説明

レンズ鏡筒、光学機器

【課題】位置検出を正確に行うことができ、小型のレンズ鏡筒、光学機器を提供する。
【解決手段】シャッタ羽根駆動用コイル11及び絞り羽根駆動用コイル12を有したシャッタユニット10と、ホール素子31,32が実装された位置センサ基板ユニット30との間に、遮蔽板20を設ける。これにより、シャッタ羽根駆動用コイル11及び絞り羽根駆動用コイル12が発生する磁気がホール素子31,32に到達することを防止でき、正確な位置検出を行える。よって、シャッタ羽根駆動用コイル11及び絞り羽根駆動用コイル12とホール素子31,32とを近づけて配置でき、小型のレンズ鏡筒とできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物の移動の検出に、磁気検出を行う磁気センサを用いるレンズ鏡筒、光学機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、可動レンズであるブレ補正光学系を光軸に略直交する面内でシフト移動させることによって、像のブレを補正するときに、ブレ補正光学系のシフト移動量を検出するためにホール素子を用いる装置が特許文献1に開示されている。
【0003】
このような装置を、レンズ一体型の小型カメラに適用する場合、ブレ補正光学系がシャッタユニットや絞りユニットの近傍に配置される場合がある。
このような場合、シャッタや絞り等を駆動するアクチュエータが発生する磁気がホール素子に感知されると、ホール素子によるブレ補正光学系の位置検出精度が低下し、正確なブレ補正動作の妨げになるという問題があった。
また、これらのアクチュエータが発生する磁気がホール素子に影響を与えないようにアクチュエータを配置すると、装置の小型化を図れないという問題があった。
【特許文献1】特開2004−245765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、位置検出を正確に行うことができ、小型のレンズ鏡筒、光学機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、磁気を感知する磁気センサ(31,32)と、少なくとも駆動時に磁力を発生するアクチュエータ(11,12)と、前記磁気センサと前記アクチュエータとの間に設けられ、前記アクチュエータから前記磁気センサに到達する磁気の強度を低減する磁気遮蔽部材(20)と、を備えるレンズ鏡筒である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のレンズ鏡筒において、前記磁気遮蔽部材(20)は、光軸に沿った方向で前記磁気センサ(31,32)と前記アクチュエータ(11,12)とに挟まれる位置に配置されていること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のレンズ鏡筒において、光軸に直交する方向に移動可能に設けられたブレ補正光学系(L3)を備え、前記磁気センサ(31,32)は、前記ブレ補正光学系の移動を検出する位置検出部(31,32,51,52,55,56)に用いられ、前記アクチュエータ(11,12)は、前記ブレ補正光学系を通過する光束を遮断するシャッタを駆動するシャッタアクチュエータ(11)と、前記ブレ補正光学系を通過する光束を制限する絞りを駆動する絞りアクチュエータ(12)との少なくとも一方であること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、前記光軸方向から見たときに、前記磁気センサ(31,32)と前記アクチュエータ(11,12)とは、光軸を通る直線(A)により分割された2領域の一方に配置されていること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、前記磁気遮蔽部材(20)は、高透磁率磁性合金により形成されていること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒を備える光学機器である。
なお、符号を付した構成は適宜改良してもよい。また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよく、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らない。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、磁気センサとアクチュエータとの間に磁気遮蔽部材を設けたので、位置検出を正確に行うことができ、小型のレンズ鏡筒、光学機器とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
