説明

レンジフード用フィルターカバー

【課題】 レンジフードの吸気口に取り替え可能に装着するフィルターカバーであって、開口幅の異なる吸気口に応じて長さ調整を正確に行えると共に、吸気口に対する装着が安全に且つ精度よく行えるフィルターカバーを提供する。
【解決手段】 横長長方形状のアルミ製枠体2にフィルター材3を張設してなるカバー一半部1Aとカバー他半部1Bとを重ね合わせると共に、その対向側端部の上下隅角部に設けている突片4a、4bに折目を介して挟持片6a、6bを連設してこの挟持片6a、6bを折り曲げることにより、カバー一半部1Aとカバー他半部1Bとの上下横枠材2a、2bを長さ方向に伸縮自在に連結してあり、さらに、上記突片4a、4b及び挟持片6a、6bの外周縁に縁巻部を設けていると共に突片4a、4bに、カバー一半部1Aとカバー他半部1Bとを収縮させた際に、対向側端部の上下隅角部に当接する湾曲凸条部7a、7bを設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理用ガスレンジの上方に配設されたレンジフードの吸気口に取り替え可能に装着して使用されるレンジフード用フィルターカバーの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、飲食店の厨房はもとより一般家庭の台所において、調理時に発生する油煙や臭気等を排出するために、排気ファンを備えたレンジフードが広く採用されている。そして、深型のレンジフードは広範囲の油煙を排気させるためにフード自体が大型に形成されてあり、しかも、システムキッチン等のデザインとの調和を配慮してフードの奥行き寸法や横幅寸法が種々に異なっているため、このようなレンジフードに取付けるフィルターカバーとしては、その形状をレンジフードの吸気口に適合可能な構造にする必要がある。
【0003】
このため、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されているように、フィルターカバーを横長長方形状のアルミニウム製枠体に不織布等のフィルター材を張設してなるカバー一半部とカバー他半部とから構成し、これらのカバー一半部とカバー他半部とを重ね合わせて左右方向に伸縮自在に連結することにより、開口幅が異なるレンジフードの吸気口に適合可能にしている。
【0004】
この場合、カバー一半部とカバー他半部とを左右方向に伸縮自在に連結するための構造としては、特許文献1においては、断面C字状の弾性クリップによりカバー一半部とカバー他半部との重ね合わせた上下枠部を長さ方向に摺動可能に挟持させた構造とし、特許文献2においては、カバー一半部とカバー他半部との分割端面(対向端縁)における上下端縁にアルミニウム片からなる舌片を突設し、カバー一半部側に設けている上下舌片を折り返してカバー他半部の上下枠部を摺動自在に挟持させ、カバー他半部側に設けている上下舌片を折り返してカバー一半部の上下枠部を摺動自在に挟持させた構造としている。
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第2520826号公報
【特許文献2】登録実用新案第2520846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前者のようにフィルターカバーとは別体の弾性クリップによってカバー一半部とカバー他半部との上下枠部を重ね合わせた状態で挟持させると、これらのカバー一半部とカバー他半部とを長さ方向に伸縮させた際に、弾性クリップがカバーの上下枠部との摺接摩擦力によってその挟持面が摺動方向に対して拗れる方向に傾動し、弾性クリップの先端角部が上下枠部に引っ掛かって長さ調整が円滑に行えなくなるばかりでなく、上下枠部を損傷させる虞れがある。また、市販時にカバー一半部とカバー他半部を重ね合わせて袋に収納すると、弾性クリップを装着している場合には嵩高くなると共に弾性クリップによって袋が破損する虞れがあり、弾性クリップをカバーと別にしておくと、使用時にはカバーへの煩雑な装着作業が必要となるといった問題点がある。
【0007】
