から受け取った硬貨の計数結果と加算して入金総額を算出し、算出した入金総額を含む入金データを作成する。制御部C2は、入金データを記憶部20の記憶領域21に書き込むと共に、カスタマーディスプレイ10に表示させる。制御部C2は、貨幣(硬貨及び/又は紙幣)の入金がある度に、記憶領域21に記憶されている入金データ及びカスタマーディスプレイ10に表示されている入金データを更新する。顧客はカスタマーディスプレイ10の表示から、自分が支払った金額を確認することができる。
【0052】
また、制御部C2は、レジスタ30の演算制御部35から入金データの問い合わせ(入金データの出力要求)を受け付けると、この問い合わせに応答し、記憶領域21に記憶されている入金データを演算制御部35に通知する。
【0053】
また、制御部C2は、演算制御部35から追加入金の有無の問い合わせを受け付けると、この問い合わせに応答し、演算制御部35に追加入金の有無を通知する。例えば、制御部C2は、前回の問い合わせに対して演算制御部35に入金データを応答した後に追加入金があった場合、更新後の入金データを演算制御部35に通知する。逆に、前回の問い合わせに対して演算制御部35に入金データを応答した後、今回の問い合わせまでの間に追加入金がなかった場合、制御部C2は、追加入金がなかったこと、又は前回応答した入金データと同額の入金総額を含む入金データを演算制御部35に通知する。
【0054】
また、制御部C2は、演算制御部35から入金締切通知を受け付けると、これを制御部C1に転送すると共に、受入部214の紙幣取り込みを停止させ、紙幣の入金を受け付けないようにする。さらに、この時、制御部C2は、記憶領域21に記憶されている入金データ(入金総額)を入金確定額とし、現在の取引の入金確定情報を記憶領域22に書き込み、記憶領域21の入金データをクリアする。
【0055】
制御部C2は、レジスタ30の演算制御部35から出力された釣銭出金命令に基づいて、払出部216から釣銭紙幣が払い出されるように、紙幣釣銭機1B内の各部の制御を行う。そして、制御部C2は、釣銭硬貨出金指示を制御部C1へ出力する。制御部C1はこの釣銭硬貨出金指示に基づいて硬貨払出部116から釣銭硬貨が払い出されるように、硬貨釣銭機1A内の各部の制御を行う。釣銭紙幣及び釣銭硬貨の出金が完了すると、制御部C2は、レジスタ30の演算制御部35に釣銭出金完了を通知する。
【0056】
制御部C1は釣銭硬貨の支払いに伴い、硬貨受入部114の硬貨取り込みを再開し、硬貨の入金を受け付けるようにする。また、制御部C2は、釣銭紙幣の出金に伴い、受入部214の紙幣取り込みを再開し、紙幣の入金を受け付けるようにする。このように、釣銭機1は、現在の取引の釣銭出金に伴い、次の取引における顧客の支払い貨幣が入金できるようになる。
【0057】
図1に示すように、硬貨釣銭機1A及び紙幣釣銭機1Bの前面上部にはオペレータからの各種指示を受け付ける指示受付部112、212が設けられている。指示受付部212は、過去の取引の入金確定情報をカスタマーディスプレイ10に表示する指示を受け付けることができる。指示受付部212が過去の取引の入金確定情報の表示指示を受け付けると、制御部C2は、記憶部20の記憶領域22から過去の取引の入金確定情報を取り出し、カスタマーディスプレイ10に表示させる。例えば、指示受付部212が過去の取引の入金確定情報の表示指示を受け付ける度に、制御部C2が、記憶領域22の入金確定情報を取引の新しい順に1つずつ取り出してカスタマーディスプレイ10に表示させる。このようにすることで、過去に商品を購入した顧客が、自分の支払い金額を後から確認することができる。
【0058】
次に、このレジ釣銭機システムを用いたチェックアウト処理を、図4に示すシーケンス図を用いて説明する。ここで、チェックアウト処理とは、顧客の購入商品の登録、買上合計金額の算出、顧客の支払金の入金、釣銭の出金、レシートの出力を含む処理をいい、1回のチェックアウト処理が1取引に相当する。なお、図4は、レジ釣銭機システムがN−1回(Nは2以上の整数)のチェックアウト処理を行った後の、N回目のチェックアウト処理を示す。
