説明

レンジフード及びその調整方法

【課題】本発明は、外乱風(横風)がある場合においても、高い捕集率を有するレンジフード及びその調整方法を提供する。
【解決手段】加熱調理器の上方に設置されるレンジフードであって、前記加熱調理器に対向し、空気を吸引する吸引口と、前記吸引口の外側に設けられ、下方に向けて空気を吐出することにより前記吸引口からみて少なくとも2方向における外側にエアカーテンを形成する吐出口と、前記2方向における前記エアカーテンのうちで外乱風に近い側のエアカーテンのみを選択的に形成させる形成手段と、を備えたことを特徴とするレンジフードが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンジフード及びその調整方法に係わり、詳しくは、エアカーテン(air curtain)を形成させることができるレンジフード及びその調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
キッチンに設置されたレンジ等の加熱調理器の上方にレンジフードを設置し、加熱調理器から立ちのぼる油煙や臭気などを吸引捕集することが行われている。また、最近では、加熱調理器が壁に沿って設置される従来型キッチンだけでなく、加熱調理器が壁から離れたところに設置される、いわゆる、アイランド型キッチンやペニンシュラ型キッチンが普及し始めている。
従来型のキッチンでは、消防法の規制に基づいてレンジフードと加熱調理器との間の距離を800mm以上に離しても、壁があるため油煙や臭気などが拡散しにくく、油煙や臭気などを比較的簡単に捕集することができた。しかし、アイランド型キッチンやペニンシュラ型キッチンでは、その周囲が開放しているため、油煙や臭気などが拡散しやすく、油煙や臭気などの捕集が困難なものとなる。そのため、アイランド型キッチンやペニンシュラ型キッチンでは、従来よりも高い捕集性能を有するレンジフードが要求されるようになってきている。
【0003】
ここで、レンジフードの捕集性能を向上させる技術としては、「エアカーテン」が提案されている。(特許文献1及び2を参照)
しかし、特許文献1に開示されている技術は、レンジフード付近まで立ちのぼってきた油煙や臭気などをエアカーテンで包み込むようにして捕集するものである。そのため、レンジフード付近に到達する前に外乱風(横風)があった場合には拡散を防止できず、外乱風(横風)がある場合の捕集性能に問題があった。
【0004】
また、特許文献2に開示されている技術は、レンジフードの三方向(壁のない側)にエアカーテンを設け、壁とともに油煙や臭気などを囲い込んでその拡散を防止して、捕集性能を向上させようとするものである。しかし、外乱風(横風)がある場合においては、外乱風を遮断するために、エアカーテンの強さを三方向とも均等とすると、かえって風の流れに乱れを生じ、油煙や臭気などが拡散してしまうという問題があった。
【特許文献1】特開2002−228222号公報
【特許文献2】特開平10−160222号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、外乱風(横風)がある場合においても、高い捕集率を有するレンジフード及びその調整方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、
加熱調理器の上方に設置されるレンジフードであって、
前記加熱調理器に対向し、空気を吸引する吸引口と、
前記吸引口の外側に設けられ、下方に向けて空気を吐出することにより前記吸引口からみて少なくとも2方向における外側にエアカーテンを形成する吐出口と、
前記2方向における前記エアカーテンのうちで外乱風に近い側のエアカーテンのみを選択的に形成させる形成手段と、
を備えたことを特徴とするレンジフードが提供される。
【0007】
また、本発明の他の一態様によれば、
加熱調理器に対向し、空気を吸引する吸引口と、前記吸引口の外側に設けられ、下方に向けて空気を吐出することにより前記吸引口からみて少なくとも2方向における外側にエアカーテンを形成する吐出口と、を有し、前記加熱調理器の上方に設置されるレンジフードの調整方法であって、
前記2方向における前記エアカーテンのうちで外乱風に近い側のエアカーテンのみを選択的に形成させることを特徴とするレンジフードの調整方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、外乱風(横風)がある場合においても、高い捕集率を有するレンジフード及びその調整方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明をする。
図1は、本発明の第一の実施形態に係るレンジフードを説明するための模式図である。
【0010】
また、図2は、図1におけるA−A矢視模式図である。
【0011】
図1に示すように、レンジフード1は、加熱調理器IHの上方に設けられ、フード本体2と、フード本体2の内部に吸引ファン4と、を備えている。
【0012】
フード本体2は、ほぼ矩形断面を有する下部2aと、下部2aから上方に狭まるように延びる中間部2bと、中間部の上に配置された上部2cと、を備え、上部2cには吸引ファン4が収納されている。下部2a及び中間部2bの内部空間2dは、吸引風路を構成し、その中の空気が吸引ファン4によって吸引されるようになっている。吸引ファン4は、図示しない回転制御手段により、例えば、交流モータの場合は周波数を、直流モータの場合は電圧などを制御して、モータの回転数を可変させ、吸引の風速または風量を調整することができるようになっている。フード本体2は、壁に接して設置されていてもよいし、アイランド型キッチンのように部屋の壁から離れたところに設置されていてもよい。
