説明

レンズアレイ、レンズアレイの製造方法、及びレンズモジュールの製造方法

【課題】遮光部を高い精度で形成することができるレンズアレイ、レンズアレイの製造方法、及びレンズモジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】複数のレンズ部6と、複数のレンズ部同士を一体に繋ぐ基板部11とを有するレンズアレイ10であって、レンズ部の光軸と交差する部分を除く領域に形成された溝8と、溝に充填された遮光材料14と、レンズ部のレンズ面と溝と境界に形成された段差状の堤8aとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズアレイ、レンズアレイの製造方法、及びレンズモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末には、小型で薄型な撮像ユニットが搭載されている。このような撮像ユニットは、一般に、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子と、固体撮像素子上に被写体像を形成するためのレンズと、を備えている。
【0003】
撮像ユニットのコストの低下を図るため、撮像ユニットに実装されるレンズを大量に且つ安価に製造できるように、レンズの製造方法を効率化することが望まれている。このようなレンズは、基板部に複数のレンズ部を一体に形成した構成であるレンズアレイを製造し、該基板部を切断して複数のレンズ部をそれぞれ分離させることで、得られ、撮像ユニットに実装される。
【0004】
基板部に複数のレンズ部を形成したレンズアレイとしては、特許文献1に示すものがある。
【0005】
特許文献1に記載されたレンズアレイは、隣り合うレンズ部同士の間に凹溝が形成される。また、レンズアレイは、光入出射用の面を除く領域に、塗料を塗布することにより遮光材が被覆されることで遮光部が形成されている。特許文献1では、この遮光材によって光入出射用の面においてアパーチャを形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−316069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、遮光部を塗布で形成する際に塗布された遮光材料がレンズ面などに付着してしまうことを抑えにくく、アパーチャを良好な精度で形成することができない。このため、撮像の周辺光量の低下やゴースト不良などの撮像ユニットにおける機能低下を引き起こしてしまう。
【0008】
本発明は、遮光部を高い精度で形成することができるレンズアレイ、レンズアレイの製造方法、及びレンズモジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)複数のレンズ部と、前記複数のレンズ部同士を一体に繋ぐ基板部とを有するレンズアレイであって、
前記レンズ部の光軸と交差する部分を除く領域に形成された溝と、前記溝に充填された遮光材料と、前記レンズ部のレンズ面と前記溝と境界に形成された段差状の堤とを備えるレンズアレイ。
(2)複数のレンズ部と、前記複数のレンズ部同士を一体に繋ぐ基板部とを有するレンズアレイの製造方法であって、
成形型を用いて、前記複数のレンズ部と前記基板部と成形するとともに、前記レンズ部の光軸と交差する部分を除く領域に溝と、前記レンズ部のレンズ面と前記溝と境界に形成された段差状の堤を成形し、その後、
前記溝に遮光材料を供給し、
供給された前記遮光材料を自重によって拡げさせ、前記堤によって前記遮光材料の拡がりを止めることによって遮光部を形成するレンズアレイの製造方法。
(3)(1)のレンズアレイの前記基板部を切断し、個々にレンズ部に分断してなるレンズモジュール。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遮光部を高い精度で形成することができるレンズアレイ、レンズアレイの製造方法、及びレンズモジュールの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態を説明するための撮像ユニットの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態を説明するためのレンズアレイの一例を示す図である。
【図3】図2のレンズアレイのIII−III線断面図である。
【図4】成形型に成形材料を供給する工程を示す図である。
【図5】図4の成形型を用いた成形工程を示す模式図である。
【図6】図5の成形工程によって得られたレンズ成形体を示す断面図である。
【図7】遮光材料を塗布する工程を示す断面図である。
【図8】レンズアレイの構成を示す断面図である。
