説明

レンズ駆動装置及びこれを備えたカメラモジュール

【課題】ガイド部材のベースに対する垂直度の低下を抑制したレンズ駆動装置、及びこれを備えたカメラモジュールを提供する。
【解決手段】レンズ駆動装置は、基部31を有するベース30と、レンズを保持するとともにベース30に対してレンズの光軸方向に移動可能であるホルダと、ベース30に光軸方向に沿って設けられるとともにホルダの光軸方向の移動をガイドするシャフトとを備えている。このベース30には、シャフトの光軸方向の上方を受ける支柱側シャフト受部36と、シャフトの光軸方向の下方を受ける基部側シャフト受部37とが設けられている。これら支柱側シャフト受部36と基部側シャフト受部37とは、単一部材として構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基部を有するベースと、レンズを保持するとともにベースに対してレンズの光軸方向に移動可能であるホルダと、ベースに光軸方向に沿って設けられるとともにホルダの光軸方向の移動をガイドするガイド部材とを備えるレンズ駆動装置及びこれを備えたカメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話に搭載されるカメラは、高画素化が進み、オートフォーカスが必須の機能となっている。そこで、このカメラのオートフォーカスを行うため、携帯電話にはレンズ駆動装置が搭載されている。一方、携帯電話の薄型化及び小型化に伴い、レンズ駆動装置に与えられるスペースを縮小する要求が高まっている。この要求に対応するため、レンズ駆動装置のレンズを駆動させる構造としては、例えば、特許文献1のようなボイスコイル型の構造が採用されている。このボイスコイル型の構造は、一般的なステッピングモータを用いた構造と比較して、構成を簡略化できるため、レンズ駆動装置の小型化を達成できることが知られている。
【0003】
図13を参照して、従来のボイスコイル型のレンズ駆動装置の構成について説明する。
図13に示すように、レンズ駆動装置100には、このレンズ駆動装置100の外枠を構成するベース110とカバー120とが設けられている。これらベース110とカバー120とが互いに嵌合することにより形成される内部空間内には、レンズGを保持するホルダ130が収納されている。また、ベース110とカバー120とには、レンズGの光軸方向に向かい延びるガイド部材であるガイドシャフト140,141が固定されている。ホルダ130の光軸方向への移動は、ガイドシャフト140,141によってガイドされている。これにより、レンズGの移動方向がベース110に対して垂直方向となる予め設定されたレンズGの光軸方向(以下、「設定光軸方向」)と一致するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−185749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ベース110及びカバー120は、樹脂材料を用いて射出成形によりそれぞれ成形されている。そして、ベース110における上記ガイドシャフト140,141と対応する位置には、ベース側受部111,112がそれぞれ設けられている。一方、カバー120における上記ガイドシャフト140,141と対応する位置には、カバー側受部121,122がそれぞれ設けられている。上記ガイドシャフト140,141は、これらベース側受部111,112及びカバー側受部121,122によって光軸方向から挟まれるようにして固定されている。
【0006】
しかしながら、これらベース側受部111,112及びカバー側受部121,122は、ベース側受部111,112及びカバー側受部121,122の各成形誤差や、ベース110とカバー120との組立誤差(即ち、ベース110とカバー120の嵌合によるずれ)により、互いに径方向または周方向の位置が異なってしまう場合がある。この場合には、ベース側受部111の中心CB1とカバー側受部121の中心CK1とを結ぶ直線LR1、及びベース側受部112の中心CB2とカバー側受部122の中心CK2とを結ぶ直線LR2は、それぞれ設定光軸方向に対して傾いてしまう。これにより、ベース側受部111とカバー側受部121とに固定されるガイドシャフト140、及びベース側受部112とカバー側受部122とに固定されるガイドシャフト141は、それぞれ設定光軸方向に対して傾いてしまう。即ち、ガイドシャフト140,141のベース110に対する垂直度がそれぞれ低下してしまう。したがって、ガイドシャフト140,141の上記垂直度の低下の影響により、ホルダ130が設定光軸方向に対して傾くため、レンズ駆動装置100を組み立てたときには、レンズGの光軸方向が設定光軸方向に対して傾いた方向となってしまう場合がある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ガイド部材のベースに対する垂直度の低下を抑制したレンズ駆動装置、及びこれを備えたカメラモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、レンズを露出する開口穴が設けられた基部を有するベースと、前記レンズを保持するとともに前記ベースに対して前記レンズの光軸方向に移動可能であるホルダと、前記ベースに前記光軸方向に沿って設けられるとともに前記ホルダの前記光軸方向の移動をガイドするガイド部材とを備えるレンズ駆動装置において、前記ベースには、前記ガイド部材の前記光軸方向の一方側を受ける第1受部と、前記ガイド部材の前記光軸方向の他方側を受ける第2受部とが設けられ、前記第1受部と前記第2受部とは、単一部材として構成されることを要旨とする。
【0009】
この発明によれば、ガイド部材の光軸方向の両側を受ける第1受部及び第2受部が単一部材として構成されるため、これら第1受部及び第2受部が複数の部材から構成される場合と比較して、ガイド部材のベースに対する垂直度の低下を抑制することができるようになる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレンズ駆動装置において、前記ガイド部材は、前記光軸方向を中心としてレンズの径方向に向かう対角線上に2つ設けられ、前記第1受部及び前記第2受部の両方は、前記ガイド部材のうちの一つのガイド部材が配置される前記ベースの部位のみに設けられることを要旨とする。
【0011】
この発明によれば、ベースにおいてガイド部材のそれぞれの対応する位置に第1受部と第2受部とが設けられる構成と比較して、作業者が第1受部と第2受部との光軸方向の間にホルダを挿入する作業を容易に行うことができるようになる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置において、前記基部には、前記レンズの周方向に離間するとともに前記光軸方向に向かい延びる複数の支柱部が設けられ、前記支柱部には、前記ホルダの前記光軸方向の移動を行うためのコイルが巻回され、前記第2受部は、前記基部に設けられ、前記第1受部は、前記光軸方向において前記基部と離間した前記支柱部の部位に設けられることを要旨とする。
【0013】
この発明によれば、支柱部が巻回されたコイルを保持する役割とシャフトを支持する役割とを兼ねるようになる。したがって、支柱部とは別に第1受部を設ける構成と比較して、この別の第1受部を設けるために必要なスペースを省略することができるため、ベースの小型化を図ることができるようになる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のレンズ駆動装置において、前記第1受部の内面とこの内面に対応する前記ガイド部材の外面、及び前記第2受部の内面とこの内面に対応する前記ガイド部材の外面は、それぞれ互いに接触する部位を有することを要旨とする。
【0015】