【0013】
吐出口14b、14c、14dにはそれぞれ、風路32を介して補助ファン34が接続されている。補助ファン34は、レンジフード本体2の下部2aに収容されており、例えば、クロスフローファンなどとすることができる。補助ファン34は、図示しない回転制御手段により、例えば、交流モータの場合は周波数を、直流モータの場合は電圧などを制御して、モータの回転数を可変させ、風速または風量を調整することができるようになっている。ただし、風速または風量の調整としては、これに限られるものではなく、吐出口14b、14c、14dから吐出する空気の風速または風量が可変できればよい。例えば、図示しない絞り手段により風路32の断面積を可変させるようにすることもできるし、風路32に内部空間2dへ連通する図示しない孔を設け、この孔の断面積を調整して漏れ量を可変させるようにすることもできる。また、風速または風量の調整は、調理者が手動で行うものであっても、図示しない制御装置により自動的に行われるものであってもよい。
【0014】
風路32内には、補助ファン34から送出された空気を整流する整流器36が設けられている。整流器36としては、整流部断面がハニカム構造をしているものを例示することができる。吐出口14b、14c、14dの出口付近には図示しない角度調整手段が設けられ、吐出角度が調整できるようになっている。角度調整手段は、例えば、ルーバーなどとすることができる。吐出角度の調整は調理者が手動で行うものであっても、図示しない制御装置により自動的に行われるものであってもよい。
【0015】
尚、説明の便宜上、複数の補助ファン34を設けて個別に風速または風量を調整する場合を説明したが、補助ファンの数を減らして(例えば、一台の補助ファンとして)風路を分岐させ、分岐部分で空気流の分配量を可変させたり、分岐後に風路の断面積を可変させたりするなどして、補助ファン34の数を減らしつつ複数の風路について個別に風速または風量の調整をするようにすることもできる。また、風速または風量を調整することには、吐出する空気の遮断をも含み所望の面のエアカーテンを消失させることもできる。
【0016】
図2に示すように、フード本体2の下部2aには、矩形の下面部材6が設けられている。下面部材6には、中央孔6aを有する下面6bが設けられている。中央孔6aの内側には、整流板8が設けられ、下面部材6と整流板8との間には、空気を吸引するための吸引口10が設けられている。吸引口10は環状をなし、下面部材6の周縁に沿って設けられ、調理者側12aと奥側12bがその他の側、すなわち、左側12c及び右側12dに比較して幅広に形成されている。
【0017】
下面部材6の周縁6cと吸引口10との間には、加熱調理器IHに向かう空気流、すなわちエアカーテンを形成させる空気が吐出する吐出口14b、14c、14dが設けられている。吐出口14b、14c、14dは、吸引口10の一部分の周りを周方向に延びている。吸引口10は、直線的に延びていてもよいし、曲線的に延びていてもよいし、それらを組合せたものであってもよい。本実施形態では、奥側に設けられた奥側吐出口14bと、左側に設けられた左側吐出口14cと、右側に設けられた右側吐出口14dとからなっている。
【0018】
次に、レンジフード1の作用を図1を参照しつつ説明する。
吸引ファン4の作用により加熱調理器IHから立ちのぼってくる油煙や臭気などを、吸引領域50の空気とともに吸引口10から吸引する。これと同時に、補助ファン34の作用により吐出口14b、14c、14dのいずれかから空気を下方に向かって吐出させ、外乱風(横風)Wのある側にエアカーテン52を形成させる。このエアカーテン52により、外乱風(横風)Wが遮断され、また、吸引領域50と外部領域51とが分離される。
【0019】
詳細には、補助ファン34の作用により送り出された空気は、風路32内の整流器36により整流された後、吐出口14b、14c、14dのいずれかから下方に向かって吐出させる。そして、この吐出させた空気により外乱風(横風)Wのある側にエアカーテン52が形成される。加熱調理器IHの上面付近まで達し、風速の落ちたエアカーテン52は、吸引領域50の負圧により吸引領域50側に引かれ、吸引領域50内の油煙や臭気などを含んだ空気とともに吸引口10から排出される。
【0020】
ここで、外乱風(横風)Wの強さ、設置環境、調理者の趣向などによりエアカーテン52の強度(風速または風量)や吐出角度を調整する必要が生ずる場合がある。尚、エアカーテン52の強度(風速または風量)の調整、吐出角度の調整の必要性については、後述する。
【0021】
エアカーテン52の強度(風速または風量)の調整は、前述したように補助ファン34のモータ回転数、風路32の断面積、内部空間2dへ連通する孔の断面積などを可変させることにより行うことができ、また、特定の方向のエアカーテン52のみを形成させるようにすることもできる。エアカーテン52の吐出角度の調整も、前述したように図示しない角度調整手段(例えば、ルーバーなど)により行うことができる。
【0022】