【図9】レンズアレイの構成の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示す撮像ユニット1は、センサモジュール2と、レンズモジュール3と、を備えている。
【0013】
センサモジュール2は、固体撮像素子4と、センサ基板部5とを備えている。センサ基板部5は、例えばシリコンなどの半導体材料で形成されている。固体撮像素子4は、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどであり、センサ基板部5に対して周知の成膜工程、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程、不純物添加工程、等を繰り返し、センサ基板部5上に受光領域、絶縁膜、電極、配線、等を形成して構成されている。
【0014】
レンズモジュール3は、レンズ部6と、フランジ部7とを備えている。レンズ部6は、その表裏に所定のレンズ面6a、6bを有している。両レンズ面6a、6bは、図示の例ではいずれも凸形状の球面とされているが、用途に応じて、凸形状の球面、凹形状の球面、非球面、又は平面の種々の組み合わせを採り得る。フランジ部7は、レンズ部6の外周から鍔状に張り出して、レンズ部6の外周を取り囲んでいる。レンズ部6、及びフランジ部7は、透光性の材料で一体に形成されている。
【0015】
レンズモジュール3は、そのフランジ部7とセンサ基板部5との間にスペーサ9を介してセンサモジュール2に積層され、センサモジュール2に組み付けられている。スペーサ9は、レンズモジュール3のレンズ部6がセンサモジュール2の固体撮像素子4の受光面に結像するように、センサモジュール2のセンサ基板部5とレンズモジュール3のフランジ部7との間に所定の距離を置く厚みとなっている。スペーサ9と両モジュール2、3とは、例えば接着剤などを用いて接合される。
【0016】
スペーサ9は、センサモジュール2のセンサ基板部5とレンズモジュール3のフランジ部7との間に所定の距離を置くことができる限り、その形状は特に限定されないが、固体撮像素子4の周囲を取り囲んで両モジュール2、3の間を外より隔絶する枠状の部材であることが好ましい。これによれば、両モジュール2、3の間から塵等の異物が入り、それが固体撮像素子4の受光面に付着することを防止することができる。さらに、スペーサ9を遮光性の材料で形成すれば、両モジュール2、3の間から固体撮像素子4に入射する不要な光を遮ることができる。
【0017】
なお、図示の例では、センサモジュール2に組み付けられるレンズモジュール3が1つとなっているが、複数のレンズモジュール3が組み付けられる場合もある。その場合に、複数のレンズモジュール3は、スペーサ9と同等のスペーサを介して順次積層され、センサモジュール2に組み付けられる。また、それらのレンズ部6のレンズ面6a、6bは、レンズモジュール3毎に異なっていてもよい。
【0018】
レンズモジュール3には、遮光部14が設けられている。遮光部14は、レンズ部6の光軸と交差する部分を除く領域(ここでは、フランジ部7の表面とレンズ面6aに一部重複する部分)に形成されている。遮光部14は、レンズモジュール3の表面に形成された溝8に遮光材料を充填することで形成される。溝8は、レンズ部6の光軸を中心として環状に形成されている。
【0019】
レンズ面6aと溝8との境界に段差状の堤8aが形成されている。堤8aは、遮光部14とレンズ面6aとの境界に位置する。遮光部14、溝8及び堤8aを形成する手順については、後述する。
【0020】
以上のように構成された撮像ユニット1は、例えば携帯端末等の回路基板にリフロー実装される。回路基板には撮像ユニット1が実装される位置に予めペースト状の半田が印刷されており、そこに撮像ユニット1が載置される。そして、撮像ユニット1を含む回路基板に赤外線の照射や熱風の吹付けといった加熱処理が施される。それにより半田が溶け、撮像ユニット1は回路基板に実装される。
【0021】
上述のレンズモジュール3は、複数のレンズ部6が1次元又は2次元に配列されたレンズアレイを、個々にレンズ部6を含むように分断して得られる。また、上述のセンサモジュール2も同様に、複数の固体撮像素子が1次元又は2次元に配列されたセンサアレイを、個々に固体撮像素子を含むように分断して得られる。以下に、レンズモジュール3を得るレンズアレイについて説明する。
【0022】
図2は、レンズアレイを示す平面図である。図3は、図2のレンズアレイのIII−III線断面図である。
図2及び図3に示すレンズアレイ10は、複数のレンズ部6と、これらのレンズ部6を一体に繋ぐ基板部11とを備えている。このレンズアレイ10は、全体として所定のサイズのウエハ状をなし、そこに複数のレンズ部6が配列された、ウエハレベルレンズアレイとも称され、図示の例では、複数のレンズ部6は2次元に配列されている。これらのレンズ部6、及び基板部11は、透光性の材料で一体に形成されている。なお、図2では、遮光部14、溝8、堤8aを図示せずに省略している。
