説明

レンズユニット

【課題】レンズ群と共に駆動されるシャッターユニットに給電するFPCの取り回しが光学系に影響を与えない。
【解決手段】シャッターユニット20に設けられた光量制御部の駆動部に給電を行うFPC21の一端部を、第2レンズホルダ17とこの第2レンズホルダ17に固定されたシャッターユニット20との間に配設して、第2レンズホルダ17とシャッターユニット20とで挟持している。こうして、FPC21がシャッターユニット20から離間するのを防止して、FPC21をシャッターユニット20に固定する部材を不必要にし、部品点数を削減する。さらに、FPC21への不要光を第2レンズホルダ17とシャッターユニット20とによって遮って、不要光がFPC21で反射されて映像にゴーストが発生するのを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カメラ等の光学機器に搭載されるレンズユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数のレンズ群からなる撮影光学系を備えたカメラ等が広く普及している。このカメラ等においては、上記撮影光学系に入射した光束に基づいて形成される被写体像が、所定の位置に配置された電荷結合素子(CCD)等の撮像素子上に結像する。そして、このようなカメラでは、ズーム機能やオートフォーカス機能等の高機能化および高解像度化に加えて、携帯端末への組込みを容易にするために、更なる小型化が望まれている。
【0003】
また、一般に、ズーム機能を有するカメラにおいては、開口径を小さくするために、ズームレンズ群とシャッターユニットとが一体に移動するようになっている。すなわち、一体に駆動されるレンズ群の被写体側にシャッターユニットが固着されており、シャッターユニットに給電するためのFPC(Flexible Printed Circuit:屈曲性のある回路基板)が設けられている。このFPCは、レンズ群の移動と共に変形していく。
【0004】
このようなFPCを備えたレンズ鏡筒として、特開2006‐3458号公報(特許文献1)に開示されたようなものがある。上記特許文献1に開示されたFPCの配置および取り回しに関する一例を図7に示す。
【0005】
図7において、FPC1は、シャッターユニット(図示せず)に対して撮像側に配置されており、FPC1を取り回すために、シャッター保持枠2の環状蓋部材3にL字状の掛止支持部4を一体に形成している。そして、FPC1における写体側にFPC1を屈曲させて成るU字状部5を形成し、このU字状部5を掛止支持部4に引っ掛けて、撮像側にFPC1を引き出している。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来のレンズ鏡筒には、以下のような問題がある。すなわち、上記シャッターユニットは、シャッター保持枠2に支持されて可動するレンズ群よりも被写体側に配置されているため、上記シャッターユニットをシャッター保持枠2に支持するための環状蓋部材3が必要になる。そのために、部材が増加するという問題がある。
【0007】
また、上記シャッターユニット側のFPC1を、環状蓋部材3に設けられている掛止支持部4に引っ掛ける必要があるため、組み立てが煩雑になるという問題がある。
【0008】
また、上記掛止支持部4に引っ掛けられているU字状部5において、FPC1に急激な曲げ力が加わるため、FPC1の導通部に断線が発生する恐れがあるという問題もある。
【特許文献1】特開2006‐3458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、この発明の課題は、シャッターユニットがレンズ群と共に駆動可能であって上記シャッターユニットに給電するFPCの取り回しが光学系に影響を与えることがないレンズユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明のレンズユニットは、
光軸方向に配置されたレンズ群と、
上記レンズ群を搭載すると共に、光軸に平行な軸に沿って移動可能なレンズホルダと、
上記レンズホルダに取り付け固定されて、上記レンズホルダと共に移動するシャッターユニットと、
上記シャッターユニットに搭載されると共に、上記シャッターユニットに設けられた光量制御部を駆動して光量制御動作を行わせる駆動部と、