外乱風(横風)Wがある方向とその強さは、使用者あるいは調理者が決定・感知するものでもよく、後述するレンジフード1自体またはその付近に風圧や風速などを検出する外乱風(横風)検出手段を設けて感知するようにしてもよい。また、エアカーテン52の強度(風速または風量)の調整、エアカーテン52の吐出角度の調整は、調理者が手動で行ってもよいし、後述する外乱風(横風)検出手段により検出された風圧や風速などの検出値に基づいて、制御装置により行われるものであってもよい。尚、外乱風(横風)Wの方向や強さが予め予測できるような場合は、レンジフード1の製造時または設置時に、予めこれらを調整しておくこともできる。例えば、レンジフード1を含むシステムキッチンをレイアウトする際には、その周囲に設けられる窓や扉あるいはエアコンの吹出口などの位置から外乱風Wの方向が分かる場合も多い。従って、そのようなレイアウト情報に基づいて外乱風Wの方向を予測し、エアカーテン52の形成方向や強度などを予め調整することが可能である。
【0023】
このように、エアカーテン52の強度(風速または風量)の調整、吐出角度の調整、特定の方向にのみエアカーテンを形成させることができる本発明に係るレンジフード1は、外乱風(横風)Wや設置環境などに対して適切な対処ができるため、油煙や臭気などの捕集率が高く、また、低電力消費(省エネルギー)とすることができる。さらに、特定の方向のみエアカーテンを形成すればよいので、複数の方向を複雑に制御することなく、簡単な制御とすることができる。そして、加熱調理器IH側から空気を吐出させてエアカーテンを形成させるものに比べて、作業性及び清掃性がよい。これは、加熱調理器IH側にエアカーテンの吐出口を設けると、吐出口に調理ごみが落ちたり、調理スペースが狭くなったりするからである。
【0024】
次に、外乱風(横風)Wの影響について説明する。
レンジフード1の設置場所には、エアコンによる空気流、人の動きによる空気流、窓などからの外気流などの外乱風(横風)Wがある場合がある。このような外乱風(横風)Wがあると、加熱調理器IHから立ちのぼってくる油煙や臭気などの流れを乱し、捕集率が著しく低下することになる。
一般的には、この外乱風(横風)Wを遮断して捕集率を向上させるためには、レンジフード1を取り囲むエアカーテンの強度(風速または風量)を一様に高くすればよいと考えられる。
【0025】
ここで、本発明者は、検討の結果、外乱風(横風)Wがある場合においては、吸引領域50をエアカーテンで囲み、かつ、エアカーテンの強度(風速または風量)を均等に高くしても、かえって捕集率は低下するとの知見を得た。
図3は、エアカーテンの形成状況を概念的に説明するための模式図である。図3(a)は、外乱風(横風)Wがあった場合に、3箇所の吐出口14b、14c、14dから空気を吐出させて、3面にエアカーテン54を形成させた場合である。尚、本具体例においては、残りの1面は調理者が立つ面でありエアカーテン54を形成させないようにしてある。図3(b)は、外乱風(横風)Wがあった場合に、外乱風(横風)Wがあった方向(吐出口14c)のみにエアカーテン52を形成させた場合である。
図4は、エアカーテンの形成面数と捕集率との関係を説明するためのグラフ図である。尚、捕集率はCO捕集率としたが、測定方法などの詳細は後述する。図4の左側の棒グラフ図は、1面(外乱風(横風)Wがあった方向)のみにエアカーテン52を形成させた場合であり、右側の棒グラフ図は、3面にエアカーテン54を形成させた場合である。また各棒グラフ図の左側は外乱風(横風)Wが比較的弱い時(鍋近傍で0.3m/秒)、右側は通常の生活環境で比較的起こりやすい外乱風(横風)Wを考慮した時(鍋近傍で0.45m/秒)のものである。
【0026】
図4から分かるように、3面にエアカーテン54を形成させた場合よりも、1面(外乱風(横風)Wがあった方向)のみにエアカーテン52を形成させた場合の方がかえって捕集率は高くなる。また、このことは外乱風(横風)Wが強くなるほど顕著になることもわかる。これは、外乱風(横風)Wがある方向以外の面にもエアカーテンがあると、加熱調理器IHの上面付近でかえって上昇気流が乱され、かえって鍋から上昇するCOガス(捕集率の測定対象)が、外部領域51に押し出されるからであると考えられる。
【0027】
図5は、エアカーテンの風速(強度)と捕集率との関係を説明するためのグラフ図である。図中の「1面」は、1面(外乱風(横風)Wがあった方向)のみにエアカーテン52を形成させた場合、「3面」は、3面にエアカーテン54を形成させた場合である。図5から分かるように、1面(外乱風(横風)Wがあった方向)のみにエアカーテン52を形成させた場合は、エアカーテンの風速(強度)を上げても高い捕集率を安定的に維持することができる。これに対し、3面にエアカーテン54を形成させた場合には、エアカーテンの風速により捕集率が変わり不安定な上、風速を上げすぎればかえって捕集率が落ちてしまうことが分かる。そのため、3面にエアカーテン54を形成させた場合には、エアカーテンの風速(強度)を上げることができず、比較的強い外乱風(横風)Wがある場合の遮断性にも問題が生じる。
【0028】
尚、図4と図5において外乱風(横風)Wは、図3(b)に示すように調理者から見て左側(図1においての左側)から吹いてくるものとしている。
【0029】
次に、前述したCO捕集率の測定方法について説明をする。
図6は、CO捕集率の測定装置を説明するための模式図である。
図6に示す装置は、加熱調理器IHとレンジフードに、本発明の第1の実施形態に用いるエアカーテン吐出部を搭載した装置である。エアカーテン吐出部は、レンジフードの3箇所に取り付けられている。エアカーテン吐出部に設けられた図示しないクロスフローファンの回転数を制御して、エアカーテンの強度(風速または風量)が可変できるようになっている。また、エアカーテン吐出部の出口付近には図示しないルーバーが設けられ、吐出角度が調整できるようになっている。
【0030】