【0023】
図3に示すように、レンズアレイ10には、レンズ部6の光軸と交差する部分を除く領域に遮光部14が形成されている。なお、図3に示すレンズアレイ10では、隣り合うレンズ部6同士の間の基板部11の表面において遮光部14が設けられていない領域が存在するが、基板部11の全面に設けられていてもよい。
【0024】
上述のレンズモジュール3(図1参照)は、レンズアレイ10において、隣り合うレンズ部6の間で基板部11を切断して得られる。切断されて個々のレンズ部6に付属する基板部11が、レンズモジュール3のフランジ部7となる。なお、図3のレンズアレイを複数重ね、重ね合うレンズアレイ同士を接着してなるレンズアレイ積層体を得ることができる。このとき、レンズアレイの各レンズ部は、重ねられたレンズアレイの各レンズ部と光軸が一致するように位置合わせされて重ね合わされている。そして、このように得られたレンズアレイ積層体を、基板部で切断し、複数のレンズ部を光軸が一致するように重ねてなるレンズモジュールを得ることができる。
【0025】
次に、レンズアレイ10の製造方法の一例を説明する。
【0026】
先ず、図4に基づいて、成形工程に用いる成形型の構成を説明する。成形型は、上下一対の型20,30を備える。型20は、転写面21がレンズアレイ10の一方の面の形状を成形するものであり、型30は、レンズアレイ10の他方の面の形状を成形するものである。以下の例では、型20によって、図3に示すレンズアレイ10の、溝8が形成された側の面を成形する。
【0027】
型20は、転写面21を含む。型20の転写面21は、レンズアレイ10の、溝8が形成された側の表面形状を反転させた形状となる。転写面21には、レンズアレイ10のレンズ部6の配列に対応してレンズ成形面22が2次元に配列されている。レンズ成形面22は、凸形状の球面であるレンズ面6aに対応して凹形状の球面に成形されている。また、転写面21には、溝8の配列に対応して、該転写面21から突出する溝成形部23が配列されている。溝成形部23は、図3のレンズアレイ10の溝8の形状を反転させた形状であり、転写面21を平面視した状態で環状に形成されている。
【0028】
型30は、転写面31を含む。型30の転写面31は、レンズアレイ10の、溝8が形成されていない側の表面形状を反転させた形状となる。転写面31には、レンズアレイ10のレンズ部6の配列に対応してレンズ成形面32が2次元に配列されている。レンズ成形面32は、凸形状の球面であるレンズ面6aに対応して凹形状の球面に成形されている。
【0029】
次に、製造方法の手順を説明する。
図4に示すように、成形材料を供給する工程を示す図である。
型30の転写面31上に成形材料Mを供給する。そして、成形型と閉じることによって、型20の転写面21と型30の転写面31の間で成形材料Mを挟み込み、該成形材料Mに転写面21及び転写面31の形状を転写する。そして、成形材料Mを硬化させる。
【0030】
成形材料Mは、エネルギー硬化性の樹脂組成物が用いられる。エネルギー硬化性の樹脂組成物は、熱により硬化する樹脂組成物、あるいは活性エネルギー線の照射(例えば紫外線、電子線照射)により硬化する樹脂組成物のいずれであってもよい。
【0031】
図5に示すように、成形材料Mを硬化させることによってレンズ成形体が得られる。ここで、レンズ成形体は、複数のレンズ部6と基板部11と溝8と堤8aが成形されたものであり、遮光部14が形成される前の状態のものをいう。この例では、レンズ成形体には、レンズ部6のレンズ面6aと溝8との境界に位置する堤8aと、基板部11の表面と溝8との境界に位置する堤8bとが形成されている。
【0032】
そして、図6に示すように、型20,30からレンズ成形体を離型することによって、複数のレンズ部6と、複数のレンズ部6同士を一体に繋ぐ基板部11とを有し、溝8及び堤8aが形成されたレンズ成形体を得る。
【0033】
次に、レンズ成形体に遮光材料を塗布する工程を行う。
【0034】
図7は、遮光材料を塗布する工程を示す断面図である。
図7に示すように、レンズ成形体の溝8にディスペンサなどの供給部40から液状の遮光材料14aを供給する。
【0035】
遮光材料14aは、例えば、有機遮光液(モノマーや溶媒系)を用いる。遮光材料14aは、溝8に供給したときに充填させやすいように高い流動性のものが好ましい。すなわち、遮光材料としては、溝に供給したときの濡れ拡がりを容易にするため、低粘度かつ低表面張力の材料が望ましい。
また、遮光材料としては、遮光膜形成後の膜表面における反射に伴う、撮像ユニットとしてのゴーストなどの性能低下を防止するため、硬化状態で光沢度が低い材料が望ましい。具体的には、60度光沢度(JIS K-7105)が10%以下が好ましい、5%以下がより好ましく、3%以下がもっとも好ましい。