【0008】
(実施形態)
図1は、本実施形態のレンズ鏡筒を含むカメラの主要部を光軸で切断した断面図である。
なお、図1を含め、以下に示す図のうち座標軸を示すことが可能な図については、理解を容易にするために、カメラを正位置としたときの上方をYプラス方向として設けたXYZ直交座標を併記している。なお、光軸方向の被写体側から見たときの右側をXプラス方向とし、光軸方向の被写体側をZプラス方向とした。ここで、正位置とは、撮影光学系の光軸Oが水平であり、かつ、撮影画面の長手方向が水平方向となるカメラの姿勢を示すものとする。
本実施形態のレンズ鏡筒は、撮像素子1及びローパスフィルタ1aを固定する撮像素子固定部2に固定され、カメラの主要部を形成している。
本実施形態のレンズ鏡筒は、固定筒3,カム筒4,1群筒5,3群筒6,中間筒7,2群筒8,4群枠9,シャッタVRユニット100等を備え、第1レンズ群L1,第2レンズ群L2,第3レンズ群L3,第4レンズ群L4の4群構成の撮影光学系を有している。
【0009】
固定筒3は、内周に雌ヘリコイドが形成され、撮像素子固定部2に固定されている。
カム筒4は、固定筒3の内周側に配置され、外周に設けられた雄ヘリコイドが固定筒3の雌ヘリコイドに螺合している。また、カム筒4の内周には、カム溝が螺旋状に設けられている。
1群筒5は、カム筒4の内周側に配置され、外周に不図示のカムフォロアを有し、このカムフォロアがカム筒4のカム溝にカム係合している。1群筒5は、1群枠5aを介して第1レンズ群L1を保持している。また、1群筒5の被写体側先端部には、カメラの非使用状態(レンズ鏡筒の沈胴状態)において、第1レンズ群L1を覆い保護するバリア機構5bが設けられている。
【0010】
3群筒6は、1群筒5の内周側に配置され、カム筒4の像側端部に対して相対的に回転可能、かつ、光軸方向にはカム筒4とともに移動するように設けられている。3群筒6の像側には、直進ガイド6aが固定され、3群筒6の回転が規制されている。したがって、3群筒6は、回転することなく、カム筒4の移動に従い光軸方向に移動する。また、3群筒6には、シャッタVRユニット100に含まれるVR本体ユニット40が固定されている。
【0011】
中間筒7は、3群筒6の内周側に配置され、不図示のフォロアピンが固定されている。このフォロアピンは、3群筒6に光軸方向に沿って設けられた不図示の直進溝を介してカム筒4のカム溝と係合している。したがって、カム筒4が回転すると、中間筒7は、光軸方向に移動する。
2群筒8は、2群枠8aを介して第2レンズ群L2を保持しており、中間筒7の内周側に配置され、中間筒7と不図示の嵌合部で嵌合することにより、中間筒7に対して光軸方向に移動可能となっている。2群筒8は、沈胴位置〜広角位置〜望遠位置で、中間筒7に対する光軸方向の位置が変化するようになっている。
4群枠9は、第4レンズ群L4を保持しており、不図示のガイド軸及び回転止め軸により支持され、光軸方向に沿って移動可能となっている。4群枠9は、不図示のステッピングモータから駆動力を得て、光軸方向に駆動される。
【0012】
図2は、本実施形態のシャッタVRユニット100を組み立てた状態を示す斜視図である。
図3は、本実施形態のシャッタVRユニット100を被写体側から見た分解斜視図である。
図4は、本実施形態のシャッタVRユニット100を撮像素子側から見た分解斜視図である。
図5は、シャッタVRユニット100をY軸に沿って切断した断面図である。
図6は、シャッタユニット10とホール素子31,32とVCM用コイル53,54を光軸方向の像側から見た図である。
なお、VCM(Voice Coil Motor)とは、後述の可動VRユニット50を駆動する駆動力を発生するアクチュエータを示す。
シャッタVRユニット100は、被写体側から順に、シャッタユニット10,遮蔽板20,位置センサ基板ユニット30,VR本体ユニット40,可動VRユニット50,蓋ユニット60等を備えている。
【0013】
シャッタユニット10は、不図示のシャッタ羽根及びその駆動機構と、不図示の絞り羽根及びその駆動機構を備え、VR本体ユニット40に固定されている。シャッタユニット10には、シャッタの駆動機構を駆動する駆動力を発生するアクチュエータの一部であるシャッタ羽根駆動用コイル11と、絞り羽根の駆動機構を駆動する駆動力を発生するアクチュエータの一部である絞り羽根駆動用コイル12とが像側に露出して設けられている。図6に示すように、シャッタ羽根駆動用コイル11は、光軸Oを基準としてYプラス側に配置されており、絞り羽根駆動用コイル12は、光軸Oを基準としてXプラス側かつYマイナス側となる位置に配置されている。
遮蔽板20は、高透磁率磁性合金であるパーマロイにより形成された板状の部材である。遮蔽板20は、シャッタユニット10と位置センサ基板ユニット30とに挟まれる位置に配置され、シャッタユニット10とVR本体ユニット40とに挟まれて固定されている。遮蔽板20の詳細については、後述する。