一方、後者のように、カバー一半部とカバー他半部との分割端面の上下端縁にアルミニウム片からなる舌片を突設している場合には、この上下舌片を折り返して対向するカバー一半部又はカバー他半部の上下枠部を挟持させることにより、簡単にこれらのカバー一半部とカバー他半部とを長さ方向に伸縮可能に連結することができると共に、長さ方向に伸縮させてもカバー一半部やカバー他半部を損傷させる虞れはないが、アルミニウム片からなる舌片やこの舌片を設けている上下枠部の側端面にはアルミニウム箔の薄い端面がそのまま露呈した構造となっているため、フィルターカバーの装着作業時等において、この端面で指先等が切傷を受ける虞れがあると共に、市販用の袋内にカバー一半部とカバー他半部とを重ねた状態で収納する際においては、カバー一半部とカバー他半部の上下枠部を重ね合わせた状態で挟持している上記舌片が、上下枠部の端部から外側方に離脱し、正確に重ねることができなくなるばかりでなく、突出した舌片の側端面で指先等が傷を受ける危険性があった。
【0008】
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、カバー一半部とカバー他半部とをコンパクトに且つ正確に重ね合わせた状態に維持し得ると共に、レンジフードの吸気口に装着する際等において、指先などに切傷を受けることのなく安全に装着作業が行え、且つ、レンジフードの吸気口の開口幅に応じて円滑且つ正確に長さ調整が行えるようにしたレンジフード用フィルターカバーを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明のレンジフード用フィルターカバーは、請求項1に記載したように、横長長方形状のアルミニウム製枠体にフィルター材を張設してなるカバー一半部とカバー他半部とを互いに対向部分を重ね合わせて長さ方向に伸縮自在に連結してなるレンジフード用フィルターカバーであって、これらのカバー一半部とカバー他半部との上記枠体における上下横枠部と左右縦枠部との互いに平行な外端縁に縁巻部を形成していると共にこれらの縁巻部の内側に直状の凹条部とこの凹条部の内側に並設した直状の凸条部とを形成してあり、さらに、カバー一半部とカバー他半部との対向する側端部の上下隅角部に突片を一体に設けて、この突片に上記上下横枠部に設けている凸条部の一端と縦枠部に設けている凸条部の上下端とを連続させた湾曲凸条部を形成していると共に、これらの上下突片に上下縦枠部の外端縁からそれぞれ上下方向に突出し且つ表裏面側に重なる方向に折り曲げることによってカバー一半部とカバー他半部との上下横枠部を重ね合わせた状態で互いに左右方向に摺動自在に挟持した挟持片を連設してあり、この挟持片と上記突片との外周縁に縁巻部を形成している一方、カバー一半部とカバー他半部とにおける突片を設けていない他方の側端部の上下隅角部に上記上下突片に設けている湾曲凸条部に係合可能な円弧状凸条部を形成していることを特徴とする。
【0010】
このように構成したレンジフード用フィルターカバーにおいて、請求項2に係る発明は、カバー一半部とカバー他半部とにおける突片を形成している側端部と反対側の側端部における縦枠部の長さ方向の中央部にマグネットを備えた取付片を設けていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、横長長方形状のアルミニウム製枠体にフィルター材を張設してなるカバー一半部とカバー他半部とを互いに対向部分を重ね合わせて長さ方向に伸縮自在に連結してなるレンジフード用フィルターカバーであって、これらのカバー一半部とカバー他半部との上記枠体における上下横枠部と左右縦枠部との互いに平行な外端縁に縁巻部を形成していると共にこれらの縁巻部の内側に直状の凹条部とこの凹条部の内側に並設した直状の凸条部とを形成しているので、体裁のよい外観を呈するのは勿論、カバー一半部とカバー他半部との外周縁部全体が曲げ剛性を発揮して保形性に優れ、精度のよいフィルターカバーを提供することができる。
【0012】