加熱調理器IHのコンロ上には、湯の入った鍋が置かれている。エアカーテン吐出部があるレンジフードの1面側には横風発生装置が設けられ、鍋に横風を供給できるようになっている。鍋の縁には図示しないリング状のチューブが設けられ、このリング状のチューブには、流量調節器を介してCOガスボンベが接続されている。リング状のチューブにはCOガス吐出用の孔が複数箇所設けられ、吐出したCOガスが鍋のお湯の湯気とともに上昇するようになっている。
【0031】
CO濃度は、ダクト内(ダクト内CO濃度)と、加熱調理器IHの縁から1m程度離れ床から1m程度の高さの地点(室内CO濃度)で測定をした。CO濃度の測定器は、ヴァイサラ(Vaisala)社製CO変換器GMT222を用いた。加熱調理器IHの上面からレンジフードの下面までの距離は、940mm程度、鍋の中心から横風発生装置端面までの距離は900mm程度である。横風発生装置の吐出口サイズは、高さが加熱調理器IH天面同等高さから300mm程度、奥行きが600mm程度である。
【0032】
測定方法としては、まず、加熱調理器IHにより鍋の湯を沸かし、レンジフードの吸引ファンを運転する。次に、COガスボンベからCOガスを12.5リットル/分の流量で供給し、鍋の縁に設けられたリング状のチューブの孔から吐出させた。そして、この時のダクト内のCO濃度をダクト内CO濃度とした。また、エアカーテンを形成させると共に、エアカーテンがないときに鍋の近傍で0.3m/秒または0.45m/秒となる横風を供給した。そして、この時の室内のCO濃度(室内CO濃度)を測定した。
【0033】
尚、予めCOガスをCOガスボンベから流量調節器を介して直接、ダクト内に12.5リットル/分で供給し、ダクト内のCO濃度の測定値からその時の室内CO濃度(ppm)を差し引いた値を、直接供給CO濃度(ppm)とした。
これらの測定値を用い、捕集率を以下の式で計算した。
【0034】
【数1】

【数2】

ここで、Hは排気風量(m/時)、Cは捕集率(%)、ρ1は直接供給CO濃度(ppm)、ρ2はダクト内CO濃度(ppm)、ρ3は室内CO濃度(ppm)である。
次に、本実施形態に係るレンジフードの変型例について説明をする。
図7〜図10は、本変型例に係る図1におけるA−A矢視模式図である。図2に関して説明したものとは、吐出口の形状や配置が異なるほかは同様の構造をしているため、異なる部分のみ説明をする。
【0035】
図7に示すものは、吐出口57を一体的に設けたところが図2で説明したものと異なる。このようにすれば、より幅の広いエアカーテンを形成させることができる。ただし、吐出口57に至る風路は、適宜区画することができる。例えば、一体的な吐出口57に至る風路が、レンジフード1の背面側(図7の下方)と、左右と、の3つに区画されており、これら区画された風路のそれぞれにおける風速や風量を独立に制御可能とすることができる。このようにすれば、外乱風(横風)Wがある方向のエアカーテンのみを形成させることが可能となる。
【0036】
図8に示すものは、例えば、従来型のキッチンのように壁に沿ってレンジフード1を設置する場合に用いると好適な変型例である。壁に沿ってレンジフード1を設置するものとすれば、壁側の面と、壁側の面に対向する調理者が立つ側の面には、エアカーテンを必ずしも形成させる必要はない。壁や調理者によっても外乱風(横風)Wが遮断され、吸引領域50と外部領域51とが分離されるからである。また、調理者にエアカーテンが直接当たれば不快感を感ずる場合もあるからである。そのため、図8に示すものでは、左右の2面側のみに吐出口58a、58bを設けるものとしている。ただし、壁に沿ってレンジフード1を設置する場合においても、壁がある側の面と調理者が立つ側の面の双方、または、どちらか一方にも吐出口を設けるようにすることもできる。
【0037】
図9(a)に示すものは、例えば、図9(b)に例示するペニンシュラ型キッチンに用いるものである。ペニンシュラ型キッチンの場合は、調理者から見て左側または右側(図9(b)の場合は左側)に壁があることになる。そのため、この場合においても、壁側の面と、調理者が立つ側の面には、エアカーテンを必ずしも形成させる必要はない。壁や調理者によっても外乱風(横風)Wが遮断され、吸引領域50と外部領域51とが分離されるからである。また、調理者にエアカーテンが直接当たれば不快感を感ずる場合もあるからである。そのため、図9(a)に示すものでは、他の2面側のみに吐出口59a、59bを設けるようにしている。ただし、ペニンシュラ型キッチンにレンジフード1を設ける場合においても、壁がある側の面と調理者が立つ側の面の双方、または、どちらか一方にも吐出口を設けるようにすることもできる。
【0038】
また、本変型例においては、図9(a)に示すように、吐出口59a、59bには、レンジフードの周方向に対して垂直な方向の幅が拡がっている幅広領域60が設けられている。この幅広領域60は、互いに同じ輪郭を有し等間隔に設けられることが好ましい。例えば、定幅領域(吐出口のうちで幅広領域以外の部分)の幅は15〜40mm、幅広領域の幅は30〜130mm、幅広領域の周方向の長さは15〜40mm程度とすることができる。尚、図9(a)に示した幅広領域60の形状は矩形であるが、これに限定されるわけではなく、その輪郭線を任意の直線や曲線で構成することもできる。例えば、三角形や多角形でもよいし、それらの角に丸みを付けたものでもよい。また、輪郭線を正弦曲線で構成するようにすることもできる。また、図9(a)に示した幅広領域60は、吐出口59a、59bの長手方向片側に 設けられているが、両側に対向するように設けることもできる。
【0039】
次に、幅広領域60の作用と効果について説明する。