この発明によれば、ガイド部材の外面と第1受部の内面及び第2受部の内面とがそれぞれ互いに接触する部位を有するため、第1受部及び第2受部に対してガイド部材が正確に固定されるようになる。したがって、ガイド部材の外面と第1受部の内面及び第2受部の内面とが互いに接触する部位を持たない構造と比較して、ガイド部材のベースに対する垂直度の低下を抑制することができるようになる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のレンズ駆動装置において、前記周方向に隣り合う前記支柱部には、前記周方向に互いを連結する連結部が設けられることを要旨とする。
【0017】
この発明によれば、支柱部に連結部が設けられることにより、支柱部の倒れに対する強度が向上するため、第1受部にガイド部材を固定するときの力によって支柱部が変形することが抑制されるようになる。したがって、第1受部と第2受部とを結ぶ直線のベースに対する垂直度の低下が抑制されるため、ガイド部材のベースに対する垂直度の低下を抑制することができるようになる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載のレンズ駆動装置において、前記基部には、前記レンズを露出するための開口部が設けられ、前記開口部の周縁には、前記光軸方向に向かい延びるリブが設けられることを要旨とする。
【0019】
この発明によれば、基部の開口部の周縁にリブが設けられることにより、基部の強度が向上するようになる。したがって、基部に設けられた第2受部にガイド部材が固定されるときに基部が変形することが抑制されるようになる。その結果、第1受部と第2受部とを結ぶ直線のベースに対する垂直度の低下が抑制されるため、ガイド部材のベースに対する垂直度の低下を抑制することができるようになる。また、基部に侵入した塵埃等の異物は、リブによって開口部に侵入することが抑制されるようになる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置において、前記ホルダにおいて、前記第1受部及び前記第2受部に対応する部位の少なくとも一方には、前記第1受部及び前記第2受部との接触を回避する接触回避部が設けられることを要旨とする。
【0021】
ホルダを第1受部及び第2受部と対応する位置に移動させるときに、ホルダの光軸方向の厚みによっては第1受部及び第2受部の少なくとも一方に接触してしまい、ホルダが第1受部及び第2受部に対応する位置に移動させることができない場合がある。その点において、本発明はホルダに接触回避部が設けられた構造であるため、第1受部及び第2受部と対応する位置への移動の際、第1受部及び第2受部に接触することが抑制されるようになる。したがって、第1受部及び第2受部の光軸方向の間にホルダを容易に移動することができるため、レンズ駆動装置の製造を容易に行うことができるようになる。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のレンズ駆動装置において、前記接触回避部は、前記ホルダの周方向において略等間隔に4つ設けられることを要旨とする。
例えば、接触回避部をホルダの周方向の一つに設けた場合には、同接触回避部を省略したホルダと比較して、ホルダの重心がレンズ中心から離れてしまい、ホルダが移動するときにホルダが設定光軸方向に対して傾いてしまう可能性がある。その点において、本発明では、ホルダの周方向の略等間隔に接触回避部を4つ設けるため、ホルダの重心がレンズ中心から離れることが抑制されるようになる。したがって、ホルダが移動するときにホルダが設定光軸方向に対して傾くことが抑制できるようになる。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のレンズ駆動装置において、前記接触回避部は、段形状にて設けられることを要旨とする。
この発明によれば、接触回避部を段形状とすることにより、この接触回避部を傾斜面として形成した場合と比較して、第1受部及び第2受部とホルダとの接触をより容易に回避することができるようになる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置を搭載したカメラモジュールであることを要旨とする。
この発明によれば、レンズ駆動装置を好適にカメラモジュールに適用することができるようになる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ガイド部材のベースに対する垂直度の低下を抑制したレンズ駆動装置、及びこれを備えたカメラモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係るレンズ駆動装置を具体化した一実施形態について、同レンズ駆動装置の分解斜視構造を示す斜視図。
【図2】同実施形態のレンズ駆動装置について、(a)ベースの斜視構造を示す斜視図、(b)(a)の断面線A−Aにて切った断面構造を示す断面図、(c)ベースの上面構造を示す平面図。
【図3】同実施形態のレンズ駆動装置について、(a)ホルダの上面構造を示す平面図、(b)ホルダの下面構造を示す斜視図。
【図4】同実施形態のレンズ駆動装置について、(a)〜(d)ベースにホルダを挿入する各状態の斜視構造を示す斜視図。
【図5】同実施形態のレンズ駆動装置について、(a)移動体がホームポジションに位置する状態の断面構造を示す断面図、(b)移動体がオンフォーカス位置に位置する状態の断面構造を示す断面図。
【図6】同実施形態のレンズ駆動装置を搭載したカメラモジュールの構成を示す模式図。
【図7】本発明に係るレンズ駆動装置を具体化したその他の実施形態について、ベースの断面構造を示す断面図。
【図8】本発明に係るレンズ駆動装置を具体化したその他の実施形態について、ベースの断面構造を示す断面図。
【図9】本発明に係るレンズ駆動装置を具体化したその他の実施形態について、ベースの断面構造を示す断面図。
【図10】本発明に係るレンズ駆動装置を具体化したその他の実施形態について、ベースの断面構造を示す断面図。
【図11】本発明に係るレンズ駆動装置を具体化したその他の実施形態について、ベースの斜視構造を示す斜視図。
【図12】本発明に係るレンズ駆動装置を具体化したその他の実施形態について、ベースの斜視構造を示す斜視図。
【図13】従来のレンズ駆動装置について、同レンズ駆動装置の断面構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1〜図6を参照して、本発明に係るレンズ駆動装置を携帯電話に搭載されるカメラのオートフォーカスに用いられるレンズ駆動装置として具体化した一実施形態について説明する。以降では、予め設定されたレンズの光軸に沿った方向を「光軸方向」といい、レンズの径方向を「径方向」といい、レンズを径方向から取り囲む方向を「周方向」という。また、レンズ駆動装置1の光軸方向において、ベース30が配置される側を「下方」とし、ケース40が配置される側を「上方」とする。そして、レンズ駆動装置1の径方向において、光軸に向かう側を「内方」とし、光軸から離れる側を「外方」とする。
【0028】
まず、図1を参照して、レンズ駆動装置1の全体構成について説明する。
図1に示すように、レンズ駆動装置1は、レンズ駆動装置1が搭載される機器に固定される固定体1Bに、この固定体1Bに対してレンズの光軸方向に移動可能な移動体1Aが収納されることにより構成されている。そして、レンズ駆動装置1は、移動体1Aの光軸方向の移動に伴いレンズが光軸方向に移動することにより、カメラのオートフォーカスを行っている。また、本実施形態のレンズ駆動装置1は、光軸方向の平面視において、約8.5mmの正方形に形成されており、レンズ駆動装置1の光軸方向の高さが、約3mmに形成されている。
【0029】
移動体1Aは、レンズ(不図示)を保持する円筒形状のレンズホルダRHと、平面視において略八角形のホルダ10と、板状の磁石20とにより構成されている。具体的には、ホルダ10の中央部において、同ホルダ10を光軸方向に貫通するとともに平面視において円形の貫通孔である開口部11にレンズホルダRHが固定されている。詳細には、開口部11に設けられたねじ部11aにレンズホルダRHが螺合されている。またホルダ10の径方向の外方には、互いに周方向に一定の距離を介して、磁石20が4個固定されている。また、これら磁石20は、ネオジウム磁石(Ne-Fe-B)が用いられている。