さらに、遮光材料としては、できるだけ薄膜で十分な光学濃度が得られるよう、遮光性のある顔料もしくは染料の含量が高いものが望ましい。
【0036】
遮光材料14aは、溝8に粗い精度で塗布され、その後、自重によって溝8に流動して拡がる。そして、遮光材料14aは、その流動が堤8a及び堤8bによって堰き止められ、レンズ成形体の溝8を形成した部位にのみ充填される。こうして、図8に示すように、溝8に遮光部14が形成される。
【0037】
図8に示すように、供給された遮光材料14aは堤8a,8bによって溝8にのみ充填され、レンズ面6aの表面側にはみ出ることが抑えられる。したがって、得られるレンズアレイ10の遮光部14を高い精度で形成することができる。このレンズアレイ10及びその製造方法によれば、アパーチャを高い精度で形成することができる。
【0038】
堤8aを有していない溝8に遮光材料を供給して遮光部を形成する場合には、流動した遮光材料が溝8以外の部位にも付着してしまうことがある。本発明のレンズアレイ10によれば、溝8の堤8aによって遮光材料14aの流動による拡がりを抑えることができる。
【0039】
また、従来のようにレンズ面も含めて遮光材料を塗布し、その後、レンズ部のみの遮光材料をフォトリソグラフィー工程やレーバーアブレーションによって除去する場合には、工程の追加による製造コストの増加や、反応性の高い液体がレンズ面に付着することに起因するレンズ面の汚染が懸念される。しかし、本発明のように溝8に堤8aを設ける構成とすれば、フォトリソグラフィー工程などの製造工程を行う必要がないため、製造コストの増加やレンズ面の汚染を防止することができる。
【0040】
次に、上述した実施形態の変形例を説明する。
【0041】
図9は、レンズアレイの構成の変形例を示す断面図である。
図9に示すように、レンズアレイ10は、溝8の表面に遮光部14の遮光材料14aをとの塗れ性を調整するための下塗り部16が形成されている。下塗り部16は、溝8に遮光材料14aを供給する前に、形成される。
こうすれば、遮光部14をより高い精度で形成することができる。下塗り部の材料は、例えば、表面エネルギーの高いメラニン樹脂やユリア樹脂、エポキシ樹脂である。また、下塗り部の形成方法としては、インクジェット印刷、ジェットディスペンサー、パッド印刷、スクリーン印刷など、凹凸に追従し、選択的に下塗り層を形成する手法がある。なお、下塗り部材料の選択によっては、遮光膜の基材との密着性や、膜均一性などの他の性能を向上させることも可能である。
【0042】
また、下塗り部に限定されず、溝の底面に遮光材料との濡れ性を調整するための表面処理を行ってもよい。この表面処理は、遮光材料を供給する前に行われる。
【0043】
レンズアレイは、溝の表面に微細な凹凸が形成されていることが好ましい。こうすれば、微細な凹凸によって光が散乱されるため、レンズ内面での光線反射によるフレアやゴーストを低減することができる。このようなレンズアレイを製造する手順としては、レンズモジュールを成形する工程又は遮光材料を供給する前に、溝の表面に微細な凹凸を形成する。また、この下塗り処理や表面への凹凸形成処理は、溝の表面に選択的に行われることが望ましいが、レンズ面の光学特性に影響を与えなければ、レンズ面及び溝にかかわらず一面に一括で処理を行ってもよい。
【0044】
溝の堤は、レンズ面と溝との境界に形成されていればよく、溝と基板部との境界の堤は設けない構成としてもよい。
【0045】
溝は、供給された遮光材料を充填させやすい形状を採用することができ、例えば、櫛形形状としてもよい。
【0046】
本明細書は以下の内容を開示する。
(1)複数のレンズ部と、前記複数のレンズ部同士を一体に繋ぐ基板部とを有するレンズアレイであって、
前記レンズ部の光軸と交差する部分を除く領域に形成された溝と、前記溝に充填された遮光材料と、前記レンズ部のレンズ面と前記溝と境界に形成された段差状の堤とを備えるレンズアレイ。
(2)(1)に記載のレンズアレイであって、
前記溝の底面には、前記遮光材料との濡れ性を調整するための表面処理がなされているレンズアレイ。
(3)(1)又は(2)に記載のレンズアレイであって、
前記溝の表面には、前記遮光材料をとの塗れ性を調整するための下塗り部が被覆されているレンズアレイ。
(4)(1)から(3)のいずれか1つに記載のレンズアレイであって、
前記溝の表面には、微細な凹凸が形成されているレンズアレイ。
(5)複数のレンズ部と、前記複数のレンズ部同士を一体に繋ぐ基板部とを有するレンズアレイの製造方法であって、
成形型を用いて、前記複数のレンズ部と前記基板部と成形するとともに、前記レンズ部の光軸と交差する部分を除く領域に溝と、前記レンズ部のレンズ面と前記溝と境界に形成された段差状の堤を成形し、その後、