【0014】
位置センサ基板ユニット30は、後述の可動VRユニット50のXY平面内での位置を検出するホール素子31,32が実装されたフレキシブル基板である。
ホール素子31は、後述のホール素子用マグネット51が発生する磁気の変化を検出して、可動VRユニット50のY軸方向の位置を検出するセンサである。ホール素子31は、VR本体ユニット40に設けられた穴40aに挿入されて固定されている。
ホール素子32は、後述のホール素子用マグネット52が発生する磁気の変化を検出して、可動VRユニット50のX軸方向の位置を検出するセンサである。ホール素子32は、ホール素子31と同様に、VR本体ユニット40に設けられた穴40bに挿入されて固定されている。
位置センサ基板ユニット30は、不図示のレンズCPUに接続されており、ホール素子31,32が検出した磁気に対応する信号をレンズCPUに伝える。なお、レンズCPUでは、得られた磁気に対応する信号を基に、可動VRユニット50の位置を演算する。
【0015】
VR本体ユニット40は、略円筒形状をしており、後述の可動VRユニット50を移動可能に保持し、ブレ補正機構のベースとなる部分である。先に述べたように、VR本体ユニット40は、3群筒6に固定されており、3群筒6とともに光軸方向に移動する。VR本体ユニット40には、上述したホール素子31,32の他に、像側の面にVCM用ヨーク41,42が固定されている。
ホール素子31は、光軸Oを基準としてYプラス側に配置され、VCM用ヨーク41は、光軸Oを基準としてYマイナス側に配置されている。また、ホール素子32は、光軸Oを基準としてXプラス側に配置され、VCM用ヨーク42は、光軸Oを基準としてXマイナス側に配置されている。
【0016】
可動VRユニット50は、第3レンズ群L3を保持し、VR本体ユニット40内に配置され、光軸Oに直交するXY平面内で移動可能に設けられている。第3レンズ群L3は、光軸Oに直交する方向に移動することにより、撮像素子1上に結像する像の位置を移動させることができるブレ補正光学系である。本実施形態のレンズ鏡筒では、不図示の角速度センサ等を有した振れ検出部により検出した手振れによるカメラの振れに応じて、可動VRユニット50が保持する第3レンズ群L3を光軸Oに直交する面内で移動させることにより、像ブレを軽減するブレ補正動作を行う。
【0017】
図7は、VR本体ユニット40が可動VRユニット50を支持する部分を示す断面図である。
図8は、可動VRユニット50をVR本体ユニット40側に付勢する部分を示す断面図である。
可動VRユニット50とVR本体ユニット40との間には、ボール43が3つ設けられている。また、可動VRユニット50とVR本体ユニット40とには、引っ張りコイルばね44が掛け渡されており、VR本体ユニット40を可動VRユニット50側へ付勢している。よって、可動VRユニット50は、VR本体ユニット40に対してXY平面内で滑らかに移動可能である。
【0018】
図3〜図6に戻って、可動VRユニット50には、ホール素子31に対応する位置に、ホール素子用マグネット51及びホール素子用ヨーク55が固定され、ホール素子32に対応する位置に、ホール素子用マグネット52及びホール素子用ヨーク56が固定されている。ホール素子用マグネット51,52は、可動VRユニット50の被写体側に設けられ、ホール素子用ヨーク55,56は、可動VRユニット50の像側に設けられている。
また、可動VRユニット50には、VCM用ヨーク41に対応する位置に、VCM用コイル53が固定され、VCM用ヨーク42に対応する位置に、VCM用コイル54が固定されている。
さらに、可動VRユニット50の像側には、VCM用コイル53,54への通電を行うためのVCM用フレキシブル基板57,58が設けられている。
【0019】
蓋ユニット60は、金属板をプレス加工して成形されており、可動VRユニット50を内包するVR本体ユニット40を像側から蓋をするように配置される部材である。蓋ユニット60は、被写体側に突出して曲げられた係合部60aを3カ所有しており、この係合部60aがVR本体ユニット40の外周側に設けられた係合突起40cと係合することにより固定されている。
蓋ユニット60には、VCM用コイル53に対応する位置に、VCM用マグネット61とVCM用ヨーク63が固定され、VCM用コイル54に対応する位置に、VCM用マグネット62とVCM用ヨーク64が固定されている。VCM用マグネット61,62は、蓋ユニット60の被写体側に設けられ、VCM用ヨーク63,64は、蓋ユニット60の像側に設けられている。
【0020】