可堯性を有すると共に、上記駆動部に給電を行う配線と
を備え、
上記配線における上記駆動部側の一端部は上記レンズホルダと上記シャッターユニットとの間に配設されている
ことを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、光量制御部の駆動部に給電を行う配線における上記駆動部側の一端部が、レンズホルダとこのレンズホルダに取り付け固定されて上記レンズホルダと共に移動する上記シャッターユニットとの間に挟持されている。したがって、上記配線が上記シャッターユニットから離間するのを防止できるため、上記配線を上記シャッターユニットに固定する部材が不必要となり、部品点数を削減することができる。
【0012】
さらに、上記配線における上記一端部が上記レンズホルダと上記シャッターユニットとの間に配設されている。したがって、上記配線への不要光を上記レンズホルダと上記シャッターユニットとによって遮ることでき、不要光が上記配線で反射されて映像にゴーストが発生するのを防止できる。
【0013】
また、1実施の形態のレンズユニットでは、
上記配線は、上記シャッターユニットの端部で被写体方向に曲げられて被写体方向に延在すると共に、途中で湾曲して撮像側に向かって延在し、上記一端部とは反対側の他端部はケーシングの側壁に固定されており、
上記配線における上記他端部には、上記レンズホルダの位置を検出する位置検出センサの給電端子が接続されている。
【0014】
この実施の形態によれば、上記配線は、被写体方向に曲げられてからケーシングの側壁に固定されるまでの間において、何ら拘束を受けることがない。したがって、上記特許文献1に開示された従来のレンズ鏡筒の場合のように、掛止支持部に引っ掛けられて上記配線に急激な曲げ力が加わることがなく、上記レンズホルダの移動に伴って上記配線に無理な力が掛かることを防止できる。そのため、上記配線は、その基材に対して一側にのみ導体を形成することが可能になり、薄く形成することが可能になる。
【0015】
さらに、上記配線における上記他端部には、位置検出センサの給電端子が接続されているので、上記位置検出センサに給電するための専用の配線を別途設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。
【0016】
また、1実施の形態のレンズユニットでは、
上記配線は、帯状を成すと共に、上記レンズホルダおよび上記シャッターユニットの移動に伴って上記湾曲の位置が移動するようになっており、
上記配線における少なくとも上記シャッターユニットの移動に伴って上記湾曲の位置が移動する領域での幅が、上記他端部の幅よりも狭くなっている。
【0017】
この実施の形態によれば、上記帯状を成す配線の湾曲する領域における幅が他の領域における幅よりも狭くなっている。したがって、上記レンズホルダの移動に伴って上記レンズホルダが上記配線の湾曲部から受ける力を小さくすることができる。そのため、上記レンズホルダの光軸に対する角度の変化を小さくして、上記配線の湾曲が画質に与える影響を小さくすることができる。
【0018】
また、1実施の形態のレンズユニットでは、
上記配線は帯状を成しており、
上記レンズホルダにおける上記配線が被写体方向に曲げられる位置の近傍にスリット状の切り欠きが設けられており、この切り欠きには上記配線が挿通されて保持されている。
【0019】
この実施の形態によれば、上記配線における被写体方向に曲げられる箇所が、上記レンズホルダの上記切り欠きによって保持されている。したがって、上記レンズホルダおよび上記シャッターユニットの移動に伴って、上記配線における被写体方向に曲げられる位置や角度が変動することがなく、上記配線が光路側に侵入するのを防止できる。
【0020】
また、1実施の形態のレンズユニットでは、
上記切り欠きは、上記レンズホルダにおける側面にこの側面から突起して設けられた突起部と上記レンズホルダの本体との隙間によって構成されている。
【0021】