【0059】
(ステップS1)顧客が支払った貨幣が釣銭機1(硬貨釣銭機1A及び紙幣釣銭機1B)に入金される。前回(N−1回目)のチェックアウト処理における釣銭出金が完了しており、釣銭機1は入金を受け付けることができる状態である。
【0060】
(ステップS2)釣銭機1が、入金された貨幣の識別・計数を行う。そして、計数結果(入金データ)が記憶部20の記憶領域21に格納されると共に、カスタマーディスプレイ10に表示される。
【0061】
(ステップS3)顧客がさらに支払った貨幣が釣銭機1に入金される。
【0062】
(ステップS4)釣銭機1が、入金された貨幣の識別・計数を行う。そして、記憶領域21に記憶されている入金データが更新されると共に、更新された入金データがカスタマーディスプレイ10に表示される。このようにすることで、顧客は、釣銭機が受け入れた入金総額を貨幣入金の度にカスタマーディスプレイ10で目視確認することができるので、意図した金額の入金がなされていることの確認ができるとともに、入金総額を確認しながら追加入金の要否を判断することができる。
【0063】
(ステップS5)スキャナ機構が、顧客の購入商品の商品情報(コード情報)を読み取って、レジスタ30に通知する。
【0064】
(ステップS6)レジスタ30が、購入商品の登録を行う。
【0065】
ここで、商品情報の読み取り(ステップS5)と購入商品の登録(ステップS6)は、購入商品の数だけ行われる。また、釣銭機1への貨幣の入金(ステップS1、S3)及び入金貨幣の計数等(ステップS2、S4)と、商品情報の読み取り(ステップS5)及び購入商品の登録(ステップS6)は、それぞれ独立して行われる。例えば、スキャナ機構を用いて商品情報の読み取りを行うオペレータ(店員)とは別に、顧客から支払われた貨幣を釣銭機1へ投入するオペレータ(店員)がいる場合などは、これらの処理を並行して行うことができる。また、貨幣の入金、入金貨幣の計数は、購入商品の登録前に行うこともできる。
【0066】
(ステップS7)全ての購入商品のコード情報の読み取りが終了すると、レジスタ30の入力部32に、買上合計金額の算出指示が与えられる。例えば、入力部32に設けられた小計ボタンが押される。
【0067】
(ステップS8)レジスタ30が購入商品の合計金額を算出する。算出した合計金額は、ディスプレイ31及びレジスタ30のカスタマーディスプレイ33に表示され顧客が確認できるので、顧客は入金すべき金額や、追加入金の要否を判断できる。
【0068】
(ステップS9)合計金額の算出に伴い、レジスタ30が釣銭機1に対して入金データを問い合わせる(入金データの出力を要求する)。
【0069】
(ステップS10)釣銭機1が、記憶部20の記憶領域21に記憶されている入金データをレジスタ30に通知する。これにより、レジスタ30は、購入商品の登録前や登録中に顧客が入金した貨幣の総額を得ることができる。
【0070】
(ステップS11)レジスタ30が釣銭機1に対して追加入金の有無を問い合わせる。
【0071】
(ステップS12)釣銭機1が、追加入金の有無の問い合わせに応答する。追加入金があった場合、釣銭機1は、更新した入金データをレジスタ30に通知する。追加入金がなかった場合、釣銭機1は、レジスタ30に、ステップS10で通知した入金データと同額の入金総額を含む入金データを通知するか、又は、追加入金がなかったことを通知する。これにより、レジスタ30は、購入商品の登録後に顧客が入金した貨幣の総額、又は購入商品の登録前後にわたり顧客が入金した貨幣の総額を得ることができる。
【0072】
なお、図4に示す例では追加入金がなく、かつ入金総額が購入商品の合計金額以上である場合の処理を示しているが、追加入金があった場合は、追加入金の問い合わせ(ステップS11)及び応答(ステップS12)が繰り返されることになる。また、入金総額が購入商品の合計金額未満である場合は、レジスタ30は釣銭機1に対して所定時間毎に追加入金の有無(入金総額)を問い合わせる。
【0073】
(ステップS13)新たな追加入金がなく、かつ入金総額が購入商品の合計金額以上となった場合は、レジスタ30が、釣銭機1に対して入金の締切を通知する。釣銭機1は、レジスタ30からこの入金締切通知を受け取ると、貨幣の入金を受け付けない状態となる。