さらに、カバー一半部とカバー他半部との対向する側端部の上下隅角部に突片を一体に設けて、この突片に上記上下横枠部と縦枠部とに設けている凸条部に連なった湾曲凸条部を形成していると共に、これらの上下突片に上下縦枠部の外端縁からそれぞれ上下方向に突出し且つ表裏面側に重なる方向に折り曲げることによってカバー一半部とカバー他半部との上下横枠部を重ね合わせた状態で互いに左右方向に摺動自在に挟持した挟持片を連設し、この挟持片と上記突片との外周縁に縁巻部を形成しているので、指先等が不測に挟持片や突片の外周縁と摺接しても擦り傷や切り傷を受ける虞れがない。
【0013】
従って、カバー一半部とカバー他半部との重ね合わせ作業や使用時におけるレンジフードへの装着作業が安全に行えると共に、重ね合わせた状態においては、カバー一半部の上下横枠部に設けている直状の凹凸条部とカバー他半部の上下枠枠部に設けている直状の凹凸条部とが互いに嵌合し且つこの状態で挟持片の折り曲げによりその嵌合状態を維持しているので、カバー一半部とカバー他半部とを簡単且つコンパクトに組み合わせることができるのは勿論、互いに嵌合した凹凸条部をガイドとしてカバー一半部とカバー他半部とを長さ方向に正確に且つ円滑に伸縮移動させることができ、レンジフードの吸気口の幅に応じて精度よく装着し得るフィルターカバーを得ることができる。
【0014】
その上、カバー一半部とカバー他半部とにおける上記突片及び挟持片を設けていない他方の側端部の上下隅角部に上記上下突片に設けている湾曲凸条部に係合可能な円弧状凸条部を形成しているので、カバー一半部とカバー他半部とを重ね合わせた状態で挟持片をガイドとして互いに収縮させた際に、カバー一半部側の側端部に設けている上下突片が該側端部と重なり合うカバー他半部の側端部の上下隅角部に設けている円弧状凸条部に当接、係止すると共に、カバー他半部側の側端部に設けている上下突片が該側端部と重なり合うカバー一半部の側端部の上下隅角部に設けている円弧状凸条部に当接、係止して、その当接、係止した際の抵抗力によりカバー一半部とカバー他半部とが所定の重なり形態になったことを感知することができ、従って、カバー一半部とカバー他半部とがそれ以上、外側方に移動するのを阻止することができて一定の正確な重合形態にすることができ、袋等に収納する際の作業等が円滑に行うことができるものである。
【0015】
また、請求項2に係る発明によれば、カバー一半部とカバー他半部とにおける突片を形成している側端部と反対側の側端部における縦枠部の長さ方向の中央部にマグネットを備えた取付片を設けているので、これらのカバー一半部とカバー他半部との長さ調整によってレンジフードの吸気口の幅に適合したフィルターカバーを形成したのち、上記マグネットを吸気口の対向内側面に吸着させることにより、レンジフードに本発明フィルターカバーを簡単に且つ正確に取付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1はレンジフード用フィルターカバーの簡略斜視図、図2は分解斜視図であって、このフィルターカバーは同大、同形で且つ同一構造を有する横長長方形状のカバー一半部1Aとカバー他半部1Bとからなり、これらのカバー一半部1Aとカバー他半部1Bとを長さ方向に伸縮自在に連結することによって、開口幅が異なるレンジフードの吸気口に対応可能に形成している。
【0017】
上記カバー一半部1Aとカバー他半部1Bとは、アルミニウム箔又は薄肉のアルミニウムシート材からなる横長長方形状のアルミニウム製枠体2に不織布よりなるフィルター材3を張設してなるもので、枠体2は上下に一定間隔を存して平行に配設した上下横枠材2a、2bと、これらの上下横枠材2a、2bの一端間と他端間をそれぞれ連続させている左右縦枠材2c、2dとから横長の矩形枠に形成されていると共に、上下横枠材2a、2bの対向辺間と左右縦枠材2c、2dの対向辺間に補強桟部2e、2fを一体に設けている。
【0018】
さらに、上下横枠材2a、2bの外端縁、即ち、上側横枠材2aの上端縁と下側横枠材2bの下端縁とに全長に亘って縁巻部2a1 、2b1 を形成していると共に、この縁巻部2a1 、2b1 の内側に図3〜図4に示すように、裏面側に向かって断面V字状ないしは台形状に屈折した直状の凹条部2a2 、2b2 をそれぞれ形成してあり、さらに、これらの上下凹条部2a2 、2b2 の内側に裏面側から表面側に向かって突出した断面山形状の直条の凸条部2a3 、2b3 を形成している。なお、上記凹条部2a2 、2b2 の内側傾斜壁面と凸条部2a3 、2b3 の外側の傾斜壁面とを共通するようにこれらの凹凸条部を内側に向かって縁巻部2a1 、2b1 と平行して連続形成している。