この実施の形態によれば、上記レンズホルダの突起部と上記レンズホルダの本体との隙間で構成された上記切り欠きの箇所で被写体方向に曲げられた上記配線は、途中で湾曲して撮像側に向かって延在し、上記突起部の外側、つまり上記突起部と上記ケーシングの側壁との間を通って上記ケーシングの側壁に固定されている。したがって、上記突起部は、上記レンズホルダと共に、上記配線を上記ケーシングの側壁側に押し出しながら移動することになる。そのために、上記レンズホルダおよび上記シャッターユニットの移動に伴って、上記配線が光路側に侵入するのをより効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上より明らかなように、この発明のレンズユニットは、シャッターユニットに設けられた光量制御部の駆動部に給電を行う配線の一端部を、レンズホルダとこのレンズホルダに取り付け固定された上記シャッターユニットとの間に配設して、上記レンズホルダと上記シャッターユニットとで挟持するので、上記配線が上記シャッターユニットから離間するのを防止することができる。したがって、上記配線を上記シャッターユニットに固定する部材が不必要になり、部品点数を削減することができる。
【0023】
さらに、上記配線における上記一端部が上記レンズホルダと上記シャッターユニットとの間に配設されている。したがって、上記配線への不要光を上記レンズホルダと上記シャッターユニットとによって遮ることができ、不要光が上記配線で反射されて映像にゴーストが発生するのを防止できる。
【0024】
また、上記配線を、被写体方向に曲げられてからケーシングの側壁に固定されるまでの間で何ら拘束を受けることがないようにすれば、上記レンズホルダの移動に伴って上記配線に無理な力が掛かることを防止できる。
【0025】
また、上記配線を帯状に成し、上記配線の湾曲する領域における幅を他の領域における幅よりも狭くすれば、上記レンズホルダの移動に伴って上記レンズホルダが上記配線の湾曲部から受ける力を小さくすることができる。したがって、上記レンズホルダの光軸に対する角度の変化を小さくして、上記配線の湾曲が画質に与える影響を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1および図2は、本実施の形態のレンズユニットが組み込まれた光学ユニットにおける概略構成を示す斜視図である。図1および図2において、光学ユニット11は略直方体に形成されている。以下、光軸方向にZ軸を定め、光軸に垂直であって且つ光学ユニット11が成す直方体の二辺の方向にX軸およびY軸を定めることにする。
【0027】
上記光学ユニット11は、被写体側壁12a,撮像側壁12bおよびYZ平面である側壁12cからなる光学ベース12に、光学部品が搭載されて構成されている。したがって、被写体側壁12aから入射した光は、撮像側壁12b側に設けられた撮像素子(図示せず)を照射することになる。
【0028】
さらに、上記光学ユニット11には、円筒のガイド軸13,14,15が、被写体側壁12aおよび撮像側壁12bに支持されて、被写体側壁12aと撮像側壁12bとの間にZ軸と平行に配設されている。そして、ガイド軸13,15が第1レンズホルダ16に挿通されて、第1レンズホルダ16はガイド軸13,15沿ってZ軸方向に平行移動できるようになっている。同様に、ガイド軸14,15が第2レンズホルダ17に挿通されて、第2レンズホルダ17はガイド軸14,15に沿ってZ軸方向に平行移動できるようになっている。その際に、第1レンズホルダ16および第2レンズホルダ17をZ軸方向に駆動する駆動手段は、図示していない。
【0029】
上記第1レンズホルダ16は、第1レンズ18を搭載しており、Z軸方向に移動することによってフォーカス調整を行うようになっている。第2レンズホルダ17は、第2レンズ19を搭載すると共に、撮像素子側にはシャッターユニット20が固着されている。シャッターユニット20に給電するためのFPC21は、その一端部がシャッターユニット20の被写体側と第2レンズホルダ17の撮像素子側との間に配置されている。そして、シャッターユニット20と第2レンズホルダ17との間を抜け出たFPC21は、第2レンズホルダ17の端部から被写体方向に向かって延在し、さらに弧を描いて撮像素子側に曲げられ、光学ベース12の側壁12cにおける外部に配置されて取り付けられている。さらに、図2に示すように、光学ユニット11には、第1レンズホルダ16の位置を検出する第1位置検出器22と第2レンズホルダ17の位置を検出する第2位置検出器23とが配置されている。そして、第1位置検出器22および第2位置検出器23への給電はFPC21によって行う。
【0030】