以上説明した構成をまとめると、VCM用ヨーク41,VCM用コイル53,VCM用マグネット61,VCM用ヨーク63によりY軸方向の駆動力を発生するVCMが形成され、VCM用ヨーク42,VCM用コイル54,VCM用マグネット62,VCM用ヨーク64によりX軸方向の駆動力を発生するVCMが形成されている。また、ホール素子31,ホール素子用マグネット51,ホール素子用ヨーク55により可動VRユニット50のY軸方向の位置を検出する位置検出部が形成され、ホール素子32,ホール素子用マグネット52,ホール素子用ヨーク56により可動VRユニット50のX軸方向の位置を検出する位置検出部が形成されている。
したがって、可動VRユニット50は、VR本体ユニット40に対して、位置制御されながら光軸Oに直交するXY平面で駆動可能となり、ブレ補正動作を行うことができる。
【0021】
ここで、ホール素子31,32は、上述したように、磁気の変化を検出することにより、可動VRユニット50の位置を検出するので、ホール素子用マグネット51,52が発生する磁気以外の磁気を検出すると、位置検出精度に影響が生じるおそれがある。本実施形態において、ホール素子用マグネット51,52以外で、ホール素子31,32に対して磁気の影響を与える可能性が考えられる構成としては、シャッタ羽根駆動用コイル11、絞り羽根駆動用コイル12、VCM用コイル53,54、VCM用マグネット61,62を挙げることができる。
【0022】
先に示した図6を見て分かるように、ホール素子31,32は、VCM用コイル53,54とは、XY平面方向で十分に距離が離れている。したがって、ホール素子31,32は、VCM用コイル53,54及びVCM用マグネット61,62の磁気の影響を殆ど受けることはない。
【0023】
しかし、シャッタ羽根駆動用コイル11及び絞り羽根駆動用コイル12は、図6中に示した光軸Oを通る直線Aよりも左斜め上方側に集中して配置されており、特に、シャッタ羽根駆動用コイル11とホール素子31とは、図6上で重なるように配置されている。また、シャッタ羽根駆動用コイル11及び絞り羽根駆動用コイル12とホール素子31,32とは、光軸方向における距離も接近している(図5参照)。したがって、ホール素子31,32とシャッタ羽根駆動用コイル11及び絞り羽根駆動用コイル12をそのまま配置しただけでは、ホール素子31,32がシャッタ羽根駆動用コイル11及び絞り羽根駆動用コイル12から生じる磁気の影響を受けて、位置検出精度が低下するおそれがある。
【0024】
そこで、本実施形態では、シャッタ羽根駆動用コイル11及び絞り羽根駆動用コイル12を有したシャッタユニット10と、ホール素子31,32が実装された位置センサ基板ユニット30との間に、遮蔽板20を設けている。
先に説明したように、遮蔽板20は、高透磁率磁性合金であるパーマロイにより形成されている。このパーマロイは、透磁性が非常に高く、その内部を磁気が通り易いという特性を有している。遮蔽板20がこの特性を有しているため、遮蔽板20に到達した磁気は、そのまま通過するよりも遮蔽板20内を進む方が進みやすいので、遮蔽板20の板面方向に沿って遮蔽板20内を進むことになる。したがって、遮蔽板20に到達した磁気は、そのまま通過してホール素子31,32に到達してしまうようなことなく、遮蔽板20は、磁気遮蔽部材として機能する。
【0025】
図9は、光軸方向の撮像素子側からシャッタ羽根駆動用コイル11、絞り羽根駆動用コイル12、遮蔽板20、ホール素子31,32、VCM用コイル53,54を見た図である。
本実施形態では、遮蔽板20は、光軸Oに直交するXY平面上でシャッタ羽根駆動用コイル11、絞り羽根駆動用コイル12、ホール素子31,32の全てと重なるように配置されている。したがって、遮蔽板20は、シャッタ羽根駆動用コイル11及び絞り羽根駆動用コイル12が発生する磁気がホール素子31,32に到達しないように遮蔽できる。
【0026】
本実施形態によれば、磁気を発生するアクチュエータであるシャッタ羽根駆動用コイル11及び絞り羽根駆動用コイル12とホール素子31,32との間に遮蔽板20を設けたので、シャッタ羽根駆動用コイル11及び絞り羽根駆動用コイル12が発生する磁気の影響を受けることなく、ホール素子31,32により正確な位置検出を行える。また、シャッタ羽根駆動用コイル11及び絞り羽根駆動用コイル12とホール素子31,32とを接近させることができるので、全体を小型にすることができる。
なお、VCMが形成される部分は、光軸方向に大きな配置空間を必要とするのに対して、ホール素子31,32が形成される部分は、光軸方向の配置空間が小さい。したがって、XY平面においてホール素子31,32とシャッタ羽根駆動用コイル11及び絞り羽根駆動用コイル12とが重なるように配置することは、全体を小型化するために都合がよい配置である。