【0030】
固定体1Bは、レンズ駆動装置1の外枠を構成するベース30及びケース40と、ガイド部材である2つの円柱形状のシャフト50,51と、電流が印加されることにより磁場を形成するコイル60と、2つの長方形の板状の磁性板70,71とにより構成されている。
【0031】
具体的には、ベース30には、レンズ駆動装置1の外枠の下面を構成するとともに、平面視において中央部にレンズを露出するための開口部31aを有する正方形状の基部31が設けられている。この基部31の4隅には、基部31から光軸方向に沿って延設される支柱部32が設けられている。基部31の周縁を構成する各辺のうちの2箇所の中央位置には、2個の磁性板70,71が固定されている。
【0032】
支柱部32には、これら4つの支柱部32を周方向に取り囲むようにコイル60が巻き付けられている。このコイル60は、周方向の一方向に向かい巻回される第1コイル61と、この第1コイル61とは周方向に対して反対方向に向かい巻回される第2コイル62とから構成されている。
【0033】
ケース40には、レンズ駆動装置1の外枠の上面を構成するとともに、中央部に平面視において円形の開口部41aを有する正方形状の天板41が設けられている。この天板41の外周縁には、天板41から光軸方向の下方に向かい延びるとともにレンズ駆動装置1の外枠の側面を構成する側板42が設けられている。このケース40は、コイル60の径方向の外方を外囲するようにベース30に取り付けられる。
【0034】
次に、図2を参照して、ベース30の構造について説明する。本実施形態のベース30は、樹脂材料を射出成形することにより単一部材として構成されている。
図2(a)に示すように、ベース30の基部31の開口部31aの周縁には、光軸方向の上方に向かい突出する円環形状の突起部31bが設けられている。これにより、基部31に突起部31bが省略された構造と比較して、基部31の強度が向上するようになる。また突起部31bにより、基部31上に存在する塵埃等の異物が開口部31aに侵入することが抑制されるようになる。特に、基部31の上面に異物が存在した場合において、レンズ駆動装置1が携帯電話の傾きに伴い傾いたときには、異物は開口部31aに向かい移動しようとする場合がある。その点において、本実施形態では、突起部31bが設けられることにより、移動した異物はこの突起部31bに衝突するため、異物の開口部31aへの侵入が抑制されるようになる。
【0035】
支柱部32には、周方向に隣り合う支柱部32の全てをそれぞれ連結する上方連結部33及び下方連結部34が設けられている。上方連結部33は、支柱部32の光軸方向の上端同士を連結している。下方連結部34は、支柱部32の光軸方向の下端同士を連結している。そして下方連結部34は、基部31から光軸方向の上方に突出するように設けられている。
【0036】
4つの支柱部32のうちの一の支柱部32aの光軸方向の上端には、他の支柱部32の光軸方向の上端より径方向の内方に突出する上方突出部35(図2(c)中の破線より径方向の内側の部位)が設けられている。この上方突出部35は、支柱部32と上方連結部33とのそれぞれに連結している。この上方突出部35には、シャフト50を受ける支柱側シャフト受部36が設けられている。
【0037】
下方連結部34のうちの上方突出部35が設けられる位置に対応する下方連結部34a,34bには、それぞれ径方向に貫通する開口部34a1,34b1が設けられている。これら開口部34a1,34b1の周方向の両端は、支柱部32の周方向の端部と上方突出部35の周方向の端部とそれぞれ対応するように設けられている。これら開口部34a1,34b1により、ベース30を金型成形するときに、上方突出部35を成形するためのスライド式の金型を挿入することが可能となる。したがって、上方突出部35を成形するために金型成形後の切削加工等の追加工を行うことなく、ベース30を金型のみにて成形することができるようになる。
【0038】
支柱部32aとこの支柱部32aに対して光軸(即ち、円形の開口部31aの円中心)を介して対向する支柱部32bと対応する基部31の位置には、シャフト50,51を受ける基部側シャフト受部37,38(基部側シャフト受部38については図2(c)参照)がそれぞれ設けられている。基部側シャフト受部37と支柱側シャフト受部36とは径方向及び周方向において同位置となるように設けられている。支柱側シャフト受部36の中心C1と基部側シャフト受部37の中心C2とを結んだ直線L1は、光軸方向と平行となるように設けられている(図2(b)参照)。詳細には、支柱側シャフト受部36と基部側シャフト受部37とのそれぞれの周方向及び径方向の位置は、ベース30を成形する金型の精度にて規定されるようになる。したがって、支柱側シャフト受部36と基部側シャフト受部37とのそれぞれの周方向及び径方向の位置は、互いに高精度に一致するようになる。
【0039】
図2(b)に示すように、基部側シャフト受部37には、光軸方向に沿って貫通するとともに、平面視において円形孔である開口部37aが設けられている。この開口部37aの光軸方向の上端の周縁には、光軸方向の上方に突出する円環形状の突起部37bが設けられている。なお、開口部37aは、必ずしも基部31を光軸方向に沿って貫通する必要はなく、基部31を光軸方向に沿って貫通しない開口穴形状にて形成することもできる。
【0040】
支柱側シャフト受部36には、光軸方向に沿って貫通するとともに、平面視において円形孔である開口部36aが設けられている。この開口部36aの光軸方向の上端部には、光軸方向の上方に向かい拡径する傾斜形状にて構成された案内部36bが設けられている。
【0041】
シャフト50は、支柱側シャフト受部36及び基部側シャフト受部37の両方ともに圧入されることにより固定されている。具体的には、シャフト50における支柱側シャフト受部36に対応する位置の外周面50aは、支柱側シャフト受部36の内周面36cと全周に亘り接触するようになる。そしてシャフト50における基部側シャフト受部37に対応する位置の外周面50bは、基部側シャフト受部37の内周面37cと全周に亘り接触するようになる。ここで、案内部36bにより、作業者がシャフト50を開口部36aに圧入する作業を容易に行うことができるようになる。
【0042】
シャフト51は、基部側シャフト受部38のみに圧入されることにより固定されている。即ち、シャフト51における基部側シャフト受部38に対応する位置の外周面51aは、基部側シャフト受部38の内周面38aと全周に亘り接触するようになる(図2(c)参照)。
【0043】
また、支柱部32(支柱部32a)には、基部31から光軸方向の上方に向かう凹部32cが設けられている。これにより、支柱部32(支柱部32a)に凹部32cが省略された場合と比較して、支柱部32(支柱部32a)の厚さと基部31及び上方突出部35の厚さとの差を小さくなる。本実施形態では、支柱部32(支柱部32a)の径方向の厚さと上方突出部35の光軸方向の厚さとは互いに略等しくなるように形成されている。
【0044】
次に、図3を参照して、ホルダ10の構造及びホルダ10と磁性板70との関係について説明する。また、図3以降の移動体1Aでは、移動体1AのレンズホルダRHを省略して示している。本実施形態のホルダ10は、樹脂材料を射出成形することにより構成されている。
【0045】
図3(a)に示すように、ホルダ10の磁石20が配置される位置には、各磁石20を保持するための保持部12が設けられている。この保持部12は、光軸方向の上方を開口するとともに、ホルダ10の側面から径方向の内方に凹む凹形状として設けられている。保持部12の光軸方向の厚さD1は、ホルダ10の光軸方向の厚さD2よりも小さく形成されている(図3(b)参照)。保持部12に固定された磁石20の上面21は、ホルダ10の上面17と略面一となるように形成されている。これにより、磁石20の光軸方向の厚みが保持部12の光軸方向の厚さD1よりも小さく形成されるため、磁石20の光軸方向の厚さはホルダ10の厚さD2よりも小さく形成されている。