【0074】
(ステップS14)釣銭機1が、記憶領域21に記憶されている入金データを現在の取引(第N取引)の入金確定額として記憶領域22に書き込み、記憶領域21の入金データをクリアする。
【0075】
(ステップS15)レジスタ30が、釣銭機1から通知された(最新の)入金データに含まれる入金総額から、購入商品の合計金額を減じて、釣銭額を算出する。また、入金総額、購入商品の合計金額、釣銭額がカスタマーディスプレイ33に表示される。
【0076】
(ステップS16)レジスタ30が、釣銭機1に対して、算出した釣銭額の貨幣を出金するように、釣銭出金命令を出力する。
【0077】
(ステップS17)釣銭機1が、レジスタ30からの釣銭出金命令に基づいて、釣銭を出金する。
【0078】
(ステップS18)釣銭機1が、釣銭出金完了をレジスタ30に通知する。また、釣銭機1は、釣銭の出金完了に伴い、貨幣入金可能な状態となる。これにより、次にチェックアウト処理を行う顧客から支払われる貨幣を釣銭機1に入金することが可能となる。
【0079】
なお、入金総額が購入商品の合計金額と等しく釣銭が必要ない場合、レジスタ30が、釣銭機1に対して、ステップS16の釣銭出金命令に代えて釣銭不要通知を出力し、釣銭機1を次の取引のために入金可能な状態にするようにしてもよい。あるいはまた、レジスタ30は、0円の釣銭出金命令を出力し、釣銭機1は実際には出金動作を行わずに、釣銭出金完了をレジスタ30に通知してもよい。
【0080】
(ステップS19)レジスタ30が、購入商品の情報(名称、金額等)、購入商品の合計金額、釣銭機1への入金総額、釣銭額等の1取引における様々な情報や、この取引を識別する取引IDを印字したレシートを出力する。レシート出力により、第N取引(N回目のチェックアウト処理)が終了する。
【0081】
(ステップS20)次にチェックアウト処理(第N+1取引)を行う顧客が支払った貨幣が釣銭機1に入金される。本ステップにおける入金処理は、ステップS19のレシート出力より前に、又はレシート出力と並行して行うことができる。
【0082】
(ステップS21)釣銭機1が、ステップS20で入金された貨幣の識別・計数を行い、入金総額を算出し、入金データを作成する。そして、作成された入金データが記憶部20の記憶領域21に書き込まれると共に、カスタマーディスプレイ10に表示されている前回取引(第N取引)の入金総額がクリアされ、新たに本ステップで算出された入金総額が表示される。次の顧客が入金を行うまでは第N取引の入金総額、買上合計金額、釣銭額が表示されているので、第N取引の顧客は、釣銭受け取り後であってもチェックアウト処理の内容を確認することができる。
【0083】
このように、本実施形態に係るレジ釣銭機システムでは、購入商品の登録前や登録中に釣銭機1への貨幣の入金及び入金貨幣の計数を行うことができるため、全ての購入商品の登録後に入金を行う従来のシステムと比較して、チェックアウト処理に要する時間を短縮することができる。
【0084】
また、レジスタ30が購入商品の合計金額を算出して釣銭機1から入金総額の情報を取得した後、レジスタ30が釣銭機1に対して追加入金の有無を少なくとも1回問い合わせてから、釣銭機1を入金できない状態にする。このことにより、顧客が購入商品の合計金額をカスタマーディスプレイ33等で確認してから追加入金する時間的余裕が生じ、顧客は、所望の釣銭(例えば貨幣枚数の少ない釣銭)になるように追加入金することができる。従って、商品登録が終了したときに、入金額と買上合計金額との比較を即時行い、入金額が買上合計金額以上であった場合に釣銭を払い出す従来のシステムと比較して、顧客の支払金の入金可能タイミングの制限を緩和することができ、顧客が所望の釣銭を受け取ることができるようになる。
【0085】
このように、本実施形態に係るレジ釣銭機システムにより、チェックアウト処理を効率良く行い、かつ、顧客の支払金の入金処理タイミングの制限を緩和することができる。
【0086】