幅広領域の輪郭線が三角形の場合、吐出口59a、59bから吐出される空気によって生じる初期渦は、幅広領域60の輪郭によって破壊される。その結果、幅広領域60が設けられていない場合と比較して、エアカーテンとその両側の空気(吸引領域50、外部領域51)との間の相互移動作用が弱くなり、エアカーテンの到達距離を長くすることが可能となる。
【0040】
また、エアカーテンには吐出口59a、59bにおける吐出速度と同じ速度を有するポテンシャルコアと呼ばれる領域が形成されている。そして、幅広領域60が設けられた部分では、幅広領域60が設けられていない部分よりもポテンシャルコアの領域が下流方向(加熱調理器IHの方向)に延長され、その周りの空気も下流方向に引きずられるようになる。それにより、下流方向に向かうエアカーテンの推進力が高まり、エアカーテンの到達距離を長くするとともに強度も高めることができる。
【0041】
その結果、吸引領域50と外部領域51との間の遮断性能が確保され、捕集率を向上させることができる。また、本発明によるレンジフード1は、幅広領域60が設けられていないものと比較して、外乱風(横風)Wがある場合においても、捕集率に対する外乱風(横風)Wの影響を抑制することができる。また、エアカーテンの強度(風速または風量)が同じ場合であっても、エアカーテンの到達距離が長いため、レンジフード1と加熱調理器IHとの間の距離を長くすることができる。言い換えると、レンジフード1と加熱調理器IHとの間の距離が同じであれば、エアカーテンの強度(風速または風量)を小さくすることができ、それにより、空気流を吐出するための補助ファン34の小型化及び省電力化を図ることもできる。
【0042】
また、幅広領域の輪郭線が三角形で、各幅広領域60が、互いに同じ輪郭で等間隔に設けられる場合、各幅広領域60により破壊される渦の状態が同等になるので、空気流の乱れが防止され、エアカーテンの到達距離をさらに長くすることができる。
【0043】
また、各幅広領域60が、互いに同じ輪郭で等間隔に設けられる場合、ポテンシャルコアの下流方向(加熱調理器IHの方向)への延長状態が同等になるので、空気流の乱れが防止され、エアカーテンの到達距離をさらに長くすることができる。
【0044】
また、幅広領域60が複数設けられている場合には、幅広領域60が1つしか設けられない場合と比較して、広範囲でエアカーテンの到達距離を長くすることが可能となる。
【0045】
尚、幅広領域60を設けることは、図9(a)に示した吐出口59a、59bに限定されるわけではない。例えば、前述した図2、図7、図8の各吐出口にも設けることができるし、そのほかの形状や配置がされた吐出口にも設けることができる。
【0046】
図10(a)に示すものは、図10(b)に例示するアイランド型キッチンに用いるものである。アイランド型キッチンの場合は、図10(b)に示すように、レンジフード1が壁に沿って設置されていない。そのため、この場合においては、調理者が立つ側の面のエアカーテンが、必ずしも必要とはならない。調理者によっても外乱風(横風)Wが遮断され、吸引領域50と外部領域51とが分離されるからである。また、調理者にエアカーテンが直接当たれば不快感を感ずる場合もあるからである。そのため、図10(a)に示すものでは、他の3面側に吐出口61a、61b、61cを設けるようにしている。ただし、アイランド型キッチンにレンジフード1を設ける場合においても、調理者が立つ側の面にも吐出口を設けるようにすることもできる。
【0047】
次に、本実施形態に係るレンジフードの他の具体例について説明をする。
図11は、レンジフードの外観を説明するための斜視図である。レンジフード1自体は、図1において説明したものと同等であるため、図1に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0048】
下部2aの調理者側の面には、操作スイッチ62と切替スイッチ63とが設けられている。操作スイッチ62は、レンジフード1の基本的操作である吸引動作の「入切」、吸引動作の「強弱の切替」、手元照明の「入切」、動作タイマーの「設定」などを行うためのものである。切替スイッチ63は、エアカーテンの「形成方向の切替、強度の切替」などを行うためのものである。また、操作スイッチ62、切替スイッチ63は、図示しない制御手段に電気的に接続され、操作スイッチ62、切替スイッチ63の操作により各部の動作や調整が行われるようになっている。尚、説明の便宜上、操作スイッチ62と切替スイッチ63とが別々に設けられる場合を説明したが、これらを一体的にしたものであってもよい。また、前述の操作スイッチ62と切替スイッチ63の内容はあくまで例示であり、その内容は適宜変更が可能である。
【0049】
図12は、操作スイッチ62aと切替スイッチ63aとを説明するための模式図である。図12(a)は、操作スイッチ62aを説明するための模式図である。操作スイッチ62aには、吸引動作の「切」を行うためのスイッチ64a、吸引動作の「入または強弱の切替」を行うためのスイッチ65a、手元照明の「入切」を行うためのスイッチ66a、動作タイマーの「設定」を行うためのスイッチ67aが設けられている。
【0050】
これらのスイッチの機能を例示するものとすれば、例えば、スイッチ65aを一度押せば吸引ファン4が起動して、レンジフード1の吸引動作が始まり、スイッチ64aを押せば吸引ファン4は停止するようにすることができる。スイッチ65aは、図中に示すように「強、中、弱」の三段階の切替も行うものであり、スイッチ65aの「強、中、弱」のいずれかを押すことにより、吸引ファン4の吸引動作の強弱が切り替えられるようにすることができる。また、スイッチ66aを一度押せば図示しない手元照明が点灯し、再びスイッチ66aを押せば図示しない手元照明が消灯するようにすることができる。スイッチ67aは、レンジフード1の動作の終始を管理するためのタイマーとすることができる。例えば、調理者がレンジフード1の前を離れる前に「切れ時間」を設定し、その時間が来た時には、レンジフード1の電源が切れるようにするなどの使い方ができる。時間設定は、スイッチ67aを押すたびに所定の長さの時間が加算的に設定されたり、図示しない表示装置を用いて時間を設定するようにすることもできる。