【0046】
ホルダ10における周方向に隣り合う磁石20の間には、シャフト50,51をそれぞれ挿通可能とする挿通部13,14がそれぞれ設けられている。
挿通部13は、ホルダ10を光軸方向に貫通するとともに、光軸方向の平面視において円形の貫通孔として設けられている。この挿通部13の内径R1は、シャフト50の外径と略同一となるように設けられている。
【0047】
挿通部14は、ホルダ10を光軸方向に貫通するとともに、光軸方向の平面視において長穴形状の貫通孔として設けられている。この挿通部14は、挿通部13及び挿通部14の各中心を結んだ対角線L2に沿った方向を長径R2として、対角線L2と直交する方向を短径R3として形成されている。また、挿通部14は、短径R3がシャフト51の外径と略同一となり、長径R2がシャフト51の外径よりも大きくなるように設けられている。これにより、挿通部14の長径R2に対応する内周面とシャフト51の外周面との間には、間隙が形成されるようになる。
【0048】
これにより、基部側シャフト受部37,38の各中心を結んだ直線の距離(第1距離)と、挿通部13,14の各中心を結んだ直線との距離(第2距離)とが互いに異なったとしても、挿通部14の長径R2とシャフト51とによる間隙により、上記第1距離と上記第2距離との差分を吸収するようになる。具体的には、基部側シャフト受部38の中心と挿通部14の中心とが上記差分だけ異なるようになる。しかしながら、挿通部14の長径R2とシャフト50とによる間隙により、シャフト50と挿通部14の長径R2に対応する内周面とが接触することが抑制されるようになる。したがって、上記第1距離及び上記第2距離の差に起因して、シャフト50,51の垂直度が低下することを抑制することができるようになる。
【0049】
図3(b)に示すように、ベース30の支柱部32に対応するホルダ10の4隅には、その光軸方向の下面15において光軸方向の上方に向けて段形状となる接触回避部16がそれぞれ設けられている。即ち、接触回避部16を構成する下面16aは、ホルダ10の下面15よりも光軸方向の上方に位置するように形成されている。
【0050】
また、各接触回避部16は、それぞれ同一形状として設けられている。これら接触回避部16は、ホルダ10の周方向において略等間隔に設けられている。以上により、接触回避部16を形成することにより、ホルダ10の重量バランスが崩れることを抑制することができるようになる。
【0051】
ここで、接触回避部16が傾斜形状にて形成される場合、接触回避部16の傾斜角度が小さい場合には接触回避部16によるホルダ10の光軸方向の厚みの減少の効果が低く、移動体1Aがベース30に収納する作業が困難となってしまう。一方、接触回避部16の傾斜角度が大きい場合には接触回避部16によるホルダ10の光軸方向の厚みが必要以上に減少してしまい磁石20を保持することが困難となってしまう。その点において、本実施形態では、接触回避部16を段形状とするため、ホルダ10の光軸方向の厚みの減少を最小限に抑えつつ、作業者がベース30にホルダ10を挿入する作業を容易に行うことができるようになる。
【0052】
また、各接触回避部16は、同接触回避部16と周方向に隣接する磁石20と光軸方向に重なる部位を有している。そして、接触回避部16は、ホルダ10の厚さD2と保持部12の厚さD1との差(D2−D1)にて段形状に形成されている。このように各接触回避部16を形成することにより、磁石20の周方向の幅をホルダ10の周方向の幅と略同一まで形成したとしても、移動体1Aの光軸方向の厚みを実質的に減少させることができるようになる。
【0053】
接触回避部16は、ホルダ10の4隅の下面15の径方向の外方の端部から径方向の内方に向かい延設されている。この接触回避部16は、開口部11よりも径方向の外方に位置する。即ち、開口部11の光軸方向の厚さは、ホルダ10の4隅の光軸方向の厚さよりも厚く形成されるようになる。
【0054】
次に移動体1Aと磁性板70との配置関係について説明する。
図3(a)に示すように、移動体1Aのホルダ10の挿通部13,14には、シャフト50,51がそれぞれ挿入されている。そして、磁性板70,71は、挿通部13,14によって形成された対角線L2を中心線として、この中心線の片側のみに配置されている。これら2個の磁性板70は、各磁性板70に径方向に対向する磁石20の中央位置にそれぞれ配置されている。
【0055】
ここで、磁性板70とこの磁性板70に径方向に対向する磁石20とによって発生する磁石20の径方向の外側への引力F1の方向と、磁性板71とこの磁性板71に径方向に対向する磁石20とによって発生する磁石20の径方向の外側への引力F2の方向とは、互いに直交している。そして、引力F1と引力F2との合力F3の方向は、対角線L2に対して垂直方向に働く。
【0056】
この合力F3により、移動体1Aが合力F3の方向に引っ張られるため、挿通部13,14を構成する内周面とシャフト50,51とは、常に接触した状態に維持されている。即ち、これら2個の磁石20と、これら磁石20に径方向に対向する磁性板70,71とにより、移動体1A(ホルダ10)を径方向の一方向である対角線L2に対して垂直方向に付勢する付勢手段を構成している。この付勢手段により、ホルダ10の挿通部13,14を構成する内周面とシャフト50,51とが圧接された状態を維持している。そして、移動体1Aが光軸方向に移動する際、挿通部13,14を構成する内周面とシャフト50,51とが摺動することにより、移動体1Aはシャフト50,51にガイドされる。
【0057】
次に、図4を参照して、ベース30に移動体1Aを取り付ける構成について説明する。なお、図4では移動体1Aにおいて磁石20を省略して示している。
図4(a)に示すように、移動体1Aを光軸方向に対して略45度傾斜させた状態とし、図4(b)に示すように、支柱部32aの上方突出部35と基部31との光軸方向の間に移動体1Aの4隅のうちの一の隅の上部を挿入する。そして、図4(c)に示すように、移動体1Aの傾斜角度を徐々に減少させることにより、移動体1Aの上記隅の下部を上方突出部35と基部31との光軸方向の間に挿入させていく。これにより、図4(d)に示すように、ベース30内に移動体1Aが収納されるようになる。
【0058】
次いで、ベース30内に移動体1Aが収納された状態において、シャフト50(図1参照)を支柱側シャフト受部36及び基部側シャフト受部37に固定し、シャフト51(図1参照)を基部側シャフト受部38に固定する。この際、シャフト50,51は、ホルダ10の挿通部13,14をそれぞれ挿通するようになる。以上により、移動体1Aは、ベース30に取り付けられる。
【0059】
ここで、図4(b)のように移動体1Aを傾斜させた状態にて、上方突出部35と基部31との光軸方向の間に移動体1Aを挿入したとき、ホルダ10に接触回避部16が設けられているため、移動体1Aの上記挿入する作業を容易に行うことができるようになる。具体的には、接触回避部16により、上方突出部35と対応するホルダ10の部位の光軸方向の厚みが他の部位と比較して薄く形成されるようになる。そして、接触回避部16をホルダ10の下面15側に設けることにより、この下面15に対向するホルダ10が開口部31aの突起部31bと基部側シャフト受部37の突起部37bとの接触を回避することができるようになる。
【0060】
この接触回避部16は、ホルダ10の隅の径方向の外方の端部まで形成されている。したがって、移動体1Aを傾斜したときに最も基部31に近接するホルダ10の部位に接触回避部16が設けられることとなるため、上記突起部31bと突起部37bとの接触をより確実に回避することができるようになる。
【0061】
また、図4(b)では、ホルダ10の開口部11の周縁が基部31の開口部31aよりも径方向の外方に位置するまで挿入する。そして、図4(c)のように移動体1Aを徐々に傾きを減少させていくことにより、上記開口部11が開口部31aに接触することを回避しつつ、開口部11が開口部31aよりも径方向の外方に配置されるようになる。
【0062】