【0019】
同様に、左右の縦枠材2c、2dにおいても、その外側端縁に縁巻部2c1 、2d1 を全長に亘って形成していると共に、この縁巻部2c1 、2d1 の内側に裏面側に向かって断面V字状ないしは台形状に屈折した直状の凹条部2c2 、2d2 をそれぞれ形成してあり、さらに、これらの左右の凹条部2c2 、2d2 の内側に裏面側から表面側に向かって突出した断面山形状の直条の左右凸条部2c3 、2d3 を縦方向に形成している。なお、上記凹条部2c2 、2d2 の内側傾斜壁面と凸条部2c3 、2d3 の外側の傾斜壁面とを共通するようにこれらの凹凸条部を内側に向かって縁巻部2c1 、2d1 と平行して連続形成している。
【0020】
また、カバー一半部1Aとカバー他半部1Bとにおける一側端部における上下隅角部、即ち、上下横枠材2a、2bの長さ方向の一側端部とこれらの上下横枠材2a、2bの一側端部に連なる一方の縦枠材2cの上下端部との連設部に横枠材2a、2bを長さ方向に延長するように外側方に向かって突出した突片4a、4bを一体に設けていると共に、上側突片4aに上側縁巻部2a1 の延長上に設けている折目5aを介して半円形状の挟持片6aを上方に向かって突設してあり、下側突片4bに下側縁巻部2b1 の延長上に設けている折目5bを介して半円形状の挟持片6bを下方に向かって突設している。なお、突片4a、4b及び挟持片6a、6bは、枠体2と同じアルミニウム製であり、枠体2と一体に成形されている。
【0021】
さらに、上記上下突片4a、4bに外側方に向かって凸円弧状に湾曲した湾曲凸条部7a、7bをそれぞれ設けている。これらの上下湾曲凸条部7a、7bは、上記上下横枠材2a、2bに設けている直状の凸条部2a3 、2b3 と同一断面形状を有していて裏面側から表面側に向かって膨出形成されてなり、上下凹条部2a2 、2b2 の直条の凸条部2a3 、2b3 にそれぞれ対向させているこれらの湾曲凸条部7a、7bの一方の内端を該凹条部2a2 、2b2 の一端にそれぞれ連続させていると共に、これらの湾曲凸条部7a、7bの他方の内端を上記一方の縦枠材2cに設けている凸条部2c3 の上下端にそれぞれ連続させている。
【0022】
上記上側突片4aとこの突片4aに連設している上側挟持片6aとの外周縁と、下側突片4bとこの突片4bに連設している下挟持片6bとの外周縁は縁巻部8a、8bにそれぞれ形成されてあり、これらの縁巻部8a、8bの両端を上下縁巻部2a1 、2b1 の一端とこの一端側の縦枠材2cに設けている縁巻部2c1 の上下端とにそれぞれ連続させている。
【0023】
一方、カバー一半部1Aとカバー他半部1Bとにおける上下突片4a、4bを設けている側とは反対側の他端部においては、上下横枠材2a、2bの他端とこの他端に上下端部を連設している縦枠材2dとの連設部、即ち、枠体2の他端部における上下隅角部は凸円弧状の湾曲隅角部9a、9bに形成されてあり、これらの湾曲隅角部9a、9bの外周縁に上下横枠材2a、2bの縁巻部2c1 、2d1 の他端と縦枠材2dの縁巻部2d1 の上下端とにそれぞれ連続させた湾曲縁巻部9a1 、9b1 を形成していると共に、この湾曲縁巻部9a1 、9b1 の内側に、該湾曲縁巻部9a1 、9b1 に沿って上記凹条部2a2 、2b2 、2c2 、2d2 と同一形状の円弧状凹条部9a2 、9b2 を形成して、これらの円弧状凹条部9a2 、9b2 の両端を上下横枠材2a、2bに設けている直状凹条部2a2 、2b2 の他端と縦枠材2dに設けている直状凹条部2d2 の上下端とにそれぞれ連続させている。
【0024】
さらに、この円弧状凹条部9a2 、9b2 の内側に該円弧状凹条部9a2 、9b2 に沿って、上記上下横枠材2a、2bや縦枠材2dに設けている直条の凸条部2a3 、2b3 、2d3 と同一形状の円弧状凸条部9a3 、9b3 を形成してあり、この円弧状凸条部9a3 、9b3 の両端を上下横枠材2a、2bに設けている上記直状の凸条部2a3 、2b3 の他端と縦枠材2dに設けている直状の凸条部2d3 の上下端とにそれぞれ連続させている。
