説明

レリーフ加工装置

【課題】 汎用性に富み、レリーフ加工を施した結果物であるレリーフが滑らかな仕上がりとなるレリーフ加工装置を提供する。
【解決手段】 レリーフ加工装置1は、先端を球面形状に形成された圧接体を有した駆動部12と、加工情報生成手段23を有した制御部11と、を備え、加工情報生成手段23は、画像データにおける色差情報、又は、濃度差情報、又は、被写体までの距離情報、又は、顔認識情報、又は、焦点調整の情報、又は、稼動した領域情報を利用して複数の加工情報を自動で生成する処理を実行し、駆動部12は、この加工情報に従って加工対象に圧接体を圧接し、圧接体を圧接した状態で加工対象上を摺動させることにより加工対象にレリーフ加工を施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物等をレリーフ加工するレリーフ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、写真等の印刷物を物理的に立体化するつまりレリーフ加工する技術としては、金型スタンプを用いたものがあった。この金型スタンプを用いてレリーフ加工する場合、予め金型スタンプを所定の形状に加工しておき、この金型スタンプを加工対象である印刷物に押し付けることにより印刷物に凸部を形成する。しかし、この方法では、金型の形状を変更することができないため汎用性に劣るという問題点があった。
【0003】
他のレリーフ加工の技術としては、特開2001−10294号公報(特許文献1)に打針装置を使用した立体作成装置の提案がある。特許文献1では、印刷物をカラースキャナーで取込み、取込んだ画像を解析して印刷物の立体的特徴を表す立体化情報を抽出し、この立体化情報に基づいて打針装置を制御して印刷物をレリーフ加工する。この提案によれば、任意の印刷物をスキャンニング(画像を取込む)して立体化情報を抽出し、打針装置でレリーフ加工するため、予め金型等を作る必要が無く、汎用性に富んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−10294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように打針装置を使って印刷物にレリーフ加工する場合、針状体を印刷物に打針するため、印刷物が破損するおそれがあり、又、レリーフ加工した箇所に多数の凹凸が発生してしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、汎用性に富み、レリーフ加工を施した結果物であるレリーフが滑らかな仕上がりとなるレリーフ加工装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のレリーフ加工装置は、圧接体を備えた駆動部と、駆動部を制御する制御部と、を備え、前記駆動部は、前記制御部に制御されて、加工対象の裏側に前記圧接体を圧接させ、該圧接体を圧接させた状態で前記加工対象における所定領域内を摺動させることにより前記加工対象の所定領域にレリーフ加工を施すことを特徴とする。
【0008】
又、前記圧接体は、先端を球面形状に形成されていることを特徴とする。
【0009】
更に、前記圧接体は、内部に弾性体を備え、該弾性体によって先端部が先端方向に付勢されていることを特徴とする。
【0010】
前記駆動部は、レリーフ加工部分における厚み方向の駆動を行なう駆動手段を備え、前記制御部が該厚み方向の駆動手段を制御することにより前記加工対象に対する圧接力を制御し、レリーフ加工部分の突出量を調整可能とされていることを特徴とする。
【0011】
前記加工対象の画像データを取得する画像取込手段を有し、前記制御部は、演算手段と、加工情報を生成する加工情報生成手段と、前記駆動部を制御する駆動コントローラと、を備え、前記加工情報は、前記加工対象におけるレリーフ加工を施す領域の情報と、該領域内における突出量の情報と、から構成され、前記加工情報生成手段は、前記画像取込手段が前記加工対象に印刷された画像データを取得すると、前記演算手段に制御されて、該画像データにおける色差情報、又は、濃度差情報、又は、被写体までの距離情報、又は、顔認識情報、又は、焦点調整の情報、又は、稼動した領域情報を利用して複数の加工情報を自動で生成する処理と、使用者に該複数の加工情報の中から任意の加工情報を選択させる処理と、選択された加工情報を前記駆動コントローラに出力する処理と、を実行することを特徴とする。
【0012】
又、前記加工情報生成手段は、前記演算手段に制御されて、使用者が任意で設定した前記レリーフ加工を施す領域情報及び/又は使用者が任意で設定した突出量の情報から前記加工情報を生成する処理と、前記駆動コントローラに該加工情報を出力する処理と、を実行することを特徴とする。
【0013】
更に、前記制御部は、記憶手段を備え、前記加工情報生成手段は、前記演算手段に制御されて、生成した前記加工情報を前記記憶手段に記憶させる処理を実行し、新たな加工対象にレリーフ加工をする場合には、前記記憶手段に記憶された加工情報を前記新たな加工対象にマッチングさせて加工情報を生成する処理を実行することを特徴とする。
【0014】