図3は、上記第2レンズホルダ17と、第2レンズホルダ17に搭載されている部材とを示している。第2レンズホルダ17には貫通穴でなるガイド穴24が設けられており、このガイド穴24にはガイド軸14が挿入される。また、光軸を挟んでガイド穴24とは反対側の光学ベース12の側壁12c側には、逆U字型のガイド軸受け25が形成されている。そして、ガイド軸受け25の逆U字部分にはガイド軸15が挿入されている。
【0031】
上記シャッターユニット20における撮像側に在ってZ軸に垂直で且つXY平面に平行な面26には、上記撮像素子に入射する光を制限する光量制限部(図示せず)が配置されている。また、シャッターユニット20における被写体側に在ってZ軸に垂直で且つXY平面に平行な面27にはFPC21の一端部が面27に沿って配置されており、FPC21の一端が上記光量制限部の駆動部に給電するために、面27に半田付けされている。このFPC21は、基材に対して片面にのみ導電部材が形成されており、上記導電部材は上記基材に対して被写体側に形成されている。
【0032】
上記第2レンズホルダ17とシャッターユニット20との固定は、螺子28,29が第2レンズホルダ17を貫通して、シャッターユニット20における被写体側の面27に締結されることにより行われている。すなわち、FPC21の上記一端部は、第2レンズホルダ17とシャッターユニット20との間に配設されて、螺子28,29で締結されている。そのため、FPC21の一部がシャッターユニット20から離間することを防止することができる。さらに、FPC21への不要光は、第2レンズホルダ17とシャッターユニット20とによって遮られる。そのため、FPC21に不要光が当たって反射することにより、撮像時にゴーストの要因となるのを防止することができる。
【0033】
上記第2レンズホルダ17におけるFPC21側の端面には、突起部30が形成されている。この突起部30は、第2レンズホルダ17のガイド軸受け25の上部からY軸方向上側に延在して設けられており、突起部30のX軸方向にはギャップ31が形成されている。このギャップ31にはシャッターユニット20から延在するFPC21が挿通されており、FPC21はギャップ31の位置で曲げられて被写体側に引き出されている。したがって、FPC21を、第2レンズホルダ17に接着や両面テープや固定部材等で固定することなく配設することが可能になる。また、ギャップ31は、ガイド軸受け25よりもY方向上側に位置しているため、組み立て時においてFPC21の誘導を行い易く、利便性がある。
【0034】
図4は、上記FPC21の展開図を示す。FPC21における光学ベース12の外部に配置されている部分(以下、外側部分という)21aの下部には、被写体側に4つの穴32が設けられ、撮像側に4つの穴33が設けられている。この穴32と穴33とには、図2に示すように、第1位置検出器22および第2位置検出器23に導通するための金属製の足が挿入され、後に半田付け等によって上記金属製の足がFPC21の外側部分21aに電気的に接続される。こうして、FPC21によって、第1位置検出器22および第2位置検出器23に給電を行うことが可能になる。
【0035】
以上のような上記FPC21の取り回しによれば、FPC21の基材に対して被写体側の面にのみの導電部材が形成されているため、FPC21の製造容易性およびローコスト化を実現することが可能になる。さらに、FPC21における第2レンズホルダ17およびシャッターユニット20の移動に伴って湾曲位置が移動する部分21bの厚みを薄くすることが可能になるため、第2レンズホルダ17をスムーズに移動させることが可能になる。
【0036】
また、上記FPC21における上記湾曲位置が移動する部分21bが上記湾曲位置が移動しない部分21cと比較して幅が狭くなっているため、上述と同様に、第2レンズホルダ17をスムーズに移動させることが可能になる。さらに、上記湾曲位置が移動する部分21bが上記湾曲位置が移動しない部分21cと比較して幅が狭くなっているので、第2レンズホルダ17の移動に伴って第2レンズホルダ17がFPC21の湾曲部から受ける力が小さくなる。そのため、第2レンズホルダ17の光軸に対するFPC21の角度の変化を小さくして、FPC21の湾曲が画質に与える影響を小さくすることができる。
【0037】