【0025】
また、カバー一半部1Aとカバー他半部1Bとにおける上記他方の縦枠材2dの長さ方向の中央部には、外側方に向かってフラップ形状の取付片10を突設してあり、この取付片10の中央部に設けた凹部にマグネット11を取付けている。
【0026】
このように構成したカバー一半部1Aとカバー他半部1Bとは、その縦幅がレンジフードの吸気口の前後方向の開口幅に略等しい寸法に形成されていると共に、横幅、即ち、長さはこれらのカバー一半部1Aとカバー他半部1Bとを組み合わせて最大限まで伸長させた時に、吸気口が最も幅広いレンジフードの該吸気口を全面的に被覆し得る長さ寸法に形成されている。
【0027】
これらのカバー一半部1Aとカバー他半部1Bとは、使用前には互いに重ね合わせた状態で袋内に収納されており、使用に際しては袋内から取り出してレンジフードの吸気口に装着する。この装着作業を簡単に説明すると、袋内から取り出したカバー一半部1Aとカバー他半部1Bとは、挟持片6a、6bによって互いに長さ方向に伸縮自在に連結されていない場合には、カバー一半部1Aの一端側がカバー他半部1Bの他端側に重なるようにこれらのカバー一半部1Aとカバー他半部1Bとを互いに突片4a、4bを設けている端部側を内側に向けて対向させた状態にしてカバー一半部1A上にカバー他半部1Bを重ね合わせ、カバー一半部1Aの上下横枠材2a、2bに設けている直状の凹条部2a2 、2b2 と凸条部2a3 、2b3 とに、カバー他半部1Bの上下横枠材2a、2bに設けている直状の凹条部2a2 、2b2 と凸条部2a3 、2b3 とを長さ方向に摺動自在に嵌合させる。
【0028】
この状態にして、カバー一半部1Aの一側端における上下隅角部に上記突片4a、4bと一体に設けている挟持片6a、6bを、このカバー一半部1Aの表面側に重ね合わせているカバー他半部1Bの上下横枠材2a、2bの表面側に向かって折目5a、5bからU字状に折り返えすことにより、図1に示すように、カバー他半部1Bを左右方向に摺動可能に挟持させると共に、カバー他半部1Bの対向端縁における上下隅角部に突片4a、4bと一体に設けている挟持片6a、6bを、図6に示すように、このカバー他半部1Bの裏面側に重ね合わせている上記カバー一半部1Aの上下横枠材2a、2bの表面側に向かって折目5a、5bからU字状に折り返えすことにより、カバー一半部1Aを左右方向に摺動可能に挟持させる。即ち、これらのカバー一半部1Aとカバー他半部1Bとの対向端縁部の上下隅角部に設けている挟持片6a、6bによって互いに長さ方向(左右方向)に伸縮自在に連結する。
【0029】
この際、上記突片4a、4bとこの突片4a、4bに一体に設けている挟持片6a、6bとは、その外周縁に縁巻部8a、8bを形成しているので、指先等が不測に突片4a、4bや挟持片6a、6bに当接しても、擦り傷や切り傷を受ける虞れはない。また、挟持片6a、6bを折り曲げて相手方のカバー半部の上下横枠材2a、2bを挟持させると、その折目5a、5bが上下横枠材2a、2bの縁辺上に平行に重なるので、フィルターカバーを構成しているカバー一半部1Aとカバー他半部1Bを互いに伸縮させてフィルターカバーの長さ調整を行う際に、縦幅方向に妄動させたり、拗れたりすることなく、挟持片6a、6bの折目5a、5bにその上下横枠材2a、2bを摺接させながら互いに嵌合した直状の凹条部2a2 、2b2 と凸条部2a3 、2b3 とをガイドとして正確に且つ円滑に伸縮させることができ、しかも、突片4a、4bの外周縁からこれらの挟持片6a、6bの外周縁に亘って縁巻部8a、8bを形成しているので、折目5a、5bを介して折り曲げた挟持片6a、6bが縁巻部8a、8bによってその折り曲げ形態が強固に保持されてカバー一半部1Aとカバー他半部1Bとの連結が確実に行われると共に正確に且つ安定した状態で伸縮させることができる。
【0030】