そして、前記駆動部は、X軸駆動ユニットと、Y軸駆動ユニットと、前記厚み方向の駆動手段であって前記圧接体を保持するZ軸駆動ユニットと、を備え、前記加工対象は、プラテン上であるXY平面に載置され、前記圧接体は、前記加工対象を前記プラテンに向けて圧接した状態で前記加工対象上を摺動することにより前記加工対象にレリーフ加工を施すことを特徴する。
【0015】
又、前記駆動部は、Y軸駆動ユニットと、前記厚み方向の駆動手段であって前記圧接体を保持するZ軸駆動ユニットと、XY平面に平行に前記加工対象を搬送する搬送手段と、前記加工対象を前記圧接体に対して押さえつけるプラテンローラと、を備え、前記圧接体は、前記Y軸駆動ユニット及びZ軸駆動ユニットによってYZ平面上を駆動し、前記プラテンローラとの間で前記加工対象を圧接した状態で前記加工対象上を摺動することにより前記加工対象にレリーフ加工を施すことを特徴とする。
【0016】
レリーフ加工装置は、レリーフ加工時において、前記加工対象の外周縁近傍に、前記レリーフ加工部分の中の最大突出量よりも僅かに大きな突出量とされた防護縁を加工することを特徴とする。
【0017】
又、レリーフ加工装置は、前記加工対象の外周縁近傍を加工禁止領域として設定することもある。
【0018】
更に、前記加工対象の材料は、伸張性を有した紙とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、汎用性に富み、レリーフ加工を施した結果物であるレリーフが滑らかな仕上がりとなるレリーフ加工装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例に係るレリーフ加工装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係るレリーフ加工装置のレリーフ加工部の斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係るレリーフ加工装置の圧接体の先端部を示す模式図である。
【図4】本発明の実施例に係るレリーフ加工装置の制御フローを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例に係るレリーフ加工装置で突出量をカスタム設定する場合における表示画面を示す図である。
【図6】本発明の実施例に係るレリーフ加工装置で加工したレリーフの一例を示す図である。
【図7】本発明の実施例に係るレリーフ加工装置で加工したレリーフの他の例を示す図である。
【図8】本発明の変形例に係るレリーフ加工装置のレリーフ加工部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について述べる。本発明のレリーフ加工装置1は、圧接体35を備えた駆動部12と、駆動部12を制御する制御部11と、加工対象57の画像データを取得する画像取込手段13と、を備える。この駆動部12は、X軸駆動ユニット31と、Y軸駆動ユニット32と、厚み方向の駆動手段であって圧接体35を保持するZ軸駆動ユニット33と、を備える。
【0022】
そして、駆動部12は、プラテン上に載置された加工対象57に圧接体35を圧接し、圧接体35を圧接した状態で加工対象57上を摺動させることにより加工対象57にレリーフ加工を施す。尚、圧接体35は、先端を球面形状に形成され、先端部が弾性体によって先端方向に付勢されている。
【0023】
制御部11は、演算手段21と、記憶手段22と、加工情報を生成する加工情報生成手段23と、駆動部12を制御する駆動コントローラ24と、を備える。尚、加工情報は、加工対象57におけるレリーフ加工を施す領域の情報と、該領域内における突出量の情報と、から構成されている。
【0024】
加工情報生成手段23は、画像取込手段13が加工対象57に印刷された画像データを取得すると、演算手段21に制御されて、該画像データにおける色差情報、又は、濃度差情報、又は、被写体までの距離情報、又は、顔認識情報、又は、焦点調整の情報、又は、稼動した領域情報を利用して複数の加工情報を自動で生成する処理と、使用者に該複数の加工情報の中から任意の加工情報を選択させる処理と、選択された加工情報を駆動コントローラ24に出力する処理と、を実行する。
【0025】
又、加工情報生成手段23は、演算手段21に制御されて、使用者が任意で設定したレリーフ加工を施す領域情報及び/又は使用者が任意で設定した突出量の情報から加工情報を生成する処理と、駆動コントローラ24に該加工情報を出力する処理と、を実行する。
【0026】
更に、加工情報生成手段23は、演算手段21に制御されて、生成した加工情報を記憶手段22に記憶させる処理を実行し、新たな加工対象57にレリーフ加工をする場合には、記憶手段22に記憶された加工情報を新たな加工対象57にマッチングさせて加工情報を生成する処理を実行する。
【実施例】