前記溝に遮光材料を供給し、
供給された前記遮光材料を自重によって拡げさせ、前記堤によって前記遮光材料の拡がりを止めることによって遮光部を形成するレンズアレイの製造方法。
(6)(5)に記載のレンズアレイの製造方法であって、
前記遮光材料を供給する前に、前記溝の底面に前記遮光材料との濡れ性を調整するための表面処理を行うレンズアレイの製造方法。
(7)(5)又は(6)に記載のレンズアレイの製造方法であって、
前記遮光材料を供給する前に、前記溝の表面に前記遮光材料との塗れ性を調整するための下塗り部を被覆するレンズアレイの製造方法。
(8)(5)から(7)のいずれか1つに記載のレンズアレイの製造方法であって、
前記レンズモジュールを成形する工程又は前記遮光材料を供給する前に、前記溝の表面に微細な凹凸を形成するレンズアレイの製造方法。
(9)(1)から(4)のいずれか1つに記載のレンズアレイの前記基板部を切断し、個々にレンズ部に分断してなるレンズモジュール。
(10)(1)から(4)のいずれか1つに記載のレンズアレイを、複数重ね、重ね合う前記レンズアレイ同士を接着してなるレンズアレイ積層体。
(11)(10)に記載のレンズアレイ積層体を、前記基板部で切断し、複数の前記レンズ部を光軸が一致するように重ねてなるレンズモジュール。
【符号の説明】
【0047】
1 撮像ユニット
2 センサモジュール
3 レンズモジュール
6 レンズ部
8 溝
8a 堤
10 レンズアレイ
11 基板部
14 遮光部
16 下塗り部
20,30 成形型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレンズ部と、前記複数のレンズ部同士を一体に繋ぐ基板部とを有するレンズアレイであって、
前記レンズ部の光軸と交差する部分を除く領域に形成された溝と、前記溝に充填された遮光材料と、前記レンズ部のレンズ面と前記溝と境界に形成された段差状の堤とを備えるレンズアレイ。
【請求項2】
請求項1に記載のレンズアレイであって、
前記溝の底面には、前記遮光材料との濡れ性を調整するための表面処理がなされているレンズアレイ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のレンズアレイであって、
前記溝の表面には、前記遮光材料をとの塗れ性を調整するための下塗り部が被覆されているレンズアレイ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のレンズアレイであって、
前記溝の表面には、微細な凹凸が形成されているレンズアレイ。
【請求項5】
複数のレンズ部と、前記複数のレンズ部同士を一体に繋ぐ基板部とを有するレンズアレイの製造方法であって、
成形型を用いて、前記複数のレンズ部と前記基板部と成形するとともに、前記レンズ部の光軸と交差する部分を除く領域に溝と、前記レンズ部のレンズ面と前記溝と境界に形成された段差状の堤を成形し、その後、
前記溝に遮光材料を供給し、
供給された前記遮光材料を自重によって拡げさせ、前記堤によって前記遮光材料の拡がりを止めることによって遮光部を形成するレンズアレイの製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載のレンズアレイの製造方法であって、
前記遮光材料を供給する前に、前記溝の底面に前記遮光材料との濡れ性を調整するための表面処理を行うレンズアレイの製造方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のレンズアレイの製造方法であって、
前記遮光材料を供給する前に、前記溝の表面に前記遮光材料との塗れ性を調整するための下塗り部を被覆するレンズアレイの製造方法。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか1項に記載のレンズアレイの製造方法であって、
前記レンズモジュールを成形する工程又は前記遮光材料を供給する前に、前記溝の表面に微細な凹凸を形成するレンズアレイの製造方法。
【請求項9】
請求項1から4のいずれか1項に記載のレンズアレイの前記基板部を切断し、個々にレンズ部に分断してなるレンズモジュール。
【請求項10】
請求項1から4のいずれか1項に記載のレンズアレイを、複数重ね、重ね合う前記レンズアレイ同士を接着してなるレンズアレイ積層体。
【請求項11】
請求項10に記載のレンズアレイ積層体を、前記基板部で切断し、複数の前記レンズ部を光軸が一致するように重ねてなるレンズモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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