また、図4(d)のようにベース30内に移動体1Aが収納された状態において、基部31の開口部31aの周縁に設けられた突起部31bの径方向の外方から外囲するように、ホルダ10の開口部11が配置されるようになる。即ち突起部31bは、開口部11の内部に収納される構成となる。具体的には、ホルダ10の開口部11のねじ部11aより光軸方向の下方の円筒部11bの内周面と突起部31bの外周面とが互いに近接するように配置されている。これにより、突起部31bと開口部11との径方向の間に形成される間隙により、レンズ駆動装置1内に存在する塵埃等の異物が、上記間隙を介して開口部31aに侵入することが抑制されるようになる。これにより、異物が開口部31aを介してレンズ駆動装置1よりも光軸方向の下方に侵入することが抑制されるようになる。
【0063】
ところで、接触回避部16がホルダ10の上面に形成された構成も考えられる。この構成によれば、接触回避部16はホルダ10の上面よりも光軸方向の下方に位置するようになる。これにより、上方突出部35と基部31との光軸方向の間にホルダ10を挿入することは可能となる。しかしながら、ホルダ10の上面と磁石20の上面とが面一であるため、ホルダ10の上面に接触回避部16を設けたとしても、磁石20と上方突出部35とが接触する場合がある。具体的には、移動体1Aがベース30に収納された状態において、上方突出部35と磁石20とは光軸方向に重なる部分を有する。これにより、接触回避部16を設けたとしても、磁石20が設けられる移動体1Aの部位は実質的に移動体1Aの光軸方向の厚みが減少されていないこととなる。その結果、移動体1Aをベース30に収納するときに、磁石20と上方突出部35とが接触してしまう可能性がある。したがって、作業者が、移動体1Aをベース30に収納する作業が困難となってしまう。
【0064】
その点において、本実施形態では、接触回避部16がホルダ10の下面15側に設けられるため、磁石20と上方突出部35との接触を考慮することなく、移動体1Aをベース30に収納することができる。具体的には、ホルダ10の下面15に対して磁石20の下面は光軸方向の上方に位置している。本実施形態では、ホルダ10の下面15と磁石20の下面との光軸方向の間のホルダ10の部位に接触回避部16を設けるため、移動体1Aの上方突出部35と光軸方向に重なる部位の光軸方向の厚みを低減することができるようになる。したがって、移動体1Aがベース30に容易に収納されるようになる。
【0065】
また、シャフト51の基部31に対する垂直度を向上させるために、支柱部32aと支柱部32bとの両方ともに支柱側シャフト受部及び基部側シャフト受部が設けられる構成が考えられる。これにより、シャフト51もシャフト50と同等の上記垂直度を得ることができるようになる。
【0066】
しかしながら、上記構成では、ホルダ10をベース30内に収納する作業が困難となる。具体的には、支柱部32a及び支柱部32bの両方ともに支柱側シャフト受部及び基部側シャフト受部が設けられる構成である場合、図4に示すように移動体1Aを光軸方向に対して傾斜させた状態にて支柱側シャフト受部及び基部側シャフト受部(基部)との間に挿入しなければならない。しかしながら、例えば支柱部32a側に移動体1Aを挿入するために移動体1Aを光軸方向に対して傾斜させたとすると、支柱部32b側では移動体1Aを挿入するように移動体1Aを光軸方向に対して傾斜させることができない。したがって、ホルダ10を支柱部32b側の支柱側シャフト受部及び基部側シャフト受部の間に挿入することができない。
【0067】
その点において、本実施形態では、支柱側シャフト受部36と基部側シャフト受部37との両方が設けられる構成が支柱部32aのみに設けられているため、即ち支柱部32b側には上方突出部が省略されているため、支柱部32b側では、移動体1Aを上方突出部と基部との光軸方向の間に挿入する必要がなくなる。したがって、支柱部32aの支柱側シャフト受部36と基部側シャフト受部37との間に移動体1Aを挿入するために移動体1Aを光軸方向に対して傾斜した後に、その傾斜角度を減少させることにより、ベース30内に移動体1Aを収納することができるようになる。
【0068】
次に、図5を参照して、レンズ駆動装置1の駆動動作について説明する。図5中の一点鎖線は、光軸方向を示す。
図5(a)では、移動体1Aは、ホームポジションに位置している。具体的には、移動体1Aのホルダ10の下面が、ベース30の基部31の上面と接触している。移動体1Aがホームポジションに位置しているとき、コイル60には、電流が印加されていない。
【0069】
そして、コイル60に図5(a)に示す電流が印加されると、移動体1Aは、図5(b)に示す位置まで移動する。具体的には、コイル60の周囲に磁場が発生する。そして、これら磁場と磁石20とにより磁気回路が形成されて、移動体1Aを光軸方向の上側に向かい移動させる力が発生する。そして、移動体1Aは、図5(a)に示すホームポジションから光軸方向の上側に向かい図5(b)の位置まで移動する。
【0070】
一方、コイル60に図5(a)に示す向きとは逆向きの電流が印加された場合、この磁場と磁石20とにより磁気回路が形成されて、移動体1Aを光軸方向の下側に向かい移動させる力が発生する。即ち、移動体1Aは、図5(b)の位置からホームポジションに向かい移動する。ここで、図5(a)中のコイル60に付されたマークについて、円に黒点のマークは、図面参照者に向かってくる方向を示し、円にバツのマークは、図面参照者から遠ざかる方向を示す。
【0071】
以上のように、移動体1Aを光軸方向の上方及び下方に移動させながら、レンズをオンフォーカス位置に移動させる。このとき、磁性板70,71とこれら磁性板70,71と径方向に対向する磁石20との間に生じる磁力により、移動体1Aは、シャフト50,51に対して摺動する。このため、移動体1Aを鉛直方向に動かす場合にも、重力の影響を受けにくくなる。また、レンズをオンフォーカス位置に移動させた後に、コイル60への電流の印加を遮断しても、上記の磁石20と磁性板70,71との間の磁力により、移動体1Aはオンフォーカス位置に維持される。
【0072】
また、突起部31bの基部31からの光軸方向の高さH1は、移動体1Aの光軸方向の最大移動量(即ち、移動体1Aのホームポジションからケース40の天板41に移動体1Aが当接するまでの光軸方向の移動距離)と略同等もしくはそれ以上となるように設定されている。
【0073】
上述の突起部31bと移動体1Aの移動量の関係により、移動体1Aがオンフォーカス位置に移動したとき、基部31の突起部31b(図4参照)とホルダ10の円筒部11b(図4参照)とが径方向に重なるようになる。したがって、移動体1Aがオンフォーカス位置に移動したときにも、異物が基部31の開口部31aから光軸方向の下方に侵入することを抑制することができるようになる。
【0074】
次に、図6を参照して、本実施形態のレンズ駆動装置1をカメラに搭載する場合のカメラモジュールの構成について説明する。
図6に示すように、レンズ駆動装置1のベース30側には、フィルタ2とイメージセンサ3とが配置されている。即ち、ベース30の光軸方向の下方には、フィルタ2とイメージセンサ3とが配置されている。ベース30には、位置検出素子としてホール素子4が配置される。そして、ホール素子4からの信号に基づいて、移動体1Aの位置検出が行われる。
【0075】
フォーカス動作時、CPU(Central Processing Unit)5は、ドライバ6を制御して、移動体1Aをホームポジションから予め設定された位置まで光軸方向の上方に移動させる。このとき、ホール素子4からの位置検出信号がCPU5に入力される。同時に、CPU5は、イメージセンサ3から入力される信号を処理して撮像画像のコンストラスト値を取得する。そして、このコンストラスト値が最良となる移動体1Aの位置をオンフォーカス位置として取得する。
【0076】
その後、CPU5は、オンフォーカス位置に向けて移動体1Aを駆動する。その際、CPU5は、ホール素子4からの信号をモニタし、ホール素子4からの信号がオンフォーカス位置に対応する状態になるまで、移動体1Aを駆動する。これにより、移動体1Aがオンフォーカス位置に位置づけられる。