その上、カバー一半部1Aとカバー他半部1Bとを互いに最も全長が短くなる重ね合わせ状態となるように収縮させると、カバー他半部1Bの裏面側に重ねているカバー一半部1A側の上下突片4a、4bはカバー他半部1Bの上下湾曲隅角部9a、9bに達した時に、その湾曲凸条部7a、7bをカバー他半部1Bの上下湾曲隅角部9a、9bに沿って設けている円弧状凸条部9a3 、9b3 の裏面側における外側壁面に当接してそれ以上の収縮が阻止されると同時に、カバー一半部1Aの表面側に重ねているカバー他半部1Bの上下突片4a、4bは図3、図4、図7に示すように、カバー一半部1Aの上下湾曲隅角部9a、9bに達した時に、その湾曲凸条部7a, 、7bをカバー一半部1Aの上下湾曲隅角部9a、9bに沿って設けている円弧状凸条部9a3 、9b3に当接してそれ以上の収縮が阻止され、これらのカバー一半部1Aとカバー他半部1Bを簡単且つ正確に二つ重ね状態に収縮させることができる。
【0031】
そして、このフィルターカバーをレンジフードの吸気口に張設するには、カバー一半部1Aとカバー他半部1Bとを互いに伸長する方向に引き伸ばしてカバー一半部1Aの縦枠材2dの中央部に設けている取付片10と、カバー他半部1Bの縦枠材2dの中央部に設けている取付片10と吸気口の対向内面に当接させ、これらの取付片10、10に固着しているマグネット11、11を吸気口の内面に磁着させればよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】フィルターカバーの簡略斜視図。
【図2】カバー一半部とカバー他半部とに分解した状態の簡略斜視図。
【図3】重ね合わせた状態の一端部分の簡略斜視図。
【図4】その一隅角部の斜視図。
【図5】一部断面図。
【図6】重ね合わせている状態の要部の平面図。
【図7】完全に重ね合わせた状態の要部の平面図。
【符号の説明】
【0033】
1A カバー一半部
1B カバー他半部
2 枠体
2a、2b 上下横枠材
2a1 、2b1 縁巻部
2a2 、2b2 凹条部
2a3 、2b3 凸条部
2c、2d 左右縦枠材
3 フィルター材
4a、4b 突片
6a、6b 挟持片
7a、7b 湾曲凸条部
8a、8b 縁巻部
9a2 、9b2 円弧状凸条部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横長長方形状のアルミニウム製枠体にフィルター材を張設してなるカバー一半部とカバー他半部とを互いに対向部分を重ね合わせて長さ方向に伸縮自在に連結してなるレンジフード用フィルターカバーであって、これらのカバー一半部とカバー他半部との上記枠体における上下横枠部と左右縦枠部との互いに平行な外端縁に縁巻部を形成していると共にこれらの縁巻部の内側に直状の凹条部とこの凹条部の内側に並設した直状の凸条部とを形成してあり、さらに、カバー一半部とカバー他半部との対向する側端部の上下隅角部に突片を一体に設けて、この突片に上記上下横枠部に設けている凸条部の一端と縦枠部に設けている凸条部の上下端とを連続させた湾曲凸条部を形成していると共に、これらの上下突片に上下縦枠部の外端縁からそれぞれ上下方向に突出し且つ表裏面側に重なる方向に折り曲げることによってカバー一半部とカバー他半部との上下横枠部を重ね合わせた状態で互いに左右方向に摺動自在に挟持した挟持片を連設してあり、この挟持片と上記突片との外周縁に縁巻部を形成している一方、カバー一半部とカバー他半部とにおける突片を設けていない他方の側端部の上下隅角部に上記上下突片に設けている湾曲凸条部に係合可能な円弧状凸条部を形成していることを特徴とするレンジフード用フィルターカバー。
【請求項2】
カバー一半部とカバー他半部とにおける突片を形成している側端部と反対側の側端部における縦枠部の長さ方向の中央部にマグネットを備えた取付片を設けていることを特徴とする請求項1に記載のレンジフード用フィルターカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−287878(P2009−287878A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142819(P2008−142819)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000231626)日本製箔株式会社 (49)
【Fターム(参考)】