上記実施形態では、釣銭機1への入金総額を含む入金データを作成し、記憶部20に記憶させたり、レジスタ30へ通知したりしていたが、この入金データは、貨幣の金種別枚数や金種別の総額を含むものであってもよい。レジスタ30は、金種別枚数や金種別総額から入金総額を算出し、釣銭額を求めることができる。入金データは、入金総額、金種別枚数、金種別総額のうちの少なくともいずれか1つを含むものであればよい。また、釣銭機1のカスタマーディスプレイ10は、入金貨幣の総額、金種別枚数、金種別総額のいずれか1つを表示するのでもよいし、入金総額、金種別枚数、金種別総額のうちの2つ以上を同時に表示できるようにしてもよいし、切り替えて表示できるようにしてもよい。
【0087】
上記実施形態では、釣銭機1は、入金締切通知の受信に伴い、入金確定情報の書き込みを行っていたが、釣銭出金命令の受信や、釣銭出金に伴って入金確定情報の書き込みを行ってもよい。
【0088】
指示受付部212に取引IDの入力機能を持たせ、レジスタ30が、釣銭出金命令と共に、取引IDを釣銭機1に通知し、入金確定情報と取引IDとが紐付けられて記憶領域22に書き込まれるようにしてもよい。この場合、制御部C2は、指示受付部212から入力された取引IDに紐付けられた入金確定情報を記憶領域22から取り出し、カスタマーディスプレイ10に表示させる。このことにより、所望の過去の取引の入金確定情報を速やかにカスタマーディスプレイ10に表示させることができる。レジスタ30は、釣銭機1から釣銭出金完了を通知された後、例えばレシートの出力に伴い、取引IDをレジスタ30に通知してもよい。
【0089】
また、レジスタ30が、釣銭出金命令と共に、又は釣銭機1から釣銭出金完了を通知された後に、現在の取引における購入商品の合計金額を釣銭機1に通知し、釣銭機1が、レジスタ30から通知された合計金額と共に入金確定情報を記憶領域22に書き込んでもよい。さらに、釣銭機1は、入金確定情報と共に釣銭額を記憶領域22に書き込んでも良い。この場合、カスタマーディスプレイ10は、過去の取引の入金確定情報だけでなく、購入商品の合計金額や釣銭額を表示することができる。
【0090】
釣銭機1の指示受付部212が、貨幣の補充指示を受け付けられるようにしてもよい。制御部C2は、指示受付部212を介して補充指示を受け付けると、記憶領域21に記憶されている入金データをクリアする。このような釣銭機1に対して貨幣を補充する場合は、まず補充用の貨幣を入金し、その後、指示受付部212に補充指示を与える。釣銭機1は、補充用の貨幣についても計数し、入金データ(入金総額)を記憶領域21に書き込むが、補充指示により記憶領域21の入金データがクリアされる。これにより、貨幣補充後の取引における入金データに影響を与えることなく、貨幣の補充を行うことができる。
【0091】
上記実施形態では、レジスタ30が釣銭機1に対して入金総額を問い合わせた後、追加入金の有無を少なくとも1回問い合わせていたが、オペレータからの指示により、追加入金の有無の問い合わせを省略できるようにしてもよい。顧客によっては、追加入金の意思が全く無かったり、一刻も早く釣銭を受け取ることを望んでいたりする。そのような場合は、追加入金の有無の問い合わせを省略することで、釣銭を速やかに出金し、チェックアウト処理をさらに迅速に行うことができる。
【0092】
また、オペレータからの指示により、レジスタ30が釣銭機1に対して入金締切通知を出力することを一時停止できるようにしてもよい。顧客が追加入金の意思を示しながらも貨幣の取り出しに手間取っている場合などは、入金締切通知の出力を一時停止することで顧客はあわてることなく貨幣を取り出し、追加入金することができる。
【0093】
また、レジスタ30の入力部32に入金締切ボタン(締切指示部)を設け、オペレータによりこの入金締切ボタンが押されると、レジスタ30が釣銭機1に対して入金締切通知を出力するとともに、入金データの出力を要求するようにしてもよい。これにより、釣銭機1は、貨幣の入金を受け付けない状態になるとともに、記憶領域21内の入金データをレジスタ30へ出力する。そして、釣銭機1は、記憶領域21内の入金データを入金確定情報として記憶領域22に書き込み、記憶領域21内の入金データを消去する。このようにレジスタ30に入金締切ボタンを設けることで、店員の判断で、釣銭機1を入金不可状態にすることができ、チェックアウト処理をさらに迅速に行うことができる。