【0077】
本実施形態のレンズ駆動装置1によれば、以下に示す効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、ベース30の支柱部32aに設けられた支柱側シャフト受部36と基部31に設けられた基部側シャフト受部37とが単一部材として構成されている。この構成によれば、従来構造において問題となったカバーの成形誤差及びベースとカバーとの組立誤差を省略することができるようになる。したがって、従来構造と比較して、支柱側シャフト受部36と基部側シャフト受部37との周方向及び径方向の位置が高精度に一致するようになる。その結果、ベース30の基部31に対するシャフト50の垂直度の低下を抑制することができるようになる。これにより、支柱側シャフト受部36と基部側シャフト受部37とに固定されるシャフト50が光軸方向に対して傾斜することを抑制することができるようになる。
【0078】
(2)本実施形態では、支柱側シャフト受部36と基部側シャフト受部37との両方が設けられる構成が支柱部32aのみに設けられている。したがって、支柱部32aの支柱側シャフト受部36と基部側シャフト受部37との間に移動体1Aを挿入するために移動体1Aを光軸方向に対して傾斜した後に、その傾斜角度を減少させることにより、ベース30内に移動体1Aを収納することができるようになる。その結果、作業者がベース30に移動体1Aを収納する作業を容易に行うことができるようになる。
【0079】
(3)本実施形態では、上方突出部35によって支柱側シャフト受部36が支柱部32aに一体に設けられる構成である。ここで、支柱部32aと支柱側シャフト受部36とが別体に設けられる構成とした場合、支柱側シャフト受部を支持するための支持部が別途必要となる。この支持部が支柱部よりも径方向の内方に設けられる場合には、支持部のスペースを確保するためにベース30を径方向に拡大する構成としなければならない。
【0080】
その点において、本実施形態では、支柱部32aに支柱側シャフト受部36が一体に設けられるため、支柱部32aが支持部を兼ねる構成とすることができる。したがって、支持部を省略することができるため、支持部が設けられるベースと比較して、ベース30の径方向の小型化を図ることができるようになる。
【0081】
(4)本実施形態では、支柱側シャフト受部36の内周面及び基部側シャフト受部37の内周面とこれら内周面にそれぞれ対応するシャフト50の外周面とは互いに全周に亘り接触する構成である。したがって、支柱側シャフト受部の内周面及び基部側シャフト受部の内周面とこれら内周面に対応するシャフトの外周面とが接触しない構造、即ち支柱側シャフト受部及び基部側シャフト受部とシャフトとがスキマばめの構造と比較して、シャフト50の基部31に対する垂直度の低下を抑制することができるようになる。特に、支柱側シャフト受部36の内周面及び基部側シャフト受部37の内周面とこれら内周面にそれぞれ対応するシャフト50の外周面とが全周に亘り接触する構成であるため、これら内周面とシャフト50の外周面とが一部のみ接触する構成と比較して、シャフト50の基部31に対する垂直度の低下の抑制の効果をより一層向上させることができるようになる。
【0082】
(5)本実施形態では、支柱部32を周方向に互いに連結する上方連結部33が設けられる構成である。したがって、支柱部32にコイル60が巻き付けられるときにコイル60を巻き付ける力によって支柱部32が径方向の内方に倒れることが抑制されるようになる。これにより、支柱部32と一体に設けられた上方突出部35が光軸方向に対して倒れてしまうことが抑制されるようになる。その結果、上方突出部35に設けられた支柱側シャフト受部36が光軸方向に対して倒れることが抑制されるため、シャフト50の基部31に対する垂直度の低下を抑制することができるようになる。
【0083】
(6)本実施形態では、基部31の開口部31aの周縁に突起部31bが設けられる構成である。したがって、基部31の開口部31aの周縁の強度が向上するようになる。これにより、基部側シャフト受部37にシャフト50を圧入するときに基部31に加わる力による基部31の変形を抑制することができるようになる。その結果、シャフト50の基部31に対する垂直度の低下を抑制することができるようになる。また突起部31bにより、基部31上に存在する塵埃等の異物が開口部31aに侵入することが抑制されるようになる。したがって、異物が開口部31aを介してレンズ駆動装置1より光軸方向の下方に侵入することが抑制されるようになる。
【0084】
その上、突起部31bと開口部11との径方向の間に形成された間隙を介して、異物が開口部31aに侵入することが抑制されるようになる。以上により、突起部31bは、基部31の強度を向上すること、及び異物が開口部31aを介して基部31より光軸方向の下方に侵入することを抑制することの両方の効果を奏することができるようになる。
【0085】
また、突起部31bの高さH1が移動体1Aの光軸方向への最大移動量と略同等もしくはそれ以上に設定されているため、移動体1Aがホームポジション及びオンフォーカス位置の両方の場合において、異物が基部31の開口部31aを介して光軸方向の下方に侵入することが抑制されるようになる。
【0086】
(7)本実施形態では、ホルダ10の下面15には接触回避部16が設けられる構成である。したがって、作業者がベース30の上方突出部35と基部31との光軸方向の間にホルダ10を挿入する作業を容易に行うことができるようになる。
【0087】
(8)本実施形態では、接触回避部16はホルダ10の4隅の全てに設けられる構成である。したがって、接触回避部16をホルダ10の4隅のうちの1つもしくは周方向に隣り合う2つに設けられた構成と比較して、ホルダ10の重量バランスの低減を抑制することができる。即ち、ホルダ10の重心がレンズの光軸と一致するようになる。その結果、ホルダ10が光軸方向に移動するときに、ホルダ10が光軸方向に対して傾くことが抑制されるようになる。
【0088】
(9)本実施形態では、接触回避部16が段形状に設けられる構成である。したがって、接触回避部16が傾斜形状と比較して、ホルダ10の光軸方向の厚みの調整の自由度を向上させることができる。その結果、ホルダ10の光軸方向の厚みの減少を最小限に抑えつつ、作業者がベース30にホルダ10を挿入する作業を容易に行うことができるようになる。
【0089】
(10)本実施形態では、挿通部14の長径R2に対応する内周面とシャフト51の外周面との間には、間隙が形成される構成である。この構成によれば、基部側シャフト受部37,38の各中心を結んだ直線の距離(第1距離)と、挿通部13,14の各中心を結んだ直線との距離(第2距離)とが互いに異なったとしても、挿通部14の長径R2とシャフト50とによる間隙により、シャフト50と挿通部14の長径R2に対応する内周面とが接触することが抑制されるようになる。したがって、上記第1距離及び上記第2距離の差に起因して、シャフト50,51の垂直度が低下することを抑制することができるようになる。
【0090】
(11)本実施形態では、支柱側シャフト受部36が支柱部32aの上端に設けられ、基部31に基部側シャフト受部37が設けられる構成である。したがって、シャフト50を支持する光軸方向の距離が大きくなる。これにより、シャフト50の基部31に対する垂直度の低下を抑制することができるようになる。
【0091】
(12)本実施形態では、上方突出部35が支柱部32a及び上方連結部33の両方に対して一体に設けられている。即ち上方突出部35は支柱部32a及び上方連結部33の両方に接続される構成である。この構成によれば、上方突出部35は、同上方突出部35の光軸方向の上方から下方に向けて作用する力に対する強度が向上するようになる。したがって、上方突出部が支柱部のみと接続する構成及び上方突出部が上方連結部のみと接続する構成と比較して、開口部36aにシャフト50を圧入するときに上方突出部35に加わる力に対して、上方突出部35が変形することが抑制されるようになる。その結果、シャフト50のベース30に対する垂直度の低下を抑制することができるようになる。