【0051】
図12(b)は、切替スイッチ63aを説明するための模式図である。切替スイッチ63aには、エアカーテンの「強、中の切替と停止」を行うためのスイッチ68aが、エアカーテンが形成される面の方向に合わせて設けられている。図12(b)に示すものは、3面にエアカーテンが形成できる場合のものであり、どの面のスイッチ68aを選ぶかでエアカーテンの「形成方向の切替」ができるようになっている。パネル69は、加熱調理器IHに設けられたコンロの配置を示したものであり、形成または調整対象となるエアカーテンに対応するスイッチ68aの選択を容易にさせるためのものである。そのため、パネル69は必ずしも必要となるものではない。
【0052】
スイッチ68aは、図中に示すように「強、中、切」の二段階の切替と停止を行うものであり、スイッチ68aの「強、中、切」のいずれかを押すことにより、エアカーテンの強度(風速または風量)の切替と停止が行えるようになっている。尚、「強、中」における風速または風量の設定値は、外乱風(横風)Wの影響などを考慮して、予め実験などにより求められた所定の値となっている。
【0053】
図13は、切替スイッチ63bを説明するための模式図である。
切替スイッチ63bには、エアカーテンの「強、中、弱」の切替と「停止」を行うためのスイッチ68bが、エアカーテンが形成される面の方向に合わせて設けられている。図13に示すものは、3面にエアカーテンが形成できる場合のものであり、どの面のスイッチ68bを選ぶかでエアカーテンの「形成方向の切替」ができるようになっている。パネル69は、加熱調理器IHに設けられたコンロの配置を示したものであり、調整対象となるエアカーテンに対応するスイッチ68bの選択を容易にさせるためのものである。そのため、パネル69は必ずしも必要となるものではない。
【0054】
スイッチ68bは、図中に示すように「強、中、弱」の三段階の切替を行うものであり、スイッチ68bの「強、中、弱」のいずれかを押すことにより、エアカーテンの強度(風速または風量)の切替が行えるようになっている。また、「強、中、弱」の同じ部分を再び押すと空気の吐出が停止されるようになっている。例えば、「強」→「弱」で「強」から「弱」への切替、「強」→「強」で「停止」するようになっている。尚、「強、中、弱」における風速または風量の設定値は、外乱風(横風)Wの影響などを考慮して、予め実験などにより求められた所定の値となっている。
【0055】
図14は、切替スイッチ70を説明するための模式図である。
切替スイッチ70には、エアカーテンの「強弱の切替」と「停止」を行うためのスイッチ68cが、エアカーテンが形成される面の方向に合わせて設けられている。図14に示すものは、3面にエアカーテンが形成できる場合のものであり、どの面のスイッチ68cを選ぶかでエアカーテンの「形成方向の切替」ができるようになっている。
【0056】
スイッチ68cは、「強、停止」の切替を行うものであってもよいし、押している時間の長さにより、エアカーテンの強度(風速または風量)が連続的に可変でき、また、短時間に続けて押せば停止できるようなものであってもよい。尚、風速または風量の設定値は、外乱風(横風)Wの影響などを考慮して、予め実験などにより求められた所定の値となっている。
【0057】
図15は、切替スイッチ71を説明するための模式図である。
切替スイッチ71には、エアカーテンの「強、中の切替と停止(切)」を行うためのスイッチ68dが、エアカーテンが形成される面の方向に合わせて設けられている。図15に示すものは、3面にエアカーテンが形成できる場合のものであり、どの面のスイッチ68dを選ぶかでエアカーテンの「形成方向の切替」ができるようになっている。
【0058】
スイッチ68dは、図中に示すように「強、中、切」の二段階の切替と停止を行うものであり、スイッチ68dのつまみをスライドさせて「強、中、切」のいずれかの位置に合わせることで、エアカーテンの強度(風速または風量)の切替と停止が行えるようになっている。また、スイッチ68dのつまみのスライド位置により、エアカーテンの強度(風速または風量)が連続的に可変できるようなものであってもよい。尚、風速または風量の設定値は、外乱風(横風)Wの影響などを考慮して、予め実験などにより求められた所定の値となっている。
【0059】
図16は、切替スイッチ73を説明するための模式図である。
切替スイッチ73には、エアカーテンの「強、中、弱」の切替と「停止」を行うためのスイッチ68b、調整対象となるエアカーテンに対応するスイッチ68bの選択を容易にさせるためのパネル69、吐出角度の「上、中、下の切替」を行うためのスイッチ74が設けられている。スイッチ68b、パネル69は図13で説明したものと同等であるため説明は省略する。
【0060】