【0027】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。図1は、本実施例におけるレリーフ加工装置1の機能ブロック図であり、図2は、レリーフ加工部41の斜視図である。レリーフ加工装置1は、図1に示すように、レリーフ加工装置1の全ての処理や動作を制御する制御部11と、制御部11によって制御される駆動部12と、画像取込手段13と、入力手段14と、出力手段15と、表示手段16と、を備えている。そして、レリーフ加工装置1は、画像取込手段13により加工対象である印刷物等の画像データ等を取込み、制御部11において自動で、或いは、入力手段14からの入力によってこの画像における立体化する領域や突出量を決定し、駆動部12において加工対象に立体化処理であるレリーフ加工を施す装置である。
【0028】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等の演算手段21と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HD(Hard Disk)等とされた記憶手段22と、加工情報生成手段23と、駆動コントローラ24と、から構成されている。
【0029】
演算手段21は、記憶手段22に記憶されたプログラムやデータを読み込み、読み込んだプラグラムに従って各種手段に所定の処理を実行させる制御や、各種手段の処理によって発生する情報を記憶手段22に記憶させる制御や、各種手段の処理によって発生する情報に従って他の手段に所定の処理を実行させる制御等を行なう。
【0030】
記憶手段22(ROM)は、レリーフ加工装置1が動作する上で必要な各種のプログラムを予め記憶しており、演算手段21に制御されてこれらのプログラムを出力する処理を実行する。又、記憶手段22(RAM)は、プログラムの処理時に生じる処理情報を一時的に記憶し、この記憶した処理情報を演算手段21に出力する処理を実行する。更に、記憶手段22(HD等)は、取込んだ画像データや後述する加工情報等を記憶する処理を実行する。
【0031】
加工情報生成手段23は、演算手段21に制御されて画像取込手段13が取得した画像データを解析し、該画像データにおけるレリーフ加工する領域や領域内での突出量を設定し、設定した領域及び突出量の情報から複数の加工情報を生成し、加工情報に対応した画像を表示手段16に表示させる処理を実行する。又、加工情報生成手段23は、使用者が所望の加工領域や所望の突出量を任意で設定、つまり、カスタム設定した場合、設定された情報を利用して加工情報を生成する処理を実行する。更に、加工情報生成手段23は、生成した加工情報を記憶手段22に記憶させる処理や駆動コントローラ24に出力する処理を実行する。尚、加工情報とは、レリーフ加工する領域及び領域内での突出量、加工対象における加工領域の位置等の情報を含んだ駆動コントローラ24を制御するための情報である。
【0032】
駆動コントローラ24は、演算手段21に制御されて記憶手段22に記憶された加工情報や、加工情報生成手段23から出力された加工情報に従って駆動部12を制御し、加工対象にレリーフ加工を施す制御を実行する。
【0033】
画像取込手段13は、演算手段21に制御されてスキャナーやデジタルカメラ、メモリーカード等の各種装置から画像データやDPOF(Digital Print Order format)データを取込む。このDPOFデータとは、デジタルカメラの利用者がメモリーカードに記憶された画像の中でどの画像をプリントするかといった情報を指定できるようにしたフォーマットである。このDPOFデータにより印刷数、用紙サイズ、タイトル、その他の情報を画像毎に対応づけることができる。
【0034】
又、入力手段14は、キーボードや方向キー、ボタンキー、或いは、タッチパネル等により構成されるものである。そして、入力手段14が操作されることにより発生する入力信号は、演算手段21に出力され、演算手段21が入力信号に対応した処理を実行する。出力手段15は、画像データや加工情報を外部機器に出力する処理を実行する。表示手段16は、液晶表示装置やタッチパネル等であって、画像取込手段13が取得した画像を表示する処理や、加工情報に対応する領域や突出量を表示する処理、使用者に所定の情報を選択させる場合に選択項目を表示させる処理等を実行する。
【0035】
駆動部12は、図2におけるX軸方向の駆動を制御するX軸駆動ユニット31と、Y軸方向の駆動を制御するY軸駆動ユニット32と、Z軸方向、つまり、厚み方向の駆動を制御する駆動手段であるZ軸駆動ユニット33と、から構成され、各ユニット31,32,33は、駆動コントローラ24に制御されて駆動するものである。
【0036】
次に、この駆動部12を備えたレリーフ加工部41の構成について述べる。レリーフ加工部41は、図2に示すように、レリーフ加工される加工対象57等が載置される台座部45と、レリーフ加工を行なう駆動部12としてのX軸駆動ユニット31、Y軸駆動ユニット32、Z軸駆動ユニット33とから構成される。尚、本実施例において、上下及び左右は図2の正面視上下及び左右方向を指す。又、X軸方向は、図2の正面視略上下方向を指し、Y軸方向は、図2の正面視略左右方向を指し、Z軸方向は、XY平面に直交する厚み方向を指す。
【0037】