図5は、図1の平面図であり、上記第2レンズホルダ17が最も上記撮像素子側に移動した場合を示している。その状態における上記第1レンズホルダ16の位置も図5に示すとおりである。FPC21が、厚み方向がZX平面の延在方向になるようにシャッターユニット20から引き出され、第2レンズホルダ17の突起部30が形成しているギャップ31を通過し、さらに被写体側に誘導されている。そして、第1レンズホルダ16の近傍で湾曲して撮像側に向かい、光学ベース12の側壁12cの切り欠き34から外部へ出ている。
【0038】
図6は、上記第2レンズホルダ17が最も被写体側に移動した場合を示している。FPC21は、突起部30のギャップ31を通過し、光学ベース12の被写体側壁12aの近傍で湾曲して撮像側に向かい、突起部30と光学ベース12の側壁12cとの間に誘導されて、光学ベース12の側壁12cの切り欠き34から外部に出ている。
【0039】
その場合、上記突起部30は、撮像素子側に誘導されているFPC21を光学ベース12の側壁12c側に押し付けながら第2レンズホルダ17と共に移動することが可能である。そのため、FPC21が第1レンズホルダ16と第2レンズホルダ17との間に挟まれることを防止することが可能になる。また、FPC21が光路に近づいて、撮像時にFPC21からの反射光がゴーストとなることを防止することが可能になる。
【0040】
以上のごとく、本実施の形態によれば、上記第2レンズホルダ17の撮像素子側に固着されているシャッターユニット20に給電するためのFPC21は、その一端部がシャッターユニット20と第2レンズホルダ17のとの間に配置されて、第2レンズホルダ17とシャッターユニット20とによって挟持されている。したがって、FPC21がシャッターユニット20から離間するのを防止でき、FPC21をシャッターユニット20に固定する部材が不必要となり、部品点数を削減することができる。
【0041】
さらに、上記FPC21における上記一端部が第2レンズホルダ17とシャッターユニット20との間に配設されている。したがって、FPC21への不要光を第2レンズホルダ17とシャッターユニット20とによって遮ることでき、不要光がFPC21で反射されて映像にゴーストが発生するのを防止することができる。
【0042】
また、上記FPC21は、シャッターユニット20の端部で被写体方向に曲げられてから光学ベース12の側壁12cに固定されるまでの間において、何ら拘束を受けることがない。したがって、上記特許文献1に開示された従来のレンズ鏡筒の場合のように、掛止支持部に引っ掛けられて上記配線に急激な曲げ力が加わることがなく、第2レンズホルダ17の移動に伴ってFPC21に無理な力が掛かるのを防止することができる。そのために、FPC21は、その基材に対して一側にのみ導体を形成して薄くすることが可能になる。
【0043】
さらに、上記FPC21における他端側の外側部分21aには、第1位置検出器22および第2位置検出器23の給電端子が接続されるようになっている。したがって、第1位置検出器22および第2位置検出器23に給電するための専用のFPCを別途設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。
【0044】
また、上記帯状を成すFPC21の湾曲が移動する部分21bにおける幅を湾曲が移動しない部分21cにおける幅よりも狭くしている。したがって、第2レンズホルダ17の移動に伴って第2レンズホルダ17がFPC21の湾曲部から受ける力を小さくすることができる。そのため、第2レンズホルダ17の光軸に対するFPC21の角度変化を小さくして、FPC21の湾曲が画質に与える影響を小さくすることができる。
【0045】
また、上記FPC21における被写体方向に曲げられる箇所が、第2レンズホルダ17の突起部30に設けられたギャップ31によって保持されている。したがって、第2レンズホルダ17およびシャッターユニット20の移動に伴って、FPC21における被写体方向に曲げられる位置や角度が変動することがなく、FPC21が光路側に侵入するのを防止できる。
【0046】