スイッチ74は、図中に示すように「上、中、下」の三段階の吐出角度の切替を行うものであり、スイッチ74の「上、中、下」のいずれかを押すことにより、エアカーテンの空気の吐出角度の切替が行えるようになっている。例えば、「下」を鉛直下方、「中」を鉛直下方から上方に10度回転した位置、「上」を鉛直下方から上方に20度回転した位置とすることができる。尚、「上、中、下」における吐出角度の設定値は、前述したものに限定されるわけではなく、外乱風(横風)Wの影響などを考慮して、予め実験などにより求められた所定の値をもちいることができる。また、スイッチ74の代わりに、吐出角度が連続的に可変可能なスイッチを設けるようにすることもできる。例えば、スイッチを押している間だけ吐出角度が連続的に変わるようなものであってもよい。
【0061】
図17は、レンジフード内に切替スイッチが内蔵されている場合を説明するための模式図である。
例えば、切替スイッチ70や切替スイッチ71をレンジフード1内に内蔵させて、工場出荷時またはレンジフード1の設置工事時に、製造作業者または設置作業者がシステムキッチンのレイアウトや設置環境に合わせて、エアカーテンの「形成方向の切替、強度の切替」を初期設定することもできる。設置環境によっては外乱風(横風)Wの方向や強さが安定している場合もあるので、初期設定値として設定しておけば、調理者の設定ミスを防止することができる。また、このようにした場合でも内蔵された切替スイッチによる再設定が可能であるため、後日の環境変化にも対応することができる。尚、図11で説明をした調理者が操作をするための切替スイッチ63との併用をすることもできる。
【0062】
次に、本実施形態に係るレンジフードのさらに他の具体例について説明をする。
【0063】
図18は、レンジフードに設けられた外乱風(横風)Wの検出手段を説明するための模式図である。レンジフード1自体は、図1において説明したものと同等であるため、説明は省略する。
【0064】
図18に示すように、エアカーテンが形成される面の下部2aには、外乱風(横風)検出手段72が設けられている。外乱風(横風)検出手段72は、外乱風(横風)Wの風圧や風速などを検出する機能を有する。検出された風圧や風速などの値は、電気信号に変換され図示しない制御装置に送られ、この検出値に基づいてエアカーテンの形成方向が決められ、強度(風速または風量)や吐出角度の調整が行われる。すなわち、外乱風(横風)Wがある方向にのみエアカーテンが形成される。尚、外乱風(横風)検出手段72の設置位置は、図示した位置に限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、必ずしもレンジフード1自体に設ける必要はなく、レンジフード1の付近に設けるようにすることもできる。
【0065】
次に、本実施形態に係るレンジフードのさらに他の具体例について説明をする。
外乱風(横風)Wがない場合は、レンジフード1を取り囲むエアカーテンの強度(風速または風量)を同等とした方が捕集率を向上できる傾向が強い。ただし、その場合においても設置環境に合わせた、エアカーテンの強度(風速または風量)や吐出角度の調整が必要となる場合はある。
【0066】
図19は、切替スイッチ75を説明するための模式図である。
切替スイッチ75には、エアカーテンの「強、中、弱」の切替と「停止」を行うためのスイッチ68b、調整対象となるエアカーテンに対応するスイッチ68bの選択を容易にさせるためのパネル69、外乱風(横風)Wの「有、無」に合わせた切替を行うためのスイッチ76が設けられている。スイッチ68b、パネル69は図13で説明したものと同等であるため説明は省略する。
【0067】
スイッチ76は、外乱風(横風)Wの「有、無」に合わせた切替を行うためのものであり、例えば、スイッチ76を押すことにより「外乱風(横風)無し」のモードに入り、再びスイッチ76を押すことにより「外乱風(横風)有り」のモードに入る。そして、「外乱風(横風)無し」のモードでは、全ての面のエアカーテンの強度(風速または風量)が同等となる。この場合、3つあるスイッチ68bのいずれかの「強、中、弱」の切替で、全ての面のエアカーテンの強度(風速または風量)が同時に切り替えられるようにすることができる。
【0068】
一方、「外乱風(横風)有り」のモードでは、図13で説明した切替スイッチ63bと同じ機能をはたすので説明は省略する。尚、説明の便宜上、図13に示した切替スイッチ63bに基づいて説明をしたが、前述の他の切替スイッチ63、63a、70、71、73に適応させることもできる。
【0069】
また、図18に示したような、外乱風(横風)検出手段72により外乱風(横風)Wの「有、無」を検出して、自動的に「外乱風(横風)無し」のモードと「外乱風(横風)有り」のモードとの切替を行うこともできる。尚、その際、「外乱風(横風)有り」のモードでは、外乱風(横風)Wがある側にエアカーテン52が形成されることになる。
【0070】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明をした。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
前述の具体例に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
【0071】
例えば、レンジフード1、加熱調理器IH、フード本体2、下部2a、中間部2b、上部2c、内部空間2d、吸引ファン4、下面部材6、中央孔6a、下面6b、整流板8、吸引口10、吐出口14b、14c、14d、風路32、補助ファン34、整流器36、操作スイッチ62、操作スイッチ62a、切替スイッチ63、切替スイッチ63a、切替スイッチ63b、スイッチ64a、スイッチ65a、スイッチ66a、スイッチ67a、スイッチ68a、スイッチ68b、スイッチ68c、スイッチ68d、パネル69、切替スイッチ70、切替スイッチ71、外乱風(横風)検出手段72、切替スイッチ73、スイッチ74、切替スイッチ75、スイッチ76などの形状、寸法、配置、個数等は具体例として説明したものに限定されるものではない。