台座部45は、主板51と、主板51上に固定された載置台52と、載置台52の近傍に配置されたX軸レール53及びY軸レール54と、を備える。主板51は、硬質樹脂等によって形成された方形状板でありXY平面を形成している。又、載置台52は、硬質樹脂等によって形成された方形状板であり、主板51の中央近傍に固定されている。この載置台52上には、弾性体によって形成された方形状板であるプラテン55が固定され、このプラテン55上に裏向きに加工対象57が載置される。このプラテン55は、後述する圧接体35が加工対象57を圧接する場合に加工対象57の表面を抑える部材である。
【0038】
X軸レール53は、主板51上における載置台52の左側方位置であってX軸と平行に配置されており、駆動部12のX軸方向の駆動を規制している。Y軸レール54は、主板51上における載置台52の上方位置であってY軸と平行に配置されており、駆動部12のY軸方向の駆動を規制している。
【0039】
駆動部12は、上述したようにX軸駆動ユニット31、Y軸駆動ユニット32、Z軸駆動ユニット33を備える。X軸駆動ユニット31は、X軸レール53に摺動可能に装着されており、モータ等によってX軸レール53に沿って摺動することにより、Y軸駆動ユニット32及びZ軸駆動ユニット33のX軸方向への稼動を制御している。
【0040】
Y軸駆動ユニット32は、Y軸方向摺動部材32aと、Y軸方向摺動部材32aに対してX軸方向に可動な状態で装着されたZ軸駆動ユニット保持部材32bと、X軸稼動規制軸32cと、を備える。Y軸方向摺動部材32aは、Y軸レール54に摺動可能に装着されており、Y軸レール54に沿って摺動することにより、Z軸駆動ユニット保持部材32b及びZ軸駆動ユニット33のY軸方向への稼動を制御している。
【0041】
Z軸駆動ユニット保持部材32bは、X軸駆動ユニット31に装着されており、所定の一面にZ軸レール58が形成されている。そして、Z軸駆動ユニット保持部材32bは、X軸駆動ユニット31がX軸方向に摺動するとX軸稼動規制軸32cに規制された状態でX軸と平行に稼動すると共に、Y軸方向摺動部材32aがY軸方向に摺動すると連動してY軸方向に稼動する。
【0042】
X軸稼動規制軸32cは、Y軸方向摺動部材32aを貫挿した状態でZ軸駆動ユニット保持部材32bに固定されており、X軸駆動ユニット31がX軸方向に摺動すると、Z軸駆動ユニット保持部材32bと共にX軸方向に稼動する。このX軸稼動規制軸32cは、Y軸方向摺動部材32aを貫挿しているため、X軸方向への稼働時にはY軸方向摺動部材32aへの貫挿部分によってX軸と平行に稼動するように規制されている。
【0043】
Z軸駆動ユニット33は、Z軸方向摺動部材33aと、圧接体保持部材33bと、Y軸稼動規制軸33cと、軸受け部材33dと、圧接体35と、を備えている。Z軸方向摺動部材33aは、Z軸駆動ユニット保持部材32bのZ軸レール58に摺動可能に装着されている。又、圧接体保持部材33bは、Z軸方向摺動部材33aに固定されており、圧接体35をZ軸と平行に保持している。Y軸稼動規制軸33cは、軸受け部材33dに貫挿された状態で圧接体保持部材33bに固定されており、軸受け部材33dによってY軸と平行に稼動するように規制されている。又、軸受け部材33dは、X軸駆動ユニット31に固定されている。このような構成とされたZ軸駆動ユニット33は、Z軸方向への稼動量を制御できるため、加工対象57に対する圧接量を変化させることができ、よって、加工対象57にレリーフ加工を施す場合におけるレリーフ加工部分の突出量を変化させることができる。
【0044】
そして、圧接体35は、ペン形状であり長手方向がZ軸方向となるように圧接体保持部材33bに保持されている。又、圧接体35は、図3に示すように、先端を球面形状に形成されており、この先端部は図示しない弾性体により先端方向、つまり、台座部45方向に付勢されている。よって、レリーフ加工時に圧接体35の先端に所定値以上の負荷がかかった場合、先端部はペンの内部に入り込み、加工対象57が損傷することを防止している。この圧接体35は、加工対象57に圧接した状態で駆動部12の稼動により加工対象57の裏面上を圧接しながら摺動し、加工対象57にレリーフ加工を施すものである。つまり、圧接体35が加工対象57の所定の箇所をプラテン55に向けて圧接すると、圧接された加工対象57の所定の箇所が平面上から突出して加工対象57に凸部が形成され、この状態で加工対象57上の所定領域内を圧接体35の先端が摺動するため凸部の面積が広がりレリーフ加工が施される。
【0045】
次に、本実施例におけるレリーフ加工装置1の制御フローを図4に沿って述べる。演算手段21は、画像取込手段13を制御して画像データを取込ませる画像取込処理(ステップS101)を実行し、加工情報生成手段23を制御して領域情報及び突出量(Z軸方向の加工量)の情報からなる複数の加工情報を生成させる加工情報生成処理(ステップS103)を実行する。
【0046】
ここで、加工情報生成処理(ステップS103)で加工情報を生成するための手段について述べる。画像取込手段13で平面画像の画像データを取得した場合、加工情報生成手段23は、画像データにおける画像の色差、濃度差を解析して差が大きい部分を抽出し、この差が大きい部分をレリーフ加工する領域として設定する。更に、加工情報生成手段23は、この領域内における突出量を記憶手段22に予め登録された情報や過去の加工情報から設定する。そして、設定した領域及び突出量から加工情報を生成する。