【0092】
一方で、上方突出部35の上記強度を向上することを目的として、上方突出部の光軸方向の厚みを厚くする構成が考えられる。しかしながら、上方突出部の光軸方向の厚みが、他の部位の厚みと比較して大きく異なる場合には、ベース30の成形性が低下してしまう場合がある。特に、支柱部32(支柱部32a)のそれぞれに凹部32cが設けられるため、上方突出部35の光軸方向の厚みと支柱部32(支柱部32a)の径方向の厚みとは略等しくなる。したがって、上方突出部の光軸方向の厚みを大きくしてしまうと、支柱部32aの厚みとの差が大きくなり、ベース30の成形性が低下してしまう。その点において、本実施形態では、上方突出部35の光軸方向の厚みと他の部位の厚みとが大きく異なることはないため、ベース30の成形性の低下を抑制することができるようになる。
【0093】
(13)近年携帯電話の薄型化に加え、付加機能の増大に伴い、携帯電話内に配置される電子部品が増大している。そのため、各電子部品が配置されるスペースが減少するので、各電子部品には、小型化及び薄型化が要求されている。そこで、レンズ駆動装置1も同様に小型化及び薄型化が要求されている。そのため、レンズ駆動装置1の光軸方向も可能な限り薄型化して構成されている。これにより、シャフト50が光軸方向に対して傾いたときには、レンズ駆動装置が薄型化されていない構成と比較して、その傾きが及ぼす影響が増大してしまう。その点において、本実施形態では、支柱側シャフト受部36及び基部側シャフト受部37に圧入することによりシャフト50の傾きを抑制しているため、レンズ駆動装置1を薄型化してもシャフト50の傾きによる影響の増大を抑制することができるようになる。その結果、本実施形態のレンズ駆動装置1は、携帯電話に好適に適用することができるようになる。
【0094】
(その他の実施形態)
本発明のレンズ駆動装置及びこれを備えるカメラモジュールの具体的な構成は、上記実施形態に例示した構成に限定されることなく、例えば以下のように変更することもできる。また以下の変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0095】
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、ベース30の支柱部32aに上方突出部35が一体に設けられ、この上方突出部35に支柱側シャフト受部36が設けられる構成であったが、シャフト50を受ける構成はこれに限定されることはない。例えば、図7に示すように、支柱部32aとシャフト受部39とが別体の構成とすることもできる。この場合、シャフト受部39は、基部31に設けられた基部側シャフト受部39aと、基部31から光軸方向に沿って延びる支持部39bと、支持部39bの光軸方向の上端から径方向の内方に延びる支持部側シャフト受部39cとから構成される。この構成においても、上記実施形態の効果(1),(2),(4)〜(10)及び(13)に準じた効果を奏することができるようになる。
【0096】
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、支柱部32aの支柱側シャフト受部36が支柱部32aの光軸方向の上端に設けられる構成であったが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、図8に示すように、支柱側シャフト受部36は、上方突出部35を支柱部32aの上端よりも光軸方向の下方に設けることにより、支柱部32aの上端よりも光軸方向の下方に設けられる構成とすることもできる。この構成においても、上記実施形態の効果(1)〜(10),(12)及び(13)に準じた効果を奏することができるようになる。
【0097】
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、基部31に基部側シャフト受部37が設けられる構成であったが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、図9に示すように、支柱部32aに基部側シャフト受部37に相当するシャフト受部39dが設けられる構成とすることもできる。この構成においても、上記実施形態の効果(1)〜(10),(12)及び(13)に準じた効果を奏することができるようになる。
【0098】
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、シャフト50を固定する構成として支柱側シャフト受部36と基部側シャフト受部37との2つが設けられたが、本発明のシャフト50を固定する構成はこれに限定されることはない。シャフト50は、少なくとも2箇所にて固定される構成であればよい。したがって、支柱側シャフト受部36と基部側シャフト受部37との間に、別のシャフト受部が追加する構成とすることもできる。
【0099】
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、上方突出部35に設けられた支柱側シャフト受部36は、光軸方向の貫通孔として設けられたが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、図10に示すように、支柱側シャフト受部36は、貫通孔の周縁に上方突出部35から光軸方向の下方に向かい突出する突出部36dを設ける構成とすることもできる。この構成によれば、支柱側シャフト受部36がシャフト50を支持する面積を増大させることが可能となり、シャフト50の光軸方向に対する倒れを抑制することができるようになる。特に、磁性板70,71によりホルダ10がシャフト50に圧接されるため、シャフト50には常に力が加えられた状態となる。ここで、支柱側シャフト受部36及び基部側シャフト受部37とシャフト50との固定する力が弱いと、ホルダ10によるシャフト50への圧接によってシャフト50の基部31に対する垂直度が低下する場合がある。その点において、上述のように突出部36dを設けることにおり、支柱側シャフト受部36とシャフト50との固定する力を増大させることができるようになるため、シャフト50の基部31に対する垂直度の低下を抑制することができるようになる。
【0100】
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、支柱側シャフト受部36の開口部36aの形状が平面視において円形であり、基部側シャフト受部37の開口部37aの形状が平面視において円形であったが、これら開口部36a,37aの形状はこれに限定されることはない。シャフト50と開口部36a,37aとは互いに接触する部位を有する構成であればよい。したがって、例えば、開口部36a,37aの形状として、三角形または四角形等の多角形の形状とすることもできる。
【0101】
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、上方連結部33が周方向に隣り合う支柱部32の全てを連結する構成であったが、本発明の上方連結部33の構成はこれに限定されることはない。例えば、図11に示すように、上方連結部33は、支柱部32aの周方向の両側に隣り合う支柱部32のそれぞれを連結する構成とすることもできる。また、図12に示すように、上方連結部33は、支柱部32aの周方向の一方に隣り合う支柱部32を連結する構成とすることもできる。
【0102】
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、ホルダ10の接触回避部16を段形状に形成する構成であったが、本発明の接触回避部16の構成はこれに限定されることはない。ホルダ10をベース30の支柱部32aの上方突出部35と基部31との間に挿入するときに、ホルダ10を挿入しやすい構成であればよい。したがって、例えば、接触回避部16を径方向の外方に向かい光軸方向の上方に傾斜する傾斜部として設けることもできる。
【0103】