【0072】
また、補助ファン34としてクロスフローファンを例示したが、これに限定されるものではなく、シロッコファン、軸流ファンなど送風機能を有するものから適宜選択することが可能である。
【0073】
また、説明の便宜上、外乱風(横風)は、ほぼ水平方向から吹いてくるものとしているが、これに限定されるわけではなく、本発明は、水平に対して傾斜した方向から吹いてくるものに対しても対応が可能である。
また、説明の便宜上、外乱風(横風)は、レンジフード1に向かって吹いてくるものとしたが、レンジフード1から遠ざかる方向の場合(エアカーテンが吸引される場合)も同様である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るレンジフードを説明するための模式図である。
【図2】図1におけるA−A矢視模式図である。
【図3】エアカーテンの形成状況を概念的に説明するための模式図である。
【図4】エアカーテンの形成面数と捕集率との関係を説明するためのグラフ図である。
【図5】エアカーテンの風速(強度)と捕集率との関係を説明するためのグラフ図である。
【図6】CO捕集率の測定装置を説明するための模式図である。
【図7】他の実施形態に係る図1におけるA−A矢視模式図である。
【図8】他の実施形態に係る図1におけるA−A矢視模式図である。
【図9】他の実施形態に係る図1におけるA−A矢視模式図である。
【図10】他の実施形態に係る図1におけるA−A矢視模式図である。
【図11】レンジフードの外観を説明するための斜視図である。
【図12】操作スイッチと切替スイッチとを説明するための模式図である。
【図13】切替スイッチを説明するための模式図である。
【図14】他の実施形態に係る切替スイッチを説明するための模式図である。
【図15】他の実施形態に係る切替スイッチを説明するための模式図である。
【図16】他の実施形態に係る切替スイッチを説明するための模式図である。
【図17】レンジフード内に切替スイッチが内蔵されている場合を説明するための模式図である。
【図18】レンジフードに設けられた外乱風(横風)Wの検出手段を説明するための模式図である。
【図19】他の実施形態に係る切替スイッチを説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0075】
1 レンジフード、2 フード本体、4 吸引ファン、14b 吐出口、14c 吐出口、14d 吐出口、34 補助ファン、52 エアカーテン、53 エアカーテン、56 エアカーテン、57 吐出口、58a 吐出口、58b 吐出口、59a 吐出口、59b 吐出口、60 幅広領域、61a 吐出口、61b 吐出口、61c 吐出口、62 操作スイッチ、62a 操作スイッチ、63 切替スイッチ、63a 切替スイッチ、63b 切替スイッチ、64a スイッチ、65a スイッチ、66a スイッチ、67a スイッチ、68a スイッチ、68b スイッチ、68c スイッチ、68d スイッチ、70 切替スイッチ、71 切替スイッチ、72 外乱風(横風)検出手段、73 切替スイッチ、74 スイッチ、75 切替スイッチ、76 スイッチ、θ 吐出角度、W 外乱風(横風)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理器の上方に設置されるレンジフードであって、
前記加熱調理器に対向し、空気を吸引する吸引口と、
前記吸引口の外側に設けられ、下方に向けて空気を吐出することにより前記吸引口からみて少なくとも2方向における外側にエアカーテンを形成する吐出口と、
前記2方向における前記エアカーテンのうちで外乱風に近い側のエアカーテンのみを選択的に形成させる形成手段と、
を備えたことを特徴とするレンジフード。
【請求項2】
外乱風を検出する外乱風検出手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のレンジフード。
【請求項3】
前記エアカーテンを形成する空気の吐出角度を調整する角度調整手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のレンジフード。
【請求項4】
前記吐出口は、前記吸引口の周りを周方向に延在し、前記周方向に対して略垂直な方向の幅が広い幅広領域を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のレンジフード。
【請求項5】
前記エアカーテンの選択を切り替える切替スイッチをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のレンジフード。
【請求項6】
前記切替スイッチは、前記レンジフード内に内蔵されていることを特徴とする請求項5記載のレンジフード。
【請求項7】
加熱調理器に対向し、空気を吸引する吸引口と、前記吸引口の外側に設けられ、下方に向けて空気を吐出することにより前記吸引口からみて少なくとも2方向における外側にエアカーテンを形成する吐出口と、を有し、前記加熱調理器の上方に設置されるレンジフードの調整方法であって、
前記2方向における前記エアカーテンのうちで外乱風に近い側のエアカーテンのみを選択的に形成させることを特徴とするレンジフードの調整方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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