【0047】
又、画像取込手段13で3Dカメラにより撮影された被写体までの距離情報を含んだ画像データを取得した場合、加工情報生成手段23は、被写体までの距離を一定距離毎に区分けし、被写体までの距離が近い領域をレリーフ加工する領域として設定し、更に、距離情報を利用して領域内の突出量を設定する。そして、設定した領域及び突出量から加工情報を生成する。つまり、加工情報生成手段23は、実際の被写体までの距離を利用して、レリーフ加工する領域やレリーフ加工する領域内での突出量の差を設定し、加工情報を生成する。
【0048】
更に、画像取込手段13でカメラ等の撮影時における顔認識情報や焦点調整の情報等も取得した場合、加工情報生成手段23は、この顔認識情報や焦点調整の情報等を利用して加工情報を生成する。つまり、顔認識情報を利用する場合、加工情報生成手段23は、顔認識情報から顔の輪郭を囲んだ領域をレリーフ加工する第一領域として設定し、又、第一領域内に位置する鼻等を第二領域として設定し、更に、第一領域及び第二領域の突出量を設定し、これらの情報から加工情報を生成する。尚、必ずしも複数領域を設定する必要はない。又、焦点調整の情報を利用する場合、加工情報生成手段23は、被写体までの距離や焦点を合わせた位置を焦点調整の情報から解析し、焦点を合わせた位置から所定の範囲内の領域をレリーフ加工する領域として設定し、更に、被写体までの距離から突出量を設定し、これらの情報から加工情報を生成する。
【0049】
又、画像取込手段13でブロックマッチング法による領域情報を備えた画像データを取得した場合、加工情報生成手段23は、この画像データから動いたものの領域、又は、静態していたものの領域をレリーフ加工する領域として設定し、更に、領域内での突出量を記憶手段22に予め登録された情報や過去の加工情報から設定し、これらの情報から加工情報を生成する。このブロックマッチング法とは、連続で2枚の撮影を行ない、先に撮影した画像(第1フレーム)における所定の大きさの領域を基本ブロックと設定し、後で撮影した画像(第2フレーム)を全検索して第1フレームの基本ブロックと第2フレームの基本ブロックとの差分評価関数の値が最小となる点を対応点として両フレーム内で動いたものを抽出する手法であり、動画、静止画において動きの予測に用いられる手法である。
【0050】
更に、加工情報生成手段23は、レリーフ加工に用いた加工情報を記憶手段22に記憶させ、この加工情報を他の画像データとマッチングさせて利用し、加工情報を生成する。つまり、一度使用した加工情報を他の加工対象57にレリーフ加工を施す場合に利用して加工情報を生成することにより、使用者の嗜好にあった加工情報を生成する。
【0051】
そして、演算手段21は、上述したような手法によって加工情報生成処理(ステップS103)を実行した後、生成した複数の加工情報に対応した3D画像を表示手段16に表示させる3D画像表示処理(ステップS105)を実行する。この3D画像表示処理(ステップS105)において、表示手段16に表示される画像は、画像取込手段13が取得した画像にレリーフ加工を施したCG画像等である。又、3D画像表示処理(ステップS105)では、使用者が入力手段14を操作することによって異なるCG画像に切替えることができるようになっている。更に、3D画像表示処理(ステップS105)で表示された画面上には、「決定」や「カスタム設定」等のアイコンも表示されている。
【0052】
3D画像表示処理(ステップS105)において、使用者は、所望の加工情報の選択肢があるかを確認し、所望の選択肢がある場合には入力手段14を操作して、該所望の選択肢を選択する。又、所望の加工情報の選択肢が無い場合には、使用者は、使用者自身が任意の加工領域や任意の突出量を選択する「カスタム設定」のアイコンを入力手段14を操作して選択する。演算手段21は、使用者が所望の選択肢を選択したかどうかを判定する選択判定処理(ステップS107)を実行し、3D表示した加工情報の選択肢の中から所定の加工情報を使用者が選択した場合、加工情報を駆動コントローラ24に出力する加工情報出力処理(ステップS119)を実行する。又、駆動コントローラ24は、加工情報が入力されると加工情報に従って駆動部12を制御することによりレリーフ加工処理(ステップS121)を実行する。
【0053】
選択判定処理(ステップS107)において、「カスタム設定」が選択された場合、演算手段21は、加工領域や突出量をカスタム設定するための画面を表示手段16に表示させるカスタム設定画面表示処理(ステップS111)を実行する。このカスタム設定画面表示処理(ステップS111)において、使用者は、画像における加工するための領域や領域内での突出量を入力手段14を操作することによって任意で設定する。
【0054】
図5は、カスタム設定画面表示処理(ステップS111)において、突出量をカスタムで設定する場合の表示画面を示す図である。Z軸方向への加工量である突出量をカスタム設定する場合、演算手段21は、表示手段16に図5(a)及び図5(b)に示すような円柱を表示させる。使用者は、指定された加工領域内において入力手段14を用いて円柱の中心軸を指定する。このように円柱の中心軸を指定することで、中心軸より遠い位置では突出量が小さく、中心軸に近い所は突出量が大きくなるように設定できる。