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、接触回避部16をホルダ10の4隅に設ける構成であったが、本発明の接触回避部16の数はこれに限定されることはない。上述のように、ホルダ10をベース30に挿入しやすい構成であればよい。したがって、接触回避部16は、ベース30の上方突出部35に対応するホルダ10の部位のみに形成することもできる。
【0104】
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、接触回避部16をホルダ10の下面15にのみ設けたが、接触回避部16を設ける場所はこれに限定されることはない。例えば、接触回避部16はホルダ10の上面17に設けることもできる。この場合、ホルダ10の保持部12は光軸方向の下方に開口し、磁石20がホルダ10の下面15と面一となる構成とすることが望ましい。また、接触回避部16をホルダ10の上面17及び下面15の両方に設けることもできる。この場合、ホルダ10の保持部12は径方向の外方のみ開口する構成であることが望ましい。
【0105】
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、ベース30の支柱側シャフト受部36と基部側シャフト受部37にシャフト50を圧入することにより固定したが、本発明のシャフト50と支柱側シャフト受部36及び基部側シャフト受部37との固定構造はこれに限定されることはない。例えば、支柱側シャフト受部36と基部側シャフト受部37とにシャフト50を圧入することに加え、接着剤を塗布する構造とすることもできる。これにより、本実施形態の効果(4)に準じた効果を奏することができるようになる。また、支柱側シャフト受部36と基部側シャフト受部37とにシャフト50を圧入ではなく挿入することに加え、接着剤を塗布する構造とすることもできる。
【0106】
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、接触回避部16がホルダ10の厚みD2と保持部12の厚みD1との差(D2−D1)にて段形状に形成される構成であったが、接触回避部16はこれに限定されることはない。接触回避部16は、ホルダ10の厚みD2と保持部12の厚みD1との差(D2−D1)の範囲内において段形状に形成することもできる。
【0107】
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、携帯電話に搭載されるカメラモジュールに適用されたが、本発明の適用範囲はこれに限定されることはない。例えば、他の携帯機器に搭載されたカメラモジュールに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0108】
1…レンズ駆動装置、1A…移動体、1B…固定体、2…フィルタ、3…イメージセンサ、4…ホール素子、5…CPU、6…ドライバ、10…ホルダ、11…開口部、11a…ねじ部、11b…円筒部、12…保持部、13…挿通部、14…挿通部、15…下面、16…接触回避部、16a…下面、17…上面、20…磁石、30…ベース、31…基部、31a…開口部、31b…突起部(リブ)、32…支柱部、32a…支柱部、32b…支柱部、33…上方連結部(連結部)、34…下方連結部(連結部)、34a…下方連結部、34a1…開口部、34b…下方連結部、34b1…開口部、35…上方突出部、36…支柱側シャフト受部(第1受部)、36a…開口部、36b…案内部、36c…内周面(内面)、36d…突出部、37…基部側シャフト受部(第2受部)、37a…開口部、37b…突起部、37c…内周面(内面)、38…基部側シャフト受部、38a…内周面、39…シャフト受部、39a…基部側シャフト受部(第2受部)、39b…支持部、39c…支持部側シャフト受部(第1受部)、39d…シャフト受部(第2受部)、40…ケース、41…天板、41a…開口部、42…側板、50…シャフト(ガイド部材)、50a…外周面(外面)、50b…外周面(外面)、51…シャフト(ガイド部材)、51a…外周面、60…コイル、61…第1コイル、62…第2コイル、70,71…磁性板、RH…レンズホルダ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを露出する開口穴が設けられた基部を有するベースと、前記レンズを保持するとともに前記ベースに対して前記レンズの光軸方向に移動可能であるホルダと、前記ベースに前記光軸方向に沿って設けられるとともに前記ホルダの前記光軸方向の移動をガイドするガイド部材とを備えるレンズ駆動装置において、
前記ベースには、前記ガイド部材の前記光軸方向の一方側を受ける第1受部と、前記ガイド部材の前記光軸方向の他方側を受ける第2受部とが設けられ、
前記第1受部と前記第2受部とは、単一部材として構成される
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレンズ駆動装置において、
前記ガイド部材は、前記光軸方向を中心としてレンズの径方向に向かう対角線上に2つ設けられ、
前記第1受部及び前記第2受部の両方は、前記ガイド部材のうちの一つのガイド部材が配置される前記ベースの部位のみに設けられる
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置において、
前記基部には、前記レンズの周方向に離間するとともに前記光軸方向に向かい延びる複数の支柱部が設けられ、
前記支柱部には、前記ホルダの前記光軸方向の移動を行うためのコイルが巻回され、
前記第2受部は、前記基部に設けられ、
前記第1受部は、前記光軸方向において前記基部と離間した前記支柱部の部位に設けられる
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項4】
請求項3に記載のレンズ駆動装置において、
前記第1受部の内面とこの内面に対応する前記ガイド部材の外面、及び前記第2受部の内面とこの内面に対応する前記ガイド部材の外面は、それぞれ互いに接触する部位を有する
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項5】
請求項4に記載のレンズ駆動装置において、
前記周方向に隣り合う前記支柱部には、前記周方向に互いを連結する連結部が設けられる
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載のレンズ駆動装置において、
前記基部には、前記レンズを露出するための開口部が設けられ、
前記開口部の周縁には、前記光軸方向に向かい延びるリブが設けられる
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置において、
前記ホルダにおいて、前記第1受部及び前記第2受部に対応する部位の少なくとも一方には、前記第1受部及び前記第2受部との接触を回避する接触回避部が設けられる
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項8】
請求項7に記載のレンズ駆動装置において、
前記接触回避部は、前記ホルダの周方向において略等間隔に4つ設けられる
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項9】
請求項8に記載のレンズ駆動装置において、
前記接触回避部は、段形状にて設けられる
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置を搭載したことを特徴とするカメラモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−194199(P2012−194199A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175547(P2009−175547)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】