【0094】
また、釣銭機1に入金締切ボタン(締切指示部)を設け、顧客によりこの入金締切ボタンが押されると、制御部C1、C2が入金締切通知を受け付けて釣銭機1を入金不可状態にしてもよい。この場合、釣銭機1がレジスタ30に対して入金締切通知を出力して、釣銭機1が入金不可状態になっていることを通知する。レジスタ30は、釣銭機1から入金締切通知を受け取ると、購入商品の合計金額の算出後に、釣銭機1に対して入金データの出力を要求する。釣銭機1は、レジスタ30からの入金データ出力要求に応じて、記憶領域21内の入金データをレジスタ30へ出力し、記憶領域21内の入金データを入金確定情報として記憶領域22に書き込み、記憶領域21内の入金データを消去する。
【0095】
入金締切ボタンは顧客が操作し易い箇所に設けることが好ましく、操作表示部112、212に設ける場合は、釣銭機1の前面を顧客側に向けて設置する。また、入金締切ボタンはカスタマーディスプレイ10の近傍に設けてもよい。このように釣銭機1に入金締切ボタンを設けることで、顧客の判断で、釣銭機1を入金不可状態にすることができ、チェックアウト処理をさらに迅速に行うことができる。
【0096】
また、釣銭機1が釣銭額の算出を行っても良い。具体的には、まず、レジスタ30が、算出した購入商品の合計金額を釣銭機1へ送信する。釣銭機1は、レジスタ30から受け取った合計金額と、釣銭機1に入金された貨幣の総額(入金データ)とから釣銭額を算出する。そして、釣銭機1は、算出した釣銭額の釣銭貨幣を出金する。このような場合であっても、上述したような追加入金の問い合わせ、入金締切通知、出金完了通知等の処理を適用することができ、例えば、レジスタ30が釣銭機1に対して入金締切通知を出力するか、又は、釣銭機1がレジスタ30に対して入金締切通知を出力し、釣銭機1が入金不可状態になった後に、レジスタ30が購入商品の合計金額を釣銭機1へ送信する。
【0097】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 釣銭機
1A 硬貨釣銭機
1B 紙幣釣銭機
10 カスタマーディスプレイ
20 記憶部
21、22 記憶領域
30 レジスタ
31 ディスプレイ
33 カスタマーディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引毎に、購入商品の合計金額の算出、及び釣銭額の算出を行うレジスタと、
取引毎に、入金された貨幣の計数、入金データの作成、及び前記釣銭額の釣銭貨幣の出金を行う釣銭機と、
を備えるレジ釣銭機システムであって、
前記レジスタは、前記釣銭機から前記入金データを取得し、前記合計金額と前記入金データとに基づいて前記釣銭額を算出し、
前記釣銭機は、貨幣の入金を締め切る締切通知を受け付ける締切受付部を有し、1つ前の取引に対応する釣銭貨幣を出金してから、前記締切受付部が前記締切通知を受け付けるまでの間、貨幣の入金を受け付けることを特徴とするレジ釣銭機システム。
【請求項2】
前記レジスタは、前記合計金額の算出に伴い前記釣銭機から前記入金データを取得し、この入金データの取得後、前記釣銭機に対して追加入金の有無を少なくとも1回問い合わせ、追加入金がないことを条件として前記締切受付部に対して前記締切通知を出力することを特徴とする請求項1に記載の釣銭機システム。
【請求項3】
前記レジスタは、入金締切を指示する締切指示部を有し、この締切指示部が操作されることにより、前記締切受付部に対して前記締切通知を出力し、前記釣銭機から前記入金データを取得することを特徴とする請求項1に記載の釣銭機システム。
【請求項4】
前記釣銭機は、入金締切を指示する締切指示部を有し、この締切指示部が操作されることにより、前記締切受付部が締切通知を受け付けるとともに、当該釣銭機が前記レジスタに対し入金締切通知を出力し、