【0055】
又、一つの加工領域内に更に異なる加工領域が設定されている場合、使用者が、所定の領域を選択すると図5(a)及び図5(b)に示したような円柱が表示され、夫々の領域において所定の位置に円柱の中心軸を設定することにより複数の領域における突出量を設定できる。このように一つの領域内で異なる加工領域を設定することにより、外側の領域と内側の領域で突出量を変えることができ、例えば、犬の顔を外側の加工領域として指定し、犬の鼻を内側の加工領域に指定すれば、犬の顔が浮き上がり更に鼻が浮き上がったレリーフ加工が可能となる。
【0056】
そして、カスタム設定画面表示処理(ステップS111)において、使用者がカスタム設定を終了すると、演算手段21は、加工情報生成手段23を制御してカスタム設定された加工領域及び突出量に対応する加工情報を生成するカスタム加工情報生成処理(ステップS112)を実行し、加工情報出力処理(ステップS119)及びレリーフ加工処理(ステップS121)を実行する。
【0057】
図6は、加工されたレリーフ85の一例を示す図である。レリーフ85は、図6(a)に示すように、桜桃の絵が描かれた加工対象57における桜桃の部分がレリーフ加工されている。そして、図6(b)に示すように、枝の部分と実の部分で突出量に差が形成されており、実の部分は球面形状に形成されている。又、図6(c)に示すように、2つの実においても突出量の差が形成されており、手前に位置する実の突出量が大きく、奥に位置する実の突出量が小さくされている。このように、画像における遠近を突出量によって表したり、主要部分を強調したりすることができ、又、滑らかなレリーフ加工が可能となる。
【0058】
又、レリーフ85は、突出部を有した立体的形状となるため、収納時や保管時に突出部が変形してしまうといったことがある。よって、レリーフ加工時において、図7に示すように、加工対象57の外周縁近傍位置に、加工対象57に対するレリーフ加工部分の中で最も大きな突出量よりも僅かに大きな突出量とされた防護縁86を形成する構成とすることもある。このように防護縁86を形成することにより、例えばアルバムにレリーフ85を収納する場合等には防護縁86がレリーフ加工が施された主要部分を保護することとなり、主要部分の変形を防止できる。
【0059】
更に、レリーフ85の外周縁近傍部分に立体部分がある場合には立体部分の強度が低くなるため、加工対象57の外周縁近傍部分を予め加工禁止領域として設定することにより、立体部分の変形を防止することもできる。
【0060】
又、本実施例において用いる加工対象57の材料としては、写真用紙等を用いることもできるが、伸張性を有した紙を用いることが好適である。伸張性を有した紙を加工対象57の材料とすることにより、レリーフ加工も容易となり、又、加工されたレリーフの強度も写真用紙等を材料としたレリーフよりも高くなるからである。
【0061】
本実施例のレリーフ加工装置1によれば、加工対象57の裏面に圧接体35の先端を圧接させた状態で加工対象57上を摺動させる、つまり、圧接体35の先端を加工対象57に擦り付けることでレリーフ85を加工する構成とすることにより、打針装置のように加工対象57を破損させることなく、滑らかなレリーフ加工を施すことができる。
【0062】
又、圧接体35の先端を球状とすることにより、圧接体35の加工対象57上における摺動を滑らかに行なうことができ、加工対象57を破損させることを防止できると共に、レリーフ加工部分が滑らかになる。
【0063】
更に、駆動部12が厚み方向の駆動を行なう駆動手段であるZ軸駆動ユニット33を備えることにより、レリーフ加工部分の突出量を可変制御できる。
【0064】
又、レリーフ加工装置1が加工情報生成手段23を備え、加工情報生成手段23が、加工対象57の色差、又は、濃度差、又は、被写体までの距離情報、又は、顔認識情報、又は、焦点調整の情報、又は、動いた被写体の領域情報から複数の加工情報を自動で生成することができるため、使用者の嗜好に合わせた様々な加工情報を自動で生成することができ、使用者が容易にレリーフ加工を行なう領域や突出量を設定できる。
【0065】
更に、使用者がレリーフ加工を行なう領域や突出量を容易に任意で設定できる構成とすることにより、使用者の嗜好に合わせたレリーフ加工が可能となる。
【0066】
そして、加工情報生成手段23が生成した加工情報を記憶手段22に記憶させ、新たな加工対象57にレリーフ加工をする場合に、この加工情報と新たな加工対象57の画像とマッチングさせて加工情報を生成する構成とすることにより、使用者が一度選択或いは設定した使用者の嗜好にあった加工情報を生成できる。
【0067】
又、駆動部12をX軸駆動ユニット31、Y軸駆動ユニット32、Z軸駆動ユニット33と、から構成することにより、既存のプロッター等の技術を応用してレリーフ加工装置1を製造できるため、レリーフ加工装置1を容易に製造することができる。
【0068】