また、上記突起部30に設けられたギャップ31の箇所で被写体方向に曲げられたFPC21は、途中で湾曲して撮像側に向かって延在し、突起部30の外側、つまり突起部30と光学ベース12の側壁12cとの間を通って側壁12cに取り付け・固定されている。したがって、突起部30は、第2レンズホルダ17と共に、FPC21を側壁12c側に押し出しながら移動することができる。そのため、第2レンズホルダ17およびシャッターユニット20の移動に伴って、FPC21が光路側に侵入するのをより効果的に防止することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明のレンズユニットが搭載された光学ユニットにおける概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す光学ユニットの図1とは異なる方向からの斜視図である。
【図3】図1における第2レンズホルダとこれに搭載されている部材とを示す図である。
【図4】図1におけるFPCの展開図である。
【図5】図1に示す光学ユニットにおける第2レンズホルダが最も撮像素子側に移動した場合の平面図である。
【図6】図1に示す光学ユニットにおける第2レンズホルダが最も被写体側に移動した場合の平面図である。
【図7】従来のFPCを備えたレンズ鏡筒における上記FPCの取り回しの説明図である。
【符号の説明】
【0048】
11…光学ユニット、
12…光学ベース、
12a…被写体側壁、
12b…撮像側壁、
12c…側壁、
13,14,15…ガイド軸、
16…第1レンズホルダ、
17…第2レンズホルダ、
18…第1レンズ、
19…第2レンズ、
20…シャッターユニット、
21…FPC、
21a…FPCの外側部分、
21b…FPCの湾曲位置が移動する部分、
21c…FPCの湾曲位置が移動しない部分、
22…第1位置検出器、
23…第2位置検出器、
24…ガイド穴、
25…ガイド軸受け、
26…シャッターユニットにおける撮像側の面、
27…シャッターユニットにおける被写体側の面、
28,29…螺子、
30…突起部、
31…ギャップ、
32,33…穴、
34…側壁の切り欠き。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸方向に配置されたレンズ群と、
上記レンズ群を搭載すると共に、光軸に平行な軸に沿って移動可能なレンズホルダと、
上記レンズホルダに取り付け固定されて、上記レンズホルダと共に移動するシャッターユニットと、
上記シャッターユニットに搭載されると共に、上記シャッターユニットに設けられた光量制御部を駆動して光量制御動作を行わせる駆動部と、
可堯性を有すると共に、上記駆動部に給電を行う配線と
を備え、
上記配線における上記駆動部側の一端部は上記レンズホルダと上記シャッターユニットとの間に配設されている
ことを特徴とするレンズユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のレンズユニットにおいて、
上記配線は、上記シャッターユニットの端部で被写体方向に曲げられて被写体方向に延在すると共に、途中で湾曲して撮像側に向かって延在し、上記一端部とは反対側の他端部はケーシングの側壁に固定されており、
上記配線における上記他端部には、上記レンズホルダの位置を検出する位置検出センサの給電端子が接続されている
ことを特徴とするレンズユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のレンズユニットにおいて、
上記配線は、帯状を成すと共に、上記レンズホルダおよび上記シャッターユニットの移動に伴って上記湾曲の位置が移動するようになっており、
上記配線における少なくとも上記シャッターユニットの移動に伴って上記湾曲の位置が移動する領域での幅が、上記他端部の幅よりも狭くなっている
ことを特徴とするレンズユニット。
【請求項4】
請求項2に記載のレンズユニットにおいて、
上記配線は帯状を成しており、
上記レンズホルダにおける上記配線が被写体方向に曲げられる位置の近傍にはスリット状の切り欠きが設けられており、この切り欠きには上記配線が挿通されて保持されている
ことを特徴とするレンズユニット。
【請求項5】
請求項4に記載のレンズユニットにおいて、
上記切り欠きは、上記レンズホルダにおける側面にこの側面から突起して設けられた突起部と上記レンズホルダの本体との隙間によって構成されている
ことを特徴とするレンズユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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