前記レジスタは、前記釣銭機から前記入金締切通知を受け取った後、前記合計金額の算出完了を条件として、前記釣銭機から前記入金データを取得することを特徴とする請求項1に記載の釣銭機システム。
【請求項5】
前記釣銭機は、前記入金データを記憶する記憶部を有し、追加入金に伴い前記記憶部に記憶されている入金データを更新し、前記レジスタから入金データの出力要求を受け付けると、前記記憶部に記憶されている入金データを前記レジスタに通知することを特徴とする請求項1に記載のレジ釣銭機システム。
【請求項6】
前記釣銭機は、前記記憶部に記憶されている入金データを表示する表示部を有することを特徴とする請求項5に記載のレジ釣銭機システム。
【請求項7】
前記釣銭機が前記締切通知を受け取るか、又は釣銭貨幣を出金することに伴い、前記記憶部は、前記入金データを入金確定情報として記憶することを特徴とする請求項6に記載のレジ釣銭機システム。
【請求項8】
前記釣銭機は、過去の取引の入金確定情報の表示指示を受け付ける指示受付部を有し、前記指示受付部が前記表示指示を受け付けると、前記表示部が前記記憶部に記憶されている入金確定情報を表示することを特徴とする請求項7に記載のレジ釣銭機システム。
【請求項9】
前記指示受付部が前記表示指示を受け付ける度に、前記表示部は、前記記憶部に記憶されている前記入金確定情報を新しいものから順に1つずつ表示することを特徴とする請求項8に記載のレジ釣銭機システム。
【請求項10】
前記レジスタは、前記釣銭機が釣銭貨幣を出金すると、取引を識別する取引IDを印字したレシートを出力すると共に、この取引IDを前記釣銭機に通知し、
前記記憶部は、前記入金確定情報と前記取引IDとを紐付けて記憶し、
前記指示受付部は、取引IDが入力可能であり、前記指示受付部に前記表示指示と共に取引IDが入力されると、前記表示部は、入力された取引IDに紐付けられて前記記憶部に記憶されている入金確定情報を表示することを特徴とする請求項8に記載のレジ釣銭機システム。
【請求項11】
前記レジスタは、取引毎に前記合計金額及び前記釣銭額を前記釣銭機に通知し、
前記釣銭機は、前記入金確定情報、前記合計金額、及び前記釣銭額を取引毎に前記記憶部に記憶し、
前記表示部は、前記指示受付部が前記表示指示を受け付けると、前記入金確定情報、前記合計金額、及び前記釣銭額を表示することを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載のレジ釣銭機システム。
【請求項12】
入金された貨幣の計数、入金データの作成、及びレジスタから指示された釣銭額の釣銭貨幣の出金を取引毎に行う釣銭機であって、
貨幣の入金を締め切る締切通知を受け付ける締切受付部を備え、
前記レジスタからの問い合わせに基づいて、前記入金データを前記レジスタに通知し、
1つ前の取引に対応する釣銭貨幣を出金してから、前記締切受付部が前記締切通知を受け付けるまでの間、貨幣の入金を受け付けることができることを特徴とする釣銭機。
【請求項13】
入金された貨幣の計数、入金データの作成、レジスタが算出した購入商品の合計金額の取得、前記入金データと前記合計金額とに基づく釣銭額の算出、及び前記釣銭額の釣銭貨幣の出金を取引毎に行う釣銭機であって、
貨幣の入金を締め切る締切通知を受け付ける締切受付部を備え、
1つ前の取引に対応する釣銭貨幣を出金してから、前記締切受付部が前記締切通知を受け付けるまでの間、貨幣の入金を受け付けることができることを特徴とする釣銭機。
【請求項14】
機内に貨幣を補充する補充指示を受け付ける指示受付部をさらに備え、
前記指示受付部が前記補充指示を受け付けると、作成した入金データを消去することを特徴とする請求項12又は13に記載の釣銭機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−128715(P2012−128715A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280366(P2010−280366)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】