尚、本実施例のレリーフ加工装置1を印刷装置に組み込むことも可能である。このように印刷装置にレリーフ加工装置1を組み込むことにより、印刷データから直接に加工情報を作成することができるため、レリーフ加工する領域の設定等が容易となり、又、レリーフ加工時に加工対象57における加工位置の認識等も容易となる。尚、レリーフ加工を施す加工領域の画像は、レリーフ加工によって僅かに引き伸ばされるため、加工対象57を印刷する時に、加工領域に位置する画像を実際の画像データにおける加工領域の画像よりも僅かに小さく印刷しておくことで、完成したレリーフ85におけるレリーフ加工部分が最適な大きさとなる。又、画像における所定の加工領域をレリーフ加工する場合に限ることなく、日付をレリーフ加工することによって表示するといった使用もできる。
【0069】
又、先端の曲率半径が異なる圧接体35を用いてレリーフ加工する構成とすることもできる。この場合、先端の曲率半径が異なる複数の圧接体35を予め用意しておき、ホームポジションで所定の圧接体35に自動で交換する構成とすることや、圧接体35の先端部近傍に異なる曲率半径とされた複数の先端パーツをルーレットを用いて取付け、このルーレットを回転させることにより圧接体35の先端を変更する構成とする等が考えられる。そして、このように圧接体35の先端を変更可能な構成とすることにより、小さな領域や境界部分では曲率半径の小さな先端を用いてレリーフ加工を行ない、大きな領域の部分では曲率半径の大きな先端を用いてレリーフ加工を行なうといった作業が実現でき、完成したレリーフ85の芸術性を高め、使用者の嗜好に合ったレリーフ加工が可能となる。
【0070】
次に、レリーフ加工装置1の変形例について述べる。図8は、変形例に係るレリーフ加工部41の斜視図である。上述したレリーフ加工装置1における駆動部12は、X軸駆動ユニット31、Y軸駆動ユニット32、Z軸駆動ユニット33の3方向に稼動する構成としていたが、図8に示すように、X軸駆動ユニット31の代わりにX軸方向へ加工対象57を搬送する搬送手段を備えた構成とすることもできる。
【0071】
このレリーフ加工部41は、搬送手段としての紙送りローラ71及びピンチローラ72と、プラテンローラ73と、Y軸駆動ユニット32と、圧接体35を有したZ軸駆動ユニット33と、を備える。加工対象57は、表側に配置された紙送りローラ71と裏側に配置されたピンチローラ72との間に挟持された状態でX軸方向に搬送される。又、加工対象57の圧接体35が当接する位置の表側近傍にプラテンローラ73が配置され、圧接体35が加工対象57を圧接する場合に加工対象57を圧接体35に対して押さえつけている。
【0072】
Y軸駆動ユニット32は、Y軸方向規制部材75と、Y軸方向摺動部材76と、を備える。Y軸方向規制部材75は、略直方体形状であって一面にY軸レールが形成され、このY軸レールにY軸方向摺動部材76が摺動可能に装着されている。Z軸駆動ユニット33は、圧接体保持部材81と、圧接体保持部材81に装着された圧接体35と、を備える。圧接体35は、上述した実施例と同様に先端が球状に形成されたペン形状である。圧接体保持部材81は、Y軸方向摺動部材76に装着され、Y軸方向摺動部材76と共にY軸方向に稼動すると共に、圧接体35をZ軸方向に稼動させる。
【0073】
そして、本変形例におけるレリーフ加工装置1は、圧接体35を加工対象57に圧接した状態でY軸駆動ユニット32により圧接体35をY軸方向に摺動させると共に、搬送手段によって加工対象57をX軸方向に搬送することにより、レリーフ加工を施す。
【0074】
このような構成とされたレリーフ加工部41を備えるレリーフ加工装置1においても、上述した実施例におけるレリーフ加工装置1と同様の作用効果を得ることができる。又、X軸方向への稼動は搬送手段によって行なう構成であるため、XYZの3方向に稼動するユニットを製造する場合と比較して製造が容易となる。更に、印刷装置と一体化することも容易である。この場合、印刷後に加工対象57をカットせず、そのままレリーフ加工部41へと加工対象57を搬送しレリーフ加工を施す構成とすることができる。
【0075】
尚、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 レリーフ加工装置
11 制御部 12 駆動部
13 画像取込手段 14 入力手段
15 出力手段 16 表示手段
21 演算手段 22 記憶手段
23 加工情報生成手段 24 駆動コントローラ
31 X軸駆動ユニット 32 Y軸駆動ユニット
32a Y軸方向摺動部材 32b Z軸駆動ユニット保持部材
32c X軸稼動規制軸 33 Z軸駆動ユニット
33a Z軸方向摺動部材 33b 圧接体保持部材
33c Y軸稼動規制軸 33d 軸受け部材
35 圧接体 41 レリーフ加工部
45 台座部 51 主板
52 載置台 53 X軸レール
54 Y軸レール 55 プラテン
57 加工対象 58 Z軸レール
71 紙送りローラ 72 ピンチローラ
73 プラテンローラ 75 Y軸方向規制部材
76 Y軸方向摺動部材 81 圧接体保持部材
85 レリーフ 86 防護縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧接体を備えた駆動部と、駆動部を制御する制御部と、を備え、