【0027】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)本実施形態において、可動VRユニット50の位置を検出するセンサとしてホール素子31,32を使用する例を示したが、これに限らず、例えば、MI(Magneto Impedance)センサ、磁気共鳴型磁界検出素子、MR(Magneto-Resistance)素子等、磁気を感知する他の磁気センサを用いてもよい。
【0028】
(2)本実施形態において、デジタルカメラを例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、ビデオカメラ、フィールドスコープ、双眼鏡等、他の光学機器であってもよい。
【0029】
(3)本実施形態において、遮蔽板20は、シャッタ羽根駆動用コイル11及び絞り羽根駆動用コイル12が発生する磁気を遮蔽する例を示したが、これに限らず、例えば、VCM用アクチュエータが発生する磁気を遮蔽してもよい。また、レンズを駆動するアクチュエータが発生する磁気に限らず、例えば、撮像素子を駆動してブレ補正動作を行うブレ補正機構を含むレンズ鏡筒において、撮像素子を駆動するアクチュエータが発生する磁気を遮蔽板により遮蔽してもよい。
【0030】
(4)本実施形態において、遮蔽板20の素材は、パーマロイを使用する例を示したが、これに限らず、ホール素子31,32に伝わる磁気を低減できる素材であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本実施形態のレンズ鏡筒を含むカメラの主要部を光軸で切断した断面図である。
【図2】本実施形態のシャッタVRユニット100を組み立てた状態を示す斜視図である。
【図3】本実施形態のシャッタVRユニット100を被写体側から見た分解斜視図である。
【図4】本実施形態のシャッタVRユニット100を撮像素子側から見た分解斜視図である。
【図5】シャッタVRユニット100をY軸に沿って切断した断面図である。
【図6】シャッタユニット10とホール素子31,32とVCM用コイル53,54を光軸方向の像側から見た図である。
【図7】VR本体ユニット40が可動VRユニット50を支持する部分を示す断面図である。
【図8】可動VRユニット50をVR本体ユニット40側に付勢する部分を示す断面図である。
【図9】光軸方向の撮像素子側からシャッタ羽根駆動用コイル11、絞り羽根駆動用コイル12、遮蔽板20、ホール素子31,32、VCM用コイル53,54を見た図である。
【符号の説明】
【0032】
11:シャッタ羽根駆動用コイル、12:絞り羽根駆動用コイル、31,32:ホール素子、20:遮蔽板、53,54:VCM用コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気を感知する磁気センサと、
少なくとも駆動時に磁力を発生するアクチュエータと、
前記磁気センサと前記アクチュエータとの間に設けられ、前記アクチュエータから前記磁気センサに到達する磁気の強度を低減する磁気遮蔽部材と、
を備えるレンズ鏡筒。
【請求項2】
請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
前記磁気遮蔽部材は、光軸に沿った方向で前記磁気センサと前記アクチュエータとに挟まれる位置に配置されていること、
を特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のレンズ鏡筒において、
光軸に直交する方向に移動可能に設けられたブレ補正光学系を備え、
前記磁気センサは、前記ブレ補正光学系の移動を検出する位置検出部に用いられ、
前記アクチュエータは、前記ブレ補正光学系を通過する光束を遮断するシャッタを駆動するシャッタアクチュエータと、前記ブレ補正光学系を通過する光束を制限する絞りを駆動する絞りアクチュエータとの少なくとも一方であること、
を特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、
前記光軸方向から見たときに、前記磁気センサと前記アクチュエータとは、光軸を通る直線により分割された2領域の一方に配置されていること、
を特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、
前記磁気遮蔽部材は、高透磁率磁性合金により形成されていること、
を特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒を備える光学機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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