前記駆動部は、前記制御部に制御されて、加工対象の裏側に前記圧接体を圧接させ、該圧接体を圧接させた状態で前記加工対象における所定領域内を摺動させることにより前記加工対象の所定領域にレリーフ加工を施すことを特徴とするレリーフ加工装置。
【請求項2】
前記圧接体は、先端を球面形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレリーフ加工装置。
【請求項3】
前記圧接体は、内部に弾性体を備え、該弾性体によって先端部が先端方向に付勢されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレリーフ加工装置。
【請求項4】
前記駆動部は、レリーフ加工部分における厚み方向の駆動を行なう駆動手段を備え、前記制御部が該厚み方向の駆動手段を制御することにより前記加工対象に対する圧接力を制御し、レリーフ加工部分の突出量を調整可能とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のレリーフ加工装置。
【請求項5】
前記加工対象の画像データを取得する画像取込手段を有し、
前記制御部は、演算手段と、加工情報を生成する加工情報生成手段と、前記駆動部を制御する駆動コントローラと、を備え、
前記加工情報は、前記加工対象におけるレリーフ加工を施す領域の情報と、該領域内における突出量の情報と、から構成され、
前記加工情報生成手段は、前記画像取込手段が前記加工対象に印刷された画像データを取得すると、前記演算手段に制御されて、該画像データにおける色差情報、又は、濃度差情報、又は、被写体までの距離情報、又は、顔認識情報、又は、焦点調整の情報、又は、稼動した領域情報を利用して複数の加工情報を自動で生成する処理と、使用者に該複数の加工情報の中から任意の加工情報を選択させる処理と、選択された加工情報を前記駆動コントローラに出力する処理と、を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のレリーフ加工装置。
【請求項6】
前記加工情報生成手段は、前記演算手段に制御されて、使用者が任意で設定した前記レリーフ加工を施す領域情報及び/又は使用者が任意で設定した突出量の情報から前記加工情報を生成する処理と、前記駆動コントローラに該加工情報を出力する処理と、を実行することを特徴とする請求項5に記載のレリーフ加工装置。
【請求項7】
前記制御部は、記憶手段を備え、
前記加工情報生成手段は、前記演算手段に制御されて、生成した前記加工情報を前記記憶手段に記憶させる処理を実行し、新たな加工対象にレリーフ加工をする場合には、前記記憶手段に記憶された加工情報を前記新たな加工対象にマッチングさせて加工情報を生成する処理を実行することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のレリーフ加工装置。
【請求項8】
前記駆動部は、X軸駆動ユニットと、Y軸駆動ユニットと、前記厚み方向の駆動手段であって前記圧接体を保持するZ軸駆動ユニットと、を備え、
前記加工対象は、プラテン上であるXY平面に載置され、
前記圧接体は、前記加工対象を前記プラテンに向けて圧接した状態で前記加工対象上を摺動することにより前記加工対象にレリーフ加工を施すことを特徴する請求項4乃至請求項7のいずれかに記載のレリーフ加工装置。
【請求項9】
前記駆動部は、Y軸駆動ユニットと、前記厚み方向の駆動手段であって前記圧接体を保持するZ軸駆動ユニットと、XY平面に平行に前記加工対象を搬送する搬送手段と、前記加工対象を前記圧接体に対して押さえつけるプラテンローラと、を備え、
前記圧接体は、前記Y軸駆動ユニット及びZ軸駆動ユニットによってYZ平面上を駆動し、前記プラテンローラとの間で前記加工対象を圧接した状態で前記加工対象上を摺動することにより前記加工対象にレリーフ加工を施すことを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれかに記載のレリーフ加工装置。
【請求項10】
レリーフ加工時において、前記加工対象の外周縁近傍に、前記レリーフ加工部分の中の最大突出量よりも僅かに大きな突出量とされた防護縁を加工することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のレリーフ加工装置。
【請求項11】
前記加工対象の外周縁近傍を加工禁止領域として設定することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のレリーフ加工装置。
【請求項12】
前記加工対象の材料は、伸張性を有した紙とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のレリーフ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−173121(P2010−173121A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16166(P2009−16166)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)